特許第6843669号(P6843669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6843669医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843669
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20210308BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20210308BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   A61B6/03 377
   A61B6/03 360P
   G06T1/00 290
   A61B5/055 380
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-62643(P2017-62643)
(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公開番号】特開2018-164533(P2018-164533A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2019年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松江 健治
(72)【発明者】
【氏名】柳田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】森島 大静
【審査官】 井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−171867(JP,A)
【文献】 特開2016−064073(JP,A)
【文献】 特開2012−075794(JP,A)
【文献】 特開2005−012248(JP,A)
【文献】 特開2004−005364(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/053319(WO,A1)
【文献】 特開2008−148932(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/169344(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0254904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
A61B 5/055
A61B 8/00−8/15
G01T 1/161−1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部から、複数の画像種に属する複数の医用画像と、異なる画像種からなる複数通りの組み合わせに対応する複数の位置合わせ精度とを取得する取得手段と、
前記複数通りの組み合わせから、前記複数の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する選択手段と、
前記取得した複数の医用画像のうち、前記所定の組み合わせに対応する画像種に属する複数の医用画像を抽出し、前記抽出した複数の医用画像の位置合わせを行い、前記位置合わせ後の各医用画像と、前記各医用画像と同一の画像種に属する他の医用画像との位置合わせを行う位置合わせ手段と、
を有する医用画像処理装置。
【請求項2】
前記位置合わせ手段は、前記所定の組み合わせに対応する画像種に属する複数の医用画像として、異なるモダリティ種に属する複数の医用画像を抽出する
請求項に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記複数の位置合わせ精度を表示部に表示させ、入力部からの指示に応じて前記所定の組み合わせを選択する、
請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記複数の位置合わせ精度のうち最大のものを前記所定の組み合わせとして選択する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記画像種は、少なくともモダリティ種を含む、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記画像種は、前記モダリティ種及び撮像条件を含み、前記取得した複数の医用画像は、異なるモダリティ種に属する複数の医用画像と、同一のモダリティ種で異なる撮像条件に属する複数の医用画像とを含む、
請求項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記撮像条件は、前記モダリティ種と、前記撮像条件としての撮像プロトコル及びX線条件とを含み、前記取得した複数の医用画像は、同一のモダリティ種かつ同一の撮像プロトコルで異なるX線条件に属する複数の医用画像を含む、
請求項に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記画像種の組み合わせと前記位置合わせ精度とを対応付けた対応表を予め記憶する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記記憶部に記憶された前記対応表の位置合わせ精度を更新する、
請求項に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記対応表として、患者の属性に応じた複数の対応表を予め記憶する、
請求項又はに記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
制御部及び記憶部を備えた装置を用いた医用画像処理方法であって、
前記制御部は、
前記記憶部から、複数の画像種に属する複数の医用画像と、異なる画像種からなる複数通りの組み合わせに対応する複数の位置合わせ精度とを取得し、
前記複数通りの組み合わせから、前記複数の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択
前記取得した複数の医用画像のうち、前記所定の組み合わせに対応する画像種に属する複数の医用画像を抽出し、
前記抽出した複数の医用画像の位置合わせを行い、
前記位置合わせ後の各医用画像と、前記各医用画像と同一の画像種に属する他の医用画像との位置合わせを行う、
医用画像処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
記憶部から、複数の画像種に属する複数の医用画像と、異なる画像種からなる複数通りの組み合わせに対応する複数の位置合わせ精度とを取得する機能と、
前記複数通りの組み合わせから、前記複数の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する機能と、
前記取得した複数の医用画像のうち、前記所定の組み合わせに対応する画像種に属する複数の医用画像を抽出する機能と、
前記抽出した複数の医用画像の位置合わせを行う機能と、
前記位置合わせ後の各医用画像と、前記各医用画像と同一の画像種に属する他の医用画像との位置合わせを行う機能と、
を実現させる医用画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像処理装置は、CT(Computed Tomography)及びMR(Magnetic Resonance)等のモダリティ種で生成された医用画像を適切に画像処理して表示することができる。医用画像処理装置は、読影者により複数の医用画像が比較読影される際、単一のモダリティ種で複数の撮像条件(例えば、非造影及び造影等)でそれぞれ取得された複数の医用画像を表示する場合がある。その場合、医用画像処理装置は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)情報に含まれる座標情報を用いて、複数の医用画像の位置合わせを行うことができる。単一のモダリティ種で生成される複数の医用画像は、一般的には同一検査(スタディ)で生成されるので、天板上の患者の位置がほぼ同じものと考えることができるからである。
【0003】
また、DICOM情報に含まれる座標情報を用いて単純に医用画像の位置合わせを行うことができない場合がある。その場合とは、例えば、複数のモダリティ種でそれぞれ取得された複数の医用画像を表示する場合である。医用画像処理装置は、複数のモダリティ種でそれぞれ取得された複数の医用画像、例えば、CT画像及びMR画像を表示する場合、画像解析を行い解剖学的に同じ位置を特定する等により、CT画像とMR画像との位置合わせを行う。CT画像とMR画像とは、一般的には異なる検査で生成されるので、患者の体位や、Head_First及びFoot_Firstのうちどちらが採用されているか等の事情により天板上の患者の位置が異なるからである。
【0004】
ここで、複数のモダリティ種に関するものであり、各モダリティ種が複数の撮像条件でそれぞれ取得された複数の医用画像を、医用画像処理装置が表示する場合について考える。具体的には、モダリティ種「CT」の撮像条件「非造影」及び「造影」でそれぞれ取得されたCT・非造影画像及びCT・造影画像と、モダリティ種「MR」の撮像条件「T1」及び「T2」でそれぞれ取得されたMR・T1画像及びMR・T2画像とを、医用画像処理装置が表示する場合である。その場合、医用画像処理装置は、前述したようにDICOM情報に含まれる座標情報を用いて、CT・非造影画像及びCT・造影画像の位置合わせや、MR・T1画像及びMR・T2画像の位置合わせをそれぞれ行うことができる。
【0005】
しかし、複数のモダリティ種間の位置合わせは上述したように画像解析よって行われるが、位置合わせの対象が、CT・非造影画像及びMR・T1画像の組み合わせと、CT・非造影画像及びMR・T2画像の組み合わせと、CT・造影画像及びMR・T1画像の組み合わせと、CT・造影画像及びMR・T2画像の組み合わせと、の4通り考えられる。従って、医用画像処理装置は、その中から適切な組み合わせを位置合わせの対象として選択しなければならない。
【0006】
以上のように、複数のモダリティ種間の位置合わせは画像解析によって行われるので、どの組み合わせが位置合わせの対象として選択されるかによって位置合わせ精度が変わってくることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−063514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、複数通りの画像種の組み合わせから任意の組み合わせを効率的に選択できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態に係る医用画像処理装置は、記憶部から、複数の画像種に属する複数の医用画像と、前記複数の画像種に関する複数通りの組み合わせに対応する複数の位置合わせ精度とを取得する取得手段と、前記複数通りの組み合わせから、前記複数の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する選択手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る医用画像処理装置の構成例を示す概略図。
図2】本実施形態に係る医用画像処理装置の機能を示すブロック図。
図3】本実施形態に係る医用画像処理装置の動作をフローチャートとして示す図。
図4】本実施形態に係る医用画像処理装置において、記憶回路が予め記憶する対応表の一例を示す図。
図5】(A)は、本実施形態に係る医用画像処理装置において、m個の画像種に属するm個の医用画像の例を示す図、(B)は、本実施形態に係る医用画像処理装置において、m個の画像種に属するm個の医用画像セットの例を示す図。
図6】本実施形態に係る医用画像処理装置において、n通りの画像種の組み合わせから抽出されるr通りの組み合わせを説明するための概念図。
図7】本実施形態に係る医用画像処理装置において、図4の対応表から取得されたr通りの画像種の組み合わせと、対応するr個の位置合わせ精度とを表として示す図。
図8】(A),(B)は、本実施形態に係る医用画像処理装置において、図3のステップST7,ST8の位置合わせを説明するための概念図。
図9】本実施形態に係る医用画像処理装置において、比較読影を行う際の2個の医用画像の表示例を示す図。
図10】本実施形態に係る医用画像処理装置において、比較読影を行う際の2個の医用画像の表示例を示す図。
図11】本実施形態に係る医用画像処理装置において、図4に示す対応表の第1変形例を示す図。
図12】本実施形態に係る医用画像処理装置において、図4に示す対応表の第2変形例を示す図。
図13】本実施形態に係る医用画像処理装置において、図4に示す対応表の第3変形例を示す図。
図14】本実施形態に係る医用画像処理装置において、図4に示す対応表の第4変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る医用画像処理装置の構成例を示す概略図である。
【0013】
図1は、本実施形態に係る医用画像処理装置1を示す。医用画像処理装置1は、医用画像管理装置(画像サーバ)や、ワークステーションや、読影端末等であり、ネットワークを介して接続された医用画像システム上に設けられる。なお、医用画像処理装置1は、オフラインの装置であっても良い。
【0014】
医用画像処理装置1は、制御部(例えば、処理回路)11、記憶部(例えば、記憶回路)12、入力部(例えば、入力回路)13、表示部(例えば、ディスプレイ)14、及び通信部(例えば、通信制御回路)15を備える。
【0015】
処理回路11は、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)の他、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、及び、プログラマブル論理デバイス等の処理回路を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等の回路が挙げられる。処理回路11は、記憶回路12に記憶された、又は、処理回路11内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで後述する機能を実現する。
【0016】
また、処理回路11は、単一の処理回路によって構成されても良いし、複数の独立した処理回路の組み合わせによって構成されても良い。後者の場合、複数の記憶回路12が複数の処理回路の機能に対応するプログラムをそれぞれ記憶するものであっても良いし、1個の記憶回路12が複数の処理回路の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。
【0017】
記憶回路12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、及び光ディスク等によって構成される。記憶回路12は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアによって構成されても良い。記憶回路12は、処理回路11において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータや、画像データを記憶する。また、OSに、読影者等の操作者に対するディスプレイ14への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路13によって行うことができるGUI(Graphical User Interface)を含めることもできる。
【0018】
また、記憶回路12は、DICOM情報が付帯された各医用画像と、画像種の組み合わせと位置合わせ精度との関係を示す対応表(図4に図示)とを記憶する。
【0019】
入力回路13は、操作者によって操作が可能な入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは、入力デバイス自体も入力回路13に含まれるものとする。入力デバイスは、ポインティングデバイス(例えばマウス)、キーボード、及び各種ボタン等を含む。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路13はその操作に応じた入力信号を生成して処理回路11に出力する。なお、医用画像処理装置1は、入力デバイスがディスプレイ14と一体に構成されたタッチパネルを備えても良い。
【0020】
ディスプレイ14は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。ディスプレイ14は、処理回路11の制御に従って生成された断層画像や、影響度に関する情報が重畳された画像を表示する。
【0021】
通信制御回路15は、パラレル接続仕様やシリアル接続仕様に合わせたコネクタによって構成される。通信制御回路15は、各規格に応じた通信制御を行い、電話回線を通じてネットワークに接続することができる機能を有しており、これにより、医用画像処理装置1をネットワークに接続させることができる。
【0022】
図2は、医用画像処理装置1の機能を示すブロック図である。
【0023】
処理回路11がプログラムを実行することによって、医用画像処理装置1は、取得手段(例えば、取得機能)11A、選択手段(例えば、選択機能)11B、及び位置合わせ手段(例えば、位置合わせ機能)11Cとして機能する。なお、機能11A〜11Cの全部又は一部は、医用画像処理装置1にASIC等のハードウェアとして備えられるものであっても良い。
【0024】
取得機能11Aは、記憶回路12から、m(m=2,3,…)個の画像種に属するm個の医用画像を取得する機能を含む。その他の例として、取得機能11Aは、通信制御回路15を介して、医用画像処理装置1の外部の記憶回路(図示省略)からm個の医用画像を取得してもよい。画像種は、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータであるモダリティ種(スタディ種)を少なくとも含む。好適には、画像種は、モダリティ種の他、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータである撮像条件(シリーズ種)を含む。つまり、m個の画像種に属するm個の医用画像は、(1)異なるモダリティ種に属するm個の医用画像(例えば、CT画像及びMR画像)である場合や、(2)同一のモダリティ種で異なる撮像条件に属するm個の医用画像(例えば、CT・非造影画像及びCT・造影画像)である場合や、(3)それらの組み合わせであるm個の医用画像である場合等がある。以下、上記(3)の場合について説明する。
【0025】
なお、画像種は、モダリティ種及び撮像条件の他、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータを追加することができる。例えば、画像種は、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータである撮像部位及び撮像日時等の情報を含むことができる。
【0026】
また、取得機能11Aは、記憶回路12から、m個の画像種に関するn通りの組み合わせにそれぞれ対応するn個の位置合わせ精度を取得する機能を含む。その他の例として、取得機能11Aは、通信制御回路15を介して、医用画像処理装置1の外部の記憶回路(図示省略)からn個の位置合わせ精度を取得してもよい。ここで、nは、によって表される。
【0027】
選択機能11Bは、取得機能11Aによって取得されたn通りの画像種の組み合わせから、取得機能11Aによって取得されたn個の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する機能を含む。
【0028】
例えば、選択機能11Bは、取得機能11Aによって取得されたn個の位置合わせ精度と、それらn個の位置合わせ精度にそれぞれ対応するn通りの組み合わせとを対応付けてディスプレイ14に表示させ、操作者の操作により入力回路13から入力された指示に従って、所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する。その他の例として、選択機能11Bは、通信制御回路15を介してn個の位置合わせ精度とn通りの組み合わせとを対応付けて医用画像処理装置1の外部のディスプレイ(図示省略)に表示させ、操作者の操作により医用画像処理装置1の外部の入力回路(図示省略)から通信制御回路15を介して入力された指示に従って、所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する。又は、選択機能11Bは、取得機能11Aによって取得されたn個の位置合わせ精度の中から最大の位置合わせ精度を選択し、最大の位置合わせ精度に対応する組み合わせを所定の組み合わせとして選択する。
【0029】
位置合わせ機能11Cは、取得機能11Aによって取得された複数の医用画像のうち、選択機能11Bによって選択された所定の組み合わせに対応する2個の画像種に属する2個の医用画像を抽出する機能を含む。位置合わせ機能11Cは、抽出した2個の医用画像の位置合わせを行う機能を含む。
【0030】
なお、機能11A〜11Cの具体的な動作については、図3図10を用いて後述する。
【0031】
図3は、医用画像処理装置1の動作をフローチャートとして示す図である。
【0032】
まず、医用画像処理装置1の記憶回路12は、画像種の組み合わせと位置合わせ精度との関係を示す対応表を予め記憶する。
【0033】
図4は、医用画像処理装置1において、記憶回路12が予め記憶する対応表の一例を示す図である。
【0034】
図4は、5個の画像種に関する10通りの組み合わせのうち、6通りの組み合わせを示す。つまり、図4では、同一モダリティ種間の組み合わせについては省略されている。また、図4は、6通りの組み合わせにそれぞれ対応する位置合わせ精度(例えば、100点中のスコア)を示す。ここで、位置合わせ精度は、予め、画像解析により画像種が異なる複数の医用画像に関する位置合わせが行われ、位置合わせ後の2個の医用画像を比較することで、操作者により定量化されたものである。
【0035】
また、図4に示すように、画像種「CT・造影」と、画像種「MR・T1」との組み合わせには、位置合わせ精度「100」が対応付けられる。ここで、撮像条件「T1」とは、組織間の縦緩和時間(T1)の違いを強調したコントラストをもつ画像を収集するための撮像条件である。また、画像種「CT・非造影」と、画像種「MR・T2」との組み合わせには、位置合わせ精度「90」が対応付けられる。ここで、撮像条件「T2」とは、組織間の横緩和時間(T2)の違いを強調したコントラストをもつ画像を収集するための撮像条件である。また、画像種「CT・造影」と、画像種「MR・DWI(Diffusion Weighted Image)」との組み合わせには、位置合わせ精度「80」が対応付けられる。ここで、撮像条件「DWI」とは、拡散効果を強調した画像を収集するための撮像条件である。その他の組み合わせと位置合わせ精度との関係は図示するとおりである。
【0036】
なお、各組み合わせに対応する位置合わせ精度は、病院等の医療機関ごとに設定されていても良いし、操作者ごとに設定されていても良い。
【0037】
図3の説明に戻って、取得機能11Aは、読影者等の操作者により複数の医用画像が比較読影される際、記憶回路12に予め記憶されている所定の患者に関し、m個の画像種に属するm個の医用画像を取得する(ステップST1)。取得機能11Aは、DICOM情報に含まれる情報である所定の患者に係る患者ID(Identification)の他、DICOM情報に含まれる情報であるモダリティ種、撮像条件、撮像部位、及び撮像日時等により、医用画像の検索範囲を限定することができる。
【0038】
図5(A)は、医用画像処理装置1において、m個の画像種に属するm個の医用画像の例を示す図である。
【0039】
図5(A)は、所定の患者Aに関する4(m=4)個の画像種に属する4(m=4)個の医用画像を示す。4個の医用画像は、モダリティ種「CT」に相当する2個のCT画像と、モダリティ種「MR」に相当する2個のMR画像とを含む。
【0040】
また、2個のCT画像は、モダリティ種「CT」かつ撮像条件「非造影」である画像種「CT・非造影」によって取得されたCT・非造影画像と、モダリティ種「CT」かつ撮像条件「造影」である画像種「CT・造影」によって取得されたCT・造影画像とを含む。2個のMR画像は、モダリティ種「MR」かつ撮像条件「T1」である画像種「MR・T1」によって取得されたMR・T1画像と、モダリティ種「MR」かつ撮像条件「DWI」である画像種「MR・DWI」によって取得されたMR・DWI画像を含む。なお、ここでは、CT画像及びMR画像について説明するが、その場合に限定されるものではない。例えば、超音波装置で生成される超音波画像や、PET(Positron Emission Tomography)等の核医学装置で生成される核医学画像等であっても良い。
【0041】
なお、各画像種に属する医用画像は、図5(A)に示すように1個の場合に限定されるものではない。言い換えれば、画像種「CT・非造影」に1個のCT・非造影画像が存在し、画像種「CT・造影」に1個のCT・造影画像が存在し、画像種「MR・T1」に1個のMR・T1画像が存在し、画像種「MR・DWI」に1個のMR・DWI画像が存在する場合に限定されるものではない。複数の画像種の少なくとも1個の画像種に複数の医用画像が存在する場合であってもよい。その一例である図5(B)は、医用画像処理装置1において、m個の画像種に属するm個の医用画像セットの例を示す図である。
【0042】
図5(B)は、所定の患者Aに関する4(m=4)個の画像種に属する4(m=4)個の医用画像セットを示す。各医用画像セットは、複数の医用画像を複数のスライス画像として含む。以下、特に言及しない限り、図5(A)の場合について説明する。
【0043】
図3の説明に戻って、取得機能11Aは、ステップST1によって取得されたm個の画像種に関するn通りの組み合わせを取得する(ステップST2)。ここで、nは、によって表される。取得機能11Aは、ステップST2によって取得されたn通りの画像種の組み合わせから、r(r≦n)通りの組み合わせを抽出する(ステップST3)。rは、同一のモダリティ種に関する画像種の組み合わせを除外する場合に定められる。
【0044】
図6は、医用画像処理装置1において、n通りの画像種の組み合わせから抽出されるr通りの組み合わせを説明するための概念図である。
【0045】
図6は、4(m=4)個の画像種に関する6(n=6)通りの組み合わせを示す。また、同一のモダリティ種に関する画像種の組み合わせを除外するために、6通りの画像種の組み合わせから4(r=4)通りの組み合わせが抽出されている。なお、図4に示す対応表が同一のモダリティ種の組み合わせを含むものであれば、r=nの場合であっても良いことは言うまでもない。
【0046】
図3の説明に戻って、取得機能11Aは、記憶回路12に予め記憶されている対応表(図4に図示)から、ステップST3によって抽出されたr通りの画像種の組み合わせにそれぞれ対応するr個の位置合わせ精度を取得する(ステップST4)。
【0047】
図7は、医用画像処理装置1において、図4の対応表から取得されたr通りの画像種の組み合わせと、対応するr個の位置合わせ精度とを表として示す図である。
【0048】
図7は、所定の患者に関して図4に示す対応表から取得された4(r=4)通りの画像種の組み合わせを示す。図7は、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・T1」の組み合わせと、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせと、画像種「CT・非造影」及び画像種「MR・T1」の組み合わせと、画像種「CT・非造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせと、を示す。
【0049】
また、図7は、図4に示す対応表ののうち、モダリティ種「CT」及び「MR」間の4通りの組み合わせにそれぞれ対応する4個の位置合わせ精度を示す。具体的には、図7は、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・T1」の組み合わせに対応する位置合わせ精度「100」と、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせに対応する位置合わせ精度「80」と、画像種「CT・非造影」及び画像種「MR・T1」の組み合わせに対応する位置合わせ精度「70」と、画像種「CT・非造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせに対応する位置合わせ精度「50」と、を示す。
【0050】
図3の説明に戻って、選択機能11Bは、ステップST3によって抽出されたr通りの画像種の組み合わせから、ステップST4によって取得されたr個の位置合わせ精度のうち所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する(ステップST5)。
【0051】
例えば、選択機能11Bは、ステップST5において、図7に示す表をディスプレイ14に表示させ、操作者の操作により入力回路13から入力された指示に従って、所定の位置合わせ精度に対応する所定の組み合わせを選択する。又は、選択機能11Bは、図7に示す表の中から最大の位置合わせ精度を選択し、最大の位置合わせ精度に対応する画像種の組み合わせを所定の組み合わせとして選択する。
【0052】
位置合わせ機能11Cは、ステップST1によって取得されたm個の医用画像のうち、ステップST5によって選択された所定の組み合わせに対応する2個の医用画像を位置合わせ対象として抽出する(ステップST6)。位置合わせ機能11Cは、画像解析を行い解剖学的に同じ位置を特定する等により、ステップST6によって抽出された2個の医用画像の位置合わせを行う(ステップST7)。異なる検査で生成された2個の医用画像は、DICOM情報に含まれる座標情報を用いて単純に医用画像の位置合わせを行うことができないからである。
【0053】
位置合わせ機能11Cは、DICOM情報に含まれる座標情報を用いて、ステップST6によって抽出された各医用画像と同一のモダリティ種に係る医用画像と、ステップST6によって抽出された各医用画像との位置合わせを行う(ステップST8)。同一モダリティ種で生成された医用画像同士は、同一検査で生成されているからである。
【0054】
図8(A),(B)は、医用画像処理装置1において、図3のステップST7,ST8の位置合わせを説明するための概念図である。なお、図8(A)は、図5(A)に基づくものであり、図8(B)は、図5(B)に基づくものである。
【0055】
図7に基づき、最大の位置合わせ精度である画像種「CT・造影」及び画像種「MR・T1」の組み合わせが選択されたものとする。その場合、位置合わせ機能11Cは、図8(A)に示すように、画像種「CT・造影」に対応するCT・造影画像と、画像種「MR・T1」に対応するMR・T1画像とで位置合わせを行う(図3に示すステップST7)。
【0056】
また、位置合わせ機能11Cは、図8(A)に示すように、位置合わせ後のCT・造影画像と、画像種「CT・非造影」に対応するCT・非造影画像とで位置合わせを行う(図3に示すステップST8)。さらに、位置合わせ機能11Cは、図8(A)に示すように、位置合わせ後のMR・T1画像と、画像種「MR・DWI」に対応するMR・DWI画像とで位置合わせを行う(図3に示すステップST8)。
【0057】
なお、図5(A)ではなく図5(B)が採用される場合、即ち、画像種「CT・造影」に複数のCT・造影画像が存在し、画像種「MR・T1」に複数のMR・T1画像が存在する場合、位置合わせ機能11Cは、図8(B)に示すように、複数のCT・造影画像の中から選択された画像と、図8(B)に示すように、複数のMR・T1画像との間で位置合わせを行う(図3に示すステップST7)。つまり、位置合わせ機能11Cは、複数のCT・造影画像の中から選択された画像が、複数のMR・T1画像の中のいずれとマッチするかの判断を画像解析により行う。その結果、位置合わせ機能11Cは、複数のCT・造影画像と、複数のMR・T1画像との位置合わせを行うことができる。
【0058】
又は、図5(B)が採用される場合の位置合わせ機能11Cは、図8(B)に示す複数のCT・造影画像の中から選択された画像と、図8(B)に示す複数のMR・T1画像に基づくボリュームデータ(以下、「MR・T1ボリュームデータ」という。)から生成され、選択画像とほぼ平行断面の複数のMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像との間で位置合わせを行う(図3に示すステップST7)。つまり、位置合わせ機能11Cは、複数のCT・造影画像の中から選択された画像が、複数のMPR画像のいずれとマッチするかの判断を画像解析により行う。その結果、複数のCT・造影画像は、MR・T1ボリュームデータと位置合わせされることになる。なお、位置合わせ機能11Cは、複数のCT・造影画像に基づくボリュームデータ(以下、「CT・造影ボリュームデータ」という。)と、複数のMR・T1画像との位置合わせを行っても良いし、CT・造影ボリュームデータと、MR・T1ボリュームデータとの位置合わせを行っても良い。
【0059】
図3の説明に戻って、位置合わせ機能11Cは、位置合わせ後の2個の医用画像をディスプレイ14に表示させる(ステップST9)。
【0060】
図9及び図10は、医用画像処理装置1において、比較読影を行う際の2個の医用画像の表示例を示す図である。
【0061】
図9は、比較読影を行う際の並列表示される、患者ID及び撮像部位が同一で撮像日時の異なるCT・造影画像とMR・T1画像とを示す。図10は、比較読影を行う際に重畳表示される、患者ID及び撮像部位が同一で撮像日時の異なるCT・造影画像とMR・T1画像とを示す。このように、高い位置合わせ精度により位置合わせが行われた医用画像を表示することにより、読影者の比較読影の効率及び正確性が向上する。
【0062】
また、図8(B)に示す場合、即ち、画像種「CT・造影」に複数のCT・造影画像が存在し、画像種「MR・T1」に複数のMR・T1画像が存在する場合、位置合わせ機能11Cにより、複数のCT・造影画像とMR・T1ボリュームデータとの位置合わせが行われることが好適である。その場合、位置合わせ機能11Cは、位置合わせ後、複数のCT・造影画像から選択されたCT・造影画像と、MR・T1ボリュームデータに基づく、選択画像とほぼ同一断面のMPR画像とを並列又は重畳表示する。なお、位置合わせ機能11Cにより、CT・造影ボリュームデータと複数のMR・T1画像との位置合わせ、又は、CT・造影ボリュームデータとMR・T1ボリュームデータとの位置合わせが行われても良いことは言うまでもない。
【0063】
以上のように、医用画像処理装置1によれば、図5(A)(又は図5(B))に示す4(m=4)個の画像種に関する図7に示す4(r=4)個の組み合わせから、位置合わせ精度が高い組み合わせを効率的に選択できる。また、医用画像処理装置1によれば、図9及び図10に示すように、高い位置合わせ精度により位置合わせが行われた2個の医用画像を表示することにより、読影者の比較読影の効率及び正確性を向上させることができる。
【0064】
(第1の変形例)
記憶回路12に予め記憶される対応表は、図4に示す対応表に限定されるものではない。例えば、取得機能11Aは、入力回路13を介した読影者等の操作者からのフィードバックにより、対応表の位置合わせ精度を更新しても良い。その場合、各組み合わせに対応する位置合わせ精度は、病院等の医療機関ごとに更新されても良いし、操作者ごとに更新されていても良い。
【0065】
図11は、医用画像処理装置1において、図4に示す対応表の第1変形例を示す図である。
【0066】
図11に示すように、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせに対応する位置合わせ精度「80」が「95」に更新されている。これにより、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・DWI」の組み合わせに対応する位置合わせ精度の順位が1つ上がることになる。
【0067】
医用画像処理装置1の第1変形例によれば、前述の医用画像処理装置1の効果に加え、対応表の位置合わせ精度の更新により、現実の位置合わせ精度の変化に柔軟に対応できる。
【0068】
(第2の変形例)
記憶回路12に予め記憶される対応表は、図4に示す対応表に限定されるものではない。例えば、対応表において、画像種の撮像条件は、T1、T2、及びDWIの他、二次的な種別を含んでも良い。例えば、撮像条件は、cDWI(Computed DWI)等を含む。cDWIによって生成される画像は、計算拡散強調画像と呼ばれ、2つの異なるb値の2画像を解析処理することで、より高いb値の画像として推定されたものである。
【0069】
図12は、医用画像処理装置1において、図4に示す対応表の第2変形例を示す図である。
【0070】
図12に示すように、画像種「CT・造影」及び画像種「MR・cDWI(b=500)」の組み合わせに、位置合わせ精度「95」が対応付けされる。なお、cDWIの複数のb値にそれぞれ位置合わせ精度が対応付けされても良い。また、医用画像処理装置1によっては、cDWI画像の生成できない場合がある。その場合は、選択機能11Bは、撮像条件「cDWI」を含まない画像種の組み合わせを選択すれば良い。
【0071】
医用画像処理装置1の第2変形例によれば、前述の医用画像処理装置1の効果に加え、対応表の撮像条件を細分化することで組み合わせの選択の精度が向上する。
【0072】
(第3の変形例)
記憶回路12に予め記憶される対応表は、図4に示す対応表に限定されるものではない。例えば、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータである患者の性別及び年齢等の患者の属性に応じた複数の対応表が使用されても良い。
【0073】
図13は、医用画像処理装置1において、図4に示す対応表の第3変形例を示す図である。
【0074】
図13は、性別かつ年齢幅ごとに4個の対応表を示す。上段の左右2個の対応表は、男性患者に関するものである。下段の左右2個の対応表は、女性患者に関するものである。また、左側の上下2個の対応表は、年齢幅21〜30歳の患者に関するものである。右側の上下2個の対応表は、年齢幅31〜60歳の患者に関するものである。
【0075】
そして、取得機能11Aは、4個の対応表の中から、所定の患者の属性に応じた対応表を選択する。取得機能11Aは、選択された対応表から、m個の画像種に関するn通りの組み合わせにそれぞれ対応するn個の位置合わせ精度を取得する。
【0076】
医用画像処理装置1の第3変形例によれば、前述の医用画像処理装置1の効果に加え、患者の属性に従った対応表を使用することで組み合わせの選択の精度が向上する。
【0077】
(第4の変形例)
記憶回路12に予め記憶される対応表は、図4に示す対応表に限定されるものではない。例えば、対応表において、撮像条件は、「造影」及び「T1」等の撮像方法の他に、DICOM情報によって医用画像を分類可能なパラメータである、CTにおける線量(管電流)等のX線条件を含んでも良い。撮像方法は、撮像プロトコルとも呼ばれる。
【0078】
図14は、医用画像処理装置1において、図4に示す対応表の第4変形例を示す図である。
【0079】
図14に示すように、モダリティ種「CT」及び撮像方法「造影」について、X線条件としての3個の管電流「200[mA]」、「100[mA]」、及び「50[mA]」が設定される。一般的に、線量が高い画像ほど、他の医用画像との位置合わせ精度が高い。
【0080】
そして、取得機能11Aは、対応表から、m個の画像種に関するn通りの組み合わせにそれぞれ対応するn個の位置合わせ精度を取得する。例えば、取得機能11Aは、対応表から、画像種「CT・造影・200mA」及び画像種「MR・T1」の組み合わせに対応する位置合わせ精度等を取得する。
【0081】
医用画像処理装置1の第4変形例によれば、前述の医用画像処理装置1の効果に加え、対応表の撮像条件を撮像方法及びX線条件に細分化することで組み合わせの選択の精度が向上する。
【0082】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムによれば、複数通りの画像種の組み合わせから任意の組み合わせを効率的に選択できる。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1…医用画像処理装置
11…処理回路
12…記憶回路
13…入力回路
14…ディスプレイ
11A…取得機能
11B…選択機能
11C…位置合わせ機能
図1
図2
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