(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分注制御部は、前記同一の希釈検体を貯留した複数の希釈容器のうち、前記最初の検査を実施するために希釈検体を採取した希釈容器を前記再検査用の希釈容器として抽出する
請求項1または2に記載の自動分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の自動分析装置および自動分析方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
≪自動分析装置≫
図1は、実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図であり、一例として血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する生化学分析装置に本発明を適用した自動分析装置1の概略構成図である。この図に示すように、自動分析装置1は、測定部1aと制御部1bとを備えている。
【0012】
このうち測定部1aは、例えば検体保持部2、希釈検体保持部3、第1試薬保持部4、第2試薬保持部5、および反応容器保持部6を備えている。また測定部1aは、希釈撹拌装置11、希釈洗浄装置12、第1反応撹拌装置13、第2反応撹拌装置14、多波長光度計15、および反応容器洗浄装置16を備えている。
【0013】
また測定部1aは、複数の分注装置20を備えている。各分注装置20は、ここでは例えば検体分注装置20a、希釈検体分注装置20b、第1試薬分注装置20c、および第2試薬分注装置20dの4つである。各分注装置20は、それぞれが分注プローブ21を備えている。
図2は、実施形態に係る自動分析装置のブロック図である。この図に示すように、各分注装置20は、液面検知器22を備えている。なお
図2においては、代表して希釈検体分注装置20bに液面検知器22が設けられている状態を図示した。
【0014】
一方、制御部1bは、表示部51、入力部52、記憶部53、および入出力制御部54を備えている。
【0015】
以下、
図1および
図2に基づいて、これらの構成要素の詳細を、測定部1aおよび制御部1bの順に説明する。
【0016】
<測定部1a>
[検体保持部2]
検体保持部2は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の検体容器P2を複数列で保持し、保持した検体容器P2を円周の双方向に搬送する構成である。この検体保持部2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。検体保持部2に保持される各検体容器P2は、分注液として、検査対象となる検体や精度管理用のコントロール検体が貯留されたものである。検体保持部2には、これらの各種の検体が、所定の位置に保持される構成となっている。
【0017】
なお、検体保持部2には、検体容器P2の他にも、希釈液が貯留された希釈液容器や、洗浄液が貯留された洗浄容器が、貯留容器として保持されてもよい。また以上のような検体保持部2は、保持した検体容器P2や他の容器を冷却する機能を有していてもよい。
【0018】
[希釈検体保持部3]
希釈検体保持部は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の希釈容器P3を保持し、保持した希釈容器P3を円周の双方向に搬送する構成である。この希釈検体保持部3は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
【0019】
希釈検体保持部3に保持される希釈容器P3は、検体保持部2に配置された検体容器P2から吸引されて希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が分注されるか、または検体容器P2から吸引された検体がそのまま分注され、分注された希釈検体または検体を貯留するものである。なお、以降の説明の希釈検体は、検体も含む。
【0020】
[第1試薬保持部4および第2試薬保持部5]
第1試薬保持部4は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第1試薬容器P4を保持する。また、第2試薬保持部5は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第2試薬容器P5を保持する。そして、それぞれ保持した第1試薬容器P4および第2試薬容器P5を円周の双方向に搬送する構成である。これらの第1試薬保持部4および第2試薬保持部5は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
【0021】
なお、自動分析装置1に設けられた試薬保持部は、第1試薬保持部4および第2試薬保持部5の2つに限定されることはなく、1つであってもよいし3つ以上の複数であってもよい。自動分析装置1に設けられた試薬保持部が1つである場合、1つの試薬保持部に対応させて、以降に説明する第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dが設けられた構成であってよい。
【0022】
[反応容器保持部6]
反応容器保持部6は、希釈検体保持部3と、第1試薬保持部4と、第2試薬保持部5との間に配置される。この反応容器保持部6は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の反応容器P6を保持し、保持した反応容器P6を円周の双方向に搬送する構成である。この反応容器保持部6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
【0023】
反応容器保持部6に保持される反応容器P6は、希釈検体保持部3の希釈容器P3から採取した希釈検体、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から採取した第1試薬、さらに第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から採取した第2試薬が、それぞれ所定量で分注されるものである。そして、この反応容器P6内において、希釈検体と第1試薬および第2試薬とが撹拌されてこれらの反応が行われるか、または希釈検体と第1試薬とが撹拌されてこれらの反応が行われる。なお、反応容器P6内において、希釈検体と共に撹拌される第1試薬および第2試薬は、各検体に対して実施される検査項目に対応して選択される。
【0024】
以上のような反応容器保持部6は、不図示の恒温槽により、反応容器P6の温度を常時一定に保持するように構成されている。
【0025】
[希釈撹拌装置11]
希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置11は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有し、不図示の撹拌子を希釈検体保持部3に保持された希釈容器P3内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
【0026】
[希釈洗浄装置12]
希釈洗浄装置12は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈洗浄装置12は、以降に説明する希釈検体分注装置20bによって希釈検体が吸引された後の希釈容器P3を洗浄する装置である。
【0027】
[第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14]
第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6に保持された反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とを撹拌する。このような第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有し、不図示の撹拌子を反応容器保持部6の所定位置に保持された反応容器P6内に挿入し、希釈検体と第1試薬または第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応を進める。
【0028】
[多波長光度計15]
多波長光度計15は、計測部であり、反応容器保持部6の周囲における反応容器保持部6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計15は、反応容器P6内において検査項目に対応する第1試薬および第2試薬と反応した希釈検体に対して光学的測定を行ない、検体中の様々な成分の量を吸光度として出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
【0029】
[反応容器洗浄装置16]
反応容器洗浄装置16は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。反応容器洗浄装置16は、検査が終了した反応容器P6内を洗浄する装置である。
【0030】
[検体分注装置20a]
検体分注装置20aは、細管状の分注プローブ21として検体プローブ21aを備え、検体保持部2と希釈検体保持部3の周囲に配置されている。検体分注装置20aは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った検体プローブ21aの先端を検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体中に挿入し、所定量の検体を検体プローブ21a内に吸引する。この際、検体保持部2は、予め設定された測定プログラムにしたがって、検体保持部2の所定位置に保持された検体容器P2を、所定の検体採取位置に移動させておく。
【0031】
また、検体分注装置20aは、希釈検体保持部3の希釈容器P3内に検体プローブ21aの先端を挿入し、検体プローブ21a内に吸引した検体と、検体分注装置20a自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)とを、希釈容器P3内に吐出する。これにより、希釈容器P3内において、検体を所定倍数の濃度に希釈する。
【0032】
さらに検体分注装置20aは、所定量の検体と希釈液とを合計した所定量を単位量とした分注を実施し、希釈容器の容量の範囲内において単位量の倍数分の希釈検体を、希釈容器P3内に分注する。この際、検体分注装置20aは、測定に必要とする同一の希釈検体の必要量が希釈容器P3の容量を超える場合、1つの希釈容器P3に対して、希釈容器P3の容量の範囲内で単位量の倍数分の分注量の分注を実施する。そして、同一の希釈検体の必要量のうち、1つの希釈容器P3の分注量を超えた分については、別の希釈容器P3に対して単位量の倍数分の分注量の分注を実施する。
【0033】
[希釈検体分注装置20b]
希釈検体分注装置20bは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として希釈検体プローブ21bを備え、希釈検体保持部3と反応容器保持部6の間に配置されている。希釈検体分注装置20bは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った希釈検体プローブ21bの先端を、希釈検体保持部3の希釈容器P3内に挿入し、システム水が充填された希釈検体プローブ21bの先端から、所定量の希釈検体を吸引する。また希釈検体分注装置20bは、反応容器保持部6の反応容器P6内に希釈検体プローブ21bの先端を挿入し、希釈検体プローブ21b内に吸引した希釈検体を、反応容器P6内に吐出する。これにより希釈容器P3から反応容器P6に希釈検体を分注する。
【0034】
[第1試薬分注装置20c]
第1試薬分注装置20cは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として第1試薬プローブ21cを備え、反応容器保持部6と第1試薬保持部4の間に配置されている。第1試薬分注装置20cは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った第1試薬プローブ21cの先端を、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4内に挿入し、システム水が充填された第1試薬プローブ21cの先端から、所定量の第1試薬を吸引する。また第1試薬分注装置20cは、反応容器保持部6の反応容器P6内に第1試薬プローブ21cの先端を挿入し、第1試薬プローブ21c内に吸引した第1試薬を反応容器P6内に吐出する。
【0035】
[第2試薬分注装置20d]
第2試薬分注装置20dは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として第2試薬プローブ21dを備え、反応容器保持部6と第2試薬保持部5の間に配置されている。第2試薬分注装置20dは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った第2試薬プローブ21dの先端を、第2試薬保持部5の第2試薬容器P5内を挿入し、システム水が充填された第2試薬プローブ21dの先端から、所定量の第2試薬を吸引する。また第2試薬分注装置20dは、反応容器保持部6の反応容器P6内に第2試薬プローブ21dの先端を挿入し、第2試薬プローブ21d内に吸引した第2試薬を反応容器P6内に吐出する。
【0036】
[液面検知器22]
液面検知器22は、各分注装置20における分注プローブ21の先端に対する液面の高さ位置を検知するための測定機器であって、これにより各分注装置20に設けられた容器中の液量を知ることができる。このような液面検知器22は、液量検知器として設けられていて、例えば静電容量式のものが用いられるが、容器内の液量を検知することができれば、これに限定されることはなく他の方式のものであってもよい。
【0037】
<制御部1b>
制御部1bは、上述した測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構、多波長光度計15、各分注装置20の液面検知器22に接続されている。このような制御部1bは、表示部51、入力部52、記憶部53、および入出力制御部54を備える。これらの構成要素の詳細は、次のようである。
【0038】
[表示部51]
表示部51は、多波長光度計15による測定結果を表示する他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報を表示する。この表示部51には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。また表示部51は、後述する入出力制御部54の分注制御部54aからの指示にしたがった通知を出力する出力部を兼ねていることとする。なお、出力部は、表示部51であることに限定されることはなく、ここでの図示を省略したスピーカーであってもよく、表示部51とスピーカーの両方であってもよい。
【0039】
[入力部52]
入力部52は、自動分析装置1のオペレーターによって行われる各種の設定に関する入力やその他の入力を受け付け、入力信号を入出力制御部54に出力する。この入力部52には、例えば、マウス、キーボード、表示部51における表示面に設けられたタッチパネル等が用いられる。
【0040】
[記憶部53]
記憶部53は、例えば、HDD(Hard disk drive)や半導体メモリなどの大容量の記録装置によって構成される。この記憶部53には、次に説明する入出力制御部54が実行する各種のプログラム、検査を実施するための各種の設定情報、および各種の履歴情報が保存される。これらの情報は、入力部52または入出力制御部54からの信号に基づいて、記憶部53に保存された情報である。このうち設定情報としては、例えば下記表1および表2に示すような情報が含まれる。また各種の履歴情報には、例えば下記表3に示すような情報が含まれる。
【0041】
下記表1は、同一の希釈検体を対象とした各検査項目[A]〜[D]の測定においての、希釈検体の使用量に関する検体使用量情報を示す表であり、(1)初検使用量、(2)再検使用量、(3)再検用予約量、および(4)必要希釈検体量を含む。ここで同一の希釈検体とは、同一の検体を同一の希釈液によって同一の希釈条件で希釈したものである。なお、これらの検体使用量情報としては、以上説明した項目の他にも、分注処理の際に発生するロス量、希釈容器P3およびプローブに対するダミー量等の細かい補正量があるが、ここでは説明を簡単にするために補正量は考慮しないこととする。
【0043】
(1)初検使用量とは、各検査項目[A]〜[D]に関する最初の検査(初検)における測定で、希釈容器P3から反応容器P6へ分注される希釈検体の実使用量である。ここでは一例として、全ての検査項目[A]〜[D]で60(μl)としている。
【0044】
(2)再検使用量とは、各検査項目[A]〜[D]の再検査(再検)における測定で、希釈容器P3から反応容器P6へ分注される希釈検体の実使用量である。この再検使用量は、再検が必要となった場合に、再検の条件に応じて設定される値である。このため(1)初検使用量と同じこともあるが、これよりも少ない場合も多い場合もある。検査結果のばらつきが要因となって再検が必要となった場合であれば、この再検使用量は(1)初検使用量と同一になる。また希釈検体の濃度が原因で再検が必要となった場合には、この再検使用量は(1)初検使用量よりも少ない値かまたは多い値となる。ここでは一例として、全ての検査項目[A]〜[D]で初検と同様の60(μl)としている。
【0045】
(3)再検用予約量とは、各検査項目[A]〜[D]について再検の必要性が生じた場合を予測して、希釈容器P3に余分に貯留しておく希釈検体の液量である。通常、再検の発生確率はそれほど高くない。このため、この再検用予約量には(2)再検使用量より少ない量を割り当て、複数の検査項目[A]〜[D]の再検用予約量を合算することで、実際に再検が発生したいくつかの項目の再検使用量を確保する。これにより、検体の使用量を抑える。
【0046】
(4)必要希釈検体量は、各検査項目[A]〜[D]に対して割り当てられた希釈検体量であって、(1)初検使用量と(3)再検用予約量との合計量である。
【0047】
下記表2は、同一の希釈検体を貯留する各希釈容器[P3-1],[P3-2]に関しての容器別情報であって、各希釈容器P3に関連付けた希釈検体に関する情報も含む。このような容器別情報は、(5)分注量、(6)初検割り当て検査項目、(7)初検の合計使用量、および(8)初検後の残液量を含む容器別の情報である。
【0049】
(5)分注量とは、各希釈容器P3に分注された希釈検体の量である。この分注量は、希釈容器P3の容量の範囲内においての単位量の倍数となっている。ここでは、一例として、希釈容器P3の容量300(μl)、単位量150(μl)としている。この単位量は、分注装置20の秤量精度が確保される限界秤量と、検体の希釈条件とで決まる値である。例えば、検体分注装置20aの限界秤量が30(μl)であり、希釈条件が5倍希釈であれば、検体30(μl)に希釈液120(μl)を加えて5倍希釈とした150(μl)が単位量となる。
【0050】
ここで示した例においては、希釈容器P3の容量300(μl)に対し、各検査項目[A]〜[D]の(4)必要希釈検体量の総計は、[100×4=400(μl)]である。このため、1つの希釈容器[P3-1]には、単位量150(μl)の倍数である2倍量の300(μl)の分注量の希釈液が分注され、他の希釈容器[P3-2]には、単位量150(μl)の1倍量の150(μl)の分注量の希釈液が分注された状態となっている。
【0051】
(6)初検割り当て検査項目とは、希釈容器[P3-1],[P3-2]に対しての、初検で希釈検体を採取する検査項目[A]〜[D]の割り当てである。ここでは、各希釈容器[P3-1],[P3-2]の(5)分注量の範囲に、各検査項目[A]〜[D]の(4)必要希釈検体量の合計が収まるように、希釈容器[P3-1],[P3-2]に対して検査項目[A]〜[D]が割り当てられる。
【0052】
(7)初検の合計使用量とは、各希釈容器[P3-1],[P3-2]に割り当てられた各検査項目[A]〜[D]についての、(1)初検使用量の合計量である。
【0053】
(8)初検後の残液量とは、各検査項目[A]〜[D]の初検が終了した後の、各希釈容器[P3-1],[P3-2]に残される希釈検体の貯留量である。この残液量は、以降に説明する分注制御部54aにおいて算出される値である。
【0054】
下記表3は、同一の希釈検体を貯留する各希釈容器[P3-1],[P3-2]に関しての容器別の履歴情報であって、各希釈容器P3に関連付けた希釈検体に関する情報を含む。このような容器別の履歴情報は、(11)再検割り当て検査項目、(12)再検の合計使用量、(13)残液量を含む容器別の情報である。
【0056】
(11)再検割り当て検査項目とは、希釈容器[P3-1],[P3-2]に対しての、再検で希釈検体を採取する検査項目[A]〜[D]の割り当てであり、以降に説明する自動分析方法にしたがって順次に割り当てられる。
【0057】
(12)再検の合計使用量とは、再検に際して各希釈容器[P3-1],[P3-2]に割り当てられた各検査項目[A]〜[D]についての、(2)再検使用量の合計量であって、更新される値である。
【0058】
(13)残液量とは、検査項目[A]〜[D]について依頼された各再検が終了した後の、各希釈容器[P3-1],[P3-2]に残された希釈検体の貯留量である。この残液量は、分注処理の実施によって更新される値であって、後述する分注制御部54aにおいて分注処理の都度算出される値である。
【0059】
[入出力制御部54]
入出力制御部54は、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成されている。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、自動分析装置1内の各部の動作を制御する。ROMおよびRAMなどの記憶部は、記憶部53であってもよい。
【0060】
この入出力制御部54は、例えば多波長光度計15での測定結果に基づいて再検査の必要性を判断し、希釈容器P3に残った希釈検体を使用して自動的に再検査を実施するための制御をすることができる。このような入出力制御部54は、特に再検を実施する際の希釈検体分注装置20bの駆動を制御するための分注制御部54aを備える。分注制御部54aは、再検を実施するのに際し、入力部52からの入力、および記憶部53に保存された情報に基づいて、希釈検体保持部3と希釈検体分注装置20bの駆動を制御する。分注制御部54aによる希釈検体分注装置20bの駆動の制御は、次の自動分析方法において詳細に説明する。
【0061】
≪自動分析方法の第1例≫
図3は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法の第1例を示すフローチャートである。この図を用いて説明する自動分析方法は、同一の希釈検体を対象とした検査項目[A]〜[D]について通常測定動作による初検を実施した際に、その結果に応じて再検が必要となった場合の希釈検体の分注処理に適用される手順である。
【0062】
この手順は、入力部52からの再検の依頼に関する入力、または入出力制御部54で生成された再検の依頼をトリガーとして開始され、
図2を用いて説明した入出力制御部54を構成するCPUが、記憶部53に保存されたプログラムを実行することにより実現される。
【0063】
以下、
図3のフローチャートに示す順に、
図1および
図2を参照しつつ、自動分析装置1の入出力制御部54によって実施される自動分析方法の第1例の手順を説明する。その後、上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第1例の手順を適用した再検分注処理を説明する。
【0064】
<第1例の手順>
[ステップS101]
ステップS101において、分注制御部54aは、再検の依頼があった検査項目の初検時の希釈容器を、その検査項目の再検用の希釈検体を採取するための再検用希釈容器として設定する。この際、分注制御部54aは、記憶部53に保存された情報のうち上記表2に示した容器別情報に基づき、再検の依頼があった検査項目に対して初検の際に設定されていた希釈容器の情報を取得する。そして、初検の際に割り当てられていた希釈容器を、その検査項目の再検に際して希釈検体を採取する対象の再検用希釈容器として設定する。
【0065】
[ステップS102]
ステップS102において、分注制御部54aは、希釈検体分注装置20bの液面検知器22に対し、再検用希釈容器として設定した希釈容器内の希釈検体の残液量の測定を指示し、実行させる。この際、分注制御部54aは、先ず希釈検体保持部3に対し、再検用希釈容器として設定した希釈容器を、希釈検体分注装置20bがアクセス可能な位置に移送させ、次に液面検知器22に対して設定された希釈容器中の希釈検体の残液量の測定を実施させる。
【0066】
[ステップS103]
ステップS103において、分注制御部54aは、ステップS102で測定した残液量が、再検の依頼があった検査項目の再検使用量以上であるか否かの判断を実施する。この際、分注制御部54aは、ステップS102で測定した残液量と、記憶部53に保存された設定情報のうち上記表1に示した検体使用量情報における(2)再検使用量とに基づいてこの判断を実施する。そして、残液量が(2)再検使用量以上である(YES)と判断した場合にはステップS104に進み、残液量が(2)再検使用量以上ではない(NO)と判断した場合にはステップS106に進む。なお、(2)再検使用量は、再検の依頼があった場合に、初検の測定結果に応じて自動的に設定される。この際、例えば入出力制御部54は、初検の測定結果に応じて、再検時の検体の希釈倍率を設定し、設定した再検時の希釈倍率に基づいて自動で再検使用量を設定する。
【0067】
[ステップS104]
ステップS104において、分注制御部54aは、再検の依頼があった検査項目の再検のための分注を実施する。この際、再検用希釈容器として設定された希釈容器から希釈検体を採取する。また検査項目に対して設定された再検使用量にしたがって、設定された希釈容器から希釈検体を採取し、採取した希釈検体を反応容器P6に吐出する。その後、ステップS105に進む。
【0068】
[ステップS105]
ステップS105において、分注制御部54aは、記憶部53に保存されている上記表3に示した容器別の履歴情報を更新する。ここで更新する容器別の履歴情報は、上記表3に示した(11)再検割り当て検査項目、(12)再検の合計使用量、および(13)残液量である。残液量は、記憶部53に記憶された情報と、ステップS104の再検分注処理で希釈容器から採取した希釈検体の使用量とに基づいて算出される。
【0069】
[ステップS106]
一方、ステップS106において、分注制御部54aは、再検用希釈容器として設定した希釈容器とは別の希釈容器を検索して抽出する。この際、分注制御部54aは、記憶部53に保存されている情報のなかで、再検の依頼があった検査項目で使用する希釈検体と同一の希釈検体が貯留されている別の希釈容器の情報を検索する。
【0070】
検索によって複数の別の希釈容器が抽出された場合には、分注制御部54aは、記憶部53に保存されている上記表3に示した(13)残液量に基づき、残液量が最も多い別の希釈容器を抽出する。または、分注制御部54aは、予め設定された順に別の希釈容器を1つだけ抽出してもよい。
【0071】
[ステップS107]
その後、ステップS107において、分注制御部54aは、ステップS106での検索処理の結果、該当する別の希釈容器が有ったか否かを判断する。分注制御部54aは、別の希釈容器が有った(YES)と判断した場合にはステップS108に進み、別の希釈容器は無かった(NO)と判断した場合いはステップS109に進む。
【0072】
[ステップS108]
ステップS108において、分注制御部54aは、再検用希釈容器として設定されていた希釈容器の情報を、ステップS106の検索で抽出した別の希釈容器の情報に変更する。その後、ステップS102に進み、以降を繰り返す。
【0073】
[ステップS109]
一方、ステップS109において、分注制御部54aは、表示部51に対して再検不可通知の出力を指示する。これにより、表示部51は、その検査項目についての再検を実施するのに十分な量の希釈検体が貯留された希釈容器が無く、再検をすることが不可能であることを通知するための表示を実施する。その後、一連の処理を終了させる。
【0074】
<第1例の適用>
次に、上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第1例の手順を適用した再検分注処理を説明する。ここでは、例えば上述した検査項目[A]〜[D]について初検を実施した後、初検の結果に基づいて検査項目[A],[B],[C]について再検の依頼が有った場合を説明する。再検の依頼は、検査項目[A],[B],[C]の順であることとする。
【0075】
[検査項目[A]の再検分注]
初検が終了した後、先ず検査項目[A]についての再検が依頼されたことにより、ステップS101にしたがい、検査項目[A]の再検用希釈容器として、上記表2に示したように検査項目[A]の初検に際して割り当てられた希釈容器[P3-1]が設定される。
【0076】
次に、ステップS102にしたがい、希釈検体分注装置20bの液面検知器22によって、ステップS101で設定された希釈容器[P3-1]の残液量が測定される。
【0077】
その後、ステップS103にしたがい、ステップS102で測定した残液量が、検査項目[A]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表3の(13)残液量に示したように、計算上での希釈容器[P3-1]の残液量は120(μl)である。このため、希釈検体分注装置20bの液面検知器22では、希釈容器[P3-1]の残液量が120(μl)程度の値として測定されることになる。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[A]の(2)再検使用量は60(μl)であるため、残液量120(μl)は検査項目[A]の(2)再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断され、ステップS104に進む。
【0078】
次いで、ステップS104にしたがい、再検希釈容器として設定された希釈容器[P3-1]を対象として検査項目[A]の再検のための分注処理が実施され、その後ステップS105にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0079】
下記表4は、ステップS105で更新された容器別の履歴情報である。表4に示すように、(11)再検割り当て検査項目として、再検が依頼された検査項目[A]が希釈容器[P3-1]に追加で割り当てられ、検査項目[A]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が0(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が90(μl)となる。
【0081】
[検査項目[B]の再検分注]
次に、上記表4で示した状態において、次の検査項目[B]についての再検が依頼されたことにより、ステップS101にしたがい、検査項目[B]の再検用希釈容器として、上記表2に示したように検査項目[B]の初検に際して割り当てられた希釈容器[P3-1]が設定される。
【0082】
次に、ステップS102にしたがい、希釈検体分注装置20bの液面検知器22によって、ステップS101で設定された希釈容器[P3-1]の残液量が測定される。
【0083】
その後、ステップS103にしたがい、ステップS102で測定した残液量が、検査項目[B]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表4の(13)再検後の残液量に示したように、この時点においての計算上の希釈容器[P3-1]の残液量は60(μl)である。このため、希釈検体分注装置20bの液面検知器22では、希釈容器[P3-1]の残液量が60(μl)程度の値として測定されることになる。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[B]の再検使用量は60(μl)であるため、ここでは例えば残液量60(μl)は検査項目[B]の再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断され、ステップS104に進む。
【0084】
次いで、ステップS104にしたがい、再検希釈容器として設定された希釈容器[P3-1]を対象として検査項目[B]の再検のための分注処理が実施され、その後ステップS105にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0085】
下記表5は、ステップS105で更新された容器別の履歴情報である。表5に示すように、(11)再検割り当て検査項目として検査項目[B]が希釈容器[P3-1]に追加で割り当てられ、検査項目[B]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が120(μl)となり、希釈容器[P3-2]が0(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、[P3-1]が0(μl)となり、希釈容器[P3-2]が90(μl)となる。
【0087】
[検査項目[C]の再検分注]
次に、上記表5で示した状態において、次の検査項目[C]についての再検の依頼が入力されたことにより、ステップS101にしたがい、検査項目[C]の再検希釈容器として、上記表2に示したように検査項目[C]が初検に際して割り当てられた希釈容器[P3-1]が設定される。
【0088】
次に、ステップS102にしたがい、希釈検体分注装置20bの液面検知器22によって、ステップS101で設定された希釈容器[P3-1]の残液量が測定される。
【0089】
その後、ステップS103にしたがい、ステップS102で測定した残液量が、検査項目[C]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表5の(13)再検後の残液量に示したように、この時点においての計算上での希釈容器[P3-1]の残液量は0(μl)である。このため、希釈検体分注装置20bの液面検知器22では、希釈容器[P3-1]の残液量が0(μl)程度の値として測定されることになる。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[C]の再検使用量は60(μl)であるため、残液量0(μl)は検査項目[C]の再検使用量60(μl)以上ではない(NO)と判断され、ステップS106に進む。
【0090】
次いでステップS106にしたがい、別の希釈容器の検索処理が実施される。これにより、再検用希釈容器として設定した希釈容器とは別の希釈容器であって、検査項目[C]で使用する希釈検体と同一の希釈検体が貯留されている希釈容器[P3-2]が抽出される。
【0091】
その後、ステップS107にしたがい、別の希釈容器が有るか否かが判断される。ここでは、別の希釈容器[P3-2]が有る(YES)と判断され、ステップS108に進む。
【0092】
そしてステップS108にしたがい、検査項目[C]の再検で使用する再検用希釈容器の設定を、希釈容器[P3-1]から、ステップS106で抽出した別の希釈容器[P3-2]に変更する。
【0093】
その後ステップS102にしたがい、希釈検体分注装置20bの液面検知器22によって、設定された希釈容器[P3-2]の残液量が測定され、次いでステップS103にしたがい、ステップS102で測定した残液量が、検査項目[C]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表5の(13)再検後の残液量に示したように、計算上での希釈容器[P3-2]の残液量は90(μl)である。このため、希釈検体分注装置20bの液面検知器22では、希釈容器[P3-2]の残液量が90(μl)程度の値として測定されることになる。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[C]の再検使用量は60(μl)であるため、残液量90(μl)は検査項目[C]の再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断されてステップS104に進み、再検分注が実施される。その後ステップS105にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0094】
下記表6は、ステップS105で更新された容器別の履歴情報である。表6に示すように、(11)再検割り当て検査項目として検査項目[C]の再検が希釈容器[P3-2]に追加で割り当てられ、検査項目[C]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が120(μl)となり、希釈容器[P3-2]が60(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、[P3-1]が0(μl)となり、希釈容器[P3-2]が30(μl)となる。
【0096】
以上により、検査項目[A]〜[D]のうち、再検の依頼が入力された検査項目[A],[B],[C]についての再検のための分注処理が全て終了する。
【0097】
<第1例の効果>
以上説明した実施形態の第1例によれば、再検用の希釈検体を採取する再検希釈容器として設定された希釈容器内に、十分な量の希釈検体が残されていない場合には、記憶部53に保存された情報の検索処理により同一の希釈検体が貯留された他の希釈容器から希釈検体を採取することができる。したがって、同一の希釈検体が貯留された複数の希釈容器内の希釈検体を無駄にすることなく再検に使用することが可能になる。この結果、同一の希釈検体を用いた複数の検査項目の再検査を、希釈検体を無駄にすることなく確実に実施することが可能となる。
【0098】
≪自動分析方法の第2例≫
図4は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法の第2例を示すフローチャートである。この図を用いて説明する自動分析方法が、
図3に示した第1例と異なるところは、希釈検体の残液量の比較判断をするステップS103'にある。その他のステップは第1例と同様である。
【0099】
以下、
図4のフローチャートに示す順に、
図1および
図2を参照しつつ、自動分析装置1の入出力制御部54によって実施される自動分析方法の第2例の手順を説明する。その後、上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第2例のフローを適用した再検分注処理を説明する。なお、以下においては、第1例と同様のステップの重複する詳細な説明は省略する。
【0100】
<第2例の手順>
[ステップS101]
ステップS101において、分注制御部54aは、第1例と同様に、再検の依頼があった検査項目の初検時の希釈容器を、その再検項目の再検用の希釈検体を採取するための再検用希釈容器として設定する。その後は、ステップS103’に進む。
【0101】
[ステップS103’]
次にステップS103'において、分注制御部54aは、再検用希釈容器として設定した希釈容器について、記憶部53に記憶されている情報から算出した残液量が、再検の依頼があった検査項目の再検使用量以上であるか否かの判断を実施する。この際、分注制御部54aは、記憶部53に保存された設定情報のうち、上記表3に示した容器別の履歴情報における(13)残液量と、上記表1に示した検体使用量情報における(2)再検使用量とに基づいてこの判断を実施する。そして、残液量が再検使用量以上である(YES)と判断した場合にはステップS104に進み、残液量が再検使用量以上ではない(NO)と判断した場合にはステップS106に進む。
【0102】
[ステップS104〜ステップS109]
ステップS104〜ステップS109は、第1例と同様に実施する。
【0103】
<第2例の適用>
上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第2例の手順を適用した再検分注処理は、第1例の手順を適用した再検分注処理において、ステップS103’の判断が記憶部53に保存された情報および算出した情報に基づいて実施されることのみが異なる。このため、上述した検査項目[A]〜[D]について初検を実施した後、初検の結果に基づいて検査項目[A],[B],[C]について再検の依頼が有った場合の再検分注処理は、第1例の手順を適用した再検分注処理と同様に実施される。
【0104】
<第2例の効果>
以上説明した実施形態の第2例では、先の第1例に対し、再検用の希釈検体を採取する再検希釈容器として設定された希釈容器内に、十分な量の希釈検体が残されているか否かの判断が、記憶部53に記憶された情報に基づいてなされる。このため、第1例と比較して、希釈容器内の希釈検体の残液量を実測することなく、この判断を実施することができる。この結果、第1例の効果に加えて、さらに再検分注処理の高速化を達成する効果を得ることができる。
【0105】
≪自動分析方法の第3例≫
図5は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法の第3例を示すフローチャートである。この図を用いて説明する自動分析方法は、同一の希釈検体を対象とした検査項目[A]〜[D]について通常測定動作による初検を実施した際に、その結果に応じて再検が必要となった場合の希釈検体の分注処理に適用される手順である。
【0106】
この手順は、入力部52からの再検の依頼に関する入力、または入出力制御部54で生成された再検の依頼の指示をトリガーとして開始され、
図2を用いて説明した入出力制御部54を構成するCPUが、記憶部53に保存されたプログラムを実行することにより実現される。
【0107】
以下、
図5のフローチャートに示す順に、
図1および
図2を参照しつつ、自動分析装置1の入出力制御部54によって実施される自動分析方法の第3例の手順を説明する。その後、上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第3例の手順を適用した再検分注処理を説明する。
【0108】
<第3例の手順>
[ステップS301]
ステップS301において、分注制御部54aは、再検の依頼があった検査項目の希釈検体と同一の希釈検体が貯留されている希釈容器の情報を検索し、最大残液量の希釈容器を抽出する処理を実施する。この際、分注制御部54aは、記憶部53に保存された情報のうち容器別の履歴情報に基づいて、同一の希釈検体の残液量が最大の希釈容器を抽出する。
【0109】
[ステップS302]
ステップS302において、分注制御部54aは、ステップS301で抽出した最大残液量の希釈容器を、再検用希釈容器として設定する。
【0110】
[ステップS303]
ステップS303において、分注制御部54aは、再検用希釈容器として設定された希釈容器の残液量が、再検の依頼があった検査項目の再検使用量以上であるか否かの判断を実施する。この際、分注制御部54aは、ステップS301で取得した最大残液量の希釈容器の情報に基づいてこの判断を実施する。そして、残液量が再検使用量以上である(YES)と判断した場合にはステップS304に進み、残液量が再検使用量以上ではない(NO)と判断した場合にはステップS306に進む。
【0111】
[ステップS304]
ステップS304において、分注制御部54aは、再検の依頼があった検査項目の再検のための分注を実施する。この際、再検用希釈容器として設定された希釈容器から希釈検体を採取する。また検査項目に対して設定された再検使用量にしたがって、設定された希釈容器から希釈検体を採取し、採取した希釈検体を反応容器P6に吐出して分注を終了させる。その後ステップS305に進む。
【0112】
[ステップS305]
ステップS305において、分注制御部54aは、記憶部53に保存されている上記表3に示した容器別の履歴情報を更新する。ここで更新する容器別の履歴情報は、(11)再検割り当て検査項目、(12)再検の合計使用量、および(13)残液量である。
【0113】
[ステップS306]
一方、ステップS306において、分注制御部54aは、表示部51に対して再検不可通知の出力を指示する。これにより、表示部51は、その検査項目についての再検を実施するのに十分な量の希釈検体が貯留された希釈容器が無く、再検をすることが不可能であることを通知するための表示を実施する。その後、一連の処理を終了させる。
【0114】
<第3例の適用>
次に、上述した検査項目[A]〜[D]に対して、第3例の手順を適用した再検分注処理を説明する。ここでは、例えば上述した検査項目[A]〜[D]について初検を実施した後、初検の結果に基づいて検査項目[A],[B],[C]について再検の依頼が有った場合を説明する。再検の依頼は、検査項目[A],[B],[C]の順であることとする。
【0115】
[検査項目[A]の再検分注]
初検が終了した後、先ず検査項目[A]についての再検の依頼が入力されたことにより、ステップS301にしたがい、最大残液量の希釈容器の抽出処理が実施される。ここでは、記憶部53に保存された上記表3に示した容器別の履歴情報に基づき、同一の希釈検体が貯留された希釈容器[P3-1],[P3-2]のうちから、残液量が最大の希釈容器[P3-1]が検索によって抽出される。
【0116】
次に、ステップS302にしたがい、検査項目[A]の再検を実施する際に希釈検体を採取する再検用希釈容器として、ステップS301で抽出した最大残液量の希釈容器[P3-1]が設定される。
【0117】
その後、ステップS303にしたがい、抽出された希釈容器[P3-1]の残液量が、検査項目[A]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表3の(13)残液量に示したように、計算上での希釈容器[P3-1]の残液量は120(μl)である。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[A]の(2)再検使用量は60(μl)であるため、残液量120(μl)は検査項目[A]の(2)再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断され、ステップS304に進む。
【0118】
次いで、ステップS304にしたがい、再検希釈容器として設定された希釈容器[P3-1]を対象として検査項目[A]の再検のための分注処理が実施され、その後ステップS305にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0119】
下記表7は、ステップS305で更新された容器別の履歴情報である。表7に示すように、(11)再検割り当て検査項目として、再検が依頼された検査項目[A]が希釈容器[P3-1]に追加で割り当てられ、検査項目[A]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が0(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が90(μl)となる。
【0121】
[検査項目[B]の再検分注]
次に、上記表7で示した状態において、次の検査項目[B]についての再検の依頼が入力されたことにより、ステップS301にしたがい、最大残液量の希釈容器の抽出処理が実施される。ここでは、記憶部53に保存された上記表7に示した容器別の履歴情報に基づき、同一の希釈検体が貯留された希釈容器[P3-1],[P3-2]のうちから、残液量が最大の希釈容器[P3-2]が検索によって抽出される。
【0122】
次に、ステップS302にしたがい、検査項目[B]の再検を実施する際に希釈検体を採取する再検用希釈容器として、ステップS301で抽出した最大残液量の希釈容器[P3-2]が設定される。
【0123】
その後、ステップS303にしたがい、抽出された希釈容器[P3-2]の残液量が、検査項目[B]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表7の(13)残液量に示したように、計算上での希釈容器[P3-2]の残液量は90(μl)である。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[B]の(2)再検使用量は60(μl)であるため、残液量90(μl)は検査項目[B]の(2)再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断され、ステップS304に進む。
【0124】
次いで、ステップS304にしたがい、再検希釈容器として設定された希釈容器[P3-2]を対象として検査項目[B]の再検のための分注処理が実施され、その後ステップS305にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0125】
下記表8は、ステップS305で更新された容器別の履歴情報である。表8に示すように、(11)再検割り当て検査項目として、再検が依頼された検査項目[B]が希釈容器[P3-2]に追加で割り当てられ、検査項目[B]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が60(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、希釈容器[P3-1]が60(μl)となり、希釈容器[P3-2]が30(μl)となる。
【0127】
[検査項目[C]の再検分注]
次に、上記表8で示した状態において、次の検査項目[C]についての再検の依頼が入力されたことにより、ステップS301にしたがい、最大残液量の希釈容器の抽出処理が実施される。ここでは、記憶部53に保存された上記表8に示した容器別の履歴情報に基づき、同一の希釈検体が貯留された希釈容器[P3-1],[P3-2]のうちから、残液量が最大の希釈容器[P3-1]が検索によって抽出される。
【0128】
次に、ステップS302にしたがい、検査項目[C]の再検を実施する際に希釈検体を採取する再検用希釈容器として、ステップS301で抽出した最大残液量の希釈容器[P3-1]が設定される。
【0129】
その後、ステップS303にしたがい、抽出された希釈容器[P3-1]の残液量が、検査項目[C]の再検使用量以上であるか否かが判断される。ここで、上記表8の(13)残液量に示したように、計算上での希釈容器[P3-1]の残液量は60(μl)である。また上記表1の(2)再検使用量に示したように、検査項目[C]の(2)再検使用量は60(μl)であるため、残液量60(μl)は検査項目[C]の(2)再検使用量60(μl)以上である(YES)と判断され、ステップS304に進む。
【0130】
次いで、ステップS304にしたがい、再検希釈容器として設定された希釈容器[P3-1]を対象として検査項目[C]の再検のための分注処理が実施され、その後ステップS305にしたがい、記憶部53に記憶されている容器別の履歴情報が更新される。
【0131】
下記表9は、ステップS305で更新された容器別の履歴情報である。表9に示すように、(11)再検割り当て検査項目として、再検が依頼された検査項目[C]が希釈容器[P3-1]に追加で割り当てられ、検査項目[C]の再検分注が終了した段階において、(12)再検の合計使用量は、希釈容器[P3-1]が120(μl)となり、希釈容器[P3-2]が60(μl)となる。また計算上においての(13)再検後の残液量は、希釈容器[P3-1]が0(μl)となり、希釈容器[P3-2]が30(μl)となる。
【0133】
以上により、検査項目[A]〜[D]のうち、再検の依頼が入力された検査項目[A],[B],[C]についての再検のための分注処理が全て終了する。
【0134】
<第3例の効果>
以上説明した実施形態の第3例によれば、記憶部53に保存された情報の検索処理により、希釈検体の残液量が最も多い希釈容器が再検用の希釈検体を採取する再検希釈容器に設定される構成である。このため第1例と同様に、同一の希釈検体が貯留された複数の希釈容器内の希釈検体を無駄にすることなく再検に使用することが可能になり、また第2例と同様に、再検分注処理の高速化を達成する効果を得ることができる。