(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンハンサー、可塑剤、粘着付与剤、粘度調整剤、賦形剤、希釈剤、皮膚軟化剤、抗刺激剤、乳白剤、顔料、および防腐剤から成る群より選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
重合開始剤が、2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、または2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の好ましい実施形態の説明は、事実上単なる例示に過ぎず、本開示、その用途、または使用を限定するものでは決してない。
【0007】
本開示は、ランダムコポリマーに関する。このランダムコポリマーは、経皮吸収パッチでの使用に特に適する。
【0008】
好ましい実施形態において、本開示のランダムコポリマーは、ブチルアクリレートモノマー、2−エチルヘキシルモノマー、オクチルアクリレートモノマー、またはイソオクチルアクリレートモノマーである第1のモノマーと、メチルメタクリレートモノマー、ブチルメタクリレートモノマー、またはイソブチルメタクリレートモノマーである、ランダムコポリマーの重量を基準にして少なくとも18重量%の第2のモノマーから本質的には成る。他の実施形態において、本開示のランダムコポリマーは、ブチルメタクリレートモノマー、2−エチルヘキシルモノマー、オクチルアクリレートモノマー、またはイソオクチルアクリレートモノマーである第1のモノマーと、メチルメタクリレートモノマー、ブチルメタクリレートモノマー、またはイソブチルメタクリレートモノマーである第2のモノマーから成る。本開示のランダムコポリマーを調製または安定化するのに使用される少量の重合開始剤および/または酸化防止剤をランダムコポリマーが含み得ることを当業者は理解するであろう。
【0009】
本開示のランダムコポリマーは、ブチルアクリレートモノマー、2−エチルヘキシルアクリレートモノマー、オクチルアクリレートモノマー、またはイソオクチルアクリレートモノマーである第1のモノマーと、メチルメタクリレートモノマー、ブチルメタクリレートモノマー、またはイソブチルメタクリレートモノマーである、ランダムコポリマーの重量を基準にして少なくとも18重量%の第2のモノマーを重合開始剤の存在下で混合する工程を含む方法により調製される。これらの方法は、溶媒の存在下で行ってよい。
【0010】
本開示の一部の実施形態において、ランダムコポリマーは、第1のモノマーおよび第2のモノマーから本質的に成る。他の実施形態において、本開示のランダムコポリマーは、第1のモノマーおよび第2のモノマーから成る。
【0011】
好ましい実施形態において、ランダムコポリマーは18重量%〜50重量%の第2のモノマーを含む。例えば、ランダムコポリマーは、約18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50重量%の第2のモノマーを含む。特に好ましい実施形態において、ランダムコポリマーは、ランダムコポリマーの重量を基準にして20重量%、22.5重量%、または30重量%の第2のモノマーを含む。
【0012】
本開示の一部の実施形態において、第2のモノマーに対する第1のモノマーの重量比は、約82:18〜約50:50である。第2のモノマーに対する第1のモノマーの好ましい重量比は、約82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、70:30、69:31、68:32、67:33、66:34、65:35、64:36、63:37、62:38、61:39、60:40、59:41、58:42、57:43、56:44、55:45、54:46、53:47、52:48、51:49、または50:50である。
【0013】
本開示の他の実施形態において、ランダムコポリマーは、ランダムコポリマーの重量を基準にして、約70〜80重量%の第1のモノマーおよび20〜30重量%の第2のモノマーから本質的に成る。さらに他の実施形態において、ランダムコポリマーは、ランダムコポリマーの重量を基準にして、約70〜80重量%の第1のモノマーおよび20〜30重量%の第2のモノマーから成る。
【0014】
好ましい実施形態において、第1のモノマーはブチルアクリレートである。一部の実施形態において、第1のモノマーは2−エチルヘキシルアクリレートである。他の実施形態において、第1のモノマーはオクチルアクリレートである。さらに他の実施形態において、第1のモノマーはイソオクチルアクリレートである。第2のモノマーは好ましくはメチルメタクリレートである。他の実施形態において、第2のモノマーはブチルメタクリレートモノマーである。さらに他の実施形態において、第2のモノマーは、イソブチルメタクリレートモノマーである。
【0015】
ランダム重合を生成するために好適な重合開始剤は、本技術分野において公知である。特に好ましい重合開始剤としては、2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。
【0016】
本開示の方法は、「ニート」(「neat」)、即ち溶媒の非存在下で実施できる。他の実施形態において、本方法は、溶媒の存在下で実施できる。好ましい溶媒は、有機溶媒、例えば、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、トルエン、エタノール、およびイソプロピルアルコール、またはこれらの組み合わせである。
【0017】
本開示のランダムコポリマーは、例えば、経皮吸収パッチ用途に適する物理特性および機械的特性を有する。経皮吸収用途に有用なコポリマーは、0℃未満のTgを有するであろう。経皮吸収用途に有用な材料は、高いせん断強度を有し、これは経皮吸収用途に望ましい低温流動を示す。ポリマー中のメチルメタクリレートの量を増加させると、得られるポリマーのせん断強度値が増加するが、Tgも上昇する。本開示のランダムコポリマーは、18重量%を超えるメチルメタクリレートを含むが、これを0℃未満のTg値を有する材料に組み込み、経皮吸収用途に適合させることができる。
【0018】
例えば、本開示のランダムコポリマーは、約−18℃〜−50℃のTgを有する。当業者は、公知の技術により実験に基づいてTgを計算できることを容易に理解する。もしくは、Fox方程式を用いて理論的にTgを計算できる。
【0019】
本開示のコポリマーから調製される接着剤は、8.8psiにおいて10超のせん断強度値を有するであろう。好ましくは、本開示のコポリマーから調製される接着剤は、4.4psiにおいて20超、好ましくは40超のせん断強度値を有するであろう。
【0020】
「低温流動性(コールドフロー)」とも呼ばれる「クリープ」は、機械的応力の影響下でゆっくりと移動するか又は変形する材料特性を指す。本開示のコポリマーから調製される接着剤は、ブロックコポリマーベースの接着剤で観察されるものに匹敵する低温流動特性を有するであろう。
【0021】
本開示のランダムコポリマーは、治療薬を投与する際に使用するためのさらなる組成物を調製するために使用することができる。そのような組成物は、本明細書に記載の任意のランダムコポリマーおよび治療剤を含む。これらの組成物は、任意成分としてエンハンサー、可塑剤、粘着付与剤、粘度調整剤、賦形剤、希釈剤、皮膚軟化剤、抗刺激剤、乳白剤、顔料、酸化防止剤および防腐剤から成る群より選択される少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0022】
有用な粘着付与剤としては、例えば天然および変性ロジン、例えばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水添ロジン、二量化ロジン、重合ロジン;天然および変性ロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル、例えば薄いウッドロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、およびロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル;天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー、例えばスチレン/テルペンおよびアルファメチルスチレン/テルペン;ASTM法E28−58Tによる約80℃〜150℃の軟化点を有するポリテルペン樹脂;フェノール変性テルペン樹脂およびその水素化物、例えば酸性媒体中での二環式テルペンおよびフェノールの縮合から得られる樹脂生成物などの任意の適合する樹脂またはそれらの混合物が挙げられ得る。
【0023】
ほとんど芳香族である樹脂も有用である。そのような樹脂の例は、重合性不飽和基を有する任意の実質的に芳香族のモノマーから調製できる。そのような芳香族モノマーの典型例としては、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、ターシャリーブチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー、インデン、メチルインデンを含むインデン系モノマーが挙げられる。
【0024】
様々な可塑剤または希釈剤もまた、本開示の組成物中に存在し得る。適切な希釈剤は、好ましくは、アクリルブロックコポリマーのソフトブロック(B)と主に相溶性である。希釈剤は、DSCによって測定された室温より低いTgを有する液体または半固体材料である。これらには、可塑化オイルまたは伸展油、および液体粘着付与剤が含まれる。液体粘着性付与剤としては、ロジンアルコール、ロジンのメチルエステルおよびジエチレングリコールをロジンでエステル化することによって形成されたロジンエステルなどのロジン誘導体が挙げられる。
【0025】
その他の好適な希釈剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステルおよびアゼライン酸エステルなどの脂肪族エステル、塩素化パラフィンなどのパラフィン、およびポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ならびにそれらのランダムまたはブロックコポリマーが挙げられる。ジブチルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレートおよびジイソデシルフタレート、ポリプロピレングリコールおよびジトリデシルアジペートなどのフタル酸エステルは、本発明の実施において使用するのに特に好ましい希釈剤である。
【0026】
酸化防止剤または安定剤も、約3重量%までの量で、より典型的には約0.5重量%の量で本発明の組成物に含まれてよい。安定剤または酸化防止剤の中で本発明において有用なものは、ヒンダードフェノール、またはジステアリルチオジプロピオネート(「DSTDP」)またはジラウリルチオ−ジプロピオネート(「DLTDP」)などの二次酸化防止剤とヒンダードフェノールの組み合わせである。代表的な酸化防止剤としては、1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;ペンタエリスリチルテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート);n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート;4,4’−メチレンビス(2,6−tert−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン;ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;ソルビトールヘキサ[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]が挙げられる。Cibaから入手可能な二次酸化防止剤IRGAFOS 168、Ciba−Geigyから入手可能なヒンダードフェノール一次酸化防止剤IRGANOX 1010が好ましい。他の酸化防止剤としては、AlbermarleのヒンダードフェノールであるETHANOX 330、Monsantoの2,5−ジtert−アミルヒドロキノンであるSANTOVAR、およびUniroyalのトリス(p−ノニルフェニル)ホスファイトであるNAUAGARD Pが挙げられる。好ましい酸化防止剤としては、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
【0027】
本発明の組成物は、治療剤に加えて、有利には有効量の浸透促進剤を含有してもよい。浸透促進剤の有効量は、膜透過性、投与速度および治療剤の量における特定の増加をもたらす量を意味する。
【0028】
様々な特性を満たし、特定の適用要件を満たすために、接着剤に従来使用されている他の添加剤も、本開示の組成物に添加することができる。このような添加剤としては、例えば充填剤、顔料、流動調整剤、染料が挙げられ、これらは、目的に応じて、接着剤配合物に少量または多量に配合することができる。
【0029】
本開示の組成物は、好ましくは、60重量%超のランダムコポリマーを含む。他の実施形態において、本開示の組成物は、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、または95重量%のランダムコポリマーを含む。
【0030】
可塑剤を含む本開示の組成物において、可塑剤は、組成物の重量に基づいて約20重量%未満の可塑剤を含む。他の実施形態において、可塑剤は、組成物の重量に基づいて19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1重量%の可塑剤を含む。
【0031】
本開示の組成物において使用される治療剤は、ランダムコポリマー中に溶解または分散され得る。好ましい治療剤としては、経皮吸収型デリバリーに適した任意の治療剤が挙げられる。
【0032】
本開示の組成物は、当該分野で公知の任意の形態であり得る。特に好ましい形態は、経皮吸収パッチデバイスである。本開示の経皮吸収型デリバリーデバイスは、テープ、パッチ、シート、包帯または当業者に公知の他の任意の形態などの物品の形態で作製することができる。経皮吸収型デリバリーデバイスは、任意の望ましいユニット形状に製造することができる。円形の形状は、皮膚から容易に外れる可能性のある角がないので便利である。種々の形状を有することに加えて、製造される投薬ユニットは様々なサイズであってよい。本開示の装置は、皮膚上に置かれ、目的とする治療効果を達成または維持するのに十分な時間、維持させることができる。本発明のデバイスの流速および治療状態を考慮して、当業者は、十分な時間に相当する時間を選択することができる。
【0033】
本開示のデリバリーデバイスが使用を見出す治療部位および本発明のデバイスに組み込める治療薬の例としては、失禁(オキシブチニン)、中枢神経系の状態(メチルフェニデート)、ホルモン療法および避妊薬(エストラジオール、テストステロン、プロゲスチン、プロゲステロン、レボノルゲストレル)、心臓血管(ニトログリセリン、クロニジン)、および心臓細動(例えば、ジギタリス、ジゴキシン)、疼痛管理または抗炎症(フェンタニル、リドカイン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン)、化粧品(過酸化ベンゾイル、サリチル酸、ビタミンC、ビタミンE、芳香油)、抗嘔吐薬(スコパラミン)、禁煙(ニコチン)、抗炎症状態、ステロイド系(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン)および非ステロイド系(例えば、ナプロキセン、ピロキシカム)治療、抗菌剤(例えば、ペニシリンVなどペニシリン、セファレキシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ゲンタマイシン、スルファチアゾール、ニトロフラントインなどのセファロスポリン、およびノルフロキサシン、フルメキンおよびイバフロキサシンなどのキノロン)、抗原虫薬(例えば、メトロニダゾール)、抗真菌剤(例えば、ナイスタチン)、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン、ジルチアゼム)、気管支拡張薬(例えば、テオフィリン、ピルブテロール、サルメテロール、イソプロテレノール)、コラゲナーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、およびアンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、リシノプリル)などの酵素阻害剤、その他の降圧薬(例えば、プロプラノロール)、ロイコトリエン拮抗薬、H2拮抗薬などの抗潰瘍薬、抗ウイルス薬および/または免疫調節薬、(例えば、1−イソブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、およびアシクロビル)、局所麻酔薬(例えば、ベンゾカイン、プロポフォール)、鎮咳薬(例えば、コデイン、デキストロメトルファン)、抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、テルフェナジン)、麻薬性鎮痛薬(例えば、モルヒネ、フェンタニル)、アトリペプチドなどの心臓活性製品、抗けいれん薬(例えば、カルバマジン)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)、精神療薬(例えば、ジアゼパム)、鎮静剤(例えば、フェノバルビタール)、抗凝固剤(例えば、ヘパリン)、鎮痛剤(例えば、アセトアミノフェン)、抗偏頭痛剤(例えば、エルゴタミン、メラトニン、スマトリプタン)、抗不整脈薬(例えば、フレカイニド)、制吐剤(例えば、メタクロプロミド、オンダンセトロン)、抗癌剤(例えば、メトトレキサート)、抗不安薬など神経薬剤、止血薬、抗肥満薬など、ならびに製薬上許容されるこれらの塩、エステル、溶媒和物および包接化合物が、挙げられる。
【0034】
獣医薬および農園芸用薬剤も、本発明の経皮吸収型ドラッグデリバリーデバイスを使用して、簡便に適用できる。獣医用途および園芸用途の経皮吸収型ドラッグデリバリーは、食品/灌流水での投与よりも、より正確な投薬および少ない廃棄物を可能にすることが認められ得る。
【0035】
農園芸用薬剤は、本開示のデバイスを用いて送達することもできる。例えば、本開示のデバイスを使用して、ラン成長ホルモンを送達することができる。
【0036】
獣医用途および園芸用途における経皮吸収型ドラッグデリバリーは、食品/灌流水での投与よりも、より正確な投薬および少ない廃棄物を可能にすることが理解されるであろう。
【0037】
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物、プロセスおよび特性を説明するために提供される。実施例は単なる例示に過ぎず、本開示を実施例に記載された材料、条件、またはプロセスパラメータに限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0038】
[例1:ブチルアクリレート:メチルメタクリレート(70:30)]
126.0gのn−ブチルアクリレート、54.0gのメチルメタクリレート、120.0gのエチルアセテート(溶媒)、および0.12gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(重合開始剤)を含有する初期投入物を調製し、ステンレス鋼スターラー、温度計、コンデンサー、ウォーターバスおよび添加漏斗を備えた2Lの4首丸底フラスコに投入した。初期投入物を撹拌しながら加熱して還流させた。還流開始から15分で、84.0gのn−ブチルアクリレートおよび12.0gのメチルメタクリレートを含有するモノマー混合物を1.0時間かけて同時に均一に添加した。再度の還流開始から15分で、30.0gの酢酸エチルおよび1.2gのAIBNを3時間かけて同時に均一に添加した。この添加後、フラスコの内容物を2.0時間還流して保持した。保持期間後に、30.0gの酢酸エチルおよび1.5gのt−アミルパーオキシピバレートを1時間かけて添加した。添加後、内容物を1時間還流して保持した。保持期間後、内容物を室温まで冷却し、60gの酢酸エチルを添加して、溶解ポリマーを析出させた。最終的なポリマーは、全固形分55.46%、および相対粘度2.76であった(酢酸エチル、2.0重量%溶液)。
【0039】
[例2:ブチルアクリレート:メチルメタクリレート(77.5:22.5)]
139.5gのn−ブチルアクリレート、40.5gのメチルメタクリレート、120.0gの酢酸エチル(溶媒)、および0.12gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(重合開始剤)を含有する初期投入物を調製し、ステンレス鋼スターラー、温度計、コンデンサー、ウォーターバスおよび添加漏斗を備えた2Lの4首丸底フラスコに投入した。初期投入物を撹拌しながら加熱して還流させた。還流開始から15分で、93.0gのn−ブチルアクリレートおよび27.0gのメチルメタクリレートを含有するモノマー混合物を1.0時間かけて同時に均一に添加した。再度の還流開始から15分で、30.0gの酢酸エチルおよび1.2gのAIBNを3時間かけて同時に均一に添加した。この添加後、フラスコの内容物を2.0時間還流して保持した。保持期間後に、30.0gの酢酸エチルおよび1.5gのt−アミルパーオキシピバレートを1時間かけて添加した。添加後、内容物を1時間還流して保持した。保持期間後、内容物を室温まで冷却し、60gの酢酸エチルを添加して、溶解ポリマーを析出させた。最終的なポリマーは、全固形分55.07%、および相対粘度2.75であった(酢酸エチル、2.0重量%溶液)。
【0040】
[例3:比較例]
本開示のポリマーを調製し、その特性を他のポリマーと比較した。結果を表1に示す。
【0041】
感圧テープ評議会(Pressure Sensitive Tape Council)(PSTC)101と同様に剥離試験を実施した。テープ片を、制御圧力で標準試験パネルにつけた。180°の角度で、テープをパネルから所定の速度で剥がし、その間に剥離を行うのに必要な力を測定した。これらの実験では、テープは、片側に、1ミル(0.001インチ)厚さの乾燥接着剤を有し、2ミルのポリエステル(MYLAR)支持体を有する1インチ×6インチ片であった。
【0042】
せん断実験をPSTC107に従って実施した。テープ片を、制御圧力で標準試験パネルにつけた。パネルを垂直に取り付けた。標準塊をテープの自由端に取り付け、破損までの時間を測定した。ここで、テープ片は1インチ×1/2インチであり、標準塊は1キログラムであった。
【0043】
Tg(レオロジー)は、貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比(G”/G’)が最大となる温度とした。弾性率は、TA RDA IIIレオメーター(8mmプレート、制御ひずみ、10ラジアン/秒の一定周波数での温度スイープ試験)を用いて測定した。
【0044】
61.9重量%の2−エチルヘキシルアクリレート、32.4重量%のメチルアクリレート、および5.7重量%のアクリル酸の組み合わせによりポリマーAを調製した。ポリマーAは、カルボン酸官能性を有するランダムコポリマーである。
【0045】
32.5重量%の2−エチルヘキシルアクリレート、32.5重量%のブチルアクリレート、15%のメチルメタクリレート、および20重量%のt−オクチルアクリレートの組み合わせによりポリマーBを調製した。ポリマーBは、カルボン酸基により官能化されていないランダムコポリマーである。
【0046】
89.25gのKristalex 3100(100゜の軟化点、Eastman製)粘着付与剤、および10.75gのPlasthall DTDA(ジトリデシルアジペート、HallStar製)可塑剤と、77.5重量%のブチルアクリレートおよび22.5重量%のメチルメタクリレートの組み合わせにより調製した100gの乾燥ブロックコポリマーとの組み合わせによりポリマーCを調製した。
【0047】
ポリマーDは、77.5重量%のブチルアクリレート、および22.5重量%のメチルメタクリレートの組み合わせにより調製された本開示のランダムコポリマーである。
【0048】
ポリマーEを100gの乾燥ポリマーDに89.25gのKristalex 3100を添加して調製した。
【0049】
【表1】
【0050】
本開示は、例示的な実施形態を参照して説明される。明らかに、上記の詳細な説明を読んで理解すると、他の場合において修正および変更が生じるであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲またはその等価物の範囲内に入る限りにおいて、そのような改変および変更のすべてを含むと解釈されることが意図される。