特許第6843769号(P6843769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843769
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】デジタルテーブル
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
   B67D1/08 Z
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-560785(P2017-560785)
(86)(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公表番号】特表2018-522785(P2018-522785A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】US2016033255
(87)【国際公開番号】WO2016187418
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】62/165,042
(32)【優先日】2015年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/158,151
(32)【優先日】2016年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・リム
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・エドゥアルド・ブローエン
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−517188(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0299630(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0103926(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0106690(US,A1)
【文献】 特表2013−520376(JP,A)
【文献】 特開2013−014338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00− 3/04
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料で容器を底部から満たす供給システムであって、
ユーザから飲料注文を受け取るコントローラと、
テーブルと、を備え、前記テーブルが、
上面と、
前記上面の下方に配置され、複数の原料ラインを備える原料導管と、
前記容器の底部の凹部に封止係合するように構成される供給ヘッドであって、前記複数の原料ラインから受け取る1以上の原料を前記容器の前記底部に供給する1以上の放出口を備える供給ヘッドと、
前記容器が前記供給ヘッドと封止係合するとき、前記容器上の識別子を検出するように構成されるセンサと、
を備え、
前記センサが、前記供給ヘッドに封止係合される前記容器上の前記識別子を検出するとき、前記コントローラが、前記飲料で前記容器を満たすように構成され、
前記供給ヘッドが、第1の放出口と、前記第1の放出口の鉛直上方に配置される第2の放出口と、前記第2の放出口の鉛直上方に配置される第3の放出口を有する、
供給システム。
【請求項2】
前記センサが、静電容量センサ、無線周波数認識(RFID)センサ、導電性インクラベルを読み取るように構成される電子センサ、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記識別子が、無線周波数認識(RFID)タグ、導電性インクラベル、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
前記導電性インクラベルが、湿気に晒されると前記センサによって読取り不能となる、請求項3に記載の供給システム。
【請求項5】
前記識別子が前記センサによって読み取れない場合、前記容器を満たさないように構成される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項6】
前記テーブルが、前記上面を画定するテーブルトップと、前記テーブルトップを支持する支持構造とを備え、前記供給ヘッドが前記テーブルトップの側からアクセス可能である、請求項1に記載の供給システム。
【請求項7】
前記供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成されるユーザインタフェースを備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項8】
前記供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成される複数のユーザインタフェースを備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項9】
前記複数のユーザインタフェースが、前記テーブルの前記供給ヘッドの周囲に放射状に配置される、請求項8に記載の供給システム。
【請求項10】
複数のテーブルを備え、各テーブルが供給ヘッドと、前記供給ヘッドに連結される原料導管と、前記容器が前記テーブルの供給ヘッドと封止係合するときに前記容器の識別子の存在を検出するように構成されるセンサと、を備え、
前記テーブルの前記センサが前記テーブルの前記供給ヘッドと封止係合する容器の識別子を検出するとき、前記コントローラが各テーブルの前記供給ヘッドを介して飲料で容器を底部から満たすように構成される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項11】
前記供給ヘッドが、前記容器が前記供給ヘッドから分離された後、前記供給ヘッドの前記第3の放出口から炭酸水又は非炭酸水を供給することによって前記供給ヘッドがすすぎ洗いされるように構成される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項12】
前記コントローラが、ソーシャルメディアシステムを介して前記ユーザから前記飲料注文を受け取るように構成される、請求項1に記載の供給システム。
【請求項13】
飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームであって、
上面と、
前記上面の下方に配置され、複数の原料ラインを備える原料導管と、
前記原料導管に連結され、前記上面の鉛直上方に延在する供給ヘッドであって、前記複数の原料ラインから受け取る1以上の原料を前記容器の底部に供給する複数の放出口を有する供給ヘッドと、
を備え、
前記複数の放出口が、第1の放出口と、前記第1の放出口の鉛直上方に配置される第2の放出口と、前記第2の放出口の鉛直上方に配置される第3の放出口を有し、
前記複数の原料ラインがそれぞれ前記供給ヘッドの前記複数の放出口の1つに流体連通する供給プラットフォーム。
【請求項14】
前記第3の放出口が、炭酸水又は非炭酸水源に連結される原料ラインに連結される、請求項13に記載の供給プラットフォーム。
【請求項15】
前記第1の放出口が第1の原料源に連結される原料ラインに連結され、前記第2の放出口が第2の原料源に連結される原料ラインに連結され、前記第3の放出口が第3の原料源に連結される原料ラインに連結される、請求項14に記載の供給プラットフォーム。
【請求項16】
前記第1の原料源が香料源であり、前記第2の原料源がシロップ源であり、前記第3の原料源が炭酸水源又は非炭酸水源である、請求項15に記載の供給プラットフォーム。
【請求項17】
前記複数の放出口のうち最も上の放出口が、炭酸水又は非炭酸水源に連結される原料ラインに連結され、炭酸水又は非炭酸水を供給することによって前記供給ヘッドをすすぎ洗いするように構成される、請求項13に記載の供給プラットフォーム。
【請求項18】
飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームであって、
上面と、
前記上面の下方に配置される混合チャンバと、
前記混合チャンバに連結され、前記上面の鉛直上方に延在する供給ヘッドであって、前記容器の底部に前記飲料を供給する放出口を備える供給ヘッドと、
前記飲料を形成する原料を前記混合チャンバに配送する複数の原料ラインを備える原料導管と、
を備え、
前記飲料が前記供給ヘッドから供給される前に、前記飲料の原料が前記混合チャンバで混合される供給プラットフォーム。
【請求項19】
前記混合チャンバを通じて炭酸水又は非炭酸水を圧送することによって前記混合チャンバをすすぎ洗いするように構成される、請求項18に記載の供給プラットフォーム。
【請求項20】
前記混合チャンバが、炭酸水又は非炭酸水を前記混合チャンバから排出させる排水路を備える、請求項19に記載の供給プラットフォーム。
【請求項21】
飲料で容器を満たす供給システムであって、
テーブルと、
前記テーブルに配置され、前記容器の底部の凹部に封止係合するように構成される供給ヘッドであって、1以上の原料を前記容器の前記底部に供給する複数の放出口を備え、前記複数の放出口が、第1の放出口と、前記第1の放出口の鉛直上方に配置される第2の放出口と、前記第2の放出口の鉛直上方に配置される第3の放出口とを有する供給ヘッドと、
前記供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成される複数のユーザインタフェースと、
前記供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取り、前記供給ヘッドから前記1以上の異なる種類の飲料を供給するように構成されるコントローラと、
を備える供給システム。
【請求項22】
前記複数のユーザインタフェースが前記テーブルの前記供給ヘッドの周囲に放射状に配置される、請求項21に記載の供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、容器の底部を通じて飲料原料を供給する飲料供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン、劇場、その他の娯楽施設及び/又は食品サービス施設などにある各種飲料ディスペンサは通常、「ドロップイン」ディスペンサ機又はカウンタトップ型ディスペンサ機である。ドロップインディスペンサ機では、ディスペンサ機は自己完結型であり、カウンタトップの孔に落とし込むことができる。カウンタトップ型のディスペンサ機では、ディスペンサ機はカウンタトップに配置される。従来の飲料ディスペンサでは、供給ヘッドは供給ヘッドに特定のドリンクシロップを提供するために確保された単独の管を介して特定のドリンクシロップ供給源に連結され、一般的に、特定のドリンクシロップ供給源はカウンタトップの近傍、すなわち、カウンタトップの真下又はカウンタトップの真上に配置される。
【0003】
通常、ユーザは選択された飲料の表示の下にカップを置き、ボタンを押すか、あるいは供給レバーにカップを押しつけるかしてディスペンサを始動し、ボタン又はレバーからの圧力がなくなるまで、選択された飲料が選択された飲料に対応する供給ヘッドからカップに注がれる。
【0004】
一般的に、従来の飲料ディスペンサは、各自のカウンタに香料供給源を配置し、飲料を供給することに限定される。よって、従来の飲料ディスペンサでは、一般的に限られた数の飲料しか入手できない。たとえば、従来の飲料ディスペンサで通常入手できる飲料は、標準コーラ飲料、ダイエットコーラ飲料、おそらくは、レモンライム味の炭酸飲料又はその他のフルーツ味の飲料(たとえば、オレンジ味の炭酸飲料及び/又はルートビア)などの1又は複数のコーラ以外の炭酸飲料、おそらく紅茶及び/又はレモネードなどの1以上の非炭酸飲料である。
【0005】
大抵の場合、従来のディスペンサの構成では、ユーザは、消費者が購入したいと思われるオーダーメイドの飲料、たとえば、チェリー、バニラ、レモン、ライムなどの味のコーラ、レモン、オレンジ、ピーチ、ラズベリーなどの味の紅茶、又はスプーン1杯以上の甘味料入りの紅茶を生成することも、単独の供給ヘッドから受け取ることもできない。
【0006】
従来のディスペンサは通常、特定の飲料毎に専用の供給ヘッドを必要とする。
【0007】
必要とされるのは、従来の飲料ディスペンサ及び方法の制約と欠点を備えていない飲料供給システムである。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態では、たとえばソーダを含む飲料を供給する供給システムが提供される。
【0009】
代表的な一実施形態では、供給システムは、テーブルなどの供給位置と、容器の底部を通じて飲料を供給するように構成される供給ヘッドとを含む。
【0010】
別の代表的実施形態では、供給システムは、シロップ、香料、水を含む複数の異なる飲料原料を供給及び/又は混合することができる。ユーザは、ユーザインタフェースを介して、飲料の種類を選択し、様々な香料オプションを追加することができる。
【0011】
別の代表的実施形態では、供給システムは、複数の供給位置を有し、各供給位置が配管を通じて中央遠隔原料システムに接続されるモジュール式供給システムを備える。
【0012】
当業者であれば、本明細書に開示される供給システムの特定の代表的実施形態に関する以下の説明を前提とし、本明細書に開示される少なくとも特定の実施形態が便宜を高めるのに適する改良又は代替構造を有することを認識するであろう。また、当業者であれば、以下の図面と併せて以下の代表的実施形態を参照することで、本開示又は本開示の特定の実施形態のこれらの又はその他の態様、特徴、利点の理解を深めるであろう。
【0013】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給システムに関し、この供給システムは、ユーザから飲料注文を受け取り、ソーシャルメディアシステムから受け取った飲料注文に基づく識別子を含む容器を利用可能にするコントローラと、テーブルとを備え、テーブルは、上面と、上面の下方に配置され、複数の原料ラインを含む原料導管と、容器の底部の凹部に封止係合するように構成され、1以上の原料ラインから受け取った1以上の原料を容器の底部に供給する1以上の放出口を含む供給ヘッドと、容器が供給ヘッドと封止係合するとき、容器上の識別子の存在を検出するように構成されるセンサと、を含み、コントローラは、センサが供給ヘッドと封止係合する容器の識別子を検出するとき、飲料で容器を底部から満たすように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームに関し、供給プラットフォームは、上面と、上面の下方に配置され、複数の原料ラインを含む原料導管と、原料導管に連結され、上面の鉛直上方に延在し、1以上の原料ラインから受け取った1以上の原料を容器の底部に供給する複数の放出口を含む供給ヘッドと、を含み、放出口は供給ヘッドの鉛直上方に配置され、複数の原料ラインそれぞれは供給ヘッドの放出口のうちの1つに流体連通する。
【0015】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームに関し、供給プラットフォームは、上面と、上面の下方に配置された混合チャンバと、混合チャンバに連結されるとともに上面の鉛直上向に延在する供給ヘッドであって、原料を容器の底部に供給する放出口を含む供給ヘッドと、飲料を形成する原料を混合チャンバまで移送する複数の原料ラインを含み、飲料原料は飲料が供給ヘッドから供給される前に混合チャンバ内で混合される。
【0016】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給システムに関し、供給システムは、テーブルと、テーブルに配置され、容器の底部の凹部に封止係合するよう構成され、1以上の原料を容器の底部に供給する1以上の放出口を含む供給ヘッドと、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成される複数のユーザインタフェースと、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取り、供給ヘッドから1以上の異なる種類の飲料を供給するように構成されるコントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の各種態様による供給テーブルの一実施形態を示す斜視図である。
【0018】
図2A図1の供給テーブルの一実施形態を示す側面図である。
【0019】
図2B図1の供給テーブルの一実施形態を示す側面図である。
【0020】
図3図1の供給テーブルの一実施形態を示す平面図である。
【0021】
図4図1の供給ヘッドの一実施形態を示す詳細斜視図である。
【0022】
図5A】本開示の態様による供給テーブルと共に使用される容器を示す斜視図である。
【0023】
図5B】本開示の態様による供給テーブルと共に使用される容器の下部を示す概略断面図である。
【0024】
図6】本開示の態様による例示的ユーザインタフェースディスプレイを示す図である。
【0025】
図7】本開示の態様による供給システムの一実施形態を示す図である。
【0026】
図8】本開示の態様による供給テーブルと共に使用される配管の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は多くの様々な形状の実施形態を受け入れることができるが、本発明の代表的実施形態を図示し、本明細書で詳細に説明している。本開示は、本発明の原理の具体例としてみなすべきであり、本発明の広範な態様を図示される実施形態に限定することを目的としていないと理解される。
【0028】
以下の各種実施形態の説明においては、実行することができる本開示の各種実施形態を例示的に示し、本発明の一部を成す添付図面を参照する。他の実施形態も利用することができると理解すべきである。
【0029】
本発明による以下例示する各種構造の説明においては、本発明の態様を実行することができる様々な例示の装置、システム、環境を例示的に示し、本発明の一部を成す添付図面を参照する。部品、例示の装置、システム、環境のその他の具体的な構成も利用することができ、本発明の範囲を逸脱せずに、構造上及び機能上の変更を加えることができると理解すべきである。また、「上」、「下」、「前」、「後」、「側」、「裏」などの文言が、本発明の各種例示の特徴及び構成要素を説明するために本明細書で使用される場合があるが、これらの文言は本明細書では、たとえば、図面に示される例示の配向又は通常使用時の配向に基づき便宜上使用される。また、本明細書で使用されるとき、「複数」という文言は、1を超える任意の数を択一的又は全体で、必要に応じて無限数まで示す。本明細書のいずれの記載も、本発明の範囲に含めるために構造特定の3次元配向を必要とするように解釈すべきではない。また、読者は、添付図面は必ずしも等縮尺ではないことに注意すべきである。
【0030】
概して、本発明の態様は供給システムに関する。各種態様及び実施形態によると、供給システムは、本発明の範囲を逸脱せずに、金属(合金を含む)、プラスチック、ポリマー、複合物などの様々な材料のうち1以上で形成することができ、様々な構造のうちの1つで構成することができる。
【0031】
本願の様々な図面は、本開示による供給システムの例を示す。同じ参照符号が2つ以上の図面に現れるとき、同じ参照符号が本明細書で一貫して使用され、図面全体を通じて同一又は類似の部品を指す。
【0032】
後述する実施形態を使用して、冷飲料と温飲料、及びPepsi−Cola(登録商標)などのPepsiCoのブランド名で知られる飲料を含むがそれらに限定されない幅広い飲料を作製することができる。
【0033】
本開示の態様による供給システム50を少なくとも図1〜8に示す。本開示の態様による供給システム50は、ソーダを含む炭酸飲料などの飲料を含む液体を供給するために使用することができる。供給システム50は通常、テーブル、カウンタ、又はその他の面であってもよい1以上の供給位置100を含むことができる。各供給位置100は、ほぼ容器(たとえば、カップ、ボトルなど)200の底部を通じて液体を供給するように構成される少なくとも1つの供給ヘッド102を含むことができる。供給システム50は、供給ヘッド102と係合するように構成され、容器200の底部又は下部を通じて供給ヘッド102から液体を受け取るように構成される1以上の容器200をさらに含むことができる。各供給位置100は、ユーザがオーダーメイド飲料を選択できるように、ユーザが供給される液体又は飲料の種類及び/又は飲料原料の組み合わせを選択するのに使用する1以上のユーザインタフェース画面400をさらに含むことができる。供給システム50は、中央原料システム300にそれぞれ接続される複数の供給位置100を有するモジュール式システムであってもよい。
【0034】
上述したように、供給システム50は、供給位置100から遠隔に配置され、配管301によって供給位置100に接続される原料システム300も含むことができる。原料システム300は、水、シロップ、香料などの飲料原料を供給位置100に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、供給システムは、配管301によって共通の原料システム300にそれぞれ接続される複数の供給位置100を含むことができる。
供給位置及び容器
【0035】
図1〜3を参照すると、供給位置100は、テーブル、カウンタ、又はその他の面を備えることができる。いくつかの実施形態では、供給位置100は、上面122を有するテーブルトップ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、供給位置100は、テーブルトップ120を支持する支持構造124を含むことができる。各供給位置100は、液体を容器200の底部又は下部に供給するように構成される少なくとも1つの供給ヘッド102を含むことができる。各供給位置100は、ユーザが1以上の異なる種類の飲料及び/又は飲料の組み合わせを選択して、オーダーメイド飲料を作製するのに使用する1以上のユーザインタフェース400も含むことができる。供給位置100は、底部に排水路107を備えた斜面105も含むことができる。また、後で詳述するように、供給位置100は、供給位置100を原料システム300及び/又は配管301に接続するのに使用することができる接続点106も含むことができる。
【0036】
供給ヘッド102は、図4に示すように略円筒状の隆起部とすることができる。しかしながら、供給ヘッド102は任意の適切なサイズ又は形状を有することができる。後述するように、供給ヘッド102は、容器200の底部分202と連結するようなサイズと形状を有することができる。
【0037】
供給ヘッド102は1以上のノズル又は供給点(すなわち、放出口)110を含むことができる。各供給点110は、特定の種類の飲料及び/又は飲料原料を容器200に注入するように構成することができる。いくつかの実施形態では、単独のノズルを使用して、複数の飲料原料を注入することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、図2Bに示すように、供給システム50は1以上の混合チャンバ140を含むことができる。後で詳述するように、飲料原料は、原料システム300及び/又は配管301から混合チャンバ140に提供することができる。いかなる飲料原料も混合チャンバ140に追加することができる。たとえば、標準的なPepsi−Cola(登録商標)飲料を混合チャンバ140で作製することができる。混合チャンバ140は、飲料原料入口141と、供給ヘッド102と流体連通する混合飲料放出口ライン142とを含むことができる。混合チャンバ140で混合された後、飲料放出口ライン142で混合チャンバ140を出る混合物は、飲料原料(又はシロップ)対水の割合を重量で約5対1とすることができる。
【0039】
混合チャンバ140は、飲料の供給後に混合チャンバを実質上洗浄することのできる事後洗浄システムも含むことができる。流体が供給ヘッド102を通じて供給された後、流体又はその他の洗浄材料が混合チャンバ140に入れられて、混合チャンバをすすぎ洗いし、着色及び/又は香料をほぼ除去することができる。いったん洗浄が完了すれば、混合チャンバ140は、混合チャンバ140から洗浄材料を外出する排水路143も含むことができる。
【0040】
上述したように、供給ヘッド102は、1以上の種類の飲料及び/又は1以上の種類の飲料原料を供給するように構成される。別の実施形態では、主に図2A及び図4に示すように、供給位置100は別個の混合チャンバを含まず、原料の混合は供給ヘッド102及び/又は容器200内で行うことができる。一実施形態では、たとえば、供給ヘッド102は少なくとも3つの別々の供給点110を含むことができる。供給点110は相互に対して縦方向に配置することができる。たとえば、一実施形態では、供給システムは、第1の供給点112、第1の供給点112の上方の第2の供給点114、第2の供給点の上方の第3の供給点116を含むことができる。1例では、第1の供給点112は、少量の香料などのソーダ香料を供給するように構成することができる。第2の供給点114は、製品又はソーダシロップを供給するように構成することができる。第3の供給点116は、水又は炭酸水を供給するように構成することができる。このようなシステムでは、供給点112、114、116は、容器200内の別々の飲料成分を混合するように構成することができる。また、供給点112、114、116は、いったん容器200が供給ヘッド102から取り外された後、最も上、つまり第3の供給点116からの液体が第1の供給点112と第2の供給点114をすすぎ洗いすることができるように構成することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、供給位置100は、特に供給ヘッド102近傍の供給位置100で微生物を殺す、及び/又は非活性化することによって清浄化するために使用される紫外線清浄装置(図示せず)を含むことができる。
【0042】
供給位置は、供給位置100に提供される飲料原料を冷却又は加熱する冷却部(図示せず)又は加熱部(図示せず)も含むことができる。
【0043】
次に、図4、5A、5Bを参照すると、供給ヘッド102は、容器200の底部分202で容器200と係合又は連結して、容器200の底部分202に飲料を供給することができるように構成される。容器200は、グラス、カップ、マグ、ボトルなどの液体を保持するように構成される任意の種類の容器とすることができる。後述するように、容器200は、供給ヘッド102を収容するように構成される凹部204を容器200の底部分202に含めることができる。
【0044】
供給ヘッド102から飲料を供給するため、ユーザは、供給ヘッド102の上に容器を配置することによって、容器200を供給ヘッド102に連結する。容器200は、供給ヘッド102が液体を容器200に供給し、その後、容器200が供給ヘッド102から取り外されたら容器200を封止することのできる任意の数の様々な構造をとり得る供給ヘッド出入システム206を含むことができる。図5に示す一実施形態では、凹部204は、供給ヘッド102又は供給ヘッド102の一部を挿入することができる孔208を含むことができる。供給ヘッド出入システム206は、孔208の周囲にリング又はリングの一部を形成することができる第1の係合面210を含むことができる。供給ヘッド出入システム206は、孔208を覆い、第1の係合面212と係合することができる面を形成する第2の係合面212をさらに含むことができる。第1の係合面210と第2の係合面212は、供給ヘッド102が容器200に連結されないとき、第1の係合面210と第2の係合面212が液密封止を形成して液体が容器の底部分202を出るのを防ぐように、相互に付勢させることができる。第1の係合面210と第2の係合面212は、磁石、バネ、その他任意の適切な装置を用いて相互に付勢させることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の係合面は、単に重力を利用して相互に付勢させることができる。
【0045】
容器200が供給ヘッド102と係合すると、第1の係合面210と第2の係合面212が分離されて、液体が供給ヘッド102から容器200に流れる経路を形成する。
【0046】
供給ヘッド102は、ユーザが供給ヘッド102に容器200を置くと、供給ヘッドから容器200を取り外すまで液体が容器200に注入されるように手動で動作可能にすることができる。このようなシステムでは、供給ヘッド102及び/又は供給位置100は、容器200が供給ヘッド102に連結されるのを感知することができるレバー又はその他の装置を含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、供給ヘッド102は、容器を所定レベルまで自動的に満たすことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、容器200は、様々な好適な工程を実現できるように識別子を含むことができる。例示の容器認識システム250は容器200と供給位置100を含むことができる。いくつかの実施形態では、容器200は、供給位置100によって認識されるように識別子251を含むことができる。供給位置100は、容器200の存在を検出する、及び/又は容器200を特定するセンサ252を有することができる。いくつかの実施形態では、センサ252は相互容量センサであってもよく、複数接触検出用の支持体を含むことができる。センサ252は、実施形態に応じて様々な位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、センサ252は、斜面105内に配置する、あるいは斜面105に取り付けることができる。他の実施形態では、センサ252は供給ヘッド102に配置する、あるいは取り付けることができる。さらに別の実施形態では、センサ252は、任意の適切な位置で、供給位置100と係合することができる。センサ252は、容器200が供給位置に置かれたときに識別子251を読み取ることができるように配置することができる。他の実施形態では、センサ252は、飲料が供給される前にユーザがセンサ252近傍に容器200を通す、又は保持することができるように他の様々な位置に配置することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、識別子251は、各種プロトコルを用いて様々な周波数にわたって通信可能である、センサ252によって読取り可能なパターンの導電性印刷及び/又は半導体を容器200上に含むことができる。他の実施形態では、識別子251はRFIDであってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、導体は導電性インクを含むことができる。各種実施形態では、導体は、容器200の底部、容器材料の層間、容器200の表面、又は容器200に貼付することのできるステッカーに印刷することができる。ユーザが存在を認識できるように、印刷された導体は可視にする、あるいは、可視のマークを追加することができる。たとえば、可視のマークは、容器200と関連する特徴についての情報、たとえば「2飲料限定」や「飲料飲み放題」などの情報をユーザに伝えるメッセージを含むことができる。いくつかの実施形態では、マークはアートワーク又はグラフィックとすることができる。
【0050】
各種実施形態では、様々な番号付け又は認識方法を使用して、容器200毎に一意の識別子251を提供することができる。たとえば、当業者であれば、一般的なバーコードに見られるような点又は線のパターンを使用することができる。若しくは、数字の印刷を使用することができる。一連の文字又はその他の形状も使用することができる。センサ252によって認識可能であり、十分な数の一意の配列を含むパターン又は形状であれば何でも使用することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、印刷された導体のインクは、水蒸気や水分に晒されたときに洗い落とされる、あるいは別の形で認識できなくすることができる。この特徴を利用して、使い捨ての容器を提供することができ、この場合、容器の初回の利用中に水蒸気がインクを洗い流してしまうため、インクはもはやセンサ252で読み取れない。供給位置100は、特定できない容器には飲料を供給することができない。
【0052】
識別子251とセンサ252とを含む認識システム250は様々な充填動作で使用することができる。たとえば、センサ252と識別子251は、供給ヘッド102が識別子251で特定される容器200のサイズに対応付けられる所定量の飲料を供給するように、自動充填動作で使用することができる。
ユーザインタフェース
【0053】
上述したように、各供給位置100は1以上のユーザインタフェース400を含むことができる。たとえば図1及び3に示すように、供給位置100は3つのユーザインタフェース400を含むことができる。ユーザインタフェース400はタッチディスプレイ又はその他の適切なシステムであってもよい。図6は、本開示を前提とする多くの可能な構成のうちの1つを示す。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400は、消費者に様々な選択を行わせるように促すため、グラフィック、テキスト、又はその他の視覚情報を表示するタイトル領域又はタイトル画面410を含むことができる。ユーザインタフェース400は、ユーザが選択することができる様々な飲料オプションを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400は、各種飲料オプション420と各種香料又は原料追加又は除去オプション430を含むことができる。いくつかの実施形態は、注入選択440、様々な水供給選択450、キャンセル選択460などの供給コマンドを含むことができる。
【0054】
ユーザインタフェース400は接触感知パネルであってもよく、1以上のガラス層、電極層、絶縁材料、接着剤を含む各種層から成ることができる。ユーザインタフェース400は1以上の接触感知領域を支持し、それらの領域内での接触を介してユーザとの対話を可能にする。
【0055】
以下詳述するように、飲料供給システム50は、ユーザインタフェース400に接続されて、ユーザインタフェース400からの接触動作を受けて他の動作を実行する1以上の制御部500を含むことができる。たとえば、制御部500は、ユーザの選択に応じて供給ヘッド102から飲料を供給するように供給システム50を制御することができる。
【0056】
制御部500は、ユーザインタフェース400の動作を管理することができる。制御部500は、1以上のプロセッサ、メモリ、及び/又は別個の論理回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御部500は、飲料の利用可能性やその他の在庫レベル用に時計、スケジュールソフトウェア、センサとのインタフェースを含むことができる。制御部500は、ユーザインタフェース400と接続されて、タッチパネルを作動し、ユーザインタフェース400からのユーザ入力を受信することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、制御部500は、ユーザが接触したユーザインタフェース上の位置を表す座標を受信することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400を、対話を通じてユーザに飲料を選択するよう指示又は誘導するように制御することができる。たとえば、利用可能な飲料オプション420に対応付けられるアートワークやグラフィック(オブジェクト)を最初にユーザインタフェース400に示すことができる。次に、香料オプション430をユーザインタフェース400に示すことができる。最後に、「注入」又は「充填」オブジェクトをユーザインタフェース400に示して、飲料供給プロセスが最終段階まで進行しており、飲料を供給できることをユーザに警告することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400は、飲料製品/シロップ又は香料の利用可能性に基づき構成することができる。たとえば、香料が利用不能である場合、制御部500はその香料に関連する対象を表示しないようにユーザインタフェースを制御することができる。
【0059】
ユーザインタフェース400は複数の画面を含むことができる。たとえば、いくつかの画面は炭酸飲料に関連する画像を提示し、別の層はジュースに関連する画像を提示することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400は、1日のうちの時間に基づき構成することができる。たとえば、制御部500は、朝の時間中はジュースに関連する対象を表示し、一方、午後又は夕方の時間中、制御部500は炭酸飲料に関連する対象を表示するようにユーザインタフェース400を制御することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、近接センサを使用して、ユーザの存在を検出することができる。近接センサは光センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース400の挙動は、ユーザの存在に応じて変更することができる。たとえば、ユーザが近傍で検出されない場合、ユーザインタフェースは「誘因」モードに入り、照明又は音声を利用して、関与しない、あるいはまだ関与していないユーザの関心を引くことができる。別の例では、ユーザが近傍で検出される場合、ユーザインタフェースは「準備完了」モードに入り、最初のユーザ入力にすぐに反応することができる。
【0062】
ユーザがユーザインタフェース400内の対象を選択すると、ユーザインタフェースの様々な他の部分及び/又は画面を見せることができる。たとえば、飲料オプション420を提供する第1の画面を提示することができる。いったん飲料が選択されれば、様々な他の部分及び/又は画面を提示して、ユーザにとって有効な次の選択を示すことができる。たとえば、「注入」オプション及び/又は画面を示す、あるいは、香料追加オプション430を示すかして、これらの選択が次の有効な部分のいずれかであることをユーザに指し示すことができる。
【0063】
ユーザインタフェース400は、いくつかの実施形態では、ユーザ入力が特定の領域から承認されなくなるように時間切れを設定し、このインタフェースは初期状態にリセットすることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、インタフェース400は、所定期間、たとえば15秒間、入力に応答しない「清掃」モードを含むことができる。「清掃」モードでは、ユーザ入力が無効になり、飲料の供給を行わずに、清掃のためのユーザインタフェースの拭き取りやその他の接触が容易になる。所定期間の終了時、インタフェースは「清浄」モードを終了して、通常動作に戻る。
【0065】
原料システム
上述したように、供給システム50は、中央遠隔原料システム300に接続される複数の供給位置100を有するモジュール式システムとすることができる。図7を参照すると、1以上の供給位置100と、供給位置100から遠隔に配置される原料システム300とを備える供給システム50を設けることができる。配管301は原料システム300から供給位置100まで延在させることができる。
【0066】
図7を参照すると、原料システム300は、複数の飲料原料源を有することができる。原料システム300は、広範囲の飲料種類を作製するために複数の高濃度原料を備えることができる。各飲料原料302は保管容器に保管する、及び/又は原料システムによって制御することができる。保管容器はカートリッジ、バッグ、又はバッグ・イン・ボックス型容器、その他任意の適切な保管容器を備えることができる。飲料原料302はソフトドリンクシロップ304と香料原料306を含むことができる。飲料原料は水又は炭酸水308も含むことができる。シロップ及びその他の飲料原料は、PepsiCo社から提供され、Pepsi−Cola(登録商標)などのPepsiCoのブランド名で既知の飲料を生成する任意の原料を含むことができる。シロップとその他の飲料原料は、ポンプによって、保管容器又はその他の供給容器から所望の供給位置100まで圧送することができる。上述の飲料原料に加えて、水やミルクなどのその他の任意の数の飲料原料を含めることができる。
【0067】
上述したように、いくつかの実施形態では、バッグ・イン・ボックス(BiB)を使用して、ソフトドリンクシロップなどの飲料原料を供給位置100に供給することができる。いくつかの実施形態では、複数のBiBは積み重ねる、あるいはラックに配置することができる。いくつかの実施形態では、BiBは、段ボール繊維板ボックス内のプラスチック又は金属化フィルム製のバッグ又は袋を含むことができる。いくつかの実施形態では、供給システム50は、袋内の含有物の高度を判定する電子高度センサを含むことができる。
【0068】
原料システム300は、配管301を通じて原料システム300から供給位置100及び/又は供給ヘッド102まで飲料原料302を圧送するために使用される1以上のポンプアセンブリ310をさらに含むことができる。ポンプアセンブリ310は、配管301を通じて供給ヘッド102まで洗浄液などの他の液体を圧送するのにも使用することができる。ポンプアセンブリは、タンクからCOガス分岐ラインを通じて供給されるCOによって駆動することができる。これらのポンプは、従来のシロップポンプ、たとえば、BIPポンプを備えることができる。
【0069】
原料システムは、たとえば、原料処理システム320などの他のシステムを含むことができる。原料処理システム320は、原料302を処理するために使用することができる。たとえば、原料処理システム320は、原料302を冷飲料にとって所望の温度まで冷却する、及び/又は、原料を温飲料にとって所望の温度まで加熱するために使用することができる。原料処理システムによって提供される原料の温度範囲は、氷点よりもごくわずか低い温度(たとえば、スラリー又はスラッシュ製品を生成又は作製する)から華氏約180度(たとえば、コーヒーや紅茶などの温飲料を生成又は作製する)までの範囲とすることができる。
【0070】
原料処理システム320は、味を向上させ、臭気を低減し、及び/又は塩素を低減することのできる任意の適切な処理システムとすることもできる。原料処理システムは、たとえば、逆浸透(RO)を含むがそれに限定されないシステムを通じて、水質を略純水まで向上させる水処理システムとすることができる。原料処理システム320からの水などを含む処理済み原料は、供給位置100に供給することができる。
【0071】
図8に示すように、配管又は主微小管束301は、外側管322と、小さな内側管324の束とを備える。内側管324は、飲料/シロップライン、香料ライン、水及び炭酸水ラインなどの任意の飲料原料を備えることができる。
【0072】
配管301は帰還ライン又は水帰還ラインも含むことができる。帰還ラインは、たとえば、供給ヘッド102から供給されない水を原料システム300に帰還するように循環させることができる。
【0073】
供給システム50は、限定乳製品及び/又はジュースシステムも含むことができる。よって、飲料に少量のジュースを加えることができる、たとえば、コーラに少量のレモンジュース及び/又はライムジュースを加えることができる。コールドフラペチーノやホットコーヒーなどの飲料には、ミルクやクリームなどの乳製品を少量加えることができる。
【0074】
供給システム50は、原料システム300を使用しつつ、システムに追加の供給ヘッド102を加えることができる。
【0075】
他の実施形態では、供給システム50は略自己完結型とし、1以上の飲料原料を供給位置100に収容することができる。このようなシステムでは、飲料原料の全部又は略全部をベース内のカートリッジ又はその他の容器に収容することができる。いくつかの実施形態では、水などの一部の飲料原料は供給位置100内に保管せずに、代わりに水ラインを含むことができる。
【0076】
供給システム50は自動消毒システムを備えることができる。当業者であれば、消毒サイクルを実施できるように、システムの一部をロックすることができると認識するであろう。たとえば、消毒剤を認知するロックアウト機能を設けて、意図しない飲料供給を防止することができる。消毒剤を認知するロックアウト機能は、機械的及び電気的に安全上の冗長性を持たせることができる。
【0077】
供給システム50は、香料の種類に関するインターロックを備えることができる。
【0078】
供給システム50は、ソーシャルメディアシステム又はアプリケーションを備える、及び/又はソーシャルメディアシステム又はアプリケーションと通信することができる。たとえば、消費者のモバイル機器がモジュール式供給システムにリンクされるセンサから所定距離内に位置する場合、飲料を購入したいか否かを消費者に問うメッセージを消費者のモバイル機器に送信することができる。若しくは、又は同時に、消費者が飲料を購入したいか否かを消費者に問うメッセージを供給位置100に表示することができる。ソーシャルメディアシステム又はアプリケーションは、消費者の過去の購入及び/又は特定された好みに基づく消費者の1又は複数の好みを供給システム50にダウンロードすることができる。よって、供給システム50及び/又はソーシャルメディアシステム又はアプリケーションは、消費者のモバイル機器がモジュール式供給システムのセンサから所定距離内に位置するときに特定の消費者に問いかけることができる。
【0079】
また、供給システム50は、レストラン、劇場、その他の娯楽施設、飲料のメーカー及び/又は販売業者を含むがそれらに限定されない飲料の販売元のソーシャルメディアシステム又はアプリケーションを含むがそれらに限定されないソーシャルメディアシステム又はアプリケーションを介して、消費者から飲料注文を受けることができる。消費者は、消費者が供給位置100に到着する時間又はそれに近い時間までに飲料が容器内に作製されて並べられるように、供給位置100に到着する前に飲料を注文することができる。若しくは、消費者が供給位置100に到着する時間又はそれに近い時間までに容器を満たすために、識別子251を有する容器を準備して消費者に利用可能にすることができる。
【0080】
よって、本システムは、個人を認識し、飲料又は飲料の種類に関する決定を行い、その個人に提供することができる。本システムは、飲料が過去にその個人によって注文されたことがある、あるいはその個人がソーシャルメディアシステム又はアプリケーションで好みの飲料を特定していた場合、システムが従来提供する内容を変更することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、供給システム50はモバイルアプリケーションと対応付けることができる。いくつかの実施形態では、モバイルアプリケーションは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップなどのモバイル機器で実行することができる。モバイルアプリケーションによって、ユーザは供給位置100を介して供給する飲料を選択することができる。モバイルアプリケーションと飲料供給位置100間の通信は、赤外線、Wi−Fi、又はブルートゥースなどのサポートされる任意の無線手段を介して行うことができる。
【0082】
また、本システムは、あるエンティティから別のエンティティに与えられるギフト又はプレゼントを扱うことができる。たとえば、限定ではなく、本システムは、個人を認識し、個人がギフトを受け取ったか、あるいはプレゼントを受け取る資格があるか否かを判定し、たとえば無料又は割引の形でギフト又はプレゼントとして飲料を受け取るか否かを個人に問いかけることができる。
【0083】
本システムは、一吹きの蒸気、拭き取り動作の表示、及び紫外線LEDを含むがそれらに限定されない消毒画面表示を提示することもできる。
【0084】
本システムは、販売されるブランドに基づき変動する価格をユーザに提示することができる。たとえば、本システムは、ユーザがカップのサイズに基づき受け取る商品を決定することができる。
【0085】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給システムを含むことができ、この供給システムは、ユーザから飲料注文を受け取り、ユーザから受け取った飲料注文に基づく識別子を含む容器を利用可能にするコントローラと、テーブルとを備え、このテーブルは、上面と、上面の下方に配置され、複数の原料ラインを含む原料導管と、容器の底部の凹部に封止係合するように構成され、1以上の原料ラインから受け取った1以上の原料を容器の底部に供給する1以上の放出口を含む供給ヘッドと、容器が供給ヘッドと封止係合するとき、容器上の識別子の存在を検出するように構成されるセンサと、を含み、コントローラは、センサが供給ヘッドと封止係合する容器の識別子を検出するとき、飲料で容器を底部から満たすように構成される。
【0086】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムのセンサは、静電容量センサ、無線周波数認識(RFID)センサ、導電性インクラベルを読み取るように構成される、電子センサ、それらの組み合わせから成る群から選択することができる。
【0087】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、容器の識別子は無線周波数認識(RFID)タグ、導電性インクラベル、それらの組み合わせから成る群から選択することができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、導電性インクラベルは、湿気に晒されたときにセンサによって読取り不能にすることができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは、センサで読み取ることのできない識別子を有する容器を底部から満たさないように構成することができる。
【0088】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、テーブルはテーブルの上面を画定するテーブルトップと、テーブルトップを支持する支持構造とを含むことができる。
【0089】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成されるユーザインタフェースを含むことができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成される複数のユーザインタフェースを含むことができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは、テーブルの供給ヘッドの周囲に放射状に配置される複数のユーザインタフェースを含むことができる。
【0090】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは複数のテーブルを備え、各テーブルが供給ヘッドと、供給ヘッドに連結される原料導管と、容器がテーブルの供給ヘッドと封止係合するときに容器の識別子の存在を検出するように構成されるセンサと、を含むことができ、コントローラは、テーブルのセンサがテーブルの供給ヘッドと封止係合する容器上の識別子を検出したときに、その各テーブルで供給ヘッドを介して飲料で容器を底部から満たすように構成することができる。
【0091】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給ヘッドは、第1の放出口と、第1の放出口の鉛直上方に配置される第2の放出口と、第2の放出口の鉛直上方に配置される第3の放出口とを含むことができ、供給プラットフォームは、容器が供給ヘッドから分離された後、供給ヘッドの第3の放出口から炭酸又は非炭酸水を供給することによって供給ヘッドをすすぎ洗いするように構成することができる。
【0092】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、コントローラは、ソーシャルメディアシステムを介してユーザから飲料注文を受けるように構成することができる。
【0093】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームを含むことができ、本供給プラットフォームは、上面と、上面の下方に配置され、複数の原料ラインを含む原料導管と、原料導管に連結され、上面の鉛直上方に延在し、1以上の原料ラインから受け取った1以上の原料を容器の底部分に供給する複数の放出口を含む供給ヘッドと、を含み、放出口は供給ヘッドの鉛直上方に配置され、複数の原料ラインは供給ヘッドの放出口のうちの1つに流体連通する。
【0094】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給ヘッドは第1の放出口と、第1の放出口の鉛直上方に配置される第2の放出口と、第2の放出口の鉛直上方に配置される第3の放出口と、を含むことができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、第3の放出口は、炭酸又は非炭酸水源に連結される原料ラインに連結することができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、第1の放出口は第1の原料源に連結される原料ラインに連結することができ、第2の放出口は第2の原料源に連結される原料ラインに連結することができ、第3の放出口は第3の原料源に連結される原料ラインに連結することができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、第1の原料源は香料源とすることができ、第2の原料源はシロップ源とすることができ、第3の原料源は水源とすることができる。
【0095】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給ヘッドの複数の放出口のうち最も上の放出口は、炭酸又は非炭酸水源に連結される原料ラインに連結することができ、炭酸又は非炭酸水を供給することによって供給ヘッドをすすぎ洗いするように構成することができる。
【0096】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給プラットフォームを含むことができ、本供給プラットフォームは、上面と、上面の下方に配置された混合チャンバと、混合チャンバに連結されるとともに上面の鉛直上向に延在する供給ヘッドであって、原料を容器の底部に供給する放出口を含む供給ヘッドと、飲料を形成する原料を混合チャンバまで移送する複数の原料ラインを含み、飲料原料は飲料が供給ヘッドから供給される前に混合チャンバ内で混合される。
【0097】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給プラットフォームは、混合チャンバを通じて炭酸又は非炭酸水を圧送することによって混合チャンバをすすぎ洗いするように構成することができる。本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、混合チャンバは、混合チャンバから炭酸又は非炭酸水を排出させる排水路を含むことができる。
【0098】
いくつかの実施形態は、飲料で容器を底部から満たす供給システムを含むことができ、本供給システムは、テーブルと、テーブルに配置され、容器の底部の凹部に封止係合し、1以上の原料を容器の底部に供給する1以上の放出口を含む供給ヘッドと、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取るように構成される複数のユーザインタフェースと、供給ヘッドを介して供給される1以上の異なる種類の飲料のユーザの選択を受け取り、供給ヘッドから1以上の異なる種類の飲料を供給するように構成されるコントローラと、を備える。
【0099】
本明細書に記載される各種実施形態のいずれにおいても、供給システムは、テーブルの供給ヘッドの周囲に放射方向に配置される複数のユーザインタフェースを含むことができる。
【0100】
本発明は図面の実施形態を参照して説明及び図示したが、本発明の特徴は、本発明の精神を大きく逸脱することなく、変更、改変、変化、置換などを受け入れることができると理解すべきである。たとえば、様々な部品の大きさ、数、サイズ、形状は、具体的な用途に合わせて変更することができる。したがって、本明細書で例示及び記載される特定の実施形態は単に例示することを目的としており、本発明は以下の請求項及びその等価物によってしか限定されない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8