特許第6843766号(P6843766)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843766
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   A61N5/10 H
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-557373(P2017-557373)
(86)(22)【出願日】2016年4月18日
(65)【公表番号】特表2018-514325(P2018-514325A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】CN2016079568
(87)【国際公開番号】WO2016177270
(87)【国際公開日】20161110
【審査請求日】2018年12月11日
(31)【優先権主張番号】201510222234.5
(32)【優先日】2015年5月4日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520281118.6
(32)【優先日】2015年5月4日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510579928.4
(32)【優先日】2015年9月11日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201520706407.6
(32)【優先日】2015年9月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515153495
【氏名又は名称】南京中硼▲聯▼康医▲療▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Neuboron Medtech Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼渊豪
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲韋▼霖
(72)【発明者】
【氏名】李珮▲儀▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼敏娟
(72)【発明者】
【氏名】徐文玉
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−052540(JP,A)
【文献】 特表平08−511619(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104548388(CN,A)
【文献】 国際公開第2015/005006(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0279850(US,A1)
【文献】 特開2000−016873(JP,A)
【文献】 特開2014−228401(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104372191(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第104511096(CN,A)
【文献】 特開2013−61295(JP,A)
【文献】 特開2000−72554(JP,A)
【文献】 特開2000−302553(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1895819(EP,A1)
【文献】 特開2012−236379(JP,A)
【文献】 特開昭58−9869(JP,A)
【文献】 特開平10−251070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム入口と、
ターゲットと、
ターゲットに隣接する減速部と、
前記減速部の周囲に配置される反射体と、
前記減速部に隣接する熱中性子フィルターと、
放射線遮蔽体と、
ビーム出口と、
を備え、
前記ターゲットと前記ビーム入口から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、前記中性子により中性子ビームが形成され、前記中性子ビームは1つの主軸を定義し、
前記ターゲットからの中性子は、前記減速部により熱外中性子エネルギー領域に減速され、
前記減速部の材料は、PbF4、Al2O3、CaF2又はMgF2のうちの1種又は多種の組み合わせ材料と、重量パーセントが前記組み合わせ材料の0.1〜5%の6Li元素含有材料と、を混合して形成され、前記減速部の材料は、粉末焼結設備によって粉末焼結プロセスで粉末又は圧粉体からブロックとなり、
前記反射体は熱外中性子ビーム強度を高めるために前記主軸から逸れた中性子を前記主軸に導き、
前記熱中性子フィルターは、治療時に表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられ、
前記放射線遮蔽体は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる、
ことを特徴とする、中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項2】
前記ビーム整形アセンブリはさらに加速器ホウ素中性子捕捉療法に用いられ、
加速器ホウ素中性子捕捉療法では、加速器により陽子ビームが加速され、
前記ターゲットは、金属製で、
前記陽子ビームは、ターゲットの原子核のクーロン反発力に打ち勝つエネルギーを有するまで加速され、前記ターゲットとの原子核反応により中性子を生成し、
前記ビーム整形アセンブリは、中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、かつ熱中性子と高速中性子の含有量を低減し、前記熱外中性子エネルギー領域は0.5eV〜40keVであり、前記熱中性子エネルギー領域は0.5eVより小さく、前記高速中性子エネルギー領域は40keVより大きく、
前記反射体は中性子の反射性が高い材料製で、
前記熱中性子フィルターは、熱中性子との作用断面が大きい材料製である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項3】
前記反射体は、Pb又はNiのうちの少なくとも1種で製作され、
前記熱中性子フィルターは、6Li製で、
前記熱中性子フィルターと前記ビーム出口との間には空気通路が設けられ、
前記放射線遮蔽体は、Pb製の光子遮蔽体とPE製の中性子遮蔽体とを含む、
ことを特徴とする、
請求項2に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項4】
前記減速部は、隣接する2つの互いに反対向きの円錐状に設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項5】
前記円錐状は第1直径と、第2直径と、第3直径とを含み、前記第1直径は1cm〜20cmであり、前記第2直径は30cm〜100cmであり、前記第3直径は1cm〜50cmであり、前記減速部の材料の密度は、理論密度の100%〜80%である、
ことを特徴とする、請求項4に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項6】
前記減速部と前記反射体との間に、熱外中性子束を増加させるために隙間通路が配置される、ことを特徴とする、請求項1に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項7】
前記粉末焼結設備は、ホットプレス焼結設備又は放電プラズマ焼結設備であり、前記粉末焼結プロセスはホットプレス焼結プロセス又は放電プラズマ焼結プロセスである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項8】
前記ホットプレス焼結設備は、加熱炉と、前記加熱炉内に配置された加圧装置と、金型と、前記金型内に充填された粉末または圧粉体と、前記ホットプレス焼結プロセスの正常動作を制御するための制御装置と、含み、
前記ホットプレス焼結プロセスは、
適量の粉末又は圧粉体を前記金型内に充填するステップと、
前記加熱炉をオンにして圧力及び温度パラメータを予め設定するステップと、
前記加圧装置を移動して前記金型内の粉末又は圧粉体を加圧するステップと、
ホットプレス焼結プロセスが正常に動作するように前記制御装置が制御するステップと、
電気を流して焼結ブロックにするステップと、
を有する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項9】
前記放電プラズマ焼結設備は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された導電金型と、前記金型にパルス電流を提供するパルス電流発生器と、加圧用の加圧部品付きの加圧装置と、前記パルス電流発生器と前記加圧装置の制御に用いられる制御装置とを含み、前記第1電極と前記第2電極との少なくとも一方は移動可能であり、前記第1電極と前記第2電極との少なくとも一方は前記金型内に入れる粉末を加圧できるように前記加圧装置に接続され、
前記放電プラズマ焼結プロセスは、
適量の粉末を前記金型に充填するステップと、
前記第2電極を移動して前記金型内の粉末を加圧するステップと、
プラズマを発生するために、制御装置によりパルス電流発生器をオンにして導電金型に導電し、粉末粒子の表面を活性化させ、熱を発生させるステップと、
焼結させてブロックにするステップと、
を有する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【請求項10】
前記放電プラズマ焼結設備は、さらに、加圧装置の変位の測定に用いられる変位測定システムと、前記金型内の雰囲気を制御するための雰囲気制御システムと、冷却用の水冷システムと、前記放電プラズマ焼結設備内の温度の測定に用いられる温度測定装置と、を含み、
前記放電プラズマ焼結プロセスは、さらに、
前記変位測定システムの正常動作を確保するために、前記制御装置が前記変位測定システムを制御するステップと、
前記金型内の雰囲気が正常動作にあることを確保するために、前記制御装置により前記雰囲気制御システムを制御するステップと、
前記水冷システムの正常動作を確保するために、前記制御装置が前記水冷システムを制御するステップと、
前記放電プラズマ焼結設備内の温度が正常動作にあることを確保するために、前記制御装置により前記温度測定装置を制御するステップと、
を有する、
ことを特徴とする、請求項9に記載の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビーム整形アセンブリに関し、さらに詳しくは、中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
原子科学の発展に従って、コバルト60、線形加速器、電子ビームなどの放射線療法は、すでにがん治療の主な手段の一つとなった。しかし、従来の光子または電子療法は、放射線そのものの物理的条件の制限で腫瘍細胞を殺すとともに、ビーム経路上の数多くの正常組織に損傷を与える。また、腫瘍細胞により放射線に対する感受性の度合いが異なっており、従来の放射線療法では、放射線耐性の高い悪性腫瘍(例、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)、黒色腫(melanoma))に対する治療効果が良くない。
【0003】
腫瘍の周囲の正常組織への放射線損傷を軽減するために、化学療法(chemotherapy)における標的療法が、放射線療法に用いられている。また、放射線耐性の高い腫瘍細胞に対し、現在では生物学的効果比(relative biological effectiveness, RBE)の高い放射線源が積極的に開発されている(例えば、陽子線治療、重粒子治療、中性子捕捉療法など)。このうち、中性子捕捉療法は、上記の2つの構想を結びつけたものである。例えば、ホウ素中性子捕捉療法では、ホウ素含有薬物が腫瘍細胞に特異的に集まり、高精度な中性子ビームの制御と合わせることで、従来の放射線と比べて、より良いがん治療オプションを提供する。
【0004】
ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy, BNCT)はホウ素(10B)含有薬物が熱中性子に対し大きい捕獲断面積を持つ特性を利用し、10B(n,α)7Li中性子捕捉と核分裂反応により4Heと7Liという2種の重荷電粒子を生成する。図1図2は、それぞれホウ素中性子捕捉の反応概略図と10B(n,α)7Li中性子捕捉の原子核反応式を示す。2種の重荷電粒子は平均エネルギーが2.33MeVであり、高い線エネルギー付与(Linear Energy Transfer, LET)及び短い射程という特徴を持つ。α粒子の線エネルギー付与と射程はそれぞれ150keV/μm、8μmであり、7Li重荷粒子の場合、それぞれ175keV/μm、5μmである。2種の粒子の合計射程が細胞のサイズに近いので、生体への放射線損害を細胞レベルに抑えられる。ホウ素含有薬物を選択的に腫瘍細胞に集め、適切な中性子源と合わせることで、正常組織に大きな損害を与えないで腫瘍細胞を部分的に殺せる。
【0005】
ホウ素中性子捕捉療法の効果は、腫瘍細胞のある箇所でのホウ素含有薬物の濃度と熱中性子数によって決まるので、2次元放射線癌治療(binary cancer therapy)とも呼ばれる。このことから見れば、ホウ素含有薬物の開発の他に、中性子源の放射フラックスと品質の向上も、ホウ素中性子捕捉療法にとって非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は中性子源の放射フラックスと品質を向上させるためになされたものであって、中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、中性子放射源のスループットと品質を向上させるために、本発明の一様態は中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリを提供する。中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリは、ビーム入口と、ターゲットと、ターゲットに隣接する減速部と、減速部の周囲に配置される反射体と、減速部に隣接する熱中性子フィルターと、ビーム整形アセンブリ内において設置されている放射線遮蔽体と、ビーム出口と、を含む。ターゲットとビーム入口から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸を定義(define)する。ターゲットからの中性子は、減速部により熱外中性子エネルギー領域に減速される。減速部の材料はPbF、Al、AlF、CaF又はMgFのうちの1種又は多種の組み合わせ材料を含む重量パーセントが0.1−5%のLi元素含有の材料を混合して形成され、減速部の材料は、粉末焼結設備によって粉末焼結プロセスで粉末又は圧粉体からブロックとなる。反射体は熱外中性子ビーム強度を高めるために主軸から逸れた中性子を主軸に導く。熱中性子フィルターは、治療時に表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。
【0008】
本発明の別の様態は中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリを提供し、中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリはビーム入口と、ターゲットと、ターゲットに隣接する減速部と、減速部の周囲に配置される反射体と、減速部に隣接する熱中性子フィルターと、ビーム整形アセンブリ内において設置されている放射線遮蔽体と、ビーム出口とを含む。ターゲットとビーム入口から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸を定義(define)する。ターゲットからの中性子は、減速部により熱外中性子エネルギー領域に減速され、減速部の材料は、LiF、LiCO、Al、AlF、CaF又はMgFのうちの1種又は多種の組み合わせ材料からなり、減速部の材料は粉末焼結設備によって粉末焼結プロセスで粉末又は圧粉体からブロックとなる。反射体は熱外中性子ビーム強度を高めるために主軸から逸れた中性子を主軸に導く。熱中性子フィルターは、治療時に表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。
【0009】
ビーム整形アセンブリは、さらに加速器ホウ素中性子捕捉療法に用いられる。加速器ホウ素中性子捕捉療法では、加速器により陽子ビームが加速される。ターゲットは、金属製である。陽子ビームは、ターゲットの原子核のクーロン反発力に打ち勝つエネルギーを有するまで加速され、ターゲットとの原子核反応により中性子を生成する。ビーム整形アセンブリは、中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、かつ熱中性子と高速中性子の含有量を低減し、熱外中性子エネルギー領域は0.5eV〜40keVであり、熱中性子エネルギー領域は0.5eVより小さく、高速中性子エネルギー領域は40keVより大きい。反射体は、中性子の反射性が高い材料製である。熱中性子フィルターは、熱中性子との作用断面が大きい材料製である。
【0010】
好ましくは、反射体は、Pb又はNiのうちの少なくとも1種で製作される。熱中性子フィルターは、Li製である。熱中性子フィルターとビーム出口との間には、空気通路が設けられる。放射線遮蔽体は、Pb製の光子遮蔽体とPE(ポリエチレン)製の中性子遮蔽体とを含む。
【0011】
中性子ビームを効果的に減速させるために、一方で、好ましくは、減速部は、隣接する2つの互いに反対向きの円錐状に設けられる。
さらに、円錐状は第1直径と、第2直径と、第3直径とを含み、第1直径は1cm〜20cmであり、第2直径は30cm〜100cmであり、第3直径は1cm〜50cmであり、減速部の材料の密度は、理論密度の80%〜100%である。
【0012】
さらに、減速部と反射体との間に、熱外中性子束を増加させるために隙間通路が配置される。減速部の材料は、MgF含有の粉末と、MgF粉末重量の0.1〜5%を占めるLiを混合して製作される。
【0013】
一方で、粉末焼結設備は、ホットプレス焼結設備又は放電プラズマ焼結設備であり、粉末焼結プロセスはホットプレス焼結プロセス又は放電プラズマ焼結プロセスである。
好ましくは、ホットプレス焼結設備は、加熱炉と、加熱炉内に配置された加圧装置と、金型と、金型内に充填された粉末または圧粉体と、ホットプレス焼結プロセスの正常動作を制御するための制御装置と、を含む。ホットプレス焼結プロセスは、以下のステップを含む:適量の粉末又は圧粉体を金型内に充填するステップ、ホットプレス炉をオンにして圧力及び温度パラメータを予め設定するステップ、加圧装置を移動して金型内の粉末又は圧粉体を加圧するステップ、ホットプレス焼結プロセスが正常に動作するように制御装置が制御するステップ、電気を流して焼結ブロックにするステップ。
【0014】
別に好ましくは、放電プラズマ焼結設備は、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置された導電金型と、金型にパルス電流を提供するパルス電流発生器と、加圧用の加圧部品付きの加圧装置と、パルス電流送信器と加圧装置の制御に用いられる制御装置と、を備える。第1電極と第2電極との間の少なくとも一方は移動可能であり、第1電極と第2電極との間の少なくとも一方は、金型内に入れる粉末を加圧できるために加圧装置に接続される。放電プラズマ焼結プロセスは、以下のステップを含む:適量の粉末を金型に充填するステップ、第2電極を移動して金型内の粉末を加圧するステップ、プラズマを発生するために、制御装置によりパルス電流発生器をオンにして導電金型に導電し、粉末粒子の表面を活性化させ熱を発生させるステップ、焼結させてブロックにするステップ。
【0015】
放電プラズマ焼結設備は、さらに、加圧装置の変位の測定に用いられる変位測定システムと、金型内の雰囲気を制御するための雰囲気制御システムと、冷却用の水冷システムと、放電プラズマ焼結設備内の温度の測定に用いられる温度測定装置と、を含む。放電プラズマ焼結プロセスは、さらに、以下のステップを含む:変位測定システムの正常動作を確保するために、制御装置が変位測定システムを制御するステップ、金型内の雰囲気が正常動作にあることを確保するために、制御装置により雰囲気制御システムを制御するステップ、水冷システムの正常動作を確保するために、制御装置が水冷システムを制御するステップと、放電プラズマ焼結設備内の温度が正常動作にあることを確保するために、制御装置により温度測定装置を制御するステップ。
【0016】
本発明の実施例に記載されている「柱体」または「柱状部」は、図面に示されている方向に沿って一方側から他方側まで、その外輪郭がほとんど変わらない構造である。外輪郭にある1つの輪郭線は線分であってもよく、例えば、円柱状の対応する輪郭線や、大きな曲率を有する線分に近い円弧や、大きな曲率を有する球体状の対応する輪郭線であってもよい。外輪郭の表面全体はなめらかでもよく、なめらかでなくてもよい。例えば、円柱状または大きな曲率を有する球体状の表面に凹凸部があってもよい。
【0017】
本発明の実施例に記載されている「テーパ体」または「テーパ部」は、図面に示されている方向に沿って一方側から他方側まで、その外輪郭が段々と小さくなる構造である。外輪郭にある1つの輪郭線は線分であってもよく、例えば、円錐状の対応する輪郭線や、円弧や、球体状の対応する輪郭線であってもよい。外輪郭の表面全体はなめらかでもよく、なめらかでなくてもよい。例えば、円錐状または球体状の表面に凹凸部があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術的解決手段をさらに明確に説明するために、以下では、本発明の実施例に使用される図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力なく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】ホウ素中性子捕捉の反応概略図である。
図210B(n,α)Li中性子捕捉の原子核反応式である。
図3】本発明の第1実施例における中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの平面概略図であり、減速部と反射体との間に隙間通路が設けられている。
図4】本発明の第2実施例における中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの平面概略図であり、減速部は双円錐体であり、かつ第1実施例における隙間通路の位置は減速部の材料で充填される。
図5】本発明の第3実施例における中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの平面概略図であり、減速部は双円錐体であり、かつ第1実施例における隙間通路の位置は反射体の材料で充填される。
図6】中性子エネルギーと中性子角度との二重微分による中性子収率図である。
図7】本発明の第4実施例における中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの平面概略図であり、減速部は柱状に設けられる。
図8】本発明の第5実施例における中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの平面概略図であり、減速部は柱状+円錐状に設けられる。
図9】本発明の1つの実施例における減速部材料の調製装置の概略図であり、該調製装置は放電プラズマ焼結設備である。
図10】本発明の1つの実施例における減速部材料の調製装置の概略図であり、該調製装置はホットプレス焼結設備である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
中性子捕捉療法は効果的ながん治療の手段として、近年ではその適用が増加しており、そのうち、ホウ素中性子捕捉療法が最も一般的なものとなった。ホウ素中性子捕捉療法に用いられる中性子は原子炉または加速器で供給できる。本発明の実施形態は加速器ホウ素中性子捕捉療法(Accelerated-based Boron Neutron Capture Therapy)を例とする。加速器ホウ素中性子捕捉療法の基本モジュールは、一般的に荷電粒子(陽子、デューテリウム原子核など)の加速に用いられる加速器、ターゲット、熱除去システム及びビーム整形アセンブリを含む。加速後の荷電粒子と金属ターゲットとの作用により中性子が生成され、必要な中性子収率及びエネルギー、提供可能な加速荷電粒子のエネルギー及び電流、及び、金属ターゲットの物理的・化学的特性などにより、適切な原子核反応が選定される。よく検討されている原子核反応は7Li(p,n)7Be及び9Be(p,n)9Bであり、この両方はすべて吸熱反応でエネルギー閾値がそれぞれ1.881MeVと2.055MeVである。ホウ素中性子捕捉療法の理想的中性子源はkeVエネルギーレベルの熱外中性子なので、理論的には、エネルギーが閾値よりやや高い陽子によるリチウムターゲットへの衝撃で、比較的低いエネルギーの中性子が生成され、あまり多くの減速処理を要しないで臨床適用が可能になる。しかし、リチウム(Li)及びベリリウム(Be)の2種のターゲットは、閾値エネルギーの陽子と作用する断面が大きくないので、十分な中性子束を確保するために、一般的には比較的高いエネルギーを持つ陽子で原子核反応を引き起こされる。
【0020】
理想的なターゲットには、中性子収率が高く、生成した中性子のエネルギー分布が熱外中性子エネルギー領域(後ほど詳細に説明)に近く、強い透過性のある放射線をあまり多く生成せず、安全かつ簡単で操作しやすく、耐高温性を持つなどの特性が必要とされるが、実際にすべての要件を満たす原子核反応は見つからないので、本発明の実施形態ではリチウムターゲットを採用する。ただし、この分野の技術者がよく知っていることとして、ターゲットの材料に、上記の金属材料を除くその他の金属材料を採用できる。
【0021】
熱除去システムの要件は、選定された原子核反応により異なる。例えば、7Li(p,n)7Beの場合、金属ターゲット(リチウム)の低い融点と低い熱伝導率により、熱除去システムの要件は9Be(p,n)9Bより厳しくなる。本発明の実施形態では、7Li(p,n)7Beの原子核反応を採用する。
【0022】
ホウ素中性子捕捉療法の中性子源は原子炉或いは加速器による荷電粒子とターゲットとの原子核反応によるものであり、生成するのはすべて混合放射線場である。即ち、ビームは低エネルギーから高エネルギーまでの中性子及び光子を含む。深部腫瘍のホウ素中性子捕捉療法について、熱外中性子を除くその他の放射線の含有量が多ければ多いほど、正常組織での非選択的線量沈着の割合も大きくなるので、これらの不必要な線量を引き起こす放射線をできる限り低減する必要がある。エアビームの品質要素の他、中性子による人体における線量分布をさらに理解するために、本発明の実施形態は、人間の頭部組織の人工器官を用いて線量を算出し、そして人工器官におけるビームの品質要素を中性子ビーム設計の参考とする。後ほど詳細に説明する。
【0023】
国際原子力機関(IAEA)は臨床ホウ素中性子捕捉療法に用いられる中性子源について、エアビームの品質要素に関する5提案を出している。この5提案は異なる中性子の長所と短所を比較するために利用できる他、中性子生成経路の選定及びビーム整形アセンブリの設計をする時の参考として利用できる。この5提案は次の通りである。
・熱外中性子束(epithermal neutron flux) > 1 x 109 n/cm2s
・高速中性子汚染(fast neutron contamination) < 2 x 10-13 Gy-cm2/n
・光子汚染(photon contamination) < 2 x 10-13 Gy-cm2/n
・熱中性子束と熱外中性子束との比(thermal to epithermal neutron flux ratio) < 0.05
・中性子流とフラックスとの比(epithermal neutron current to flux ratio) > 0.7
注:熱外中性子エネルギー領域は0.5eV〜40keVであり、熱中性子エネルギー領域は0.5eVより小さく、高速中性子エネルギー領域は40keVより大きい。
【0024】
1.熱外中性子束:
中性子束と腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度とで臨床治療の時間が決まる。腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度が十分に高ければ、中性子束への要求を緩められる。それに対し、腫瘍におけるホウ素含有薬物の濃度が低ければ、高フラックスの熱外中性子で腫瘍に十分な線量を与える必要がある。IAEAの提案では、熱外中性子束について、平方センチメートル当たり1秒の熱外中性子が109個より多いことを求めている。既存のホウ素含有薬物にとって、このフラックスでの中性子ビームで治療時間を大体1時間以内に抑えられる。短い治療時間で、位置決めと快適さの改善、及び、腫瘍におけるホウ素含有薬物の限られた滞留時間の効果的利用に貢献できる。
【0025】
2.高速中性子汚染:
高速中性子は、正常組織への不必要な線量を引き起こすので、汚染とみなされる。この線量と中性子エネルギーとには、正の相関関係があるので、中性子ビームの設計において、できる限り高速中性子の含有量を減らす必要がある。高速中性子汚染は、単位熱外中性子束に伴う高速中性子の線量と定義される。IAEAは、高速中性子汚染を2 x 10-13 Gy-cm2/nより小さくすることを推奨している。
【0026】
3.光子汚染(γ線汚染):
γ線は強い透過性の放射線に属し、非選択的にビーム経路にあるすべての組織で線量沈着を引き起こすので、γ線の含有量を減らすことも中性子ビームの設計の必要条件である。γ線汚染は、単位熱外中性子束に伴うγ線の線量と定義される。IAEAは、γ線汚染を2 x 10-13 Gy-cm2/nより小さくすることを推奨している。
【0027】
4.熱中性子束と熱外中性子束との比:
熱中性子は、減衰速度が速く、透過性も弱く、人体に入ると大部分のエネルギーが皮膚組織に沈着するので、黒色腫など皮膚腫瘍にホウ素中性子捕捉療法の中性子源として熱中性子を使用する場合以外、例えば脳腫瘍などの深部腫瘍の場合、熱中性子の含有量を減らす必要がある。IAEAは、熱中性子束と熱外中性子束との比を0.05より小さくすることを推奨している。
【0028】
5.中性子流とフラックスとの比:
中性子流とフラックスとの比は、ビームの方向性を示す。その比が大きいほど、ビームの前向性が強くなる。強い前向性を持つ中性子ビームでは、中性子の発散による周辺の正常組織への線量を減らせる他、治療可能デプス及び位置決め姿勢の柔軟性を向上させることができる。IAEAは、中性子流とフラックスとの比を0.7より大きくすることを推奨している。
【0029】
人工器官で組織内の線量分布を取得され、正常組織及び腫瘍の線量−デプス曲線により、人工器官におけるビーム品質要素が導き出される。以下の3つのパラメータは異なる中性子ビーム療法の治療効果の比較に利用できる。
【0030】
1.効果的治療デプス:
腫瘍線量は最大正常組織線量と等しいデプスである。このデプスより後ろでは、腫瘍細胞が受ける線量は最大正常組織線量より小さいので、ホウ素中性子捕捉上の優位性がなくなる。このパラメータは中性子ビームの透過性を示し、効果的治療デプスが大きいほど、治療可能な腫瘍のデプスが深くなる。単位はcmである。
【0031】
2.効果的治療デプスの線量率:
即ち、効果的治療デプスにおける腫瘍線量率であり、最大正常組織線量率と等しい。正常組織で受け取る総線量は、与えられ得る腫瘍総線量に影響する要因であるので、このパラメータで治療時間が決まる。効果的治療デプスの線量率が大きいほど、腫瘍に一定の線量を与える必要な照射時間が短くなる。単位はcGy/mA-minである。
【0032】
3.効果的治療線量比:
脳表面から効果的治療デプスまでに、腫瘍と正常組織とが受け取る平均線量の比は効果的治療線量比と呼ばれる。平均線量は線量−デプス曲線の積分により算出できる。効果的治療線量比が大きいほど、当該中性子ビームの治療効果がよくなる。
【0033】
ビーム整形アセンブリの設計における比較根拠として、IAEAによるエアビームの品質要素の5提案、及び上記の3つのパラメータの他に、本発明の実施形態では、中性子ビーム線量のパフォーマンスの優劣を評価するための以下のパラメータを利用する。
1.照射時間≦30min(加速器で使用する陽子流は10mA)
2.30.0RBE-Gy治療可能なデプス≧7cm
3.最大腫瘍線量≧60.0RBE-Gy
4.最大正常脳組織線量≦12.5RBE-Gy
5.最大皮膚線量≦11.0RBE-Gy
注:RBE(Relative Biological Effectiveness)は生物学的効果比であり、光子及び中性子による生物学的効果が異なるため、等価線量を算出するために、上記の線量に異なる組織の生物学的効果比を掛ける。
【0034】
中性子源の放射フラックス及び品質を向上させるように、本発明の実施形態は、中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの改良に関するものであり、好ましいものとして、加速器ホウ素中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリの改良に関するものである。図3に示すように、本発明の第1実施形態の中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリ10は、ビーム入口11と、ターゲット12と、ターゲット12に隣接する減速部13と、減速部13の周囲に配置される反射体14と、減速部13に隣接する熱中性子フィルター15と、ビーム整形アセンブリ10内において設置されている放射線遮蔽体16と、ビーム出口17と、を備える。ターゲット12とビーム入口11から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸Xを定義する。減速部13により、ターゲット12からの中性子が熱外中性子エネルギー領域に減速される。反射体14は、熱外中性子ビーム強度を高めるため、主軸Xから逸れた中性子を主軸Xに導く。熱外中性子束を向上させるために減速部13と反射体14の間に隙間通路18が設けられる。熱中性子フィルター15は、治療時の表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体16は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子との遮蔽に用いられる。
【0035】
好ましくは、ターゲット12は金属で製作される。加速器ホウ素中性子捕捉療法では、陽子ビームは、加速器により、陽子ビームがターゲットの原子核のクーロン反発力に打ち勝つエネルギーを有するまで加速され、ターゲット12との7Li(p,n)7Be原子核反応により中性子を生成する。ビーム整形アセンブリ10は、中性子を熱外中性子エネルギー領域に減速し、かつ、熱中性子及び高速中性子の含有量を低減する。減速部13は、高速中性子が作用する断面が大きくかつ熱外中性子が作用する断面が小さい材料で製作される。言い換えれば、減速部13は、高速中性子が主に作用し、熱外中性子がほとんど作用しない断面を有する材料で製作される。好ましいものとして、減速部13は、D2O、AlF3、フルエンタル(Fluental)、CaF2、Li2CO3、MgF2やAl2O3のうちの少なくとも1種で製作される。反射体14は中性子の反射性が高い材料で製作される。好ましいものとして、反射体14は、PbまたはNiのうちの少なくとも1種で製作される。熱中性子フィルター15は、熱中性子が作用する断面が大きい材料で製作される。好ましいものとして、熱中性子フィルター15は、6Liで製作され、熱中性子フィルター15とビーム出口17との間に空気通路19が設けられる。放射線遮蔽体16は、光子遮蔽体161と中性子遮蔽体162とを含む。好ましいものとして、放射線遮蔽体16は鉛(Pb)で製作され、中性子遮蔽体162はポリエチレン(PE)で製作される。
【0036】
減速部13は、互いに隣接する反対向きの2つのテーパ部を含む。具体的には、減速部13の外面は、第1のテーパ部と、第1のテーパ部と隣接する第2のテーパ部とを含む。第1のテーパ部の先細り方向は、第2のテーパ部の先細り方向と反対である。図3に示すように、減速部13の左側は、左側に向かって次第に小さくなるテーパ状であり、減速部13の右側は、右側に向かって次第に小さくなるテーパ状である。2つのテーパ部は互いに隣接する。好ましいものとして、減速部13の左側は左側に向かって次第に小さくなるテーパ状とするが、右側をその他の形状(例えば、柱状など)とし、テーパ部に隣接する形に設置することもできる。反射体14は減速部13の周囲に密接に配置され、減速部13と反射体14の間に隙間通路18が設けられる。いわゆる隙間通路18は、固体材料が充填されず、中性子ビームが容易に通過できる空のスペースである。当該隙間通路18は、空気通路或いは真空通路にすることができる。減速部13に隣接して設置される熱中性子フィルター15は、薄い6Li材料で製作される。放射線遮蔽体16におけるPbで製作した光子遮蔽体161は、反射体14と一体に設置でき、或いは別々に設置することもできる。また、放射線遮蔽体16におけるPEで製作した中性子遮蔽体162は、ビーム出口17に近い箇所に設置することができる。熱中性子フィルター15とビーム出口17との間に空気通路19が設けられ、継続的に主軸Xから逸れた中性子を主軸Xに導き熱外中性子ビーム強度を高めることができる。人工器官Bをビーム出口17から約1cm離れた箇所に設置する。この分野の技術者がよく知っていることとして、光子遮蔽体161はその他の材料で製作可能であり、光子を遮蔽する役割を果たせばよく、また、中性子遮蔽体162もその他の材料で製作可能であり、別の箇所に設置でき、漏れた中性子を遮蔽する役割を果たせばよい。
【0037】
隙間通路を設けたビーム整形アセンブリと、隙間通路を設けないビーム整形アセンブリとの違いを比較するために、それぞれ図4及び図5のように、減速部を隙間通路に充填する第2実施形態と、反射体を隙間通路に充填する第3実施形態とを示す。図4において、ビーム整形アセンブリ20は、ビーム入口21と、ターゲット22と、ターゲット22に隣接する減速部23と、減速部23の周囲に配置される反射体24と、減速部23に隣接する熱中性子フィルター25と、ビーム整形アセンブリ20内において設置されている放射線遮蔽体26と、ビーム出口27と、を備える。ターゲット22とビーム入口21から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸X1を定義する。減速部23により、ターゲット22からの中性子が熱外中性子エネルギー領域に減速される。反射体24は、熱外中性子ビーム強度を高めるために主軸X1からずれた中性子を主軸X1に導く。減速部23は互いに隣接する反対向きの2つのテーパ部を有する。具体的には、減速部23の外面は、第1のテーパ部と、第1のテーパ部と隣接する第2のテーパ部とを含む。第1のテーパ部の先細り方向は、第2のテーパ部の先細り方向と反対である。減速部23の左側は、左側に向かって次第に小さくなるテーパ状であり、減速部23の右側は、右側に向かって次第に小さくなるテーパ状である。2つのテーパ部は互いに隣接する。熱中性子フィルター25は、治療時の表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体26は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。
【0038】
好ましいものとして、第2実施形態のターゲット22、減速部23、反射体24、熱中性子フィルター25及び放射線遮蔽体26は、第1実施形態と同様とすることができる。放射線遮蔽体26は、鉛(Pb)で製作した光子遮蔽体261、及び、ポリエチレン(PE)で製作した中性子遮蔽体262を含み、当該中性子遮蔽体262はビーム出口27に設置することができる。熱中性子フィルター25とビーム出口27との間には、空気通路28が設けられる。人工器官B1は、ビーム出口27から約1cm離れた箇所に設置される。
【0039】
図5において、ビーム整形アセンブリ30は、ビーム入口31と、ターゲット32と、ターゲット32に隣接する減速部33と、減速部33の周囲に配置される反射体34と、減速部33に隣接する熱中性子フィルター35と、ビーム整形アセンブリ30内において設置されている放射線遮蔽体36と、ビーム出口37と、を備える。ターゲット32とビーム入口31から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸X2を定義する、減速部33によりターゲット32からの中性子が熱外中性子エネルギー領域に減速される。反射体34は、熱外中性子ビーム強度を向上させるため主軸X2から逸れた中性子を主軸X2に導く。減速部33は互いに隣接する反対向きの2つのテーパ部を有する。具体的には、減速部33の外面は、第1のテーパ部と、第1のテーパ部と隣接する第2のテーパ部とを含む。第1のテーパ部の先細り方向は、第2のテーパ部の先細り方向と反対である。減速部33の左側は左側に向かって次第に小さくなるテーパ状であり、減速部33の右側は右側に向かって次第に小さくなるテーパ状である。2つのテーパ部は互いに隣接する。熱中性子フィルター35は、治療時の表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体36は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。
【0040】
好ましいものとして、第3実施形態のターゲット32、減速部33、反射体34、熱中性子フィルター35及び放射線遮蔽体36は、第1実施形態と同様とすることができる。放射線遮蔽体36は、鉛(Pb)で製作した光子遮蔽体361、及び、ポリエチレン(PE)で製作した中性子遮蔽体362を含み、当該中性子遮蔽体362はビーム出口37に設置することができる。熱中性子フィルター35とビーム出口37との間には、空気通路38が設けられる。人工器官B2は、ビーム出口37から約1cm離れた箇所に設置される。
【0041】
次にMCNPソフト(アメリカロスアラモス国立研究所(LosAlamos National Laboratory)が開発したモンテカルロ法を元にした、複雑な三次元形状における中性子、光子、荷電粒子または結合中性子/光子/荷電粒子輸送問題の算出のためのユニバーサルパッケージ)を用いたこの3つの実施形態についてのシミュレーション結果である。
【0042】
表1は、この3つの実施形態でのエアビームの品質要素のパフォーマンスを示す(下表における各名詞の単位は同上なので、ここでは説明しない。以下同じ)。
【0043】
【表1】
【0044】
表2は、この3つの実施形態での線量のパフォーマンスを示す。
【0045】
【表2】
【0046】
表3は、この3つの実施形態での中性子ビーム線量のパフォーマンスの優劣を評価するパラメータのシミュレーション結果を示す。
【0047】
【表3】
【0048】
注:上記の3つの表から見れば、ビーム整形アセンブリの減速部と反射体との間に隙間通路を設けると、その中性子ビームによる治療効果が最も良い。
リチウムターゲットからの中性子は比較的高い前向的平均エネルギーを示す特性を持つ。図6に示すように、中性子の散乱角度が0°〜30°となる場合、平均中性子エネルギーは約478keVであるが、中性子の散乱角度が30°〜180°となる場合、平均中性子エネルギーはわずか290keVである。ビーム整形アセンブリの幾何学的形状を変更することにより、前向き中性子と減速部との多くの衝突を実現するとともに、横向き中性子が少ない衝突でビーム出口に到着すると、理論的には中性子の減速を最適化し、効果的に熱外中性子束を向上させることができる。次にビーム整形アセンブリの幾何学的形状に手をつけ、ビーム整形アセンブリの異なる幾何学的形状により、熱外中性子束への影響を評価する。
【0049】
図7は第4実施形態のビーム整形アセンブリの幾何学的形状を示す。ビーム整形アセンブリ40は、ビーム入口41と、ターゲット42と、ターゲット42に隣接する減速部43と、減速部43の周囲に配置される反射体44と、減速部43に隣接する熱中性子フィルター45と、ビーム整形アセンブリ40内において設置されている放射線遮蔽体46と、ビーム出口47と、を備える。ターゲット42とビーム入口41から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成される。減速部43により、ターゲット42からの中性子が熱外中性子エネルギー領域に減速される。反射体44は、熱外中性子ビーム強度を高めるため、逸れた中性子を元の方向に導く。減速部43は柱状である。好ましいものとして、減速部43は円柱状である。熱中性子フィルター45は、治療時の表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体46は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。熱中性子フィルター45とビーム出口47との間に空気通路48が設けられる。
【0050】
図8は第5実施形態のビーム整形アセンブリの幾何学的形状を示す。ビーム整形アセンブリ50は、ビーム入口51と、ターゲット52と、ターゲット52に隣接する減速部53と、減速部53の周囲に配置される反射体54と、減速部53に隣接する熱中性子フィルター55と、ビーム整形アセンブリ50内において設置されている放射線遮蔽体56と、ビーム出口57と、を備える。ターゲット52とビーム入口51から入射した陽子ビームとの原子核反応により中性子が生成され、中性子により中性子ビームが形成され、中性子ビームは1つの主軸X3を定義する。減速部53により、ターゲット52からの中性子が熱外中性子エネルギー領域に減速される。反射体54は、熱外中性子ビーム強度を高めるために主軸X3から逸れた中性子を主軸X3に導く。減速部53の外面は、円筒部と、円筒部に隣接するテーパ部とを有する。減速部53の左側は柱状であり、減速部53の右側は右側に向かって次第に小さくなるテーパ状であり、両者は互いに隣接する。熱中性子フィルター55は、治療時の表層の正常組織への過度の線量を避けるために熱中性子の吸収に用いられる。放射線遮蔽体56は、非照射領域における正常組織への線量を減らすために漏れた中性子と光子の遮蔽に用いられる。
【0051】
好ましいものとして、第5実施形態のターゲット52、減速部53、反射体54、熱中性子フィルター55及び放射線遮蔽体56は第1実施形態と同様とすることができる。放射線遮蔽体56は、鉛(Pb)で製作した光子遮蔽体561、及び、ポリエチレン(PE)で製作した中性子遮蔽体562を含み、当該中性子遮蔽体562はビーム出口57に設置することができる。熱中性子フィルター55とビーム出口57との間に空気通路58が設けられる。人工器官B3は、ビーム出口57から約1cm離れた箇所に設置される。
【0052】
次にMCNPソフトを用いて行われた、第2実施形態の2つのテーパ体を含む減速部、第4実施形態の柱体を含む減速部、及び第5実施形態の柱体+テーパ体を含む減速部についてのシミュレーション結果を示す。
【0053】
表4は、この3つの実施形態でのエアビームの品質要素のパフォーマンスを示す。
【0054】
【表4】
【0055】
表5は、この3つの実施形態での線量のパフォーマンスを示す。
【0056】
【表5】
【0057】
表6は、この3つの実施形態での中性子ビーム線量のパフォーマンスの優劣を評価するパラメータのシミュレーション結果を示す。
【0058】
【表6】
【0059】
注:上記の3つの表から見れば、減速部が少なくとも1つのテーパ体(テーパ部)を含むと、その中性子ビームによる治療効果が比較的良い。
本発明の実施例に記載されている「柱体」または「柱状」は、図面に示されている方向に沿って一方側から他方側までその外輪郭の全体的な流れがほとんど変わらない構造である。外輪郭にある1つの輪郭線は線分であってよく、例えば、円柱状の対応する輪郭線や、大きな曲率を有する線分に近い円弧や、大きな曲率を有する球体状の対応する輪郭線であってもよい。外輪郭の表面全体はなめらかでもよく、なめらかでなくてもよい。例えば、円柱状または大きな曲率を有する球体状の表面に凹凸部があってもよい。
【0060】
本発明の実施例に記載されている「テーパ体」または「テーパ状」は、図面に示されている方向に沿って一方側から他方側までその外輪郭の全体的な流れが段々と小さくなる構造である。外輪郭にある1つの輪郭線は線分であってよく、例えば、円錐状の対応する輪郭線や、円弧や、球体状の対応する輪郭線であってもよい。外輪郭の表面全体はなめらかでもよく、なめらかでなくてもよい。例えば、円錐状または球体状の表面に凹凸部があってもよい。
【0061】
一つの放射フラックスを改善する重要な態様において、減速部の材料の調製を議論する必要がある。以下では、第1実施例及び図面3を例にし、減速部13をさらに詳細に説明する。
【0062】
減速部13は、2つの錐状体の向きが完全に相反する双円錐状構造であり、減速部13の材料はAlF又はCaF又はMgFのうちの少なくとも1種の材料で製作される。減速部13は、第1直径D1と、第2直径D2と、第3直径D3と、を有する。第1直径D1には、ターゲット12を収納するために開口が設けられ、第2直径D2は、双円錐状の最大寸法部で設けられる。BNCTにとっては、十分な減速効果を達成するために、第1直径D1は1cm〜20cmであり、第2直径D2は30cm〜100cmであり、第3直径D3は1cm〜50cmである。好ましくは、第1直径D1は10cmであり、第2直径D2は70cmであり、第3直径D3は30cmである。このような大きなサイズの減速部13を得て、かつその材料の密度が理論密度の80%−100%になるために、以下の3種の減速部材料の調製を提供する。
【0063】
1、結晶成長
まずMgFを例にし、さらに発明特許出願公開番号CN102925963Aを参照し、ここでは、全文を導入して結晶成長の調製の参考とする。結晶成長の方式とし、一般に、種結晶と、MgF含有の粉末を坩堝内に入れ、一定の方式でMgF単結晶が成長させられる。
【0064】
注意すべきなのは、ここでのいわゆる“単結晶”は単一回で成長された単結晶であり、単一の結晶粒ではない(すなわち、1種のみの結晶形を有し、かつ1つのみの結晶粒を有し、該結晶粒内の分子、原子はいずれも規則的に配列される)。さらなる理解は、このような単結晶粒は、複数の結晶粒(すなわち各結晶粒のサイズと形状は異なり、向きも様々であり、明らかな形状もなく、異方性も示されない)と対応する。以下の“単結晶”についての定義はここと同じである。
【0065】
研究により、PbF、AlF、CaFとAlも、類似の方式で調製することができる。
2、粉末焼結
MgF、AlF、CaFの粉末又は圧粉体をさらに結合し、焼結過程において粉末粒子は相互流動、拡散、溶解、再結晶などの物理化学的プロセスを発生し、粉末をさらに緻密させ、その中の一部又は全ての空隙を排除する。焼結方式には多種がある。例えば、固相焼結、すなわち焼結温度が粉末体中の各成分の融点以下であるものである。例えば、液相焼結、すなわち圧粉体に2種以上の成分がある場合、焼結はある成分の融点以上で行う可能性があり、したがって、焼結時に圧粉体に少量の液相が生成されるものである。例えば、ホットプレス焼結、すなわち焼結時に、粉末に圧力を加え、その緻密化プロセスを加速させ、ホットプレスは粉末の成形と焼結を結合し、直接製品を得るプロセスである。例えば、放電プラズマ焼結、すなわち特別な電源制御装置が生成したON−OFF直流パルス電圧を粉末サンプルに加え、通常放電加工に引き起こした焼結促進作用(放電衝撃圧力及びジュール加熱)を利用できる以外に、パルス放電初期の粉末間で発生した火花放電現象(瞬時に高温プラズマを発生させる)に起因する焼結促進作用を効果的に利用して瞬時高温場によって緻密化を実現する迅速焼結技術である。減速部の材料は粉末焼結設備で粉末焼結プロセスによって粉末又は圧粉体からブロックになる。
【0066】
同業者であれば、他の焼結方式もMgF又はAlF又はCaFのうちの少なくとも1種又は多種の混合物を減速部の材料とする調製を実現することができる。好ましいものとして、以下では、ホットプレス焼結と放電プラズマ焼結とを粉末焼結の実施例とする。
【0067】
さらにMgF粉末、又は、MgFにMgF粉末重量パーセントの0.1〜5%を占めるLiFを加える混合粉末を例にし、粉末焼結を説明し、好ましくは、以下では、MgFにMgF粉末重量パーセントの0.1〜5%を占めるLiFを加える混合粉末を例にして粉末焼結を説明する。
【0068】
減速部は、ビーム整形アセンブリに重要な役割を果たし、中性子減速に重要な役割を果たし、高速中性子強度をできるだけ低減させ、中性子を熱中性子に過剰に減速することがなく、一方で、減速過程に発生するγ線を低減しなければならない。研究により、減速部に少量のLi含有の材料を均一に添加すると、γ線の強度を効果的に低減することができ、中性子の強度を僅かに低減させるが、元の放射ビームの品質を維持する。さらなる研究により、MgFにMgF粉末重量パーセントの0.1〜5%を占めるLiFの粉末を混合すると、単独でLiFを添加しないMgF粉末に比べ、該混合粉末は熱中性子をより効果的に吸収し、かつγ線を効果的に抑制することができる。
【0069】
MgFにMgF粉末重量パーセントの0.1〜5%を占めるLiFの粉末を混合した減速部材料において、当業者が熟知するように、該Li含有の材料は、MgF粉末に容易に混合できるいかなる物理状態とすることができ、例えば、該Liを含有する材料は、液体でも粉末でもよい。該Liを含有する材料は、MgF粉末に容易に混合できるいかなる混合物でもよく、該Liを含有する材料はLiF又はLiCOであってもよい。好ましいものとして、MgF粉末とMgF粉末の重量パーセントの0.1−5%を占めるLiF粉末又は圧粉体をさらに結合し、焼結過程において粉末粒子は相互流動、拡散、溶解、再結晶などの物理化学的プロセスを発生し、粉末をさらに緻密化させ、その中の一部又は全ての空隙を排除する。焼結方式には多種がある。例えば、固相焼結、すなわち焼結温度が粉末体中の各成分の融点の以下であるものである。例えば、液相焼結、すなわち圧粉体に2種以上の成分がある場合、焼結はある成分の融点以上で行う可能性があり、したがって、焼結時に圧粉体に少量の液相が生成されるものである。例えば、ホットプレス焼結、すなわち焼結時に、粉末に圧力を加え、その緻密化プロセスを加速させ、ホットプレスは粉末の形成と焼結を結合し、直接製品を得るプロセスである。例えば、放電プラズマ焼結、すなわち特別な電源制御装置が生成したON−OFF直流パルス電圧を粉末サンプルに加え、通常放電加工に引き起こした焼結促進作用(放電衝撃圧力及びジュール加熱)を利用できる以外に、パルス放電初期の粉末間で発生した火花放電現象(瞬時に高温プラズマを発生させる)に起因する焼結促進作用を効果的に利用して瞬時高温場によって緻密化を実現する迅速焼結技術である。減速部の材料は粉末焼結設備で粉末焼結プロセスによって粉末又は圧粉体からブロックになる。
【0070】
同業者が熟知されるように、他の焼結方式もMgF、AlF、CaF又はPbFのうちの少なくとも1種又は多種の混合物にさらにLiFの粉末を添加して減速部の材料とする調製を実現することができる。好ましいものとして、以下では、ホットプレス焼結と放電プラズマ焼結とを粉末焼結の実施例とする。
【0071】
2.1放電プラズマ焼結
放電プラズマ焼結は、プラズマ活性化と、ホットプレスと、抵抗加熱とを一体に統合し、昇温速度が速く、焼結時間が短く、焼結温度が低く、結晶粒子が均一であり、焼結体の微細構造を制御しやすく、得られた材料の緻密度が高く、かつ操作しやすく、再現性が高く、安全で信頼性が高く、省スペース、省エネルギー及び低コストなどの利点を有する。放電プラズマ焼結では、強いパルス電流が粉末粒子の間に印加されるため、粉末粒子の間に電界誘導の正極と負極が存在し、パルス電流の作用で粒子間に放電が発生し、プラズマを励起させ、粒子間の放電により発生された高エネルギー粒子は粒子間の接触部分を衝撃し、物質が蒸発作用を発生させ、浄化と活性化作用を果たし、電気エネルギーが粒子塊の誘電体層に蓄えられ、誘電体層に断続的な急速放電が発生する。粉末又は圧粉体との間にパルス電流が存在するため、パルス電流が瞬間、不連続的、高周波数で発生し、粉末粒子の不接触部位に発生した放電熱、及び粉末粒子の接触部位で発生したジュール熱は、いずれも粉末粒子原子の拡散を大幅に促進させ、その拡散係数は通常のホットプレス条件でのものより遥かに大きく、それにより粉末焼結の迅速化を達成する。また、パルス電流のを加えると粉末内の放電部位及びジュール熱部位がいずれも急速に移動し、粉末又は圧粉体の焼結がいずれも均一化される。放電プラズマ焼結過程において、粒子間で放電する時に、数千度ひいては1万度までの局所高温が発生し、粒子の表面で蒸発と溶融を引きおこし、粒子の接触点で首を形成し、熱が発熱中心から粒子表面に転送され、そして周囲に拡散することで、首が迅速に冷却され、蒸気圧が他の部位より低くなる。気相物質が首に凝集され、通常の焼結方法より高い蒸発−凝固転送を形成することは放電プラズマ焼結過程のもう1つの重要な特徴である。結晶粒子はパルス電流加熱と垂直一方向圧力の作用を受け、体拡散、粒界拡散はいずれも強化され、焼結緻密化の過程を加速させ、したがって、より低い温度とより短い時間で高品質の焼結体を得ることができる。放電プラズマ焼結過程は粒子放電、導電加熱と加圧との統合作用の結果であると見なされる。
【0072】
図9を参照して、放電プラズマ焼結設備の概略図を示す。放電プラズマ焼結設備100は、第1電極101と、第2電極102と、第1電極101と第2電極102との間に配置された導電金型103と、導電金型103にパルス電流を提供するパルス電流発生器104と、加圧用の加圧部品1051、1052を備える加圧装置105と、パルス電流発生器104と加圧装置105とを制御するための制御装置106と、を備える。第1電極101と第2電極102との間の少なくとも一方は移動可能であり、加圧部品1051、1052のうちの少なくとも一方は移動可能である。好ましいものとして、第1電極101と加圧部品1051とが固定され、第2電極102と加圧部品1052とは移動可能であり、それにより金型103内に入れられる粉末又は圧粉体107を加圧することができる。好ましいものとして、導電金型103を鉛又はグラファイトにする。放電プラズマ焼結設備100は、さらに、加圧装置105の変位の測定に用いられる変位測定システム108と、前記金型103内の雰囲気を制御するための雰囲気制御システム109と、水冷真空室110を制御して冷却するための水冷システム111と、放電プラズマ焼結設備100内の温度の測定に用いられる温度測定装置112と、を備える。金型103と粉末又は圧粉体107にパルス電流を流し、放電衝撃圧力及びジュール加熱を提供して焼結を行う以外に、さらにパルス放電初期の粉末間で発生した火花放電現象(瞬時に高温プラズマを発生させる)に起因する焼結促進作用を効果的に利用して瞬時高温場によって快速な焼結を実現し、それにより粉末又は圧粉体107を粉末状態からブロック状にして、いわゆるブロック状は一体成型であり、結晶成長の方式は不要で、単結晶が研削又は研磨などのプロセスによって減速部のサイズに適したサイズに継ぎ合わされる。
【0073】
該放電プラズマ焼結設備100は直流パルス電流を直接流して焼結して加圧し、制御装置106はパルス電流の大きさを調整することによって昇温速度と焼結温度を制御する。焼結過程全体は真空環境で行うことができ、また酸素又は水素などの保護雰囲気中で行うことができる。
【0074】
酸素雰囲気下で、酸素が焼結物の表面により吸着され、又は化学反応作用が発生し、結晶表面に正イオン空孔型の不定比化合物を形成させ、正イオン空孔が増加し、同時に閉気孔中の酸素が直接格子に入り、かつ酸素イオン空孔と同じように表面に沿って拡散し、拡散と焼結が加速される。焼結が正イオン拡散により制御される時に、酸化雰囲気又は酸素分圧が高く、かつ正イオン空孔の形成に有利であり、焼結を促進する。陰イオン拡散により制御される時に、還元性雰囲気又は低酸素分圧が酸素イオン空孔の発生を引き起こし、かつ焼結を促進する。
【0075】
水素雰囲気でサンプルを焼結する時に、水素原子は、半径が小さいため、拡散しやすく、かつ閉気孔の排除に有利であり、アルミナ等のタイプの材料の水素雰囲気下での焼結は理論密度に近い焼結サンプルを得ることができる。
【0076】
焼結温度はプラズマ迅速焼結過程中の1つの重要なパラメータの1つのである。焼結温度の確定は、焼結サンプルの高温下での相転移、結晶粒子の成長速度、サンプルの品質要件及びサンプルの密度要件を考慮する必要がある。一般的に、焼結温度が高ければ、サンプルの緻密度が上昇し、これは、焼結温度がサンプルの緻密度に顕著な影響を与えることを意味する。また、焼結温度が高くなれば、焼結プロセスにおける物質移動の速度が大きくなり、サンプルが密実になりやすい。
【0077】
ただし、温度が高ければ高いほど、結晶粒子の成長速度が速く、その機械的特性が低くなる。温度が低すぎると、サンプルの緻密度が非常に低く、品質が要件を満たすことができない。温度と結晶サイズとの間の不一致性のため、温度の選択上で1つの適切なパラメータが必要である。
【0078】
焼結温度での保温時間を延長し、一般的には異なる程度で焼結の完了を促進し、サンプルの微細構造を改善することができ、これは粘性流れメカニズムの焼結に対して顕著であり、体積拡散及び表面拡散メカニズムの焼結に対しての影響は小さい。焼結プロセスにおいて、通常、保温が1分であれば、サンプルの密度は理論密度の96.5%以上達し、保温時間の延長に伴い、サンプルの緻密度が増加するが、変化範囲が大きくなく、これは、保温時間がサンプルの緻密度に一定の影響を与えるが、作用効果が顕著ではないことを示す。しかし、焼結温度での保温時間を不合理的に延長すると、結晶粒子はこの時間内で急速に成長し、二次再結晶が強化され、サンプルの性能要件に有利ではなく、短すぎる時間はサンプルの緻密度の低減を引き起こす可能性があり、したがって、適切な保温時間の選択が必要である。
【0079】
時間による昇温速度の加速は、サンプルを非常に短い時間内で所望の温度まで到達させ、結晶粒子の成長時間が大幅に低減され、これは結晶粒子の成長の抑制に有利であり、サイズが均一な結晶粒子セラミックスを得ることができるだけでなく、さらに時間を節約し、エネルギーを節約し、焼結設備の利用率を向上することができる。しかし、設備自身の制限により、昇温速度が速すぎることは設備に破壊的影響を与える。したがって、許される範囲内で昇温速度をできるだけ加速する。しかし、実際の実験データにより下記の結果が反映される。焼結温度と保温時間とは異なり、サンプルの緻密度に対する昇温速度の影響は逆の結果を示し、すなわち、温度の上昇に伴い、サンプルの緻密度が徐々に低減する傾向がある。焼結温度付近での昇温速度の加速は保温時間の短縮に相当し、したがって、サンプルの密度が低減されることを提案する学者がいる。実際の高温焼結過程において、昇温過程は一般に3つの段階に分けられ、それぞれは、室温から600℃程度、600℃から900℃程度、900℃から焼結温度である。第一段階は準備段階であり、昇温速度が相対的に遅い。第二段階は制御可能な迅速昇温段階であり、昇温速度は一般に100〜500(℃/min)に制御される。第三段階は昇温の緩和段階であり、該段階で温度が徐々に焼結温度まで上昇し、保温時間は一般に1〜7分間であり、保温後に炉と共に冷却され、冷却速度は300℃/minまで達することができる。
【0080】
粉末は十分な放電処理を経た後に、直ちにプレス成型され焼結される。焼結材料は抵抗ジュール熱と圧力との共同作用下で厳しい塑性変形を発生し、成形圧力の印加は、粉末粒子間の接触の増加、焼結面積の増加、焼結粉末間の残留ガスの排出、製品の強度、密度及び表面光沢度の向上に有利である。成形圧力の大きさは、一般に焼結粉末の圧縮性、及び、密度、強度などの焼結材料の性能への要件に応じて決定され、一般に15〜30MPa範囲内で、時には、50MPaまで高く、またはそれ以上に達する場合もある。一般に、成形圧力が大きければ、焼結材料の密度が高い。圧力印加の持続時間は焼結材料の密度にも非常に大きな影響があり、適切な圧力印加時間は焼結材料の種類、粉末粒子サイズ及び焼結材料の幾何学的サイズにより異なり、実験により決定される。実験により、圧力印加の持続時間は放電時間に等しく、又はそれよりやや高く、これは最大密度の焼結材料を取得する必要な条件である。焼結と固相反応メカニズムから、圧力が大きければ、サンプル中の粒子堆積がより緊密であり、相互の接触点と接触面積の増加により焼結が加速される。このようにしてサンプルがより高い緻密度が得られ、かつ結晶粒子の成長を効果的に抑制し、そして焼結温度を低減することができる。したがって、圧力は一般に30〜50MPaが選択される。しかし、焼結時の外部圧力が30MPaと50MPaの時に、サンプルの緻密度の相違が大きくないという研究があり、これは、緻密度が圧力の増加に伴って増加する現象は一定の範囲のみで顕著であることを示している。
【0081】
放電プラズマ焼結は従来の焼結技術に比べ、以下の利点を有する。焼結速度が速く、材料の微細構造が改善され、材料の性能が向上する。
当業者が熟知するように、金型は他の導電材料で製作することができ、放電プラズマ焼結設備は2つの電極がいずれも固定され、少なくとも1つの加圧部材のみが移動可能である。
【0082】
放電プラズマ焼結の主なプロセスは4つの段階に分けられる。第1段階:粉末サンプルに初期圧力を印加し、粉末粒子間を十分に接触させ、その後に粉末サンプル内で均一かつ十分な放電プラズマを発生させる。第2段階:パルス電流を印加し、パルス電流の作用下で、粉末粒子の接触点に放電プラズマが生成され、粒子表面では活性化によりマイクロ発熱現象が発生する。第3段階:パルス電源をオフにし、サンプルに対して抵抗加熱を行い、サンプルが、所定の焼結温度に達し、かつ、完全に収縮されるまで至る。第4段階:圧力をリリースする。初期圧力、焼結時間、成形圧力、加圧持続時間、焼結温度、昇温速度などの主なプロセスパラメータを合理的に制御し、優れた性能の材料が得られる。
【0083】
粉末粒子間のアーチ効果のため、それらは一般に十分に接触することができず、したがって、電気火花焼結時にサンプル内で均一かつ十分な放電プラズマを発生させ、粒子表面を最大限に活性化させ、焼結緻密化過程を加速させるように、焼結粉末に適切な初期圧力を印加し、粉末粒子を十分に接触させる。初期圧力の大きさは焼結粉末の種類、焼結部材の大きさ、及び性能により異なってもいい。初期圧力が小さすぎると、放電現象は一部の粉末に限定され、粉末の局所溶融を引き起こす。大きすぎると、放電が抑制されて、さらに焼結拡散の過程が遅延される。従来の文献により、放電が持続的かつ十分に行われるために、初期圧力は一般に10MPaを超えないほうがよい。
【0084】
電気火花で導電性能の高い粉末サンプルを焼結する際、抵抗加熱がサンプルの外部と内部で同時に行われるので、焼結時間が非常に短く、瞬間でもよく、しかし、焼結時間の長さは粉末の品質、品種と性能により異なり、一般に数秒から数分間である。大型、溶融しにくい金属材料を焼結する時に、数十分間の場合もある。焼結時間は部材の密度への影響が大きく、緻密化過程を十分に行うために、一定の焼結時間を確保する必要がある。
【0085】
一般に、放電プラズマ焼結過程中の迅速昇温は粉末の焼結に有利であり、それは材料の非緻密化メカニズムを抑制させて材料の緻密化メカニズムを活性化させ、したがって、昇温速度を向上させ、サンプルの緻密化程度を向上させることができる。
【0086】
好ましいものとして、放電プラズマ焼結プロセスは以下のステップを含む:適量の粉末又は圧粉体107を用いて金型103を充填する;加圧装置105を移動して金型103内の粉末又は圧粉体107を加圧する;制御装置106によりパルス電流発生器104をオンにして金型103を導電させることによりプラズマを生成し、粉末粒子表面を活性化させて発熱させる;焼結されてブロックになる。放電プラズマ焼結プロセスはさらに以下のステップを含む:制御装置106が変位測定システム108を制御して変位測定システム108の正常動作を確保し、制御装置106が雰囲気制御システム109を制御して金型103内の雰囲気が正常動作にあることを確保し、制御装置106が水冷システム111を制御してそれが正常動作にあることを確保し、制御装置106が温度測定装置112を制御して放電プラズマ焼結設備100内の温度が正常動作にあることを確保する。いわゆる正常動作では、例えば、警報指示ランプの点灯、警報指示ランプの鳴動、警報指示器の振動など、人間が感知する視覚、触覚又は聴覚などのアラーム信号を放電プラズマ焼結設備が発生しない。
【0087】
2.2ホットプレス焼結
ホットプレス焼結は、乾燥粉末を金型内に充填し、さらに単軸方向から加圧しながら加熱し、成形と焼結とを同時に完成する焼結方法である。ホットプレス焼結技術の生産プロセスは非常に豊かであり、分類については現在統一された規範と基準がない。現状では、生産プロセスは、真空ホットプレスと、雰囲気ホットプレスと、振動ホットプロセスと、バランスホットプレスと、熱間静水圧ホットプレスと、反応ホットプレスと、超高圧ホットプレスとに分けられる。ホットプレス焼結では加熱と加圧とが同時に行われるため、粉末材料は熱可塑性の状態にあり、粒子の接触拡散、流動物質移動過程の実行に有利であり、したがって、成形圧力は冷間プレスの1/10のみであり、さらに焼結温度を低減し、焼結時間を短縮でき、それにより結晶粒子の成長を抑制し、結晶粒子が細かくて小さく、緻密度が高く、機械的および電気的特性が優れた製品を得る。
【0088】
ホットプレス焼結プロセスを用いて減速部材料を製作するために、図10に示すとおり、ホットプレス焼結設備200は主に加熱炉201と、加熱炉201内に配置された加圧装置202と、金型203と、金型203内に充填された粉末又は圧粉体204と、制御装置205と、を含む。加熱炉201は一般に電気を熱源とし、加熱素子はSiC、MoSi又はニクロムワイヤ、白金ワイヤ、モリブデンワイヤなどである。加圧装置202は速度が緩やかであり、圧力を一定に保持し、圧力が柔軟に調整できることが要求され、一般にレバー式と油圧式がある。材料特性の要件に応じて、圧力雰囲気は空気、又は還元雰囲気、又は不活性雰囲気であってもよい。金型203には、高強度、耐高温、酸化防止、かつホットプレス材料と接着しないことが要求され、金型203の熱膨張係数は、ホットプレス材料のそれと一致又は近接すべきであり、好ましいものとして、本実施において、グラファイト金型が用いられる。制御装置205はホットプレス焼結設備200が正常動作状態にあるようにする。いわゆる正常動作では、例えば、警報指示ランプの点灯、警報指示ランプの鳴動、警報指示器の振動など、人間が感知する視覚、触覚又は聴覚などのアラーム信号を放電プラズマ焼結設備が発生しない。
【0089】
MgFからホットプレス焼結プロセスを用いて目標減速部を製作することを例にする。生産プロセスは、ほぼ以下のステップを含む:MgF原料調製――原料研磨、スクリーニング処理――金型への移動――高温焼結――高温ホットプレス焼結――冷却排出――熱間静水圧高温焼結――冷却排出――研削、研磨加工、接着――完成品。
【0090】
好ましいものとして、ここで前記の粉末処理ステップと後続の焼結完成の処理ステップを省略する。ホットプレス焼結プロセスは以下のステップを含む:適量の粉末又は圧粉体204を金型203に充填する;ホットプレス炉201をオンにして圧力と温度パラメータを予め設定する;加圧装置202を移動して金型203内の粉末又は圧粉体204を加圧する;制御装置205によりホットプレス焼結設備200が正常動作にあるように制御される;電気を流して焼結してブロックにする。
【0091】
さらに説明すべきことは、ホットプレス焼結プロセス中のステップ“加圧装置202を移動して金型203内の粉末又は圧粉体204を加圧すること”は事前加圧とすることができ、また、電気を流すことと同時に行うことができ、すなわち、ステップ“加圧装置202を移動して金型203内の粉末又は圧粉体204を加圧すること”とステップ“電気を流して焼結してブロックにすること”を統合することができる。
【0092】
以下の表では、結晶成長、放電プラズマ焼結、及びホットプレス焼結のいくつかのパラメータの比較がされている。本発明の開示する中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリにおける減速部に適用しやすい材料として、特に第2直径D2の最大100cmのサイズを製造しようとする前提で、ここで、粉末焼結により製作された減速部材料の使用を提案する。具体的には以下のとおりである。
【0093】
【表7】
【0094】
上の表では、粉末の主な材料としてそれぞれ添加した0.1〜5%のLiF粉末は省略される。上の表ではMgF+LiF、AlF+LiF、及びCaF+LiFという3種の減速部材料のみについて、以上のプロセスを用いるパラメータ比較を与えるが、当業者であれば、その減速部材料、例えばAl+LiFも容易に比較できる。
【0095】
上の表により、結晶成長の方式を用いて調製された減速部材料の密度は、理論密度に近接するのを達成でき、例えば理論密度の99.99%に達する。目標の大きいサイズを達成しようとする場合、単結晶のサイズが小さいので、複数の単結晶を継ぎ合わせる必要があり、過程において単結晶を鏡面研磨などの他のプロセスも行う必要があり、時間消費が大きく、かつコストとプロセス難易度がいずれも大きい。
【0096】
粉末焼結の方式で調製された減速部材料の密度も理論密度の80%−100%に達することができる。好ましいものとして、減速部材料の密度が理論密度の99.99%に達する。理論密度と結晶成長方式で得られた減速部材料の理論密度との間に基本的に差がないと共に、それはサイズと、時間と、コストと、プロセス難易度の面でいずれも優位性が顕著である。放電プラズマ焼結で調製される減速部材料は、その実際のサイズ要件に応じて取得し、1の方式は要件に合致する金型をカスタマイズすることができ、他の方式は普通の金型、例えば直径が70cmで、厚さが2cmの金型を用いて、複数のピースを用いて継ぎ合わせることができる。コストとプロセス難易度でも真空ホットプレス焼結及び熱間静水圧焼結とはほぼ同じであり、その製作時間は1ヶ月程度のみである。
【0097】
前記は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の開示する中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリは以上の実施例に記載の内容及び図面に示す構造に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の基礎上で、そのうちの部材の材料、形状及び位置に対して行われる変更、置き換え又は修正は、いずれも本発明の特許請求の範囲内にある。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10