(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6843865
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】レンズ特徴部を組み込むための方法とこのような特徴部を有するレンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
G02C7/04
【請求項の数】32
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-531651(P2018-531651)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-500653(P2019-500653A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】US2016066626
(87)【国際公開番号】WO2017106322
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年10月2日
(31)【優先権主張番号】14/975,472
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドスミス・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】サイツ・ピーター・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】カナウジア・ムクル
(72)【発明者】
【氏名】ウッド・ジョー・エム
【審査官】
森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−536617(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0062381(US,A1)
【文献】
特表2015−527945(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/016617(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/045376(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00 − 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由形式のコンタクトレンズであって、
凹形状を有する後方光学的品質表面と、
凸形状を有する対向する前方表面であって、前記前方表面及び前記後方光学的品質表面は、前記コンタクトレンズの外周を画定するレンズ縁部において接合する、前記前方表面と、
所定の形状を有し、ボクセル単位で選択的に重合化された第1の反応混合物から構成される少なくとも第1のレンズ特徴部と、を含み、
前記コンタクトレンズの残りは、ボクセル単位で選択的に重合化された第2の反応混合物から構成され、前記第2の反応混合物は前記第1の反応混合物とは異なり、
前記第1の重合反応混合物と前記第2の重合反応混合物とは共有結合しており、
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面又は前記後方光学的品質表面から前記コンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面又は前記後方光学的品質表面に沿う以外で前記第2の反応混合物によって完全に囲まれている、コンタクトレンズ。
【請求項2】
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記後方光学的品質表面から前記コンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記後方光学的品質表面に沿う以外で前記第2の反応混合物によって完全に囲まれている、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面から前記コンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面に沿う以外で前記第2の反応混合物によって完全に囲まれている、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記第1又は第2の反応混合物は蛍光物質を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記蛍光物質はフルオレセイン成分を含む、請求項4に記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
前記第1又は第2の反応混合物は有機色素を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記第1又は第2の反応混合物はエタフィルコンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記第1又は第2の反応混合物はシリコーン系である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は基準マーカーである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は幾何学的パターンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
前記幾何学的パターンは絵を含む、請求項10に記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記幾何学的パターンはロゴを含む、請求項10又は11に記載のコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記幾何学的パターンは数値マーキングを含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項14】
前記幾何学的パターンはバーコードを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記幾何学的パターンは英数字パターンを含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項16】
前記少なくとも第1のレンズ特徴部は前記コンタクトレンズの光学的ゾーンの外側に位置する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ。
【請求項17】
少なくとも1つのレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを形成するための方法であって、
レンズ特徴部反応混合物と、前記レンズ特徴部反応混合物とは異なるレンズ反応混合物とを得ることと、
成形オプティックの少なくとも凸状の光学的品質表面を、前記レンズ特徴部反応混合物を収容するリザーバ内に浸漬させることであって、前記凸状の光学的品質表面は、前記コンタクトレンズの後方表面を画定する、浸漬させることと、
化学線を、前記成形オプティックを通して、前記レンズ特徴部反応混合物の前記リザーバ内に印加することと、
印加した前記化学線を選択的に制御して、前記レンズ特徴部反応混合物の一部を、前記成形オプティックの少なくとも第1の所定の部分に沿ってボクセル単位で選択的に重合又は部分的に重合することと、
前記レンズ特徴部反応混合物の前記リザーバから前記成形オプティックを取り出すことと、
前記成形オプティックの少なくとも前記凸状の光学的品質表面と、付着した前記レンズ特徴部反応混合物とを、前記レンズ反応混合物のリザーバに浸漬することと、
化学線を、前記成形オプティックを通して、前記レンズ反応混合物の前記リザーバ内に印加することと、
印加した前記化学線を選択的に制御して、前記レンズ反応混合物の一部を、ボクセル単位で選択的に重合又は部分的に重合することであって、選択的に重合又は部分的に重合した前記レンズ反応混合物は、前記成形オプティックの前記第1の所定の部分に隣接する以外で重合又は部分的に重合した前記レンズ特徴部反応混合物を完全に包囲する、重合することと、
前記レンズ反応混合物から前記成形オプティックを取り出すことと、
固定化放射線を印加して前記コンタクトレンズを形成することと、を含む方法。
【請求項18】
前記レンズ特徴部反応混合物の前記リザーバの形状は、前記コンタクトレンズの後方光学的品質表面の形状及び前記レンズ特徴部の形状を決定せず、前記レンズ反応混合物の前記リザーバの形状は、前記コンタクトレンズの前記後方光学的品質表面の形状を決定しない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記レンズ特徴部反応混合物は、前記レンズ反応混合物と共有結合する、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記レンズ特徴部反応混合物は蛍光物質を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記蛍光物質はフルオレセイン成分を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記レンズ特徴部反応混合物は有機色素を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記レンズ反応混合物はエタフィルコンである、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記レンズ反応混合物はシリコーン系である、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
選択的に重合した前記レンズ特徴部反応混合物は所定の形状を形成する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記所定の形状は基準マーカーである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の形状は幾何学的パターンである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記幾何学的パターンは絵を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記幾何学的パターンはロゴを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記幾何学的パターンは数値マーキングを含む、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記幾何学的パターンはバーコードを含む、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記幾何学的パターンは英数字パターンを含む、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
全般的に、本発明はコンタクトレンズの分野に関し、より具体的には、コンタクトレンズに、種々の機能的及び美容的レンズ特徴部を組み込むための新規かつ改良された方法、並びにこのような特徴部を組み込んだレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界では、視力の矯正にコンタクトレンズを用いることは普通である。現在、大量生産で低コストのコンタクトレンズを製造する従来型の方法がいくつか存在する。こうした方法には、注型成形、スピンキャスト、旋盤加工、及び産業界において「Lightstream Technology」として知られる技術の使用、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0003】
最近、コンタクトレンズを製造するための新たな方法及びシステムが開示されている。これらでは、無限数の全くのカスタムレンズを容易に、コスト効率の良い方法で製造することができる。内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする、米国特許第8,317,505号は、光学マンドレルを通して反応混合物のバット又は浴に化学線を選択的に投射することによって、単一の雄型光学マンドレルの上にボクセル単位でレンズ前駆体型を成長させるための方法を開示している。その後、光学マンドレル及びレンズ前駆体型はバットから取り出され、光学マンドレルの凸面が正立するように反転される。レンズ前駆体型の上に残る、浴からの未硬化の残留液体が重力又は他の方法で、レンズ前駆体型の上を流れる休止時間の後、この液体を固定化放射線を印加することによって硬化して最終レンズを形成する。そこに記載されるように、任意の所与の眼に対してカスタムレンズを製造することができる。
【0004】
視力矯正に付随するか又は全く関連しない種々の特徴部をコンタクトレンズに組み込むことも開示されている。例えば、視力ケア専門家が患者に対するレンズのフィットを評価する際に支援するが、レンズの視力補正機能には関係しない基準マークをレンズが組み込むことが知られている。これらの既知の基準マークが別々にレンズ内に配置されるか又は封入される。これは典型的に、追加的な製造ステップを必要とする。封入の場合、アイテムを、レンズの別々に硬化された層間に配置する。これは、レンズ層の構造的な一体性に悪影響を与える。これらのタイプのマーキングをレンズ上に配置する他の方法としては、ミリング、スクライビング、刻印、インクジェット印刷、パッド印刷等、又は鋳型片内に特徴物を組み込むことが挙げられる。別の方法は、その後にレンズから材料を追加又は除去することであり、例えば米国特許第8,636,357号に開示されるものである。これらの追加の製造ステップのコスト及び複雑性によって、レンズのコストが増加する。更に、レンズ表面に別々にマーキングを配置する既知の方法では、光学的品質表面に悪影響を及ぼし、しばしば、患者の快適さにも悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、基準マーク、又は他の美容若しくは機能的なしるし、例えば、絵、ロゴ、識別マーク又は数字(本明細書ではまとめて「レンズ特徴部」と言う)をコンタクトレンズに組み込むための改善されたシステム及び方法、及びかかるレンズ特徴部を組み込んだレンズを提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、自由形式コンタクトレンズであって、凹形状を有する後方光学的品質表面と、凸形状を有する対向する前方表面であって、前方及び後方表面は、コンタクトレンズの外周を画定するレンズ縁部において接合する、前方表面と、所定の形状を有し、第1の重合反応混合物から構成される少なくとも第1のレンズ特徴部と、を含む、コンタクトレンズを提供する。コンタクトレンズの残りは、第1の重合反応混合物とは異なる第2の重合反応混合物から構成され、第1の重合反応混合物と第2の重合反応混合物とは共有結合している。
【0007】
一実施形態において、少なくとも第1のレンズ特徴部は、後方光学的表面からコンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、少なくとも第1のレンズ特徴部は、後方表面に沿う以外で第2の重合反応混合物によって完全に囲まれている。あるいは、少なくとも第1のレンズ特徴部は、第2の重合反応混合物によって完全に囲まれているか、又は少なくとも第1のレンズ特徴部は、前方表面からコンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、少なくとも第1のレンズ特徴部は、前方表面に沿う以外で第2の重合反応混合物によって完全に囲まれている。
【0008】
様々な実施形態において、第1又は第2の反応混合物は、必要に応じてフルオレセインであってもよい蛍光物質を含んでいてもよく、又は有機色素を含んでいてもよい。更なる実施形態では、第1又は第2の反応混合物はエタフィルコン又はシリコーン系混合物であってもよい。
【0009】
更に他の様々な実施形態において、少なくとも第1のレンズ特徴部は、基準マーカーであってもよいし、又は幾何学的パターンであってもよい。幾何学的パターンは更に、絵、ロゴ、数字マーキング、バーコード、英数字パターン、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0010】
更に別の実施形態において、少なくとも1つのレンズ特徴部はレンズの光学的ゾーンの外側に位置している。
【0011】
また少なくとも1つのレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを形成するための方法も提供している。この方法は、レンズ特徴部反応混合物と、レンズ特徴部反応混合物とは異なるレンズ反応混合物とを得るステップと、成形オプティックの少なくとも凸状の光学的品質表面を、を含むリザーバ内に浸漬させることであって、凸状の光学的品質表面は、コンタクトレンズの後方表面を画定する、浸漬させるステップと、化学線を、成形オプティックを通して、レンズ特徴部反応混合物のリザーバ内に印加するステップと、印加した化学線を選択的に制御して、レンズ特徴部反応混合物の一部を、成形オプティックの少なくとも第1の所定の部分に沿ってボクセル単位で選択的又は部分的に重合するステップと、レンズ特徴部反応混合物のリザーバから成形オプティックを取り出すステップと、成形オプティックの少なくとも凸状の光学的品質表面と、付着したレンズ特徴部反応混合物とを、レンズ反応混合物のリザーバに浸漬するステップと、化学線を、を通して、レンズ反応混合物のリザーバ内に印加するステップと、印加した化学線を選択的に制御して、レンズ反応混合物の一部を、ボクセル単位で選択的に重合又は部分的に重合するステップであって、選択的に重合又は部分的に重合したレンズ反応混合物は、成形オプティックの所定の部分に隣接する以外で重合又は部分的に重合したレンズ特徴部反応混合物を完全に包囲する、重合するステップと、レンズ反応混合物から成形オプティックを取り出すステップと、固定化放射線を印加してコンタクトレンズを形成するステップと、を含んでいる。
【0012】
一実施形態において、レンズ特徴部反応混合物はレンズ反応混合物と共有結合している。
【0013】
様々な代替的実施形態において、レンズ特徴部反応混合物は、フルオレセインであってもよい蛍光物質を含んでいてもよいし、又は有機色素を含んでいてもよい。更なる実施形態では、レンズ反応混合物は、エタフィルコンであってもよいし、又はシリコーン系であってもよい。
【0014】
一実施形態において、選択的に重合したレンズ特徴部反応混合物は所定の形状を形成し、これは、代替的に、基準マーカー、幾何学的パターン、絵、ロゴ、数字マーキング、バーコード、英数字パターン、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示に従ってコンタクトレンズを形成するのに有用な先行技術の装置を示す図である。
【
図2】本開示に従ってコンタクトレンズを形成するための1つの方法を示すフローチャートである。
【
図4a】本発明に従って形成することができる様々な例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを示す図である。
【
図4b】本発明に従って形成することができる様々な例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを示す図である。
【
図4c】本発明に従って形成することができる様々な例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを示す図である。
【
図4d】本発明に従って形成することができる様々な例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを示す図である。
【
図5a】本開示による例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズのそれぞれ平面図及び側断面図である。
【
図5b】本開示による例示的なレンズ特徴部を有するコンタクトレンズのそれぞれ平面図及び側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
用語集
本発明を目的とする本説明及び特許請求の範囲において、以下の定義が適用される様々な用語が使用され得る。
【0017】
「化学線」は、本明細書で使用される場合、化学反応を開始することができる放射線を指す。
【0018】
「DMD」は、本明細書で使用される場合、デジタルマイクロミラーデバイスであり、CMOS SRAM基板上に機能的に実装された移動可能なマイクロミラーのアレイであって、個々のミラーのオン/オフ制御を可能にするアレイからなる双安定空間光変調器である。それぞれのミラーは、反射光を誘導するために、ミラーの下のメモリセルにデータを読み込むことによって独立して制御され、ビデオデータのピクセルをディスプレイ上のピクセルに空間的にマッピングする。データは、ミラーの状態が+X度(オン)又は−X度(オフ)のいずれかである2進数方式で、ミラーの傾斜角を静電気的に制御する。現在のデバイスは、Xを、10度又は12度(公称)のいずれかにすることができる。オンのミラーによって反射される光は、次いで投影レンズを通過してスクリーン上に当たる。光は、反射されて暗視野を形成し、画像の黒レベルフロアを画定する。投影画像は、ミラーオンとオフ時間との間のグレースケール変調によって形成され、形成速度は、形成表面において異なる強度を形成し、その結果、位相厚さの変化を形成するのに十分速いものである。このDMDは、DLP投射システムと呼ばれることがある。
【0019】
「エタフィルコン」は、本明細書で使用される場合、反応混合物として用いてもよい典型的な材料を指し、典型的な材料は、おおよそ、約95% HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、1.97% MAA(メタクリル酸)、0.78% EGDMA(エチレングリコールジメタクリレート)、0.10% TMPTMA(トリメチロールプロパントリメタクリレート)−架橋剤、及び約1%光開始剤CGI 1700及び希釈剤−BAGE(グリセロールのホウ酸エステル)(米国特許第4,495,313号)を、反応性成分:希釈剤比52:48で含むことができる。
【0020】
「固定化放射線」は、本明細書で使用される場合、レンズ前駆体又はレンズを構成する本質的に全ての反応混合物の重合及び架橋のうちの1つ又は2つ以上に十分な化学線を指す。
【0021】
「流動性レンズ反応性媒体」は、本明細書で使用される場合、天然の形態、反応した形態、又は部分的に反応した形態のいずれかで流動性であり、更なる処理を受けて眼用レンズの一部へと形成される、反応混合物を意味する。
【0022】
「自由形成」、「自由形成された」又は「自由形成」は、本明細書で使用される場合、反応混合物の架橋によって形成され、注型成型に従って形状化されない表面を指す。
【0023】
「ゲル化点」は、本明細書で使用される場合、ゲル又は不溶性画分が最初に観測される点を指すものとする。ゲル化点は、液体重合混合物が固体となる、変換の程度である。ゲル化点は、ソックスレー実験を用いて決定することができる。すなわち、ポリマー反応を異なる時点で停止させて、結果として得られるポリマーを分析して、残存する不溶性ポリマーの重量分率を決定する。データは、ゲルが存在しない点まで外挿することができる。ゲルが存在しないこの点が、ゲル化点である。ゲル化点はまた、反応中の反応混合物の粘度を分析することによって決定され得る。粘度は、反応混合物がプレート間にある状態で、平行プレートレオメーターを使用して測定することができる。少なくとも1つのプレートは、重合に使用される波長の放射線に対して透明でなければならない。粘度が無限大に到達する点が、ゲル化点である。ゲル化点は、所与のポリマー系及び指定の反応条件について同じ変換度で生じる。
【0024】
「レンズ」は、本明細書で使用される場合、眼内又は眼上にある任意の眼科デバイスを指す。これらのデバイスは、光学補正を提供することができるか又は美容用であってもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、光学インサート、あるいはそれによって視力が矯正若しくは改善されるか又はそれによって眼の生理学的特性が視力を妨げることなく美容的に強調される(例えば、虹彩の色)ような他の同様のデバイスのことを指し得る。一部の実施形態では、本発明の好ましいレンズは、シリコーンエラストマー又はヒドロゲル(例えば、これらに限定されないが、シリコーンハイドロゲル、及びフルオロヒドロゲル)から作製されるソフトコンタクトレンズである。
【0025】
「レンズ前駆体」は、本明細書で使用される場合、レンズ前駆体形態及びレンズ前駆体形態と接触する流動性レンズ反応混合物からなる複合物体を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、流動性レンズ反応性媒体は、反応混合物の体積内でレンズ前駆体形態を作り出す過程で形成される。レンズ前駆体形態及び接着した流動性レンズ反応性媒体を、レンズ前駆体形態を生成するために使用される一定の体積の反応混合物から分離することによって、レンズ前駆体を作り出すことができる。更に、レンズ前駆体形態を異なる実体に変換することが、非流動性の組み込み材料への著しい量の流動性レンズ反応性媒体を取り除くことのいずれかによって可能である。
【0026】
「反応混合物」又は「RMM」(反応性モノマー混合物)は、本明細書で使用される場合、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科レンズを形成することができる、モノマー、又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態において、紫外線遮断剤、色彩剤、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科用レンズに望み得るその他の添加剤のような、1又は2以上の添加剤を有する、レンズ形成混合物を含むことができる。
【0027】
「ボクセル」は、本明細書で使用される場合、3次元空間の規則的な格子上の値を表す、体積要素である。ボクセルは、3次元ピクセルと見なすことができるが、ピクセルが2D画像データを示す一方、ボクセルは、第3の次元を含む。更に、ボクセルは、医療及び科学的データの視覚化並びに分析にしばしば使用される一方、本発明では、ボクセルは、特定の体積の反応混合物に到達する、ある量の化学放射線の境界を画定するために使用される。例として、ボクセルは、本発明では、2D成形型表面に対して等角である単一層内に存在すると見なされる。化学線は、2D表面に対して垂直に、各ボクセルの共通軸次元内に向けられ得る。一例としては、768×768ボクセルにより特定の体積の反応混合物を架橋又は重合してもよい。
【0028】
「ボクセルに基づいたレンズ前駆体」は、本明細書で使用される場合、レンズ前駆体形態がボクセルに基づいた形成技術を用いることによって形成されたレンズ前駆体を意味する。
【0029】
米国特許第8、317、505号に詳細に説明されているように、特注レンズを、ボクセルに基づいた形成方法及び技術を使用して形成することができる。そこに記載されているように、かかる装置は、非常に均一な強度の放射線を照射して、成形オプティック180(
図1参照)の表面上の成形オプティック表面にわたる多数の別個の点での照射を制御する。成形オプティック180を反応混合物の体積内に位置付け、形成オプティクの表面上への照射を制御することで、各離散点において樹脂を硬化する深さが制御され、成形オプティックの光学的品質の凸状表面に対して所望の形状が本質的に「成長する」。
【0030】
より具体的に、
図1を参照して、成形装置100は、化学線源(例えば光源)120から機能的に始まる。ここでは、発生した光は、規定された波長帯域にあるが強度及び方向が多少空間的に変動する光として現れる。要素130、つまり空間的強度コントローラ又はコリメータは、光を集光、拡散、及びいくつかの実施形態では平行化して、強度が極めて均一な光のビーム140を生成する。更に、いくつかの実施形態では、ビーム140はDMD 110に衝突する。DMD 110はビームを強度のピクセル要素に分割する。各ピクセル要素にデジタルのオン又はオフ値を割り当てることができる。実際には、それぞれのピクセルのミラーは、光を、2つの経路のうちの1つに単に反射する。「オン」経路、つまりアイテム150は、反応性化学媒体に向かって進行する光子に導く経路である。反対に、いくつかの実施形態では、「オフ」状態は、図示したアイテム116及び117間にある異なる経路に沿って反射されている光を含む。この「オフ」経路は、光子を、それに向けられるいかなる光子も吸収し取り込むように綿密に作られたビームダンプ115に衝突するように向ける。「オン」経路の参照に戻ると、この経路に向けられる光は実際には、「オン」値に設定され、それらのピクセル位置に対応する適切な個々の経路に沿って空間的に向けられる、多くの異なる潜在的なピクセル値を含む。各ピクセル要素のその対応する経路に沿った時間平均強度は、DMDミラー110によって画定される空間的格子にわたる空間的強度プロファイル160として示すことができる。あるいは、それぞれのミラーに衝突する一定の強度で、アイテム160は、空間的時間暴露プロファイルを示し得る。
【0031】
オン状態の連続するそれぞれのピクセル要素は、それらの経路150に沿って向けられる光子を有する。いくつかの実施形態では、ビームをフォーカシング素子によってフォーカスしてもよい。例として、
図1において、ボクセルに基づくシステム100が示す実施形態では、光路150は、それらが成形オプティック180の表面に本質的に垂直に衝突するように描写されている。ここで、描写された光は、成形オプティクスを通って、反応混合物をリザーバ190内にそして成形オプティック180の周りに含む空間の体積内へと進む。この体積内の光子は、吸収されて、それを吸収する分子内の化学線による反応を促進し、この概略周辺内のモノマーの重合状態変化をもたらし得る。各ピクセルにおける照射の時間及び/又は強度を選択的に制御することによって、リザーバ190内の反応レンズ混合物(302、
図3を参照)の硬化深さを制御することができ、成形オプティックの凸状表面に隣接して生成される形状の完全な制御がボクセル単位で本質的に得られ、レンズ前駆体が形成される。
【0032】
これが、この一般的な方法で、ボクセルに基づいた成形の特定の一実施形態が機能すると理解することができるものである。この実施形態の種々の構成要素の種々の更なる詳細、及び構成要素に対する代替案が、先行技術、例えば米国特許第8、317、505号に詳細に説明されている。更に、前述の特許にはDMDデバイスが詳細に記載されているが、選択的に制御可能な任意の好適な化学線源を使用することができる。
【0033】
本発明によって、前述したボクセル単位の形成に基づく技術を利用して、レンズ特徴部をコンタクトレンズに一体化する新規で改良された方法を提供する新規で有用な手段が提供される。
【0034】
ここで
図2を参照して、本開示方法を、種々の数の目的(例えば、基準マーカー又は他の任意の美容パターンの形成、レンズ識別マーキング、又は他の目的)のいずれか1つに対してコンタクトレンズ内又は上にフルオレセインレンズ特徴部を選択的に一体化することに特に関連して、以下で詳細に説明する。自由形式の技術及び方法を、好ましい一実施形態において、第1のステップ202として利用して、第1の反応混合物が得られ、また第1の反応混合物は、コンタクトレンズ内又は上に一体化されることが望ましい材料であって、所望のレンズ特徴部を形成する材料(「レンズ特徴部反応混合物」)を組み込んで形成される。一実施形態において、レンズ特徴部反応混合物としては、蛍光剤、例えばフルオレセインが挙げられる。
【0035】
レンズ特徴部反応混合物を次に、適切に成形されたリザーバ302内に置いて(ステップ202)、成形オプティック180を次に、レンズ特徴部反応混合物302に浸漬する(204)。これについては
図3に詳細に示す。適切に浸漬されると、レンズ特徴部反応混合物を、ボクセル単位で自由形式方式で選択的に硬化して、成形オプティック180の凸状の光学的品質表面に対してレンズ特徴部反応混合物の選択的な重合を促進することができ、それによって、所望のレンズ特徴部の形状及び構成を形成することができる(ステップ206)。
【0036】
選択的な重合をボクセル単位で制御することによって、任意の所望のレンズ特徴部を形成することができる。例えば、例えば、
図4aに例示するもののような単純な基準マーク402、404を形成することができる。
図4bに例示するのは、コンタクトレンズ内又は上の、光学的ゾーン内又は外の任意の位置に一体化することができる例示的なロゴ406である。任意のこのようなロゴを形成し、例えば、任意の種類のスポーツチーム又は大学のロゴを有するノベルティレンズ(すなわち、必ずしも視力補正特性がないレンズ)とすることができる。更に、
図4cに示されるように、任意の美容パターン408を補正又は非補正レンズ内又は上に組み込むことができる。
図4dに例示するのは、代表的な識別マーク410を有するレンズである。例示したマーキングは数字であるが、非数字マーキング、例えばバーコード、データマトリックスなどが、本明細書に記載される方法を用いてやはりレンズ内に組み込むことができるレンズ特徴部であり、このようなマーキングの任意の組み合わせもそうである。当業者であれば容易に分かるように、ボクセルに基づく自由形式技術を用いて任意の形状又は構成のレンズ特徴部を形成することができる。更に、非円形レンズを代表的な実施形態として図面に例示しているが、任意の好適なレンズ形状(円形又は他のもの)を使用することができる。
【0037】
好ましい実施形態では、レンズ特徴部反応混合物の選択的な重合は、所望の位置における重合の厚さが、最終製品において十分に見える任意の所望の厚さまで達するように具体的に設計する。更に、様々な厚さの重合したレンズ特徴部反応混合物をレンズ特徴部にわたって選択的に実施して、様々な視覚効果を実現することができる。
【0038】
好ましくは、成形オプティックを完全に取り出したら、少なくとも部分的に重合したレンズ特徴部反応混合物に硬化のための追加時間を与えない。代わりに、成形オプティックを、第2の反応混合物を含む第2のリザーバ(別個に例示してはいないが、
図3に示すリザーバ302と同様の性質である)内にすぐに浸漬する。第2の反応混合物は、この場合、残りのレンズを形成する材料(「レンズ反応混合物」)210である。一実施形態において、レンズ反応混合物はエタフィルコンである。
【0039】
適切に浸漬させたら、レンズ特徴部反応混合物に対して前述したように、レンズ反応混合物をボクセル単位で自由形式方式で選択的に重合する(212)。この方式では、重合したレンズ反応混合物が表面にわたって(例えば、以前に重合及び部分的に重合したレンズ特徴部反応混合物にわたって及びその周りに)成長する。第2の選択的重合ステップ(212)の後、成形オプティックをリザーバから取り出し(214)、反転させ(216)、そして好ましくは4分間安定させる(218)。安定させた後、わずかでも残っている流動性レンズ特徴部反応混合物を固定放射線にさらして(220)、最終的な完成コンタクトレンズを形成する。
【0040】
図5a及び5bは、前述の方法により形成された典型的なレンズの平面図及び断面側面である。レンズ500には、光学的品質の凹状の後方表面502であって、装着したときに患者の眼と接触する表面であり、製造中に成形オプティックの凸状の光学的品質表面と接触する表面である後方表面502と、対向する前方の凸状表面504と、が含まれる。前方及び後方の表面は、レンズの外周を画定するレンズ縁部512に沿って共に接合する。例示の実施形態には、第1及び第2のしるし又はマーカー506、508であるレンズ特徴部が含まれている。しるし又はマーカー506、508は、この場合、前述したようなフルオレセイン混合物(又は何らかの他の適合性のあるインク、顔料、又は色素)から構成され、眼上のレンズの向きを判断することを目的としている。
図5bに例示し、前述したように、第1及び第2のしるし506、508は、第1の選択的重合ステップにおいてレンズ特徴部反応混合物から形成され、後方表面502から内側にレンズ内の所定の深さまで延びている。これは、前述したように選択的重合ステップの間に制御される。レンズ510の残りは、重合したレンズ反応混合物で形成されている。本明細書に記載したように選択的に重合すると、レンズ反応混合物とレンズ特徴部反応混合物とは、共有結合して連続レンズ構造を形成する相互貫入ネットワークを形成する。この形成技術によって、水和及び他の間にマーキング剤の層間剥離又は浸出が起こることが防がれる。
【0041】
本明細書で記載したプロセス及び得られる製品は、両側に光学的品質表面を有する製品においてレンズ特徴部が一体化されている。レンズ表面にしるし又はマーキングを適用する多くの既知の塗布方法は、光学的品質表面の整合性(したがって、フィット性及び快適性)に悪影響を及ぼす。例えば、スクライビング等、又は別個のプロセス(例えば、インクジェット印刷)によるこのようなマーキングの適用は、くぼみ、隆起表面等を有する準最適な品質の表面をもたらす。
【0042】
レンズ内にマーキングを埋め込む他の既知の方法は、レンズ層間に埋め込みを行なうため、層がより分離しやすくなり、レンズ層の一体性に悪影響を及ぼす。逆に、本明細書に記載した方法により形成したレンズにおいて、レンズ特徴部は、残りのレンズ材料と高度に一体化されて共有結合している。なぜならば、最初の選択的重合ステップに続いて、レンズ特徴部反応混合物は完全に硬化されていないが、むしろゆるく結合しており、そのため、第2の選択的重合ステップの間にレンズ反応混合物と相互作用して、共有結合を介して化学的に架橋するからである。更に、本発明による選択的な重合方法はマスキング(又は任意の他の同様な技術及び付随する複雑性)を行なう必要がない。
【0043】
上記の実施形態では、レンズ特徴部をレンズの後方凹状光学的表面上に配置しているが、本明細書に記載した方法は、レンズ特徴部をレンズ内に又はレンズの前方凸状表面上に完全に埋め込むように容易に適合させることができる。例えば、後者の場合、プロセスを単に逆にして、レンズ反応混合物の選択的重合を最初に行なって、レンズ特徴部反応混合物の選択的重合を2番目に行なう。同様に、第3のステップを導入して、レンズ特徴部をレンズ内に完全に埋め込むことができる。この場合、レンズ反応混合物の選択的重合を第1のステップで行ない、続いて、レンズ特徴部反応混合物の体積内で選択的重合を行ない、続いて第3のステップとして、レンズ反応混合物の体積内で再度選択的重合を行なう。
【0044】
本明細書では特定の材料について詳細に説明してきたが、当業者であれば容易に分かるように、任意の好適なレンズ反応混合物及び/又はレンズ特徴部反応混合物を本発明に従って用いても良い。例えば、シリコーン誘導体をレンズ反応混合物に用いてもよく、任意の好適な有機色素等をレンズ特徴部反応混合物に用いてもよい。同様に、記載したレンズを製造する方法及びこれらの方法を実施する典型的なデバイスの例示的な実施形態を、添付図面を参照して本明細書で説明してきたが、本発明はこれらの厳密な実施形態に限定されるわけではなく、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、当業者によって本明細書において様々なその他の変更及び修正が達成され得ることを理解されたい。本発明の範囲又は趣旨は本明細書の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) 自由形式コンタクトレンズであって、
凹形状を有する後方光学的品質表面と、
凸形状を有する対向する前方表面であって、前記前方及び後方表面は、前記コンタクトレンズの外周を画定するレンズ縁部において接合する、前記前方表面と、
所定の形状を有し、第1の重合反応混合物から構成される少なくとも第1のレンズ特徴部と、を含み、
前記コンタクトレンズの残りは、前記第1の重合反応混合物とは異なる第2の重合反応混合物から構成され、前記第1の重合反応混合物と前記第2の重合反応混合物とは共有結合している、コンタクトレンズ。
(2) 前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記後方光学的表面から前記コンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記後方表面に沿う以外で前記第2の重合反応混合物によって完全に囲まれている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(3) 前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記第2の重合反応混合物によって完全に囲まれている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(4) 前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面から前記コンタクトレンズ内の所定の深さまで延び、前記少なくとも第1のレンズ特徴部は、前記前方表面に沿う以外で前記第2の重合反応混合物によって完全に囲まれている、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(5) 前記第1又は第2の反応混合物は蛍光物質を含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
【0046】
(6) 前記蛍光物質はフルオレセイン成分を含む、実施態様5に記載のコンタクトレンズ。
(7) 前記第1又は第2の反応混合物は有機色素を含む、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(8) 前記第1又は第2の反応混合物はエタフィルコンである、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(9) 前記第1又は第2の反応混合物はシリコーン系である、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(10) 前記少なくとも第1のレンズ特徴部は基準マーカーである、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
【0047】
(11) 前記少なくとも第1のレンズ特徴部は幾何学的パターンである、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(12) 前記幾何学的パターンは絵である、実施態様11に記載のコンタクトレンズ。
(13) 前記幾何学的パターンはロゴである、実施態様11に記載のコンタクトレンズ。
(14) 前記幾何学的パターンは数値マーキングである、実施態様11に記載のコンタクトレンズ。
(15) 前記幾何学的パターンはバーコードである、実施態様11に記載のコンタクトレンズ。
【0048】
(16) 前記幾何学的パターンは英数字パターンである、実施態様11に記載のコンタクトレンズ。
(17) 前記少なくとも1つのレンズ特徴部は前記レンズの光学的ゾーンの外側に位置する、実施態様1に記載のコンタクトレンズ。
(18) 少なくとも1つのレンズ特徴部を有するコンタクトレンズを形成するための方法であって、
レンズ特徴部反応混合物と、前記レンズ特徴部反応混合物とは異なるレンズ反応混合物とを得ることと、
成形オプティックの少なくとも凸状の光学的品質表面を、前記レンズ特徴部反応混合物を収容するリザーバ内に浸漬させることであって、前記凸状の光学的品質表面は、前記コンタクトレンズの後方表面を画定する、浸漬させることと、
化学線を、前記成形オプティックを通して、前記レンズ特徴部反応混合物のリザーバ内に印加することと、
前記印加した化学線を選択的に制御して、前記レンズ特徴部反応混合物の一部を、前記成形オプティックの少なくとも第1の所定の部分に沿ってボクセル単位で選択的に重合又は部分的に重合することと、
前記レンズ特徴部反応混合物のリザーバから前記成形オプティックを取り出すことと、
前記成形オプティックの少なくとも前記凸状の光学的品質表面と、付着したレンズ特徴部反応混合物とを、前記レンズ反応混合物のリザーバに浸漬することと、
化学線を、前記成形オプティックを通して、前記レンズ反応混合物のリザーバ内に印加することと、
前記印加した化学線を選択的に制御して、前記レンズ反応混合物の一部を、ボクセル単位で選択的に重合又は部分的に重合することであって、前記選択的に重合又は部分的に重合したレンズ反応混合物は、前記成形オプティックの前記所定の部分に隣接する以外で前記重合又は部分的に重合したレンズ特徴部反応混合物を完全に包囲する、重合することと、
前記レンズ反応混合物から前記成形オプティックを取り出すことと、
固定化放射線を印加して前記コンタクトレンズを形成することと、を含む方法。
(19) 前記レンズ特徴部反応混合物は、前記レンズ反応混合物と共有結合する、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記レンズ特徴部反応混合物は蛍光物質を含む、実施態様19に記載の方法。
【0049】
(21) 前記蛍光物質はフルオレセイン成分を含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記レンズ特徴部反応混合物は有機色素を含む、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記レンズ反応混合物はエタフィルコンである、実施態様19に記載の方法。
(24) 前記レンズ反応混合物はシリコーン系である、実施態様19に記載の方法。
(25) 前記選択的に重合したレンズ特徴部反応混合物は所定の形状を形成する、実施態様19に記載の方法。
【0050】
(26) 前記所定の形状は基準マーカーである、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記所定の形状は幾何学的パターンである、実施態様25に記載の方法。
(28) 前記幾何学的パターンは絵である、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記幾何学的パターンはロゴである、実施態様27に記載の方法。
(30) 前記幾何学的パターンは数値マーキングである、実施態様27に記載の方法。
【0051】
(31) 前記幾何学的パターンはバーコードである、実施態様27に記載の方法。
(32) 前記幾何学的パターンは英数字パターンである、実施態様27に記載の方法。