(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のポリグリセロールの脂肪酸エステルa)が、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノオレイン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むジオレイン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノミリスチン酸ポリグリセリル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
第2の(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルb)が、1〜3つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリン酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリル酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノステアリン酸(ポリ)グリセリル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
第1のポリグリセロールの脂肪酸エステルa)が、10〜13のHLB値を有し、および/または第2の(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルb)が、8〜10のHLB値を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
第1のポリグリセロールの脂肪酸エステルa)が、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリルであり、第2の(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルb)が、1〜3つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸(ポリ)グリセリルおよび1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリン酸(ポリ)グリセリルから選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
存在する(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)の総量が、前記組成物の総質量に対して、0.5質量%〜40質量%の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
ポリオール(c)が、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、およびソルビトール、ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
油(d)が、植物由来の油、鉱油、合成油、シリコーン油および炭化水素系油からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
[ポリグリセロールの脂肪酸エステル(a)の総量]対[(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(b)の総量]の質量比が、0.2〜10の範囲であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
[(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)の総量]対[油(d)]の質量比が、0.50〜10の範囲である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
式(II)のアニオン性界面活性剤が、前記組成物の総質量に対して、0.01質量%〜2質量%の総含量で存在することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
水中油型(O/W)エマルションの形態であり、油(d)が、300nm以下の数平均粒径の液滴の形態であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
ケラチン物質を処置するための美容的方法であって、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物の、皮膚などの前記ケラチン物質への適用を含む、非治療的美容的方法。
皮膚などのケラチン物質の老化の兆候を軽減および/または防止するための請求項18に記載の美容的方法であって、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物が、前記ケラチン物質に適用されることを特徴とする、非治療的美容的方法。
ケラチノサイトの再生を促進し、表皮の菲薄化、表面の皺、ならびにバリア機能、皮膚の伸縮性、張性、硬さ、柔軟性および/または弾力性の特性の低下から選択される兆候を軽減または防止することが意図されることを特徴とする、請求項19に記載の非治療的美容的方法。
【背景技術】
【0002】
女性および男性は、現在、できるだけ長く若く見えることを望む傾向があり、したがって、特に、皺および小皺によって反映される、皮膚における老化の兆候を軽減しようとする。これに関して、広告およびファッション業界は、若々しい皮膚の象徴である明るい皺のない皮膚をできるだけ長く保つための製品を取り扱っており、外見が精神および/または意欲に影響を与えるため、ますますその傾向が高まっている。
【0003】
これまで、皺および小皺は、例えば、皮膚の細胞再生を改善することによって、あるいは皮膚組織を構成する弾性線維の合成を促進するか、または弾性線維の分解を防ぐことによって、皮膚に作用する活性薬剤を含有する化粧品を用いて処置されてきた。
【0004】
皮膚は、表面区画である表皮、および他方のより深部の区画である真皮という2つの区画から構成され、これらは相互作用する。天然のヒト表皮は、主に、3つのタイプの細胞、すなわち、大部分を成すケラチノサイト、メラノサイトおよびランゲルハンス細胞から構成される。これらのタイプの細胞のそれぞれは、その固有の機能のため、皮膚が身体において果たす重要な役割、特に、「バリア機能」として知られている、外部からの攻撃因子から身体を保護する役割に寄与する。
【0005】
表皮は、通常、表皮の胚芽層を構成するケラチノサイトの基底層、胚芽層に位置する多面細胞のいくつかの層から構成される有棘層、明確な細胞質内封入体、ケラトヒアリン顆粒を含有する扁平な細胞から構成される1〜3つの「顆粒」層、および最後に、角質細胞として知られている、分化の最終段階のケラチノサイトの一連の層から構成される角化層(または角質層)に分けられる。角質細胞は、主に、角化膜によって囲まれるサイトケラチンを含有する繊維状物質から構成される無核細胞である。
【0006】
真皮は、表皮に固体支持体を提供する。真皮は、表皮の栄養要素でもある。真皮は、主に、線維芽細胞と、コラーゲン、エラスチン、ならびに硫酸化されたグリコサミノグリカン(例えばコンドロイチン硫酸)または硫酸化されていないグリコサミノグリカン(例えばヒアルロン酸)、プロテオグリカンおよび様々なプロテアーゼを含む、基質として知られている物質から主に構成される細胞外基質とから構成される。これらの成分は、線維芽細胞によって合成される。白血球、肥満細胞あるいは組織マクロファージもその中に見られる。最後に、血管および神経線維が、真皮を通っている。表皮と真皮との間の接着は、真皮表皮接合部によって与えられる。
【0007】
表皮は、常に、角化層における表皮細胞の連続的な喪失を埋め合わせるために新たなケラチノサイトを生成するのに関与している。しかしながら、老化の過程で、増殖期における細胞の数の減少、ひいては生きた表皮層の減少が、生理学的に観察され得る。
【0008】
皮膚、特に、表皮の恒常性は、皮膚細胞の増殖プロセスと分化プロセスとの間の細かく調節されたバランスから得られる。増殖および分化のこれらのプロセスは、全体的に調節され:それらは、皮膚の再生および/または再生成に関与し、皮膚の一定の厚さ、特に、表皮の一定の厚さの維持をもたらす。皮膚のこの恒常性は、皮膚の機械的特性の維持にも関与する。
【0009】
しかしながら、皮膚のこの恒常性は、いくつかの生理学的要因(年齢、閉経、ホルモンなど)または環境要因(UVストレス、酸化的ストレス、刺激性ストレスなど)によって損なわれ得る。
【0010】
増殖細胞は、代謝的に非常に活性であり、これらの有害な要因(内因性または環境要因)に敏感であり、表皮における結果として、それらの量の減少を伴う。いくつかの生化学的マーカーが、SAb−ガラクトシダーゼ活性などの表皮の再生能力のこの低下(非特許文献1)またはp16(INK4a)などの細胞周期障害マーカー(非特許文献2)を特徴付ける。
【0011】
したがって、老化の兆候の発生を遅らせるのに寄与するために、この細胞のプールを保存することが重要である。
【0012】
ケラチノサイトの細胞の活力は、老化に関して、または酸化的ストレス(例えば、太陽放射、すなわち、紫外線、可視範囲の放射線、赤外線)のため、毒素もしくはミクロフローラの代謝産物によって表皮が攻撃されるため、または、より一般に、自然老化中に低下され得る。ケラチノサイトの再生および分化の能力は低下され、表皮のバリア機能などの、ケラチノサイトに依存する構造の恒常性が損なわれる。
【0013】
表皮の再生能力が小さくなるほど:基底層の細胞はより不活発に分裂し、特に、表皮の再生の減速および/または減少につながる。その結果、細胞再生は、表面において除去された細胞の喪失をもはや埋め合わせることができず、表皮の萎縮および/または皮膚の厚さの減少につながる。これは、表皮付属器、例えば爪の増殖細胞の場合と同様であり、その結果、爪の成長が減速する。
【0014】
加齢に伴い、バリア機能障害が発生し、フィラグリンなどの、皮膚のこの重要な機能の維持に重要な役割を果たすタンパク質の発現の低下が観察される。
【0015】
フィラグリンは、顆粒層のケラチノサイトに含まれる分子であるプロフィラグリンの分解から生じるタンパク質である。フィラグリンの発現は、ケラチノサイトなどの表皮細胞の分化に関連している。
【0016】
フィラグリンは、ケラチンフィラメントの凝集を可能にし、角化層の細胞外皮の形成に関与し、ひいては皮膚バリアの機能に関与する。
【0017】
表皮の恒常性の障害はまた、皮膚の色つやのくすんだおよび/または血色の悪い外観によって反映される。
【0018】
バリア機能の障害は、局在位置に応じて、様々な兆候:乾燥肌、過角化、薄い表皮、薄い唇、表面の皺に現れる。
【0019】
したがって、表皮の細胞の活力の低下に関連する障害は、その構造だけでなく、その恒常性にも関連する。表皮のストレスに対する耐性およびその再生能力が低下される。高齢者の皮膚バリアを若年成人と比較した場合、一見して差異は見られない:角化層の厚さおよびその脂質の組成は必ずしも変化しておらず、経表皮水分喪失によって表されるバリア機能は保たれている。高齢者の皮膚バリアの欠乏は、機械的ストレス下でまたは刺激性因子への曝露の際に現れる:高齢者の表皮のバリアは、より急速に低下し、その機能は、より遅く回復する。そして、日常的に、アルコール消毒、レモン果汁または他の刺激物との接触が刺痛および灼熱感を引き起こし、乾燥空気に対する耐性が低く、一方、若い皮膚は、何ら問題なくこれに耐える。損なわれた皮膚バリアはまた、アレルゲンと、表皮の免疫系との接触を容易にするため、アレルギー感作のリスクが増加する。
【0020】
現在、老化細胞が加齢に伴い身体内に蓄積することを証明する十分な証拠がある。老化に関連するβ−ガラクトシダーゼは、老化細胞のマーカーであり、その蓄積が、皮膚においてインビボで示されている(非特許文献3)。
【0021】
老化の別のマーカーは、ミトコンドリア機能の障害である。ミトコンドリアの役割は、細胞エネルギーを生成することである。
【0022】
光老化の減少の臨床兆候は、広く説明されている(非特許文献4)。
【0023】
皮膚の自然老化としても知られている内因性老化は、他の器官において起こるものと同様の細胞の活力の低下の結果として説明される。内因性または自然老化は、他の臨床マーカーおよび兆候、特に、上述されるようなバリア機能の低下に現れる(非特許文献5)。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の組成物は、化粧用組成物(すなわち、化粧目的用)または皮膚科用組成物であり得る。優先的に、本発明によれば、組成物は、化粧用組成物であり、さらにより優先的に、局所適用のための化粧用組成物である。
【0034】
「化粧用組成物」という用語は、特に、ヒト身体の様々な浅部、特に、表皮、体毛および頭髪系、爪、唇および口腔粘膜と接触することが意図され、専らまたは主に、それらを洗浄し、それらをより魅力的にし、それらに芳香を与え、それらの外観を変更し、それらを保護し、それらを良好な状態に保ち、または体臭を修正することを目的とする物質または調製物を意味することが意図される。
【0035】
本発明の主題はまた、皮膚の老化の兆候、特に、皺の多い皮膚、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、皮膚組織の接着の障害を示す皮膚、薄くなった皮膚、および皮膚の表面外観の障害を示す皮膚から選択される皮膚の兆候を防止および/または軽減するための、上に定義される組成物の化粧使用である。
【0036】
本発明の別の主題は、皮膚などのケラチン物質の老化の兆候を軽減および/または防止するための美容的方法であって、上に定義される組成物が、ケラチン物質、好ましくは、皮膚、特に、成熟したおよび/または皺の多い皮膚に適用されることを特徴とする方法である。
【0037】
(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)
本発明に係る組成物は、互いに異なる、(ポリ)グリセロールの少なくとも2つの脂肪酸エステルを含む。
【0038】
本発明に係る組成物は、
a)12〜20個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル鎖を含む少なくとも1つの酸および3〜6つのグリセロール単位、好ましくは、5〜6つのグリセロール単位から形成される、ポリグリセロールの脂肪酸エステルから選択されるポリグリセロールの第1の脂肪酸エステル、および
b)6〜18個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル鎖を含む少なくとも1つの酸および1〜3つのグリセロール単位、好ましくは、2〜3つのグリセロール単位から形成される、(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルから選択される(ポリ)グリセロールの第2の脂肪酸エステル
を含む。
【0039】
本発明に関して使用されるグリセロールまたはポリグリセロールの脂肪酸エステルは、45℃以下の温度で固体である非イオン性界面活性剤である。
【0040】
本発明に係る組成物は、任意選択的にポリオキシアルキレン化される、グリセロールまたはポリグリセロールの少なくとも2つの脂肪酸エステルを含む。
【0041】
本発明に関して、オキシアルキレン化グリセロールエステル、特に、脂肪酸のグリセリルエステルのポリオキシエチレン化誘導体およびその水素化誘導体も挙げられる。これらのオキシアルキレン化グリセロールエステルは、例えば、水素化およびオキシエチレン化された脂肪酸のグリセリルエステル、例えば、Goldschmidt社によってRewoderm LI−S 80の名称で販売されるパーム油脂肪酸PEG−200水添グリセリル;オキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリル、例えば、Goldschmidt社によってTegosoft GCの名称で販売されるヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル、およびGoldschmidt社によってRewoderm LI−63の名称で販売されるヤシ油脂肪酸PEG−30グリセリル;およびそれらの混合物から選択され得る。
【0042】
本発明に係る(ポリ)グリセロールエステルは、グリセロールエステル(またはモノグリセリルエステル)またはポリグリセロールエステル(またはポリグリセリルエステル)、例えば、ジグリセリル(またはジグリセロール)エステルである。
【0043】
一実施形態によれば、本発明に係る(ポリ)グリセロールエステルは、少なくとも1つの飽和または不飽和脂肪酸および(ポリ)グリセロールのエステル化から得られる。
【0044】
「(ポリ)グリセロール」という用語は、グリセロールまたはグリセリルポリマーを示す。それがポリマーである場合、ポリグリセロールは、一般に、1〜22個、好ましくは、1〜12個のグリセロール単位の直鎖状配列である。
【0045】
本発明に関して、「ポリオキシアルキレン化(ポリ)グリセロール」という用語は、グリセロール(またはポリグリセロール)のポリオキシアルキレン化エーテル、好ましくは、ポリオキシエチレン化(またはポリエチレングリコール)エーテルに対応する。
【0046】
より特定的に、本発明に係ると見なされるエステルは、ポリ(グリセロール)およびC
12〜C
20、好ましくは、C
12〜C
18、好ましくは、C
12、カルボン酸、ポリグリセロールの脂肪酸エステル(a)の場合、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸のエステル化から得られるエステルである。
【0047】
より特定的に、本発明に係ると見なされるエステルは、ポリ(グリセロール)およびC
6〜C
18、好ましくは、C
12〜C
18、好ましくは、C
10〜C
12、カルボン酸、ポリグリセロールの脂肪酸エステル(b)の場合、例えば、カプリン酸、カプリル酸またはラウリン酸のエステル化から得られるエステルである。
【0048】
カルボン酸は、直鎖状または分枝鎖状、および飽和または不飽和であり得る。好ましくは、カルボン酸は、直鎖状モノカルボン酸である。
【0049】
一般に、それらは、C
12〜C
20、好ましくは、C
12〜C
18、より特定的に、C
6〜C
18、特に、C
10〜C
12、カルボン酸による、ポリ(グリセロール)の少なくとも1つのヒドロキシル官能基のエステル化から得られる。
【0050】
特定の実施形態によれば、本発明に使用するのに好適なエステルは、1つ以上の同一または異なるカルボン酸とのポリ(グリセロール)のエステル化から得られる。それは、水酸化モノエステル、水酸化ジエステル、水酸化トリエステル、またはそれらの混合物であり得る。
【0051】
本発明に係る好ましい化粧用組成物は、グリセロールおよびグリセロールポリマーからなる群から選択される(ポリ)グリセロールのエステルを含む。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態において、ポリグリセロールの第1の脂肪酸エステルa)は、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノオレイン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノ(イソ)ステアリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むジオレイン酸ポリグリセリル、4〜6つのグリセロール単位を含むモノミリスチン酸ポリグリセリル、およびそれらの混合物から選択される。
【0053】
本発明の好ましい一実施形態において、(ポリ)グリセロールの第2の脂肪酸エステルb)は、1〜3つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリン酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリル酸(ポリ)グリセリル、1〜3つのグリセロール単位を含むモノステアリン酸(ポリ)グリセリル、およびそれらの混合物から選択される。
【0054】
本発明の別の好ましい実施形態において、ポリグリセロールの第1の脂肪酸エステルa)は、10〜13のHLB(親水性親油性バランス)値を有し、および/または(ポリ)グリセロールの第2の脂肪酸エステルb)は、8〜10のHLB値を有する。
【0055】
有利には、本発明に係る組成物は、4〜6つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸ポリグリセリル、特に、ラウリン酸PG−5であるポリグリセロールの第1の脂肪酸エステルa)を含み、(ポリ)グリセロールの第2の脂肪酸エステルb)が、1〜3つのグリセロール単位を含むモノラウリン酸(ポリ)グリセリルおよび1〜3つのグリセロール単位を含むモノカプリン酸(ポリ)グリセリルから選択され、好ましくは、ラウリン酸PG−2およびカプリン酸PG−2から選択される。
【0056】
好ましくは、(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)は、特に、3〜6つのグリセロール単位から形成される、好ましくは、5つまたは6つのグリセロール単位から形成される(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルの混合物から選択され、混合物は、好ましくは、少なくとも30%以上の、5〜6つのグリセロール単位を含む(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルを含む。
【0057】
好ましくは、本発明の組成物中に存在する(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)の出発材料は、解重合度が4以上である70%以上のポリグリセロールを含有するポリグリセロールの脂肪酸エステル、重合度が5である30%以下のポリグリセロールを含有するポリグリセロールの脂肪酸エステルを含む。
【0058】
モノグリセリルおよび/またはジグリセリルカプリレート、モノグリセリルおよび/またはジグリセリルヘプタノエート、モノグリセリルおよび/またはジグリセリルカプリレート、プロピレングリコールカプリレートおよびプロピレングリコールヘプタノエート、およびそれらの混合物から選択されるエステルが、本発明に使用するのに最も特に好適である。
【0059】
それは、より特定的に、モノグリセリルカプリレート(グリセリルカプリレートとしても知られている)およびそれらの混合物である。
【0060】
特に有利な態様において、本発明に係る組成物は、
−ポリグリセロールの第1の脂肪酸エステルとして、ラウリン酸ポリグリセリル−5、および/または
−(ポリ)グリセロールの第2の脂肪酸エステルとして、ラウリン酸ポリグリセリル−2またはカプリン酸ポリグリセリル−2
を含む。
【0061】
ラウリン酸ポリグリセリル−5またはラウリン酸PG−5は、太陽化学株式会社(Taiyo Kagaku)によってLaurate Sunsoft A−121E(登録商標)の商標で入手可能である。
【0062】
ラウリン酸ポリグリセリル−2またはラウリン酸PG−2は、太陽化学株式会社(Taiyo Kagaku)によってSunsoft Q−12D−C(登録商標)の商標で入手可能である。
【0063】
カプリン酸ポリグリセリル−2またはカプリン酸PG−2は、太陽化学株式会社(Taiyo Kagaku)によってSunsoft Q−10D−C(登録商標)の商標で入手可能である。
【0064】
本発明に係る組成物において、(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)の総量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%〜20質量%、好ましくは、1質量%〜10質量%、より好ましくは、2質量%〜9質量%であり得る。
【0065】
本発明に係る組成物において、(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(b)の総量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜20質量%、好ましくは、1質量%〜10質量%、より好ましくは、1.5質量%〜7質量%であり得る。
【0066】
本発明に係る組成物において、存在する(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)の総量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%〜40質量%、好ましくは、2質量%〜20質量%、より好ましくは、3.5質量%〜16質量%の範囲である。
【0067】
より特定的に、本発明に係る組成物において、[ポリグリセロールの脂肪酸エステル(a)の総量]対[(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(b)の総量]の質量比は、0.2〜10、特に、0.5〜5、好ましくは、1〜2の範囲である。
【0068】
ポリオール(c)
本発明の係る組成物は、少なくとも1つのポリオールを含む。
【0069】
本発明に係る組成物中に存在するポリオールの総量は、組成物の総質量に対して15質量%以上である。
【0070】
本発明によれば、「ポリオール」という用語は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは、2〜50個の炭素原子、好ましくは、4〜20個の炭素原子を含み、好ましくは、2〜10個の炭素原子を含有し、優先的に、2〜6個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも2つのヒドロキシル基を有する炭化水素系鎖を意味することが意図される。本発明に使用されるポリオールは、1000以下、好ましくは、90〜500の質量平均分子量を有し得る。
【0071】
ポリオールは、天然または合成ポリオールであり得る。ポリオールは、直鎖状、分枝鎖状または環状分子構造を有し得る。
【0072】
ポリオールは、グリセロールおよびその誘導体、ならびにグリコールおよびその誘導体から選択され得る。ポリオールは、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、特に、5〜50個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレングリコール、およびソルビトールなどの糖、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0073】
より特定的に、ポリオールは、ジプロピレングリコールおよびブチレングリコール、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0074】
前記ポリオールは、組成物の総質量に対して、15質量%〜60質量%の範囲、好ましくは、20質量%〜40質量%の範囲、優先的に、20質量%〜30質量%の範囲の含量で存在し得る。
【0075】
油(d)
本発明に係る化粧用組成物は、少なくとも1つの油(d)を含む。本発明によれば、「油」という用語は、脂肪族化合物または周囲温度(25℃)および大気圧(760mmHg)で液体の形態の物質を示す。油として、化粧品に一般に使用されるものが、単独でまたはその組合せで使用され得る。これらの油は、揮発性または不揮発性、好ましくは、不揮発性であり得る。
【0076】
油は、炭化水素系油、シリコーン油などの非極性油;植物または動物油およびエステル油またはエーテル油などの極性油;またはそれらの混合物であり得る。
【0077】
油(d)が、植物由来の油、動物油、合成油、シリコーン油および炭化水素系油からなる群から選択されるのが好ましい。
【0078】
植物油の例として、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカダミア油、トウモロコシ油、ヒマシ油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ベニバナ油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、アルガン油および杏仁油、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
動物油の例として、例えば、スクアレンおよびスクアランが挙げられる。
【0080】
合成油の例として、イソドデカンおよびイソヘキサデカンなどのアルカン、脂肪酸エステル、脂肪エーテルおよび人工C
6〜C
22酸トリグリセリドが挙げられる。
【0081】
脂肪酸エステルは、好ましくは、直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和C
1〜C
26脂肪族一酸またはポリ酸、および直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和C
1〜C
26脂肪族モノアルコールまたはポリアルコールの液体エステルであり、脂肪酸エステル中の炭素原子の総数は、10以上である。
【0082】
好ましくは、モノアルコールエステルの場合、アルコールおよび酸のうちの少なくとも1つが分枝鎖状である。
【0083】
一酸およびモノアルコールのモノエステルの中でも、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシルおよびネオペンタン酸イソステアリルが挙げられる。
【0084】
C
4〜C
22ジカルボン酸またはトリカルボン酸およびC
1〜C
22アルコールのエステル、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはトリカルボン酸および非サッカリドC
4〜C
26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシまたはペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用され得る。
【0085】
セバシン酸ジエチル;ラウロイルサルコシンイソプロピル;セバシン酸ジイソプロピル;セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル);アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ−n−プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル);アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ビス(2−エチルヘキシル);クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソセチル;クエン酸トリイソステアリル;三酢酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;およびジイソノナン酸ジエチレングリコールが特に挙げられる。
【0086】
使用され得る脂肪酸エステルとしては、C
6〜C
30、好ましくは、C
12〜C
22脂肪酸の糖エステルおよびジエステルが挙げられる。「糖」という用語が、アルデヒドまたはケトン官能基とともにまたはそれらを伴わずに、少なくとも4個の炭素原子を含み、いくつかのアルコール官能基を含有する酸素を含む炭化水素系化合物を示すことが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖または多糖であり得る。
【0087】
挙げられる好適な糖の例は、サッカロース(またはスクロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、およびそれらの誘導体、特に、アルキル誘導体、例えば、メチル誘導体、例えば、メチルグルコースを含む。
【0088】
脂肪酸の糖エステルは、上述される糖および直鎖状または分枝鎖状、飽和または不飽和C
6〜C
30、好ましくは、C
12〜C
22脂肪酸のエステルまたはエステルの混合物を含む群から特に選択され得る。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1〜3つの共役または非共役二重結合を含有し得る。
【0089】
この変形例に係るエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルおよびポリエステル、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0090】
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレートおよびアラキドネート、またはそれらの混合物、例えば、特に、オレオパルミテート、オレオステアレートおよびパルミトステアレート混合エステル、およびさらにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであり得る。
【0091】
より特定的に、モノエステルおよびジエステル、特に、スクロース、グルコースまたはメチルグルコースモノオレエートまたはジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、リノレエート、リノレネートおよびオレオステアレートが使用される。
【0092】
挙げられる例は、メチルグルコースジオレエートである、Amerchol社によってGlucate(登録商標)DOの名称で販売される製品である。
【0093】
脂肪酸エステルの好ましい例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル、オクタン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルカプリレート/カプレート、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、グリセリルトリス(2−エチルヘキサノエート)、ペンタエリスリチルテトラキス(2−エチルヘキサノエート)、コハク酸2−エチルヘキシルおよびセバシン酸ジエチル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
人工トリグリセリドの例として、例えば、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、グリセリルトリ(カプレート/カプリレート)およびグリセリルトリ(カプレート/カプリレート/リノレネート)が挙げられる。
【0095】
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなど;環状オルガノポリシロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなど;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0096】
好ましくは、シリコーン油は、液体ポリジアルキルシロキサン、特に、液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)および少なくとも1つのアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選択される。
【0097】
これらのシリコーン油はまた、有機修飾され得る。本発明にしたがって使用され得る有機修飾シリコーンは、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合された1つ以上の有機官能基を含む、上に定義されるシリコーン油である。
【0098】
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicone(1968),Academic Pressにより詳細に定義されている。オルガノポリシロキサンは、揮発性または不揮発性であり得る。
【0099】
揮発性または不揮発性シリコーン油、例えば、周囲温度で液体またはペースト状である、直鎖状または環状シリコーン鎖を含有する揮発性または不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、特に、シクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン)、例えば、シクロヘキサシロキサン;側基であるかまたはシリコーン鎖の末端にあるアルキル、アルコキシまたはフェニル基を含有するポリジメチルシロキサン(前記基は、2〜24個の炭素原子を含有する);フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートおよびポリメチルフェニルシロキサンが、使用され得る。
【0100】
炭化水素系油は、以下のものから選択され得る:
−直鎖状または分枝鎖状、任意選択的に環状の、C
6〜C
16低級アルカン(挙げられる例は、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、およびイソパラフィン、例えば、イソヘキサデカン、イソドデカンおよびイソデカンを含む);および
−16個以上の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状炭化水素、例えば、流動パラフィン、流動パラフィンゲル、ポリデセンおよび水素化ポリイソブテン、例えば、Parleam、およびスクアラン。
【0101】
炭化水素系油の好ましい例として、例えば、直鎖状または分枝鎖状炭化水素、例えば、鉱油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、石油ゼリーまたはワセリン、ナフタレンなど;水素化ポリイソブテン、イソエイコサン、およびデセン/ブテンコポリマー;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0102】
油(d)が、600g/mol未満の分子量を有する油から選択されることも好ましい。
【0103】
好ましくは、油(d)は、1つ以上のC
1〜C
12炭化水素系鎖を含有する脂肪酸エステル(例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニルおよびパルミチン酸エチルヘキシル)、炭化水素系油(例えばイソドデカン、イソヘキサデカンおよびスクアラン)、分枝鎖状および/または不飽和C
12〜C
30脂肪族アルコールタイプの油、例えば、オクチルドデカノールまたはオレイルアルコール、および脂肪エーテル、例えば、ジカプリリルエーテルから選択される。
【0104】
特に好ましい態様において、油(d)は、パルミチン酸エチルヘキシルおよびミリスチン酸イソプロピルから選択される。
【0105】
パルミチン酸エチルヘキシルは、Stearineries Dubois社からパルミチン酸2−エチルヘキシル(DUB PO)(登録商標)の商標で入手可能である。
【0106】
本発明に係る化粧用組成物中の油(d)の量は、組成物の総質量に対して、0.50質量%〜80質量%、特に、1質量%〜50質量%、好ましくは、1質量%〜15質量%、より好ましくは、2質量%〜6質量%の範囲であり得る。
【0107】
特定の一実施形態において、(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(b)および油(d)は、上に定義される本発明に係る組成物中に、0.50〜10の範囲、好ましくは、1〜5の範囲の[(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(b)の総量/油(d)]の質量比で存在する。
【0108】
水(e)
本発明に係る化粧用組成物は、水を含む。
【0109】
水(e)の量は、限定されず、組成物の総質量に対して、30質量%〜90質量%、好ましくは、35質量%〜80質量%、より好ましくは、40質量%〜70質量%の範囲であり得る。
【0110】
本発明に係る組成物は、上に定義される(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)以外の少なくとも1つのさらなる界面活性剤も含み得る。
【0111】
さらなるアニオン性界面活性剤(f)
本発明に係る組成物は、上に定義される(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステル(a)および(b)以外の少なくとも1つのさらなるアニオン性界面活性剤も含み得る。
【0112】
本発明の組成物は、少なくとも1つのスルホン酸塩(脂肪酸アミド)アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0113】
前記アニオン性界面活性剤は、以下の式(II):
【化2】
(式中:
R
1が、7〜17個の炭素原子を有する飽和または不飽和、直鎖状または分枝鎖状アルキル鎖であり、
R
2が、Hまたはメチル基であり、
R
3が、H、COO
−M
+、MCH
2COO−またはCOOHであり、
nが、0〜2であり、
Xが、COOまたはSO
3−を表し、
Mが、独立して、H、ナトリウム、カリウムまたはソルビタンを表す)によって表される少なくとも1つのスルホン酸塩(脂肪酸アミド)界面活性剤、
およびそれらの混合物である。
【0114】
このようなアニオン性界面活性剤は、欧州特許第2 335 681号明細書に記載されるものである。
【0115】
好ましくは、アニオン性界面活性剤(f)は、タウレート、グルタメート、アラニンまたはアラネート、サルコシネート、アスパルテート、およびそれらの混合物のタイプの界面活性剤から選択される。
【0116】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、タウレート、グルタメート、サルコシネートおよび/またはそれらの混合物のタイプの界面活性剤である。
【0117】
特に好ましくは、アニオン性界面活性剤(f)は、タウレート界面活性剤である。
【0118】
特に、タウレート界面活性剤は、一般式(III)
【化3】
で表され、式中:
R
1が、好ましくは、7〜17個の炭素原子、より特定的に、9〜13個の炭素原子を有する飽和または不飽和、直鎖状または分枝鎖状アルキル鎖であり、
R
2が、Hまたはメチル基であり、
Mが、H、ナトリウムまたはカリウムである。
【0119】
式(III)のアニオン性界面活性剤は、ココイルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、カプロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルタウリンナトリウム、ラウロイルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、およびステアロイルメチルタウリンナトリウム、およびそれらの混合物から選択され得る。
【0120】
より特定的に、式(III)のアニオン性界面活性剤は、ココイルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、ココイルタウリンナトリウム、ラウロイルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウムおよびラウロイルメチルタウリンナトリウム、およびそれらの混合物から選択される。
【0121】
本発明の組成物は、アミノ酸タイプのアニオン性界面活性剤の混合物、例えば、グルタメートおよびタウレートタイプのアニオン性界面活性剤の混合物、タウレートの混合物、またはグルタメートおよびサルコシネートタイプの界面活性剤の混合物も含み得る。
【0122】
「アミノ酸タイプのアニオン性界面活性剤」という用語は、タウレート、グルタメート、アラニンまたはアラニネート、サルコシネートおよびアスパルテートに由来する界面活性剤を意味することが意図される。
【0123】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤は、イセチオネート、タウレート、サルコシネート、スルホサクシネート、スルホアセテート、グリシネート、グルタメートおよびカルボキシレートからなる群から選択され、ここで、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤は、C
8〜C
20アルキル鎖、ならびにナトリウム、カリウムおよびアンモニウムから選択される可溶化対カチオンを有する。
【0124】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤は、タウレートであり、前記タウレートは、C
8〜C
20アルキル鎖、ならびにナトリウム、カリウムおよびアンモニウムから選択される可溶化対カチオンを有する。
【0125】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤は、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、(ヤシ脂肪酸)メチルタウリンナトリウムおよびラウロイルメチルタウリンナトリウムからなる群から選択される。
【0126】
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、アニオン性界面活性剤は、式(II)のアニオン性界面活性剤であり、式中、R
2がメチルであり、R
1が、17個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル鎖であり、Mが、ナトリウム、すなわち、ステアロイルN−メチルタウリンナトリウムである。ステアロイルN−メチルタウリンナトリウムは、Nikko社によってNikkol SMT(登録商標)の商標で入手可能である。
【0127】
式(II)の、好ましくは、式(III)のアニオン性界面活性剤の総量は、本発明に係る組成物の総質量に対して、0.01質量%〜2質量%、特に、0.05質量%〜1質量%、好ましくは、0.08質量%〜0.5質量%であり得る。
【0128】
増粘剤
本発明に係る化粧用組成物は、少なくとも1つの増粘剤も含み得る。
【0129】
増粘剤は、有機および無機増粘剤から選択され得る。
【0130】
増粘剤は、好ましくは、会合性増粘剤および多糖、例えば、デンプンおよびキサンタンガムから選択される。
【0131】
本発明の文脈において、「会合性増粘剤」という用語は、例えば、少なくとも1つのC
8〜C
30脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位を含む、親水性および疎水性単位の両方を含む両親媒性増粘剤を示す。
【0132】
本発明に係る化粧用組成物の粘度は、特に限定されない。粘度は、好ましくは、コーンプレートジオメトリ(cone−plate geometry)を有する、粘度計またはレオメータを用いて25℃で測定され得る。好ましくは、本発明に係る化粧用組成物の粘度は、例えば、25℃および1s
−1で、1〜2000Pa.s、好ましくは、1〜1000Pa.sであり得る。
【0133】
増粘剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜10質量%、好ましくは、0.01質量%〜10質量%、例えば、0.1質量%〜5質量%の範囲の量で存在し得る。
【0134】
他の成分
本発明に係る化粧用組成物は、組成物、特に、化粧用組成物中に、他の箇所で既に知られている効率的な量の他の成分、例えば、様々な補助剤、アンチエイジング剤、美白剤、保湿剤、皮膚のべたつき防止剤、EDTAおよびエチドロン酸などの金属イオン封鎖剤、紫外線安定剤、保存剤(フェノキシエタノールなど)、ビタミンまたはプロビタミン、例えば、乳白剤、香料、植物抽出物、カチオン性ポリマーなども含み得る。
【0135】
調製および特性
本発明に係る化粧用組成物は、従来のプロセスにしたがって、上記の必須成分および任意選択の成分を混合することによって調製され得る。従来のプロセスは、高圧ホモジナイザー(高エネルギープロセス)を用いた混合を含む。変形例として、化粧用組成物は、転相温度(PIT)プロセス、転相濃度(PIC)、自己乳化などの低エネルギープロセスによって調製され得る。好ましくは、化粧用組成物は、低エネルギープロセスによって調製される。
【0136】
特定の実施形態において、上に定義される本発明に係る組成物中の(a)および(b)において定義される(ポリ)グリセロールの脂肪酸エステルの総量および油(d)の間の質量比は、0.50〜10、好ましくは、1〜5の範囲である。
【0137】
本発明に係る化粧用組成物は、ナノエマルションまたはマイクロエマルションの形態である。
【0138】
「マイクロエマルション」という用語は、2つの方法、すなわち、広義および狭義で定義され得る。すなわち、一方の場合には(「狭義のマイクロエマルション」)、マイクロエマルションという用語は、油性成分、水性成分および界面活性剤を含む3つの成分を有する三成分系を含有する熱力学的に安定した等方性単一液相を示し、他方の場合には(「広義のマイクロエマルション」)、熱力学的に不安定な典型的なエマルション系の中でも、マイクロエマルションという用語は、それらのより小さい粒径のために透明または半透明の外観を有するエマルションも含む(Satoshi Tomomasa,et al.,Oil Chemistry,vol.37,No.11(1988),p.48−53)。本発明の文脈において、「マイクロエマルション」という用語は、「狭義のマイクロエマルション」、すなわち、熱力学的に安定した等方性単一液相を示す。
【0139】
マイクロエマルションは、油がミセルによって溶解されたO/W型(水中油型)のマイクロエマルション、水が逆ミセルによって溶解されたW/O型(油中水型)のマイクロエマルション、または水相および油性相の両方が連続構造を有するように界面活性剤分子の会合数が無限になる傾向がある共連続マイクロエマルションの状態を示す。
【0140】
マイクロエマルションは、レーザー粒径分析によって測定される、100nm以下、好ましくは、50nm以下、より好ましくは、20nm以下の数平均直径を有する分散相を有し得る。
【0141】
「ナノエマルション」という用語は、本明細書において、350nm未満のサイズを有する分散相によって特徴付けられるエマルションを示し、分散相は、分散相/連続相界面で薄板状タイプの液晶相を任意選択的に形成し得る非イオン性界面活性剤(a)および(b)のクラウンによって安定化される。特定の乳白剤がない場合、ナノエマルションの透明性は、分散相の小さいサイズに起因し、この小さいサイズは、機械的エネルギー、特に、高圧ホモジナイザーを用いることによって得ることができる。本発明に係るナノエマルションの特定の一実施形態において、前記ナノエマルションは、非イオン性界面活性剤(a)および(b)に加えて、分散相の液滴間の反発を特に可能にするアニオン性界面活性剤(f)によって安定化される。
【0142】
ナノエマルションは、それらの構造によってマイクロエマルションと区別され得る。特に、マイクロエマルションは、例えば、油(d)によって膨張した非イオン性界面活性剤(a)および(b)のミセルから形成される、熱力学的に安定した分散体である。さらに、マイクロエマルションは、調製のために実質的な機械的エネルギーを必要としない。
【0143】
マイクロエマルションは、レーザー粒径分析によって測定される、300nm以下、好ましくは、200nm以下、より好ましくは、100nm以下の数平均直径を有する分散相を有し得る。
【0144】
本発明に係る化粧用組成物は、O/W型ナノエマルションまたはマイクロエマルション、W/O型ナノエマルションまたはマイクロエマルション、または共連続エマルションの形態であり得る。本発明に係る化粧用組成物が、O/W型ナノエマルションまたはマイクロエマルションの形態であるのが好ましい。
【0145】
本発明に係る化粧用組成物が、O/W型エマルションの形態であるのが好ましい。
【0146】
油性相の液滴の平均サイズは、Vasco粒径分析器を用いた動的光散乱(DLS)によって、濃縮されて測定される。
【0147】
これらの測定は、不希釈エマルションにおいて行われる。
【0148】
本発明の組成物の油性相の液滴の数平均サイズ(μm)は、300nm未満、好ましくは、10nm〜150nm、より好ましくは、20nm〜100nmである。
【0149】
本発明に係る化粧用組成物は、透明またはやや半透明の外観、好ましくは、透明の外観を有し得る。
【0150】
透明性は、可視領域中で吸光度計を用いて透過率を測定することによって測定され得る(例えば、透明性は、25℃でHach 2100Q携帯型濁度計を用いて測定される)。携帯型濁度計は、濁度を測定するために比濁原理を用いる。比濁による濁度測定は、液体中に懸濁された粒子によって散乱される光の検出によって決まる。測定単位はNTUである。ねじ栓付きのホウケイ酸ガラス丸型キュベット60×25cmが使用される。必要とされる試料の量は、15mlである。測定範囲は、0〜1000NTUである。試料は、希釈せずに測定される。
【0151】
本発明に係る化粧用組成物は、好ましくは、1〜200NTU、好ましくは、5〜100NTUの濁度を有し得る。
【0152】
プロセスおよび使用
本発明のさらなる主題は、ケラチン物質の美容的方法のためのプロセスであって、上述される本発明に係る組成物の、ケラチン物質、特に皮膚への適用を含む方法である。
【0154】
一実施形態において、本発明に係る前記組成物は、ヘスペレチンを含まない。
【0155】
より特定的に、本発明の主題はまた、ケラチン物質、特に皮膚をケア、メイクアップおよび/またはクレンジングするための美容的方法であって、上述される本発明に係る組成物の、前記ケラチン物質、特に皮膚への適用を含む方法である。
【0156】
皮膚をケア、メイクアップおよび/またはクレンジングするための前記美容的方法は、非治療的である。
【0157】
より特定的に、本発明の主題はまた、皮膚の老化の兆候を予防および/または処置するための非治療的美容的方法であって、上述される本発明に係る組成物の、皮膚などのケラチン物質への局所適用の少なくとも1つの工程を含む方法である。
【0158】
本発明に係る美容的方法において予防および/または処置される皮膚の老化の兆候は、皺および小皺、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、皮膚組織の接着の障害を示す皮膚、薄くなった皮膚、および皮膚の表面外観の障害を示す皮膚から選択され得る。
【0159】
より特定的に、本発明のさらなる主題は、上述される本発明に係る組成物の、皮膚などのケラチン物質への局所適用の少なくとも1つの工程を含む、皮膚の老化の兆候を予防および/または処置するための美容的方法であって、ケラチノサイトの再生を促進し、表皮の菲薄化、表面の皺、ならびにバリア機能、皮膚の伸縮性、張性、硬さ、柔軟性および/または弾力性の特性の低下から選択される兆候を軽減または防止することが意図されることを特徴とする美容的方法である。
【0160】
本発明の主題はまた、ケラチン物質をケア、メイクアップおよび/またはクレンジングするための、上述される本発明に係る組成物の化粧使用である。
【0161】
より特定的に、本発明の主題はまた、皮膚の老化の兆候、特に、皺の多い皮膚、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、皮膚組織の接着の障害を示す皮膚、薄くなった皮膚、および皮膚の表面外観の障害を示す皮膚から選択される皮膚の兆候を防止および/または軽減するための、上に定義される本発明に係る組成物の使用である。
【0162】
本発明に係る使用は、非治療的使用、有利には化粧使用であり;「化粧」という用語は、皮膚または爪などのケラチン物質の審美的外観を改善し、特に、良好な健康状態の個体の、加齢に伴い生じる、外観の生理的変化を遅らせるかまたは軽減することが意図されることを意味する。これらの変化は、30歳または35歳から現れ得るが、一般に、40歳以降により顕著であり(成熟した皮膚)、50歳以上で目立つようになる。
【0163】
本発明に係る組成物は、表皮の再生を改善し、特に皮膚の老化の兆候、特に局所的に、最も特定的に、皺の多い皮膚、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、皮膚組織の接着の障害を示す皮膚、薄くなった皮膚および/または皮膚の表面外観の障害を示す皮膚に関連する皮膚における兆候を予防および/または処置するのに有効である。
【0164】
ここで、実際に、(ポリ)グリセロールの少なくとも2つの異なる脂肪酸エステル、少なくとも15%のポリオール、少なくとも1つの油、水、および任意選択的に、式(II)の少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む、ナノエマルションまたはマイクロエマルションの形態の、本発明に係る組成物が、フィラグリン発現を刺激し、および/または表皮の厚さの減少を防止することができることが分かった。
【0165】
したがって、このような組成物は
、皮膚の老化の兆候
の予防および/または処
置に特に有利であ
り、上で説明されるように、特にフィラグリン発現が角質層の形成に関与していることが分かっている。
【0166】
本発明に係る組成物の使用は、より特定的に、皮膚の生体力学的特性を維持し、および/または回復させることを可能にし得る。
【0167】
「皮膚の生体力学的特性」という用語は、本明細書において、皮膚の伸縮性、弾力性、張り、柔軟性および/または弾性特性を意味することが意図される。
【0168】
「皮膚の老化の兆候」という用語は、本明細書において、自然老化であるか、および/または外因性老化、特に、光誘起またはホルモンによる老化であるかにかかわらず、老化による皮膚の外観の何らかの変化を意味することが意図され;これらの兆候の中でも、以下を区別することが可能である:
−特に、皺および/または小皺の出現によって反映される、皺の多い皮膚;
−特に、皺くちゃの、しおれた、弛んだまたは垂れ下がった皮膚によって反映される、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、または弾性および/または伸縮性および/または張りおよび/または柔軟性および/または弾力性の不足を示す皮膚;
−皮膚組織の接着の障害を示す皮膚;
−薄くなった皮膚;および
−特に、皮膚のきめ(grain)の低下、例えば、粗さによって反映される、皮膚の表面外観の障害を示す皮膚。
【0169】
本発明は、皮膚の老化の兆候、特に、皺の多い皮膚、皮膚の粘弾性または生体力学的特性の障害を示す皮膚、皮膚組織の接着の障害を示す皮膚、薄くなった皮膚、および皮膚の表面外観の障害を示す皮膚から選択される皮膚の兆候を防止および/または軽減するための、本発明に係る組成物の非治療的使用に関する。
【0170】
本発明によれば、「ケラチン物質」という用語は、身体、顔および/または眼の周りの部位、唇、爪、粘膜、または身体の皮膚の任意の他の部位の皮膚を意味することが意図される。より特定的に、本発明に係るケラチン物質は、皮膚である。
【0171】
「皮膚」という用語は、身体の皮膚の全て、好ましくは、顔、ネックライン、首、腕および前腕の皮膚、またはさらにより好ましくは、顔、特に、額、鼻、頬、顎および眼の周りの部位の皮膚を意味することが意図される。
【0172】
以下に規定されるように、ヘスペレチンが、有利には、溶解された形態で、本発明に係る組成物中に存在する。
【0173】
例として、本発明に係る組成物は、局所的に、すなわち、対象としている皮膚などの対象としているケラチン物質の表面における適用によって、任意選択的に、それを含有する経皮パッチの適用によって、投与されることが意図され得る。
【0174】
本発明に係る化粧用組成物は、皮膚、粘膜、爪または眼瞼への適用によって、皮膚、粘膜、爪または眼瞼を処置するための、美容的方法などの非治療的方法に使用され得る。
【0175】
本発明は、身体および/または顔の皮膚および/または粘膜および/または爪および/または眼瞼のための、天然形態での、またはケア製品および/または洗浄製品および/またはメイクアップ製品および/またはメイクアップ除去製品における、本発明に係る化粧用組成物の使用にも関する。
【0176】
ケア製品は、ローション、クリーム、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、日焼け止め剤などであり得る。クレンジング製品は、洗顔料、手洗い用洗浄剤などであり得る。メイクアップ製品は、ファンデーション、マスカラ、口紅、リップグロス、フェイスパウダー、アイシャドウ、マニキュア液などであり得る。メイクアップ除去製品は、メイクアップクレンジング製品などであり得る。
【0177】
本発明に係る組成物は、有利には、特に、化粧的に、皮膚の老化の外部兆候を処置し、および/またはそれに対処するための、アンチエイジング組成物、特に、ケア組成物である。
【0178】
組成物は、より特定的に、成熟した皮膚をケアするための組成物である。
【0179】
「...〜...の(between...and...)」および「...〜...の範囲の(ranging from...to...)」または「少なくとも(at least)...または「少なくとも(at the least)...」という表現は、特に規定されない限り、端値を含む範囲(limits inclusive)であると理解されるべきである。
【0180】
本発明は、実施例によってより詳細に説明されるが、実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
【0181】
化合物は、それらの化学名またはそれらのINCI名として示される。
【0182】
成分の量は、質量パーセンテージとして表される。
【実施例】
【0183】
実施例1:本発明に係る化粧用組成物
以下の組成を有するフェイシャルケアローションを調製した:
【0184】
【表1】
【0185】
調製方法:
(1)パルミチン酸エチルヘキシル、ステアロイルN−メチルタウリンナトリウム、ラウリン酸ポリグリセリル−5およびラウリン酸ポリグリセリル−2を混合して、油性相Aを形成し;
(2)油性相Aを約70℃に加熱し;
(3)水Bを撹拌しながら油性相Aに加えて、水中油型マイクロエマルションを得て;
(4)ポリオール(ブチレングリコール)を混合し、次に、溶液Cをマイクロエマルションに加え;
(5)相D(フェノキシエタノールおよび1,2−オクタンジオール)を加えた。
【0186】
組成物は、単相で透明であり、40℃で3ヶ月間の貯蔵後、安定しかつ均一なままである。
【0187】
この組成物は、皮膚の老化の兆候を軽減するために、顔の皮膚に定期的に適用され得る。
【0188】
実施例2:本発明に係る化粧用組成物
以下の組成を有するフェイシャルケアローションを調製した:
【0189】
【表2】
【0190】
調製方法
(1)ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ポリグリセリル−5およびカプリン酸ポリグリセリル−2を混合して、油性相Aを形成し;
(2)油性相Aを約70℃に加熱し;
(3)水Bを撹拌しながら油性相Aに加えて、水中油型マイクロエマルションを得て;
(4)ポリオール(ジプロピレングリコール)を混合し、次に、溶液Cをマイクロエマルションに加え;
(5)相D(フェノキシエタノール、エタノールおよび1,2−オクタンジオール)を加えた。
【0191】
組成物は、単相で透明であり、40℃で3ヶ月間の貯蔵後、安定しかつ均一なままである。
【0192】
この組成物は、皮膚の老化の兆候を軽減するため、特に、薄くなった皮膚を予防または処置するために、顔の皮膚に定期的に適用され得る。
【0193】
実施例3:フィラグリン発現および表皮の厚さを評価することによる、皮膚の老化の兆候に対する本発明に係る組成物の有益な効果の評価
成熟した皮膚における皮膚の老化の兆候に対する本発明に係る組成物の有益な効果を、Voorheesらのモデルを用いて評価した(British Journal of dermatology,1993,129,389−392)。
【0194】
材料および方法:
前腕における光老化した皮膚(McKenzieスケールで5を超えるスコア)を示す29人の対象(10人の男性/19人の女性)を、12時間にわたって、以下のものを含む様々な組成物のパッチによる局所適用で処置した:
−マイクロエマルションの形態の本発明に係る組成物2(実施例2の組成物)
−0.1質量%のレチノールを含む従来のエマルション形態の組成物である、本発明に係らない比較例3
−レチノール活性薬剤を含まないことを除いて、比較例3の従来のエマルションのものと同一の組成物である、本発明に係らない比較例4
−組成物を含まない空のパッチ。
【0195】
30マイクロリットルの配合物の適用を、12日間連続でパッチにより行った。パッチは4日ごとに新しくした。パッチの最終的な取り外し(13日目)の際、直径2mmの皮膚の生検を、適用部位において行った。
【0196】
皮膚試料を、10%のホルムアルデヒドを含有するリン酸緩衝液中に固定し、パラフィンに埋め込み、組織学的分析のために処理した。標準的な手順にしたがって、切片の部分を5マイクロメートルでカットし、スライドに取り付け、ヘマトキシリン−エオシンで染色した。
【0197】
スライドを、デジタルで撮影し、表皮の厚さを、フィールド当たり15の測定で、専用のソフトウェアを用いて自動的に測定し、各スライドは2つのフィールドを有する。
【0198】
標準的な手順にしたがって、スライドに取り付けられた他のパラフィン切片を、キシレン中で脱パラフィンし、再水和し、免疫ペルオキシダーゼによる免疫標識のために準備する。
【0199】
抗フィラグリン一次抗体によるインキュベーション後、スライドを洗浄し、ビオチン化二次抗体でインキュベートした。次に、スライドを洗浄し、周囲温度で30分間にわたってアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼで処理した。次に、0.05%の3,39−ジアミノベンジジンおよび0.03%のH
2O
2を含むスライドが示された。
【0200】
スライドをデジタルで撮影し、抗体で標識された表皮の厚さを、フィールド当たり15の測定で、専用のソフトウェアを用いて自動的に測定し、各スライドは2つのフィールドを有する。
【0201】
以下の結果は、行った測定の全てにおける平均および標準偏差を計算することによって表される。処置間の統計的比較を、反復測定混合モデル(ANOVA)を用いて行った。比較は、p<0.05の場合に有意であると見なされる。
【0202】
比較例3および4の組成物は、エマルション形態の組成物であるが、本発明にしたがって定義されるマイクロエマルションまたはナノエマルションではなく、周知のアンチエイジング活性薬剤である0.1%のレチノール、または0%のレチノールをそれぞれ含む。
【0203】
以下の表に記載される成分の量の数値は全て、組成物の総質量に対する出発材料の質量パーセンテージを基準にしている。
【0204】
【表3】
【0205】
【表4】
【0206】
調製方法:
調製は、レチノールの分解を避けるために、酸素フリーの雰囲気中(窒素下)で行われなければならない。相Aおよび相Bを80℃で加熱する。デフロキュレータ(Rayneri)を用いて撹拌しながら、ポリマーを水に振りかけることによって、相Dのプレゲル(pre−gel)を調製し、水酸化ナトリウムで中和する。ゲルが均一である場合(温度38℃)、デフロキュレータ(Rayneri)を用いて撹拌しながら、相Dを相Bに加え、デフロキュレータ(Rayneri)を用いて撹拌しながら、相Aを相B+Dに、3分間にわたって1000rpmの速度で加え、次に、30℃未満の温度で、レチノール(E)を加える。
【0207】
比較例3および4のこれらの配合物は、周囲温度で3ヶ月間にわたって安定しており、または40℃で貯蔵される。
【0208】
結果:
【0209】
【表5】
【0210】
抗体で標識された表皮の厚さを測定することによって、測定されるパラメータは、フィラグリン発現である。
【0211】
レチノールを含まない(すなわち、アンチエイジング活性薬剤を含まない)従来のエマルションタイプの本発明に係らない組成物(比較例4)を含むパッチによる適用と比較して、およびさらに組成物を含まないパッチによる適用と比較して、マイクロエマルションタイプの本発明に係る組成物2を含むパッチが適用された皮膚では、フィラグリン発現が有意に高いことが留意された(p<0.05)。
【0212】
予想外にも、0.1%のレチノール(公知のアンチエイジング活性薬剤である)を含む本発明に係らない組成物(比較例3)を含むパッチによる適用と比較して、マイクロエマルションタイプの本発明に係る組成物2を含むパッチが適用された皮膚でのフィラグリン発現は、有意に異なっていない(p=0.8)、すなわち、マイクロエマルション形態の本発明に係る組成物2は、アンチエイジング活性薬剤(レチノール)を含む従来のエマルションタイプの組成物と同程度に良好なフィラグリン発現を可能にすることも留意された。
【0213】
【表6】
【0214】
測定されるパラメータは、表皮の厚さである。
【0215】
組成物を含まないパッチによる適用と比較して、マイクロエマルションタイプの本発明に係る組成物2を含むパッチの適用後の表皮の厚さが、有意に厚いことが留意された(p<0.05)。
【0216】
予想外にも、0.1%のレチノール(公知のアンチエイジング活性薬剤である)を含む本発明に係らない組成物(比較例3)を含むパッチによる適用と比較して、マイクロエマルションタイプの本発明に係る組成物2を含むパッチが適用された皮膚の表皮の厚さが、有意に異なっていない(p=0.25)、すなわち、マイクロエマルション形態の本発明に係る組成物2が、アンチエイジング活性薬剤(レチノール)を含む従来のエマルションタイプの組成物と同様の表皮の厚さを得ることを可能にすることも留意された。
【0217】
したがって、予想外にも、レチノールなどのアンチエイジング活性薬剤を含まない、マイクロエマルションまたはナノエマルション形態の本発明に係る組成物が、実質的に、表皮の厚さの減少を防止または軽減するのに、0.1%のレチノールを含む従来のエマルションタイプの組成物と同程度に有効であり、したがって、皮膚の老化の兆候を予防および処置するのに、同程度に有効である。
【0218】
実施例4:皮膚の皺および張りまたは弾力性などの皮膚の老化の兆候に対する本発明に係る組成物の有益な効果の評価
成熟したまたは非常に成熟した皮膚における皮膚の老化の兆候に対する本発明に係る組成物の有益な効果を、臨床評価および計器測定によって評価した。
【0219】
材料および方法:
加齢の臨床兆候を示す40〜65歳の80人の女性の顔を、
−マイクロエマルションの形態の本発明に係る組成物1(実施例1の組成物)
を含む、研究中の製品で、6ヶ月間にわたって毎日処置した。
【0220】
80人の対象は、臨床および計器評価を行うために、処置の7、14、28、56、84および168日後に研究センターに戻る。
【0221】
評価される皮膚の老化の兆候の1つは、特に、目尻の皺であり、これは、眼の外側の隅部に位置する皺である。
【0222】
結果
各評価訪問時に、訓練された専門家が、1〜6で採点される写真スケールにしたがって、組成物1で処置された対象の皺の深刻度を採点する。
【0223】
結果は、評価される全ての対象のスコアの平均を計算することによって表される。処置間の統計的比較を、反復測定混合モデル(ANOVA)を用いて行った。比較は、p<0.05の場合に有意であると見なされる。
【0224】
【表7】
【0225】
本発明に係る組成物1が顔の皮膚に適用される場合、目尻の皺のスコアの改善は、早ければ14日間の処置で、初期状態と比較して有意であることが留意され(p<0.001)、これは、6ヶ月間の処置の最後までである。
【0226】
皮膚に適用された本発明に係る組成物1は、皮膚の皺、特に、顔の皮膚の目尻の皺を軽減することを可能にする。
【0227】
また、顔の皮膚弾力性の計器測定を、皮膚の粘弾性測定専用の装置であるキュートメーター(Courage and Khazaka,Germany)を用いて行った。プローブを、対象の頬の皮膚と接触するように設置し、弾力性測定を瞬間的に行う。次に、R5弾力性値を、データ分析に使用する。
【0228】
結果は、評価される全ての対象のR5値の平均を計算することによって表される。処置間の統計的比較を、反復測定混合モデル(ANOVA)を用いて行った。比較は、p<0.05の場合に有意であると見なされる。
【0229】
【表8】
【0230】
本発明に係る組成物1が顔の皮膚に適用される場合、測定される弾力性値の改善は、早ければ56日間の処置で、初期状態と比較して有意であることが留意され(p<0.001)、これは、6ヶ月間の処置の最後までである。
【0231】
皮膚に適用された本発明に係る組成物1は、皮膚の粘弾性特性、特に、皮膚の弾力性、特に、顔の皮膚の弾力性を改善することを可能にする。
【0232】
張り
皮膚に適用された本発明に係る組成物1は、皮膚の張りを改善することを可能にし、特に、皮膚の張りの改善に対するその有効性は、それが皮膚に適用される場合、従来のエマルション(本発明に係らない)である例4の組成物と比較して、有意に良好である。