(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バイオリアクタは、光バイオリアクタであり、及び前記制御パラメータは、前記バイオリアクタの内部活動に関連するパラメータを含み、前記パラメータは、pH、温度、濁度、前記バイオリアクタの前記培地中において計測される導電度、及び前記バイオリアクタの前記培地によって受け取られる光束から選択される1つ又は複数のデータを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
前記バイオリアクタは、前記リアクタの前記活動を制御するための遠隔制御可能なアクチュエータ及び/又は計測センサを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
1つの且つ同一の下水処理ネットワークに接続された複数のバイオリアクタに関連するデータを受け取るステップを含み、前記下水処理ネットワークは、1つ又は複数のバイオガス生成プラントに潜在的に接続されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載にプロセス。
前記バイオリアクタの地理的場所データ、前記下水処理ネットワークの前記状態に関連するデータ、及び/又は前記バイオリアクタに水を供給する前記ネットワークの前記状態に関連するデータ、及び/又はバイオガス生成の状態に関連するデータに従って前記複数のバイオリアクタを制御するステップを含む、請求項11に記載のプロセス。
バイオリアクタ、空気入口、及び空気出口を含み、前記バイオリアクタは、前記バイオマスの少なくとも一部分を排出するための下水処理ネットワークに接続されるように構成されている、請求項14に記載のシステム。
前記水供給ネットワークと前記下水処理ネットワークとの間の流体的隔離を維持する、前記バイオリアクタを排出するためのシステムを更に含む、請求項17又は18に記載のシステム。
前記排出システムは、少なくとも2つのリザーバと、遠隔制御可能な電気的に制御された弁とを含み、前記リザーバは、前記水供給ネットワークと前記下水処理ネットワークとの間の流体的隔離を維持するように交互に排出されるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
pHメータ、内部温度計、外部温度計、酸素計測プローブ、レベルセンサ、前記培地の前記導電度を計測するための導電度センサ、前記バイオリアクタ及び/又は大気の前記空気中のCO2のレベルを計測するためのセンサ、前記バイオリアクタのエリア及び/又は前記大気中のO2のレベルを計測するためのセンサ、並びに前記バイオマスの前記培地内の分解されたCO2を計測するためのセンサから選択される1つ又は複数のセンサを含む、請求項14〜23のいずれか一項に記載のシステム。
前記バイオリアクタは、入口及び/又は出口空気流量を制御するための、且つ/又は前記リアクタの前記バイオマスを撹拌するための、且つ/又は自然及び/若しくは人工光の流入を制御するための、且つ/又は前記温度を制御するための1つ又は複数のアクチュエータを更に含む、請求項14〜24のいずれか一項に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一般的な原理は、生化学リアクタを環境内に配置するステップと、例えば、その内部に物質及び/又はエネルギーを注入することにより、このリアクタ内で発生する生化学反応を制御するステップと、リアクタ内における生化学処理後、変換された物質及び/又はエネルギーを直接的又は間接的に回収するステップとを含む。リアクタからの生化学物質の少なくとも一部分は、ネットワーク120(例えば、公衆下水処理ネットワーク)内に導かれる。複数のリアクタから構成されたバンク又はネットワークの管理は、様々なモードに従って制御することができる。
【0025】
本発明によるシステム及びプロセスは、いくつかの変形形態に分類することができる。変形形態は、特に、リアクタの数及びタイプ、リアクタの副産物のタイプ並びに捕捉及び/又は放出表面、例えば、限定を伴うことなく、公衆下水処理ネットワークなどの1つ又は複数のネットワークに対する接続のタイプ、複数の少なくとも部分的に相互接続されたリアクタから構成されたネットワークを制御するモード、設備の概略的なサイズ(ミリメートルのスケールから超高層ビルタイプの大規模な設備まで)などを含む。
【0026】
以下では、様々な実施形態について説明する。
【0027】
バイオリアクタを含む空気浄化システムを制御するコンピュータ実装プロセスが開示され、プロセスは、1つ又は複数の汚染物質及び/又は粒子の一部分を少なくとも部分的に除去する水及びバイオマスを収容するバイオリアクタの入口及び出口において、空気ストリーム中の1つ又は複数の汚染物質及び/又は粒子の濃度のレベルの計測値を受け取るステップと、受け取られた濃度レベル計測値を含む制御パラメータに従って、バイオリアクタから、バイオリアクタに接続された下水処理ネットワーク内に排出されるバイオマスの容積を判定するステップとを含む。
【0028】
一発展形態では、プロセスは、バイオマスの前記判定された容積を前記下水処理ネットワーク内に排出するステップを更に含む。
【0029】
一発展形態では、プロセスは、例えば、排出後、所定容積の水をバイオリアクタ内に再導入するステップを含む。また、組み合わせられた水/バイオマスの排出前に新鮮な水を導入することもできる。
【0030】
水の供給(バイオリアクタの入口)及びバイオマスの除去(バイオリアクタの出口)は、相互に依存する変数である(即ち、関連付けられ得るか又は一緒に管理され得る)。いくつかの実施形態では、新鮮な水は、ネットワークから追加されず、統合されたタンクからのみ追加される。いくつかの実施形態では、更なるフィルタが培地のほとんどすべての水をリフレッシュすることを可能にする。いくつかの実施形態では、除去されたバイオマスの容積は、新鮮な水の均等な容積によって補償される。
【0031】
下水処理ネットワークは、公衆ネットワーク(即ち、下水システム)であり得、又は個人用ネットワーク(例えば、工業用ネットワーク)であり得る。
【0032】
バイオリアクタは、空気中に存在している特定の化学化合物、特に1つ又は複数の汚染物質及び/又は有毒な若しくは危険な粒子を除去することにより(即ち、フィルタによって除去することにより、且つ/又は固定することにより、且つ/又は沈殿によって除去することにより、且つ/又は代謝することにより)、(大気、周囲、工業用、都市、家庭などの)空気を処理できる様々な微生物物質を収容することができる。
【0033】
空気の浄化又は処理の効率を最適な状態に維持するために、即ちバイオリアクタ内における代謝を最適な状態に維持するために、特定の時点で、特定の割合で、且つ特定の慎重に選択される条件下で空気を部分的に排出することが有利である。
【0034】
(大気中の)汚染物資は、予め定義された閾値との関係で超過状態にある化学物質である。
【0035】
汚染物質は、1つ又は複数の予め定義された閾値を超えた場合、及び多くの場合に特定の条件未満でも(相乗作用)、生物のすべて又は一部分に対して、生態系に対して、又は環境全般に対して悪影響をもたらす物理的又は化学的な生物学的変質剤である。汚染物質は、いくつかの場合、生態系(空気、水、土)及び/又は生物(例えば、人類)の1つ又は複数のコンポーネントの汚染物として、又は予め定義された閾値又は(科学的且つ/又は法的な)基準を超えた場合に生態系に対して悪影響を有するものとして定義され得る。
【0036】
汚染物質は、所与の環境内に異常状態で存在し、その特性が可変であり得る(これらは、土、液体、又は気体であり得る)。汚染物質は、「マイクロ汚染物質」、即ち(μg/l以下のレベルの)非常に低い濃度で有毒である活性(有機又は無機)生成物であるか、又は「マクロ汚染物質」、即ち異常な濃度で環境内に存在し且つ生物に対して悪影響を有する、その起源が自然のものであり得るか若しくはそうでなくてもよい物質又は分子であり得る。
【0037】
「粒子状物質」という用語は、地球の大気中において浮遊する粒子を意味する。現在、粒子状物質は、全体として人間の発癌物質に分類されている。
【0038】
本発明によるプロセス又はシステムによって取り扱うことができる且つ/又は取り扱われる汚染物質及び/又は粒子の非限定的なリストは、特に、二酸化硫黄(SO
2)、二酸化窒素(NO
2)を含む窒素酸化物(NO
x)、微小粒子PM
10、PM
2.5、一酸化炭素(CO)、ベンゼン(C
6H
6)、ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、ベンゾ[a]ピレン(BaP)などの多環芳香族炭化水素(PAH)、並びに更に一般的には温室効果ガス(例えば、二酸化炭素CO
2、超酸化オゾンO
3、酸化窒素N
2O、六フッ化硫黄SF
6、及びCFCを含むハロカーボン)を含む。
【0039】
また、空気の生物学的処理は、例えば、メルカプタン及び硫化水素などの臭気有機分子を捕捉するバクテリアを使用する臭気除去にも関し得る。
【0040】
一発展形態では、バイオリアクタは、前記バイオリアクタの培地を供給するための水供給ネットワークに接続されている。
【0041】
水の供給(バイオリアクタの入口)及びバイオマスの除去(バイオリアクタの出口)は、独立的な変数である(即ち、関連付けられ得るか又は一緒に管理され得る)。いくつかの実施形態では、新鮮な水は、ネットワークから追加されず、統合型のタンクのみから追加される。いくつかの実施形態では、更なるフィルタが培地の水のほとんどすべてのリフレッシュを可能にする。いくつかの実施形態では、除去されたバイオマスの容積は、新鮮な水の均等な容積によって補償される。
【0042】
一発展形態では、浄化される空気は、大気空気、特に都市環境における大気空気である。1つ又は複数のリアクタの地理的場所は、空気の処理を最適化するように最適化され得る。
【0043】
一発展形態では、少なくとも1つの汚染物質は、大気空気中の気体汚染物質、好ましくは温室効果ガスCO
2(即ち、特定の自然の及び/又は法的な閾値を超過した状態にあるもの)である。
【0044】
特定の1つの場合、本発明は、カーボンシンクからなり得る。
【0045】
このような場合、CO
2レベルは、(連続に、定期的に、間欠的に又は便宜的に、即ちイベント時に)入口及び出口で計測される。CO2の固定が減速した場合、例えば、過剰なバイオマスが存在していると判定され得、この場合、バイオマスの一部分が除去され、且つ/又は新鮮な水が培地に追加される。
【0046】
一発展形態では、バイオリアクタは、光バイオリアクタであり、及び制御パラメータは、バイオリアクタの内部活動に関連するパラメータを含み、これらのパラメータは、pH、温度、濁度、バイオリアクタの培地中において計測される導電度、及びバイオリアクタの培地によって受け取られる光束から選択される1つ又は複数のデータを含む。
【0047】
一発展形態では、制御パラメータは、バイオリアクタの外部のデータを更に含み、これらの外部データは、下水処理ネットワークの状態に関連するデータ及び/又はバイオリアクタに水を供給するネットワークの状態に関連するデータを含む。
【0048】
バイオリアクタの外部のデータは、システムの入口(水)及び出口(下水処理)に関係するデータを含む。下水処理ネットワークに関係するデータは、水/スラッジレベルに関するデータ、保守データ、地勢、地形、又はマップデータなどを含む。バイオリアクタに水を供給するネットワークの状態に関連するデータは、水質に関するデータ、圧力、流量、保守データなどを含む。
【0049】
一発展形態では、制御パラメータは、下水処理ネットワーク内に存在している汚水のレベルの計測データを含む。また、「汚水のレベル」という表現は、「循環する廃水のレベル」又は「スラッジのレベル」を意味する。
【0050】
一発展形態では、制御パラメータは、計測データ及び/又は天気予報を含む。
【0051】
気象データは、下水システムレベルにおける直接的な又は少なくとも間接的な結果を含み得る。高いスラッジレベル(豪雨)は、排出されるバイオマスを運び去る容量を増大させる傾向を有することになる。但し、高いレベルは、多くの場合、下流の処理プラントの負荷を過大にし、これより、一般にはレベルが下水処理ネットワーク内において低い際、バイオリアクタの排出を望ましいものにし得る。
【0052】
一発展形態では、プロセスは、排出されるバイオマスの容積を判定するための管理規則を更に含む(排出される容積は、例えば、ファジー論理又はエキスパートシステムに従って管理規則を適用することにより判定される)。
【0053】
管理規則は予め定義され得る。これらは、全体的に又は部分的に遠隔変更の能力を有することができる。規則によれば、特に、例えば成長サイクルを最適化するために、又は必要に応じて活動を停止するためにバイオマス(光の流入、水の提供、栄養物の提供など)を管理することができる。規則は、静的な且つ/又は不変なものであり得る。規則は、動的なものであり得る(例えば、連結型の規則)。
【0054】
一発展形態では、バイオリアクタは、リアクタの活動を制御するために遠隔制御可能なアクチュエータ及び/又は計測センサを含む。
【0055】
一発展形態では、プロセスは、1つの且つ同一の下水処理ネットワークに接続された複数のバイオリアクタに関連するデータを受け取るステップを含み、この下水処理ネットワークは、1つ又は複数のバイオガス生成プラントに潜在的に接続されている。
【0056】
一発展形態では、複数のバイオリアクタは、バイオリアクタの培地を供給するための1つの且つ同一の水供給ネットワークに接続されている。
【0057】
1つの且つ同一の下水処理ネットワークに接続された複数のバイオリアクタは、ネットワーク又はグリッドを構成する。バイオリアクタは、地理的に配置され、それらの個々の地理的な配置は、判定されるか又は判定され得る。全体として監視されるか又はピアツーピアネゴシエーションによるかを問わず、所与のバイオリアクタの隣接する状態は既知であり得る。
【0058】
一発展形態では、プロセスは、前記バイオリアクタの地理的配置データ、下水処理ネットワークの状態に関連するデータ、及び/又はバイオリアクタに水を供給するネットワークの状態に関連するデータ、及び/又はバイオガス生成の状態に関連するデータに従って複数のバイオリアクタを制御するステップを含む。
【0059】
バイオリアクタのグリッドの制御は、特に多目的最適化のステップを含み得、目的は、1つ又は複数のバイオリアクタ、及び/又は下水処理ネットワーク、及び/又は水供給ネットワーク、及び/又は下流のバイオガス生成に関連付けられる。
【0060】
バイオリアクタのグリッド又はネットワークを制御するプロセスは、特に、1つ又は複数のバイオリアクタによる大気からのCO
2の固定の極大を目的とするものであり得る。また、1つ又は複数のバイオリアクタから排出されたバイオマスからのバイオガスの生成の極大化を補助的に追及することも可能である。
【0061】
一発展形態では、1つ又は複数のバイオリアクタを最適化するための目的又は基準は、1つ又は複数のバイオリアクタによる環境内の1つ又は複数の予め定義されたタイプの物質(汚染物質/粒子)の隔離、1つ又は複数のバイオリアクタ内に存在しているバイオマスの成長の定性的且つ/又は定量的な状態、1つ又は複数のバイオリアクタからの予め定義された固体又は液体タイプの物質の気体状の排出又は放出を極小化、最大化、又は最適化するステップを含む。
【0062】
一発展形態では、バイオリアクタから下水処理ネットワーク内への物質の放出を最適化するための基準は、外部の天気予報データを考慮するステップを含み、これらのデータは、特に雨量計測、温度、及び日照データを含む。
【0063】
コンピュータプログラム製品が開示され、前記コンピュータプログラムは、前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、プロセスのステップの1つ又は複数を実行するためのコード命令を含む。
【0064】
プロセスの1つ又は複数のステップを実装するための手段を含む空気処理システムが開示される。
【0065】
一発展形態では、システムは、バイオリアクタ、空気入口、及び空気出口を含み、バイオリアクタは、バイオマスの少なくとも一部分を排出するための下水処理ネットワークに接続されるように構成されている。
【0066】
リアクタは、都市環境内に固定及び設置され得るが、これは、着脱可能及び/又は一時的なものであり得る。これは、下水処理ネットワークに対する接続に適しているが、(例えば、過剰な)バイオマスを排出するための更なる手段を含み得る。
【0067】
一発展形態では、バイオリアクタは、光合成微生物を含む光バイオリアクタである。
【0068】
水中において浮遊する光合成微生物は、光合成バクテリア、及び/又はシアノバクテリア、及び/又は真核性微小藻類、及び/又は多細胞植物から隔離された細胞、及び/又は大型藻類配偶体、及び/又はコケ原糸体であり得る。いずれにしても、バイオマスを収容しているリザーバ、タンク、又はコンテナは、光に対して少なくとも部分的に透明である(一般には、ガラス又は透明若しくは半透明なプラスチックから製造される)。
【0069】
一発展形態では、バイオリアクタは、バイオリアクタの培地を供給するための水供給ネットワークに接続されている。
【0070】
一発展形態では、水供給ネットワークは、前処理済み非飲用都市用水供給ネットワークである。
【0071】
本発明によるリアクタは、その入口において水供給ネットワークに接続される必要性がまったくなく、本発明によるリアクタは、水によって「予め充填」することができる。有利には、これを接続することが可能であり得、且つ/又はこれは水供給ネットワークに接続され得、この水供給ネットワークは、飲用水供給ネットワーク及び/又は非飲用都市用水供給ネットワーク(前処理されたセーヌ川の水)であり得る。
【0072】
一発展形態では、システムは、水供給ネットワークと下水処理ネットワークとの間の流体的隔離を維持する、バイオリアクタを排出するためのシステムを更に含む。
【0073】
一発展形態では、排出システムは、少なくとも2つのリザーバと、遠隔制御可能な電気的に制御された弁とを含み、リザーバは、水供給ネットワークと下水処理ネットワークとの間の流体的隔離を維持するように交互に排出されるように構成されている。
【0074】
一発展形態では、バイオリアクタは、加熱ネットワーク及び/又は冷却ネットワークに接続されている。
【0075】
一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、バイオリアクタの温度を制御する装置を含む。バイオリアクタの温度は、特に熱交換器、及び/又は加熱ネットワーク、及び/又は加熱機器により制御することができる。
【0076】
熱交換器を使用することができるが(ガスクーラー又は加熱装置)、有利には、本発明によるシステムは、加熱ネットワーク(都市加熱ネットワーク又は個人用若しくは工業用加熱ネットワーク)又は冷却ネットワークなどの既存のインフラストラクチャと結合される。加熱ネットワークは、(例えば、個人用又は公的な)ストリームネットワークであり得、又は地熱ネットワークであり得る。冷却ネットワークは、加熱ネットワークと均等であるが、カロリーではなく「フリゴリー」の搬送及び分配に専用である。
【0077】
一発展形態では、システムは、バイオリアクタの活動を制御するための1つ又は複数の人工的光源を含む。
【0078】
任意選択により、本発明によるシステムは、バイオリアクタの活動を改善するための自然光の反射器及び/又はコンセントレータを含み得る。
【0079】
一発展形態では、システムは、1つ又は複数の人工的光源に電力を提供するための1つ又は複数の光起電パネルを含む。
【0080】
任意選択により、本発明によるシステムは、バイオリアクタの活動を改善するための自然光の反射器及び/又はコンセントレータを含み得る。
【0081】
一発展形態では、システムは、pHメータ、内部温度計、外部温度計、酸素計測プローブ、レベルセンサ、培地の導電度を計測するための導電度センサ、バイオリアクタ及び/又は大気の空気中のCO
2のレベルを計測するためのセンサ、バイオリアクタ及び/又は大気の空気中のO
2のレベルを計測するためのセンサ、並びにバイオマスの培地中の分解されたCO
2を計測するためのセンサから選択される1つ又は複数のセンサを含む。
【0082】
一発展形態では、バイオリアクタは、入口及び/又は出口空気流量を制御するための、且つ/又はリアクタのバイオマスを撹拌するための、且つ/又は自然及び/若しくは人工光の流入を制御するための、且つ/又は温度を制御するための1つ又は複数のアクチュエータを更に含む。「制御するための」という用語は、特に「調整/調節可能である」ことを意味する。
【0083】
一発展形態では、バイオリアクタの入口及び/又は出口空気流量を(特に遠隔的に)制御又は構成することができる。特に、I/Oが遠隔に制御され得る。これらは、使用されるリアクタのタイプに応じて好気性及び/又は嫌気性の動作を可能にする。一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、1つ又は複数の換気装置を含む。これらの装置は、例えば、1つ又は複数のファン及び/又はコンプレッサを含む。
【0084】
一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、リザーバのバイオマスを撹拌するための1つ又は複数のアクチュエータを更に含む。
【0085】
一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、自然及び/又は人工光の流入を制御するのに適するか又は制御するように構成された1つ又は複数のアクチュエータを更に含む。本発明によるシステムは、例えば、シェード又はローラーブラインドを含み得る。また、微小藻類を曝露させるリザーバのガラス又は壁の不透明性を制御することもできる。
【0086】
一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、生物学的及び/又は化学的化合物のバイオリアクタ内への注入のための1つ又は複数のアクセスを含む。例えば、本発明によるシステムは、肥料、溶剤、添加剤、又は染料などの生成物のリアクタ内への注入を可能にするアクセスを含み得る。
【0087】
一発展形態では、本発明による接続されたバイオリアクタは、下水処理ネットワークとは独立している、バイオマスの少なくとも一部分を排出する手段を更に含む。過剰な、不要な、又は無効なバイオマスは、下水処理ネットワークを通過することなく(又は例えば一時的に、若しくはバックアップとしてこれのみを通過することなく)局所的に排出することができる。
【0088】
一発展形態では、システムは、バイオリアクタの活動が遠隔に制御されることを可能にする通信装置を更に含む。
【0089】
一発展形態では、システムは、バイオリアクタの活動が遠隔に制御されることを可能にする双方向通信装置を更に含む。
【0090】
バイオリアクタの活動は、特に、水の追加、排出されるバイオマス、光又は栄養物の量を管理することによって制御される。
【0091】
センサからのデータは、遠隔にアクセスされ得る。アクチュエータは、遠隔に制御され得る(特に水の追加、栄養物、太陽/自然光の流入の制御、バイオマスの撹拌、及び曝気によるバイオリアクタの活動の制御)。
【0092】
一発展形態では、システムは、複数のバイオリアクタを含む。
【0093】
バイオリアクタは、CO
2の隔離を極大化するように、且つ/又は地理的エリアの大気中へのO
2の放出を極大化するように、予め定義された地理的エリア内に配置され得る。
【0094】
一発展形態では、1つ又は複数のバイオリアクタは、1つ又は複数のバイオガス生成装置に接続されている。
【0095】
バイオリアクタは、直近のバイオガス生成ユニットに関連付けられ得る。一般的な場合、バイオガス生成エンティティは、ある距離だけ離れて配置される。複数のバイオリアクタを、下水処理ネットワークを介してバイオガス(例えば、メタン)生成及び処理プラントに接続することができる。
【0096】
図1は、都市環境に固有の本発明の一実施形態の特定の一例を示す。
【0097】
図1に示されているものなどの一実施形態では、リアクタは、光バイオリアクタ(PBR)又は微小藻類バイオリアクタ100である。微小藻類は、透明な表面101を通じて光に曝露される(この例では、施釉された表面は、モリス柱タイプの街路設置物の物品102上に配置されている)。カーボンシンクは、公衆空間内に設置された街路設置物内に内蔵されているか又はその品目の形態を取る。微小藻類は、生化学光合成サイクルを実行し、且つカーボンシンクを構成し、二酸化炭素が藻類によって部分的に隔離又は固定され、且つ二原子酸素が環境104内に放出される。微小藻類のバイオマスは、時間に伴って変化する。特定の予め定義された閾値において、且つ様々なモードに従って、生成されたバイオマスの一部分は、例えば、排出路106のパイプ105を介して1つ又は複数の下水処理ネットワーク120内に排出される。特定の一実施形態では、CO
2吸収プロセスから生じる、微小藻類及びその培地から構成された廃水は、特定の接続105を介して都市下水処理ネットワーク120に排出される。
【0098】
本発明によるカーボンシンク100は、公衆空間内の、慎重な、適切な、戦略的な、適した、又は最適な場所、即ちCO
2が特に豊富である都市空気の場所に配置することができる。例えば、カーボンシンクは、地下鉄の換気口111の近傍に且つガレージの出口112の近傍に配置することができる。
【0099】
更に一般的には、隔離の観点において、道路のトンネル、インターチェンジ、パリ環状鉄道などの特に道路交通量の多いエリアなど、大量のCO
2放出を有する都市の場所が本発明によるシステムの設置用の好都合な場所を構成する。更に、放出の観点では、望ましい場所は、学校、病院、又は高密度の人口を有する都市の住宅エリアなどの影響を受けやすいエリアを含む。循環及び空気品質に関係するコンピュータモデル及び/又は計測によれば、CO
2(及び/又は汚染物質)の隔離の観点における最適化と、二原子酸素(又は他の選択される副産物)の観点における最適化との間で実施される様々なトレードオフの最適化を可能にし得る。
【0100】
実施形態は、直列及び/又は並列に配置された1つ又は複数のバイオリアクタを使用する。バイオリアクタ(「発酵槽」又は「増殖槽」)は、微生物(例えば、同種であるか又は組合せである酵母、バクテリア、微細菌、藻類、動物、及び植物細胞)が、バイオマス及び/又は代謝物質を生成するために、又はさもなければ対象の分子の生物変換を実行するために培養されるシステムである。
【0101】
バイオリアクタは、一般に、a)例えば、ガラス又はステンレス鋼から製造されたリザーバ、タンク、又はコンテナであって、リザーバは、形状が平坦(微小藻類を収容するガラスプレート)若しくは円形であり得、又は任意の他の形状であり得る、リザーバ、タンク、又はコンテナと、b)内部環境と外部環境との間の空気の循環用のアクセス(これらのアクセスは、一時的に閉鎖又は遮断することができる)と、c)水、及び/又は栄養物(肥料)、及び/又は化学化合物(溶剤、添加剤、染料)の注入用のアクセスであって、培地内に注入される水は、例えば、パリの前処理されたセーヌ川の水供給ネットワークからの水などの飲用及び/又は非飲用水であり得、換言すれば、本発明によるリアクタは、給水及び/又は水道水を使用することができる、アクセスと、d)任意選択により、アクチュエータ(例えば、リアクタ内でバイオマスを混合又は循環させる撹拌システム(例えば、羽根や関節接続された腕など))と、e)(温度、pH、分解された酸素の濃度、内部レベルなどを計測するための)センサであって、従って1つ又は複数のpHメータ、温度計、酸素計測プローブ、圧力センサ、レベルセンサなどを含み得るセンサとを含む。これらの様々なセンサ又はプローブは、リアクタの内部生体力学の正確な表現を取得するようにバイオリアクタ内で適宜且つ最適に位置決めされ得る。
【0102】
バイオリアクタは、一般に、コンピュータ実装監視及び制御システムによって制御され、これによりリアクタのすべての動作パラメータの計測、記録、及び制御を可能にする。バイオリアクタは、特定の場合、自律的なものであり得、即ち外部介入を必要としない管理規則の実装を通じて自己制御することができる。特定の場合、本発明によるバイオリアクタは、緊急停止リザーバを含み得る(無拘束バイオマス生成の場合、これは、除草及び/又は殺菌流体を含む漂白剤又は混合物を注入することにより停止することができる)。
【0103】
一実施形態では、バイオリアクタは、(光合成サイクルに基づく)光バイオリアクタを含む。このタイプのリアクタは既知である。例えば、特許出願仏国特許第2978159号明細書は、藻類溶液を収容するコンテナと、藻類溶液を光に曝露させる手段とを含む、濃縮藻類溶液の閉回路生成用の光バイオリアクタを開示しており、曝露手段は、引っ張り応力に対する抵抗力を有する曲がりやすい透明な材料から製造された少なくとも1つの垂直方向スリーブを含み、このスリーブは、支持部から吊り下げられ且つこのスリーブに円筒形の形状を付与する液体によって充填され、これは、その外側壁を介して藻類溶液と接触する。
【0104】
いくつかの他の実施形態では、光バイオリアクタとの組合せにおいて又は代わりに、即ち異なる生化学プロセスに従って、(例えば、その機能が合成生物学又は遺伝子工学技法によって判定済みであるバクテリアを使用する)他のタイプのリアクタを使用することができる。
【0105】
一実施形態では、1つ又は複数の染料を使用することができる。この結果、本発明を実装した街路設置物の物品は、必ずしも(微小藻類の場合にそうであり得るように)緑色ではない様々な色(例えば、ピンク、青色、又はいくつかの色)で公衆の眼に触れることになり得る。
【0106】
一実施形態では、本発明によるリアクタは、1つ又は複数の人工的光源を更に含み得る。例えば、本発明によるシステムは、その光スペクトルが微小藻類の成長に適し得るか又は最適化され得る(光合成に固有の吸収帯域)発光ダイオード(LED)又はグローライトを含み得る。
【0107】
一実施形態では、本発明によるリアクタは、潜在的に濃縮手段を含む太陽光束を捕捉する手段(例えば、反射性パネル、反射器、レンズなど)及び/又は光の流入を変調する手段(例えば、ローラー若しくはベネチアンブラインド、傾斜可能なシェード、施釉された表面の可変透明性など)を含み得る。
【0108】
一実施形態では、本発明によるリアクタは、自然及び人工光の流入の組合せを含み得る。有利には、人工的光源は、例えば、電池及び/又はソーラーパネルを介して自然な光度の一時的な不足を補償することができる。場合により、頻繁な不足が存在しない場合にも、人工的供給源の使用は、微小藻類が高度な光合成を維持することを可能にし得る。バイオリアクタの活動を制御する多数の方法が可能となる。例えば、日中に充電された光起電パネルは、夜間に光源に電力供給することができ、且つ藻類の成長を可能にし、これにより微小藻類(又は均等物)による中断のない光合成を可能にし得る。また、2つのタイプの供給源の組み合わせられた使用は、一定の光束の維持を可能にし得る。
【0109】
(光合成のサイクルのために微小藻類を曝露させる)施釉された、透明な、又は半透明な表面を通過する(人工及び/又は自然の)光束は、バイオマスの成長を調節するように構成及び/又は制御することができる。例えば、シェード又はブラインドは、光束の適宜の変調を可能にし得る。また、施釉の不透明性も構成可能であり得る(電流の適用により施釉を暗化又は明化することができる)。一実施形態では、1つ又は複数のミニチュアリアクタが、構成可能な不透明性を有するソーラーパネル内に内蔵される。
【0110】
本発明によるシステムは、サイズが高度に可変である。
【0111】
一実施形態では、「都市」タイプのリアクタは、微細藻類の1m
3の容量を有し得、これは、約50本の樹木(例えば、プラタナス(Platanus))の二原子酸素生成と均等である。微細藻類の1m
3を収容しているカーボンシンクは、年間約1トンのCO
2を固定し、600kg超の酸素を町又は都市空気中に放出し、350m
3超のバイオメタンを生成し、且つ3500kWh超のバイオガスがネットワーク内に注入されることを可能にする。
【0112】
一実施形態では、本発明によって実装された(「工業」タイプの)リアクタは、6000m
3の容量を有し得る(年間に5000トンのCO
2が隔離されることを表し、これは、850haの面積を有するブローニュの森と均等なバイオマスのレベルである)。
【0113】
従って、本発明によるシステム及びプロセスの具体的な実施形態は、複数の方法によって区分され得、特に街路設置物(例えば、モリス柱、バスシェルタ、広告ボード、屋根など)、都市インフラストラクチャ(例えば、施釉された屋根や舗装など)、工業用設備(例えば、工業エリアに近接した空気処理リアクタ)、屋内電気器具(例えば、下水ネットワークに接続された機能強化型の空気浄化装置など)の形態を取るものに区分され得る。従って、微小藻類又は生化学物質を曝露させる表面は、微小藻類又は生化学物質を曝露させる、数平方メートルのものから、施釉された、透明な、又は半透明な表面によって全体的にカバーされた建物に至るまで面積が可変である。
【0114】
本発明の一実施形態では、空気の換気は、自然なものあり得、即ち、バイオリアクタのネットワークは、設備の近傍で二酸化炭素を捕捉する。また、CO
2の捕捉を増大させる又は最適化するために更なる換気手段を使用することもできる。都市空気の換気、及び/又は濃縮、及び/又は圧縮手段は、特に1つ又は複数のファンを含み得る。ファンは、バイオリアクタを含む街路設置物内に内蔵され得る。また、複数のファンが街路設置物内又はバイオリアクタ自体内に内蔵され得る。ファンは、大型のもの(例えば、デカメートルのスケールのファンからミリメートルのスケールの換気装置に至るまで)から(例えば、MEMSを使用する)微細なレベルのものに至るまでサイズが可変であり得る。
【0115】
一実施形態では、例えば、75Wのパワーを有する従来技術で既知のコンプレッサを使用することができる。このような構成において、約1m
3のリアクタの場合、ピーク入口空気流量は一般に6m
3/h程度であり、且つ平均入口空気流量は2m
3/h程度である。
【0116】
風、及び更に一般的にはファンを含む都市型設備の周りの局所的な気流の方向は、(例えば、街路設置物の物品上において取り付けられ、且つ/又は本発明によるシステムと結合された独立的なセンサのアレイ内に配置された例えばレーザー風速計などの風速計によって)モデル化及び/又は計測することができる。
【0117】
本発明の一態様によれば、下水処理ネットワークに対する接続を含む都市空気浄化システムが開示される。
【0118】
下水処理ネットワークは、一般に、公的なものである(下水管)。いくつかの実施形態では、公衆下水処理ネットワークに加えて又はその代わりに、個人用の、「プロプライエタリ」な、又は専用のネットワークを使用することもできる。
【0119】
コンポスト又は廃水は、下水処理ネットワークに対する接続を介して(のみ)除去することができる。有利には、この実施形態は、専用の物流管理を必要としない。
【0120】
一変形実施形態では、コンポスト又は廃水は、それを物理的に取り去ることによって(のみ)除去され得、例えば、ごみ収集車は、乾燥したコンポストの集合体又は余剰物にハッチを介してアクセスする。自動型の車両又はドローンが、例えば、濃縮された集合体を収集することもできる。有利には、この実施形態は、下水処理ネットワークに対するアクセスを必要としない。
【0121】
一実施形態では、コンポスト又は廃水は、部分的に物理的な収集により、且つ部分的に下水処理ネットワークに対する接続により除去され得る。有利には、この実施形態は、ネットワークの最適化を可能にし、即ち都市環境全体を通じた本発明によるカーボンシンクの分配の最適化を可能にする(変換対象の物質の捕捉、変換された物質の放出、下水処理ネットワークに対するアクセスポイントの可用性による副産物の除去などとの関係における多基準最適化)。
【0122】
図2は、都市空気を処理するための本発明の一実施形態を示す。
【0123】
カーボンシンク100が周辺の都市空気103を捕捉し、二原子酸素104を大気中に放出し、且つ過剰な微小藻類105を下水処理ネットワーク120内に放出する。本発明によるカーボンシンクからの廃水は、汚水ストリームに追加され且つそれと組み合わされ、これは処理プラント200に到達する。第1沈殿ステップ後、スラッジがステップ202で(バクテリアによって)消化され、且つ(メタン生成又は別のプロセスによって)バイオガス203が生成され、これは、エネルギーネットワーク210内に再注入される。
【0124】
特定の一実施形態では、本発明によるシステムは、微小藻類光バイオリアクタ100を含み得る。大気中の二酸化炭素103を隔離するプロセスは、メタン生成によるバイオ炭化水素203への炭素の変換のプロセスと結合される。微細藻類は、メタン生成経路を処理する処理プラント200に搬送され、且つ有機基材として前記メタン生成経路203に寄与する。
【0125】
光バイオリアクタ100は、CO
2を隔離する、クロレラ(Chlorella)属の単細胞藻類を含み得る。特に、(都市又は工業用)空気中に存在する粒子の固定、捕捉、又は沈殿を可能にする多数の他のタイプが可能である。従って、本発明によるバイオリアクタの動作の基礎をなすプロセスの1つは、光合成のものである。
【0126】
また、いくつかの変形形態では、CO
2は、アミン溶剤、特にエタノールアミン(2−アミノエタノール)により吸収することができる。酸性ガス(CO
2など)との接触状態になった際、2−アミノエタノールの水溶液は、室温で塩を形成する。次いで、溶液は、閉じた環境に搬送され、ここで、約120℃に加熱された結果、ル・シャトリエの原理に従って(純粋な)CO
2の放出と、水溶液中における2−アミノエタノールの再生成とが得られる。この化学プロセスに対する代替は、温度/圧力の迅速な変動、気体分離、低温学、又はさもなければ水酸化物の使用を利用した吸収技法を含む。
【0127】
最後に、本発明の他の実施形態は、完全に異なる生化学プロセスを含み得る。
【0128】
図3は、下水処理ネットワークに対する接続用のリアクタ排出システムの一例の態様を示す。
【0129】
「プロセス水」という表現は、本発明による工業的プロセスによって生成された水を意味する。この例では、これは、(少なくともいくつかの実施形態では)微細藻類と共に供給される水及び/又は微細藻類の培地を構成する液体である。
【0130】
図3の図は、特に、下水処理ネットワークを介したプロセス水の除去(排出)のためのシステムの動作を示す。CO
2吸収プロセスと下水処理ネットワークとの間のインターフェイスは、特定の排出システムによって形成することができる。
【0131】
本発明による排出システムは、水供給ネットワーク301(これは、例えば、パリの前処理されたセーヌ川の水供給ネットワークなどの飲用及び/又は非飲用水を含み得る)と、(微細藻類の培養のための)プロセス水供給302と、藻類303と共に供給される廃棄プロセス水用のコンジットと、下水処理ネットワーク304内への排出と、制御/電力端子306(電源)とに対する接続を含む。
【0132】
自動化された監視から又は人間の操作者から、得られる外部制御信号313は、電気的に制御された弁311に対して開放するように命令し、これにより、リザーバ309は充填され得る。弁311が閉じられた後、ロードセル308によって重量が計測され、次いで、リザーバは、電気的に制御された弁312を制御することにより、排出接続304を介して排出される。弁312が閉じられた後、重量がロードセル308によって再度計測される。除去された溶液の質量は、先行する2つの計測値間の差分によって得られる。
【0133】
電気的に制御された弁311及び312の順序付けられた開放は、下水処理ネットワークとの関係における水圧接続切断を保証する。換言すれば、リサーバーの接続切断は、弁312が開放状態にある下水処理ネットワーク内への供給のフェーズにおいて、プロセス水を供給する弁311が閉じられることを意味する。
【0134】
リザーバ309を充填するフェーズでは、プロセス内に注入される新鮮な水の容積が容積計測フローメータ307によって計測される。日々の収支は、到来する水の質量と装置を離脱する溶液の質量との間の差分により、中央制御ユニット305によって設定される。
【0135】
リザーバ309内の有機物質の堆積は、電気的に制御された弁312の制御によってトリガされる洗浄サイクルとの関連において、非粘性の内部被覆によって防止される。
【0136】
微小藻類カルチャを含む本発明の実施形態では、微細藻類が光に依存する場合、微細藻類が(例えば、301、302、又は303への)様々なコンジットを介して外部に移動又は逃避するリスクは、小さいか又は無視可能である(従って、微小藻類の移動は空間的に制限される)。異なる生化学プロセスを使用する本発明の実施形態では、排出コンジットは、生化学物質の逃避を極小化又は防止するために逆止弁を含み得、且つ/又は化学的に処理され得る。
【0137】
一実施形態では、本発明によるシステムは、ロードセル308を含み得、これは、例えば、作用した力に従って変化した電流に対する抵抗値を計測する。真空チャック上の砂の容積の重さの計測に関係する様々な技法を使用することができる。微小藻類の重量を計測する他の補完的な技法も可能である。例えば、(例えば、レベル又は閾値を計測することにより)、藻類の濃度の計測値(例えば、光学的計測値)を容積計測値と組み合わせることができる。
【0138】
一般に、本発明によるシステムは、並列に配置された複数のリザーバを含み得る。
【0139】
本発明の特定の一実施形態では、システムは、並列に配置された2つのリザーバを含み得る。このデュアル構成では、排出は交互に実行される。並列に配置された2つのストレージリザーバ309及び319の使用は、順序付けられた又は交互に変化する動作を可能にし、この動作は、プロセスに新鮮な水が連続的に供給されることを保証し、且つ下水処理ネットワークとの関係における水圧接続切断を保証する。1つの所与のリザーバは、他方のものとの関係において「バッファ」として機能し、且つ「ドリップ」流量の維持を可能にし、即ち新鮮な水が常に光バイオリアクタに追加される。
【0140】
並列に配置された多数の光バイオリアクタの使用は、全体的なシステム障害のリスクを低減する。
【0141】
図4は、本発明の例示的な実装形態を示し、特に接続されたリアクタ及び任意選択の機能を管理するためのモードを示す。
【0142】
一実施形態では、光バイオリアクタ106は、公衆空間407内に配置され得、下水処理ネットワーク408に接続され得、且つ給水又は水道水402及び電力401が供給され得る。リアクタには、センサ及び自動化されたシステム403が提供され得、且つ例えば遠隔読取りアンテナ404などの通信手段を含み得る。この遠隔読取りアンテナ404は、特に、本発明によるシステム106と(人間及び/又は機械の)監視ステーションとの間の双方向通信を可能にする。制御信号は、電気的に制御された弁の作動をトリガし、その結果、下水処理ネットワーク408内に排出される前に、藻類405が添加されたプロセス水は、ストレージリザーバ(例えば、309)内に排出される。除去された藻類405の質量の計測値は、様々なセンサにより、到来する新鮮な水の重量と装置を離脱する汚水の重量との差分によって得られる。
【0143】
以下では、本発明による接続されたリアクタを管理する様々な態様を説明する。
【0144】
一般に、廃水の温度、pH、及び有機物質濃度は、希釈によって低減され得、(例えば、パリの前処理されたセーヌ川の水供給ネットワークからの非飲用水などの飲用及び/又は非飲用水であり得る)水が、必要とされる予め定義された最小限の値に到達するように追加され得る。
【0145】
一実施形態では、サイフォンの方式により、臭いが下水処理ネットワーク408から放出されることを防止するために、排出後、最小限のレベルの水をリザーバ(例えば、309)の底部に残すことができる。リザーバには、例えば、起動された炭素フィルタによる換気が提供される。
【0146】
接続切断装置(303、311、309、308、311)は、都市用水供給ネットワークを保護する。
【0147】
一実施形態では、プロセス水は、ストレージリザーバ309及び319を通過し、その充填及び排出弁は交互に開放される。
【0148】
廃水は、水洗によって除去され得、これは、一般に、排水パイプを洗浄する効果を有し且つ固体物質の蓄積を防止する。任意選択により、リザーバには非粘性の内部被覆が提供される。
【0149】
有利には、廃水の放出を制御する際、天気予報が考慮され得、例えば、埋め込み型の通信手段又は遠隔読取りアンテナ404を介して送信される雨又は嵐の警報は、下水処理ネットワークにおける高いレベルの可能性を増大させ、この場合、排出動作は、本発明による接続されたバイオリアクタのグリッド又はネットワークの特定の部分について延期され得、又はさもなければ前倒しされ得、即ち特定の他のセクタ内で便宜的に実装され得る。
【0150】
特定の固有のリザーバの形状及びその非粘性の内部被覆は、有機物質の堆積の防止に寄与し得る。特定の場合、供給水によるすすぎの動作を(毎日又は局所的な計測値に従って)実行することができる。
【0151】
本発明によるシステムは、(監視される)下水処理ネットワークに接続された(一般にはインスツルメントが提供された)光バイオリアクタを含む(潜在的にインスツルメントが提供された)都市ケーシングを含み得る。
【0152】
一実施形態では、(例えば、モリス柱、バスシェルタ、建物ファサード、舗装若しくは歩道部分、又は公衆トイレ(潜在的に有料トイレ)などの)都市ケーシング又はシェルは、センサ(例えば、電池、存在又はモーション検出器、入口及び出口のCO
2レベルを計測するための、入口及び/又は出口における二原子酸素又は判定された汚染物質を計測するためのセンサなどを有する又は有さない光起電パネル又は均等物)、並びに/又はアクチュエータ(スピーカや遠隔作動型のブライドなど)を含み得る。バイオリアクタケーシングは、1つ又は複数のファン(空気入口及び/又は出口)と、コンポスト又はバイオマスの一部分を除去するためのアクセスと、栄養物を追加するためのアクセスとを含み得る。また、いくつかの実施形態では、バイオリアクタの閉じ込めシェルは、(望ましくない臭いを打ち消す又は隠蔽するための)香水を放出する手段、音響を生成する手段、コンピュータ表示画面(例えば、旅行者マップを表示するものであり、視覚的な又はテキストの情報の表示は、微小藻類の曝露を排除するものではなく、これは、半透明な又は部分的に透明な画面の背後で成長し得る)、(舗装又は壁上に情報を投射する)投射手段、演算手段(例えば、プロセッサ)、及び通信手段(有線又は無線であり得、本発明によるシステムに固有のものであり得、且つ/又は公衆リレーアンテナによって使用されるものであり得る)などを含み得る。例えば、ソーシャル機能に対応する有体の且つ又は論理的な手段(例えば、バイオマスの健康状態に関する報告やその成長を示す画像)、又は場合により公的なやり取りを可能にする手段が公衆に提供され得る。
【0153】
バイオリアクタとの関係では、特定数のパラメータを監視及び/又は制御することができる。これらのパラメータは、特に(例えば且つ適宜)入口空気のCO
2レベル、出口空気のCO
2レベル、(例えば、培地内の)分解されたCO
2レベル、コンプレッサ(ファン)の出口圧力、濁度(例えば、リアクタ内部のバイオマスのレオロジー計測値)、培地の密度を光学的に計測することによる微小藻類の濃度、(バイオリアクタ内の様々な地点において計測された)内部温度、リアクタの外部の温度(例えば、街路において計測された温度)、光の流入(特に隔離及び/又は人工的な光レベルの計測値)、pH(バイオマス媒体又はプロセス水の酸性度又は塩基性度)、(バイオマス媒体又はプロセス水の導電度、酸化還元電位、NO
3及び/又はPO
4濃度を含み得る。
【0154】
一実施形態では、リアクタの温度は、既存の加熱ネットワークに対する接続により、且つ/又は地熱方式により、且つ/又は下水処理ネットワークの近傍に配置された熱交換器を使用することにより制御することができる。
【0155】
例えば、除去される平均CO
2が負になった場合などの負の性能の場合、警報をトリガすることができる。
【0156】
実施形態によれば(且つ所与のタイプによれば)、データは、30秒ごとに、5分ごとに、15分ごとに、一時間に1回ずつ又は予め定義された(且つ/若しくは構成可能な)閾値に従ってサンプリングすることができる。
【0157】
バイオリアクタ又は都市ケーシングは、1つ又は複数のセンサを含み得、これらからの計測値によれば、情報が演算ユニットによって処理された後、下水処理ネットワーク内に排出された有機物質の量を計測することができる。一実施形態では、バイオリアクタからの汚水又は廃水は、特に(例えば、暗号化又は非暗号化され得る有線又は無線通信手段や遠隔読取りなどによって)遠隔的に(定性的に且つ/又は定量的に)計測及び監視される。遠隔読取りシステムは、特に単方向性であり得るか又は双方向性であり得る。
【0158】
下水処理ネットワークに関係する特定数のパラメータを監視及び/又は制御することができる。これらのパラメータは、特に(適切な時点及び/又はネットワーク接続されたバイオリアクタのグリッド上の適切な場所に対して排出動作を調節するための)水レベル、局所的に又は全体的に且つ統計的に計測されるスラッジの物理特性(例えば、pH、濁度、導電度、酸化還元電位、NO
3及び/又はPO
4濃度)を含み得る。
【0159】
一般的に且つ限定を伴うことなく、本発明によるシステム内において(例えば、光バイオリアクタの都市ケーシング内において、且つ/又はバイオリアクタ自体内において、且つ/又は下水処理ネットワーク内において)埋め込まれたセンサ(又は検出器)は、圧力、流量、温度、酸素、速度、モーション、位置、場所、放射能、又はエネルギーセンサ、或いは化学的な化合物若しくは生成物(例えば、酸化窒素、オゾン、煙、汚染物質など)又は生物学的な化合物若しくは生成物(例えば、ウイルス、汚染物、花粉など)を検出するセンサから選択される1つ又は複数のセンサ又は検出器を含み得る。センサは、1つ又は複数のMEMS、磁力計、湿度計、ジャイロスコープ、加速度計、バイオセンサ、レーダー、ソナー、カメラ、3Dスキャナなどを含み得る。
【0160】
一般的に且つ限定を伴うことなく、アクチュエータは、空圧、水圧、電気、機械、磁気、圧電、若しくはエレクトロルミネッセントアクチュエータであり得、又はペルチエ効果などを利用することもできる。これらは、例えば、1つ又は複数の水圧シリンダ、モーター、加熱抵抗器、ランプ、スピーカ、電磁石、又はさもなければヒーター−クーラー、イオナイザ、弁、ワインダなどを含み得る。
【0161】
一般的に、システム全体の監視は、i)都市ケーシング及びそのセンサ/アクチュエータ、ii)バイオリアクタ自体、並びにiii)下水処理ネットワークの制御を包含する。全体的な監視は、気象データの受け取り、分析、及び予測を含み得る。例えば、雨の予報は、ネットワーク接続されたバイオリアクタの様々な排出動作に影響を及ぼし得る(いくつかのエリアは、例えば、他のエリアの前に排出される)。また、バイオマスの成長に直接的に影響を及ぼす温度及び光にリンクされた要因を追跡することもできる。
【0162】
特に、全体的なシステム及び/又は1つ又は複数のリアクタは、自動的に、半自動的に、又は手動により監視することができる。この監視は、遠隔的に且つ/又は局所的に実行することができる(特定の動作は、特定の認可及び/又は現場における物理的な存在を必要し得る)。システムは、固定方式により(制御ステーション)、且つ/又は可動方式により制御することができる。一般に、ウェブサービス及び/又はソフトウェアアプリケーション(アプリ)を含むウェブポータルがリアクタの追跡データに対するアクセスを可能にし得、且つ/又はその制御の取得を可能にし得る。1つ又は複数の潜在的に安全なアプリを介して、データを検討するために、且つ/又はリアクタ若しくはリアクタのグリッドの制御を取得するために、様々な端末、特にスマートフォン、タブレット、ラップトップ、又はサーバーが使用され得る。アクセス権限を定義することができる。タッチスクリーン、拡張現実及び/又は仮想現実の技術を利用するユーザーインターフェイスを使用することができる。
【0163】
図5は、バイオリアクタの例示的なネットワークを示し、即ち下水処理ネットワークに相互接続された複数のリアクタを示す。特定のシンクは、光バイオリアクタであり、他のものはそうではない(例えば、遺伝子組み換えされたバクテリアを使用するバイオリアクタ)。トポロジーの観点では、シンク100、511、512、及び513は、下水処理ネットワークに直接的に接続され、且つシンク501、502、503は、シンク100を介して間接的に接続される。リアクタ511は、双方向性であり、これは、廃水を下水処理ネットワーク内に放出し得るが、例えば、処理のために(リアクタ512の方式によって)これから物質を抽出することもできる。シンク513は、シンク100と同様に、その廃水を下水処理ネットワーク内に放出する光バイオリアクタを含むカーボンシンクである。シンク100は、いくつかの他のリアクタとネットワーク接続された光バイオリアクタである。この例では、シンク502は、本発明によるモリス柱であり、且つシンク100は、隣接するバスシェルタであり、それぞれのバイオマスリザーバは、互いに通信状態にある。シンク501は、本発明によるシステムを実装した建物ファサードに対応している。シンク503は、本発明による施釉された歩道部分である。シンク531は、ネットワーク120に接続され得るが、但し接続されていない本発明によるシンクである。このシンク531の場合、微小藻類コンポストを現場で収集することができる(又はネットワーク120とは別個の別の下水処理ネットワーク内に排出され得る)。処理プラント200は、全体的な制御に参加することができる。
【0164】
以下では、接続されるか又は接続され得るカーボンシンクのネットワークを制御する様々なモードを説明する。
【0165】
制御モードは、様々な方法により、上流から下流まで、即ち空気及び/又は汚染物質の捕捉から、バイオリアクタの活動、廃水除去の管理、下水処理ネットワーク内の計測又はシミュレートされる汚水レベル、天気予報、及び希釈の観点におけるそれぞれの結果など)可変且つ制御可能であり得る。
【0166】
図5は、下水処理ネットワーク120に接続され且つ/又は接続され得るカーボンシンクのバンク又はネットワークを示し、下水処理ネットワーク120は、処理プラント200まで延在しており、処理プラント200は、エネルギーネットワーク内に再注入されるバイオガスを生成する。
【0167】
相互接続されたリアクタのグラフのトポロジーは、多少洗練された、即ち複数の且つ様々なタイプのフィードバックを有する制御を可能にする。グラフは、相互接続されたエンティティのグリッドに対応する。このカーボンシンクのグリッドは、この制御が部分的に人間(人間の操作者又は管理者)によって実行されているか、且つ/又は機械(コンピュータによって下される局所的な決定や反射弓など)によって実行されているかとは無関係に、複雑なシステム制御システム(形式論理、ファジー論理、ピアツーピアネゴシエーション、投票メカニズム)を適用することにより監視することができる。
【0168】
シンクリアクタには、下水処理ネットワーク(例えば、継続中の作業、トポグラフィー、様々な場所における汚染物質の量又は濃度など)と共にインスツルメントが提供され得る(即ち、バイオマスの成長の状態又は温度や濃度などの多数の他のパラメータを規定する計測センサが提供され得る)。
【0169】
更に、現実を定量化する計測センサと共に又はこれにより、経験的な且つ/又は理論的な監視モデルがシステムの全体としての制御を可能にし得る。システム境界は、(例えば、街路レベルから全体的な大都市圏のスケールまでの、例えば、異なる粒度のレベルにおける)空気流量及び空気品質のモデル、シンクのネットワーク(例えば、リアクタタイプ、バイオマスサイクル、容量など)、下水処理ネットワーク自体(例えば、水レベル、保守作業、天気予報など)、及び処理ネットワーク(例えば、沈殿のサイズ、メタン生成など)を含み得る。
【0170】
一実施形態では(「プッシュ型」)、下流部分は、上流部分を(部分的にも)制御していない。例えば、処理プラント200は、ネットワーク接続されたカーボンシンクからの累積的な放出に受動的に「曝されている」。その結果、制御は、例えば、(例えば、観察されているか、計測されているか、算出されているか、又はシミュレートされている)下流の処理プラントの負荷を判定することにより、上流において必要に応じて実行され得る。シンクは、例えば、いずれのシーケンスに従って、いずれのリアクタの排出が可能にされるかなどについて投票又は決定するように、ピアツーピア意思決定システムを実装することによって互いに通信し得、即ち「会話」し得る。
【0171】
一実施形態では(「プル型」)、下流の部分が(少なくとも部分的に)上流の部分を制御する。例えば、その負荷に且つその独自のメタン生成サイクルに応じて、処理プラント200は、上流のカーボンシンクの排出動作を直接的に又は間接的に制御する。(光バイオリアクタと遺伝子組み換えされたバクテリアを使用する合成生物学リアクタとを組み合わせた)混合型のバンクの場合、処理プラント200は、累積的な希釈効果又は結果的に得られる収集された汚水の組成を考慮することにより、特定のシンクの排出動作に影響を及ぼすことができる(又は認可、促進、重み付け、助長、加速、遅延、防止若しくは延期することができる)
【0172】
いくつかの(「ハイブリッド型」の)実施形態では、上流及び下流の部分は、その両方が様々な方式により全体として制御に寄与する。例えば、下流の処理が圧倒されつつあることを特定のリアクタが観察した場合、それらのリアクタは、バイオマスの成長を減速させるため、微細藻類を曝露させる表面の不透明性を増大させる。存在するエリアが汚染状態となったために、且つ同時に下流の吸収容量が短期間の除去を可能にしないために、空気浄化の局所的なニーズが(特定の予め定義された閾値を超えて)急を要する状態となった場合、(乾燥後のトラックによる又はコンポストの除去による)一度限りの排出動作により、ネットワーク上における一回限りの又は「ピーク」の問題の解決を可能にし得る。すべてのリアクタにデュアル除去モード(物理的コンポスト又は下水ネットワーク)が提供されているわけではないため、本発明によるカーボンシンクのネットワークの基礎をなすグラフの管理は、代替解決策を可能にし得る。
【0173】
以下では、バイオリアクタのグリッド又はネットワークの管理の例を説明する(これらのシナリオは、決して限定を目的としたものではない)。第1シナリオでは、作業が下水処理ネットワークの特定のエリア内で発生している場合、(人間及び/又は機械の)管理者は、対象のエリアのバイオリアクタの排出動作を一時的に停止し得、且つ/又はそれに対して供給されている光の量を減少させることにより、バイオリアクタの代謝を減少させ得る。第2シナリオでは、汚染警報が発行済みであり、従って、バイオリアクタのそれぞれごとにバイオリアクタの活動を可能な限り極大化させ得る。第3のシナリオでは、都市空気の品質が満足できると考えられる場合、供給されている光の量は、浄化モードに進むことなく藻類の活動を維持することが可能となる。第4のシナリオでは、深刻な嵐が予想済みであり、従って、収容容量を活用するために、バイオマスの飽和に近接したバイオリアクタを事前に排出することができ、且つ不良な天候において低い光レベルにおける照明の継続を可能にするように光起電パネル電池を十分に充電することができるであろう。第5のシナリオでは、下水処理ネットワークのレベルが高い場合(雨及び/又は洪水、且つ/又は例えばフットボールの試合などのピーク時間において)、この高いレベルは、一般に、下流の処理プラントが圧倒され且つ/又は誤動作することに結び付き(且つ環境の廃棄物が処理されない状態に結び付き得る)、従って、排出動作は、一般にこのタイプの状況では回避される。代わりに、排出シーケンスは、エリア間において(エリア間)且つ/又はエリア内において(エリア内)などで適宜想定され得る。第6のシナリオでは、処理プラントは、保守を経験しつつあり、従って排出動作は可能な限り回避される。
【0174】
本発明は、ハードウェア及び/又はソフトウェア要素に基づいて実装することができる。それは、コンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラム製品として提供することができる。媒体は、電子的、磁気的、光学的、又は電磁気的なものであり得る。「コンピュータプログラム」及び「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、本明細書において記述されている技法の態様を実装するように1つ又は複数のプロセッサをプログラムするために使用され得る、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、アプリケーションソフトウェア、マイクロソフトウェア、マイクロコード、又は任意の他の形態のコンピュータ命令)を意味するように一般的な意味で使用される。演算手段又はリソースは、特に、場合によりピアツーピア技術を使用することにより分散させることができる(「クラウド演算」)。ソフトウェアコードは、単一の演算装置内に提供されているか、又は(例えば、装置の周りにおいて潜在的にアクセス可能であるものなどの)いくつかの演算装置間で分散されているかとは無関係に、任意の適切なプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)又はプロセッサコア又はプロセッサの組で実行され得る。