【文献】
田辺 和俊,サポートベクターマシンを用いた企業の信用格付けの予測,経営情報学会誌,一般社団法人経営情報学会,2011年 6月15日,第20巻 第1号,pp.23〜38
【文献】
田辺 和俊,サポートベクター回帰を用いた158カ国の国債格付けの再現,情報知識学会誌,情報知識学会,2013年 2月22日,第23巻 第1号,pp.70〜91
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記世界企業ランキングプロセッサが、前記世界取引データ、世界財務データ、及び/又は世界不名誉情報のいずれか、又は全てが不完全であっても、不足している情報又はデータを埋めるための統計を利用して前記世界企業ランキングを作成する、混合モジュールを含む、請求項1に記載のシステム。
前記変換エンジンが、国別のロジック及び/又はルールに従って、前記の収集されたデータを変換、標準化、及び/又は要約することによって、前記の収集されたデータを更に処理する、請求項1に記載のシステム。
前記世界企業ランキングプロセッサを介して作成された前記世界企業ランキングを改善するために、前記ユーザに提供された前記世界企業ランキングが、ニューラルネットその他の人工知能技術を介して、前記世界企業ランキングプロセッサにフィードバックされる、請求項6に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び
図12を参照すると、本開示のGBRシステム100は、GBRマスタハードウェアシステム700を含み、GBRマスタハードウェアシステム700は、複数のソース、即ちメインフレーム世界的データベース110、マクロスコアハードウェア200、信号スコアハードウェア300、GBR世界取引ハードウェア400、世界財務ハードウェア500、及び世界不名誉情報ハードウェア600からの入力を受信する。GBRマスタハードウェアシステム700は、GBRスコア記憶装置800にGBRランク付けスコアを提供するために、受信した入力を処理する。
【0015】
GBR世界取引ハードウェア400、世界財務ハードウェア500、及び世界不名誉情報ハードウェア600はそれぞれ、取引データベースグループ150及び160からの入力を受信する。取引データベースグループ150は、現地国、例えば米国(US)の1つ以上の取引データベースから、1つ以上の取引データベースを含む。取引データベースグループ160は、英国(UK)のローカルデータベース162、ブラジルのローカルデータベース164、世界中のその他多数の国などの、世界的な国の集合における1つ以上の取引データベースを含む。
【0016】
本開示は、世界的データを独自に収集すること、及び世界的に収集したデータに基づいて、GBRスコアをリアルタイムに処理及び作成することを可能にする、技術的解決策を提供する。この技術的解決策は、
図12を参照すれば最もよく理解されよう。
【0017】
図12は、国Aのデータ162、国Bのデータ163、国Cのデータ165、そして国Zのデータ164などの様々な国別データの集合を含む、GBRシステム100のブロック図を示す。A〜Zの各国のデータは、様々なソースから収集され、例えば、国Aのデータ162は、少なくともソース1A(取引)、ソース2A(財務)、ソース3A(不名誉情報)〜ソースnA(他のデータ)からのデータを並行してアップロードする。同様に、国Bのデータ、国Cのデータ〜国Zのデータは、そのそれぞれのソースから、並行してそのそれぞれのソースデータを取得する。その後、162、163、165〜164のそれぞれの国データは、そのそれぞれのソースからデータが得られると、変換エンジン161に送信されるように並行して処理され、データは変換エンジン161で、メタデータリポジトリ166に記憶されたルール及び形式に従って、変換、標準化、分類及び/又は要約される。国別のロジック/ルールは、ステップ168で確立されて、メタデータリポジトリ166に記憶される。
【0018】
その後、変換エンジン161が、162、163、165〜164から受信した個別の国データを処理すると、GBRデータ/属性リポジトリ169に送信されて、世界的データベース110、マクロスコア200、及び信号スコア300からきたデータと結合される。データ/属性リポジトリ169は、結合されたデータを、世界取引データ400と、世界財務データ500と、世界不名誉情報600とに分類する。リポジトリ169でデータを予め分類することによって、GBRプロセッサ700は、世界取引データ400、世界財務データ500、及び世界不名誉情報600のうちの少なくとも1つが完全な情報を有していれば、このような取引データ400、財務データ500、又は不名誉情報600をいずれもリアルタイムに取得することができ、これによって、その他のデータ/属性リポジトリデータのそれぞれが、完全且つ最新になるのを待つ必要がなくなる。このことは、変換エンジン161を介して処理され、且つ世界取引データ400、世界財務データ500、及び世界不名誉情報600などの、個別の異なるデータ/属性リポジトリに配分される、複数のソース及び国からのデータに頼っているときに特に有用である。GBRプロセッサ700は、混合モジュールを使用して、ユーザのオンデマンドな要求に応じるために継続的な供給に基づいて、世界取引データ400、世界財務データ500、及び世界不名誉情報600(即ち企業ナレッジ)から不完全なデータを取得し、不足している情報を埋めて、リポジトリ800に記憶される正確なGBRスコアを引き続き作成するために、統計を使用する。
【0019】
混合モジュール、並列処理、及び継続的な供給に基づくシステムを作成することによって、本開示は、GBRシステム100が、GBRスコアを下流に流すステップ181、又はA〜Zの各国、及びその各データソースからの全てのデータのダウンロード及び処理を待つ必要なく、ユーザによって要求されたデータをリアルタイムに取得するステップ183のいずれかを行うことを可能にする。また、ステップ181において下流のシステムに流される情報の再帰的なフィードバックループ185を介して、GBRプロセッサ700によって作成されたGBRスコアを継続的に改善するために、ニューラルネットその他の人工知能技術を使用することが可能である。
【0020】
図2を参照すると、マクロスコアハードウェア200は、ユーザインターフェース230と、プロセッサ232と、メモリ234とを有するコンピュータ220を含む。処理モジュール236は、メモリ234に記憶されている。コンピュータ220は、米国のデータベースサーバ202、UKサーバ204、世界銀行データベース206、IMF(国際通貨基金)データベース208、マクロ経済データベース210、及びGoogle GDELT(Global Database of Events,Language,and Tone:イベント、言語、及び論調の世界的データベース)感情分析データベース212からの入力を受信する。プロセッサ220は、これらの入力を処理して、240に記憶されるマクロスコアを提供するように、処理モジュール236を動作させる。
【0021】
図3を参照すると、信号スコアハードウェア300は、コンピュータ310と、(複数の)世界的データベース350と、企業プロファイル変更データベース352と、マッチ監査データベース(match audit database)354と、国際間照会データベース356とを含む。コンピュータ310は、ユーザインターフェース312と、プロセッサ314と、メモリ316とを含む。メモリ316は、330に記憶させる信号スコアを作成する処理を行うために、(複数の)世界的データベース350、企業プロファイル変更データベース352、マッチ監査データベース354、及び国際間照会データベース356から取得した情報を処理する、処理モジュール318を含む。
【0022】
世界的データベース350と、企業プロファイル変更データベース352(例えば、CEOの変更)とを連結することによって、所与の企業の変更の頻度も取得される。世界的データベース350は、CEOの変更などの情報を提供し、企業プロファイル変更データベース352は、所与の企業の変更の頻度などの情報を提供する。マッチ監査データベース354は、信号データがどのくらい活動的か、即ち企業活動がどのくらい最近のもので、且つどのくらい頻繁かに関して活動的であるかを示す情報(例えば、その企業に対するマッチ及び監査の数、並びに信号活動がカバーする時間の長さ)を含み、信号データは一般に、特定の企業の企業照会(例えば、否定的なメディア報道、CEOの変更)に関する。マッチ及び監査の数が多いほど、且つ/又は信号を伴う期間が長いほど、事業がより活発、又はより好調なことを示す。国際間照会データベース356は、その企業の国際間照会を含む。様々な国から多数の照会があること、及び長期間にわたって照会があることは、事業が好調なことを示す。
【0023】
処理モジュール318は、前述の信号データ項目を全てプールする、即ち、企業照会、否定的なメディア報道、及びCEOの変更などのデータ信号をまとめる。回帰モデルは、これらに異なる重みを与えて、重み値を合計して単一の信号スコアにする。この信号スコアは、利用可能な信号情報のみに基づいた、企業のリスクレベルを示す。
【0024】
図4を参照すると、GBR世界取引ハードウェア400は、ユーザインターフェース420と、プロセッサユニット422と、メモリ430と、取引記憶装置440とを有する、コンピュータ410を含む。コンピュータシステム412は、ユーザインターフェース420に入力を提供する、世界の国々にあるローカルコンピュータ414と、中央FTP(ファイル転送プロトコル)サーバ416とを含む。ローカルコンピュータ414は、コンピュータ410に入力を提供するために、そのそれぞれの国で取引データベース150及び160を使用する。
【0025】
メモリ430は、取引データの選択、変換、及び導出変数の作成を行うための処理モジュール432を含む。処理モジュール432の結果は、次に、財務記憶装置440に記憶される。
【0026】
図5を参照すると、GBR世界財務ハードウェア500は、ユーザインターフェース520と、プロセッサユニット522と、メモリ530と、取引記憶装置540とを有する、コンピュータ510を含む。コンピュータシステム512は、ユーザインターフェース520に入力を提供する、世界の国々にあるローカルコンピュータ514と、中央FTPサーバ516とを含む。ローカルコンピュータ514は、コンピュータ510に入力を提供するために、そのそれぞれの国で取引データベース150及び160を使用する。
【0027】
メモリ530は、取引データの選択、変換、及び導出変数モジュール用の、処理モジュール532を含む。処理モジュール532の結果は、次に、財務記憶装置540に記憶される。
【0028】
図6を参照すると、GBR世界不名誉情報ハードウェア600は、ユーザインターフェース620と、プロセッサユニット622と、メモリ530と、不名誉データ記憶装置640とを有する、コンピュータ610を含む。コンピュータシステム612は、ユーザインターフェース620に入力を提供する、世界の国々にあるローカルコンピュータ614と、中央FTPサーバ616とを含む。ローカルコンピュータ614は、コンピュータ610に入力を提供するために、そのそれぞれの国で取引データベース150及び160を使用する。
【0029】
メモリ630は、取引データの選択、変換、及び導出変数の作成を行うための処理モジュール632を含む。処理モジュール632の結果は、次に、不名誉データ記憶装置640に記憶される。
【0030】
図7を参照すると、GBRマスタ処理及びスコア付けハードウェアシステム700は、コンピュータ702と、コンピュータ750とを含む。また、
図1を参照すると、コンピュータ702は、メインフレーム世界的データベース110、マクロスコアハードウェア200、信号スコアハードウェア300、GBR世界取引情報400、GBR世界財務情報500、及びGBR世界不名誉情報600からの入力を受信する。コンピュータ702は、ユーザインターフェース704と、プロセッサユニット706と、メモリ708と、マスタデータベース記憶装置740とを含む。コンピュータ702、及び追加のコンピュータ750により、システムが2つの連続したステップを同時に行うことが可能になる。コンピュータ702のGRBマスタ処理モジュール710は、全てのマクロ、信号、取引、財務、及び不名誉情報データをまとめる(
図2〜
図6)。追加のコンピュータ750のGBRマスタスコア付けモジュール758は、GBRスコアを作成して記憶装置790に記憶させるために、マスタデータベース記憶装置740から取得した最終的なビッグデータファイルに、GBRモデルを適用する。
【0031】
GBRマスタ処理モジュール710は、メモリ708内に記憶されている。プロセッサユニット706は、メインフレーム世界的データベース110、マクロスコアハードウェア200、信号スコアハードウェア300、GBR世界取引情報400、GBR世界財務情報500、及びGBR世界不名誉情報600からの入力を処理して、全ての入力ファイルをまとめて、750で使用するマスタデータセットを作成するために、GBRマスタ処理モジュール710を使用する。プロセッサユニット706は、次に、この結果をマスタデータベース記憶装置740に記憶させる。
【0032】
コンピュータ750は、ユーザインターフェース752と、プロセッサユニット754と、メモリ756と、記憶装置790とを含む。プロセッサユニット754は、記憶装置790に記憶させるための、且つGBRスコア記憶装置800(
図1)に記憶させるための、最終的なGBRスコアを作成するために、コンピュータ702からの入力を使用する。
【0033】
図2に関して、処理モジュール236は、プロセッサ232によって実行されると、事前モデル化工程、及びモデル化工程を実行する。事前モデル化工程は、経済的見地から、悪い定義による国のランク付けに意味があることを保証する、マクロ調整係数を作成する。モデル化工程におけるデータ作成ステップ(1005〜1050)は、データが豊富な国と、データが豊富でない国とに対応する、2つの別の経路を有する。1055では、これら2種類の国のデータを使用して、全ての国のマクロスコアを作成する。
【0034】
図9を参照すると、処理モジュール236は、事前モデル化工程のためにプロセッサ232によって実行されると、ランク調整済みの従属変数を得るために、複数のステップを実行する。ステップ905において、倒産の時系列と、様々なマクロ経済変数の時系列との間で、相関/共和分試験が行われる。ステップ910において、国内の倒産を表す、3つの最も強固なマクロ経済変数の選択が行われる。ステップ915において、ランク調整係数を作成するために、主成分分析と回帰分析との組み合わせが用いられる。ステップ920において、経済的に意味のあるランク付けを実現するために、ランク調整係数が、国レベルで従属変数に適用される。ステップ925において、ランク調整済みの変数が、モデル化工程で使用できる状態になる。
【0035】
図10及び
図11を参照すると、処理モジュール236は、モデル化工程のためにプロセッサ232によって実行されると、GBRスコアに組み込むためのマクロスコア成分を得るために、複数のステップを実行する。まず
図10を参照すると、ステップ1005では、国別GDP成長率の過去5年間の履歴データを収集する。ステップ1010において、国別GDP成長率のGDP標準偏差の、5年間の履歴が作成される。ステップ1015において、GDP成長率の標準偏差の国際平均が決定される。ステップ1020において、国のGDP成長率標準偏差に対する、国際平均標準偏差の比率に基づいて、相対ボラティリティ予測変数が作成される。ステップ1025において、国データが豊富かどうかについて判定が行われる。Yesであれば、ステップ1030で、他の入力変数が考慮される。その他の入力変数は、これに限定されないが、インフレ、経常収支、バランス、為替相場、輸入カバー、失業率のうちの1つ以上を含む。
【0036】
さらに
図11を参照すると、ステップ1025がNoであった場合は、ステップ1035で、異なる組の入力変数が更に検討される。この入力変数の組は、これに限定されないが、インターネットユーザの割合、政治的安定度、及びメディア報道における、ニュースイベントの平均的な論調のうちの1つ以上を含む。
【0037】
1030及び1035に含まれる各変数に対し、その過去10年間の時系列パネルデータが抽出される(1040)。1030及び1035のそれぞれに対して、対応する出力データセットが存在する。
【0038】
1045で、2つの出力データセットをチェックし、予測変数の欠損が1つ以上ある国にフラグを立てる。
【0039】
ある国にフラグが立てられると、その欠損データは、主権国への所属、地理的位置、類似する経済プロファイル、又は外挿に基づいて帰属された値に置き換えられる(1050)。
【0040】
データが多い国と、データが少ない国とが組み合わされると、全ての国をカバーする。
【0041】
任意の国のマクロスコアは、1から100までの数値であり、例えば、マクロスコアが95の国は、企業環境及び企業実体に関してリスクが低く、一方、マクロスコアが20の国は、全般的な事業リスクが高い国であることを示す。
【0042】
図1及び
図7を参照すると、プロセッサユニット706は、メインフレーム世界的データベース110、マクロスコアハードウェア200、信号スコアハードウェア300、GBR世界取引ハードウェア400、世界財務ハードウェア500、及び世界不名誉情報ハードウェア600から、マスタデータベース記憶装置740に記憶させるためのデータ入力を取得するために、GBRマスタ処理モジュール710を動作させる。
【0043】
英国(UK)の顧客(企業)の多国籍ポートフォリオの例としては、以下の入力が含まれる。
1)メインフレーム世界的データベース110の顧客の情報(
図1)
2)作成され抽出された、英国のマクロ経済スコア(
図2)
3)信号スコアハードウェア300からの信号スコア(CEO変更、照会など)
4〜6)
図1(F001)の英国のローカルデータベースは、財務情報、取引情報、及び不名誉情報を検索される。
【0044】
これら6つの情報のグループが、GBRマスタ処理モジュールの動作によって取り出されて、GBRデータベース記憶装置740に記憶される。
【0045】
図7を参照すると、プロセッサユニット754は、前述の6つの入力の1つ以上を使用するために、GBRマスタスコア付けモジュール758を動作させて、GBR記憶装置790に記憶させるGBRスコアを作成する。
【0046】
図8は、本出願による、GBRスコア作成に関するロジック図を示す。
【0047】
以下は、特定の企業実体の世界企業ランキング(GBR)を作成するプロセスを示す例であり、GBRスコアは、対象となる特定の企業の所在国にかかわらず一定になる。
【0048】
例えば、米国に拠点を持つある企業は、その供給業者の多国籍ポートフォリオを有する。その供給業者のうちの1つは、英国に拠点を持つ、ABCという名称の企業である。ABCと取引を行う前に、米国に拠点を持つ企業は、ABCのGBRスコアを判定しようとし、これは、以下のステップによって計算される。
【0049】
世界的データベース110から、企業年齢(40年)、従業員数(200人)、標準産業コード(SIC)などの、ABCの企業特性データを取得する。
【0050】
200を通して、国別マクロスコア値を作成し取得する。英国のマクロスコアの作成に必要な英国の情報は、以下のように抽出される。
・202からは、国の悪評価、年平均インフレ率、及び輸入カバー率が、204からは、政治的安定度指数が、206からは、失業率、及びインターネット使用率が、サーバ202から212までのデータの結合からは、GDP成長率、及び経常収支の対GDP比が、Google GDELT感情分析データベース212からは、メディアイベントの平均的な論調が抽出される。
・
図2の処理モジュール236は、以下のような働きをする。データベース202〜212から、英国を含む全ての国のGDP成長率を取り出す。国別GDP成長率に基づいて、GDP成長率の標準偏差、及び国際間のGDP成長率標準偏差の平均を作成する。GDP成長率の標準偏差は、統計におけるボラティリティの測定値である。英国の相対ボラティリティ予測変数は、全ての国にわたるGDP成長率標準偏差に対する、英国のGDP成長率標準偏差の比率である。相対ボラティリティ予測変数は、世界平均に対する、1つの国の企業リスクレベルを示す。1つの国の相対ボラティリティ予測変数が1よりも大きい場合は、その国の企業リスクが世界平均よりも高いことを示す。
・相対ボラティリティ予測変数を含む、前述のデータ項目に重み付けをして、重み値をマクロスコアに合計する回帰方程式に基づいて、英国のマクロスコアを作成する。
【0051】
マクロスコア記憶装置240は、この英国のマクロスコアを記憶する。
【0052】
1250のマクロスコアを有するブラジルなどの他の国に比べて、英国は国全体として企業のリスクが低く、従ってより良いマクロスコア1285を有する。これは前述したように、英国のマクロスコアの計算に入れる情報項目から説明され得る。
【0053】
英国とブラジルのマクロスコアのこの相違は、英国とブラジルとのGBRスコアを、同一条件で比較できるようにするのに役立つ。最終的なGBRスコアは、以下の6つの成分を有する。
1.財務
2.取引
3.不名誉情報
4.信号スコア
5.マクロスコア
6.企業特性
【0054】
前述の成分1、2、3、及び4のデータ項目について、英国企業とブラジル企業とが同じである場合、マクロスコアと企業特性とが含まれる前に、リスクスコアは同じになる。
【0055】
成分5、即ちマクロスコアについて、英国はブラジルよりも良いマクロスコアを有するので、英国企業は、GBRスコアが、1250のブラジルよりも良い1285となる。
【0056】
これら2つの企業が、企業年齢、従業員規模、SICなどの企業特性が同じであると更に仮定する。GBR成分6の企業特性は、企業特性に基づいて異なる国のリスクを計算するための、異なる式を有する。これら2つの企業は、企業特性が同じであっても、計算式/モデルが異なるために、成分6とは異なるリスクスコアを有する。
【0057】
つまり、最終的なGBRスコアは、マクロスコア及び企業特性スコアを含む、前述の6つの成分の全てを計算に入れたものになる。結果的に、英国とブラジルとの2つの企業は、一貫した測定基準に基づいて、2つの異なる最終GBRスコアを有することになり、スコアは同一条件で比較され得る。
【0059】
英国企業ABCの場合、世界的データベース350と、企業プロファイル変更データベース352とを連結すると、企業プロファイル変更の種類(例えば、CEOの変更)、並びにABCの変更の頻度が取得される。マッチ監査データベース354は、ABCの信号データがどれほど活動的かを示す情報、ABCのマッチ数及び監査数などの情報、並びに信号活動がカバーする時間の長さを提供する。マッチ数及び監査数が多いほど、且つ/又は信号を有する期間が長いほど、ABCの事業が活発で、且つ/又は取引関係がより多いことを示す。国際間照会データベース356は、その企業の国際間照会を含む。照会が多いことは、企業の良い指標にも悪い指標にもなり得るが、比較的長期間にわたってABCに対する照会がない場合は、ABCと取引を行うのにリスクがあることを示す。
【0060】
処理モジュール318は、前述の信号データ項目を全てまとめてプールする。回帰モデルは、これらに異なる重みを与えて、重み値を合計して単一の信号スコアにする。
【0061】
GBRプロセスには他の計算が用いられてもよいため、以下は説明のために記す。信号データのこの例は、人口統計、財務、及び取引情報によるスコアなどの、GBRの全ての他の部分にも使用することができる。
【0062】
ABC社は、過去3か月のうちに、国際間照会が10件あり、これらは7か国からの照会であった。前年に、ABCのCEOが辞任し、ABCに対して、3件の否定的なメディア報道があった。
【0063】
まず、前述の4つの生データ値はそれぞれ、証拠の重み(Weight of Evidence、WOE)の表に基づいて、予測変数値に変換される。証拠の重みの表は、モデルサンプルに基づいて、モデル化作成プロセス中に、全ての予測変数について作成されたものである。国際間照会の件数の予測変数について、以下に記す。
【0065】
1.10(件の照会)は、1.46(証拠の重み)に変換される。
2.7(か国)は、1.52(証拠の重み)に変換される。
3.CEOの変更は、−1.12(証拠の重み)に変換される。
4.3(件の否定的なメディア報道)は、−0.74(証拠の重み)に変換される。
【0066】
GBR信号モデルに、前述の証拠の重みの値を適用する。
Log_odds=−0.4207
−0.7005*照会(1.46)
−0.2125*国(1.52)
−0.3281*CEOの変更(−1.12)
−0.2788*否定的なメディア報道(−0.74)
=−1.1926
スコア=1130−40/Ln(2)*Log_odds
=1061
【0067】
企業ABCの信号スコアは、1061になる。
【0068】
この信号スコアの範囲は、1001から1500までであり、1001は最もリスクが高く、1500は、リスクが最も低い。この信号スコアは、利用可能な信号情報のみに基づいた、企業のリスクレベルを示す。
【0069】
ABCは、比較的良い信号スコア1439を有するが、これは、ABCに対して利用できる多くのマッチ及び監査、並びに国際間照会があり、CEOの変更などの企業プロファイルの変更がないことなどによる。
【0070】
取引データベースグループ150のUS取引データベース151、及びUS企業データベース152、並びに国データベースグループ160から、GBR世界取引情報400を取得する。
【0071】
取引情報は、企業実体の借入債務支払い状況を必然的に含む。ここでは、一般的な企業リスクモデルであるGBRモデルに対し、以下の情報項目を使用した。
1.過去12か月の取引数
2.即時払いされた支払い
3.期日経過30日以内に行われた支払い
4.期日経過31〜60日で行われた支払い
5.期日経過61〜90日で行われた支払い
6.期日経過91〜120日で行われた支払い
7.期日経過121〜150日で行われた支払い
8.期日経過151〜180日で行われた支払い
9.期日経過181日以上で行われた支払い
【0072】
図4の世界の取引相手国414は、そのローカルコンピュータ/サーバ/データベースから、ファイル転送プロトコル(FTP)の方式で、中央化されたFTPサイト/サーバ416に取引データを提供し、これが世界中に拡散される。取引データの選択、変換、導出変数作成モジュール432は、全てのローカルデータを1つの最終的な取引データベースに組み合わせて、記憶装置440に取引データを記憶する。
【0073】
データベース150及び160は、特に、以下の米国(即ちUS取引データベース151及びUS企業データベース152)その他の国(即ち個別の現地国162〜164のローカルデータベース)の取引情報を含む。米国その他の国についてのこのような情報は、これに限定されないが、以下の情報を含む。
・過去12か月以内の、取引の詳細が報告された月数
・ペイデックス(Paydex)スコア
・過去12か月の未払い金額
・過去12か月の支払い経歴の合計回数
・過去12か月の即時払いの回数
・過去12か月の良好な支払い(0〜30dpd)回数
・過去12か月の30〜60dpdの支払い回数
・過去12か月の60〜90dpdの支払い回数
・過去12か月の90〜120dpdの支払い回数
・過去12か月の120dpdを越える支払い回数
*dpdは、支払い期日経過日数。
【0074】
図4における、現地国のコンピュータ414、及び中央FTPサイト/サーバ416を介して、前述のデータ項目が、まとめてプールされる。
【0075】
メモリ432は、通貨を全てUSドルに換算し、生データ項目に基づいて、モデル予測変数を作成し、予測変数は、即時に支払われた(0dpd)良好な支払い経歴の割合(0〜30dpd)、及び60dpd以上になる、30dpdを上回った支払い経歴の割合などである。
【0076】
取引データ記憶装置440は、予測変数を記憶し、これらの予測変数は、GBRマスタスコア付けモジュールコンピュータ750でGBRスコアを作成するために、コンピュータ702のGBRマスタ処理モジュールによって使用される。コンピュータ702及び750により、2つの連続したステップを行うことが可能になる。GBRマスタ処理モジュール710は、全てのマクロ、信号、取引、財務、及び不名誉データをまとめる(
図2〜
図6)。GBRマスタスコア付けモジュール758は、マスタデータベース記憶装置740に記憶された情報にGBRモデルを適用し、これによってGBRスコアを作成して記憶装置790に記憶させる。
【0077】
図5は、取引データベースグループ150のUS取引データベース151、及びUS企業データベース152、並びに国データベースグループ160から、GBR財務情報500を取得する。
【0078】
データベース150及び160は、特に、以下のUS(データベース151及び152)、他の国(データベース162〜164)の財務情報を含む。
・過去3年間の最新の財務諸表の日付
・最新の財務諸表の総資産
・最新の財務諸表の純資産
・純利益
・現金及び現金等価物の額
【0079】
図5のローカルコンピュータ514、及びサーバ516を介して、前述のデータ項目が、まとめてプールされる。
【0080】
財務データ選択、変換、導出変数作成モジュール532は、全ての通貨をUSドルに換算し、前述の生データ項目に基づいて、総資産利益率(ROA)、及び最新の財務諸表の最新取引日(Recency)などの予測変数を作成する。
【0081】
財務データ記憶装置540は、予測変数を記憶し、これらの予測変数は、GBRマスタスコア付けコンピュータ750でGBRスコアを作成するために、GBRマスタ処理コンピュータ702によって使用される。
【0082】
図6は、取引データベースグループ150のUS取引データベース151及びUS企業データベース152、並びに国データベースグループ160から、GBR世界不名誉情報600を取得する方法を示す。
【0083】
データベース150及び160は、特に、以下のUS(データベース151及び152)、他の国(データベース162〜164)の不名誉情報を含む。
・過去7年間の回収額(年数は市場によって異なる)
・過去7年の訴訟件数(年数は市場によって異なる)
・過去7年の役員の判決額(年数は市場によって異なる)
・過去7年の役員の破綻件数(年数は市場によって異なる)
・最後に不名誉なイベントが起きてからの月数
【0084】
図6のローカルコンピュータ614、及びサーバ616を介して、前述のデータ項目が、まとめてプールされる。
【0085】
不名誉データ選択、変換、導出変数作成モジュール632は、全ての通貨をUSドルに換算し、債権回収を受けた(1/0)、役員の破綻があった(1/0)などの、フラグ/ダミー予測変数を作成する。不名誉データ記憶装置640は、予測変数を記憶し、これらの予測変数は、GBRマスタスコア付けコンピュータ750でGBRスコアを作成するために、GBRマスタ処理コンピュータ702によって後で呼び出される。
【0086】
英国企業ABCについての、
図2〜
図6のステップに関する前述の説明を、世界的データベース110からのABCの企業特性情報と合わせて、
図7のGBRマスタ処理モジュール710は、このような企業特性情報、記憶装置240のマクロスコア、記憶装置330の信号スコア、取引データ記憶装置440の取引データ、財務データ記憶装置540の世界財務データ、並びに不名誉データ記憶装置640の世界不名誉情報データを、企業レベルでマッチさせる、且つ/又は結合する。言い換えれば、マスタ処理モジュール710は、各企業が1つのみの記録を有する、マスタデータファイルを作成する。ABC社の事例では、マスタ処理モジュール710は、前述した企業特性データフィールド(例えば、企業年齢、従業員規模、SIC)、取引、財務、及び不名誉情報変数データフィールド、並びにその信号スコア、及び英国のマクロスコアを横並びにして、データファイルを組み立てる。
【0087】
マスタデータベース記憶装置740は、通常は前述の情報を、各行が企業に対応し、各列がデータフィールドに対応するマトリクスの形態で、大きいデータベースの中に記憶する。ABCの事例では、記憶装置740は、予測変数値の多数の列を有する、1レコードのデータファイルである。ABC社の複数の取引記録を使用するのではなく、企業ごとに1レコードの集約情報を使用することにより、コンピュータの処理ステップ、及び最終的なGBRスコアを作成する時間を節約する。
【0088】
図8に示すように、全ての必要な情報がすぐにスコア付けできるようになっている記憶装置740から開始して、
図7のマスタスコア付けモジュール758は、以下の
図8のステップを通じて、GBRスコアを作成する。
【0089】
まず、取引データ又は財務データが、ABCに対して利用できるかどうかチェックする。
1.ABCに対して利用できる取引データも財務データもない場合は、企業特性、又は信号スコアが利用可能かどうかチェックする。
・ABCの企業特性、又は信号スコアがない場合は、Macro_Modelを適用してGBRスコアを作成し、GBRスコアを記憶装置790に保存する。
・ABCに企業特性、又は信号スコアがある場合は、GBRスコアを作成するためにfirmographics_signal_moduleを適用して、GBRスコアを記憶装置790に保存する。
2.ABCに取引又は財務データ項目がある場合は、その財務データが利用可能かどうかをチェックする。
・利用可能な財務データがない場合は、GBRスコアを作成するためにtrade_derogatory_firmographics_signal_macro_modelを適用して、GBRスコアを記憶装置790に保存する。
・財務データがある場合は、取引データが利用可能かどうかチェックする。
○利用可能な取引データがない場合は、GBRスコアを作成するためにfinancial_derogatory_firmographics_signal_macro_modelを適用して、スコアを記憶装置790に保存する。
○取引データが利用可能な場合は、financial_trade_derogatory_firmographics_signal_macro_modelを適用して、スコアを記憶装置790に保存する。
【0090】
前述のステップの後に、ABCが取引情報及び財務情報を有し、入力された不名誉情報データフィールドがないことが分かったと仮定する。取引データフィールドの中で、全ての取引が即時に支払われており、滞納データフィールドに全て0が入力されている。財務データ項目の中で、ABCは昨年度末現在の、その直近の財務諸表を提出しており、総資産利益率に関して、事業は良好である。
【0091】
GBRスコアを作成するために、Financial_Trade_Derogatory_Firmographics_Signal_Macro_modelが使用され、GBR生スコアは1520になる。
【0092】
GBRの最終出力は、予測成分と、記述成分とからなる。予測成分は、GBR生スコアから得られ、生スコアを、予め定められた分割点に基づき、「15」を最も高リスクとする15の区分にランク付けする。記述成分は、「A」を最強、「G」を最弱とするデータ深度、又はデータ利用可能性を示す。GBRは、信頼性の高い企業評価に利用できる予測データに視覚性を与える、データ深度の測定値を使用する。データ深度成分は、企業の将来像の査定に用いられる、予測データのレベルに洞察を加える、信頼係数として作用する。
【表2】
【0093】
1520のGBR生スコアと、取引情報及び財務情報のデータの利用可能性とに基づいて、GBRマスタスコア付けモジュール758は、GBRの最終出力「4A」をABCに割り当てる。
【0094】
英国のアカウントのスコア4は、基礎となるデータの深度にかかわらず、リスク傾向に関してはブラジルと同じであることを意味する。
【0095】
最終的に、「4A」のスコアは、
図1のGBRスコア記憶装置800に保存される。
【0096】
以下は、
図9〜
図11の詳細な説明である。
【0097】
図9は、モデルサンプルの倒産率情報を調整するために、国の調整係数を作成する方法を開示する。これは、GBRモデルを作成しているときに、どのようにデータの欠点を克服するかの一例である。
【0098】
図10及び
図11は、マクロモデルがどのように作成されたかのプロセスを示す。
【0099】
図2は、前述した、マクロスコアがどのように作成されるかのプロセスを示す。
【0100】
図9について、GBRモデル作成段階の間に、ステップ905は、サーバ202及び204、並びにデータベース206、208、210、及び212から、倒産の時系列と、様々なマクロ経済時系列変数との間で相関試験を行う。
【0101】
ステップ915では、倒産率の予測値を作成するために、まず、サーバ202及び204、並びにデータベース206、208、210、及び212の全てのマクロ経済変数に基づく主成分と、回帰分析との組み合わせを用いてランク調整係数を作成する。実際の倒産率に対する予測の比率である、ランク調整係数は、その後に作成される。利用可能なデータに見られる、実際の国の倒産率ではなく、この予想される倒産を用いる理由は、データ範囲の偏りを除去するためである。倒産情報の収集は、国によって大きく異なる。例えば、ブラジルに見られる倒産率は、英国よりも低い/良好であるが、これは、ブラジルでは倒産情報が十分に収集されていないためである。
【0102】
ステップ925は、モデルサンプルの実際の倒産率を調整するために、予測された倒産率、並びにランク調整係数を記憶する。GBRモデルの作成には、この調整済み倒産率が用いられる。
【0103】
図10及び
図11のマクロスコア1060は、全ての国に関連する。このステップは、
図1のマクロスコア200に対応する。
図7のGBRマスタ処理及びスコア付け710は、マクロスコアを、信号、取引、財務、不名誉情報と組み合わせる。
図9のステップ925では、ランク調整済み従属変数を作成する。ステップ925の結果は、GDP成長率などの他のマクロ情報とともに、ステップ1060でマクロスコアを作成するために使用される。
図10のステップ1025において、主に発展途上国の中で、国のマクロデータが少ない場合は、通常は取引、財務、不名誉情報、及び信号データもまた豊富ではなく、これは、データ収集のための情報構造があまり発達していないことによる。利用できる情報が少ないために、これらの国の予測変数に多くの欠損値があることが原因で、最終的なGBRスコアの精度に悪影響を及ぼす。
【0104】
1055のモデルは、必要とされる変数を用いて、英国のマクロスコア(例えば、低リスクスコアである、英国のマクロスコア=1539)を作成する。この英国のマクロスコアは、信号スコアについて詳細な数式及び計算を用いて前述したように、マクロスコアが信号スコアとは異なる数式及び計算を用いることを除き、同じ方法に従う。通常、1000〜1200はリスクスコアが高く、1500以上は、リスクスコアが低い。
【0105】
図3のデータベース350〜356は、全ての利用可能な信号データ項目をプールし、処理モジュール318(即ち回帰方程式)は、ABCの信号スコア(例えば、中レベルのリスクスコアである、ABCの信号スコア=1435)を作成する。
【0106】
図1は、英国のローカルデータベース162において、豊富な取引データを利用できることを示す。ローカルデータベース162において、企業が3つ以上の取引情報を有する場合は、取引が多いとみなす。取引が多いと、不名誉情報(リスクがより低いことを示す)も財務情報も利用できなくても、豊富なデータを利用できるために、スコアの精度が高まる。
図1のGBR世界取引情報400は、UKローカルデータベース162から、ABC社の取引情報を抽出する。
【0107】
図7のGBRマスタ処理モジュール710は、ABCの企業特性、マクロスコア、信号スコア、及び取引情報をまとめてプールする。マスタデータベース記憶装置740は、結果を保存する。
【0108】
図7のGBRマスタスコア付けモジュール758は、例えば、
図8において説明したロジックの流れ図に従って、ABCのGBRスコアを作成する。
【0109】
「開始758」から開始して、システムは、取引情報、又は財務情報のいずれかが利用可能かどうかを判定する(801)。いずれかが利用可能な場合、システムは、財務情報が利用可能かどうかをチェックする(803)。財務情報が利用できない場合、システムは、「SCORECARD:取引/不名誉情報/企業特性/信号/マクロモデル」805に進み、740の利用可能なデータを全て使用して、ABCのGBRスコア(GBR=「4C」)を作成し、ここで「4」は低リスクを示し、「C」はデータの利用可能性及びスコアの信頼度が良好なことを示す。「4C」のスコアは、GBRスコア記憶装置800に保存される。
【0110】
財務情報が利用可能な場合は、システムは、取引情報が利用可能かどうかをチェックする(807)。利用可能な取引情報がない場合、システムは「SCORECARD:
【0111】
財務/不名誉情報/企業特性/信号/マクロモデル」809に進み、740の利用可能なデータを全て使用して、ABCのGBRスコア(GBR=「4C」)を作成し、ここで「4」は、低リスクを示し、「C」は、データの有用性及びスコアの信頼度が良好なことを示す。「4C」のスコアは、GBRスコア記憶装置800に保存される。
【0112】
財務情報、及び取引情報が両方とも利用できない場合、システムは、「SCORECARD:財務/取引/不名誉情報/企業特性/信号/マクロモデル」811に進み、740の利用可能なデータを全て使用して、ABCのGBRスコア(GBR=「4C」)を作成し、ここで「4」は低リスクを示し、「C」はデータの有用性及びスコアの信頼度が良好なことを示す。「4C」のスコアは、GBRスコア記憶装置800に保存される。
【0113】
801において、財務情報、又は取引情報がいずれも利用可能でない場合は、システムは、813において、企業特性、又は信号データが利用可能かどうかをチェックする。Yesの場合、システムは、「SCORECARD:企業特性/信号/モデル」815に進み、740の利用可能なデータを全て使用して、ABCのGBRスコア(GBR=「4C」)を作成し、ここで「4」は、低リスクを示し、「C」は、データの有用性及びスコアの信頼度が良好なことを示す。「4C」のスコアは、GBRスコア記憶装置800に保存される。
【0114】
企業特性、又は信号データがいずれも利用できない場合、システムは、「SCORECARD:マクロ」817に進み、740の利用可能なデータを全て使用して、ABCのGBRスコア(GBR=「4C」)を作成し、ここで「4」は低リスクを示し、「C」はデータの有用性及びスコアの信頼度が良好なことを示す。「4C」のスコアは、GBRスコア記憶装置800に保存される。
【0115】
本開示は、その好ましい形態を特に参照して説明されているが、添付の特許請求の範囲で規定されるように、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行ってもよいことは明らかであろう。