(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分が、グルコース、ビタミン、アミノ酸もしくはその誘導体、ペプチド、高分子、ポリアミン、ホルモン、増殖因子、および不安定な物質からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
前記カプセル形成物質が、アルギナート、ポリ−L−乳酸、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体およびカラゲナンからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記コーティング溶液が、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、コラーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリアミノ酸、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリ−メチルメタクリラート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ−L−リジンおよびポリオルニチンからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
前記デンドリマーが、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンデンドリマー、またはポリプロピルアミン(POPAM)デンドリマーである、請求項8に記載の方法。
前記キレート化成分が、EDTA、クエン酸塩、スクシナート、シクロデキストリン、クラスレート、デンドリマーおよびアミノ酸からなる群より選択される、請求項11または12に記載の方法。
溶媒に前記ビーズを加えて、細胞を培養するための液体培地を生成することをさらに含み、前記成分の前記液体培地への遅延放出が、6〜24時間、24〜48時間、48〜72時間にわたる、1日、2日、3〜5日、5〜10日、10〜15日、15〜20日、20〜25日、25〜30日、30〜40日、40〜50日にわたる、前記培養の期間にわたる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
前記哺乳動物細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、293細胞、BHK細胞、Vero細胞、PerC6細胞、MDBK細胞、およびMDCK細胞からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
以降で、種々の代表的実施形態に対し詳細な言及を行う。以下の詳細な説明は、読み手に対し、特定の実施形態、特徴、および本開示の態様の詳細のより完全な理解を与えるために提供されており、本開示の範囲を制限するものと解釈されるべきではないことは理解されよう。
【0025】
定義
本開示がさらに容易に理解できるように、特定の用語が最初に定義される。追加の定義は、詳細な説明のそれぞれの該当場所で記述される。
【0026】
本出願で使われる用語の「先進造粒技術(advanced granulation technology)」またはAGTは、穏やかで、急速な水の蒸発を伴う、感受性成分がそれらの効力を失わない条件下で、空気懸濁粉末化培地成分上へ1つまたは複数の水溶液を噴霧し、凝集顆粒を生じさせ、凝集顆粒全体にわたり噴霧成分の均一な分布が得られる細胞培地を調製するプロセスを意味する。造粒粉末(AGT)は、Fike et al.、Cytotechnology、2006、36:33−39、および、出願人の特許、および/または特許出願、すなわち、2002年5月7日公告の米国特許第6,383,810号;2009年8月11日公告の;米国特許第7,572,632号、および2007年1月31日出願の米国特許出願第11/669,827号で考察されている。これらの特許の開示は,本明細書による参照によってその全体が組み込まれる。簡単に説明すると、AGT培地は、大きな粒径、削減された取扱中の細塵量、高い湿潤性、溶媒中への短い溶解時間、自動pHおよび自動モル浸透圧濃度維持などのような性質のために産業界で強く所望されている乾燥粉末化培地である。
【0027】
別のタイプの乾燥粉末形態は、「先進粉末培地(advanced powder media)」であるAPM粉末で、これは、DPM粉末ほどは細かくないが、AGT顆粒ほどは大きくないという粒径の好都合な性質を持っている。
【0028】
本出願で使われる用語の「影響を受けやすい化合物」または「感受性化合物」または「不安定な化合物」は、分解、または乾燥形態培地中に存在する「反応種」との反応から保護されるべき化学物質または化合物を意味する。細胞培地中のこのような化合物の例には、限定されないが、エタノールアミン、ビタミン、サイトカイン、増殖因子、ホルモンなどが含まれる。
【0029】
用語の「カプセル化剤」は、本出願で「封鎖剤」と呼ばれる場合もあり、分解を促進する状態から切り離すか、または、影響を受けやすい化合物と徐々に反応が可能で、それにより、時間が経つにつれ不安定な成分からその望ましい性質を失わせる、アミノ酸などの他の反応性化学薬品、マンガン、銅などの微量金属元素、炭酸水素ナトリウムや他のリン酸ナトリウムなどの無機緩衝剤、およびMOPS、HEPES、PIPESなどの有機緩衝剤との反応性を高める状態から切り離して、細胞培地またはフィード中の影響を受けやすい化学薬品または成分をカプセル化、保護、分離、または隔離するものを意味する。あるいは、カプセル化、保護、分離、または隔離は、照射損傷、または熱損傷、もしくは物理応力などの物理的損傷から、水分/凝縮への曝露から、または脱水から、影響を受けやすい化学薬品または成分を保護するために行うことができる。用語の「保護する」または「隔てる」または「隔離する」または「カプセル化」は、本開示では、同義に使うことができ、影響を受けやすい化学薬品または化合物を劣化条件または化学薬品から保護する概念を持つ。「可溶性封鎖剤」それ自体は、水性培地で再構成時に可溶であってよく、その結果、「感受性」カプセル化材料を放出する。または、「不溶性封鎖剤」は、水性培地で再構成時に不溶性であってもよく、その結果、「感受性」カプセル化材料の放出後、濾過、デカンテーションなどの手段により、再構成最終産物からそれを除くことができる。
【0030】
マイクロカプセル化に使われるマトリックスの例には、限定されないが、アルギナート、ポリ−L−乳酸(PLL)、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体、カラゲナン、などが含まれる。
【0031】
任意選択で、マイクロカプセルは、マイクロカプセル成分の放出を延ばし、遅らせるために、例えば、照射、熱、脱水などの内のいずれかのタイプの損傷に対して不安定な成分の保護のためになどのいくつかの理由の1つのためにコートしてもよい。コーティング材料には、限定されないが、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、コラーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリアミノ酸、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリメチルメタクリラート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドンなどを含めてもよい。
【0032】
不安定な培地またはフィード成分には、限定されないが、ビタミン、例えば、チアミン、B12;グルタミンのようなアミノ酸;エタノールアミンのようなポリアミン;サイトカイン;増殖因子などの化合物が含まれる。
【0033】
培地内の反応性分子をキレート化、不活化または閉じ込めをするために使われる薬剤には、限定されないが、EDTA、クエン酸塩、スクシナート、シクロデキストリン、クラスレート、デンドリマー、アミノ酸などの化合物が含まれる。
【0034】
細胞培地は、粉末化細胞培地であるのが好ましい。一実施形態では、粉末化細胞培地は、先進造粒技術(AGT)細胞培地である。また、細胞培地は、フィード、濃縮サプリメント、濃縮培地、および、一部の例で、該当する場合には、液体培地を意味する。
【0035】
本出願で使われる用語の「細胞培養」または「培養」は、人工の環境中で(例えば、インビトロで)細胞を維持することを意味する。しかし、用語の「細胞培養」は、一般的な用語であり、個別の原核生物(例えば、細菌)または真核生物(例えば、動物、植物および真菌)細胞の培養のみでなく、組織、器官、臓器系または全生物の培養も包含するように使用でき、用語の「組織培養」、「器官培養」、「臓器系培養」または「器官型培養」が、用語の「細胞培養」と同義に使われる場合もあることは理解されたい。
【0036】
本出願で使われる用語の「培養」は、活動または静止状態で、細胞の増殖、分化、または継続生存に好ましい条件下の人工の環境中で細胞を維持することを意味する。このように、「培養」は、「細胞培養」または上述のその同義語のいずれかと同義に使用できる。
【0037】
本出願で使われる用語の「細胞培地」、「培地(culture medium)」、または「培地(medium)」(および、それぞれのケースで複数の培地)は、細胞の培養および/または増殖を支援する栄養素組成物を意味する。細胞培地は、完全な配合物、すなわち、細胞培養に補充が不要な細胞培地であってもよく、不完全な配合物、すなわち、補充が必要な細胞培地でもよく、または不完全な配合物を補充できる培地であってもよく、または完全配合物の場合には、培養または培養結果を改善し得る。用語の「細胞培地」、「培地(culture medium)」、または「培地(medium)」(および、それぞれのケースで複数の培地)は、文脈による特に別の指示がない限り、細胞をインキュベートしていない未調整の細胞培地を意味する。従って、用語の「細胞培地」、「培地(culture medium)」、または「培地(medium)」(および、それぞれのケースで複数の培地)は、元の培地成分の多くと、種々の細胞代謝物および分泌タンパク質を含む場合がある「使用済」または「調整済み」培地とは区別される。
【0038】
本出願で使われる用語の「粉末」または「粉末化」は、顆粒状形態で存在する組成物を意味し、これは、水または血清などの溶媒と錯体形成または凝集していても、そうでなくてもよい。用語の「乾燥粉末」は、用語「粉末」と同義に使用できるが、しかし、本出願で使われる「乾燥粉末」は、単純に、顆粒状の材料の肉眼的形態を意味し、別段の指示がない限り、材料が錯体形成または凝集溶媒を完全に不含であるという意味を持たせる意図はない。
【0039】
「1X配合物」は、作業濃度で細胞培地に認められる一部の、または全ての構成要素を含む任意の水溶液を意味する。「1X配合物」は、例えば、その細胞培地の意味であっても、またはその培地の任意の構成要素のサブグループの意味であってもよい。1X溶液中の構成要素の濃度は、インビトロで細胞を維持または培養するために使用される細胞培養配合物で認められるそれの構成要素の濃度とほぼ同じである。細胞のインビトロ培養用として使われる細胞培地は、定義により1X配合物である。多くの構成要素が存在する場合は、1X配合物中の各構成要素は、細胞培地中のこれらの構成要素の濃度にほぼ等しい濃度を有する。これらのアミノ酸の「1X配合物」は、溶液中のこれらの構成要素の濃度とほぼ同じ濃度を含む。従って、「1X配合物」に言及する場合、溶液中の各構成要素は、記載される細胞培地で認められる濃度と同じか、または、ほぼ同じ濃度であることが意図されている。細胞培地の1X配合物中の構成要素の濃度は、当業者にはよく知られている。Cell Culture Technology for Pharmaceutical and Cell−Based Therapies、42−50(Sadettin Ozturk and Wei−Shou Hueds.、Taylor and Francis Group 2006)を参照されたい。この文献は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。しかし、モル浸透圧濃度、および/またはpHは、1X配合物中により少ない構成要素が含まれている場合には特に、培地と比べて1X配合物中では異なってもよい。
【0040】
本開示は、マイクロ/ナノ懸濁液中に同じ構成要素の濃度が濃縮され、乾燥カプセル化ビーズ形態中ではまたさらに濃縮されるマイクロ懸濁液および乾燥マイクロカプセルビーズについて言及する。従って、「7X配合物」は、そのマイクロ/ナノ懸濁液またはカプセル化ビーズ中の各構成要素が、対応する液体細胞培地/フィードまたはサプリメント中の同じ構成要素よりも約7倍超濃縮されている濃度であることを意味する。「10X配合物」は、そのマイクロ/ナノ懸濁液またはカプセル化ビーズ中の各構成要素が、液体細胞培地/フィードまたはサプリメント中の同じ構成要素よりも約10倍超濃縮されている濃度であることを意味する。容易に明らかとなるように、「5X配合物」、「25X配合物」、「50X配合物」、「100X配合物」、「500X配合物」、および「1000X配合物」は、1X細胞液体培地、フィードまたはサプリメントに比べて、それぞれ約5〜25倍、25〜50倍、50〜70倍、70〜100倍、100〜500倍、500〜1000倍濃度の構成要素を含む配合物を示す。この場合も同様に、培地配合物と濃縮液のモル浸透圧濃度およびpHは、変わってもよい。配合物は、特定の細胞培養プロトコルに対して、1X濃度の構成要素または構成要素を含んでもよいが、異なる培養プロトコルまたは異なる基本培地に対して、例えば、2、2.5、5、6.7、9、12Xなどの濃度で含むことはできない。
【0041】
マイクロ懸濁液
栄養素フィード、機能性添加物またはサプリメントは、通常、バイオリアクター中に直接送られる透明液体濃縮物に再構成される透明液体濃縮物または粉末として供給される。これは、中の成分は、溶解限度を決して超えられないことを意味する。溶解限度を超えて調製される場合、通常白濁色の薄片または微細沈殿物としてビン中に沈殿物が形成されることはよく知られている。これらの成分の沈降は、数時間内に発生し、これは、この濃縮液を使用して、正確なフィード量を送ることができないことを意味する。
【0042】
本開示は、濃縮成分が沈殿しないような方法で、培地、フィードおよび/またはサプリメント成分を調製する技術を提供する。これは、1つまたは複数の濃縮成分を有する乾燥粉末細胞培地またはフィードからマイクロ懸濁液および/またはナノ懸濁液(また、マイクロ/ナノ懸濁液とも呼ぶ)を作ることにより実現される。
【0043】
マイクロ/ナノ懸濁液は、水性溶媒ベース中のミクロン/ナノサイズ固体であり、一実施形態では、これは、長期間分離しない。例えば、マイクロ/ナノ懸濁液は、その成分の溶解限度を超えて1つまたは複数の培地/フィード成分を濃縮する手段を提供する。一部の望ましいマイクロ/ナノ懸濁液の性質には、限定されないが、最小限の容量中で栄養素サプリメント(例えば、アミノ酸)濃度を高めることの可能化;マイクロ/ナノ懸濁液成分の水溶液中への極めて急速な溶解(このような調製物がない場合に培地が溶解すると思われるよりも急速に溶解);カプセル化の能力(すなわち、カプセル化形態での成分の滅菌および保護のために);バイオリアクターの既存培養液中への無菌のマイクロ/ナノ懸濁液ビーズの直接添加能力;バイオリアクター中での効率を高め、製造プロセスを向上させる能力、が含まれる。
【0044】
マイクロ懸濁液は、通常、i)トップダウン手法(top−down approach)、およびii)ボトムアップ手法(bottom−up approach)の2つの手法を使って、他の産業界、例えば、医薬品または化粧品産業界で調製されてきた。トップダウン手法では、乾燥粉末粒子をマイクロ懸濁液が得られるまでFitz(登録商標)ミル(正確な粒径を減らすための産業標準の機械)、または湿式粉砕などの粉砕プロセスにより破砕するか、またはマイクロフリューダイザを使ってナノ懸濁液を得る。ボトムアップ手法では、溶液内の成分を、pHのような穏やかなパラメータ、または重合パラメータの操作により、マイクロ/またはナノ懸濁液が得られるまで、徐々に沈殿として生じさせる。これらの方法は、本明細書で記載のマイクロ/またはナノ懸濁液を調製するには有用ではなかった。本明細書で利用される培地およびサプリメントの感受性を考慮して、出願人は、これらの培地、フィードのマイクロ/またはナノ懸濁液を調製する新規方法が必要であることに気付いた。実施例1および
図1に記載のように、出願人は、乾燥培地、フィードまたはサプリメント粉末から出発し、最小量のWFI水を乾燥粉末に添加し、均一ペーストになるまで激しくスラリーを混合して、全ての粒子を水相でコートすることにより、マイクロ/ナノ懸濁液を形成した。当業者なら本明細書の開示を考慮すると解るように、水の他に任意の水性ベース、例えば、緩衝液、平衡塩類溶液、液体培地、またはアミノ酸、脂質などの1つまたは複数の培地成分を含むいずれかの溶液をいずれかの粉末化配合物に加えて、本開示で記載のマイクロ/ナノ懸濁液を作ることができる。当業者なら推奨プロトコルで使われるステップまたは材料、例えば、添加ステップの順序、混合ステップの順序と数、液体の容量、混合時間、スラリーを均一に混合する機器または装置、培地またはフィード配合物などをさらに適合させることができ、さらに、所望のマイクロ/ナノ懸濁液の粘稠性と性質に条件を適合させる方法が解るであろう。
【0045】
一実施形態では、本明細書で記載の技術、またはその技術の変形を使って、培養中の細胞によって要求される任意の構造的または情報分子、任意の栄養素をマイクロ/ナノ懸濁液中に入れることができる。培地およびフィードの他に、構造的、および/または情報分子の例には、限定されないが、ビタミン、アミノ酸、ペプチド、高分子、抗酸化剤、ホルモン、増殖因子などが含まれる。特定の実施形態では、懸濁液内で3次元的に細胞を繁殖させるために、細胞栄養素と錯体を形成する細胞足場マトリックスのマイクロ/ナノ懸濁液を形成できる。
【0046】
上述のように調製されたマイクロ/ナノ懸濁液組成物は、用途、例えば、目的成分の溶解度レベルを超えて成分濃度を大きく高める栄養素を補充して反応器への添加容量を最小限にする、または下記のようにマイクロ懸濁液をカプセル化する、および今まで可能ではなかった、バイオリアクターに直接添加できる「高度に濃縮された」サプリメントが得られる乾燥形態のカプセル化ビーズを作製する、などの多くの用途で有用となる可能性がある。
【0047】
一実施形態では、マイクロ懸濁液は、濃縮した形態で培養液中に供給が必要な任意の成分を含む任意の形態の乾燥粉末から作ることができ、溶液中に同じ成分を有する等価液体濃縮物またはフィードよりも、マイクロ懸濁液中に少なくとも2〜5倍、5〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜25倍、25〜30倍、30〜50倍、50〜70倍、70〜100倍の成分濃度を供給できる。
【0048】
マイクロカプセル化
本開示は、乾燥粉末化細胞培地、フィード、サプリメントまたは濃縮物から作られた上述のマイクロ/ナノ懸濁液をマイクロカプセル化する方法を提供する。得られたカプセル化生成物は、本開示では、「マイクロカプセル」、「カプセル化ビーズ」、「ビーズ」、「カプセル」または「マイクロビーズ」と呼ぶ場合もある。カプセル化マイクロ/ナノ懸濁液をビーズに乾燥する場合、乾燥ステップは、より大きな濃度のカプセル化マイクロ/ナノ懸濁液を与える。マイクロカプセル化は、例えば、錯体混合物中の細胞培地/フィードなどの感受性もしくは不安定成分を「離しておく」または隔離するために行ってもよい。従って、カプセル化は、より高い濃度のアミノ酸などの特定のフィード成分を得ることができ、それにより、これらのフィードを、濃縮高栄養素サプリメントとして、任意の培養系、例えば、流加培養中に直接添加できる。さらなるカプセルのコーティングは、細胞培養液中への栄養素の遅延放出を行わせることができる(下記で考察)。カプセル化は、(a)数時間にわたり一部または全部の成分を「徐々に放出する」ためのマイクロ懸濁液およびナノ懸濁液用標準的マイクロカプセル化プロセス、(b)内部成分放出を大きく遅らせる代替ビーズゲル化プロセス、によって行うことができる。代表的な遅延放出の実例は、実施例ならびに
図3、4および8で見ることができる。
【0049】
一つの具体的実施形態では、不安定な成分のカプセル化または包埋に使われる薬品は、アルギナートであった。アルギナートマイクロカプセルは、薬剤送達、および細胞増殖と生存率を高めるために細胞培養で成長する細胞の固定化を含む多くの目的で使われている。例えば、Serp et al.、Biotechnology and Bioengineering、2000、70(1):41−53;Breguet et.al.、Cytotechnology、2007、53:81−93;Chayosumrit et al.、Biomaterials、2010、31:505−14;米国特許第7,482,152号;および米国特許第7,740,861号を参照されたい。これらの全ては、参照によってその全体が組み込まれる。
【0050】
また、カプセル化技術は、エタノールアミン、ビタミン、インスリンのような増殖因子、などの特定の不安定な、感受性または影響を受けやすい化合物を、限定されないが、アルギナートなどのカプセル形成物質中に封入することに関し説明している出願人の同時係属出願の国際出願第PCT/US2012/024194号にも記載がある。
【0051】
いかなる理論にも拘泥する意図はないが、別の分子内での感受性成分のカプセル化または包埋は、不安定な化合物の、その分解を促進するかまたはその安定性を下げる他の成分または条件との直接接触を減らすように見える。マイクロカプセル化によりエタノールアミンの分解を減らすためのマイクロカプセルの調製に関する方法は、出願人の2012年2月7日出願の同時係属出願の国際出願第PCT/US2012/024194号に記載されている。この開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。これらの方法は、主に、エタノールアミン安定化の関連で例示されているが、それらは、培地、フィードもしくはサプリメント中の影響を受けやすい、または不安定な、任意の化学薬品もしくは化合物を安定化させるように使用/適合できる。その中に記載のマイクロカプセル化法は、限定されないが、チアミン、B12などのビタミン、グルタミンなどの不安定アミノ酸、サイトカイン、増殖因子、感受性かつ有用なタンパク質またはペプチドなどを含む、任意の影響を受けやすい、細胞培養に必要な化合物を安定化させるために、および、安定化化合物の送達を改善するために使用でき、さらに、細胞培地開発の域を越える分野に適用できることが理解されよう。本開示では、いくつかのステップおよび技術の応用を必要とするカプセル化技術がマイクロ/ナノ懸濁液ビーズに適合された。例えば、国際公開第PCT/US2012/024194号出願中の、影響を受けやすい化合物の封入ステップは、いくつかのステップを欠いていた。マイクロ懸濁液のカプセル化に関しては、アルギナートなどのカプセル形成物質が混合され、マイクロ懸濁液とブレンドされた。この混合物は、その後、ピペットまたはドロッパーなどの分注装置中に吸引され、粘着しない表面、例えば、パラフィルム上に混合物をゆっくり滴下することによりカプセル化マイクロ懸濁液の液滴が徐々に生成された。次いで、架橋剤を液滴に加えて、ビーズを形成した。これらのビーズは、脱水し、真空乾燥して水分を除去されて、通常、「カプセル化マイクロ懸濁液ビーズ」または単に「ビーズ」と呼ばれる。
【0052】
本開示に基づいて、当業者は、推奨プロトコルで使われるステップまたは材料のいずれかを応用できることを知るであろう(実施例2を参照)。例えば、種々のカプセル形成物質を使うことができ、またはピペット、ドロッパー、シリンジもしくはそれらのいずれかの応用品などの種々の液滴送達装置を使うことができ、または、いずれかの架橋剤を使うことができ、またはビーズを種々の手段により乾燥または脱水でき、また、異なる程度の乾燥度、および/または硬度に乾燥できる。当業者なら、すぐ使えるための適切なカプセル化試薬、例えば、アルギナート、ポリ−L−乳酸(PLL)、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体、カラゲナンなどを決定できるであろう。
【0053】
マイクロカプセルは、典型的な例では、2mm以下の直径、通常、0.05〜1.5mmの範囲の直径の球状粒子である。通常、アルギナートマイクロカプセルは、ポリアニオン性アルギナートと塩化カルシウムなどの二価または三価の多価陽イオンとの間の架橋により形成される。架橋結合用の他の塩は、塩化マグネシウム、塩化バリウム、および硫酸アルミニウムなどの二価または三価のカチオンであってよい。
【0054】
カプセル化には、いくつかの利点があり、その一部には、限定されないが、不安定な成分の分解からの保護、もしくは不必要な反応からの保護、またはカプセル化成分の細胞培養液中への放出時間を遅らせる、および/または延ばすことが含まれる。一実施形態では、マイクロカプセル化による培地の保護、および室温で不安定な化合物を含む細胞培地、フィードおよびサプリメントの安定性および貯蔵性の増加がある。カプセル化化合物は、ビーズに乾燥でき、その後、他の培地成分とブレンド、および/または混合できる。従って、マイクロ/ナノ懸濁液は、培地/不安定な成分の機能の何らかの損失の1〜5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、または90〜100%を減らすことができる。この機能の損失は、本出願で開示の方法を含む当技術分野で既知の技術を使って、カプセル化された不安定な成分、または培地成分の適切な機能アッセイにより測定できる。機能アッセイの例は、数日にわたる細胞生存率、または培養系の細胞数、または組換えタンパク質産生を増加させる、または発現している組換えタンパク質の量および/または機能を増加させるマイクロカプセルを含む培地/フィード組成物の能力のアッセイであってもよい(例えば、酵素または受容体機能アッセイ、またはカプセル化されたグルタミンなどの不安定な成分の安定性が培養の間に評価できる、などの当業者には既知のアッセイ)。
【0055】
一実施形態では、アルギナートのような封鎖剤を使ってエタノールアミン−デンドリマー錯体がカプセル化または包埋される。デンドリマーは、制御された逐次プロセスを使って一定の構造的および分子量特性を与えるようにできる超分岐合成高分子である。Astruc et al.、Chem.Rev.2010、110:1857−1959に概説がある。この文献は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。デンドリマーを使って、本発明のカプセル化マイクロ懸濁液も同様に調製できる。別の実施形態では、国際出願第PCT/US2012/024194号に記載の方法で使用されたデンドリマーは、ポリアミドアミンであり、カプセル化マイクロ/ナノ懸濁液で使われるように適応できる。本出願で記載の方法に使うことができる他のデンドリマーには、限定されないが、ポリプロピレンイミン(PPI)デンドリマー、亜リン酸デンドリマー、ポリリジンデンドリマー、ポリプロピルアミン(POPAM)デンドリマー、ポリエチレンイミンデンドリマー、イプチセンデンドリマー、脂肪族ポリ(エーテル)デンドリマー、または芳香族ポリエーテルデンドリマーが含まれる。
【0056】
一実施形態では、マイクロカプセル化マイクロ/ナノ懸濁液は、濃縮形態の培養液に供給が必要な、どのような成分に関しても作ることができ、溶液中で同じ成分を有する等価液体濃縮物またはフィードに比べ、少なくとも2〜5倍、5〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜25倍、25〜30倍、30〜50倍、50〜70倍、70〜100倍のカプセル化マイクロ/ナノ懸濁液中の成分の濃度を与えることができる。一つの代表的実施形態では、図に示すような濃縮フィード調製物のマイクロ懸濁液調製物は、その対応する液体フィードより約7倍超濃縮され、一方、乾燥カプセル化形態の同じマイクロ懸濁液は、その対応する液体フィードより約10倍超濃縮された。
【0057】
抗酸化剤
また、本開示は、カプセル内の不安定な化合物は、カプセル化プロセスの前に、抗酸化剤などの1つまたは複数の保護物質とさらに組み合わせることができることについて記載する。従って、特定の実施形態では、粉末化培地、フィード、またはサプリメント中の抗酸化剤および不安定な成分の混合物を、カプセル化前のマイクロ懸濁液調製物を調製する出発材料として使用できる。代表的抗酸化剤には、限定されないが、アスコルビン酸、ベータカロテン、ビタミンA、Eなどのビタミン、リコペン、フラバノイド、セレンなどが含まれる。照射に対する保護に与える抗酸化剤の効果を
図8に示す。
【0058】
一実施形態では、マイクロカプセル化前の抗酸化剤による保護は、培地/不安定な成分の機能の損失の1〜5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、または90〜100%を減らすことができ、これは、不安定な成分または培地成分に対する適切に機能するアッセイにより測定できる。乾燥マイクロカプセルビーズは、その後、他の培地成分中にブレンド、および/または他の培地成分と混合できる。
【0059】
キレート化
また、本開示は、キレート化剤について記載する。キレート化剤は、培地内で認められるカチオン、金属イオン、微量元素などの反応性分子をキレート化する、不活化または閉じ込める薬品である。反応性分子は、培地中の不安定な化合物と不都合な相互作用を起こし、それらの効力を低減させる。反応性化合物をキレート化/錯体化することにより、EDTA、クエン酸塩、スクシナート、シクロデキストリン、クラスレート、デンドリマー、アミノ酸などの化合物は、それらの反応性を低減させる。さらに、キレート化物は、不安定な化合物を含むマイクロカプセル/ビーズの外側に分離されて残るように設計できる。キレート化の不安定な化合物の保護に与える効果を
図9に示す。
【0060】
一実施形態では、反応性である、かつ/またはROSを生成するマイクロカプセルの外側の培地/フィードの成分のキレート化による保護は、培地/不安定な成分の機能の損失の1〜5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、または90〜100%を減らすことができ、これは、不安定な成分または培地成分の適切な機能アッセイにより測定できる。機能アッセイの例は、数日にわたる細胞生存率、または培養系の細胞数、または組換えタンパク質産生を増加させる、または発現している組換えタンパク質の量および/または機能を増加させるマイクロカプセルおよびキレート化成分を含む培地/フィード組成物の能力のアッセイであってもよい(例えば、酵素または受容体機能アッセイ、またはカプセル化されたグルタミンなどの不安定な成分の安定性が培養の間に評価できる、などの当業者には既知のアッセイ)。
【0061】
遅延放出
一実施形態では、任意選択として、マイクロカプセルは、マイクロカプセル内の成分の遅延放出または持続放出のためのPLGAなどの保護剤コーティングでさらにコートできる。典型的な遅延放出対象の培地成分には、限定されないが、ビタミン、グルコース、アミノ酸、増殖因子またはサイトカインが含まれる。成分は、遅延放出配合物に応じて、同じマイクロカプセル内から同じ速度で放出してもよく、または、異なるマイクロカプセルから異なる速度で、異なる時間に放出してもよい。このような二重型遅延放出培地に対する代表的使用は、培養の早期の成長成分(例えば、グルコース、アミノ酸など)の放出と、それに続く、培養の対数期後の後期の生産性関連成分の放出(例えば、組換えタンパク質発現がガラクトースなどを誘発する)での使用であろう。このような培地は、二重型培地が、必要な成分の適時放出を管理するので、使用者の操作は必要ないであろう。別の例は、特定の目的のために、培養液内で一緒に反応させる必要がある場合に、2つ以上の成分を指定時間まで別々に維持する場合であろう。
【0062】
マイクロカプセル化後のコートに使用できるコーティング溶液は、追加の層を付与するために適用でき、限定されないが、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、コラーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリアミノ酸、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリ−メチルメタクリラート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ−L−リジンまたはポリオルニチンを含む。ビーズに形成され、外部をコートされるカプセル化成分は、それ自体をさらにカプセル化でき、それにより、取り囲むコーティングおよび個別ビーズコーティングのコーティング特性に応じて、広範囲の放出の選択肢が利用できる。
【0063】
追加の外側コーティングは、アルギナート、ポリ−L−乳酸、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体およびカラゲナンから選択できる。コーティングの効果は、実施例と
図3、4および8で示し、考察される。一実施形態では、内部成分のマイクロカプセルからの遅延放出により、6〜24時間、24〜48時間、48〜72時間、1日、2日、3〜5日、5〜10日、10〜15日、15〜20日、20〜25日、25〜30日、30〜40日、40〜50日にわたり、および、培養の続く期間の間、細胞培養系中のカプセル化成分を維持することができる。遅延放出は、カプセル内の不安定な成分または培地成分の適切な徐放性アッセイにより測定でき、任意選択で、同様に持続放出のためにもコートできる。代表的持続放出アッセイは、以下で考察される。機能アッセイの他の例は、数日にわたる細胞生存率、または培養系の細胞数、または組換えタンパク質産生を増加させる、または発現している組換えタンパク質の量および/または機能を増加させるコートされたマイクロカプセルを含む培地/フィード組成物の能力のアッセイであってもよい(例えば、酵素または受容体機能アッセイ、またはカプセル化されたグルタミンなどの不安定な成分の安定性が培養の間に評価できる、などの当業者には既知のアッセイ)。
【0064】
ビタミン、グルコース、アミノ酸、増殖因子またはサイトカインなどの典型的な培地成分の他に、次の細胞培養栄養素/試薬もまた、遅延放出の標的にしてもよい。それらには、限定されないが、増殖のためであっても、産物合成のためであっても、細胞代謝を促進し、また、分泌を促進する全ての化学薬品または組成物、例えば、グルコース、ならびに他の形態のヘキソース、アミノ酸、塩、ペプチド、コラーゲンなどのタンパク質およびタンパク質画分、脂質、ホルモン、ビタミン、ヌクレオチド/ヌクレオシド、微量元素、リボヌクレオチド/リボヌクレオシド、血清、ウシアルブミンやセルロプラスミンなどの血清画分、ならびに、直接に代謝されないが、細胞培養関連の利点を培養液中の細胞に与える他の成分、例えば、細胞凝集を防ぐF68などの種々のタイプのプルロニック、フィブロネクチンおよびRGDなどの細胞付着を支援するペプチド配列ならびに消泡剤が含まれる。単一または複数の個別成分に加えて、成分の混合物をこの遅延放出法に含めることができる。粉末それ自体は、微粉砕、または造粒(AGT)形態であってよい。
【0065】
遅延放出を検出する代表的アッセイ
放出遅延の検出は、ある期間にわたり目的の成分のアッセイをすること、および経時的増加を観察することを含む。典型的CHO細胞栄養素サプリメントの一例は、グルコースの測定であろう。グルコースを含むサプリメントを、水に添加し、T=0試料を抜き出し、保持する。次に、その後、時間区分(例えば、24、48、72時間)で、追加の試料を取り出すことができる。サプリメント中に遅延放出成分がある場合、グルコースは、経時的に上昇するのが認められるであろう。グルコースを測定する1つのアッセイは、キットの形態で市販されているグルコースオキシダーゼの測定であろう。この原理は、グルコースオキシダーゼがグルコースと反応しグルコン酸と過酸化水素が得られるということである。過酸化水素は、o−ジアニシジンと反応し、酸化o−ジアニシジンを生成し、硫酸にさらすとピンク色になる。これは、分光光度的に読み取ることができる。グルコースまたはアミノ酸などの他のサプリメント成分測定用の別のアッセイは、HPLCによるものであろう。この方法は、遅延放出の顕著な特徴である放出成分の経時的連続増加を測定できる。
【0066】
滅菌
本開示では、不安定な、感受性または影響を受けやすい化合物には、限定されないが、物理的、化学的照射分解/破壊に敏感な物質が含まれる。典型的な感受性培地物質は、反応性酸素種との化学相互作用に対する感受性、微量金属を含む金属に対する感受性、高温に対する感受性、照射(ガンマ、X線、UV、電離など)に対する感受性、凍結温度に対する感受性、凍結融解に対する感受性、圧力、撹拌、に対する感受性、などであってもよい。本実施形態のさらなる態様では、微量元素または反応性酸素種(ROS)を生成する物質などは、キレート化される、および/または不安定な成分を含むマイクロカプセルの外部に保持されてもよい。
【0067】
本開示は、培地の滅菌の手段を提供し、手段は、例えば、抗酸化剤コーティングおよび/またはその後のカプセル化により照射に不安定な成分を保護する一方で、照射を使って成分をカプセル化することを含む。滅菌照射は、ガンマ線、紫外線、およびほかの電離放射線などの光の波長を含む。使われる滅菌ガンマ線照射は、5kGy〜100kGyであってよい。一実施形態では、カプセル化成分を含む培地は、培地またはフィードの機能の損失なく約50kGyまでのガンマ線照射により滅菌でき、および/または約1/10
8にウイルスを減らすことができる。これは、ブタパルボウイルス(PPV)、および/またはマウス微小ウイルス(MMV)の、>10e
−8のSAL(無菌性保証レベル)を満たす。一部の実施形態では、カプセル化成分を含む培地は、50kGyより大きく100kGyまでのガンマ線照射の組み合わせにより、培地またはフィードの機能の損失なく滅菌できる。
【0068】
特定の実施形態では、MMVやPPVなどのウイルスについて約1/10
6〜8のSAL、または減少が観察された。UV照射などの他の滅菌技術との組み合わせにより、培地またはフィード機能の損失なく、約1/10
8のSALまでのさらなるSALの減少が可能であった。さらに、再構成培地は、HTST(高温短時間)またはUHT(超高温)などの技術により、および/または孔径0.1〜0.2μmの抗ウイルスフィルターを通して濾過することにより、低温殺菌でき、これにより、培地またはフィード機能の損失なく、ベシウイルス、ブタサーコウイルス、およびバイオテクノロジー産業で問題となっている他の小さいエンベロープウイルスなどのさらなるウイルスの減少が実現できる。
【0069】
それらの滅菌される能力に起因して、また、培地またはフィード機能の損失がないために、本開示の組成物は、既存細胞培養の間にバイオリアクター中に直接添加できるので、細胞培養作業性の向上に繋がり、バイオリアクターの生産性を改善するであろう。特定の実施形態では、添加は、カプセル化ビーズとして行うことができ、または、他の実施形態では、添加は、マイクロ/ナノ懸濁液として行うことができる。別の例は、バイオリアクター中への無菌マイクロカプセルの直接添加、濾過水の添加、混合およびその後の細胞の添加であろう。
【0070】
マイクロカプセルは、1)それらが徐放方式で成分を放出する場合、無菌のマイクロカプセルをバイオリアクターに直接添加できる(右)、または2)それらは、約0.22μの孔径を備えた多孔性金属シリンダー、ケージ、またはいずれかの類似の装置に添加し、培養液中の細胞との接触からビーズを隔離して保持できる、という少なくとも2つの方法でバイオリアクター中の栄養素補充のために使用できる。選択肢1では、ビーズは、濾過を妨げる可能性がある、または細胞数もしくは生産性を下げる可能性がある。選択肢2では、バイオリアクターの攪拌のみで、多孔性金属ケージの内側から栄養素サプリメントを溶出させ、バイオリアクター中へ移すのに充分である。
【0071】
細胞培地
細胞培地は、多くの構成要素から構成され、これらの構成要素は、培地毎に変動する。細胞培地は、完全配合物、すなわち、細胞を培養するために補充の必要がない細胞培地であっても、不完全配合物、すなわち、補充の必要な細胞培地であっても、または不完全配合物を補充するために使われるサプリメントであってもよく、もしくは完全配合物の場合には、培養または培養結果を改善し得る。
【0072】
通常、再構成時には、細胞培地は、溶媒中に溶解する溶質を有すると考えられる。溶質は、浸透力を提供し、細胞膜(または壁)の両側の浸透圧力の均衡を保つ。さらに、溶質は、細胞のために栄養素を提供する。一部の栄養素は、細胞活動の化学燃料であり、一部の栄養素は、細胞が同化作用で使用する原材料であってよく、一部の栄養素は、細胞代謝を促進する酵素またはキャリアなどの機構部分であってよく、一部の栄養素は、細胞の使用のために構成要素に結合し、それを緩衝する、または有害な細胞産物と結合もしくはそれを隔離する結合剤であってよい。
【0073】
細胞および細胞の使用目的に応じて、細胞培地の構成要素は、細胞培養能力を最適化するために均衡された濃度の最適状態で存在するであろう。能力は、1つまたは複数の所望の特性、例えば、細胞数、細胞量、細胞密度、O
2消費、グルコースまたはヌクレオチドなどの培養液構成要素の消費、生体分子の産生、生体分子の分泌、廃棄産物または副産物、例えば、代謝物の形成、指標またはシグナル分子に対する活性、などにより測定される。それぞれの構成要素、または構成要素の選択は、従って、意図される目的のための作業濃度に最適化されるのが好ましい。
【0074】
典型的な例では、基本培地は、細胞培養の維持に使用され、アミノ酸、ビタミン、有機および無機塩類、糖ならびに他の成分などの多くの構成要素を含むことができ、各構成要素は、インビトロで細胞の培養を支援する量で存在する。
【0075】
マイクロ懸濁液および/またはカプセル化マイクロ懸濁液を含む本明細書記載の培地は、1X配合物であってもよく、または、例えば、5X、10X、20X、50X、500X、または1000X培地配合物として濃縮されてもよい。個別培地構成要素が別々の濃縮液として調製される場合は、適切な(十分な)量のそれぞれの濃縮物を希釈剤と組み合わせて、1X培地配合物を形成する。典型的な例では、使用される希釈剤は水であるが、水性緩衝剤、水性食塩水溶液、または他の水溶液などの他の水溶液を使用できる。培地は、追加の成分の添加が必要な基本培地でもよく、または追加の添加物が必要なく、再構成されるとすぐに細胞を成長させることができる完全培地であってもよい。
【0076】
一実施形態では、マイクロ懸濁液および/またはカプセル化マイクロ懸濁液を含む乾燥粉末から再構成された培地は、自動pHおよび/または自動浸透圧培地/フィードをもたらし、これは、特定の細胞型を成長させるのに適する所望のpHおよび浸透圧を、追加のpH調整または塩濃度調節をしないで自動的に達成するように寄与する平衡状態の緩衝液濃度および/または塩濃度を有する。
【0077】
別の実施形態では、またはさらなる実施形態では、マイクロ懸濁液および/またはカプセル化マイクロ懸濁液を含む乾燥粉末から再構成された培地は、既知組成の細胞培地を生ずる。培地タンパク質の存在は、組換えタンパク質の精製を困難にし、時間がかかり、また、費用のかかるものにし、また、産物収量の減少、および/または純度の低下に繋がる。従って、一実施形態では、細胞培地は、無血清で、無タンパク質であってもよく、それでも完全培地であり、特定の細胞型の増殖を支援できる。あるいは、乾燥粉末から再構成された培地は、無血清であってよいが、依然として、植物、酵母、藻類、真菌、または、細菌、真菌、植物、酵母藻類などの組換え原料などの、1つまたは複数の非動物由来の原料(動物起源不含AOF)由来のタンパク質を、加水分解物の形で、または精製タンパク質、または加水分解物画分の形で含んでもよい。他の例では、無血清培地は、依然として、アルブミン、フェチュイン、種々のホルモンおよび他のタンパク質などの1つまたは複数の種々の動物由来成分を含んでもよい。別の実施形態では、培地または培地サプリメントは、無タンパク質であり、さらに、脂質、加水分解物、または増殖因子を含まない。
【0078】
本開示の培地またはサプリメントは、流加バッチ培養用として使用される。細胞の流加バッチ培養は、典型的な例では、産物濃度を高め、容量生産性を上げることを目的に、細胞濃度を高め、培養液の寿命を延長するためにタンパク質などの生体分子の工業生産に使われる。流加培養法は、グルコースなどの1つまたは複数の栄養素の基本培地への制御された添加を含む。栄養素は、栄養素欠乏または蓄積、副産物の蓄積を防止し、それにより、最適製品発現に向けて細胞増殖を促進するか、または細胞死を最小限にするレベル内に浸透圧やCO
2濃度などの重要なパラメータを維持することにより、細胞培養の増殖を制御するのを支援する。
【0079】
細胞およびウイルス
また、本明細書記載のマイクロ懸濁液および/またはカプセル化マイクロ懸濁液を含む培地/フィードを使って、種々の細胞を培養できる。一実施形態では、培地を使って、植物または動物細胞、例えば、哺乳動物細胞、魚類細胞、昆虫細胞、藻類細胞、両生類細胞もしくは鳥類細胞を含む真核細胞が培養され、または培地を使ってウイルス、ウイルス様粒子が産生される。
【0080】
本明細書記載の培地/フィードで培養できる哺乳動物細胞には、初代上皮細胞(例えば、ケラチノサイト、頚部上皮細胞、気管支上皮細胞、気管上皮細胞、腎臓上皮細胞および網膜上皮細胞)および樹立細胞株およびそれらの系統(例えば、293胚性腎臓細胞、BHK細胞、HeLa頚部上皮細胞およびPER−C6網膜細胞、MDBK(NBL−1)細胞、911細胞、CRFK細胞、MDCK細胞、CHO細胞、BeWo細胞、Chang細胞、Detroit562細胞、HeLa229細胞、HeLaS3細胞、Hep−2細胞、KB細胞、LS180細胞、LS174T細胞、NCI−H−548細胞、RPMI2650細胞、SW−13細胞、T24細胞、WI−28VA13、2RA細胞、WISH細胞、BS−C−I細胞、LLC−MK2細胞、クローンM−3細胞、1−10細胞、RAG細胞、TCMK−1細胞、Y−1細胞、LLC−PK1細胞、PK(15)細胞、GH1細胞、GH3細胞、L2細胞、LLC−RC256細胞、MH1C1細胞、XC細胞、MDOK細胞、VSW細胞、およびTH−I、B1細胞、またはこれらの誘導体)、いずれかの組織または臓器由来繊維芽細胞(心臓、肝臓、腎臓、結腸、腸、食道、胃、神経組織(脳、脊髄)、肺、血管組織(動脈、静脈、毛細管)、リンパ組織(リンパ腺、咽頭扁桃腺、扁桃腺、骨髄、および血液)、脾臓を含むがこれらに限定されない)、および繊維芽細胞および繊維芽細胞様細胞株(例えば、CHO細胞、TRG−2細胞、IMR−33細胞、Don細胞、GHK−21細胞、シトルリン血症細胞、Dempsey細胞、Detroit551細胞、Detroit510細胞、Detroit525細胞、Detroit529細胞、Detroit532細胞、Detroit539細胞、Detroit548細胞、Detroit573細胞、HEL299細胞、IMR−90細胞、MRC−5細胞、WI−38細胞、WI−26細胞、MiCl1細胞、CHO細胞、CV−1細胞、COS−1細胞、COS−3細胞、COS−7細胞、Vero細胞、DBS−FrhL−2細胞、BALB/3T3細胞、F9細胞、SV−T2細胞、M−MSV−BALB/3T3細胞、K−BALB細胞、BLO−11細胞、NOR−10細胞、C3H/IOTI/2細胞、HSDM1C3細胞、KLN2O5細胞、McCoy細胞、マウスL細胞、株2071(マウスL)細胞、L−M株(マウスL)細胞、L−MTK−(マウスL)細胞、NCTCクローン2472ならびに2555、SCC−PSA1細胞、Swiss/3T3細胞、インドムンチャク細胞、SIRC細胞、CII細胞、およびJensen細胞、またはこれらの誘導体)が含まれる。
【0081】
また、藻類細胞を含む真核細胞は、増殖およびバイオ燃料産生に適切な条件下で、マイクロ懸濁液および/またはカプセル化マイクロ懸濁液を含む本開示の培地組成物で培養して、バイオ燃料を生成できる。
【0082】
また、本明細書記載の培地により培養できる細胞は、いずれの動物由来であってもよく、好ましくは哺乳動物由来、最も好ましくは、マウスまたはヒト由来であってよい。本明細書で開示の方法により培養される細胞は、正常細胞、疾患細胞、形質転換細胞、変異細胞、体細胞、生殖細胞、幹細胞、前駆細胞または胚細胞であってよく、これらの内のいずれの細胞も、樹立細胞株もしくは形質転換細胞株でもよく、または天然源から入手されてもよい。細胞は、実験目的でも、または有用な成分の産生目的であってもよい。
【0083】
一実施形態では、本明細書記載の培地を使って、組換え型CHO細胞またはCHOS、CHOK1、DG44、RevOなどのCHO−由来細胞株を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が培養される。用語のCHO細胞は、組換え型CHO細胞および記載の全てのCHO由来細胞株への言及を含む。CHO細胞は、チャイニーズハムスター卵巣由来の上皮細胞および繊維芽細胞の両方として分類されている。チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)から出発した細胞株(Kao、F.−T.And Puck、T.T.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 60:1275−1281(1968)は、何年間も培養されているが、その同一性は未だ確認されていない。最近では、ヒト様グリコシル化パターン、明確な翻訳後修飾およびヒトウイルスの伝染に対する低リスクなどのその細胞株が有する多くの利点のために、大抵のバイオ医薬品企業は、CHO細胞中でタンパク質を産生する。
【0084】
細胞培養
本明細書記載の培地が対応している細胞は、研究者により決定される実験条件に従って培養できる。所与の動物細胞型に対する最適播種条件および培養条件は、常用の実験を使うだけで当業者により決定できることは理解されよう。本明細書記載の細胞培地を使った常用の単層培養条件に関しては、細胞を、接着因子なしで培養容器の表面に播種し培養できる。あるいは、容器を天然、組換え型または合成接着因子またはペプチド断片(例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニンなど、またはそれらの天然もしくは合成断片)でプレコートできる。これらは、例えば、Life Technologies、Corp.(Carlsbad、CA R&D Systems、Inc.(Rochester、Minnesota)、Genzyme(Cambridge、Massachusetts)およびSigma(St.Louis、Missouri)、から市販品として入手できる。また、細胞は、形成済みコラーゲンゲルもしくは合成生物高分子材料などの天然または合成3次元支持マトリックスの中または上に播種できる。懸濁培養に関しては、細胞は、典型的な例では、本明細書記載の培地中に懸濁され、スピナーフラスコ、灌流培養装置、またはバイオリアクターなどの、懸濁状態で細胞の培養を促進する培養容器中に導入される。理想的には、培地成分の変性と培養中の細胞の剪断を避けるために、培地と懸濁細胞の撹拌は、最小限にされる。
【0085】
各実験条件に対する細胞の播種密度は、使われる特定の培養条件に対し最適化できる。プラスチック培養容器中での常用の単層培養に関しては、1〜5x10
5細胞/cm
2の初期播種密度が好ましく、一方、懸濁培養に関しては、さらに高い播種密度(例えば、5〜20x10
5細胞/cm
2)を使うことができる。
【0086】
哺乳動物細胞は、典型的な例では、細胞インキュベーター中、約37℃で培養される。インキュベーターの雰囲気は、加湿し、空気中約3〜10%の二酸化炭素、より好ましくは、空気中約8〜10%の二酸化炭素、最も好ましくは、空気中約8%の二酸化炭素を含まなければならない。しかし、特定の細胞株の培養では、最適結果を得るためには、空気中20%もの二酸化炭素を必要とする場合もある。培地pHは、通常、約6.2〜7.8、好ましくは、約7.1〜7.4、最も好ましくは、約7.1〜7.3の範囲とする必要がある。細胞は、異なる条件下(pH、温度および/または二酸化炭素)で培養してタンパク質産生を高めることができる。
【0087】
閉鎖培養またはバッチ培養での細胞は、約1.5〜2.0x10
6細胞/mlの密度に達すると、完全培地交換(すなわち、消費培地を新鮮な培地で置換)を受ける必要がある。灌流培養での細胞(例えば、バイオリアクターまたは発酵槽中の細胞)は、連続再循環ベースで新鮮な培地を受ける。
【0088】
ウイルスおよびワクチン産生
懸濁状態の細胞の培養または単層細胞培養に加えて、本培地は、哺乳動物細胞由来ウイルスの産生方法に使用可能である。このような方法は、(a)細胞(例えば、哺乳動物細胞)をウイルスによる感染を促進するのに適する条件下でウイルスと接触させること、および(b)本明細書記載の培地中、細胞によるウイルスの産生を促進するのに適した条件下で細胞を培養すること、を含む。培地中で細胞培養の前、その間、またはその後に細胞をウイルスと接触させることができる。哺乳動物細胞にウイルスを感染させる最適な方法は、当技術分野でよく知られており、当業者は精通している。本明細書記載の培地で培養されたウイルス感染哺乳動物細胞は、本明細書記載の細胞培地以外の細胞培地で培養された細胞よりも高いウイルス力価(例えば、2、3、5、10、20、25、50、100、250、500、または1000倍高い力価)を生じることが期待できる。
【0089】
これらの方法を使って、限定されないが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、などを含む種々の哺乳類ウイルスおよびウイルスベクターを産生ででき、最も好ましくは、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスを産生できる。本明細書記載の培地中で感染細胞の培養後、ウイルス、ウイルスベクター、ウイルス粒子またはそれらの成分(タンパク質および/または核酸(DNAおよび/またはRNA))を含む使用された培地は、ワクチン産生、細胞形質移入または遺伝子治療に使用するためのウイルスベクター産生、動物の感染または細胞培養、ウィルスタンパク質および/または核酸の試験、などの種々の目的に使用できる。あるいは、ウイルス、ウイルスベクター、ウイルス粒子またはそれらの成分は、任意選択で、当業者にはよく知られているタンパク質および/または核酸単離技術を使って、使用された培地から分離できる。
【0090】
組換えタンパク質産生
また、本培地は、懸濁状態で成長させた真核細胞を含む細胞由来の組換えタンパク質の産生法に使用可能であるが、哺乳動物細胞が好ましく、特に、懸濁状態で成長させた哺乳動物細胞由来のタンパク質の産生法が好ましい。本開示によるポリペプチドの産生方法は、本明細書記載の培地中、細胞によるポリペプチドの発現に適する条件下でポリペプチドを産生するように遺伝的に操作されている細胞(例えば、哺乳動物細胞)を培養することを含む。哺乳動物細胞を目的のポリペプチドを発現するように遺伝的操作をする最適な方法は、当技術分野でよく知られ、従って、当業者は精通している。細胞は、本開示の培地中で培養する前に遺伝的に操作でき、または、培養液中に入れた後で、培地中で、それらに、1つまたは複数の外因性の核酸分子を形質移入できる。遺伝的に操作された細胞は、本培地中で、上述の方法に従って、単層培養、またはより好ましくは、懸濁培養として培養できる。細胞培養後、目的のポリペプチドは、任意選択で、当業者によく知られたタンパク質単離技術により細胞、および/または使用された培地から精製できる。
【実施例】
【0091】
実施例1:マイクロ懸濁液および/またはナノ懸濁液の作製プロトコル
本明細書で提供されるのは、培地成分を含むマイクロまたはナノ懸濁液の調製方法である。この方法は、例えば、特定成分のマイクロ懸濁液(ms)、および/またはナノ懸濁液(ns)により、溶解度をはるかに超えて培地および/またはサプリメントを濃縮することを可能にでき、またさらに、マイクロ懸濁液(ms)、および/またはナノ懸濁液(ns)のカプセル化により、ビーズを形成し、続けて、カプセル化ビーズの乾燥を行い、成分濃度のさらなる増加が生じる。
【0092】
マイクロ懸濁液の作製法(
図1参照)
約7X濃度の培地成分のマイクロ懸濁液作製用(リン酸ナトリウムなし)プロトコル:
1) 30gの乾燥形態粉末化培地、サプリメントまたはフィード(リン酸ナトリウムなし)を乳鉢中に秤取。
2) 7.5mlのWFI(注射用の水)を添加。
3) フレキシブルなグリーンプラスチックスパチュラを使って、粉末が湿り、水を「取り込み」、ペーストを形成し始めるまで混合する。均一になるようにペーストを全体的に素早く混合し、マイクロ懸濁液を得る。
4) 1mlの追加のWFIをマイクロ懸濁液に加え、全体を混合する。
5) マイクロ懸濁液を容器に集め、スパチュラを使って「スクイージを行って」最後の量までマイクロ懸濁液を容器に送り込む。容量は、約29mlである。
6) 送出のために、ピストン送出装置(例えば、シリンジタイプ装置)を使用する。
【0093】
実施例2:マイクロ懸濁液およびナノ懸濁液含有アルギナートマイクロカプセル
マイクロカプセル化は、特に、粉末化細胞培地中の反応性成分から不安定な成分を物理的に分離または隔離する機序を提供できる。例として挙げると、アルギナートもしくは他のいずれかのカプセル化マトリックスまたはカプセル形成物質は、マイクロカプセル化に使用できる。
【0094】
カプセル化マイクロ懸濁液作製用プロトコル
培地、サプリメントまたはフィードをさらに濃縮する方法であるカプセル化マイクロ懸濁液の作製用プロトコル:
1) 培地、サプリメントまたはフィードのマイクロ懸濁液(リン酸ナトリウムなし)を作る(例えば、上述のようにして)。
2) 13.5mlの6%アルギナートをマイクロ懸濁液に加え、全体をスパチュラで混ぜて、アルギナートを混合する。容量は、約40.5mlになるはずである。
3) 四角の(中サイズ)ポリプロピレン使い捨て秤量皿の底を覆うためにパラフィルムを円形状に切り出す。パラフィルムを秤量皿の底に置く。
4) エッペンドルフ・リピーター・プラス・ピペット用チップを、はさみで末端の約1/64"を切り取って整え、完全に押し下げた場合、切り口がプランジャーの末端の位置までではないことを確認する。
5) 位置1(25μl)に設定した2.5mlのシリンジを備えたエッペンドルフ・リピーター・プラスを使って、マイクロ懸濁液をシリンジ中にゆっくり引き込む。空気は粘性マイクロ懸濁液中に残り、送出容量を変えるので、空気がシリンジ中に吸い込まれていないことを確認する。
6) エッペンドルフのレバーを数回押し下げてシリンジに呼び水を差す。マイクロ懸濁液をシリンジ末端から流し出した後で、シリンジの末端を拭き取る。その後、シリンジ末端をパラフィルム表面から数mmの位置に垂直に保持し、レバーを押し下げ、同じ箇所に約5秒間保持し、全25μlの液滴をパラフィルム表面上に送出させる。次に、隣の位置に移動し、繰り返す。パラフィルム全表面にわたり液滴を配置することを続ける。アルギナート−マイクロ懸濁液液滴は、パラフィルム上に数秒間、放置後凸面の球状形を形成する。
7) アルギナートを架橋してヒドロゲルを形成させるために、25mlの塩化カルシウム(無水)の133g/Lの溶液を秤量皿中に送出する。Ca溶液が下に入ると液滴が浮揚しようとするので、ピンセットを使って、パラフィルム(およびアルギナート−マイクロ懸濁液液滴)を塩化カルシウム溶液表面の下に保持することが必要となる場合がある。
8) パラフィルムとアルギナート−マイクロ懸濁液液滴を塩化カルシウムの下に30秒間保持する。ビーズを形成させる。
9) 30秒後、ピンセットを使ってパラフィルムの一端を掴み、押し動かしてゆるめ、全ビーズを取り外す。それにより、パラフィルムを秤量皿中で上下反対に回転させ、塩化カルシウム中で前後に振り回すのを行い易くなる。ビーズは、パラフィルムから容易に剥がれる。
10) マイクロ懸濁液は、吸収性ティッシュペーパー上に置かれる(ステップ16)まで処理全体を通してゆっくり溶解するので、ステップ11〜18を遅滞なく通過すること。
11) 直ちに秤量皿を半分に折り畳み、秤量皿の末端を狭めて皿内にビーズを保持するように注意して、塩化カルシウム溶液を廃棄する。
12) 秤量皿の把持を緩めて、直ちに必要量のWFIを半分まで加える(注ぐ)。
13) 直ちに秤量皿を前のように折り畳み、WFIを廃棄する。
14) 秤量皿の把持を緩めて、直ちに必要量のWFIを半分まで注ぎ込む。
15) 直ちに秤量皿を前のように折り畳み、WFIを廃棄する。
16) ひっくり返し、各秤量皿の中身を二重のティッシュペーパー上に出し、できる限りビーズから水を吸収させる。
17) ティッシュペーパーを秤量皿上に保持し、白色のフレキシブルなプラスチックスパチュラを使ってビーズをすくう。
18) 2つの白色プラスチックスパチュラを使って、相互に接触しないようにビーズを離す。
19) ドラフト中に一晩置く。
20) 翌朝、ビーズを真空乾燥チャンバー中のCaSO
4上に置く。
21) 3日間乾燥させ、その後、ビーズを取りだし、軽く付着している秤量皿の表面から取り外す。透明秤量皿をひっくり返し、秤量皿中のビーズのカバーとして使用する。一端をわずかに持ち上げ、秤量皿の表面に沿って白色フレキシブルスパチュラを押し込み、ビーズを取り外す。全てを取り外した後で、新しい秤量皿中に置き、追加の4日間、真空乾燥チャンバーのCaSO
4上に戻し、乾燥を確実にする。
【0095】
実施例3:ビタミンなどの少ない培地成分のカプセル化
カプセル化標的が、ビタミンなどの少ない培地成分の場合、ステップIは、カプセル化される成分の濃縮物溶液を直接2%アルギナート溶液中に混合することを含む。溶液は、充分濃縮されているため、1%以下の容量の2%アルギナートしか必要としない。マイクロ懸濁液の形成は必要ない。このアルギナート−成分溶液は、次に、133g/LのCaCl
2溶液中に直接落下する25μlの液滴として添加され、30秒間保持される。
a) CaCl
2溶液からビーズを流し出し、迅速に2回洗浄する。
b) ビーズを分離し、平面上に置いて数日間乾燥し、水分を確実に1%未満とする。
c) 次に、ビーズを屈折性が生じ、硬くなるまで真空デシケーター中のCaSO
4上に数日間置く。
d) 乾燥ビーズは、次の使用に関して準備が整った状態である。
【0096】
乾燥ビーズの使用は、殆ど100%栄養素サプリメント化学薬品をバイオリアクターに添加するようなものであった。
【0097】
実施例4:アルギナート−カプセル化マイクロ懸濁液に持続放出コーティングを適用するためのプロトコル
ビーズコーティング設備を利用できないため、代用のプロセスを開発した。ビーズの持続放出コーティング層中に、孔、または弱い領域が全く発生しないことを確実にする必要があることが明らかになった。インタクトビーズは、手で加えられている有機相の性質に起因して、繰り返し均一にコートできなかった。従って、スライド代用コーティングおよび試験アッセイが開発された。
1) 上述のようにアルギナート−マイクロ懸濁液を作製する。
2) エッペンドルフピペットを使って、赤色環状スライドの透明ガラス円形部内に5μlのアルギナート−マイクロ懸濁液の点を打つ。
3) 直ちにプラスチックスパチュラまたは他のフレキシブルツールを使って、5μlのアルギナート−マイクロ懸濁液を「つぶす」か、または平坦化して、できるだけ多くの円形ガラス透明領域を満たす(目標は、アルギナート−マイクロ懸濁液の表面をできる限り低くして、その後のPLGAコーティングを支援することである:背の高いビーズは、スライド上方に高く突き出過ぎるので、うまくいかない)。
4) スライドを133g/Lの塩化カルシウム溶液中に約20〜30秒間置く。
5) WFI中に浸漬して洗浄する。
6) スライドのWFIを流し出し(ティッシュペーパーを各ウエルに接触させて過剰水を吸収する)、ドラフト中で一晩乾燥する。
7) 次に真空中でCaSO
4上に置き、乾燥させる。
8) PLGAストックは、25mg/0.6mlのクロロホルムの濃度で保持。50μLのクロロホルム中PLGAを加え、赤色環状スライド中のウエルを覆う。50μLの容量が、円形ウエル領域とビーズを「満たし」、ウエル上に凹型隆起を与える。このPLGA−クロロホルムの容量は、容易に蒸発し、乾燥アルギナート−マイクロ懸濁液上の平たい、接触レンズ様被覆を形成する。遅延:3コート>2コート>1コート。
9) PLGAの乾燥後、持続放出の各種濃度およびグリコール酸/乳酸比による比較を行うために使用する。
【0098】
PLGAのような溶液を使って乾燥したビーズ上に均一コーティングを得ることは、難題であった。種々のプロトコルを使っていくつかの試みを行った。うまく機能したプロトコルを上記に示しているが、これは、所望のコーティングレベルが得られるまでプロトコルの作り替えを行った。例えば、ビーズの平坦化により、持続放出の使用のために最良のコーティング結果が得られた。コーティング成分濃度などのいくつかのパラメータ、ビーズサイズ、アルギナートの割合(%)、コーティング用プロトコル、乾燥条件および乾燥レベル、プリコーティング用溶剤などは、最良の結果を得るために最適化が必要であった。
【0099】
実施例5:各種PLGA濃度およびグリコール酸/乳酸比の持続放出比較アッセイ
1. 55mlのPBSを50mlの遠心チューブに入れる。
2.14ウエル全てを覆う同じPLGA組成のスライド1つを加える。水平に保持して室温でインキュベートする。
3. 代表的カプセル化グルコースビーズのグルコースをアッセイし、各種比率のコーティング材料成分:グリコール酸/乳酸比の持続放出特性を試験した。
4. 種々の時間でのサンプリングのために、グルコースのSigmaグルコースオキシダーゼアッセイ(GAGO)を行った:
a) 0.10ml試料を50ml遠心チューブから10x75mmガラスチューブまたは1.5mlのWheatonゴムストッパー付化学分析用ガラスバイアルに入れる。
b) 0.20mlの試薬を同じチューブに入れ、混ぜる。
c) 37℃で15分間インキュベートする。
d) 0.20mlの12N硫酸を加え、混ぜる。
e) 対照:1g/Lグルコース溶液を1:10に希釈する(0.1ml+0.9ml WFI=100ug/ml);12.5ug/mlまで2X系列希釈(0.5mlグルコース+0.5ml WFI)を行う。対照は、100、50、25および12.5ug/mlグルコースである。またWFIブランクを含める。
f) 目安として、全14ウエルからの全てのマイクロ懸濁液が溶解されると、試料を、1:4に希釈して対照基準の範囲内に入るようにする必要がある[適用された合計グルコースは、14ウエルで0.022g/スライドである必要がある、pg 69 NB 1138]。
出力を読み取るために、Spectra Max384を使用:96ウエルトレー中に350μlの試料。透明または濃色の壁はいずれも同様に機能し、差は認められない。540nmでの吸光度を読み取る。
計算:[Sigmaグルコース(GO)アッセイキット、製品コードGAGO−20による]
グルコース量(mg)=(試験のΔA@540)(標準のグルコース量(mg)
*)
*4つの希釈の内で一番近い標準濃度。
Δは、試験のOD読み間の差、または標準−ブランクの読み、を意味する。
**上記測定グルコース量(mg)に、試料調製で使った希釈因子を乗ずる。
【0100】
実施例6:多孔性金属シリンダー
多孔性金属シリンダーにアルギナートカプセル化マイクロ懸濁液乾燥ビーズを満たし、攪拌子を備えた1Lビーカー内に入れてバイオリアクター内の条件を模擬した。遅延放出用ビーズのPLGAコーティングは行わなかった。
図11の図は、バイオリアクター内で攪拌するだけで、ビーズから栄養素サプリメントが得られ、溶解し、さらに、「バイオリアクター」中へ送るのに充分であることを示す。多孔性金属シリンダーは、サプリメントを得て、細胞培養系中に入れるのにポンプ圧送、管で運ぶ、などの必要はない。実際、一実験では、アルギナートビーズ単独(PLGAコーティング無し)中のサプリメントは、約20時間以内に完全にその含有物を放出するほど速く遊離する。持続放出には、ビーズが多孔性金属内にある場合でも、PLGAコーティングが必要である。
図11の下段チャートは、AGT単独処理の粉末は、多孔性金属シリンダーを比較的素早く通過できるが、AGT単独では、遅延放出用としては機能しそうにないことを示す。留意すべき点は、多孔性金属シリンダーは、バイオリアクターに取り付けてオートクレーブ処理でき、サプリメントビーズは、培養中いつでも添加できるということである。
【0101】
図11は、持続放出マイクロカプセルがバイオリアクターの栄養素補充に使用できると思われる2つの方法を示す。1)無菌のマイクロカプセルをバイオリアクターに直接添加でき、そこで、徐放方式で成分を放出する(右)、または2)それらは、0.22μ孔径の多孔性金属シリンダーに加えることができ、ビーズを培養液中の細胞と接触しないように離して保持する。選択肢1では、ビーズは、濾過を妨げるか、または細胞数もしくは生産性を低下させる可能性がある。選択肢2は、バイオリアクターの攪拌のみで多孔性金属ケージの内側から栄養素サプリメントを溶出させ、バイオリアクターに送り込む機能を充分に果たす。
【0102】
いくつかの代表的実施形態
培地、フィードまたはサプリメント組成物を作製する方法であって、
最小限の容量の水溶液を、培地、フィードまたはサプリメントの乾燥粉末に加え、ペーストを作るステップ、
ペーストを激しく混ぜ合わせ、マイクロ懸濁液を調製するステップ、
を含む、方法。
【0103】
培地組成物を調製する方法であって、
項1に記載の培地のマイクロ懸濁液を調製するステップ、
任意選択で、有効量の抗酸化剤をマイクロ懸濁液と混ぜ合わせ、混合物を形成するステップ、
マイクロ懸濁液、またはステップ2の混合物を、マイクロカプセルまたはビーズが形成されるように、適切なカプセル形成物質でカプセル化するステップ、
マイクロカプセルまたはビーズを乾燥するステップ、
を含み、
培地が不安定な物質を含む、方法。
【0104】
不安定な物質がデンドリマーに付着する、項2に記載の方法。
【0105】
少なくとも1つの成分が超濃縮状態、増加した安定性、向上した照射曝露に対する耐性、熱安定性、延長された貯蔵寿命および不安定な成分の持続放出、からなる群より選択される1つまたは複数の性質のために培地が調製される、項2に記載の方法。
【0106】
培地組成物が、カプセル化成分の持続放出アッセイ、熱安定性アッセイ、ウイルス数減少アッセイ、照射後機能アッセイ、延長貯蔵寿命アッセイ、輸送中の安定性アッセイ、および室温貯蔵アッセイ、からなる群より選択されるアッセイで試験される、項2に記載の方法。
【0107】
カプセル形成物質が、アルギナート、ポリ−L−乳酸、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体およびカラゲナン、からなる群より選択される、項2に記載の方法。
【0108】
ビーズからの不安定な成分の放出を延長するコーティングでさらにビーズをコートする、項2に記載の方法。
【0109】
コーティングが、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、コラーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリアミノ酸、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリ−メチルメタクリラート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンおよびポリビニルピロリドン、からなる群より選択される、項5に記載の方法。
【0110】
ビーズが照射される、項2に記載の方法。
【0111】
ビーズが、無菌アッセイされる、項8に記載の方法。
【0112】
ビーズがガンマ線照射される、項4に記載の方法。
【0113】
ビーズが紫外線で追加照射される、項5に記載の方法。
【0114】
ビーズがPPVおよびMMVウイルス不含である、項5に記載の方法。
【0115】
組成物が乾燥形態培地である、項1または2に記載の方法。
【0116】
不安定な成分が、ポリアミン、増殖因子、サイトカインおよびビタミンからなる群より選択される、項1または2に記載の方法。
【0117】
カプセル形成物質が、水性溶媒で再構成時に可溶である、項2に記載の方法。
【0118】
カプセル化マトリックスが、デンドリマー−不安定成分錯体をカプセル化する、項3に記載の方法。
【0119】
デンドリマーが、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリプロピレンイミンデンドリマー、またはポリプロピルアミン(POPAM)デンドリマーである、項14に記載の方法。
【0120】
組成物が、1つまたは複数のアミノ酸を含む粉末化細胞培地を含む、項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【0121】
成分を含むマイクロ懸濁液を含む、培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0122】
カプセル形成マトリックスを使ってビーズとしてマイクロカプセル化されている、不安定な成分および抗酸化剤の混合物を含む、培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0123】
カプセル形成物質が、アルギナート、ポリ−L−乳酸、キトサン、アガロース、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン、硫酸デキストラン、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、水溶性セルロース誘導体およびカラゲナンからなる群より選択される、項18に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0124】
ビーズが、コーティング溶液でコートされる、項18に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0125】
コーティング溶液が、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、コラーゲン、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリアミノ酸、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリ−メチルメタクリラート、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ−L−リジンおよびポリオルニチン、からなる群より選択される、項20に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0126】
組成物がキレート化反応種をさらに含む、項18に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0127】
反応種がカチオン、金属イオンまたは微量元素である、項21に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0128】
キレート化成分が、EDTA、クエン酸塩、スクシナート、シクロデキストリン、クラスレート、デンドリマーおよびアミノ酸、からなる群より選択される、項21に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0129】
組成物が照射される、項17〜23のいずれか1項に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0130】
照射がガンマ線を使って行われる、項24に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0131】
ガンマ線が25〜100kGyである、項25に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0132】
ガンマ線が30〜50kGyである、項26に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0133】
ガンマ線が30kGyである、項26に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0134】
無菌状態でバイオリアクターに加えられる、項17〜28のいずれか1項に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0135】
細胞培地、フィードまたはサプリメントが無タンパク質である、項17〜29のいずれか1項に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0136】
マイクロ懸濁液に使われる粉末化細胞培地がAGT(先進造粒技術細胞培地)である、項17〜30のいずれか1項に記載の培地、フィードまたはサプリメント組成物。
【0137】
乾燥形態細胞培地を生成するための、上記項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【0138】
細胞培地の保存可能期間を延長するための、上記項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【0139】
室温で貯蔵し、取り扱うための、上記項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【0140】
特に記載がない限り、本明細書で使われる全ての技術的および科学的用語は、通常当業者により理解されているものと同じ意味を持つ。矛盾が生じる場合には、定義を含む本明細書が優先する。本明細書記載の方法および用途に対し他の適切な修正および適合が明らかで、本開示、またはそれらのいずれかの実施形態の範囲を逸脱することなく実行可能であることは、関連技術分野の当業者には容易に明らかであろう。さらに、材料、方法、および実施例は、例示のみの目的ためのものであり、限定する意図はない。本明細書で引用された全ての特許、特許出願、および出版物文献は、本明細書による参照によってその全体が組み込まれる。