(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一まとまりの目的群を達成するために規定された処置を実行するのに適合した腹膜透析システムであって、前記腹膜透析システムは、注入位相、休止位相、及び排出位相を有する複数の連続したサイクルを実行するのに適合しており、前記腹膜透析システムは、
前記処置によって規定される目的群の実質的全てを患者に達成することを可能にする第1のまとまりのパラメータ群によって決定された正常な動作のモードと、
前記処置によって規定された前記目的群の全てが前記患者に成し遂げられることを許容しないが、前記処置を実質的に実行することができる第2のまとまりのパラメータ群によって決定された安全な動作のモードを含む、少なくとも二つの動作モードに従って前記腹膜透析システムを制御するプロセッサと、
前記プロセッサによって制御され、医療流体を前記患者の腹膜に送りこみ、そこから除去するためのポンプと、
前記プロセッサに接続され、前記腹膜透析システムによる治療の過程において前記動作の一まとまりのパラメータ群をモニターして前記プロセッサに信号を送信するように設計されたセンサを備えており、
前記プロセッサは、
前記腹膜透析システムによる治療の過程で前記センサから受信した信号を分析して、前記患者の正常動作として設定された一まとまりの条件群が満たされているかどうかを判定し、
前記患者の正常動作として設定された一まとまりの条件群が満たされていると判断された場合には、前記正常動作のモードを自動的に選択し、
前記患者の正常動作として設定された一まとまりの条件群が満たされていないと判断された場合には、前記安全動作のモードを自動的に選択し、
前記患者の正常動作として設定された一まとまりの条件群が満たされていると判断された場合には、前記安全動作のモードを前記正常動作のモードへ自動的に切り替え、
前記選択された動作モードに従って、前記腹膜透析システムを切り替え制御するように構成されている、
前記腹膜透析システム。
前記プロセッサは前記腹膜透析システムを複数の安全な動作のモードに従って制御するように設計されており、前記プロセッサは、一つの安全な動作のモードから他の安全な動作のモードに切り替える、請求項1のシステム。
少なくとも一つのパラメータが、前記処置の持続時間、前記ポンプによって移送される医療流体の量、移送された流体の温度または圧力、またはポンプの配給率である請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
前記処置の間,前記プロセッサが信号分析および/または動作の前記少なくとも一つの条件に従って、1つの動作モードから他の規定された動作モードに切り替える請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
少なくとも一つのパラメータが、各滞留位相の期間、腹膜に注入された流体の総量および/または腹膜から除去された流体の総量、注入位相の間に腹膜に注入された流体の量、排出位相の間に腹膜から除去された流体の量、サイクル数、位相の期間、または注入位相
もしくは排出位相のポンプの配給率である請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
前記プロセッサが、安全な動作のモードの間、前記処置の終了前に少なくとも一回腹膜の完全な強制的排水を命令するよう設計されている請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
動作の1つの条件は、センサの状態、センサの測定値のドリフト、閾値を越えること、または所定の領域外となること、または他のセンサに対する測定値における矛盾である請求項1〜11のいずれかに記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
現在開示される装置は、多数の送給装置に適していることができる。しかしながら、それは、腹膜透析を使用している処置に、特によく適している。腹膜透析は、血液を浄化する治療的な手段である。これは腎不全を患っている患者が、例えば、通常正常に機能している腎臓によって彼らの体から除去されるであろう尿素(尿毒性物質)および余分な水分のような不純物を除去することを許容する。この治療的な手段は、患者の腹膜を利用する。腹膜は、非常にかなりの表面積を有して、多数の血管を持つ。それは、このように潜在的に腹膜空腔に存在する血液およびいかなる液体間の自然のフィルタとして作用する。多数の特許は、患者の腹膜に流体を注入して、そこから除去するための腹膜透析(現在の説明に引用されて取り込まれる欧州特許公開第1 648 536号、欧州特許公告第0 471 000号、欧州特許公告第1 195 171号、欧州特許公告第1 648 536号)を実行するシステムを開示する。腹膜透析による処置は、比較的単純で、3つの異なった位相の少なくとも一つのサイクルから成る:
-「充填」サイクル:
システムは、患者の腹膜空腔に透析を注入する(これは、注入位相とも呼ばれる);
-「休止」サイクル:
システムは、腹膜空腔の透析を決定された時間だけ維持する(滞留位相とも呼ばれる);-「排出」サイクル:
システムは、腹膜空腔に存在する透析を取り除く(これは、排出位相とも呼ばれる)。
【0003】
本明細書において、位相は、充填、休止または排出(各位相は完全もしくは部分的でよい)から成ることが出来、サイクルは、充填、休止及び排出を含み、そして処置はいくつかのサイクルから成ることができる。換言すれば、位相は、全く同一の処置の間、繰り返されることができる。
【0004】
APD(オートメーション化された腹膜透析)システムと一般に呼ばれるシステムは、引き続くいくつかの充填、休止または排出サイクル、換言すれば全く同一の処置の間、引き続く数サイクルを実行するように構成されている。この種のシステムは、このように多くの時間にわたる処置を実行する。APDシステムは、特に夜通しおよび/または患者の家で使用するのにも適している。
【0005】
この種のシステムは、それらの正しい動作を点検しておよび/またはモニタするように設計された手段を含む。これらの手段は、腹膜に注入され又は除去される量を計量することができるか、または推定することができるか、または算出することができる。例えば、これらの手段は、プロセッサに接続しているセンサを含むことができる。これらの量を点検することは、根本的に重要なことである。具体的には、どんな事情があってもシステムは、腹膜空腔に透析のあまり大きな量を注入してはならず、処置終了後、または、各ドレイン位相終了後有意な量を残してもならない。これは、患者の健康にいくつかの影響(腹膜損傷、肺水腫発生、濾過能力不足、呼吸不全または急性心不全など)を及ぼしうる。又は、何はともあれ、それには不可欠な結果がない場合であっても、患者をむしろより不快にする。
【0006】
センサが不完全であり、そして、システムがこの不完全さを検出することができない場合、センサによって、処置の間に注入されおよび/または取り除かれる量の過大評価又は過小評価が引き起こされうる。その場合、処置が数サイクルから成るときに、評価エラーが各サイクル毎に繰り返されて累積するので、このエラーはいっそう重大である。このエラーは一つ以上の要因、例えば機械、ポンプシステム、センサの損耗または(一時的又はそれ以外の)不具合、患者の各部の運動、温度の変化等の結果であり得る。システムが使い捨て部分(管、カセット、貯蔵部等)と、再使用可能な部分(機械、電子機器、センサ)とを有する場合、それは2つの部分間の不良接続/結合の結果でありえる。
【0007】
異常において、一つ以上の措置が問題を修正するためにとられることができるように、従来技術のシステムは単に患者または医療関係者に警告する。潜在的異常が検出されるときでも、特定の非常に先見の明のあるシステムはユーザーに警告するのを好みさえする。
【0008】
処置が夜通しおよび/または患者が自身の家で実行されている場合、後者が介入する能力を有しないときに、特定の警報は本当に必要でなく患者の睡眠を妨げ、および/または患者に不必要に警告することができる。加えて、アラームを起動させる本当の原因は、時々、患者が単に処置の間、移動したという事実でありえる。かくして、従来技術のシステムのような患者を起こすことがすることは不必要である。なぜなら誤りは一時的で、患者の安全を本当に危険にさらすことはないからである。
【0009】
他の状況において、異常は持続することがあり、または少なくとも、異常に関する疑いは早期にシャットダウンするように従来技術のシステムを導く。そして、患者が必要とする処置の妨害に至る。一般に、患者の危険を伴う故障があるとすぐに、従来技術のシステムは処置を中断するほうを支持する。特に、この種の故障がある場合には、作動し続けると同時に、この患者の危険を制限するために処置を修正するような従来技術のシステムはない。
【発明の概要】
【0010】
この明細書に示される本発明は、異常の場合にさえ、または、検出された潜在的異常の場合にさえ処置を最適化するために、より大きな知性をデータの処置および/またはシステムの動作にもたらす。特に、本発明は可能な異常を検出した後に、動作モードを切替える(すなわち例えば、処置の一つ以上のパラメータを修正する)ことができる。そして、これは、オリジナルモードより潜在的に効果的ではないが、にもかかわらず患者の安全を保証すると共に、早まって処置をシャットダウンするよりも、より有利である処置を患者に提供できるので、この新規な動作モードは「安全である」と言われることができる。本発明の原理は、患者の健康に有利である効果を提供すると同時に、(例えばシステムの状態の認識のレベルおよび/または患者の環境のレベルに従って、所与の状況の患者に最も有利な)最小限の処置を保証するように設計されたシステムである。
【0011】
換言すれば、発明されたシステムはそれが不良を検出するときに、より効果的でない処置を行うことを可能にする。それは不良を有しないが、にもかかわらず患者の安全と、彼(女)の処置の連続性を保証するシステムより厳しくない仕様(例えば処置の継続時間、流量、その他)を満たす。かくして、従来技術のシステムとは異なり、一つ以上の不良または誤りが検出されるか、または疑われる場合、処置を停止させて、アラーム・モード(そして、このように、患者を妨げて、彼または彼女に不十分で潜在的に有害である不完全な処置だけをすること)になるよりはむしろ、発明されたシステムは処置(同上述するパラメータのいくつかまたは全て)が、機械の仕様に付随することを保証することなしに、寛容な安全のための必要な精度が維持され、最後まで続けられることを保証するように調整する。
【0012】
本明細書に示されるシステムは、腹膜透析システムに特に適していて、更にサイクルを繰り返すためオートメーション化した腹膜透析(APD)システムに、より特に適している。具体的には、後者が不完全な場合、反復サイクルの追加は装置の不正確性に非常に強い影響を及ぼしうる。そして、システマチックな不良リスクを招く。各サイクルにおけるこの不良は、数サイクルの後で先行するサイクルの不良と組み合わされて、非常に重要である結果を引き起こす。
【0013】
本発明の第1の態様は、少なくとも2つの動作モードから成る医療装置に関する。第1の動作モードは、システムが特定の治療処方を使用している所望の効果を成し遂げるために、一まとまりのパラメータ(例えば量、配給率、サイクル数等)を定める標準と呼ばれる。第2の動作モードは、新たなひとまとまりのパラメータを用いた処置を続けるために、少なくとも一つの前記パラメータ(例えば、減少するか増大する量、配給率および/またはサイクル等)を修正することをシステムに強いる失敗または異常または崩壊させているイベントを検出し、安全と呼ばれる。安全な動作の前記モードは、正常作動のモードと同じレベルの効果(それは、例えば限外濾過液の量、処置の継続等を通して測定できる)に潜在的に達することができない。しかしながら、患者の安全を保証すると同時に、この動作モードは、処置を中断することより特に有利である、最小限の処置効果を達成することを可能にする。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、装置は、安全な動作のモードから成るが、パラメータは、上記したようにいずれが異常の重要性および/またはそれが進化している方法に従って構成されることができる。換言すれば、安全なモードは正常モードより効果的でない。そしてこのモードが、患者に、実際の状況に従って最適である処置を提供するためにパラメータを適応させると同時に、患者に安全性を保証することを可能にする。例えば、それは、センサの移動が検出され、そして、センサからのデータが徐々にドリフトするにつれて、装置が、例えば注入される流体の配給率または量の漸進性低下または排出する量の増加のようなパラメータを適応させるということであってもよい。各種センサによってされる測定に応じて、そして、障害の存在に関する疑いが増加し、またはこの不良が処置の品質に持つ影響のリスク評価、または患者が使用しているというリスクにおいて、安全モードの動作は、処置の効果の低下を招くが、新規な処置が患者にとって安全なままであることを保証するたびに、処置パラメータを適応させる。
【0015】
ある実施例において、システムは、システムの状態を定めるか、または処置のパラメータまたはシステムの環境をモニタするように意図されたプロセッサに接続している、少なくとも一つのセンサ(圧力センサ、温度センサ、配給レートセンサ等)を含む。プロセッサは、このセンサの故障を認識するか、またはこのセンサに起こる故障を推測するように設計されていてもよい。これは、センサを複製して、2つの存在物によって与えられる値を比較することによって、いずれかを行うことができる。その違いは、要素のうちの1つが少なくとも故障であることを意味する。それは、理想的な理論的なカーブに対してセンサの反応を比較することによって行うこともできる。あまりに明確な違いの場合には、センサは故障であると考えられる。このセンサの故障を無視できる場合、システムは正常作動のモードの処置を続けることを決めることができる。このセンサの故障が患者の安全を潜在的に危うくする結果を招く場合、システムは、検出されるか疑わしい異常の存在がある場合でも、処置を続けつつ患者の安全を保証することができる安全な動作のモードに従ってひとまとまりの新規なパラメータを定める能力を有する。
【0016】
処置の間、異常は進展し、例えば強まる。システムは、この処置が効果に劣っている場合であっても、処置の終わりまで患者の安全を保証することを可能にするひとまとまりの新規なパラメータを再定義(もう一度)するように設計されている。例えば、注入されるかまたは排出する量を算出するか、計量するかまたは推定するために使用するセンサが故障した場合、システムは、このセンサのこの種の故障の結果である患者に過剰供給するリスクを制限するために、注入される量を減少させることができるかまたは排出する量を増加させることができる。各サイクルに、そして、さまざまな位相の間、システムは、一つ以上のパラメータ(量、ポンプ送出率、温度など)を徐々に修正することができる。
【0017】
ある実施例において、システムは、患者の安全を確保しているパラメータの測定値の冗長性を確実にしている2台のセンサを含む。これらのセンサは、注入されるかまたは排出される透析の配給率の精度を確実にするために、配給率を例えば測定(またはプロセッサを使用して算出)することができる。2台のセンサのうちの少なくとも1台に故障が生じた場合には、安全なモードが好ましくは起動する。それによって、まさに1台の機能的なセンサを基礎として患者の安全を確保する。2台のセンサのうちの1台の故障は、2台のセンサの間の相違が特定の閾値を上回るか、または、圧力プロファイルが互いに整合せず、またはポンプの動作に整合していないという事実から検出されることができる。
【0018】
前述のパラグラフにおいて、記載されている故障はセンサのものである。それがいかなる種類ものシステムの故障でありえることは、当業者にとって明らかである。この種の故障は、センサに影響を及ぼすことができるが、システムの他のいかなる一部にも等しく影響を及ぼすことができて、システムに存在するセンサによって確認される。
【0019】
第3の本発明の態様によれば、装置は、患者の安全のために最適である状況の下で処置(正常モード又は安全なモードで)を維持するか、または各々のこれらのオプション(正常作動のモードを続けるか、安全な動作のモードへ切り替えるか、早期に処置を止めるか)のいずれかの予想された結果に応じて早期に処置を止めることを決める能力を有する。換言すれば、システムは、代替処置または処置の潜在的効果を評価して、患者の健康に対する効果を早期に処置を止める効果と比較するように設計されたプロセッサを含む。かくして、システムは、患者または看護人からの介入なしで、全ての状況の下で患者の健康および安全性のために最高のオプションを決定する能力を有する。特に、例えば、処置の所定の割合が実行されるときに、故障が処置の高度なステージで検出される場合、低い効果の状態の下で処置を続けることよりむしろ止めることが、好ましいと考えられる
。
【0020】
第4の本発明の態様は、次の工程から成る腹膜透析装置を制御する方法に関する:
・処置に関する少なくとも一つのパラメータを観察すること
・前記パラメータのための値の第1の許容範囲を決定すること
・前記少なくとも一つのパラメータのデータが値の第1の許容範囲外である場合、1つの動作モードから安全な動作の第1モードへ切り替えること。
【0021】
前記方法は、次第に値の許容範囲、及び前記パラメータの値のこの範囲に適している安全な動作モードを適応させることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において、発明の詳細な説明は、図解を介して与えられる装置、システム及び方法の実施例を含む。もちろん、実施例の他のモードが考えられ、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、適用されることができる。以下の詳細な説明は、従って制限されると考慮されてはならない。
【0024】
別途示されない限り、本明細書において使用する科学的で専門的な用語は当業者によって共通に使用される意味を有する。この明細書において与えられる定義は、理解するのがより容易な頻繁に使われることばをする趣旨で言及されて、本発明の範囲を制限することを目的としない。
【0025】
請求項や詳細な説明において使用される方向指示および「上部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、他の方向または方位は、図に関してより大きな明快さを提供するために言及される。これらの表示は、本発明の範囲を制限することを目的としない。「持つ」こと、「有すること」、「含むこと」又はそれらの均等物の動詞は、本明細書で広義に用いられ、そして一般に、「含むが、これに限定されるものではない」ことを示す。
【0026】
「または」の用語は、通常、明らかに反対のものを示さない限り、「および/または」を含んで、広義に使用する。
【0027】
「処置」の用語は、定義された期間の間に一つ以上の治療的な具象を達成することを目的とする動作の作用または連続を意味するとして理解される。ここでは、処置は、患者がシステムのスイッチを入れた(および/または流体接続を連結した)時から始まり、このシステムのスイッチを切る(および/または流体接続を分離する)まで続く。システムは、処置を実行するために、一まとまりのパラメータ(ポンプ速度、圧力、作動、温度、圧力監視、液体の変位量、位相の開始および中止など)を定める。処置は、ひとまとまりのパラメータが実質的に所定の治療的な具象を達成することを可能にする場合、正常であると言われている。処置の期間が正常な処置期間に実質的に近い場合、処置の継続は正常とみなされる。換言すれば、ここで「正常な」という用語は、処置の動作/進捗を適切とみなす。
【0028】
「効果」の用語は、この場合、処置の効果とみなすとして理解される。また、「効果的」の用語は、以下の通りに定められることができる:「予想される効果を生じさせる何か」。換言すれば、効果的である処置は、処方により定義された処置を意味すると理解されることが必要で、所望の効果(例えば処置終了後得られた限外濾過液の量)を発生する。かくして、ここでの「効果」の用語は、処置の結果とみなされる。「効果」の用語から出てくる相対的な考えがある。具体的には、処置は、より多く又はより少なく効果的でよい。この効果は、1つの処置から他の処置まで、かなり変化することができて、多数の変数に依存している。本明細書において、正常な処置と実際の処置の間の効果が比較される。
【0029】
「安全な動作のモード」の表現は、正常と言及される処置の所定の目的または所望の効果を必ずしも達成することを可能にしないシステムの動作モードを意味するために理解されるべきである。換言すれば、正常作動と呼ばれる動作モードは、安全な動作のモードより理論的には効果的であるべきである。医療分野において、安全な動作のモードは、患者の安全要件も満たさなければならない。
【0030】
(概念および製造方法)
図2の実施例によれば、システムは、例えば電子プロセッサ(11)およびセンサ(10)のような少なくとも一つのシステムの要素を使用しているチェック装置を含む。システムは、看護人によってあらかじめ定義されていることができる一まとまりのパラメータ(液体の注入量、排液量、加熱、圧力、ポンプの配給率、期間、サイクルおよび位相の数など)を決定するかまたは選択するように設計されている。このチェック装置を使用して、システムは、以下のモードを定めるかまたは少なくとも選択するように設計されている:正常作動のモードおよび安全な動作のモード。安全な動作のモードは、最小限の動作のモードであってもよい。安全な動作のいくつかの中間モードを設けることもできる。これらのモードは、最小限の安全なモードより効果的な状態を維持するが、正常モードと比較すると低い効果によって特徴づけられる。
【0031】
プロセッサに接続されたメモリは、さまざまな動作モードを記録するために用いることができ、システムは、チェック装置のおかげで、これらの動作モードのうちの1つを選択するように設計される。医師は、異なる可能なシナリオ(不良のあるセンサ等)に応じて、一つ以上の異なる動作モードを前もってパラメータ化することができる。デシジョンツリーは、適当な動作モードを選択するために、チェック装置により用いられてもよい。選択は、システムにとって公知の状況と互換性を持つ動作モードが得られるまで、チェック装置が1つの動作モードからもう一方まで動作する連続において実行されることもできる。
【0032】
ある実施例において、システムは、
図3にて開示したように作動するよう設計されている。処置の開始時に、システムは、看護人によって定められるかまたはプログラムされるかまたは与えられる処方に応じて、パラメータ(20)を定める。この第1の動作モードは、正常と言われる。システムはポンプを始動し、センサにより、システムは一まとまりのデータを検査するかまたはモニタする。条件(22)の第1のまとまりが合致しない場合、条件が合致しない(例えばセンサが故障である)場合であっても、システムは患者の安全を保証していて、処置を続ける安全な動作(それは最小のモードであってもよい)のモードへ切り替えることができる。処置は、確実により効果的でなくて、安全なままであって、にもかかわらず患者はいくらかの治療を受けることとなる。これは、安全な動作のモードである。第1のまとまりの条件が合致する場合、処置は前もって定められたパラメータと共に続ける(または開始する)ことができる。一まとまりの条件は、一つ以上の条件(閾値を越えていない、および/または動作の範囲から逸脱していない、および/または測定値および/またはデータ平均の範囲から逸脱していない、および/または正しく完了されるステップから逸脱しない、その他)を含むことができる。さまざまな動作モードは、一まとまりの所定のパラメータによって特徴づけられることができ、一つ以上の作動状態が合致しない(閾値を越えるか、流体の定められた量が完全に使われないか、センサが不良か、センサ・データが首尾一貫しないか、各種センサの間のあまりに大きな測定相違、など)とすぐに、システムは1つの動作モードから他の動作モードへと移行する。
【0033】
システムは、正に処置の始まりからおよび/または処置の途中の間(周期的に、またはそれ以外)、この第1のまとまりの条件をモニタするように設計されていてもよい。例えば、位相の開始毎に、および/または一定であるかランダムな時間間隔で行ってよい。第2のまとまりの条件は、正に処置の開始時におよび/または処置の途中の間(周期的に、またはそれ以外)、検証されることができる。第2の条件(24)のまとまりが合致する場合、システムは以下のように設計されることができる:
-周期的に、第1のまとまりの条件(オプション1)を再検証する、および/または
-前もって規定された動作モード(オプション2)を維持する。
【0034】
システムは、さまざまな条件について順次または並行したチェックを行うことができる。この種の検証は、一定又は可変的な時間間隔で、ちょうど一回、または処置の全体にわたって実行されることができる。
【0035】
第2の条件が合致しないときに、システムは以下決めることができる:
-処置を止めること、または、
-にもかかわらず、正常作動のモードより効果的でない(例えば新しいパラメータ化が遅い配給率を定義することで)が、最小限の動作のモードより効果的なままである安全な動作のモードの処置を続けるために、パラメータの新規なまとまりを再定義する(20)こと。パラメータのこの新規なまとまりを再定義する前に、システムは、一時的にポンプを停止することができる。
【0036】
実施例において、システムは、
図4において表されるように作動するよう設計されている。処置の開始時に、システムは正常作動のモードをパラメータ化し、
図3のように、プロセスはほとんどの部分が実行される。第2のまとまりの条件が合致する限り、システムは正常作動のモードに従って作動し続ける。第2のまとまりの条件が合致しない場合、システムは第1のまとまりの条件も検証する。第1のまとまりの条件が合致しない場合、システムは最小限の動作のモードへ切り替える。第1のまとまりの条件が合致する場合、第2のまとまりの条件が合致するように、システムは一つ以上のパラメータを修正して、安全な動作のモードへ切り替える。第2のまとまりの条件は、所定のパラメータに従って構成されることができる。すなわち、第2のまとまりの条件は、動作モードの変更の場合にさえまだ同一でもよいし、或いは修正されることができる。後者の例では、一つ以上の条件は、より拘束的(例えば:広い範囲、閾値の拡張、正しく完了しなかったステップの承認など)としない。第2のまとまりの条件が合致する限り、システムは前もって定められる(それが、正常であるか安全なモードであるかどうか)パラメータを維持することができる。システムは、特定の時間の後、または、特定の条件に従って正常作動のモードに復帰するように設計されていてもよい。受信するデータに応じて、システムは、条件のループ・チェックを実行して、動作モードを最も適合したモードに合わせる。
【0037】
ある実施例において、システムは、
図5にて開示したように作動するよう設計されている。処置の開始時に、システムは正常作動のモードをパラメータ化し、
図3および4のように、工程が部分的に生じる。システムは、第2のまとまりの条件、及び任意に第3のまとまりの条件(同時に、順次、又は動作モードの変更の場合に)を検証する。
【0038】
ある実施例において、システムは、
図6にて開示したように作動するよう設計されている。処置の開始時に、システムは正常作動のモードをパラメータ化し、
図3、4および5のように、工程が部分的に生じる。第2のまとまりの条件が合致する限り、このシステムにおいて、第3のまとまりの条件がモニタされる。しかしながら、第3のまとまりの条件が合致しない限り、処置は以前の動作モードに従って続く。そして、第2のまとまりの条件が合致するときに、処置は止められる。ここで、第3の条件は、注入される量、プログラムされたサイクル数、処置の継続(時間)であってもよい。
【0039】
図9によって開示される実施例において、システムは、一つが最小限のモードである所定の安全なモードの一定数を含む。前もっての定義によって、それは、システムが、既に一定数の安全なモードを持ち、そのうち一つが少なくとも処置の開始前にパラメータが全て定義された最小限のモードであると好ましい。戦略は、正常な処置のパラメータおよび遭遇される状況に従って、安全な処置の新しいパラメータを(例えばアルゴリズム、ファジー理論、人工知能タイプのアプローチを使用して)決定するために定められることができる。これらのさまざまなパラメータは、最小限の安全なモードを定めている一連のパラメータの傾向がある。処置の途中の間、システムは、定期的にさまざまな試験を実行して、それが形成されるさまざまな要素が機能する仕方を観察する。これらの試験は、処置の間、実行されることができるか、または処置の一時的な停止を必要とすることができる。好ましくは、これらの試験は、システムのプロセッサによって実行されて、システムの動作に関連するデータ(圧力、温度、配給率、構成要素状態等)を使用し、および/または処置の進捗のデータ(サイクルや位相の開始/終了、新しい透析の残量、排出量、UF等)を使用する。これらの試験または観察のうちの1つの途中の間、システムが遭遇しなかった失敗または条件に注目するかまたは疑う場合、それは安全な動作のモードを実施することを決めることができる。選択される安全な動作のモードは、実際であるか想定された誤りのシステムによってなされる分析に依存している。一旦、安全なモードで、システムは、処置および試験およびチェックを続ける。それは、第1の安全なモードへの切り替えによって、これらの試験およびチェックが正常になるということであってもよい。これらの試験およびチェックが異常なままであっても、この種の安全なモードで、処置の継続が患者にとって安全であることが可能でもある。時間の経過を通して、試験およびチェックの結果が再び不良かまたは過度に悪化する場合、システムは安全な動作の第2モードへ切り替えることを決めることができる。第2モードは、以前のモードより効果的でなくて、患者にとって再び安全である。最小限の安全なモードに達するまで、この過程は数回繰り返されることができる。
【0040】
ある実施例において、システムは、各動作モードが満足な試験結果を得るために試験される戦略に従うことができる(正常→A→B→C→...→Z)。他の実施形態では、安全な動作の1つのモードは、以前の試験または試験(正常→A→D→B)の結果に従って支持されてもよい。これらの実施例において、順次連続する安全な動作のいくつかのモードでできているにもかかわらず、システムは単に正常作動のモードから安全な動作の適切なモードまで(正常→C)通り過ぎることができる。システムは、正常動作モード(B→正常)に復帰するように設計されていてもよい。
【0041】
いつでも、(前もって定められる一連の基準に従って)治療が十分によく進むと考える場合、または、それが最小限の安全なモードさえ患者の安全を保証することができないと考える場合、システムは治療を止めることを決めることができる。
【0042】
ある実施例において、システムは
図10、11aおよび11bにて開示したように、作動するように設計されており、先に開示された概念を再利用する。
【0043】
(実施例および使用例)
動作のより良好な理解のために、説明は、
図1にて開示したように、透析システムの実施例を考慮する。透析システムは、サイクラ(1)(ここで、そのハウジングなしで表される)を有し、カセット(2)を備えている。サイクラが異なるカセットで数回使われるのに対して、カセットは使い捨ての要素である。カセット(2)は、ポンプの蠕動であるか他のタイプ(流体圧等)であってもよいポンピング機構(7)と、流体入口及び出口(3)、弁(9)、サイクラ(1)のセンサ(5)と結合する領域とを備える。入口及び出口(3)は、管(不図示)を介して,以下に接続されるように設計されていてもよい:透析貯蔵部(不図示)、患者(不図示)、加熱システム(不図示)、および/または充填および/または排出システム。サイクラ(1)には、プロセッサ(
図1において不図示)、センサ(5)、弁(9)と共同するように設計されたアクチュエータ(4、8)、カセットのポンピング機構(7)が設けられている。カセットおよびサイクラは、センサ及びアクチュエータをカセットの要素に完全に結合するよう設計される。サイクラは、流体の温度または周囲温度を測定するための温度センサのような他のセンサを含むこともできる、例えば、センサが不良、またはカセットが不良、または要素がセンサとカセットとの間、または、サイクラとカセットとの間にある場合、カセットおよびセンサ間の結合が不完全であることは起こうる。これは、データのドリフトを引き起こすか、または完全に誤りであるデータを引き起こす。フレキシブルなゾーン(6)をカバーしている膜は、不完全(不従順な表面仕上げ、変形、その他)かもしれない。
【0044】
いかなる流体配給システムのように、配給されるかまたは排出される流体量は、制御されることを必要とする基本的データ項目である。従来技術においては、患者の腹膜の透析を過剰充填(オーバーフィル)するリスクが特にあるとされる。このデータの制御を有することが重要であり、それは配給されおよび/または排液する量の結果である。装置のタイプによれば、配給される流体量、そして排液する量の絶対値を点検すること、または、単にバランスの良好な制御、すなわち、配給される量と排出される量の違いを超えた良好な制御を確実にすることは重要である。これらの量は、ポンプ(ピストン・ポンプ、蠕動ポンプ等)自体を使用して、および/または流体管路に配置されるか配置されないセンサを使用して推定できる。現在、この評価は、ポンプシステムの摩耗の状態、ポンプの入口および/または出口の圧力、温度、プログラムされた流体経路等のような物理的な原因の一定数に依存していてもよい。そして、これは正確にこれらの量を推定することを困難にする。
【0045】
従来の研究の間、ポンプ輸送される量におけるこれらのパラメータの少なくとも1つが物理的な理論および/または数的モデリング、および/または特徴付け試験によって確立される。この特徴付け試験は、必要な範囲を充分な精度でカバーすると共に、必要とされる試験の数を減らすために最適化される試験計画通りに行われることができる。この種の計画は、これらの原因の間の相互作用を含むかまたは含まない公知の方法(例えばタグチ法)を用いて、「実験の設計」テクニックを基礎として構築されることができる。物理的な値(例えばポンプの入口の流体圧)は、センサによって装置において自身で計量される。これらの物理的な値を計量することによって、そして、以前確立した対応する効果を用いて、ポンプシステムによって配給される量は、
図7にて開示したように、その精度を改善するために修正されることができる。
【0046】
一般に、各装置は、所定数のセンサ(しばしばコストおよび保守理由のために)から成る。システムは、この限られた数のセンサで作動することを必要とするが、これは環境の、そして特定の要因の不完全な認識によって作動しなければならないことを意味する。例えば、患者とサイクラの相対的な位置は、カセットにおいて変位する流体の圧力に影響を及ぼす情報の重要な部分である。理論的には、患者は処置の間、移動するべきでない、そして、装置は患者が処置の間、移動するか否かを決定するために十分に正確であるセンサを備えていない。現在、患者が位置を変える場合、例えば、彼がサイクラに関して20cm起き上がる場合、これは流体圧測定値に、そして、潜在的に移送され量の評価にも重要な影響を及ぼす。換言すれば、患者が移動する場合、サイクラは、圧力における変化が発生したことを検出できるが、その理由(圧力のこの種の変化の起源には、実際、他の原因(例えば流体経路の規制の出現)があることを必ずしも知っているというわけではない。サイクラは、せいぜいこの変化に注意するが、その起源を識別する手段を有しない。かくして、システムの状態および/または患者の環境のレベルの認識に応じて、サイクラは、所与の状況に従ってその能力の及ぶ限り作動することを必要とする。このように、システムは、測定における観察された変更が、センサと関連した不良の結果か患者の動きであるかどうかについて判断することに困難性を持つ。
【0047】
測定信頼性目的のために、それは、センサの少なくともあるレベルの冗長性(例えば、2台の独立センサをポンプ装置の入口で圧力を測定するために用いる)を有するのが一般的である。これらの2台のセンサは、センサのうちの他方と、いかなる潜在的エラーも検出するために定期的に比較される。かかるエラーは、例えば、測定されることになっているセンサと環境との間のインターフェースの測定値のドリフトまたは性能低下から生じる。従来技術によれば、センサのうちの1台が不良であると考えられるとすぐに、システムはアラーム・モードになり、処置は中断される。この種の状況において、本発明の目的は、安全なモードと呼ばれるモードの処置を続けることである。
【0048】
より大きな明快さのために、本明細書は、量を算出するための手段が圧力センサを含むシステムを開示する。しかしながら、これらの手段は、他の要素(例えば容積を計量するために使用する容積測定チャンバまたは注射器プランジャ)であってもよい。
【0049】
図8において示される一実施例によれば、腹膜透析装置は、ポンプシステム(30)(例えば蠕動ポンプ)の入口で圧力を測定することを目的とする2つの圧力センサ(31、32)を備えている。測定される圧力によれば、システムは、前記入口圧の関数として配給率における変化を考慮するために、ポンプシステム(30)の配給率を適応させる。プロセッサ(34)は、圧力センサ(31、32)で測定されたデータを分析し、少なくともこれらのデータの関数として、ポンプによって変わった流体の量を評価する。プロセッサは、したがって、効果的配給率を処方に対応するように保つために、ポンプの動作(速度、蠕動ポンプの場合は回転速度、配給率、動作時間等)を調整するように設計されている。
【0050】
圧力センサのうちの1つの疑わしい故障の場合には、システムは、安全なモードへ切り替える。この動作モードは、例えば、ポンプの最大の正の逸脱、または患者のリスクがありえる最大許容された偏差に対応するパーセンテージによって、腹膜空腔の充填を制限するように、少なくとも1つの充填位相の量を減少させることができる。この修正をすることによって、使用可能なままになっているセンサが故障していると仮定されても、システムにより確実に腹膜が過剰充填(例えば患者への心血管リスクを意味する過剰充填のごとき)されない。
【0051】
例を示すと、2台のセンサのうちの1台が故障(または、一方または両方のセンサが潜在的に不良であると仮定する)の場合には、次のサイクルでの腹膜空腔の各充填にて、プログラムされた量の3%を減少する。このパーセンテージは、患者および/またはシステムの設計(ポンプの容量等)の設計に従って、あらかじめ規定されていてもよい。このパーセンテージは例えば、この故障に関連した過剰充填のリスク、または、患者にリスクをもたらす最大過度の過剰充填を代表することができる。この例では、2台のセンサ間の測定における矛盾が特定の閾値を越えたので、故障とみなしてよい。そして、2台のセンサのうちの少なくとも1台が不良であるか、または誤って測定ゾーン(例えばカセットの膜)に連結しているという仮定に至る。
【0052】
複数の充填の間、このパーセンテージは、各サイクルの過剰充填(例えば3%の8サイクルが24%過剰充填の最大リスクを表す)の蓄積効果を考慮するのに適していてもよい。もちろん、パーセンテージは、各サイクル上の同じ不具合に起因して、より小さい排出を考慮するのに適していてもよい。8つの充填サイクルの間、例えば24%の排出減を示すことが出来、8サイクルにわたって、24%排出減と組み合わせて、合計48%(許容された制限の近く)を過剰充填とする。
【0053】
これらのパーセンテージは当然、充填および/または排出状況に従って非常に異なりうる。そして、システムは、50%過剰充填を上回るリスク(すなわち、通常、受け入れられる限界であると考慮される腹膜体積の150%)を制限するために、充填を減少するおよび/又は排出を増大する為の条件を理想的に定義する。160%はどんな事情があっても上回ってはならず、180%は深刻なリスクを患者の健康へもたらすことが共通に認められる。さまざまなサイクルの蓄積効果が、これらの安全限度に上回る危険をともなう場合、正常作動のモードでこのサイクルの排出が完全な排水でなかった場合であっても、それは完全な排出サイクルを実施するために処置の間、望まれてもよい。かくして、この完全な排出によって、システムにより、確実に腹膜空腔がほぼ完全に排液され、従って空の腹部から再びエラーを蓄積し始めることができることになる。このように、システムは、一定であるか可変的なサイクル間隔で、または、可能なエラー・パーセンテージに依存しうる間隔で、少なくとも一つの完全な排出を行うことができる。この数は、例えば、連続的な6または8サイクルでセットされることができる。
【0054】
センサが圧力における異常な変化を検出するとすぐに、システムがこれの原因を本当に知ることができない場合であっても、プロセッサはこの変化に適応するために動作モードを修正することを決めることができる。例えば、処置を開始する前に、システムは、特定のパラメータ、例えば配給される量、配給率および/または交換される位相を定める。システムは、それから正常作動のモードで作動する。ポンプシステムの入口で測定される圧力が、許容される圧力範囲の中に位置する場合、正常作動のモードが処置の全体にわたって用いられる。しかしながら、処置の若干の時に測定値が急にまたは次第にドリフトし、特定の閾値を越える場合、システムはこれらの測定値に適応するために、安全な動作の他のモードへ切り替えることができる。システムは、少なくとも1つのまとまりのパラメータ、例えば配給率の減少を決定する。(なぜなら圧力センサが圧力の増大を検出したら、サイクラに対して起き上がる患者によるとされる。)正常作動のモードより潜在的に効果的でないので、この動作モードは安全な動作のモードであると考慮されることができる。ここで、処置は流れ率の低下のため、より遅くなる。ドリフトが続いて、他の閾値を越える場合、システムは一まとまりの新しいパラメータをもう一度再定義することができる。
【0055】
実際は、システムは、患者が実際に移動したかどうかわからない。圧力におけるこの変化が、多くの原因によることがありえる。しかしながら、この変化が、患者が例えば、20cm起き上がったという事実に起因する場合、配給率は患者の腹膜空腔を過剰充填することを回避するために低下することが必要になる。それは、このために、従来技術の他のシステムがシステムの動作を止めた場合であっても、システムがこれらのパラメータを再定義するということである。パラメータが再定義されるたびに、システムは閾値を再定義することもできる。
【0056】
他の実施例によれば、安全なモードは、流体の温度を測定することにおけるありうるエラー、及び充填および/または排出量におけるありうるエラーを考慮する。
【0057】
システムが単一の処置の間、安全な動作のモードへ切り替えさせられるときに、システムは課題の原因が一時的だけだったと推定することができる。その場合、システムは、処置の間、検出されたことを患者に知らせるスクリーンまたは表示手段(カラーのLED、騒音等)を含むことができる。患者が、彼または彼女の医師に、または機械エラーを記録する趣旨で、それらを送信することができるように、メモリはこれらのデータを記録することができる。理想的には、システムは、進行中に、彼または彼女の処置が修正されたこと、そして、予想される処置の特定のパーセンテージ(例えば80%、おそらくしたがってこれは、得られた治療的な最低限を定量化することができて、次の日の次の処置を適合できる)が少なくとも達成されたことを患者に知らせる。
【0058】
問題が繰り返される場合、つまり繰り返し異なる処置で起こると、システムは、患者が介入するかまたは介入を要請するのを奨励するように設計されていてもよいし、または、システム自身が、保守センターからの介入を要請しても良い。スクリーンは、患者に特定の動作を実行するか、または保守部に連絡するよう彼または彼女に勧めることができる。
【0059】
いくつかの改変を許容している実施例の動作例として、患者が移動したか(使用可能であるセンサと共に)、または圧力センサがドリフトしているので、ポンプ入口で測定される圧力値は限度に達する。後者の例では、センサが不良で過剰充填のリスクがある。過剰充填を回避するために、配給率は減少する(それは、ポンプの入口の圧力、したがって過剰充填のリスクを減少させる)。配給率のこの適合は、第1の適合に対応する。この新しい配給率を用いて、圧力測定のための新しい安全限度が算出される。この新しい限度に達する場合、配給率は再び減少する。そして、それは第2の適合に対応する。配給率は、このように、(例えば、過剰充填のリスクが120〜150%の安全な限界内で減少するので)、いかなる危険も現れない配給率まで続けてn回(第nの適合)減少することができる。配給率のこの変化の結果は、処置の結果に影響を及ぼす。具体的には、処置が決定された時間にわたってされることになっている場合、最後のサイクルの全部または一部は実行されることが可能とならない。極端なケースにおいて、所定の処置期間に対応するために実行されることができないサイクル数が多数ありえる。かくして、処置の結果は、そのように上質でなく、所望の結果より効果的でない。このように、処置の目的の全てが満たされるというわけでない。換言すれば、いくつかの目的、この場合少なくとも処置の継続だけは満たされる。他の実施形態では、好ましくは滞留期間である。このように、あらかじめ定義されているので、滞留の持続期間は不変である、しかし、処置の全体の継続はその代わりに増加する。命令者は、どの目的が修正されることができないか、或いは問題の事象においていずれが優先するか予め決定する。かくして、彼または彼女は、安全な動作のモードへ切り替えるときに、プロセッサによって変えることができないパラメータをあらかじめ定義することができる。
【0060】
システムが2台の冗長なセンサから成る例において、一方または両方のセンサが不良なときに、またはカセットが誤ってサイクラに設置されたとき、または圧力センサがカセットに誤って接続されたとき、上記の方法は特に適切である。
【0061】
完全な排出を許容する実施例の動作例が、最悪のケース・シナリオにおいて、6%でポンプ装置で過量服用するリスクを示す誤りが検出される。かくして、理論的には、各サイクル毎に、6%の量は、すでにある量に加えられる。そして、それは、第1のサイクルにて106%、第2のサイクルにて112%などの腹膜の容積を表す。この例において、2つの可能な保護計測がある。第1は、3%で充填位相において注入される量を減らすことである。第2は、8サイクルの終わりに完全な排出位相を課すことになっている。結局のところ、8サイクル以上の累積誤差は、すなわち許容可能な量である腹膜の100%+8×3%=124%の最大量を表す。
【0062】
(考えられる方法)
本明細書は、一まとまりの目的を達成するために、規定された処置に従って医療システムを制御する方法を開示する。かかる方法は以下の工程を含む:
−以下を含む透析システムを準備すること:
○少なくとも以下の2つの動作モードに従って医療システムを制御するために設計されたプロセッサ
・実質的に処置によって定義される目的の全てを達成することを可能にしている第1のまとまりのパラメータで測定される正常な作動のモード、及び
・成し遂げられる処置によって定義される目的の全てを許容するわけではないが、処置を実質的に実行することができる第2のまとまりのパラメータで測定される安全な動作のモード、
○信号をプロセッサに送信するように設計されたセンサ、
−動作の少なくとも一つの条件を決定すること、
−センサから信号を受信して、分析すること、
−自動的に、正常な動作、または信号分析および/または動作の前記少なくとも一つの条件に従う安全な動作のモードを選択すること、
−選択された動作モードに従って医療システムを制御すること。
【0063】
上記のシステムは、安全な動作のいくつかのモードに従って作動するように設計されていてもよい。また、プロセッサは、漸次、安全な動作の1つのモードから安全な動作の他のモードへ切り替えることができる。
【0064】
一実施例によれば、医療システムは、プロセッサによって制御されて、医療流体を移動させるように設計されているポンプを含む。医療システムは、例えば透析システムであってもよい。
【0065】
任意には、その方法は、次の工程を含むことができる:
−選択される動作モードに従って動作の少なくとも一つの条件を適合させること。
【0066】
一実施例によれば、パラメータは:
処置の持続時間、ポンプによって移送される医療流体量、使用された医療流体量、移送された流体の温度又は圧力、又はポンプの配給率である。医療装置がポンプから成る場合、安全な動作のモードは、正常作動のモードほど高くないポンプ配給率によって特徴づけられることができる。
【0067】
好ましくは、処置の間のプロセッサは、信号分析及び/又は前記少なくとも一つの条件に応じて、1つの動作モードから、他の規定された動作モードに切り替えることができる。
【0068】
処置が腹膜透析である場合、透析システムは、システムが患者の腹膜に医療流体を注入する注入位相、医療流体が決定された時間の間に患者の腹膜内に留まる滞留位相、およびポンプが患者の腹膜から流体を除去する排出位相から成るいくつかの連続したサイクルを実行するように設計されていてもよい。その場合、パラメータ(s)は、各滞留位相の持続時間、腹膜内に注入された流体の総量および/または腹膜から取り除かれた総量、注入位相の間に腹膜に注入された流体の量、排出位相の間に腹膜から取り除かれた流体の量、サイクル数、位相の期間、または注入位相又は排出位相におけるポンプの配給率であってよい。さらに、安全な動作のモードの間、プロセッサは、処置の終了前に少なくとも一回、腹膜の完全な強制的排水を命令するように設計されていてもよい。任意には、プロセッサは、規定された間隔でいくつかの強制的排水を実行するように設計されていてもよい。
【0069】
一実施例によれば、安全な動作のモードは、処置の間、患者の腹膜を過剰充填するリスクを減少させるように設計されていてもよい。更に、医療装置は、患者の腹膜を過剰充填するか過少充填するリスクを推定するように設計されていてもよい。
【0070】
好ましくは、動作の1つの条件は、センサの状態、センサ測定におけるドリフト、閾値を越えること、または所定の領域外となること、または他のセンサに対する測定値における矛盾である。センサは、圧力センサまたは温度センサであってもよい。
【0071】
本明細書は、透析装置を制御するように設計された他の方法を開示する。この他の方法は、次の工程を含むことができる:
−透析に関する少なくとも一つのパラメータを観察すること、および
−前記パラメータのための値の第1の許容範囲を決定すること。
【0072】
例えば、少なくとも一つのパラメータのデータが第1の許容範囲外であれば、1つの動作のモードから安全な動作の第1のモードへ切り替える。観察されたパラメータは、患者の腹膜へ、および/またはそこから位相される透析の量であってもよい。
【0073】
その方法は、以下の追加の工程を含むこともできる:
−前記パラメータのための許容値の第2の範囲を決定すること、
−少なくとも一つのパラメータのデータが第2の許容範囲外であれば、ランクを下げられた動作の第1のモードから安全な動作の第2のモードへ切り替えること。
【0074】
および/または以下の追加の工程が含まれる:
−前記パラメータのための許容値の第n番目の範囲を決定すること、
−少なくとも一つのパラメータのデータが第n番目の許容範囲外であれば、ランクを下げられた動作の第(n-1)回目のモードから安全な動作の第n番目のモードまで切り替えること。
【0075】
(他の可能な実施例)
本明細書は、ポンプ、ポンプによって移送される流体量を推定するための手段、処置のために定められる目的に従って前記ポンプを作動するための手段を含む医療用途のシステムを開示する。ポンプは、流体を患者に配給するかまたは患者から流体を除去するように設計されている。動作する手段は、移送される量を推定する手段によって送られるデータの関数として、ポンプの動作モードを決定することができる。更に、少なくとも一つの動作モードは、患者のリスクを制限すると同時に、潜在的に不良である、動作する及び/又は評価する手段の少なくとも一部の事象において処置のために定義される目的の少なくとも一つに近づけるために、システムに処置を続けさせる安全なモードであってもよい。
【0076】
動作する手段は、患者または看護人が介在することなく、動作のモードを変えることができる。処置は、腹膜透析のものに対応し、充填位相、排出位相の少なくとも2サイクルから成ることができる。
【0077】
任意には、安全なモードの間、動作する手段は、少なくとも1つの充填位相の間に移送される流体の量を減少させ、及び/又は少なくとも1つの排出位相の間に移送される流体の量を増大させることができる。
【0078】
目的のうちの少なくとも1つは、処置時間、除去された限外濾過液の量、患者の腹膜に配給される流体量、および/または患者の腹膜から除去された液体の量、および/または実行された全体の透析時間であってもよい。移送される量を推定する手段は、一つ以上の圧力センサまたは容積測定チャンバを含むことができる。移送される量を推定する手段は、一つ以上の温度および/または粘度センサ、または較正手段を含むことができる。この種のケースにおいて、推定する手段は冗長性を有していてもよく、2つの手段のうちの少なくとも1つは潜在的に不良であると考えられることができ、かくして付勢された安全なモードに至る。冗長な評価手段は、少なくとも特定の量によって互いから逸脱することができる。安全なモードの各サイクルの充填位相は、定められた量の少なくとも1%を減少することができる。定められた排出が完全な排水でない場合、安全なモードの各サイクルの排水位相は、定められた量の少なくとも1%を増加することができる。さまざまな先行するサイクルの蓄積効果の結果として、腹膜空腔を潜在的に過剰充填することが120%および180%の間の閾値を越える場合、最も完全なありうる排出は少なくとも一つの排出位相の間、行われることができる。
【0079】
一実施例によれば、オートメーション化された透析装置が患者の腹膜透析を実行するように設計されていて、コントローラによって作動され、充填位相の間に患者の腹膜空腔に透析供給手段から少なくとも透析の第1の規定された量を移送し、そして排出位相の間に患者の腹膜空腔から少なくとも透析の第1の規定された量を取り除くポンプを含む。装置は、コントローラに接続されていて、これらの2つの位相のうちの少なくとも1つの間、移送される透析の量を推定するように設計されているセンサを更に含むことができる。
【0080】
好ましくは、装置は少なくとも2つの動作モードを持つ。そのうち一つは、全ての規定された目的が達成されることができる動作モードである。少なくとも他の1つは、患者の安全を確保すると同時に、規定された目的を達成しないが、そのうち少なくとも一つに近づくように設計された安全な動作のモードである。例えば移送される量の評価の関数として、動作モードは、患者または看護人が介在することなくコントローラで決定されることができる。
【0081】
好ましくは、量の評価に誤りがありえるかまたは検出するとすぐに、安全な動作のモードはコントローラによって起動されることができる。センサからのデータが特定の測定閾値を越えるか、または予想される測定値に関して特定の違いを呈するとすぐに、安全な動作のモードはコントローラで決定されることができる。安全な動作のモードは、ポンプの配給率、または処置の継続時間、少なくとも1つの充填位相の間、少なくとも配給された透析の量を減少するように設計されていてもよい。
【0082】
一実施例によれば、装置は、処置が続くことを許容するが、規定された目的のうちの少なくとも1つとますます相違するいくつかの連続した安全なモードを含むことができる。コントローラは、センサのうちの少なくとも1つからの測定値に従って安全なモードのうちの1つを選択することができる。センサからの測定値が所定の範囲に入るまで、コントローラは、その動作モードを漸次、修正することができる。
【0083】
一実施例によれば、腹膜透析システムは、液体ポンプと、前記ポンプを作動する手段を含むことができる。ポンプが流体を患者の腹膜空腔へ配給するかまたは除去するように設計される場合、システムが、以下の2つの動作モードのうちの少なくとも1つに従って作動するように構成されることができる:
−所与の処置効果を達成するように意図された第1のまとまりのパラメータを正常に定めるよう言及された第1の動作モード、
−第2のまとまりのパラメータを安全に定めるよう言及された第2の動作モード。第2の動作モードは、処置の最小限の効果、および/または処置の間、患者の安全を確保すると共に、第1実施例の効果より低い効果を達成するように意図されている。
【0084】
他の実施形態では、システムは、以下の2つの動作モードのうちの少なくとも1つに従って作動するように構成されることができる:
−所与の処方によって定義されるパラメータに正常に付随するよう言及された第1の動作モード、
−前記処方によって定義されるパラメータの少なくとも1つに付随しないが、プログラムされた処置の終わりまで患者の安全を保証する第2の動作モード。
【0085】
1つの可能な実施例によれば、オートメーション化された透析装置は、特定の処置効果を保証している所与の処方によって定義される一まとまりのパラメータに従う患者の腹膜透析を実行するように設計されている。装置は、液体ポンプと、所与の処方によって定義されるパラメータに従って前記ポンプを作動する手段を含むことができる。ポンプが、患者の腹膜空腔に流体を移送するかまたは除去するように設計される場合、装置が、患者の安全を保証すると同時に、実質的に処置の全部を実行するために少なくとも前記パラメータの一つを修正するように構成される。しかしながら、新しいパラメータは、正しく前記透析装置を作動する要素(例えばセンサ、ポンプ)の疑わしい少なくとも部分的な不良に応じて、予想される効果が達成されるのを許容しないかもしれない。