特許第6843940号(P6843940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーインスツル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6843940-電気化学セル 図000002
  • 特許6843940-電気化学セル 図000003
  • 特許6843940-電気化学セル 図000004
  • 特許6843940-電気化学セル 図000005
  • 特許6843940-電気化学セル 図000006
  • 特許6843940-電気化学セル 図000007
  • 特許6843940-電気化学セル 図000008
  • 特許6843940-電気化学セル 図000009
  • 特許6843940-電気化学セル 図000010
  • 特許6843940-電気化学セル 図000011
  • 特許6843940-電気化学セル 図000012
  • 特許6843940-電気化学セル 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6843940
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】電気化学セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20210308BHJP
   H01G 11/82 20130101ALI20210308BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20210308BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20210308BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20210308BHJP
【FI】
   H01M10/04 W
   H01G11/82
   H01M10/052
   H01M10/0587
   H01M2/26 A
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-181167(P2019-181167)
(22)【出願日】2019年10月1日
【審査請求日】2019年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】木村 長幸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 俊二
(72)【発明者】
【氏名】田中 和美
【審査官】 冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−117900(JP,A)
【文献】 特開2016−115471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01G 11/82
H01M 10/052
H01M 10/0587
H01M 50/531
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ね合わされて扁平に捲回された負極体および正極体を備え、
前記負極体は、
展開状態で第1方向に一列に並んで配置された複数の負極本体と、
前記複数の負極本体のうち展開状態で隣り合う一対の負極本体を接続し、表面に負極活物質が配置され、前記一対の負極本体が互いに重なり合うように折り返された複数の負極接続部と、
を有し、
前記正極体は、
展開状態で第2方向に一列に並んで配置され、前記負極本体に重なる複数の正極本体と、
前記複数の正極本体のうち展開状態で隣り合う一対の正極本体を接続し、表面に正極活物質が配置され、前記複数の負極接続部に対向する複数の正極接続部と、
を有し、
Nを自然数とし、
前記複数の負極接続部のうち最内周に配置される負極接続部から外周側に向けてN番目に位置する負極接続部を第N負極接続部として定義し、
前記複数の正極接続部のうち最内周に配置される正極接続部から外周側に向けてN番目に位置する正極接続部を第N正極接続部として定義し、
前記複数の負極接続部それぞれにおいて、前記第1方向に直交する方向の最小幅を負極最小幅と定義し、
前記複数の正極接続部それぞれにおいて、前記第2方向に直交する方向の最小幅を正極最小幅と定義した場合、
前記負極体は、前記複数の負極本体のうち第1負極接続部に接続する一対の負極本体によって前記正極体の内周側の端部を挟むように捲回され、
前記正極体は、前記複数の正極本体のうち第1正極接続部に接続する一対の正極本体によって前記負極体の内周側の端部を挟むように捲回され、
iを3以上、前記複数の負極接続部の個数以下の少なくとも1つの整数とすると、
第i負極接続部の前記負極最小幅は、第(i−2)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さく、
第(i−1)正極接続部の前記正極最小幅は、第i負極接続部の前記負極最小幅、および第(i−2)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さい、
ことを特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
jを2以上、前記複数の負極接続部の個数未満の全ての整数とすると、
第j正極接続部の前記正極最小幅は、第(j+1)負極接続部の前記負極最小幅、および第(j−1)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル。
【請求項3】
kを前記複数の負極接続部の個数とすると、
第k正極接続部の前記正極最小幅は、第(k−1)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気化学セル。
【請求項4】
第1正極接続部の前記正極最小幅は、第2負極接続部の前記負極最小幅よりも小さい、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電気化学セル。
【請求項5】
前記複数の負極接続部は、前記複数の負極本体における前記第1方向に直交する方向の両端部よりも内側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項6】
前記正極活物質は、リチウム化合物を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンやウエアラブル機器、補聴器などの小型機器の電源として、リチウムイオン二次電池や電気化学キャパシタ等の電気化学セルが広く活用されている。
このような電気化学セルにおいては、電池容量並びに充電電流および放電電流を大きくする観点から、電気化学セル内で対向している電極同士の面積を大きくすることが必要である。電気化学セルの構造としては、一対の帯状の電極を帯状のセパレータを介して対向させた状態で捲回して捲回体を形成し、その捲回体を外装体に収め、電解液を電極およびセパレータに含浸させた構造が知られている。帯状の電極が一定の幅を有する場合には、捲回体は円柱状に形成される。このため、外装体の形状によっては、円柱状に捲回された捲回体を扁平状に変形させる必要がある。
【0003】
しかしながら、捲回体を扁平状に変形させる場合、変形後の捲回体の形状が直方体状等の比較的単純な形状に限定される。このため、外装体の形状によっては外装体に電極体を高密度で配置することが困難である。
【0004】
捲回体が平面視で非矩形状に形成された構成が下記特許文献1に開示されている。特許文献1には、正極板および負極板がそれぞれ複数の積層面を連結片で連結した帯状に形成され、正極板の積層面と負極板の積層面とがセパレータを介して交互に積層されるように、正極板および負極板を連結片で折り曲げて扁平形状に捲回して極板群を形成した電池が開示されている。この電池によれば、正極板および負極板それぞれの積層面の形状を適宜設定することで、捲回体が直方体状に形成された構成と比較して、外装体が直方体以外の形状を有する場合に外装体に極板群を高密度で配置できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/13305号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、帯状の電極を連結片で折り曲げて扁平形状に捲回する場合、捲回体の平面視形状は連結片が突出した形状となり得る。例えば、特許文献1に開示された構成では、正極板の複数の連結片がそれぞれ同じ幅で延びているとともに、負極板の複数の連結片がそれぞれ同じ幅で延びているので、平面視で連結片が角張るように積層面から突出する。このため、外装体内で捲回体における連結片により形成された突出部の周囲に隙間ができやすい。よって、非矩形状の外装体に扁平形状の捲回体を隙間なく配置することが困難である。
【0007】
さらに、捲回体を非矩形状に扁平捲回する場合には、帯状の電極が展開状態で複雑な形状となり得るが、この場合であっても一対の電極間の短絡を抑制しなければならない。したがって、従来技術にあっては、非矩形状の外装体を有する電気化学セルにおいて、電極を高密度で配置して容量を確保しつつ、電極間の短絡を抑制して信頼性の低下を抑制するという点で改善の余地がある。
【0008】
そこで本発明は、様々な形状の外装体に対応し、容量の確保、および信頼性の低下の抑制が図られた電気化学セルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電気化学セルは、互いに重ね合わされて扁平に捲回された負極体および正極体を備え、前記負極体は、展開状態で第1方向に一列に並んで配置された複数の負極本体と、前記複数の負極本体のうち展開状態で隣り合う一対の負極本体を接続し、表面に負極活物質が配置され、前記一対の負極本体が互いに重なり合うように折り返された複数の負極接続部と、を有し、前記正極体は、展開状態で第2方向に一列に並んで配置され、前記負極本体に重なる複数の正極本体と、前記複数の正極本体のうち展開状態で隣り合う一対の正極本体を接続し、表面に正極活物質が配置され、前記複数の負極接続部に対向する複数の正極接続部と、を有し、Nを自然数とし、前記複数の負極接続部のうち最内周に配置される負極接続部から外周側に向けてN番目に位置する負極接続部を第N負極接続部として定義し、前記複数の正極接続部のうち最内周に配置される正極接続部から外周側に向けてN番目に位置する正極接続部を第N正極接続部として定義し、前記複数の負極接続部それぞれにおいて、前記第1方向に直交する方向の最小幅を負極最小幅と定義し、前記複数の正極接続部それぞれにおいて、前記第2方向に直交する方向の最小幅を正極最小幅と定義した場合、前記負極体は、前記複数の負極本体のうち第1負極接続部に接続する一対の負極本体によって前記正極体の内周側の端部を挟むように捲回され、前記正極体は、前記複数の正極本体のうち第1正極接続部に接続する一対の正極本体によって前記負極体の内周側の端部を挟むように捲回され、iを3以上、前記複数の負極接続部の個数以下の少なくとも1つの整数とすると、第i負極接続部の前記負極最小幅は、第(i−2)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さく、第(i−1)正極接続部の前記正極最小幅は、第i負極接続部の前記負極最小幅、および第(i−2)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さい、ことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、負極接続部の表面には負極活物質が配置され、負極接続部に対向する正極接続部には正極活物質が配置されているので、負極本体および正極本体のみならず、負極接続部および正極接続部においても放電(二次電池の場合は充放電)を行うことができる。よって、負極接続部および正極接続部の表面に活物質が配置されていない構成と比較して、電気化学セルの容量の向上を図ることができる。
また、上記構成では、負極体は、複数の負極本体が互いに重なり合うように負極接続部が折り返されて捲回される。このため、展開状態で第1負極接続部から外周側に向けて奇数番目に位置する負極接続部は、複数の負極本体が積層される方向から見て負極本体に対する捲回軸方向に直交する方向の一方側に配置される。また、展開状態で第1負極接続部から外周側に向けて偶数番目に位置する負極接続部は、複数の負極本体が積層される方向から見て負極本体に対する前記捲回軸方向に直交する方向の他方側に配置される。上記構成によれば、捲回状態で隣り合う第i負極接続部および第(i−2)負極接続部について、複数の負極本体が積層される方向から見て、外層側の第i負極接続部の幅は、内層側の第(i−2)負極接続部の幅よりも狭くなる。これにより、複数の負極本体が積層される方向から見て、第i負極接続部および第(i−2)負極接続部が負極本体から離れるに従い段階的に幅を狭めるように配置される。よって、複数の負極本体が積層される方向から見て負極体を凹凸の小さい所望の扁平形状に捲回でき、負極体および正極体を外装体内に隙間なく配置することが可能となる。したがって、様々な形状の外装体に対応し、容量の確保が図られた電気化学セルを提供できる。
さらに、上記構成では、捲回状態で隣り合う第i負極接続部および第(i−2)負極接続部との間に第(i−1)正極接続部が配置される。上記構成によれば、第(i−1)正極接続部の正極最小幅は、第i負極接続部の負極最小幅、および第(i−2)負極接続部の負極最小幅よりも小さいので、第(i−1)正極接続部の全体が第i負極接続部および第(i−2)負極接続部それぞれの主面に対向する。これにより、充電時において、第i負極接続部および第(i−2)負極接続部それぞれの外縁で電界集中が生じることを抑制できる。第i負極接続部および第(i−2)負極接続部それぞれの表面には負極活物質が配置されているので、電気化学セルに適用されるイオンを構成する金属を負極活物質に吸収させることができ、電界集中に起因して金属が析出することを抑制できる。よって、負極体および正極体の短絡を抑制して、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【0011】
上記の電気化学セルにおいて、jを2以上、前記複数の負極接続部の個数未満の全ての整数とすると、第j正極接続部の前記正極最小幅は、第(j+1)負極接続部の前記負極最小幅、および第(j−1)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さくてもよい。
【0012】
この構成によれば、複数の正極接続部のうち捲回状態で一対の負極接続部の間に配置される全ての正極接続部の全体が負極接続部の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部それぞれの外縁における電界集中に起因する金属の析出を抑制できる。よって、負極体および正極体の短絡を抑制して、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【0013】
上記の電気化学セルにおいて、kを前記複数の負極接続部の個数とすると、第k正極接続部の前記正極最小幅は、第(k−1)負極接続部の前記負極最小幅よりも小さくてもよい。
【0014】
この構成によれば、複数の正極接続部のうち捲回状態で外層側から負極接続部に重なる全ての正極接続部の全体が負極接続部の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部それぞれの外縁における電界集中に起因する金属の析出をより確実に抑制できる。よって、負極体および正極体の短絡を抑制して、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【0015】
上記の電気化学セルにおいて、第1正極接続部の前記正極最小幅は、第2負極接続部の前記負極最小幅よりも小さくてもよい。
【0016】
この構成によれば、複数の正極接続部のうち捲回状態で内層側から負極接続部に重なる全ての正極接続部の全体が負極接続部の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部それぞれの外縁における電界集中に起因する金属の析出をより確実に抑制できる。よって、負極体および正極体の短絡を抑制して、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【0017】
上記の電気化学セルにおいて、前記複数の負極接続部は、前記複数の負極本体における前記第1方向に直交する方向の両端部よりも内側に配置されていてもよい。
【0018】
上述したように、複数の負極接続部は、複数の負極本体が積層される方向から見て負極本体に対する捲回軸方向に直交する方向に配置される。上記構成によれば、複数の負極接続部は、複数の負極本体における第1方向に直交する方向の両端部よりも内側に配置されることで、複数の負極本体が積層される方向から見て負極本体から捲回軸方向に直交する方向に突出するように配置される。ここで、複数の負極接続部が一定の幅で負極本体から突出している構成では、複数の負極本体が積層される方向から見た負極体の外形において負極本体と負極接続部との結合部に凹部が形成され、外装体との間に隙間が形成されやすい。そこで、上述したように複数の負極本体が積層される方向から見て、第i負極接続部および第(i−2)負極接続部が負極本体から離れるに従い段階的に幅を狭めるように配置されることで、負極接続部よって上述した凹部を埋めることができる。したがって、外装体内に隙間のできにくい電気化学セルとすることができる。
【0019】
上記の電気化学セルにおいて、前記正極活物質は、リチウム化合物を含んでいてもよい。
【0020】
この構成によれば、リチウムイオンを負極体の負極活物質に吸収させることができる。よって、負極体から針状のリチウムが析出することを抑制できる。したがって、負極体および正極体の短絡を抑制して、電気化学セルの信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、様々な形状の外装体に対応し、容量の確保、および信頼性の低下の抑制が図られた電気化学セルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の電池の斜視図である。
図2】実施形態の電池の断面図である。
図3】実施形態の電極構造体の平面図である。
図4図3のIV−IV線における断面図である。
図5】実施形態の負極体の捲回前における展開図である。
図6】実施形態の正極体の捲回前における展開図である。
図7】実施形態の負極体および正極体の捲回方法を示す図である。
図8】負極体および正極体の平面図であって、第1負極本体と第2正極本体との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図9】負極体および正極体の平面図であって、第2負極本体と第1正極本体との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図10】負極体および正極体それぞれの一部を示す平面図であって、第9負極接続部と第8正極接続部との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図11】負極体および正極体それぞれの一部を示す平面図であって、第7負極接続部と第8正極接続部との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図12】収容部に収容された負極体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。また以下の説明では、電気化学セルとして、非水電解質二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という。)を例に挙げて説明する。
【0024】
図1は、実施形態の電池の斜視図である。図2は、実施形態の電池の断面図である。
図1および図2に示すように、電池1は、平面視円形状のいわゆるボタン形の電池である。電池1は、正極活物質および負極活物質を有する発電要素の電極構造体40と、電極構造体40に含浸される電解液(図示せず)と、電極構造体40を収容する外装体10と、を備える。
【0025】
外装体10は、電池1の外郭を形成している。外装体10は、電極構造体40が収容される収容部11と、収容部11の外周11aに沿って折り曲げられた封止部12と、を備える。封止部12は、例えば絞り成形によって、収容部11の外周11aに沿って折り曲げられている。
【0026】
また、外装体10は、電極構造体40を間に挟む第1容器20および第2容器30を備える。第1容器20および第2容器30は、それぞれラミネートフィルムにより形成されている。ラミネートフィルムは、金属層(金属箔)と、重ね合わせ面(内側面)に設けられ金属層を被覆する樹脂製の融着層と、外側面に設けられ金属層を被覆する樹脂製の保護層と、を有する。金属層は、例えばステンレスやアルミニウム等の外気や水蒸気を遮断する金属材料を用いて形成されている。重ね合わせ面の融着層は、例えば、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いて形成されている。外側面の保護層は、例えば、上述のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等を用いて形成されている。
【0027】
第1容器20は、円形状の第1底壁部21と、第1底壁部21の外周から筒状に延びる第1周壁部22と、第1周壁部22の開口縁から拡径して筒状に延びる第1鍔部23と、を備える。第1底壁部21には、第1貫通孔24が形成されている。例えば、第1貫通孔24は、第1底壁部21の中心に形成されている。
【0028】
第1底壁部21の内面には、第1シーラントリング25を介して銅プレート26が熱融着されている。第1シーラントリング25は、シーラントフィルムをリング状にしたものである。シーラントフィルムは、ポリオレフィンのポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて形成されている。
【0029】
銅プレート26の内面は、後述する負極リード2(図3参照)に接続されている。銅プレート26の外面の中央には、ニッケルプレート27が溶接されている。ニッケルプレート27は、第1貫通孔24を貫通して外部に露出され、電池1の負極端子として機能する。また、銅プレート26に代えて、ニッケル製のプレート材を用いることもできる。この場合、ニッケルプレート27を設けなくてもよい。
【0030】
第1周壁部22は、収容部11の外周11aの一部を形成する。第1鍔部23は、第1周壁部22の開口縁から径方向外方に突出し、さらに略一定の径で第1底壁部21から離れる側に延びている。
【0031】
第2容器30は、円形状の第2底壁部31と、第2底壁部31の外周から筒状に延びる第2周壁部32と、第2周壁部32の開口縁から拡径して筒状に延びる第2鍔部33と、を備える。
【0032】
第2底壁部31は、電極構造体40を挟んで第1容器20の第1底壁部21とは反対側に配置されている。第2底壁部31は、第1容器20の第1底壁部21と略同径に形成されている。第2底壁部31には、第2貫通孔34が形成されている。例えば、第2貫通孔34は、第2底壁部31の中心に形成されている。
【0033】
第2底壁部31の内面には、第2シーラントリング35を介してステンレスプレート36が熱融着されている。第2シーラントリング35は、第1シーラントリング25と同様に、熱可塑性樹脂により形成されている。
【0034】
ステンレスプレート36の内面は、後述する正極リード3(図3参照)に接続されている。ステンレスプレート36の外面の中央には、ニッケルプレート37が溶接されている。ニッケルプレート37は、第2貫通孔34を貫通して外部に露出され、電池1の正極端子として機能する。なお、例えば、ステンレスプレート36に代えて、アルミニウム製のプレート材を用いることもできる。
【0035】
第2周壁部32は、第2底壁部31の外周から第1容器20の第1底壁部21に向けて延びている。第2周壁部32は、第1周壁部22とともに、収容部11の外周11aを形成する。第2鍔部33は、第2周壁部32の開口縁から径方向外方に突出し、さらに略一定の径で第2周壁部32に沿って第2底壁部31側に延びている。第2鍔部33は、第2周壁部32に対して外側に間隔をおいて配置されている。
【0036】
第2周壁部32は、第1鍔部23の内側で、かつ、第2鍔部33の内側に配置されている。また、第2鍔部33は、第1鍔部23の内側に配置されている。第2鍔部33の融着層は、第1鍔部23の融着層に熱融着されている。
【0037】
収容部11は、第1容器20と第2容器30との間で電極構造体40を収容する。具体的に、収容部11は、第1底壁部21、第1周壁部22、第2底壁部31、および第2周壁部32により形成され、平面視で円形状に形成されている。封止部12は、平面視で収容部11の周囲の全周で第1容器20と第2容器30とが重なり合って形成されている。具体的に、封止部12は、第1容器20の第1鍔部23の融着層と、第2容器30の第2鍔部33の融着層と、が熱融着されることにより形成されている。これにより、第1容器20および第2容器30が重ね合わされて外装体10が形成される。封止部12は、外装体10の第1容器20と第2容器30との重ね合わせ方向で、収容部11の中間部から突出している。
【0038】
図3は、実施形態の電極構造体の平面図である。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。
図3および図4に示すように、電極構造体40は、シート状の負極体50、正極体60およびセパレータ70を備える。電極構造体40は、負極体50および正極体60を互い違いに積層するように折り畳まれた積層タイプの電極体である。具体的に、電極構造体40は、セパレータ70を介して負極体50と正極体60とを重ね合わせて扁平に捲回されることにより形成されている。負極体50および正極体60は、セパレータ70とともに所定の捲回軸線Oを中心として捲回されている。セパレータ70は、負極体50および正極体60の層間の全体に配置され、負極体50と正極体60とを絶縁している。
【0039】
負極体50は、金属材料により形成された負極集電箔と、負極集電箔に塗工された負極活物質と、を備えた1枚のシート状の部材である。負極集電箔は、例えば銅やステンレス等の金属箔により形成されている。負極活物質は、例えば、シリコン酸化物やグラファイト、ハードカーボン、チタン酸リチウム、LiAl等である。
【0040】
正極体60は、金属材料により形成された正極集電箔と、正極集電箔に塗工された正極活物質と、を備えた1枚のシート状の部材である。正極集電箔は、例えばアルミニウムやステンレス等の金属箔により形成されている。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウムやチタン酸リチウム、マンガン酸リチウム等のように、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物である。
【0041】
セパレータ70は、リチウムイオンを通す特性を有する部材である。セパレータ70は、例えばポリオレフィン製の樹脂ポーラスフィルムやガラス製不織布、樹脂製不織布、セルロース繊維の積層体等により形成されている。
【0042】
電極構造体40は、電極構造体40の厚さ方向から見た平面視で非矩形状に形成されている。具体的に、電極構造体40は、収容部11内の密封空間の形状に対応し、平面視で円形状に形成されている。なお、以下の説明では、電極構造体40の厚さ方向を単に厚さ方向といい、捲回軸線Oに沿う方向を軸方向といい、厚さ方向および軸方向に直交する方向を軸直方向という。厚さ方向は、外装体10の第1容器20と第2容器30との重ね合わせ方向に一致している。
【0043】
ここで、電極構造体40の展開状態における負極体50の形状について説明する。
図5は、実施形態の負極体の捲回前における展開図である。
図5に示すように、負極体50は、捲回される前の展開状態で、全体として帯状に形成されている。負極体50は、一列に並んで配置された複数(図示の例では10個)の負極本体51と、隣り合う一対の負極本体51を接続する複数(図示の例では9個)の負極接続部52と、を有する。負極本体51は、電極構造体40において積層方向の垂直面に沿って平坦に延びる部分である(図4参照)。負極接続部52は、複数の負極本体51が互いに重なるように、電極構造体40の側部において折り返される部分である(図4参照)。各負極本体51は、平面視で負極体50の幅が極大となる部分を1つずつ含む。各負極接続部52は、平面視で負極体50の幅が極小となる部分を1つずつ含む。
【0044】
以下、複数の負極本体51が並ぶ方向を負極長手方向(第1方向)と称し、負極長手方向に直交する方向を負極短手方向と称する。また、負極長手方向において、複数の負極本体51のうち電極構造体40の最も捲回中心側に配置される負極本体51に対し、電極構造体40の外周側に配置される負極本体51側を「外周側」と定義し、その反対方向を「内周側」と定義する。また、以下では、複数の負極本体51について、最内周の負極本体51から外周側に順に序数を付して説明する。換言すると、Nを自然数とし、最内周の負極本体51から外周側に向けてN番目に位置する負極本体を第N負極本体と定義する。複数の負極接続部52についても同様である。さらに、複数の負極接続部52は、第1負極接続部52Aから外周側に向けて奇数番目に位置する全ての負極接続部52が属する第1群53と、第1負極接続部52Aから外周側に向けて偶数番目に位置する全ての負極接続部52が属する第2群54と、を備える。
【0045】
負極体50は、平面視で負極連結方向に沿う中心線を対称軸として線対称に形成されている。複数の負極本体51は、展開状態で、負極短手方向におけるそれぞれの中心が負極長手方向に沿う同一直線上に位置するように配置されている。各負極本体51は、所定の径の円に対し、負極長手方向における両端部を切り欠いた形状に形成されている。複数の負極接続部52は、負極長手方向で隣り合う一対の負極本体51の間に設けられている。各負極接続部52は、その負極接続部52に接続された一対の負極本体51のそれぞれにおける負極短手方向の両端部よりも内側に配置されている。
【0046】
負極体50の外周側の端部には、負極リード2が接続されている。負極リード2は、上述した銅プレート26に接続される部分である。負極リード2は、最外周に配置される負極本体51から負極長手方向に沿って延出している。負極リード2は、負極体50の負極集電箔と同一部材により一体的に形成されている。
【0047】
ここで、各負極接続部52において、負極短手方向の最小幅を負極最小幅(図5の符号W1参照)と定義する。第1群53に属する負極接続部52のうち少なくとも一部の負極接続部52は、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次小さくなるように負極連結方向に連続して並んでいる。本実施形態では、第1群53に属する全ての負極接続部52は、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次小さくなるように負極連結方向に並んでいる。第2群54に属する負極接続部52のうち少なくとも一部の負極接続部52は、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次小さくなるように負極連結方向に連続して並んでいる。本実施形態では、第2群54に属する負極接続部52のうち最外周の第8負極接続部52H以外の負極接続部52は、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次大きくなるように負極連結方向に並んでいる。以上により、iを3以上、複数の負極接続部52の個数(すなわち9)以下の少なくとも1つの整数(本実施形態ではiは3から7、および9)とすると、第i負極接続部52の負極最小幅は、第(i−2)負極接続部52の負極最小幅よりも小さくなっている。
【0048】
さらに、複数の負極接続部52のうち少なくとも一部の負極接続部52は、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次小さくなるように負極連結方向に連続して並んでいる。本実施形態では、第1負極接続部52Aから第7負極接続部52Gは、展開状態で内周側から外周側に向けて負極最小幅が順次小さくなる、または等しくなるように並んでいる。つまり、mを2以上の連続する複数の整数(本実施形態ではmは2から7)とすると、第m負極接続部52の負極最小幅は、第(m−1)負極接続部52の負極最小幅以下となっている。なお、第8負極接続部52Hおよび第9負極接続部52Iそれぞれの負極最小幅は互いに等しく、かつ第7負極接続部52Gの負極最小幅よりも大きい。
【0049】
次に、電極構造体40の展開状態における正極体60の形状について説明する。
図6は、実施形態の正極体の捲回前における展開図である。
図6に示すように、正極体60は、捲回される前の展開状態で、全体として帯状に形成されている。正極体60は、一列に並んで配置された複数(図示の例では10個)の正極本体61と、隣り合う一対の正極本体61を接続する少なくとも1つ(図示の例では9個)の正極接続部62と、を有する。正極本体61は、電極構造体40において積層方向の垂直面に沿って平坦に延びる部分である(図3参照)。正極接続部62は、複数の正極本体61が負極本体51に重なるように、電極構造体40の側部において折り返される部分である(図3参照)。各正極本体61は、平面視で正極体60の幅が極大となる部分を1つずつ含む。各正極接続部62は、平面視で正極体60の幅が極小となる部分を1つずつ含む。
【0050】
以下、複数の正極本体61が並ぶ方向を正極長手方向(第2方向)と称し、正極長手方向に直交する方向を正極短手方向と称する。また、正極長手方向において、複数の正極本体61のうち電極構造体の最も捲回中心側に配置される正極本体61に対し、電極構造体40の外周側に配置される正極本体61側を「外周側」と定義し、その反対方向を「内周側」と定義する。また、以下では、複数の正極本体61および複数の正極接続部62について、負極本体51および負極接続部52と同様に序数を付して説明する。
【0051】
正極体60は、平面視で正極連結方向に沿う中心線を対称軸として線対称に形成されている。複数の正極本体61は、負極本体51と同数設けられている。複数の正極本体61は、展開状態で、正極短手方向におけるそれぞれの中心が正極長手方向に沿う同一直線上に位置するように配置されている。各正極本体61は、負極本体51よりも小径の円に対し、正極長手方向における両端部を切り欠いた形状に形成されている。これにより、各正極本体61の正極短手方向の寸法は、負極本体51の負極短手方向の寸法よりも小さい。複数の正極接続部62は、正極長手方向で隣り合う一対の正極本体61の間に設けられている。
【0052】
正極体60の外周側の端部には、正極リード3が接続されている。正極リード3は、上述したステンレスプレート36に接続される部分である。正極リード3は、最外周に配置される正極本体61から正極長手方向に沿って延出している。正極リード3は、正極体60の正極集電箔と同一部材により一体的に形成されている。
【0053】
ここで、各正極接続部62において、正極短手方向の最小幅を正極最小幅(図6の符号W2参照)と定義する。jを2以上、複数の負極接続部52の個数(すなわち9)未満の全ての整数とすると、第j正極接続部62の正極最小幅は、第(j+1)負極接続部52の負極最小幅、および第(j−1)負極接続部52の負極最小幅よりも小さくなっている。よって、上述した整数iを用いると、第(i−1)正極接続部62の正極最小幅は、第i負極接続部52の負極最小幅、および第(i−2)負極接続部52の負極最小幅よりも小さい。なお、第1正極接続部62Aの正極最小幅は、第2負極接続部52B(図5参照)の負極最小幅よりも小さくなっている。また、第9正極接続部62Iの正極最小幅は、第8負極接続部52H(図5参照)の負極最小幅よりも小さくなっている。
【0054】
次に、負極体50および正極体60の捲回構造について説明する。
負極体50および正極体60は、それぞれの展開状態における短手方向の中心が互いに重なるように配置された状態で捲回されている。負極体50は、各負極本体51を平坦にしたまま各負極接続部52を折り返すことにより捲回されている。各負極接続部52は、その負極接続部52に接続する一対の負極本体51が厚さ方向から見て互いに重なり合うように折り返されている。正極体60は、各正極本体61を平坦にしたまま各正極接続部62を折り返すことにより捲回されている。各正極接続部62は、その正極接続部62に接続する一対の正極本体61が厚さ方向から見て互いに重なり合うように折り返されている。複数の負極本体51および複数の正極本体61は、厚さ方向に交互に積層されている。複数の負極本体51および複数の正極本体61は、平面視でそれぞれの中心点が捲回軸線O上で互いに一致するように配置されている。複数の負極接続部52および複数の正極接続部62のそれぞれは、電極構造体40における軸直方向の端部に配置されている。
【0055】
図7は、実施形態の負極体および正極体の捲回方法を示す図である。なお、図7ではセパレータの図示を省略している(以下の図でも同様)。
図7に示すように、最初に、負極体50の第1負極本体51Aと正極体60の第1正極本体61Aとを互いに重ねる。この際、第1負極本体51Aと第1正極本体61Aとの間に巻き芯を介在させてもよい。続いて、負極体50および正極体60を第1負極本体51Aおよび第1正極本体61Aの周囲に捲回する。
【0056】
具体的に、負極体50および正極体60を以下の手順で捲回する。負極体50の第1負極接続部52Aを折り返し、第1負極本体51Aとは反対側で第1正極本体61Aに第2負極本体51Bを重ねる。この際、第1負極本体51Aおよび第2負極本体51Bは、第1負極本体51Aと第1正極本体61Aとの重ね合わせ方向から見てそれぞれの中心点が互いに重なるように配置される。また、正極体60の第1正極接続部62Aを折り返し、第1正極本体61Aとは反対側で第1負極本体51Aに第2正極本体61Bを重ねる。この際、第1正極本体61Aおよび第2正極本体61Bは、第1負極本体51Aと第1正極本体61Aとの重ね合わせ方向から見てそれぞれの中心点が互いに重なるように配置される。その後も、各負極本体51が互いに重なるように各負極接続部52を折り返すとともに、各正極本体61が互いに重なるように各正極接続部62を折り返す。これにより、負極体50は、第1負極本体51Aおよび第2負極本体51Bによって第1正極本体61Aを挟むように捲回される。正極体60は、第1正極本体61Aおよび第2正極本体61Bによって第1負極本体51Aを挟むように捲回される。このように負極接続部52および正極接続部62を順に折り返すことにより負極体50および正極体60が捲回される。
【0057】
次に、負極体50と正極体60との位置関係について説明する。
図4に示すように、複数の正極本体61は、セパレータ70を介して負極本体51に対向している。第10正極本体61Jは、セパレータ70を介して1つの負極本体51に対向している。複数の正極本体61のうち第10正極本体61J以外の正極本体61は、セパレータ70を介して一対の負極本体51に対向している。例えば、第1正極本体61Aは、セパレータ70を介して第1負極本体51Aおよび第2負極本体51Bに対向している。
【0058】
複数の正極接続部62は、セパレータ70を介して負極接続部52に対向している。第1正極接続部62Aおよび第9正極接続部62Iは、セパレータ70を介して1つの負極接続部52に対向している。複数の正極接続部62のうち第1正極接続部62Aおよび第9正極接続部62Iを除く第N正極接続部62は、セパレータ70を介して第(N+1)負極接続部52および第(N−1)負極接続部52に対向している。
【0059】
図8は、負極体および正極体の平面図であって、第1負極本体と第2正極本体との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。図9は、負極体および正極体の平面図であって、第2負極本体と第1正極本体との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図8および図9に示すように、各正極本体61の正極短手方向の寸法が負極本体51の負極短手方向の寸法よりも小さいことで、第1正極本体61Aの全体は、対向する第2負極本体51Bの外縁よりも厚さ方向から見て内側に位置している。また、第2正極本体61Bの全体は、対向する第1負極本体51Aの外縁よりも厚さ方向から見て内側に位置している。このように、各正極本体61の全体は、対向する1つまたは一対の負極本体51の外縁よりも厚さ方向から見て内側に位置し、セパレータ70を介して負極本体51の主面に対向している。
【0060】
図10は、負極体および正極体それぞれの一部を示す平面図であって、第9負極接続部と第8正極接続部との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。図11は、負極体および正極体それぞれの一部を示す平面図であって、第7負極接続部と第8正極接続部との位置関係を維持した状態で電極構造体を展開した図である。
図10に示すように、第8正極接続部62Hの正極最小幅が第9負極接続部52Iの負極最小幅よりも小さいことで、第8正極接続部62Hの全体は、第9負極接続部52Iと第8正極接続部62Hとが重なり合う方向から見て第9負極接続部52Iの外縁よりも内側に位置している。また、図11に示すように、第8正極接続部62Hの正極最小幅が第7負極接続部52Gの負極最小幅よりも小さいことで、第8正極接続部62Hの全体は、第7負極接続部52Gと第8正極接続部62Hとが重なり合う方向から見て第7負極接続部52Gの外縁よりも内側に位置している。
【0061】
このように、上述した整数jを用いると、第j正極接続部62の正極最小幅が第(j+1)負極接続部52の負極最小幅よりも小さいことで、第j正極接続部62の全体は、第(j+1)負極接続部52と第j正極接続部62とが重なり合う方向から見て第(j+1)負極接続部52の外縁よりも内側に位置している。また、第j正極接続部62の正極最小幅が第(j−1)負極接続部52の負極最小幅よりも小さいことで、第j正極接続部62の全体は、第(j−1)負極接続部52と第j正極接続部62とが重なり合う方向から見て第(j−1)負極接続部52の外縁よりも内側に位置している。
【0062】
なお、図示しないが、第1正極接続部62Aの正極最小幅が第2負極接続部52Bの負極最小幅よりも小さいことで、第1正極接続部62Aの全体は、第2負極接続部52Bと第1正極接続部62Aとが重なり合う方向から見て第2負極接続部52Bの外縁よりも内側に位置している。また、第9正極接続部62Iの正極最小幅が第8負極接続部52Hの負極最小幅よりも小さいことで、第9正極接続部62Iの全体は、第8負極接続部52Hと第9正極接続部62Iとが重なり合う方向から見て第8負極接続部52Hの外縁よりも内側に位置している。以上により、各正極接続部62の全体は、セパレータ70を介して負極接続部52の主面に対向している。
【0063】
以上に説明したように、本実施形態の電池1では、負極体50は、展開状態で一列に並んで配置された複数の負極本体51と、表面に負極活物質が配置され、一対の負極本体51が互いに重なり合うように折り返された複数の負極接続部52と、を有し、正極体60は、負極本体51に重なる複数の正極本体61と、表面に正極活物質が配置され、複数の負極接続部52に対向する複数の正極接続部62と、を有する。この構成によれば、負極接続部52の表面には負極活物質が配置され、負極接続部52に対向する正極接続部62には正極活物質が配置されているので、負極本体51および正極本体61のみならず、負極接続部52および正極接続部62においても充放電を行うことができる。よって、負極接続部52および正極接続部62の表面に活物質が配置されていない構成と比較して、電池1の容量の向上を図ることができる。
【0064】
また、本実施形態では、負極体50は、複数の負極本体51が互いに重なり合うように負極接続部52が折り返されて捲回される。このため、展開状態で第1負極接続部52Aから外周側に向けて奇数番目に位置する負極接続部52は、厚さ方向から見て負極本体51に対する軸直方向の一方側に配置される。また、展開状態で第1負極接続部52Aから外周側に向けて偶数番目に位置する負極接続部52は、厚さ方向から見て負極本体51に対する軸直方向の他方側に配置される。
【0065】
図12は、収容部に収容された負極体を示す平面図である。
図12に示すように、本実施形態によれば、iを3以上、複数の負極接続部52の個数以下の少なくとも1つの整数とすると、捲回状態で隣り合う第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52について、厚さ方向から見て、外層側の第i負極接続部52の幅は、内層側の第(i−2)負極接続部52の幅よりも狭くなる。これにより、複数の負極本体51は、厚さ方向から見て、第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52が負極本体51から離れるに従い段階的に幅を狭めるように配置される。よって、厚さ方向から見て負極体50を凹凸の小さい所望の扁平形状に捲回でき、負極体50および正極体60を外装体10内に隙間なく配置することが可能となる。したがって、様々な形状の外装体に対応し、容量の確保が図られた電池1とすることができる。
【0066】
さらに、本実施形態では、負極体50は、第1負極本体51Aおよび第2負極本体51Bによって第1正極本体61Aを挟むように捲回され、正極体60は、第1正極本体61Aおよび第2正極本体61Bによって第1負極本体51Aを挟むように捲回されている。このため、捲回状態で隣り合う第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52との間に第(i−1)正極接続部62が配置される。本実施形態によれば、第(i−1)正極接続部62の正極最小幅は、第i負極接続部52の負極最小幅、および第(i−2)負極接続部52の負極最小幅よりも小さいので、第(i−1)正極接続部62の全体が第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52それぞれの主面に対向する。これにより、充電時において、第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52それぞれの外縁で電界集中が生じることを抑制できる。第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52それぞれの表面には負極活物質が配置されているので、リチウムイオンを負極活物質に吸収させることができ、電界集中に起因して負極体50から針状のリチウムが析出することを抑制できる。よって、負極体50および正極体60の短絡を抑制して、電池1の信頼性を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、jを2以上、複数の負極接続部52の個数未満の全ての整数とすると、第j正極接続部62の正極最小幅は、第(j+1)負極接続部52の負極最小幅、および第(j−1)負極接続部52の負極最小幅よりも小さい。この構成によれば、複数の正極接続部62のうち捲回状態で一対の負極接続部52の間に配置される全ての正極接続部62の全体が負極接続部52の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部52それぞれの外縁における電界集中に起因するリチウムの析出を抑制できる。よって、負極体50および正極体60の短絡を抑制して、電池1の信頼性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態では、第9正極接続部62Iの正極最小幅は、第8負極接続部52Hの負極最小幅よりも小さい。この構成によれば、複数の正極接続部62のうち捲回状態で外層側から負極接続部52に重なる全ての正極接続部62の全体が負極接続部52の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部52それぞれの外縁における電界集中に起因するリチウムの析出をより確実に抑制できる。よって、負極体50および正極体60の短絡を抑制して、電池1の信頼性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、第1正極接続部62Aの正極最小幅は、第2負極接続部52Bの負極最小幅よりも小さい。この構成によれば、複数の正極接続部62のうち捲回状態で内層側から負極接続部52に重なる全ての正極接続部62の全体が負極接続部52の主面に対向する。これにより、充電時において、全ての負極接続部52それぞれの外縁における電界集中に起因するリチウムの析出をより確実に抑制できる。よって、負極体50および正極体60の短絡を抑制して、電池1の信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態では、複数の負極接続部52は、複数の負極本体51における負極短手方向両端部よりも内側に配置されている。上述したように、複数の負極接続部52は、厚さ方向から見て負極本体51に対する軸直方向に配置される。本実施形態によれば、複数の負極接続部52は、厚さ方向から見て負極本体51から軸直方向に突出するように配置される。ここで、複数の負極接続部が一定の幅で負極本体から突出している構成では、厚さ方向から見た負極体の外形において負極本体と負極接続部との結合部に凹部が形成され、外装体との間に隙間が形成されやすい。そこで、上述したように厚さ方向から見て、第i負極接続部52および第(i−2)負極接続部52が負極本体51から離れるに従い段階的に幅を狭めるように配置されることで、負極接続部52よって上述した凹部を埋めることができる。したがって、外装体10内に隙間のできにくい電池1とすることができる。
【0071】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、電気化学セルの一例として、二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、電気二重層キャパシタおよび一次電池等に上述した構成を適用してもよい。また、電池としてリチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、これに限らず、金属リチウム二次電池等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池であってもよい。
なお、電気二重層キャパシタに上述した構成を適用する場合、電気二重層キャパシタは機能上正負の区別がない一対の電極を備えるが、一方の電極を上記負極体と同様に構成し、他方の電極を上記正極体と同様に構成すればよい。
【0072】
また、上記実施形態では、複数の負極本体51および複数の正極本体61が互いに同数設けられているが、これに限定されない。負極本体および正極本体の一方は、他方よりも1つ多く設けられていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、電極構造体40が平面視で円形状に形成されているが、これに限定されない。例えば、電極構造体は、長軸または短軸が軸方向に沿う長円形状や、対角線が軸方向に沿う菱形状等に形成されていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、外装体10の第1容器20および第2容器30の両方がラミネートフィルムにより形成されている。しかしながらこれに限定されず、第1容器および第2容器の一方が、ステンレスやアルミニウム等からなる金属缶により形成されていてもよい。
【0075】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…電池(電気化学セル) 50…負極体 51…負極本体 52…負極接続部 52B…第2負極接続部 60…正極体 61…正極本体 62…正極接続部 62A…第1正極接続部 W1…負極最小幅 W2…正極最小幅
【要約】
【課題】様々な形状の外装体に対応し、容量の確保、および信頼性の低下の抑制が図られた電気化学セルを提供する。
【解決手段】電池は、互いに重ね合わされて扁平に捲回された負極体50および正極体60を備える。負極体50は、展開状態で隣り合う一対の負極本体51を接続し、表面に負極活物質が配置され、一対の負極本体51が互いに重なり合うように折り返された複数の負極接続部52を有する。正極体60は、展開状態で隣り合う一対の正極本体61を接続し、表面に正極活物質が配置され、複数の負極接続部52に対向する複数の正極接続部62を有する。iを3以上、複数の負極接続部52の個数以下の少なくとも1つの整数とすると、第i負極接続部の負極最小幅は、第(i−2)負極接続部の負極最小幅よりも小さい。第(i−1)正極接続部の正極最小幅は、第i負極接続部の負極最小幅、および第(i−2)負極接続部の負極最小幅よりも小さい。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12