(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧力フィードバック路は電気式であり、圧力センサからの信号及び2つの基準信号の一方を受信するコントローラを有し、前記基準信号は、前記第1の弁が開いている又は閉じているかに依存する、並びに前記コントローラの出力は前記第2の弁を制御する、請求項1に記載の装置。
前記圧力フィードバック路は機械式であり、前記第1の弁の出口側の圧力により制御され、前記第2の弁を閉位置に向けて付勢するバイアス要素を有し、前記バイアス要素の付勢の有り無し両方で前記第2の弁を前記閉位置に付勢することは機械的に調節可能である、
請求項1に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在、COPD患者の治療法はなく、非常に僅かな効果的な在宅治療の解決策が症状を和らげるために利用可能である。
【0011】
上記患者を補助するためのさらに多数の方法が存在し、様々なその様な手段が本出願に説明されている。
【0012】
身体及び呼吸運動を行うことは、COPDの症状を安定させる、及び病気の自己管理の一部として患者が自分の症状を管理することを可能にする助けとなり、不安の経験も減らすと認識されている。
【0013】
これは、肺リハビリテーションプログラムで取り組まれるが、これらプログラムは、関連するコスト及び休暇と同じく、これらのプログラムを提供する施設がかなり限られた数であるため、限られた数の患者にのみ利用可能である。その上、これらの運動は短時間しか続かないので、運動を家の状況に移すこと及び新しい健康的な習慣を始めることは、それほど効率的ではない。大部分の患者はすぐに自分の普通の生活様式及び多くの場合、より受身的な生活様式に戻り、これは、より早い病気の進行及び悪化を助長させる。結果的に、簡単な呼吸技術を利用することが、患者が息切れからより素早く回復するのを助けることができたとしても、COPD患者は多分この技術を利用しない。
【0014】
例として、1つの呼吸運動は、口すぼめ呼吸(pursed lip breathing)運動である。この運動は、約2秒間、鼻から息を吸うことにより始める。次いで、唇は、バースデーケーキ上のろうそくを吹き消す準備をするようにすぼめられる。すぼめた口から息をゆっくり吐くことは、息を吸い込むことの2倍から3倍の長さで行うべきである。この運動は通例数回繰り返される。
【0015】
口すぼめ呼吸技術は、肺が多くの淀んで閉じ込められた空気を吐き出すことができるように、呼吸のペースを落とし、気道を長く開け続ける。それは、呼吸の作業量を減らす、患者が運動する又は活動を行う時間量を増大させる、並びに酸素及び二酸化炭素の交換を向上させる。通常、患者は4cmH
20(=382Pa)の呼気圧力レベル(それ以上)に達することができる一方、理想的には、圧力レベルは、8cmH
20(=785Pa)となるべきである。後者の圧力レベルは、呼気終末陽圧(PEEP)装置又は二層式呼吸陽圧(BiPAP)装置により供給されることができる。
【0016】
もう1つの呼吸運動は、横隔膜呼吸運動である。この運動は、口すぼめ呼吸よりも要求の多い運動であり、始める前に、患者はリラックスし、運動を行うのに良い位置/姿勢であることが重量である。従って、運動を始める前に、準備のための時間をとることが重要である。運動を行うために、患者は、腹部及び胸部の動きを観察するために、片方の手はベルト線の直ぐ上、及び他方は胸骨の直ぐ上の胸の上に置くよう求められる。
【0017】
全ての作業は、腹部及び胸部により行われるべきであり、肩は略じっとすべきである。次のステップは、まるで誰かがあなたに本当に迷惑な何かを話したかのように、口を開き、静かにため息をつくことである。これは全ての空気を取り除くことである。この呼気ステップ中、肩及び上半身の筋肉はリラックスし、落ちるべきである。次いで、患者は、口を閉じて、数秒間休止すべきである。次のステップにおいて、患者は口を閉じ続け、腹筋をリラックスさせ、腹部を押し出すことにより鼻からゆっくり息を吸う。同時に、ウエスト及び背側部は、膨らんでいるように感じることができる。
【0018】
腹部の動きは、これが空気を吸い込む動き(横隔膜の緩和)であるため、まさにほんの一瞬だけ吸気より先行している。胸又は肩を上げることなく、できるだけ多くの空気を吸い込むことが快適であるとき、患者は、吸い込みの停止を求められ、空気の吸い込みを終える。これらの行動は、腹部及び可能であれば肩/胸部の動きを手で又は他の手段を介して追跡することにより観察されることができる。時間を問わず一時的に休止することが快適に感じた後、患者は、口を開き、腹部に押し込む/収縮することにより口から息を吐き、そして上述したようにゆっくりと息を吸うことにより前記運動を繰り返すことが求められる。
【0019】
呼吸運動、例えば上に概説した呼吸運動の訓練は、運動の不足が原因による病気の進行の"悪循環(vicious cycle)"を打ち破ることを補助する。肺リハビリテーション中、患者は、病気について教育され、身体的に活動的になるのと同じく、呼吸運動に関して訓練される。しかしながら、何人かの患者は、そのようなプログラムに参加する可能性(利用可能性、費用)が無い一方、他の患者は、学習を長期にわたる習慣に転換することができない。
【0020】
米国特許出願公開第2004/0178844号は、自宅で使用される呼吸訓練システムを開示し、故に上に概説した問題の幾つかを対処するよう試みている。
【0021】
この運動が効果的であると証明するために毎日のルーチンの一部にならなければならないので、呼吸運動の訓練の最大の問題は順守である。その上、呼吸運動の補助は、増悪の瞬間に利用可能となるべきである。
【0022】
訓練システムは故に、使いやすい、それが楽しい又は興味をそそるように双方向性である、明瞭な指導を行うが第三者に注目されない、個別の患者のニーズに対応するように個別化及び最適化される、並びに(患者の介護者と一緒に)患者に適切なフィードバックを与えるべきである。
【0023】
COPD患者及びある程度までの喘息患者にとって、呼吸
の能力(breathing performance)は、状態の重症度を示す。呼吸
の能力は一般に、臨床診療において以下の呼吸パラメタの幾つかを決めることにより決定される。呼吸パラメタは、
1.分時換気量(VE)
2.呼吸数(f
R)
3.一呼吸の呼吸時間(T
TOT)
4.吸気時間(T
I)
5.呼気時間(T
E)
6.吸気時間と呼気時間との比(T
I/T
E)
7.吸気時間率(T
I/T
TOT)
8.咳
9.流量推定
である。
【0024】
例えば、高いf
R、低いT
I/T
TOT又は低いT
I/T
Eは、被験者の気道の閉塞を示している。
【0025】
その上、運動中に悪化する、流量制限による呼気中の肺の正常な排出の遅れは、呼吸数(f
R)の増加に関係する動的過膨張につながる。これは、呼吸仕事量の増大、呼吸筋への負荷の増大及び呼吸苦の認識の増大をもたらす。
【0026】
臨床的関連の情報を患者又は患者の介護人に供給するために、これらのパラメタの少なくとも幾つかが呼吸訓練システムにより記録される場合、それは有益である。
【0027】
呼吸訓練だけでなく、患者に補助を提供するもう1つの方法は、患者に酸素を送ることである。(呼吸訓練をしたにもかかわらず)患者が息切れを体験し、そのような補助を必要とするとき、そのような補助を提供するように設計された様々な装置が存在している。
【0028】
2つの主要な装置は、COPD(及び他の)患者の息切れを治療するのに使用される。
【0029】
1つ目は、呼気陽圧(PEP:Positive Expiratory Pressure)装置であり、この装置は、制限(restriction)を介して吹くことにより、呼気の際、逆陽圧(positive counter pressure)の効果を生み出す。例えば、国際特許出願公開番号WO2004/096110号に口すぼめ呼吸が開示されている。制限の圧力−流量の関係は、超線形(super-linear)であり、圧力の降下が流量の低下よりも大きいことを意味し、これは呼気終末においてより低い値となる傾向がある。PEPは筋肉を訓練する一方、PEPは、完全に排出する前に肺が閉じるのを妨げない。
【0030】
息切れの最適治療のために、十分な長さの呼気時間と組み合わせて、呼気終末陽圧(PEEP)が必要とされる。
【0031】
吸気の際、圧力不足(under-pressure)を作るために、制限を介した吸気も有益であることも提案している。例えば、そのような装置を用いて運動するとき、これが利用されてもよい。上述したように、口すぼめ呼吸は、患者が1人で行うことができる既知の技術であるが、例えばたった4cmH
20(=382Pa)の圧力だけを生み出すのに制限される一方し、例えば8cmH
20(=785Pa)がより最適である。もちろん、被験者により達成されるべき所望の圧力レベルは、被験者の特質、例えば年齢及び呼吸状態に左右される。これらの装置は安く、患者の負担で支払われる。
【0032】
出願人により開発される代替方法は、("VitaBreath(登録商標)"と呼ばれる)システムであり、このシステムにより、患者は、呼気の際、ブロアーに向かって息を吹き、8cmH
20の逆圧(=785Pa)を維持する、及び吸気の際、18cmH
20(=1770Pa)の陽圧を送る。詳細は、国際特許出願公開番号第WO2016/179173号に見られる。ブロアーは、回転速度を素早く変更することにより2つの圧力レベル間を切り替える。この装置は、比較的高価であり、故に患者の予算を上回り、健康保険からの償還費(reimbursement)を用いてしばしば手に入るだけである。
【0033】
COPD患者は、高すぎる二酸化炭素レベルと低すぎる酸素レベルの両方を患っている。酸素の送出は知られているが、重症患者だけは、高価な装置を必要とする、毎秒1リットルから始まる追加の富化酸素流の速度を用いた治療を受ける。
【0034】
従って、陽圧支援及び酸素は、COPD及び他の状態の症状を軽減するのに役立つことが分かっていたとしても、例えば掃除機をかける、階段を上がる等のような通常の毎日の活動中の息切れを素早く軽減するために、断続的に又は必要なときにのみ使用されることができる、小型で、軽量のポータブルな装置を利用できない。
【0035】
呼吸の訓練、観察及び/又は補助を提供するための現在のシステムが抱える幾つかの問題が残されていることは、上の議論から分かっている。本発明は、これらの問題の少なくとも幾つかに対する解決法を提供する装置及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明は請求項により規定される。
【0037】
本発明の第1の態様に従う例によれば、ポータブルな呼吸補助又は訓練装置を提供し。この装置は、
マウスピースを
構成するハウジング、
ユーザの呼吸特性を検出するセンサ配列、
呼吸
の指示又は運動に関する、或いは呼吸
の能力に関する、及び前記検出された呼吸特性を考慮している出力情報を提供する出力インジケータ、並びに
呼気終末陽圧を供給するために、呼気中に圧力制御を提供する圧力制御システム
を有する。
【0038】
この態様は、例えば吸気及び/又は呼気の長さを示すことにより、呼吸の訓練及び補助の両方を提供するが、呼気終末圧力の制御も提供することができるポータブルな装置を提供する。
【0039】
"補助"という言葉は、呼吸を行うようユーザを導くために、ユーザに出力が供給されることを示すのに使用されること述べておく。幾つかの任意の例において、補助は、緊急時のためにユーザにガス(すなわち酸素)の供給源を提供することにも及ぶ。
【0040】
出力情報は例えば、呼吸運動の順守を示すため、呼吸訓練を提供するため、正しい呼吸
の能力を示すため、又は助言的タイミング情報を提供するためである。ある例において、出力情報は、ある速度で呼吸するようユーザに
指示する、例えば特定の時間期間に息を吸い、特定の時間期間に息を吐くように
指示するためである。特定の時間期間に息を吐く
指示は、ユーザの基準の呼吸パターン及び検出された呼吸特性を考慮している。これらの
指示は、ユーザの
能力を反映するために時間と共に進化する。
【0041】
前記基準の呼吸パターンは例えば、呼吸時間及び呼吸数を有するが、流量又は圧力が考慮されてもよい。
【0042】
呼気中の圧力制御は、最終的な流量が低いときでさえも、呼気サイクル中にわたり圧力が維持されることを可能にする。従って、終末陽圧が存在している。
【0043】
前記装置はさらに、大気圧より
高い圧力でガスをユーザに供給するために、加圧されたガスのポータブルな供給源を収容するためのコネクタを有する。このように、前記装置は、ガス(例えば空気又は富化酸素を有する空気)の供給も提供する。この装置はこのとき、教育訓練補助及び非常用装置の両方として機能する。
【0044】
圧力制御システムは、マウスピースと周囲空気との間に制御可能な流量制限を有する。この制限を開く又は閉じることにより、装置の流路内及びマウスピースに存在している内圧が制御される。
【0045】
圧力制御システムは例えば、吸気及び呼気の両方の間に圧力制御を提供するためであり、ここで圧力制御システムは、吸気及び呼気中に異なる圧力を調整するように制御可能である。このように、前記装置は、吸気及び呼気の両方に対し、及び適切な圧力レベルで訓練並びに補助を提供することが可能である。圧力レベルは、患者毎に異なってもよく、これらの圧力レベルは、時間と共に変化してもよく、使用事例(訓練又は補助)に応じて別々にすることができる。
【0046】
圧力制御システムは、ガスキャニスタとマウスピースとの間に第1の弁、マウスピースと周囲空気への通気口(vent)との間に第2の弁、及び第1の弁が開いている又は閉じているかに応じてマウスピースにおける圧力を調整するために、第2の弁を制御するための圧力フィードバック路を有する。
【0047】
これは、別々の吸気圧力及び呼気圧力を調整することが可能である簡単な2つの弁の設計を提供する。
【0048】
出力インジケータは、光出力装置を有する。これは例えば、徐々に点灯する光のラインの形式で、
能力の簡単な視覚表示を提供する。
【0049】
この出力インジケータは、少なくとも2つの動作モードを持ち、前記装置は、
この装置の構成を検出するための構成センサ、及び
構成センサの出力に応じて出力インジケータの動作モードを選択するように前記装置を構成するためのコントローラ
を有する。
【0050】
この特徴は、訓練又は補助を提供するためにユーザに出力を提供するが、この出力は、装置の構成に応じて無効にされる又は別のモードに変更されてもよい。従って、ユーザは例えば、さらに不連続に装置を使用したがる。
【0051】
例として、あるモードは、視覚出力モードであり、もう1つのモードは、触覚出力モードでもよい。コントローラはこのとき、構成センサの出力に応じて、視覚出力インジケータ又は触覚出力インジケータを使用するように装置を構成するためである。このように、ユーザは、視覚又は触覚フィードバックを選択することができる。
【0052】
構成センサは、
装置の向きを決定する傾きセンサ、又は
ハウジングの広げられた構成(folded-out)又は畳み込まれた(folded-in)構成を検出するためのセンサ、若しくは
ハウジングの伸ばされた構成又は引っ込んだ構成を検出するためのセンサ
を有する。
【0053】
例えば視覚出力インジケータは、使用時にユーザの視野の底からユーザの鼻の前まで伸びるLEDのラインを有してもよく、ここで1つの構成において、LEDのラインは、使用時にユーザの顔の前にあり、もう1つの構成において、LEDのラインは、使用時にユーザの口より下にある。
【0054】
前記装置はさらに、
ポータブルなガスキャニスタ、又は
圧縮ガスを蓄えるためのポータブルなガスキャニスタ、及びこのガスキャニスタからの圧縮ガスを周囲空気と混合するための混合器
を有し、ここで前記混合器は任意で、
ファンを駆動させるために圧縮ガスで動くタービンを有する。
【0055】
混合器は、注入器、ファンとモーター又はファンとタービンの形式をとってよく、ここでファンは、周囲空気を吸い込むために駆動する。
【0056】
例えば、ポータブルなガスキャニスタは、0.2から1.0リットルまでの円柱、例えば0.2から0.6リットルまでの円柱である。
【0057】
センサ構成は、少なくともマイクを有する。
【0058】
システムは、上に規定されるようなポータブルな呼吸補助又は訓練装置、及び呼吸運動又は訓練
の指示をユーザに提供するためのポータブルな表示装置を有する。
【0059】
装置がガスキャニスタを使用するとき、ガスキャニスタは、装置の他の部品に電力を供給するためのバッテリーに取り付けられる。新しいキャニスタが使用されるたびに、バッテリーは交換又は再充電されるので、これは、装置を動作させるのに十分な電力があるのを保証することを可能にする。
【0060】
前記システムはさらに、ガスキャニスタを再充填するため、及び再充電可能なバッテリーが使用されるとき、このバッテリーを再充電するためのドッキングステーションを有する。
【0061】
この態様は、呼吸補助又は訓練を提供する方法も供給し、この方法は、
ユーザに呼吸運動又は訓練をするための
指示を供給するステップ、
前記呼吸運動又は訓練中のユーザの呼吸特性を検出するステップ、
呼吸
の指示又は運動に関する、或いは呼吸
の能力に関する、及び検出された呼吸特性を考慮している出力情報を提供するステップ、及び
呼気終末陽圧を供給するために、呼気中に圧力を第1の圧力レベルで調整するステップ
を有する。
【0062】
これは、呼気終末陽圧が供給されることを可能にするポータブルな装置により実施される補助又は訓練方法を提供する。
【0063】
この方法はさらに、ユーザの制御に応じて、吸気中にユーザにガスを供給するステップを有してもよく、さらに任意で吸気中の圧力を異なる第2の圧力レベルに調整するステップも有する。
【0064】
このように、前記装置は、呼吸訓練を提供することと同じく、呼吸支援のための加圧されたガスを供給することもできる。
【0065】
これは例えば、危機的状況における使用のためである。好ましくは、ユーザは、装置をこのモードで使用するために、装置のスイッチを入れる必要はない。従って、この装置は、装置が患者の呼吸を検出するとき、自動的に電源が入る。1つのオプションは、装置を低電力状態のままにしておくことにより、装置内のセンサを使用することであり、あるしきい値が達成されるとき、装置はフルパワーモードに切り替わる。その代わりに、ハンドセットに気流が流れ始めるときスイッチが入るために、パッシブ型のアクチュエータが使用されてもよい。このセルフアクチュエーションは、同時にデータを共有又は自動接続するために、対をなす装置とのワイヤレス接続に拡張されることもでき、患者による毎回の追加の操作を避ける。
【0066】
装置間の通信、例えばワイヤレス通信を用いて、呼吸
の指示は、ポータブルな表示装置上でユーザに提供され、呼吸特性は、ポータブルな呼吸補助又は訓練装置上で検出される。
【0067】
上述したようなセルフアクチュエーションは、同時にデータを共有又は自動接続するために、対をなす装置とのワイヤレス接続に拡張されることもでき、患者による毎回の追加の操作を避ける。
【0068】
出力情報を提供することは、
装置の構成を検出する、及び
検出された呼吸特性を考慮している出力インジケータのモードを設定する、例えば検出された構成に応じて、出力インジケータを視覚出力モード又は触覚出力モードに設定するように前記装置を構成する
ことを有する。
【0069】
構成の検出は、
装置の向きを決定する、又は
ハウジングの広げられた構成又は畳み込まれた構成を検出する、若しくは
ハウジングの伸ばされた構成又は引っ込んだ構成を検出する
ことを有する。
【0070】
本発明のもう1つの態様に従う例によれば。ポータブルな呼吸補助又は訓練装置を提供し、この装置は、
マウスピースを
構成するハウジング、
ユーザの呼吸特性を検出するためのセンサ配列、
呼吸
の指示又は運動に関する、或いは呼吸
の能力に関する、及び前記検出された呼吸特性を考慮している出力情報を提供するための出力インジケータ、
装置の構成を検出するための構成センサ、並びに
構成センサの出力に応じて、出力インジケータの動作モードを選択するように、前記装置を設定するためのコントローラ
を有する。
【0071】
この装置は、訓練又は補助を提供するためにユーザに出力を提供するが、視覚出力は、装置の構成に応じて無効にされてもよい。従って、ユーザは、さらに不連続に装置を使用したがる。
【0072】
この態様は、呼気終末陽圧を提供する装置に限定されない。呼吸運動又は訓練の順守に関する情報を提供するために触覚出力インジケータが使用されてもよく、ここでコントローラは、構成センサの出力に応じて、視覚出力インジケータ又は触覚出力インジケータを使用するように前記装置を構成するためである。このように、ユーザは、視覚フィードバック又は触覚フィードバックから選択することができる。
【0073】
構成センサは、
装置の向きを決定する傾きセンサ、又は
ハウジングの広げられた構成又は畳み込まれた構成を検出するためのセンサ、若しくは
ハウジングの伸ばされた構成又は引っ込んだ構成を検出するためのセンサ
を有する。
【0074】
装置を異なる動作モードに構成する数々の方法がある。
【0075】
視覚出力インジケータは、使用時にユーザの視野の底からユーザの鼻の前に伸びるLEDのラインを有してもよい。光が照明されるにつれて、これらの光はユーザの視野をますます明瞭にして、焦点が合うようになる。1つの構成において、LEDのラインは、使用時にユーザの顔の前にある、例えばユーザが簡単に装置の端に焦点が合うように顔から離れて傾けられ、もう1つの構成において、LEDのラインは、使用時にユーザの口より下にある。
【0076】
装置はさらに、
大気圧より
高い圧力でユーザにガスを供給するためのガスキャニスタ、及び
吸気及び呼気中に圧力制御を提供するための圧力制御システム
を有し、ここで圧力制御システムは、吸気中及び呼気中に異なる圧力を調整するように制御可能である。
【0077】
第1の態様にあるように、これは、呼吸訓練又は補助が1つのポータブルな装置を用いて提供されることを可能にする。
【0078】
システムは、上に規定されるようなポータブルな呼吸補助又は訓練装置、及び呼吸運動の
指示をユーザに供給するためのポータブルな表示装置を有する。
【0079】
この態様は、ポータブルな呼吸補助又は訓練装置から出力を供給する方法も提供し、この方法は、
ユーザの呼吸特性を検出するステップ、
装置の構成を検出するステップ、及び
構成センサの出力に応じて、出力インジケータの動作モードを選択するように前記装置を構成するステップ
を有する。
【0080】
構成することは、構成センサの出力に応じて、視覚出力インジケータを使用すること又は触覚出力インジケータを使用することを有する。
【0081】
構成を検出することは、
装置の向きを決定すること、又は
ハウジングの広げられた構成又は畳み込まれた構成を検出すること、若しくは
ハウジングの伸ばされた構成又は引っ込んだ構成を検出すること
を有する。
【0082】
本発明のもう1つの態様に従う例によれば、ポータブルな呼吸補助装置を提供し、この装置は、
マウスピースを
構成するハウジング、
大気圧より
高い圧力でユーザにガスを供給するための加圧されたガスのポータブルな供給源を収容するためのコネクタ、及び
呼気終末陽圧を供給するために、少なくとも呼気中に圧力制御を提供するための圧力制御システム
を有する。
【0083】
この装置は、(上の態様とは異なり、訓練機能を持たない)緊急支援装置のようにシンプルである。呼吸終末陽圧を供給することにより、ポータブルな装置が呼吸補助を提供することを可能にする。
【0084】
加圧されたガスのポータブルな供給源は、ポータブルな加圧されたガスのコンテナであり、離れて置かれるガス供給源に接続するためのパイプではないことを述べておく。
【0085】
圧力制御システムはさらに、吸気中及び呼気中に異なる圧力を調整するように制御可能である。
【0086】
例えば、圧力制御システムは、ガスキャニスタとマウスピースとの間の第1の弁、マウスピースと周囲空気への通気口との間の第2の弁、及び第1の弁が開いている又は閉じているかに応じて、マウスピースにおける圧力を調整するように第2の弁を制御するための圧力フィードバック路を有する。
【0087】
これは、2つの異なる圧力のフィードバック調整を提供するためと同じく、ガスキャニスタのガスの供給を制御するための2つの弁の配列を提供する。
【0088】
ある例の組において、圧力フィードバック路は、電気式であり、圧力センサからの信号と、2つの基準信号の一方を受信するコントローラを有し、ここで基準信号は、第1の弁が開いている又は閉じているかに依存し、コントローラの出力は第2の弁を制御する。
【0089】
この電気システムは、実施し易いが、電力を必要とする。
【0090】
もう1つの例の組において、圧力フィードバック路は、機械式であり、第1の弁の出口側の圧力により制御され、第2の弁を閉位置に向けて付勢するバイアス要素を有し、ここで、バイアス要素の付勢の有り無し両方で第2の弁を閉位置に付勢することは機械的に調節可能である。
【0091】
これは純粋な機械式の解決法を提供する。
【0092】
第1の弁は、手動操作されるユーザ制御を有する。ユーザは、吸気中に補助が必要とされるとき、弁を操作する。システムは次いで、(加圧されたガスの供給源の圧力を用いて)吸気陽圧を供給するように吸気圧力を自動的に調整し、これは呼気中の調整される圧力よりも高い。
【0093】
装置はさらに、
ポータブルなガスキャニスタ、並びに
圧縮ガスを蓄えるためのポータブルなガスキャニスタ、及びこのキャニスタからの圧縮ガスを周囲空気と混合するための混合器
を有する。
【0094】
例えば、混合器は、周囲空気を吸い込むために、ファンを駆動させる圧縮ガスで動くタービンを有する。
【0095】
ポータブルなガスキャニスタは、装置の他の部分に電力を供給するためのバッテリー、例えば再充電可能なバッテリーに取り付けられてもよい。
【0096】
この装置において、ガスキャニスタ及びバッテリーは結合されているので、ガス及び電気エネルギーは、再充電された状態で一緒に供給されることが保証される。このように、装置のバッテリーが電力を使い果たしているという危険性は減る。バッテリーは、(再使用可能なガスキャニスタの場合)ガスキャニスタが補充されるとき、バッテリーが再充電されるように、バッテリーが再充電可能でもよい。
【0097】
ガスキャニスタ及びバッテリーは、如何なる方法で互いに接続されてもよい。バッテリーは、ガスキャニスタの外側に取り付けられる、若しくは空洞に埋め込まれてもよく、又はこれらが共に共通するフレームに取り付けられてもよい。バッテリーは取り外しできるようにキャニスタに取り付けられてもよい。
【0098】
装置はさらに、ハウジング内に第2の再充電可能なバッテリーを有してもよく、ここでポータブルなガスキャニスタのバッテリーは、第2のバッテリーを再充電するためである。
【0099】
好ましくは、キャニスタに取り付けられるバッテリーの電気エネルギーは、固定されるバッテリーのエネルギーが使用される前に消費されるべきである。固定されるバッテリーは例えばガスキャニスタが装填されずに使用されてもよい。
【0100】
装置はさらに、
ユーザの呼吸特性を検出するためセンサ配列、並びに
呼吸
の指示若しくは運動に又は呼吸
の能力に関係する、及び検出された呼吸特性を考慮している出力情報を提供するための出力インジケータ
を有する。
【0101】
この態様は、呼吸補助を提供する方法を供給し、この方法は、
加圧されたガスのポータブルな供給源に接続されるポータブルな装置を用いて、大気圧より
高い圧力でユーザにガスを供給するステップ、並びに
呼気終末陽圧を供給するために少なくとも呼気中に圧力制御を提供する、及び任意で呼気中及び吸気中に異なる圧力を調整するステップ、
を有する。
【0102】
ユーザがガスキャニスタからガスを放出するための流量弁を稼働させるとき、圧力制御システムは吸気中に圧力を調整する。
【0103】
本発明のもう1つの態様に従う例によれば、ポータブルな呼吸又は補助装置のためのガス供給システムを提供し、このシステムは、ガスキャニスタ、及びポータブルな呼吸又は補助装置に電力を供給するためにガスキャニスタに接続されるバッテリーを有する。
【0104】
ガスキャニスタ及びバッテリーは、如何なる方法で互いに接続されてもよい。バッテリーは、ガスキャニスタの外側に取り付けられても、若しくは空洞に埋め込まれてもよいし、又はこれらが一緒に共通のフレームに取り付けられてもよい。
【0105】
バッテリーは、再充電可能なバッテリー及びガスキャニスタを有する、並びに再充電可能なバッテリーは、共通のドッキングステーションから充電されるように適応する。
【0106】
この態様は、ポータブルな呼吸又は補助装置用のガス供給システムのためのドッキングステーションも提供し、このドッキングステーションは、ガスキャニスタ又は取り付けられるガスキャニスタを持つ装置を収容するためのソケットを有し、ドッキングステーションは、キャニスタへのガス送出路及びガス供給システムの再充電可能なバッテリーを再充電するための電気接続を有する。
【0107】
充電することは、誘導的又は直接の電気接続による充電でもよい。夫々のガスシリンダー及び取り付けられるガスシリンダーを持つ装置を各々収容するための複数のソケットが設けられてもよい。
【0108】
ドッキングステーションは、モジュラー設計を持ち、例えば酸素濃縮器モジュールを収容することが可能である。
【0109】
例えば、ドッキングステーションはさらに、ドッキングステーションにより給電される及びガス送出路の圧力を使用して、圧力変動吸着法の酸素濃縮サイクルを操作する酸素濃縮器モジュールを有してもよい。
【0110】
この態様は、ポータブルな呼吸補助装置も提供し、この装置は、
マウスピースを
構成するハウジング、
コネクタ、及び
大気圧より
高い圧力でユーザにガスを供給するための、前記コネクタに取り外しできるように取り付けられる、上に規定されるようなガス供給システム
を有する。
【0111】
この装置において、ガスキャニスタ及びバッテリーは結合されているので、ガス及び電気エネルギーが再充電された状態で一緒に供給されることが保証される。このように、装置のバッテリーが電力を使い果たしているという危険性は減る。バッテリーは、ガスキャニスタが補充されるとき、再充電されることができるように再充電可能でもよい。
【0112】
この態様は、呼吸補助を提供する方法も供給し、この方法は、共用されるドッキングステーションを使用して、バッテリーを充電する、及びバッテリーがガスキャニスタに接続されている呼吸補助装置のガスキャニスタを補充するステップ、を有する。
【0113】
上の全ての態様において、センサ配列は、マイクを有する。
【0114】
その上、全ての態様において、センサ配列信号を、呼吸運動又は訓練の順守を設定及び/又は観察するための遠隔の(表示)装置に送信するための通信システムが設けられる。これはユーザにとって便利なシステムを提供する。通信は、ワイヤレス接続を介してでもよい。
【0115】
上の全ての態様において、ガスキャニスタが使用されるとき、このキャニスタは、0.2から1.0リットルまでの容量、例えば0.2から0.6リットルまでの容量を持ってよい。周囲空気と混合することにより、小容量のキャニスタは、妥当な長さの時間、支援を提供するのに使用される。これは、小型のポータブルな装置が作られることを可能にする。キャニスタの圧力は例えば、10気圧(1013250パスカル)から20気圧(2026500パスカル)までの間である。
【0116】
装置が訓練機能を提供する上の全ての態様において、入力は、外部の観察装置、例えば心拍数、血圧、活動レベル、ストレスレベル、GPSデータのモニターからデータを受信するためのシステムに供給される。この追加の情報は、提供される訓練又は補助を向上させるのに使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0118】
本発明は、呼吸を訓練、観察及び/又は補助する装置に対する様々な改善を提供する。任意で、ガスキャニスタ、圧力制御を実施するためのフィードバックシステム、並びに呼吸運動の順守及び
能力又は実行をユーザに示すための視覚出力を含むポータブルな装置が提供される。圧力制御は、例えば
能力レベル及び/又は医師の助言に基づく経時的な変化のような、異なる使用事例又は他の入力パラメタに対するのと同様に、吸気及び呼気に対し異なる圧力の調整を提供する。
【0119】
第1の態様は、呼吸訓練に関係し、家で使用するためのシステムを提供する。このシステムは、推奨される呼吸法をCOPD(又は他の)患者に適用するために、指導、やる気(モチベーション)及び自信を与えるためのモジュラーシステムとして設計される。このシステムは、呼吸運動の訓練中に支援及び指導を与えるためである。
【0120】
加えて、幾つかの実施において、システムは、例えば身体活動の後、急性の息切れのときの介入ツールとして働く。患者の正常な又は最適な呼吸リズムにより素早く復帰するように患者を手助けすることにより、このシステムは、患者をさらに活発でいるように手助けをする。このシステムは、病気の異なるフェーズの間、最適に患者に働くために、患者のニーズに応じて拡張及び調節されることができる。
【0121】
このシステムは
図1に示される。このシステムは、呼吸技術の運動及び利用においてCOPD患者を支援するのに使用されるポータブルな呼吸補助装置10と、ユーザインタフェースを提供する遠隔の表示装置12とを有する。表示装置12は、この表示装置12が呼吸補助装置10とワイヤレス通信するようにアプリがインストールされたスマートフォンとして示される。この表示装置は、拡張機能及びサービスを提供するためにリモートプラットフォームホスティングサービスに接続されてもよい。
【0122】
呼吸補助装置は、示されるようにマウスピースを
構成するハウジングを有する。ユーザの呼吸特性を検出するためのセンサ配列は、このハウジング内にある。
【0123】
最も基本的な実施において、装置は、ユーザの呼吸数を測定し、ユーザにフィードバックを提供するのに使用されるのに対し、システムが呼気終末陽圧を供給するように、圧力フィードバックを追加で提供する。
【0124】
より高度な実施において、急性事象中に患者を補助するために、大気圧より
高い圧力でユーザにガスを供給するためのガスキャニスタがハウジングの底に収容されている。
【0125】
圧力フィードバックシステムは、吸入サイクル中に行われるガスの送出中に圧力制御も提供する。
【0126】
ユーザインタフェースは、異なる方法で実現されることができる。表示装置12は、アップグレードのオプションが付いて、それ自体で呼吸運動を行うために使用される。呼吸補助装置10もそれ自身で、呼吸運動に関するフィードバックを与える、呼吸を支援する、さらに呼気中に陽圧支援を供給する(PEEP)のにも使用される。
【0127】
2つの装置は一緒に使用され、より多くのオプション、例えば運動の正しい
能力を促すために、ゲーム又は他の楽しませる若しくは興味を惹かせる方法の形式をとる運動を提案してもよい。システム全体は、例えば流量及び呼吸事象を測定するような、より正確なデータの収集も提供することができる。表示装置上のアプリは、このアプリが呼吸補助装置10に組み込まれていたとしても、データコレクタ及びリモートプラットフォームとの接続として働くことができる。
【0128】
システムは、最適な訓練及び介入体験を届けるように設計される。運動、
能力及び使用頻度に関するデータを集めることにより、COPDの状況及び進行を観察するに役立つ患者の病歴が確立される。
【0129】
積極的な呼吸訓練を提供するために、前記システムは、呼吸に関連するパラメタ、例えば呼吸数/呼吸パターン、流量、全呼気体積、到達圧力等を測定する、並びにこれらのパラメタに関する不規則性及び変動を決定するように好ましくは適応する。
【0130】
本発明は、異なるモードで動作することができる。
【0131】
訓練モードにおいて、患者がその間に息を吐くべき時間及び/又は到達されるべき圧力の表示、並びにこれらの目標が満たされたかの表示が提供されることができる。例えばユーザインタフェースは、口すぼめ呼吸を利用するための指導及び支援も提供する。一般に、システムは、呼吸運動の
能力及び有効性を測定し、適切なコーチングを与えることができる。
【0132】
システムが例えば身体活動により誘発される息切れを克服するのに使用されるモードにおいて、このシステムは、最初の呼吸数の範囲の評価(例えば非常に早い呼吸には赤色)を提供することができる。この尺度は、以前の使用量に依存するので、システムは自己学習システムとして実施される。
【0133】
呼気時間に対する表示は、患者の呼吸のペースを落とすために、ゆっくりと増大してもよい。
【0134】
前記システムは、個々の患者の要求(ニーズ)及び患者のプロファイルに適応させるように構成されることができる。このシステムは、インターフェースの使用に関連する全てのデータを記憶することができ、さらなる処理及びフィードバックのためのデータをさらなる関係者に転送できるプラットフォームに接続することができる。
【0135】
システムの第1の機能は、呼吸補助装置に呼吸
の指導を提供すること、及び急性の息切れの瞬間が存在するとき、補助を提供することである。
【0136】
身体活動中、COPD患者は息切れを経験している。患者の正常な呼吸リズムを取り戻すために、患者は呼吸補助装置を使用する。この呼吸補助装置は最初に呼吸数を測定し、これを"正常な"又は"好ましい"設定値と比較する。この特定のユーザのために集められた重症度又は起こり得る以前のデータ、すなわち"正常な"設定値からのずれに応じて、呼吸のペースを落とす速度が予測される。
【0137】
この情報は、例えば"正常な"呼吸を5回又は10回繰り返すような、指導が終わるときと同じく、例えば5%より長くのような、一呼吸毎に呼吸のペースが落とされるべき量を設定するのに使用される。
【0138】
呼吸補助装置は、例えば低音量だが高音である、赤色の光又は高速振動の表示を供給することによりユーザに早過ぎる呼吸を示してもよい。この信号は、呼吸のペースが落ちるに連れて変化する、つまり音の高さが低くなると、夫々黄色−緑色の光となる、又はよりゆっくりとした振動の何れか一方で変化する。一度正常な呼吸パターンが取り戻されると、この信号は消滅する。任意で、この定性的な表示に加え、呼吸補助装置のツール上又は表示装置上において、より定量的な指導が実施されることができる。
【0139】
ユーザは、複数の呼吸の後にシステムにより咳をするように促されてもよい、すなわち不規則である場合、変動又はノイズが検出される。
【0140】
図2は、一連の事象を示す。陰影が付いた箱からなる左側の列は、患者に関する行動又は事象に関係し、射影が付いていない箱からなる右側の列は、呼吸補助装置(又は表示装置)に関する行動又は事象に関係している。
【0141】
ステップ20において、患者は身体活動を行う。ステップ22において、患者は、息切れを経験し、呼吸補助装置10を使用することに決める。呼吸補助装置10は次いでステップ24において、呼吸数を測定し、これを(この特定の患者にとって)正常である呼吸数と比較し、呼吸にとって適切なペースを落とす速度を決定する。このとき、必要とされる呼吸数は矢印26で示されるように患者に示される。ステップ27において、呼吸補助装置10により誘導されるように、患者は自分の呼吸のペースを落とす。ステップ28において、患者の呼吸数が観察され、改善を測定する。
【0142】
1つのバージョンにおいて、呼吸補助装置10は、陽圧呼吸補助を送ることも可能である。これは例えば、呼吸数を落とすための指導(矢印26)を伴ってもよい。陽圧呼吸支援は例えば、深刻な状況において、追加の圧力がさらなる負担として経験されるので徐々に増加させる。
【0143】
例として、呼吸数の
指示は、最初は増加であり、ある瞬間に、最適化された効果が得られるように圧力が増大する。
【0144】
加えて、患者又は介護人へのフィードバックのために患者の
能力に関するデータが集められる。
【0145】
患者への
指示は、上に説明したような呼吸補助装置或いは表示装置又はその両方を通じて中継されてもよいことを述べておく。
【0146】
このシステムの第2の機能は、呼吸運動のトレーニングを供給することである。
【0147】
図3は、一連の事象を示す。左の列は再び患者に関する行動又は事象に関係し、右の列は、呼吸補助装置(又は表示装置)に関する行動又は事象に関係している。
【0148】
ステップ30において、表示装置12にあるアプリがスタートし、ベースパラメタ、例えば背景雑音、正常な呼吸数等が確立される。呼吸パラメタ、例えば吸気時間及び呼気時間、流量等は、様々な異なるセンサ、例えば流量計、胸部に取り付けられるマイク、腹部に取り付けられる加速度計、スマートウォッチにより手を腹部に置くよう患者が要求される場合、手首にあるスマートウォッチの加速度計等を用いて測定されることができる。
【0149】
運動のゴールは、長い呼気時間を達成することである。これは、患者の状態に応じるプリセット時間、例えば4−10秒、又は前記ベースパラメタ及びプリセット因子に関して確立される時間、例えば2又は3倍の時間の何れか一方である。運動は、医師(或いは療法士)又は経験値により推奨される設定に応じて、数回、例えば5−10回繰り返される。
【0150】
ステップ32において、表示装置は、従うべき
指示をユーザに示す。運動は、患者に送られる吸気の要求で始まる。ステップ34において、患者は息を吸う。その後、ステップ36において、プリセットされた時間息を吐くことにより患者が到達しなければならないゴールがユーザに示される。ステップ38として示される呼気中、インジケータは、患者に進捗状況を示すために、ゴールに向かって前進する。これは、例えばゴールラインに向けて移動するラインのようなかなり簡単な技術的可視化、又は印の付いた時間に向かい動く時間からなる第2のインジケータの何れか一方で実施されることができる。これはより楽しい方法、例えば風船を一定のサイズに膨らませる、2回の呼気毎に1本のキャンドルが消えるケーキ上のキャンドルを吹き消す、ボールを前に進めゴールラインを超える等のようなゲーム形式の手法を使用して可視化されてもよい。
【0151】
ステップ40は、ゴールに向かう前進の表示である。
【0152】
呼吸補助装置10だけを用いた呼吸運動は、同様の方法で実施されることができ、例えば音声、視覚又は触覚の表示により、呼気期間に関する表示はツールから直接来る。
【0153】
ステップ42において、ゴールに到達した場合、
指示ステップ32へのフィードバックループにより示されるように、次の吸気−呼気手続きが開始される。ゴールに到達しなかった場合、次の吸気−呼気手続きが開始されるが、吸気にさらに多くの時間が割り当てられる。これは、繰り返しゴールに到達しない場合に使用される。その上、吸気だけより多くの時間が与えられ、(前に満たされなかった)呼気の時間は同じに保たれる。例えば咳のような他の事象が検出されてもよく、この場合、患者が元に戻ることを可能にする期間が設定されるか、又は運動が完全に中断される。
【0154】
ステップ44においてユーザに、例えば患者がどのくらい運動を感じている又は感知しているかを決定するための質問表のようなさらなる
指示があってもよい。代わりに、ステップ44は、もう1つの種類の呼吸運動に関係してもよい。例えば、口すぼめ呼吸から始める場合、これは、同様な方法で行われるが、異なるパラメタを記録する横隔膜呼吸が続く。これはより難しい運動であるため、呼気時間が調整されてもよい。
【0155】
患者の状態及び病気の進行に応じて、ユーザインタフェースは拡張されることができる。横隔膜呼吸を含めるめために、拡張された運動ポートフォリオは、例えば腹部及び場合により胸部及び肩の動きを追跡するための追加の装置又はビデオ解析の何れか一方が設けられてもよい。例えば追加の情報及びコーチングのためのサービス並びに医師への直接のフィードバックと同様に、異なるレベルのデータ解析及びフィードバックが供給されてもよい。システムは、追加の装置からのデータの収集を実施してもよい。
【0156】
集められたセンサのデータは、呼吸運動の観点から(医師によりオフラインで)評価されてもよい。呼吸パラメタは、呼吸運動の種類に応じてかなり異なり、例えばCOPD患者にとって、横隔膜呼吸は、口すぼめ呼吸よりも上手くすること及び咳を始めないことがより難しい。
【0157】
異なる設定が使用されてもよく、例えば口すぼめ呼吸は、目標の呼気持続期間又は初期のプリセット時間を用いずに行われ、助言無しの
能力全体を観察することができる。
【0158】
その上、入力されるデータに基づいて、運動の設定は、1セッション中又はセッション毎に動的に調整されることができる。そのように、単に案内するのではない、スマートな解決法が可能である。例えば、咳が多く生じる場合、運動は停止されなければならない。運動を繰り返し上手く行うことができない又は簡単に行う場合、設定が調整されることができる。
【0159】
故に、システム制御にあるフィードバックループは、運動(ゲーム)制御ユニットの一部である。データの収集を備えないシステムに対し、呼吸運動の設定は、例えば介護提供者との話し合いにおいて手動で設定されなければならない。センサのデータの収集を用いる場合、使用をより便利にすると共に、多くの試験データも医師に与える記録されたデータに基づいて自動化されることができる。
【0160】
このように、呼吸運動は、前記センサの(例えば音声)データに加え、可能な他の入力データの解析を用いて、スマートな方法で設定されることができるので、如何なる他の直接的な方法では実際に得られない医療に関連するデータが得られる。
【0161】
上述したように、前記システムは、呼気及び吸気中に呼吸終末陽圧(BiPAP)を提供することができる。
【0163】
このシステムは、空気充填ユニット50及び酸素充填ユニット52を持つ充填ステーションを有する。これらユニットは、(何れかの順番で)一方がもう一方の上に又は並んで積み重ねられてもよい。呼吸補助装置10は、缶詰にされた空気又は缶詰にされた酸素富化空気のためのキャニスタ54を有する。このキャニスタは、周囲の空気と混ぜられる略純酸素のためである。
【0164】
充填ステーションは、充電を含んでもよい。例えば約40%の最大酸素濃度で、空気又は酸素富化空気が患者に供給される。純酸素は患者に供給されない。略純酸素がキャニスタから来る場合、略純酸素は周囲空気と混ぜられる。
【0165】
呼吸補助装置10のメインヘッド56は、患者への制御される陽圧の送出だけでなく、呼吸パラメタの検出も提供する。前記装置が吸入器と同じように機能するように、薬物(RDD)を備える任意のモジュール58も一緒に示される。ユニットの異なる組み合わせが用いられるように、様々な部品はモジュラーとすることができる。従って、モジュールは、遠隔の装置とのデータ接続がない簡単なツールを介するか使用されるか、又は
図4に示されるように、データを収集し、アプリとも接続するスマートツールとして使用されるかの何れか一方である。患者は故に、呼吸補助装置又は表示装置のアプリから始まるモジュラーシステムを構築し、コントローラーモジュールを用いて陽圧BiPAP装置に対する拡張又はアップグレードを決定してもよい。
【0166】
システムは、吸気中及び呼気中に圧力制御を提供するための圧力制御システムを含み、この圧力制御システムは、吸気中及び呼気中に異なる圧力を調整するように制御可能である。適切な圧力制御システムの幾つかの例が以下にさらに説明される。
【0167】
システム全体は、アプリ又はプラットフォームにデータを送る追加のデータ供給源と接続するために拡張されることができる。これらの追加の装置は例えば、観察装置及びモダリティ、例えば心拍、血圧、活動、ストレス、質問表、GPSデータ(位置、方向、速度及び距離)等を有する。
【0168】
前記装置は、電子日記を実装し、例えば天気状況及び大気質のようなウェブベースの情報を提供してもよい。
【0169】
追加の装置は例えば、上に概説したような横隔膜呼吸のような追加の呼吸運動を可能にすることができる。その上、追加のデータは、観察に使用される情報を拡張するのに使用され、患者の状態に関する良好な洞察を可能にする及び故に良好なフィードバック及びコーチングを送る。
【0170】
呼吸補助装置に使用される検出は、呼吸運動中の
能力(及び
能力の経過)及び呼吸運動の効果、並びにこの運動の順守に関する情報を抽出するために解析されるデータを供給する。訓練又は介入のための装置の使用履歴が記録される。
【0171】
このデータに基づいて、トリガー、アプリケーション設定、コーチングオプション及び示される情報が調節されるように、個々の患者の状況に関する情報(インテリジェンス)が集められる。その上、病気の自己管理及び病気の進行状況に対する長期的な変化が特定される。
【0172】
システムにより集められた情報のある部分は、システムプロバイダー、親族及び友人(すなわちソーシャルコミュニティーのユーザ)を含む第三者、如何なる私的又は公的な介護人、保険会社及び例えば医師又は看護師のような健康提供者に提供されることができる。
【0173】
例えば、順守の情報は、保険会社又は介護提供者により使用される。交換される情報は、呼吸補助装置自身のセンサデータだけでなく、患者により使用される他の如何なる観察装置のセンサデータを含んでもよい。
【0174】
上述したように、幾らかの実施において、前記システムは、陽圧を送ることが可能である。現在、PEEP装置は、呼気中に押圧を供給するが、患者に対しどの位長く息を吐くかの指導は無い。
【0175】
もう1つの例は、一定の色で点灯するようにプログラムされた例えばLEDのような一連の光源からなる視覚インターフェースに関係している。
【0176】
呼吸補助装置10が
図5に示され、LEDのライン60が装置の長軸に平行に走り、患者への出力インターフェースとして機能する。呼吸補助装置は、インターフェース60が患者の視線に入り、その端部に焦点が合うように、使用時に僅かに上を向くように設計される。患者が息を吐くのが長いほど、呼気中により多くの又はより遠くまでのLED(例えば白色又は黄色)が点灯する。最大時間は、別の色(例えば緑色)を用いてマーキングされ、患者は、プリセットされた最適時間に達するまで、息を長く吐くことにより、自分の以前の結果を改善させようと誘発される。患者がそれをし過ぎることを示すために、最後のLEDがさらにもう1つの色(例えば赤色又は紫色)で使用されてもよい。
t 長い間、例えば10秒よりも長い間、呼気が測定されない場合、表示はリセットされる。上記の例のように、データが収集され、表示装置12上のアプリに送られる。
【0177】
表示装置12上で実行しているアプリは、呼吸補助装置上のLEDアレイと略同じに見える視覚的な表示を持ってもよい。アプリ上の表示は、呼吸補助装置から来るデータを与えられてもよいが、代わりにアプリの近くにいる患者の呼気の音解析を与えられてもよい。
【0178】
呼気を決定するために、この呼気の時間が計られるように、電気接点スイッチが(スレショルドPEP装置に用いられるような)ばね作動弁上に設けられるか、又はマウスピース内の圧力センサが使用されてもよく、何れの場合においても、十分に高い圧力の呼気を検出する。コントローラは、信号を測定し、プログラム可能な一片のLEDを制御する。
【0179】
この手法は、視覚インターフェースを提供する。公共の場所において、患者は、この視覚的インターフェースが点灯することなく呼吸補助装置10を使用することを望み、この装置を出来る限り不連続に使用する。その上、幾人かのユーザは、それ故に(患者の視力に応じて)焦点がぼやけるLEDの密閉さは、この表示ディスプレイが持つ不便さであることが分かっている。この視覚インターフェースは、焦点がぼやけるとき、依存としてそれが解釈され得るように設計される。しかしながら、幾人かの患者は、代替のフィードバック機構を好む。
【0180】
故に、ある態様において、ポータブルな呼吸補助又は訓練装置は、呼吸運動又は訓練の順守に関する情報を表示するための視覚出力インジケータをハウジング上に持つ。構成センサは、装置の構成を検出するのに使用され、コントローラはこのとき、この構成センサの出力に応じて前記視覚出力インジケータを使用するように前記装置を構成する。
【0181】
このように、視覚出力インジケータは、ユーザがさらにプライバシーを望む場合、使用不可にされてもよい。呼吸運動又は訓練の順守に関する情報を提供するための触覚出力インジケータがあってもよく、これが代わりに使用されてもよい。
【0182】
第1の変形例において、装置は、口を通る水平軸の周囲を180°にわたり回転するときを認識するように設計される。下を向いている装置の個別の位置において、前記視覚ディスプレイの光が消され、患者は触覚フィードバックを体験するように、この装置の向きを決定するために傾斜センサが使用される。これは、既知の方法で振動を発生させるために、この装置内の小型モーターを動作させることにより達成されることができる。従って、(例えば振動のような)触覚フィードバックモードと視覚フィードバックモードとの自動選択がある。
【0183】
図5において、左側の画像は、触覚モードの呼吸補助装置を示し、右側の画像は、視覚フィードバックモードの呼吸補助装置を示す。
【0184】
第2の変形例において、出力インターフェース60は、装置が拡張され、ディスプレイの多くの部分は焦点が合うような、滑り出る呼吸補助装置の本体の一部にある。視覚インターフェースは、ディスプレイが拡張された位置にあるとき、スイッチ/電気接点によりディスプレイが稼働する場合にのみ点灯する。
【0185】
第3の変形例において、ディスプレイは、広げられ得る呼吸補助装置の部分上に少なくとも部分的にあってもよい。再び、視覚インターフェースは、ディスプレイが最大に広げられた位置にあるときを検出するスイッチにより、ディスプレイが稼働する場合にのみ点灯する。この変形例において、視覚インターフェースは柔軟なディスプレイ上にあり、呼吸補助装置の両方の部分、すなわち手に保持される固い部分と、回転又は伸ばされる部分との両方の部分に半分ずつ持つ。
【0186】
マウスピースは、180°だけ回転されるとき、対称であるように設計されるか、或いはマウスピースが装置に対して回転するように設計されるかである。
【0187】
従って、回転を検出するための傾斜センサ、或いは装置を広げる又は拡張すると稼働する装置は、視覚ディスプレイを稼働させるために使用される、或いは視覚フィードバックと触覚フィードバックとを選択するのに使用される。
【0188】
上述したように、呼吸
の能力のインジケータとして使用される様々なパラメタが存在している。モバイル装置上に与えられる
指示として実施される呼吸運動は、上に説明したような不安及び息切れを和らげるのに非常に適している。(上に説明されるようなフルセンシングの呼吸補助装置ではなく)モバイル装置を単に使用するとき、そのような運動がどの程度まで有効であるのかユーザに不明瞭であるだけでなく、これらの装置が呼吸状態(COPD又は喘息)の中長期的な進行を観察するのに役に立たないことである。そのような観察は、一般に臨床医を訪問することを必要とする少なくとも呼吸パラメタの幾つかの測定を必要とする。故に、患者は、短期間での効果を見ることができないので、しばしば運動を維持しようと動機付けられない。
【0189】
上に説明したように、時間と共に呼吸パラメタを追跡することにより、呼吸状態の進行が確立される。これは、臨床医を訪問する必要性を減らし、これらのパラメタが測定される事例が増大するので、精度の向上をもたらす。
【0190】
流量を除いて、上の導入部に挙げられた呼吸パラメタは、ユーザがマイクに向けて呼吸をするとき、マイクの音声信号から各々得られることができる。故に、モバイル装置上の呼吸運動アプリケーションは、音声信号を解析し、呼吸パラメタを抽出することにより拡張されてもよい。呼吸状態の進行に関する臨床的に関連するレポートを提供するだけでなく、患者への直接のフィードバックを与えることができる。
【0191】
同様に、マイクは、パラメタセンサとして、呼吸補助装置10の一部として使用されてもよい。
【0192】
図6は、ユーザフィードバックを提供するためのマイクを利用する方法を示す。
【0193】
呼吸運動アプリケーションは、ステップ72において音声信号を解析し、それを音声事象のストリームに、例えば吸気74、呼気76、休止78及び咳80に変換する。
【0194】
これらの事象は、呼吸運動論理回路84を制御する、ユーザインタフェース82(例えば表示装置12)を介してユーザを誘導する、及び例えば上に説明したようにゲームベースの方法で運動を制御する。
【0195】
並行して、音声事象は、呼吸モニタにより解析され、ステップ88において、呼吸パラメタが抽出され、ステップ90においてレポートに記憶される。
【0196】
音声信号70は、ユーザの呼吸を捕えるマイクの出力である。呼吸運動ルーチン及び呼吸観察ルーチンは共に、さらなる解析のために音声事象を使用する。呼吸運動は、直接のリアルタイムのフィードバックのために音声信号を使用する一方、呼吸モニタは、短期及び長期にわたる全
能力の記録を取る。関連する情報は、例えば運動セッション毎の咳の回数、運動の繰り返し数、十分に運動した繰り返し数、前記運動セッション中及び複数の運動セッションにわたる傾向でもよい。
【0197】
加えて、音声事象に関する追加の合図(cue)86が呼吸運動制御論理回路84から呼吸パラメタ抽出機能88に送られる。例えば、息を吐く事象は、呼吸運動により
指示されるように、口すぼめ呼吸によるものであり、この助言(hint)は、口すぼめ呼吸の直後に例えばf
Rの増大のような呼吸パラメタの抽出を始めるために、呼吸観察ルーチンにより使用されることができる。
【0198】
抽出された呼吸パラメタは、状況に応じて呼吸レポートに置かれ、これは次いで傾向を得るため又は臨床医と共有するために記憶される。
【0199】
上述したように、吸気陽圧を与えることは、息切れを和らげるための1つの手法であり、上述した訓練及び観察システムの幾つかの実施は、この機能を提供する。
【0200】
この態様は、呼気陽圧が持つ最重要な効果を維持しつつ、低コストで小型の軽量なポータブルな装置において、吸気中の陽圧の追加の利益をもたらすこともある方法に関する。
【0201】
加えて、酸素を富化することを提供することも可能であり、これは特に、運動により誘発される不飽和化及び結果生じる息切れを助ける。これは特に一般的である。終末呼気陽圧(PEEP)と時々の吸気陽圧(PIP)との組み合わせは、一回換気量を増大させ、急性の呼吸困難の出現中の呼吸仕事量を減らし、関連する不安を減らす。
【0202】
息切れの出現は通常数分だけ続き、通常、これを体験している患者は、それが来て、パニックにつながることを知っているときでさえも、患者は、これを急激に緩和する手段がない。逆もまた真であり、パニックは息切れに至り、故に悪循環を生む。
【0203】
薬剤吸入の反応はしばしば、それほど早くない。肺、唇及び精神的な技術の訓練は、上述したシステムを使用するのに役立つが、これは広範囲の訓練を必要とし、急性事象の場合に忘れられる。そのような事象の短期間は、上記事象中の呼吸数がかなり限られる、及びかなり多数の呼吸は、加圧されたガスで満たされるキャニスタから来る陽圧を供給される洞察につながる。
【0204】
図4を参照して説明されるように、ガスは空気、酸素富化空気又は周囲空気と混同される高く富化された酸素である。
【0205】
図7は、小型のポータブルなキャニスタから陽空気圧を送るための装置の第1の例の機能部分を概略的に示す。
【0206】
この装置は、キャニスタ100を小型の加圧されたガスのボトル形式で示す。それは通例、例えば10気圧(1013250Pa)の最大圧力の圧縮ガスの0.2−0.6リットルの容積を持つ。このガスのボトルからの出力は、圧力制御装置102に接続される。加圧される空気又は酸素富化空気のキャニスタの場合、これは、圧力が加圧レベルより低い圧力レベルに制御可能であるように、減圧弁(pressure reducer)を有する。富化酸素のキャニスタの場合、酸素を周囲空気と混合するのに使用される注入器(injector)105が(減圧弁102だけでなく又はその代わりの何れかにより)設けられる。
【0207】
圧力制御装置102からの排気口は、ユーザ制御弁104、例えばレバー操作弁を通る。圧力制御装置は例えば、高いキャニスタの圧力を略周囲大気圧まで安全に下げるのに使用される。
【0208】
弁104は、加圧された酸素の缶に使用される種類でもよいが、レバーを動かすと、以下に説明されるフィードバック制御システムにおいて変更を有効にする追加の特徴を備えてもよい。
【0209】
弁104の排出口は、(注入器105が必要とされる場合、周囲空気を注入して)マウスピース106まで通る。マウスピースに近い管内の圧力は、圧力センサ108により観察され、このセンサは、制御器の第1の端子に供給される圧力センサ信号を生成し、本例において制御器は差動増幅器として示される。増幅器回路の使用は、簡単な低コストの回路を提供する。この制御器は代わりに、アナログ−デジタル変換ポートにおいて入力信号を受信する処理器、例えばデジタル信号処理器として実施されてもよい。吸気圧力p_inh及び呼気圧力p_exhの設定は、運動又は介入中の患者の呼吸パターンの解析に応じて、動的に、さらに呼吸毎に調節されてもよい。
【0210】
制御器回路の他方の端子は、2つの可能な基準信号の一方を受信する。レバー104が開いているとき、第1の高い電圧信号112が生成され、それは、例えば18cmH
2O(=1770Pa)の吸気圧力に対応している。レバーを閉じると、第2の信号114が基準信号として使用され、それは、例えば8cmH
2O(=785Pa)の呼気圧力に対応している。ダイオード又は他の回路配置の結果として、レバーが開かれるとき、高い電圧信号が低い電圧信号を無効(override)にする。
【0211】
制御器は、マウスピースと外部との間に結合される電動弁116を制御することにより、マウスピースに近い圧力を基準レベルに設定するフィードバック制御を実施するための制御信号を生成する。
【0212】
弁116は、空気の吹き抜けの制限として機能する。この弁は、例えば制御電圧が増大するにつれて徐々に開くような異なる設定に対し制御可能である。
【0213】
前記装置は、吸気相中に時々の吸気陽圧(PIP)を供給することが可能である一方、PEEPレベル(例えば4−30cmH
20=392−2940Pa)を維持する。
【0214】
PEEP及びPIPの圧力設定は、固定されるのではなく適応的とすることができる。これらは、患者の要件及び快適レベルに応じて、患者により手動で制御及び調整されることができる。代わりに、追加のセンサが装置内に組み込まれる場合、これら設定は、検出される呼吸数、呼吸相、呼吸変動性等に従って自動的に適応してもよい。その上、これらの観察されたパラメタは、介護者又は臨床医と共有されるために、中間のアプリ又はユーザインタフェースにワイヤレスで送られてもよい。
【0215】
前記装置は例えば、呼気支援(PEEP)だけ又はPEEPとPIPの組み合わせを供給するために、2つの独立したモジュールに分離可能でもよい。
【0216】
圧力が最低レベル、例えば4−5cmH
20(392−491Pa)に設定されるとき、PEEP機能のみに対応している装置は例えば、口すぼめ呼吸(PLB)の代替として、訓練装置として使用されてもよい。
【0217】
キャニスタは例えば、1リットル未満、0.6リットル未満及び場合によって0.2リットルの小ささの小型の加圧されるガスのボトルであり、これは、別々に運ばれることができ、必要なとき、PEEPユニットに接続されることができる。
【0218】
前記システムは、呼気の際、望ましい逆圧(counter pressure)、例えば8cmH
2O(=785Pa)を供給する、吸気の際、圧力を供給しない又は負圧を供給する、及び患者が活動する際、吸気中に安定した高い圧力、例えば18cmH
2O(=1770Pa)を供給することが可能である。
【0219】
注入器又は混合器は、例えば周囲空気を取り入れることにより、最大の呼吸数を送ることを可能にするために、富化酸素に対してだけでなく、他の全ての種類の圧縮ガスに対し使用されてもよい。
【0220】
システムの使用時、患者は、息を吐くとき、送出ストローの前端にあるマウスピース106を口に入れる。必要とされる圧力レベル(p_exh)に到達すると、圧力センサ108は電子弁116を開くのに十分に高い電圧を与え、圧力を維持する。差動増幅器の例に対し、弁の圧力−流量特性と一緒に、増幅器110の利得レベルを設定することにより、最適な圧力に到達できないにもかかわらず、息を吐くことを可能にしなければならない患者に対し満足のいく効果を持つことが可能である。
【0221】
息を吸う際、患者は2つの行動の何れかを行う選択をする。
(i)前記ストロー内の圧力が零になるという効果も持つ、大きく息を吸うために口を開け、電磁弁はその最小の開きに近い。
(ii)時々、患者は、マウスピースと唇との密封を保ちつつ、ユーザ動作弁104のレバーを押す時間を決める。空気はストロー内に流れ込む一方、同時にストロー内の圧力を高いレベル(p_inh)に保つために電子信号が送られる。
【0222】
一般的な圧力−時間のプロットが
図8に示される。小さなピーク120は、呼気圧力スパイクであり、大きなピーク122は、吸気中に患者が前記レバーを利用したときである。
【0223】
追加の弁がマウスピースのストローに存在してもよく、ユーザがさらにストローを介して息を吸い、息を吸うと(僅かに)圧力不足となる。これは、患者から求められる連係が少ないという追加の利点を持つ。
【0224】
ユーザ動作弁104は、機械動作弁と交換されてもよく、この機械動作弁は例えば、既定の呼吸数毎に一度開き、さらに患者から求められる連係を減らす。
【0225】
前記システムは、他のセンサを利用してもよく、例えば呼吸数、呼吸数変動性、SpO
2、pCO
2、活動率等のような生理学的パラメタが如何なるウェアラブル装置から得られてもよい。これらのセンサの信号は次いで、前記装置にフィードバックされ、呼吸支援及び呼吸相における酸素含有量を最適にする。
【0226】
図7のシステムは、電子制御弁116を持つ。代わりのより簡単な設計は、同じ加圧されるガスにより駆動する純粋な機械式である。電子制御弁の設計の欠点は、バッテリーの(より)定期的な再充電、交換又は検査が要求されるように、バッテリーからの追加の電力が必要とされることである。
【0227】
図9は、機械式の実施を示す。患者に与えられる逆圧が実質的に呼気の流量とは無関係であるという特徴を持つ受動抵抗PEP弁が知られている。これは、流量がこの圧力より
低くなるのを阻止され、この圧力より
高く、簡単に流れるような設定レベルにばねに荷重をかけることにより達成される。息を吸う際、負圧を与える受動吸気筋トレーナー(IMT)弁も知られている。
【0228】
図9は、加圧されるガスのキャニスタ100からの圧力を利用する、電子式の設計ではなく空気圧式の設計を使用することにより、吸気の際に高い圧力が供給されることを再び可能にするシステムの設計を示す。これは、電子機器を使用することを回避し、別個の圧力センサの必要性も取り除き、よりフェイルセーフ(fail safe)にもなる。
【0229】
図9は、同じキャニスタ100、(再び自動化されてもよい)ユーザ制御弁104及び減圧弁102を示す。ユーザ制御弁は、この設計において、減圧弁10
2のガスキャニスタ側にある。
【0230】
メインの弁部分120は、第1のプレート124の位置を設定する第1のスクリュー122を持つ。第2のプレート125があり、これらプレート間にふいご(bellows)装置を持つ。ばね127は、第2のプレート125に支えられ、ばね127の他方の端部は、空気弁128に付勢されている。
【0231】
第1のスクリュー122及び第1のプレート124は、PEP陽圧を設定する。第1のスクリュー122は中空であり、第2のスクリュー130は第1のスクリューを通り伸び、第2のスクリュー130の端部にストップ132がある。第1のスクリュー122に対して第2のスクリュー130を回すことにより、吸気圧力と呼気圧力との間の差が設定される。第1のプレート124とストップ132に間にふいごが存在し、このふいごは、第1のプレート上にあり、第2のプレート125で終了し、第2のスクリューにわたりスライドすることができる。ふいごは、柔軟な管を用いて圧力伝達ライン134に接続される。圧力が高い場合、第2のプレート125は、ストップ132にある。圧力が無い場合、第2のプレート125は、第1のプレート124の近くにある。
【0232】
第2のプレート124がストップ132に向けて付勢されるとき、弁128はよりきつく閉じられる。これは、ユーザ制御弁が閉じられるときに起こる。第2のプレート125が第1のプレート124に向けて付勢されるとき、弁は部分的に開いている。これは、ユーザ制御弁が開いていて、吸気のための増大した陽圧を供給するときに起こる。レバーを閉じている場合、弁は、圧力フィードバック路を形成するふいごを用いて(患者により生成される)低い内圧を維持する。
【0233】
減圧弁102をユーザ動作弁の下流に置くことにより、高い圧力がより高い呼吸圧力に切り替えるのに使用可能であり、この圧力は、ばねを素早く圧縮するための作業量/力を必要とする。
【0234】
減圧弁102とマウスピース106との間に少量の意図的な漏洩が設計され、高い圧力を緩和し、故にバネが呼気圧力のための広がった形に戻ることを可能にすると共に、これが少量の並行ガス流を与えるので、患者が必要な呼気圧力に達するのを助ける。
【0235】
その代わりに、これは、患者が押しているレバーを弁として作動させることにより達成されることができ、この弁は、患者がレバーを押していない場合は、マウスピースに対し開いている、及びレバーが押されている場合は、マウスピースに対し閉じている。これは、望まない場合、吸気中の高圧リザーバからの空気の漏洩を防ぐ。
【0236】
代替の設計が存在している。例えば、空気弁を押す2つのばねが存在する。第1のばねは、PEP圧力を設定し、他方のばねは、PEP/PIP弁のハウジングの端壁に取り付けられるふいごにより荷重がかけられる(又はかけられない)。ふいご126は、ピストン又はシリンダーに置き換えられてもよく、これは、圧力依存性の位置にある。
【0237】
この設計において、前記圧力フィードバック路は、機械式であり、一般に第1のユーザ動作弁104の出口側の圧力により制御されるバイアス要素126を有し、第2の弁128を閉位置に向けて付勢する。バイアス要素の付勢の有り無し両方で第2の弁を閉位置に付勢することは、前記2つのスクリュー調節器130、132により機械的に調節可能である。
【0238】
一般的な圧力−時間のプロットが
図10に示される。小さなピーク140は、呼気圧力スパイクであり、大きなピーク142は、吸気中に患者がレバーを利用するときである。
【0239】
減圧弁は、(ベンチュリー効果を利用する)注入器の形式でもよい、又はそれ自身が加圧されたガスにより動力を提供するタービンにより駆動されるファンでもよい。これは、単純な空気圧法でもあり、電気モーターにより駆動される換気装置を回避する。これは、マウスピース内の圧力に対する圧縮ガスの圧力比が高いので有利である。
【0241】
例えば、第1の弁はユーザ動作弁である。
【0242】
第2の弁は、第1の弁が閉じられているとき、8cmH
2O(=785Pa)の逆圧を送出するために、一方向にのみ付勢される。
【0243】
第3の弁は、第2の弁と並列にある。第3の弁は、吸気圧力を設定するために、より高い圧力、例えば18cmH
2O(=1770Pa)で設定される。第3の弁が第1の弁に対するさらなる付勢を必要としない。
【0244】
第3の弁は常に、所定の圧力で開く。これは単に、例えば8cmH
20(=785Pa)で開く又は閉じたままにするために、第2の弁の付勢だけを必要とするだけである。従って、3つのより簡単な弁の組は、双方向の付勢構成の結果としてより複雑である
図9の2つの弁に取って代わり使用されてもよい。
【0245】
上記システムは少なくともPEP(呼気陽圧)を可能にする、及びより拡張される例において、多数の吸気中の吸気陽圧(PIP)も可能にする。このシステムは、小型のキャニスタを対象とし、患者のタイプ及び/又は患者の病気の進行に応じて、圧縮ガス、空気、富化空気又は純酸素で事前に充填されるキャニスタがもたらされる。
【0246】
患者は、これらキャニスタの使用が大量過ぎて大量に、例えば週に数回以上買うことができない場合、家でこれらのキャニスタを再充填することができることが望ましい。
【0247】
現在の酸素供給源及びコンプレッサは(毎秒約1又は数リットルの)大容量であり、かさばり、そして患者が償還を伴う処方にのみそのような装置を持つことができるほど高価である。
【0248】
病気の初期段階(換気のみ)で苦しむ患者は、空気圧縮ステーションだけを購入し、危機から回復するために追加の酸素が必要とされる場合、後で酸素を購入することができ、不安を防ぐために、患者がそれを携帯することの快適な感じを持つことも望ましい。
【0249】
病気の初期段階のCOPD患者は、数秒から数分間だけ、毎秒約1リットルの流量の酸素又は圧縮空気を必要とする。この流量及び全容積は、好ましくは周囲空気と混合される圧縮ガスの小型のキャニスタから送出されることができる。毎週数回の危機の間、患者がこれらキャニスタの数個をだけを使用する場合、そのようなキャニスタは購入されてもよい。より大量に使用するとき、例えば夜間中に家でこれらのキャニスタを再充填できることが望ましい。
【0250】
図11は、圧縮空気のみ、酸素又は酸素富化空気を充填するための再充填ステーション150に装着される3つのキャニスタ100を示す。故に、充填器は、
図4に示されたのと類似しているが、複数のキャニスタを再充填することができる。充填器150は、約10気圧(1013250Pa)で加圧されたガスを送出するための小型のコンプレッサを含んでいる。ガスは、製造し易くするために充填器の周りに走る隙間を介しフィルタを通した空気とすることができる。
【0251】
充填器をボトルに連結するため、意図しないロックの解除(screwing-off)を防ぐためにバヨネット式(bayonet type)のエンドロックを用いて結合される、例えば1/4回転接続(quarter turn connection)のようなねじ込み接続が使用され、金属キャニスタ100とゴムのガスケットリングとの間に一定の圧力が保たれることを可能にする。
【0252】
示されるように、多数のボトルが充填器に締め付け(clamp)られ、圧縮ガスを受けることができる。これらボトルを充填器に装着する代わりに、キャニスタに接続されている装置が充填器に装着されてもよい。
【0253】
もちろん、3つは単なる例である。
図12に152として概略的に示されるような、充填器150に接続される小型の酸素濃縮器が設けられてもよい。この酸素濃縮器は、電力はプラグにより充填器から得られるので、自分自身の電源を必要としない。充填器から伝達ラインを介してフィルタリングされた空気を受け取ることができるので、酸素濃縮器がフィルタを含む必要はない。
【0254】
小型のコンプレッサの10気圧(1013250Pa)の出力圧力は、圧力変動吸着(PSA:pressure swing absorption)法の酸素濃縮サイクルを得るのに十二分であるため、酸素濃縮器自身が空気コンプレッサを含む必要もない。酸素濃縮器は、もう1つの伝達ラインを介して充填器に酸素富化ガスを送出する。酸素濃縮器の周りにある隙間を介して、余分な窒素は放出される。
【0255】
30ml/minの流量で、2リットルのキャニスタをガスで充填し、10バール(bar)にするのに66分かかる。3つのボトルは、200分、約3時間半で充填されることができる。もう1組のボトルを充填するため、より大きなボトル(例えば0.6リットル)を充填するための予備の容量がある、又はたった10ml/minのより限られた充填力しか持たず、0.2リットルの3つのボトルを完全に充填するのに約10時間かかる。
【0256】
2つのモジュール150、152の間のガス(及び必要なら電気)伝達ラインは、中空の金属管の形式で統合されることができる。ガスコンプレッサモジュールと酸素濃縮器モジュールとを1つのモノリシックブロックに統合することも可能である。
【0257】
充填器は、示されるように1つ以上のガスキャニスタを収容するためであるが、ユーザがガスキャニスタを取り外す必要なく、ガスを補充することができるように、全部の装置を収容するための1つ以上のポートを含んでもよい。
【0258】
患者は次いで、ガスキャニスタ、ガスキャニスタに取り付けられるバッテリーだけでなく、ガスキャニスタを装置に残したままで、装置全体を前記充填器のポートの1つに差し込むことにより装置の固定のバッテリーも夜通し充填(電)してもよい。
【0259】
例えば装置の固定のバッテリーは、ガスキャニスタが所定の位置にする必要なく、装置が呼吸を観察するのに使用されることを可能にする。従って、この装置は、ハウジング内に第2の再充電可能なバッテリーを有する。ポータブルなガスキャニスタのバッテリーは、ただガスキャニスタ及びそれに取り付けられるバッテリーが充填器に差し込むだけで、第2のバッテリーを再充電するのに使用されてもよい。装置全体が差し込まれる場合、第2のバッテリーが直接充電されてもよい。装置が使用されるとき、電力は、ガスキャニスタのバッテリーから優先的に取られる。
【0260】
例えばキャニスタの流体ポートは、装置のハウジングにある穴(hole)を介してアクセス可能であり、この装置のプラスチックのハウジングを介して誘導的に電気充電されてもよい。
【0261】
充填ステーションは、後で購入及び取り付けられ得る酸素モジュールを備えるモジュラー設計でもよい。酸素濃縮器ユニットは、その内部に又は外部に電源を必要とせず、コンプレッサも必要としない、簡単なクリックオン(click-on)接続でもよい。従って、充填ステーションの酸素濃縮器モジュールは、ドッキングステーションにより給電され、ガス送出路の圧力を用いて、圧力変動吸着法の濃縮サイクルを動作してもよい。
【0262】
図13は、装置から使用済みのキャニスタ100の排出し、新しいキャニスタの装着を示す。
【0263】
供給されるキャニスタの誤使用を防ぐ、すなわち装置において誤ったキャニスタの使用を防ぐための方法が取られる。これは、キャニスタ150にキーイング(keying)される、キャニスタへの物理的な追加の形式をとっている。このキーは、キャニスタの種類、加圧される、富化される又は略純酸素の何れかであるかに関する情報を符号化している。このキーイングは、安全性を理由にコピー又は低品質の交換キャニスタが使用されるのを防ぐ。それは、キャニスタが使い古されるのを防ぐために有効期限を含むこともできる。
【0264】
キーは、キャニスタ上に印刷された画像の形式でもよい。この画像は、キャニスタが挿入されると、小さな光学リーダーにより読まれることができる。もちろん、バーコード、QRコード
(登録商標)が代わりに使用されてもよい。1つのパターンを認識しさえすればいい場合、光学リーダーは極めて簡単である。キーは、各々のキャニスタがRFIDのステッカーを備える、RFIDスタイルのリーダー形式でもよく、これは、処方又は患者情報が埋め込まれることを可能にして、次いで、それが適切ではないとき、例えばRDD(呼吸薬剤送達)モジュールの含有のような追加の酸素治療又は将来の特定の治療の種類の場合、キャニスタの共用も防ぐ。キーは純粋に機械式とすることができる。
【0265】
上の説明から明らかであるように、少なくとも幾つかの例における呼吸補助装置は、バッテリー電力を必要とする電子回路、バッテリーを装置に装着すること又は残りの電力レベルの定期的な点検をする場合、装置を充填ユニットに置くことを含む。
【0266】
患者がそれについて心配することなく、詳細について知らなくても、患者は常に、十分な電気エネルギーが装置に利用可能であることを保証するための1つのオプションが説明される。この態様は、その上に又はその中に取り付けられるバッテリーをガスキャニスタに提供することに基づいている。バッテリー及びガスキャニスタは故に、単一モジュールを形成し、2つの部品はユーザにより分離されない。再充電可能なバッテリーの場合、再充電されたバッテリーが治療装置に差し込まれるように、充填ステーションにおいて電気充電されてもよい。
【0267】
従って、ガスキャニスタ、及び装置の残りの部品に電力を供給するためにガスキャニスタに接続されるバッテリーを有する、ポータブルな呼吸又は補助装置のためのガス供給システムが提供される。再充電可能なバッテリーが使用される場合、このときガスキャニスタ及び再充電可能なバッテリーは、共通のドッキングステーションから再充電されるように適応する。ポータブルな呼吸又は補助装置のためのガス供給システムのドッキングステーションは、ガスキャニスタを収容するためのソケットを有し、ここでドッキングステーションは、キャニスタへのガス送出路及びガス供給システムのバッテリーとの電気接続を供給するための電気接続を有する。
【0268】
電力は、センサ及び電子機器に利用可能であり、並びにそのような電力が周囲空気を減圧したガスと混合するのに使用される場合、ファンに給電するのにも利用可能である。
【0269】
(充填機能が必要ないような)1回限りの使用のキャニスタが購入される場合、バッテリーは、1回限りの使用である。この場合、キャニスタと装置のその他の部分との間に電気接続が存在する。
【0270】
キャニスタが補充される場合、このとき再充電可能なバッテリーが使用されてもよい。重量はたった約数グラム又は数十グラムである。これは、十分な電気エネルギー(数W/h)を送るのに十分である。
【0271】
充填器150は、ガスコンプレッサ及びガス用のガスキャニスタへの伝達ラインだけでなく、ガスキャニスタに加えバッテリーへの電気伝達ラインを備えるバッテリー充電器も含む。これらが1つの接続に統合されることもできる。
【0272】
キャニスタは、ガス圧及び複数の充填に確実に耐えるために金属から作られる。これは、不要な放出(discharge)が短絡を生じさせる安全性及び信頼性の問題の原因となるので、キャニスタを非伝導性カバー及び被覆で覆うことが最もよい。これらは、好ましくは、充填器及び治療装置によりバッテリーに接触するのに利用可能である、前記非伝導性カバーにある穴に埋め込まれるほんの小さな電極とすべきである。
【0273】
前記伝達ラインを統合する1つの方法は、ガスがキャニスタ内に流れ込むのに通る伝導管を提供することである。接続は、この管が押されると、単に電気接触が確立されるようなばね付勢である。ばねは、非伝導性である、又は非伝導性プレート上に載せることができる。同様に、弾性金属膜が電極に押し付けられる場合にのみ、底面の電極が接触されることができる。
【0274】
キャニスタ内/上のバッテリーは、金属のキャニスタの外側にあるコイルにより誘導的に充電及び/又は放電されてもよい。
【0275】
装置が適切に機能することを保証するために、治療装置上の色分けされた光が如何なる組み合わせで、電源が接続されていること、並びに十分なガス圧であることを示すのに使用されてよい。適切に機能することを保証するために、キャニスタは、その充電状態の低出力インジケータ、例えばパッシブ型液晶ディスプレイ、十分なガス圧のインジケータ(例えば色分けされた機械式圧力計)又はボタンが押された場合に点灯すべきライトを有してもよい。
【0276】
ガスキャニスタを含む上記装置の例は一般に、危機的状況において使用するためである。好ましくは、ユーザは、装置をこのモードで使用するために装置の電源を入れる必要はない。この装置が患者の呼吸を検出するとき、自動的に装置の電源が入る。1つのオプションは、装置を低電力状態のままにすることで、装置内のセンサを使用することであり、あるしきい値が達成されるとき、装置は、フルパワーモードに切り替わる。その代わりに、気流がハンドセットを通り始めたとき、パッシブ型アクチュエータの電源が入るように使用されてもよい。このセルフアクチュエーションは、同時にデータを共有又は自動接続するために、対をなす装置とのワイヤレス接続に拡張されることもでき、患者による毎回の追加の操作を避ける。
【0277】
この装置を説明するときの"ポータブル"という言葉は、携帯できる部分と離れた備え付けの部分とである装置ではなく、装置全体が携帯できることを意味していることを述べておく。
【0278】
開示される実施例の他の変形例は、図面、明細書及び付随の特許請求の範囲を検討することにより、請求する本発明を実施する当業者により理解及びもたらされることができる。請求項において、"有する"という言葉は、他の要素又はステップを排除しない、及び複数あることを述べなくても、それらが複数あることを排除しない。ある方法が互いに異なる従属請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの方法の組み合わせが有利に使用されることができないことを示していない。請求項における如何なる参照符号もその範囲を限定するとは考えるべきではない。