(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843862
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタの基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
H01L29/78 616V
H01L29/78 616U
H01L29/78 616T
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-531225(P2018-531225)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公表番号】特表2018-537861(P2018-537861A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】CN2016108670
(87)【国際公開番号】WO2017101708
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年10月18日
(31)【優先権主張番号】62/268,474
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/278,469
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503023069
【氏名又は名称】鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HONG FU JIN PRECISION INDUSTRY(SHENZHEN)CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カォ イチョン
(72)【発明者】
【氏名】シイ ポリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェイチン
(72)【発明者】
【氏名】ウ イウェ
【審査官】
棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0175424(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0299817(US,A1)
【文献】
特開2014−030014(JP,A)
【文献】
特開2005−285890(JP,A)
【文献】
特開2010−183027(JP,A)
【文献】
特開2007−123861(JP,A)
【文献】
特開2010−056539(JP,A)
【文献】
特開2011−129897(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0142797(US,A1)
【文献】
特開2006−100760(JP,A)
【文献】
特開2015−026831(JP,A)
【文献】
特開2014−078700(JP,A)
【文献】
特表2017−503336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
表面及び前記表面に対向し、且つ離れている底面を有する前記基板上に形成される半導体層と、
前記半導体層の底面に形成され、ゲート電極を定義する第一導電層と、
前記半導体層の表面上に形成され、且つ前記第一導電層に対向し、ソース電極及び前記ソース電極と間隔をあけて位置するドレイン電極を定義する第二導電層と、を含み、
前記第二導電層は、前記半導体層上に位置する第一層及び前記第一層上に位置する第二層を含み、前記第二導電層は、さらに前記第二層上に位置する第三層を含み、
前記第一層は金属酸化物から製造され、前記第二層はアルミニウムまたはアルミニウム合金から製造され、
前記第三層及び前記第一層は何れも亜鉛を含む同じ金属酸化物から製造され、且つ前記第三層中の亜鉛は、原子の比率が第一層中の亜鉛の原子の比率より大きい
ことを特徴とするTFT基板。
【請求項2】
一つの凹溝が前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成され、前記凹溝は、前記第一層及び前記第二層を貫通し、前記第二層から前記第一層に向かう方向に沿って、前記凹溝のサイズが徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のTFT基板。
【請求項3】
一つの凹溝は前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成され、前記凹溝は前記第一層、前記第二層及び前記第三層を貫通し、前記第三層から前記第一層に向かう方向に沿って前記凹溝のサイズが徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のTFT基板。
【請求項4】
さらにゲート電極絶縁層を含み、前記ゲート電極絶縁層は基板上に形成され、並びに前記ゲート電極をカバーし、且つ前記半導体層は前記ゲート電極絶縁層上に形成されることを特徴とする請求項1に記載のTFT基板。
【請求項5】
さらに前記半導体層及び前記第二導電層をカバーするパッシベーション層を含むことを特徴とする請求項1に記載のTFT基板。
【請求項6】
さらに前記パッシベーション層上の画素電極を含み、前記画素電極は前記ドレイン電極と電気接続されていることを特徴する請求項5に記載のTFT基板。
【請求項7】
基板上にゲート電極が形成され、
前記基板上にゲート電極絶縁層が形成され、並びに前記ゲート電極をカバーし、
前記ゲート電極絶縁層上に半導体層が形成され、
前記半導体層上に第一層が形成され、前記第一層は金属酸化物により製造され、
前記第一層上に第二層が形成され、前記第二層はアルミニウムまたはアルミニウム合金により製造され、
前記第二層上に第三層が形成され、前記第三層は金属酸化物により製造され、
前記第一層、前記第二層及び前記第三層はエッチングされて、ソース電極および前記ソース電極との間に位置するドレイン電極が形成され、
前記第三層及び前記第一層は何れも亜鉛を含む金属酸化物から製造され、前記第三層中の亜鉛は、原子の比率が第一層中の亜鉛の原子の比率より大きいことを特徴とするTFT基板の製造方法。
【請求項8】
一つの凹溝は前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成され、前記凹溝は前記第一層、前記第二層及び前記第三層を貫通し、且つ前記第三層は前記第一層に向かう方向に沿って前記凹溝のサイズが徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項7に記載のTFT基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ(TFT)のアレイ基板及び当該TFT基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願は2015年12月16日に提出された米国仮出願62/268474及び2016年1月14日に提出された米国仮出願62/278469の優先権を主張しており、当該二件の米国仮出願は引用文献により本文に加えられる。
【0003】
タブレットディスプレイにおいて、三端子素子とするTFTがスイッチ素子として使用されている。ゲート電極線はTFTを制御するのに用いられる走査信号を伝送し、データ線は画素電極上に与えられるデータ信号を伝送し、その他の素子もタブレットディスプレイ中に備えられる。高精度色彩を提供するため、及び最適な応答時間を表示するために、パネルディスプレイは高性能のTFTが必要である。したがって、技術上改善する余地が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、薄膜トランジスタ(TFT)のアレイ基板及び当該薄膜トランジスタの基板の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付の図面を参照して、本技術の実現を例示的に説明する。
【0006】
【
図2】
図2は
図1のTFT基板の例示的な実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
説明を簡潔に且つ明確にするために、最適な状況下において、異なる図面中同じ符号を用いて、対応するまたは類似する素子を示す。また、多くの具体的な詳細な内容が、本文で説明されている実施例が明確に理解されるよう順序立てて述べられているが、当業者はこのような具体な詳細な内容がなくとも、本文で説明されている実施例を実践できることがわかる。その他の実施例において、説明されている互いに関連する特徴が曖昧にならないよう方法、工程及び部品は詳細には記載されていない。また、当該説明は、本文に説明されている実施例の範囲を制限するものではない。図面は必ずしも比率に基づいて作成されたものではなく、ある部分の比率は拡大されて本文で開示されている詳細な内容及び特徴をよりよく示している。
【0008】
本文に応用されている幾つかの定義を今から紹介する。
【0009】
用語の“接続”は、直接または間接的であっても中間の部品を通して接続することを意味する。必ずしも物理的な接続を限定しているのではない。接続は、即ち、物体の永久接続または解除できる接続のことである。また、用語の“含む”は、使用する際の意味は“含むがそれに限定されない”であり、この用語は開放的な含むを示すまたは説明されている結合、組み合わせ、など中の何れかを含むことを示す。
【0010】
図1〜
図3にはTFT基板100が示されている。
図2及び
図3に示すように、前記TFT基板100は絶縁基板110及びこの絶縁基板110上に形成されている第一導電層130を含む。前記第一導電層130は、複数の走査線121及びこの複数の走査線121と電気接続されている複数のゲート電極101を含む。
図1〜
図3には、例として、一つのゲート電極101及び二つの走査線121が示されている。
【0011】
絶縁基板110は通常絶縁材料を含む。絶縁基板110に用いられる最適な材料は、ガラス、石英、プラスチック及び十分な光学透明度(例、視覚表示の応用に用いられる)を有するその他の材料を含んでもよい。一つの実施例において、絶縁基板110はセラミック及び/またはシリコン材料を含んでもよい。一つの応用において、フレキシブル基板材料を採用することができる。フレキシブル基板に用いられる最適な材料は、例えば、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリエチレンテレフタレート(PET)またはその組み合わせを含んでもよい。
【0012】
各走査線121はゲート電極信号を伝送するのに用いられる。各走査線121は主に横方向に沿って延伸している。
図1に示すように、走査線121及びゲート電極101は同じ材料により製造される。例えば、走査線121及びゲート電極101は、アルミニウム(AI)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、金(Au)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)中の一種またはこれらの混合物または合金により製造される。また、走査線121及びゲート電極101は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)の透明導電材料を含んでもよい。
【0013】
図2及び
図3に示すように、前記TFT基板100はさらに第一導電層130上のゲート電極絶縁層102を含む。このゲート電極絶縁層102は電気絶縁材料から製造されてもよい。例えば、前記ゲート電極絶縁層102は、窒化ケイ素(silicon nitride,SiN
X)、二酸化ケイ素(silicon oxide,SiO
X)、酸窒化シリコン(SiO
XN
Y)、酸化アルミニウム(Aluminium oxide,AlO
X)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、酸化ハフニウム(hafnium oxide,HfO
X)、酸化ジルコニウム(zirconium oxide,Z
RO
X)、窒化アルミニウム(aluminum nitride,AlN)、酸窒化物(AlON)、酸化チタン(TiO
X)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、チタン酸鉛(PbTiO
3)またはその他の組み合わせから製造される。
【0014】
例えば、少なくとも一つの実施例において、前記ゲート電極絶縁層102は単層構造であってもよいが、これに限定されない。このゲート電極絶縁層102は、例えば二層構造として形成されてもよい。
【0015】
図2及び
図3に示すように、前記TFT基板100はさらにゲート電極絶縁層102上に形成された半導体層103を含んでもよい。この半導体層103は、例えば、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)及びハフニウム(Hf)中の少なくとも一種の酸化物を含む。例えば、少なくとも一つの実施例において、前記半導体層103は酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化インジウム亜鉛スズ(IZTO)、IGTO(indium−gallium−tin oxide)またはIAZO(indium−aluminum−zinc oxide)から製造されてもよい。
【0016】
図2に示すように、前記TFT基板100はさらに前記半導体層103及びゲート電極絶縁層102上の第二導電層150を含む。この第二導電層150は、複数のデータ線104、複数のソース電極105及び複数のドレイン電極106を含む。複数のソース電極105及び複数のドレイン電極106は互いに間隔をあけて位置する。
図1及び
図2を例とすると、一つのソース電極105、一つドレイン電極106及び二つのデータ線104が示されている。各データ線104はデータ信号を送信するのに用いられる。各データ線104は主に
図1に示すように縦方向に延伸しているため、走査線121と交差している。
【0017】
第二導電層150は三層構造を有しており、且つ前記半導体層103上に位置する第一層151、前記第一層151上に位置する第二層152及び前記第二層152上に位置する第三層153を含む。つまり、各データ線104、各ソース電極105及び各ドレイン電極106は三層構造を有する。各データ線104は前記半導体層103上に位置する第一層104a、前記第一層104a上に位置する第二層104b及び前記第二層104b上に位置する第三層104cを備える。各ソース電極105は前記半導体層103上に位置する第一層105a、第一層105a上に位置する第二層105b及び第二層105b上に位置する第三層105cを含む。各ドレイン電極106は、前記半導体層103上に位置する第一層106a、第一層106a上に位置する第二層106b及び第二層106b上に位置する第三層106cを含む。前記第一層151は第一層104a、105a及び106aからなる。前記第二層152は第二層104b、105b及び106bからなる。前記第三層152は第三層104c、105c及び106cからなる。
【0018】
前記第一層104a、105a及び106aは同じ材料から製造され、且つ金属酸化物導電材料から製造される。前記第二層104b、105b及び106bはアルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。前記第三層104c、105c及び106cは同じ材料から製造され、且つ金属酸化物導電材料から製造される。例えば、第一層104a、105a及び106aは、酸化インジウム亜鉛(indium−zinc oxide)、ガリウム亜鉛酸化物(gallium−zinc oxide)、アルミニウム酸化亜鉛(aluminum−zinc oxide)のうちの一種から製造される。前記第三層104c、105c及び106cは、酸化インジウム亜鉛(indium−zinc oxide)、ガリウム亜鉛酸化物(gallium−zinc oxide)、アルミニウム酸化亜鉛(aluminum−zinc oxide)のうちの一種から製造されてもよい。
【0019】
凹溝120は、前記ソース電極105及び前記ドレイン電極106との間に形成され、このソース電極105とドレイン電極106を互いに分けている。前記凹溝120は第二導電層150をエッチングして形成され、凹溝120は前記第一層151、前記第二層152及び前記第三層153を貫通している。
【0020】
本実施例において、前記第一層151及び前記第三層153は同じ元素を含む金属酸化物から製造される。即ち、前記第一層151及び前記第三層153は同じ金属酸化物から製造される。前記第一層151及び前記第三層153は何れも亜鉛原子を含む。例えば、前記第一層151及び前記第三層153は何れも酸化インジウム亜鉛から製造される。前記第三層153中の亜鉛の原子の比率は前記第一層151中の亜鉛の原子の比率より大きい。したがって、前記第三層153のエッチング速度は、前記第一層151のエッチング速度より速い。本実施例において、前記第三層153のエッチング速度は前記第二層152のエッチング速度より速く、並びに、前記第二層152のエッチング速度は前記第一層151のエッチング速度より速い。前記第二導電層150はエッチングされて前記凹溝120を形成する際、この凹溝120は半導体層103に向けて傾斜した側壁122を含む。前記凹溝120のサイズは第三層153から第一層151に向かう方向に沿って除々に小さくなっている。前記第一層151、前記第二層152及び前記第三層153のエッチング速度はエッチング溶液またはエッチング気体を使用して、前記第二導電層150をエッチングする条件下で確定される。
【0021】
前記第一層105aは前記半導体層103と前記第二層105bとの間のオーム接触層として使用できる。また、前記第一層106aは前記半導体層103と前記第二層106bとの間のオーム接触層として使用できる。
【0022】
その他の例示的な実施例において、前記第三層104c、105c及び106cは省略してもよい。つまり、各データ線104、各ソース電極105及び各ドレイン電極106は二層構造を有してもよい。各データ線104は第一層104a及び前記第一層104a上に位置する104bを含む。各ソース電極105は前記半導体層103上に位置する第一層105a及び前記第一層105a上に位置する第二層105bを含む。各ドレイン電極106は前記半導体層103上に位置する第一層106a及び第一層106a上に位置する第二層106bを含む。前記凹溝120は、前記第二層152及び前記第一層151を貫通し、前記凹溝120のサイズは前記第二層152から前記第一層151に向かう方向に沿って除々に小さくなっている。
【0023】
一つのゲート電極101、一つのソース電極105、一つのドレイン電極106及び一つの半導体層103は共同で一つのTFTを形成する。ソース電極105とドレイン電極106との間の半導体層103の一部はTFTのチャネルエリアを定義する。
【0024】
図3に示すように、前記TFT基板100はさらにパッシベーション層107を含む。このパッシベーション層107は、ソース電極105、ドレイン電極106、データ線104及び半導体層103をカバーしている。パッシベーション層107は、例えば、窒化ケイ素(silicon nitride,SiN
X)又は二酸化ケイ素(silicon oxide,SiOX)、の無機絶縁体、有機絶縁体或いは低誘電率絶縁体から製造されてもよい。例えば、パッシベーション層107は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂又はベンゾシクロブテン(BCB)の有機絶縁体から形成されてもよい。
【0025】
少なくとも一つの実施例において、前記パッシベーション層107は、例えば、下パッシベーション層107a及び上パッシベーション層107bを含んでもよい。例えば、下パッシベーション層107aは、二酸化ケイ素から製造され、上パッシベーション層107bは窒化ケイ素から製造することができる。
【0026】
パッシベーション層107には、このパッシベーション層107を貫通した複数の接触孔185が設けられている。
図2には一つの接触孔185のみ示されている。前記ドレイン電極106の一端はこの接触孔185から露出している。
【0027】
図3を参照すると、前記TFT基板100はさらに前記パッシベーション層107上に形成された複数の画素電極108を含む。
図2には一つの画素電極108が示されている。各画素電極108は接触孔185により、物理的に及び電気的に一つのドレイン電極106と接続されている。したがって、ドレイン電極106からのデータ電圧を受信する。
【0028】
前記画素電極108は、透明導電体または反射性導電体(reflective electric conductor)から製造されてもよい。透明導電体は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)であり、反射性導電体は、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ルビジウム(Rb)、タングステン(W)及び合金またはその組み合わせである。また、前記画素電極108は、例えば、透過性反射材料または透明材料と反射材料との組み合わせから形成されてもよい。その他の実施例において、画素電極108は有機発光ダイオード(OLED)の底部電極でもよい。
【0029】
図4は、
図3に示すTFT基板100の例示的な製造方法を示すフロー図である。当該方法は、多くの種類を有するため、例を挙げることにより提供される。
図4に示されている各ブロックは、例示的な方法において実行される一つまたは複数の技術、方法またはサブプロセスを示す。この例示的な方法はブロック301から開始される。
【0030】
ブロック301において、絶縁基板110を提供し、且つ前記絶縁基板110上にゲート電極101を形成する。少なくとも一つの走査線121が前記ゲート電極101と電気接続される。また、ゲート電極101と共に形成することができる。ゲート電極101及び走査線121を形成する方法は、絶縁基板110上に第一導電材料層(図示せず)を堆積させ、並びに前記第一導電材料をエッチング及びパターン化して、ゲート電極101及び走査線121を形成することを含んでもよい。
【0031】
ブロック302において、前記絶縁基板110上にゲート電極絶縁層102を形成し、並びに前記ゲート電極101をカバーする。
【0032】
ブロック303において、前記ゲート電極絶縁層102上に半導体層103を形成する。
【0033】
ブロック304において、前記半導体層103上に第一層151を形成する。この第一層151は金属酸化物から製造してもよい。
【0034】
ブロック305において、前記第一層上に第二層152を形成する。前記第二層152はアルミニウムまたはアルミニウム合金から製造される。
【0035】
ブロック306において、第二層上に第三層153を形成する。前記第三層153は金属酸化物から製造することができる。
【0036】
ブロック307において、前記第一層151、前記第二層152及び前記第三層153をエッチングして、ソース電極105、ドレイン電極106及び少なくとも一つのデータ線104を形成する。エッチングの過程において、一つの凹溝120を形成し、並びに凹溝120は前記第一層151、前記第二層152及び前記第三層153を貫通する。前記ソース電極105は凹溝120により、ドレイン電極106と間隔をあけて位置する。前記凹溝120のサイズは前記第三層153から前記第一層151に向かう方向に沿って除々に小さくなっている。
【0037】
ブロック308において、パッシベーション層107を形成して、ソース電極105、ドレイン電極106及び半導体層103をカバーする。
【0038】
ブロック309において、パッシベーション層107中に接触孔185を設ける。この接触孔185はドレイン電極106に対応し、並びに前記パッシベーション層107を貫通する。
【0039】
ブロック310において、前記パッシベーション層107上に画素電極108を形成する。この画素電極108も接触孔185中まで延伸して前記ドレイン電極106と電気接続される。
【0040】
以上の説明及び実施例はただの例にすぎない。多くの詳細な内容は、通常従来の技術中で発見される。例えば、ディスプレイ装置のその他の特徴である。したがって、多くのこのような詳細な内容は表現されておらず、説明もされていない。前文の説明において、本技術の多くの特徴、優位点及び本願の構造及び機能の詳細を述べたが、本開示はただ説明しているだけであり、詳細な部分において変更できる。つまり、本開示の原理の範囲内における部品の形状、サイズ及び配置の変更を含むと共に、請求項で使用されている技術用語の一般的な広義の意味により確定された全ての範囲を含む。したがって、上述の実施例は請求項の範囲内で変更できることがわかる。