(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一つの封止手段が、空気通路孔を含む構成要素の一部分と係合して前記空気通路孔から液体が出てくることを抑止するように構成された、当該保管ケースの内面の表面特徴部を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の保管ケース。
前記表面特徴部が、前記空気通路孔のまわりで前記構成要素の前記一部分の周辺部に係合するように構成されたカラーを備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載の保管ケース。
表面特徴部が、前記構成要素の一部分との、又は前記構成要素の一部分に対する摩擦嵌め又は圧縮嵌めを行うために弾性的に変形可能に構成されている、請求項2〜9のいずれか一項に記載の保管ケース。
前記少なくとも一つの封止手段が、前記構成要素の空気入口を含む前記構成要素の一部分に係合するように構成された第1の封止手段と、前記構成要素の空気出口を含む前記構成要素の一部分に係合するように構成された第2の封止手段とを備える、請求項2〜10のいずれか一項に記載の保管ケース。
前記カバーが、前記受容容積部を閉鎖する閉鎖位置で、前記受容容積部のアクセス孔のリムとの摩擦嵌め、ねじ式連結又は磁性アタッチメントによって保持可能である、請求項16に記載の保管ケース。
前記内部保管容積部が前記電子蒸気供給装置の少なくとも一つのバッテリー部を収容するように構成されている、請求項1〜12、14〜17のいずれか一項に記載の保管ケース。
当該保管ケースが、前記内部保管容積部を形成するように閉鎖機構によって接続可能である第1の部分及び第2の部分を備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の保管ケース。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の例及び実施形態の態様及び特徴について、本書において論じられ説明されている。しかし、特定の例及び実施形態における幾つかの態様及び特徴は、従来一般に具現化されている場合もあり、それらは簡略化するために詳細には説明しない。したがって、詳細に説明していない本書で論じた装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化され得ることは理解されたい。
【0021】
上述したように、本開示はeシガレットのような電子エアロゾル供給システムに関する(但し、これに限定されない)。以下の説明全体を通して、用語「eシガレット」が場合によって使用されることがあるが、この用語はエアロゾル(蒸気)供給システム又は装置と互換的に使用され得ることを理解されたい。
【0022】
図1は、いくつかの実施形態が適用可能であるeシガレット10などのエアロゾル/蒸気供給システムの非常に概略的な図である(正確な縮尺ではない)。eシガレットは、破線で示された長手方向軸線に沿って延びる略円筒形の形状を有し、二つの主要な構成要素、すなわち本体20とカートリッジアセンブリ30とを備える。
【0023】
カートリッジアセンブリ30は、エアロゾルを生成するための、例えばニコチンを含有する液体配合物から成る原料液体を収容するリザーバ38と、例えば原料液体を加熱することによってエアロゾルを生成するアトマイザすなわちヒータ40とを含む。原料液体及びヒータ/アトマイザ40は、一括してエアロゾル供給源と呼ばれることがある。カートリッジアセンブリ30は、加熱要素40によって生成されたエアロゾルを使用者が吸引するための開口(図示せず)を持つマウスピース35をさらに含む。原料液体は、約1〜3%のニコチン及び50%のグリセロールを含み、残部には、概ね等量の水とプロピレングリコールが含まれ、また場合により香味料のような他の成分も含まれる。本体20は、eシガレット10に電力を供給するための再充電可能な電池又はバッテリー54(以下「バッテリー」と称する)と、eシガレットを全体的に制御するためのプリント回路基板(PCB)28及び/又は他の電子回路とを含む。使用時、加熱要素40が、空気圧センサ(図示せず)で検出された圧力変化に応じて回路基板28によって制御されるバッテリー54からの電力を受け取ると、加熱要素40は、加熱位置で原料液体を気化してエアロゾルを生成し、このエアロゾルが次に、マウスピース35の開口を通して使用者に吸引される。エアロゾルは、使用者がマウスピースを吸引したときにエアロゾル供給源をマウスピースの開口までつなぐ空気チャネル(図示せず)に沿って、エアロゾル供給源からマウスピース35まで移送される。
【0024】
この特定の例では、本体20とカートリッジアセンブリ30は、
図1に示されるように、長手方向軸線に平行な方向に分離することによって互いから取外し可能であるが、装置10が使用されるときには、本体20とカートリッジアセンブリ30との間の機械的及び電気的接続性を得るための係合要素21、31(例えば、ねじ又は差込固定具)を協働させることによって、一体に接続される。カートリッジアセンブリ30に接続するために使用される本体20の電気的コネクタインターフェースはまた、本体20がカートリッジアセンブリ30から取り外されているときに本体20を充電装置(図示せず)に接続するためのインターフェースとして機能させることもできる。充電装置の他端は、外部電源、例えばUSBソケットに差し込んでeシガレットの本体20のバッテリー54を充電又は再充電することができる。別の実施態様では、別個の充電インターフェースが設けられることがあり、例えばそのためにバッテリー54は、カートリッジアセンブリ30に接続されたままのときに充電することができる。
【0025】
eシガレット10は、空気吸入のための一つ以上の穴(
図1には示されていない)を備える。これらの穴は、本体20又はカートリッジアセンブリ30の外壁にあり、カートリッジアセンブリを貫通してマウスピースに至る空気流路につながっている。いくつかの例では、空気流路は、本体20内に圧力検知領域(
図1には示されていない)を含み、そうして本体20からカートリッジアセンブリ30の中へと加熱要素40のまわりの領域までつながり、それにより、使用者がマウスピース35から吸引を行うと、空気は一つ以上の空気入口穴を通って空気流路の中に引き込まれる。この空気流(又は結果として生じる圧力の変化)は、空気流路と連通する圧力センサ(
図1に示されていない)によって検出され、この圧力センサは、(回路基板28の動作によって)加熱要素を作動させて原料液体の一部を気化し、それによりエアロゾルが生成される。空気流は空気流路を通過し、加熱要素40のまわりの領域で蒸気と一緒になり、生じたエアロゾル(空気流と凝縮蒸気との混合物)は、加熱要素40の領域から使用者に吸引されるマウスピース35にまでつながる空気流路に沿って進む。
【0026】
取外し可能なカートリッジアセンブリ30は、原料液体の供給がなくなると廃棄され、必要であれば別のカートリッジと交換することができる。本体20は、一連の使捨て取外し可能なカートリッジアセンブリに接続することにより、例えば1年以上の動作を実現するために再使用可能なものにすることができる。
【0027】
図2は、例示的なカートリッジアセンブリをより詳細に表す概略図である。空気流路60が長手方向軸線に沿って、本体に接続可能な端部の入口50から(係合要素31を介して)マウスピース35の出口52まで延びている。空気が外部環境から装置の中に引き込まれる外部場所である、システムの最初の空気取入れ口は、本体の、本体とカートリッジアセンブリ30との間の接合部にあっても、カートリッジアセンブリ自体(62、単に例示的な位置として
図2に点線で示されている、他の位置も可能である)にあってもよいことに留意されたい。本発明の目的に関して、注目される特徴は、空気がカートリッジアセンブリに入るための一つ以上の開口である。この開口は、組み立てられた最終システムにおける最初の外部空気取入れ口であってもよく、なくてもよい。この開口は、以下の説明では「空気取入れ口」と称する(複数の孔から構成されていてもよい)。
【0028】
この例では、マウスピース35はカートリッジ30と一体化して形成されているとして示されており、それにより、カートリッジアセンブリの空気出口52はマウスピース35の出口になる。別の例では、マウスピースは取外し可能とすることができ、空気出口52への延長部を形成して、使用者が吸引するための最終外部出口になる。本発明の目的に関して、用語「空気出口」は、出口の様々な選択肢、すなわち、一体化マウスピース、又はカートリッジアセンブリの適所に置かれた取外し可能なマウスピースの出口、又はマウスピースを接続することができるカートリッジアセンブリの出口のいずれを指すためにも使用される。
【0029】
カートリッジアセンブリの中への空気入口とカートリッジアセンブリの出口とは、一括して「空気通路孔」と称することができる。
【0030】
空気入口及び空気出口の性質及び位置にかかわらず、これら二つの特徴部は、カートリッジアセンブリ30を貫通して延びる空気流路(空気通路)60の両端を形成する。空気流路60に沿った中間箇所は、ヒータすなわちアトマイザ40、及びリザーバ38を含むエアロゾル供給源56を収容する。この例では、空気流路60はエアロゾル供給源56を収容するために広くなっているが、他の構成も除外されず、また空気流路60は、まっすぐでなくても、カートリッジアセンブリ内で中心に配置されなくてもよく、エアロゾル供給源の一つ以上の構成要素が空気流路に対して別々に、又はより遠くに置かれてもよい。ヒータは、eシガレットの本体部内のバッテリーへの電気接続部(図示せず)を有し、原料液体のリザーバ38によって囲まれている。この例では、リザーバ38は多くの多孔質材料58(網、繊維詰め物、又は多孔質セラミックなど)を備え、この多孔質材料は、その細孔内に原料液体を保持し、また原料液体を気化のためにヒータ40と接触させる。いくつかの装置では、原料液体の別個の貯蔵部が多孔質材料に供給することができ、その結果リザーバの容量が拡大する。また、いくつかの装置では、ヒータ自体が多孔質導電材料から形成され、原料液体の少なくとも一部を保持する働きをすることができる。さらにいくつかの装置では、原料液体は、ヒータと(ウィック又は他の多孔質流体経路を介して)液体連通しているタンク又は同様の保管容積部内に自由流動で保持することができる。エアロゾル供給源の多くの構成が知られており、これらは、エアロゾル供給源の諸特徴に依存しない本発明の範囲以内にある。
【0031】
アトマイザを含み、適度な量の原料液体がリザーバ(多孔質物質から全体的又は部分的に形成されてもされなくてもよい)の中に用意される、このタイプのカートリッジアセンブリは「カトマイザ」と称することができる。カトマイザは、使用者がリザーバを再充填できることもできないこともあり、場合によってカトマイザは、原料液体が使い果たされた後に廃棄可能なものにしてある。バッテリー又は電源部から取外し可能なエアロゾル供給源を備えるカートリッジアセンブリの別の形態は、「クリアロマイザ」と称されることがある。クリアロマイザは、使用者がその好みの原料液体で充填又は再充填できるように必ずではないがしばしば構成されている比較的大きいタンクを通常含む。その場合、原料液体はヒータまで一つ以上のウィックによって移送される。しかし、一般にはカートリッジアセンブリは、エアロゾル供給源を経由して空気入口と空気出口との間に延びる空気流路を含むが、他の空気流路も知られている。
【0032】
説明を簡潔簡明にするために、本書では用語「カトマイザ」が使用され、これには、クリアロマイザとして構成されたカートリッジアセンブリ、及びエアロゾル供給源が空気入口と空気出口との間の空気流路中に、又はそれと連通して置かれている他の構成もまた含まれることを理解されたい。空気入口は、一つ以上の孔すなわち開口をアセンブリの側壁若しくは端壁に、又はマウスピースに隣接して備え得る。カトマイザは、任意の外形及びサイズを有することができ、また、バッテリーを収容する本体部に、
図1のような直線配置(形が細長くなくてもよい)又は並列配置を含む任意の都合のよい方法で接続するように構成することができる。
【0033】
図2から理解できるように、カトマイザ構成は、カトマイザから原料液体が漏洩しやすいおそれがある。その理由は、ヒータで形成されたエアロゾルを吸引のために空気流中に送り込むことができるように、原料液体が空気流路と流体連通していなければならないからである。漏洩は、空気入口又は空気出口を通して起きる可能性がある。製造者は、消費者に供給する間の漏洩を抑止するために専門家による包装体を使用できるが、消費者はそのような包装体を、例えば複数のカトマイザが単一の箱に入れられている場合には、使用前ではなく商品の受取り時に取り除きたいと思うかもしれない。また、使用者は、カトマイザが空になる前に別の原料液体(例えば、ニコチン百分率が異なる、又は香味料が異なる別の原料液体)に切り換えたいと思うかもしれない。これは、使用者が原料液体を追加又は除去するように構成されていない使捨てカトマイザに特に関連する。このような場合、使用者は、一部使用のカトマイザを廃棄することで原料液体を無駄にすることに気が進まないかもしれず、残っている原料液体を後で消費するためにそのカトマイザを保管することを望むであろう。
【0034】
本発明の諸実施形態は、原料液体の漏洩を低減又は抑止するようにしてカトマイザを保管することを対象とする。いくつかの構成が考えられる。本発明は、カトマイザ又は電子タバコのいかなる特定の構成にも限定されず、むしろ、原料液体を収容し、その液体が空気流路孔から潜在的に漏洩しやすい蒸気供給システムの構成要素に広く適用可能である。漏洩を抑止するために、一つ以上のカトマイザを保管ケースの中に保管できることが提案される。これには、消費者がカトマイザを受け取る前、受け取る間及び/又は受け取った後の保管が含まれる。したがって、いくつかの例では、ケースが、カトマイザを消費者に供給するための包装体を備え、消費者は、その包装体をカトマイザのその後の保管のために使用し続けることができ、あるいは別の例では、ケースが、小売り/供給の目的だけの包装体を備え、それにより消費者は、カトマイザの使用前にケースを廃棄し、さらに別の例では、ケースが、場合によって別の容器で消費者に供給した後で、カトマイザ用の保管手段を備える。それに応じて、様々な例によるケースは、廃棄可能なものとすること(包装専用)、供給後に同じケース内で保管するために使用者が再使用可能なものとすること、又は当初の包装体とは異なり長期保管用途を目的とすることができる。
【0035】
以下では、用語「保管ケース」は、これらすべての様々なシナリオで使用され、それゆえに、包装や非包装の目的で設計され構成され意図されたケースすなわち容器を含む。様々な例では、ケースは、例えば一緒に固定できる蓋部と本体部によって形成された内部保管容積部を有し、カトマイザが、保管容積部と隣接していてもいなくてもよい受容容積部内に保持される。カトマイザ原料液体を保持し、それが保管容積部に流れ込むことを抑止するために、様々な封止形態が提案される。いくつかの例では、封止機能が、ケースの内面の構造物によって設けられ、この内面には、カトマイザが押込み嵌めなどによって取り付けられるか並べられて、空気入口又は空気出口のどちらか又は両方を覆うか塞ぐことができる。あるいは、蓋を閉じると構造物は、受容容積部に入れられているカトマイザの空気孔と係合することができる。受容容積部は保管容積部の全体を占めることができ、それによりケースは、一つ以上のカトマイザだけを保持する。あるいは、保管容積部は受容容積部を含むが大きく、そのためeシガレットのバッテリー部などの、他の構成要素を保管するためのスペースを提供する。一代替形態として、受容容積部は、保管容積部からアクセス可能な別個のコンパートメントとし、カバー又はバリアを備えることができ、このカバー又はバリアは、受容容積部を閉じるための閉鎖位置にあるときに、二つの容積部間の封止効果をもたらし、それにより、受容容積部内のカトマイザから液体漏洩がもしあっても保管容積部に入ることが抑止される。したがって、保管容積部に保持されたバッテリー部などの物品は、液体の影響を受けることから保護される。バッテリーを充電する機能を、バッテリー部を保持するように構成されたケース内に設けることができ、これは、(ローミング充電ができるように)ケースに組み込まれた電源に接続することによってでも、ケースを固定電源に接続することによってでもよい。
【0036】
さらに、いくつかの例では、保管ケースは、原料液体のリザーバをそれぞれが備える一つ以上のカートリッジを保管するように構成することができ、このカートリッジは、一体化しているリザーバがないカトマイザに挿入することが意図されており、それにより、カートリッジのリザーバは、カトマイザのアトマイザと動作連結することになる。類似の漏洩問題がこのような液体カートリッジと共に、リザーバを内蔵するカトマイザと同様に起こり得る。その結果、保管ケースは、蒸気供給装置の任意の構成要素の保管用とすることができ、この構成要素には、原料液体の保管用のリザーバが含まれる。構成要素はカトマイザ、カトマイザと一緒に使用するための液体カートリッジ、又は任意の他の同様のリザーバが基礎の構成要素であってもよい。以下の説明では、封止形態及び保管ケースに関連する特徴が、いかなるこのような構成要素にも当てはまり、カトマイザに限定されない。一部の説明がカトマイザに関して提示されるが、これは簡潔にするだけのためであり、限定するものではない。カトマイザに対するいかなる言及も、明らかに両立しない場合を除き、リザーバを有する他の構成要素にも当てはまると理解されたい。
【0037】
図3は、カトマイザ30を収容するように構成された、ケース30の第1の実施形態の斜視図を示す。この例では、ケース70は単一のカトマイザを受容するように構成され、他の物品用の保管スペースがない。ケース70は、その内部スペースがカトマイザの外形寸法にぴったりと合致するように形づくられているが、これは必須ではない。また、ケース70及びカトマイザ30の外形は単なる例にすぎず、任意の外形とすることができ、この点に関して本発明は限定されない。
【0038】
ケース70は、第1の部分72及び第2の部分74を含み、これらは連結又は接続してケースを閉じ、ケース70の内部容積部である保管容積部を形成することができる。この例では、第1の部分72は第2の部分74よりも小さいために蓋部と考えてよい。別の構成では、第2の部分74はより小さい蓋部とすることができ、あるいは二つの部分を同様にサイズ設定して、ケース70をほぼ半分に分割することもでき、そのためどちらの部分も明らかには蓋部にならない。第1の部分72と第2の部分74は、これらの部分の開口の隣り合う縁部ないしはリムで形成された接合部72a、74aで係合する。係合は、ねじ部などの任意の適切な閉鎖機構によるものでも(ケースがこの場所で円筒形断面を有する場合)、接合部72a、74a上の突起と凹部が協働するスナップ嵌めによるものでも、二つの部分72、74が一緒になるように押される摩擦嵌めによるものでも、これらの部分を閉じた形に接続及び固定するように構成された他の任意の適切な閉鎖手段によるものでもよい。接合部72a、74aは、これらが係合される場合、実質的に耐漏洩(水密)の封止を実現するように構成されてもされなくてもよい。封止は、例えば、摩擦嵌め閉鎖部を適切に成形することによって、あるいは二つの結合部72a、74aの接合部に配置されたゴムのフランジ若しくはワッシャ、又は同様の封止部材(図示せず)を圧縮することによって、実現することができる。この例では、二つの部分72、74は、ケース70の長手方向軸線と、ケース内にあるときのカトマイザ30の長手方向軸線とに実質的に垂直である平面内で接合及び分離するが、他の例では、その長手方向軸線に実質的に平行な平面内で、又は垂直と平行の選択肢の間の任意の平面内で、接合及び分離するように構成されてもよい。
【0039】
本発明で提案された漏洩抑止機能を実現するために、この例示的なケース70は二つの封止手段ないしは封止構成要素を備える。第1の封止手段76は第1の部分72の内側に配置され、第2の封止手段78は第2の部分74の内側に配置される。各封止手段76、78は、ケース70の関連する部分72、74の内面の、形づくられた三次元表面特徴部として構成される。この例では、封止手段76、78はそれぞれ、ケース内部に内向きに延びる突起から成る。各突起は、カトマイザ30の空気通路孔に嵌合するように形づくられサイズ設定され、ケース内に配置され、それにより、カトマイザ30がケース70の内部に入れられ蓋部72が閉じられると、突起は空気通路孔の中に延びるように整列される。この整列状態は、
図3に点線で示されている。この例では、カトマイザ30は細長く、カトマイザ30の長手方向軸線と実質的に整列された空気入口50が一端にあり、空気出口が反対端にある。これらの孔に係合するように、封止手段76、78はそれぞれ、ケース70の向かい合って面する内部端壁に配置される。
【0040】
この例では、突起76、78の形の封止手段は、カトマイザ30の略円筒形の孔に係合するように、断面が円形の、略円筒形の形状を有する。他の断面形状も、対象のカトマイザの空気通路孔の形状に応じて使用することができる。
【0041】
効果的な封止を実現し、漏洩抑止効果を最大化するために、表面特徴部は、発泡体、ゴム、コルクなどの弾性材料から形成し、空気通路孔の中への緊密摩擦嵌めが得られるようにサイズ設定することができる。その結果、突起76、78は弾性的に変形可能な特性を有し、空気通路孔50、52に嵌め込むときに、加えられた圧力を受けて圧縮され得る。突起はまた、あるいは代替的に、いくらか変形するための表面フランジを有してもよい。この場合、孔には栓が密接して差し込まれ、カトマイザ内部からの流体の漏洩が起こりにくい。孔の中に突起を係合する助けになるように、突起はテーパ形状を有することができ、それにより突起の断面積及び幅は、ケース表面近くと比較して、ケース表面から遠い側の端部で小さくなる。
【0042】
しかし、緊密摩擦嵌めは必須ではなく、何らかの漏洩抑止又は低減が、孔をあまり緊密には塞がないか閉鎖しない表面特徴部を用いて、実現され得る。このことは、ケースの二つの突起部72、74が、ケース70が閉じられるときにカトマイザ端部を押す構成に特に関連しており、こうして接触することにより、いくらかの封止機能がやはり得られる。このような例では、突起は変形可能材料から作られなくてもよく、代わりに、金属又は硬質プラスチック材料から作られるなど、実質的に剛性であってもよい。
【0043】
すべての例において、表面特徴部は、ケース70の関連部分72、74の少なくとも一部と共に成形などによって一体化して形成することができ、あるいは別個に形成して、接着剤、ねじ若しくはリベット、又は溶接などの任意の適切な技法によりケースの内面に固定することもできる。
【0044】
図4は、
図3のカトマイザ30を保管するケース70の断面図を示す。カトマイザ30は、ケース70の第2の部分74の中に、開いている部分から入れられ、内向きに押され、それにより突出封止手段78は空気入口52に入って、孔が少なくとも部分的に閉鎖される。蓋構造を有する第1の部分72は、第2の部分74と係合されて容器を閉鎖している。蓋72をケース70に被せることにより、別の突出封止手段76が空気出口50と係合され、それにより空気出口も閉鎖すなわち封止される。このようにして、カトマイザ内部の液体が空気流路を介してカトマイザから流れ出しケース70の内部容積部に漏洩することが抑止される。
【0045】
図3及び
図4の実施形態には二つの封止手段があり、二つの空気通路孔(空気入口及び空気出口)につき一つずつある。しかし、このことは必須ではなく、他の例示的なケースは、カトマイザの空気入口及び空気出口のうちの一方だけに封止手段を設けるように構成することができる。漏洩に対する何らかの保護がなお、このような機構によって行われる。カトマイザのいくつかの構造は、起こり得る漏洩が一方の孔からのほうがもう一方よりも可能性が高くなるように構成され、この可能性の高い孔だけに封止手段を設けることもできる。また、保管されるカトマイザの空気流路が実質的に垂直になる位置で保持されると予想されるようにケースを構成することもでき、そのため、重力が保管カトマイザの上端の孔からの漏洩を抑止することになり、下端の孔を保護するように封止手段を設けることができる。
【0046】
図5は、複数のカトマイザ(この例では3つ)を受容するように構成された例示的ケース70の断面図を示す。各カトマイザ用の封止手段がケース70のベース部に設けられ、この封止手段にカトマイザの空気入口が、漏洩予防のために係合することができる。この例では、空気出口用の封止手段が設けられず、そのため蓋部72は、ケース70を閉じるために表面特徴部封止手段を、空気孔と整列する必要もなしで取り付けることができる。カトマイザの端面に接触し、場合によって端面を押さえ付ける緊密嵌合蓋部が、このような構造における空気出口からの漏洩を抑止する助けになり得る。例えば、キャッチ、ラッチ、又は同様な係合機構を設けることができ、これらは閉じられると、蓋がカトマイザをしっかり押さえ付ける閉鎖位置に蓋を保持し、キャッチはこの加圧を維持する働きをする。ケースは、必要に応じて任意の数のカトマイザを受容し保持するようにサイズ設定することができる。
【0047】
図3、
図4及び
図5の例は、孔を少なくとも部分的に塞ぐか閉鎖する栓を形成するための、空気通路孔の中に延びる突起の形の封止手段を備える。表面特徴部の別の形状もまた企図される。例えば、表面特徴部は、空気通路孔の中に延びるのではなく、空気通路孔を覆うように形づくられサイズ設定された表面突起とすることができる。
【0048】
図5aは、このように構成された封止手段の一例を示し、ケース収容カトマイザの一部の断面として図示されている。ケースの第1の部分72には、内面73から、カトマイザ30によって占有されるケースの内部容積部の中へ内向きに延びる表面突起77がある。表面突起77は幅が(全方向で)、カトマイザ30の端部の空気通路孔50の対応する方向における幅を超える。第1の部分72がケースの第2の部分(図示せず)に対して近づけられると、突起77は空気通路孔50を覆い、漏洩を抑止する封止効果をもたらす。ケースが閉じられるときにカトマイザ30の端面(図示の向きで上端)に突起77が押し付けられるようにケースが構成されるならば、また突起77がゴム、発泡体又はコルクなどの弾性の圧縮可能な材料から作られるならば、封止は強化される。表面突起は、カトマイザ表面のどの外部位置の空気通路孔も覆うように、また場合により押さえ付けるように位置付けし配置することができる。孔はカトマイザの端面にある必要がない。ケースは、任意の数のカトマイザに対して一つ又は二つのこのような表面特徴部を含み得る。
【0049】
代替的な例では、表面特徴部は、ケースの内面に形成されたカラー又は周囲壁の形状にすることができ、この中に、空気通路孔を含むカトマイザの端部(又は他の部分)を挿入することができる。これにより、
図3、
図4及び
図5の例における突起によって施される栓閉鎖とは異なり、キャップ閉鎖に似ている封止効果が得られる。
【0050】
図6aは、カトマイザを保持するケースの一部の断面として図示された、カラー(鍔)形式で構成された封止手段の第1の例を示す。ケースの第1の部分72には、内面すなわち壁73からケースの内部に内向きに延びるカラー80がある。カラーは、壁の形(環状又は他の閉じられたか部分的に閉じられた形状)で内面から突出して、中心凹部81を取り囲み、これを画する。凹部81の幅又は直径及び断面は、カトマイザ30の端部の対応する形状及び寸法と実質的に一致するように選ばれ、その端部は空気通路孔50を有するか又は含む。カトマイザの端部は凹部81に押し込むことができ、それによりカラー80はカトマイザの周辺部と係合し、カトマイザ端部を覆って閉鎖部を形成するので、空気通路孔から液体が出てくることが抑止される。その結果、ケースの内部容積部の中に漏洩することが低減又は防止される。
【0051】
図6bは、第1の部分72の内部を見ている平面図を示す。カラー80は、この例では円形であり、それにより凹部81は丸くなっている。このカラーは、円形断面のカトマイザと(少なくとも端部で)協働する使用が可能である。他のカラー形状を、意図されたカトマイザの形状及びサイズに応じて適宜に形成することができる。
【0052】
図7aは、カラー形式封止手段の第2の例を示し、これはその構造が
図6a及び
図6bの例と異なるが、同様に機能する。この例では、突出壁は、ケースの内壁73に形成された凹部82と置き換えられている。この凹部は、内面73に取り付けられている内側ライナ層の材料75を切削、スタンピング又は成形することによって、又はケースの部分を単一部片として適宜に成形することによって、製作することができる。凹部の側壁(複数可)は、カトマイザ端部の周辺部と係合する。
【0053】
図7bは、この例の、第1の部分72の内部を見ている平面図を示す。凹部82は楕円形であるが、カトマイザと係合する必要に応じて任意の形状及びサイズにすることができる。
【0054】
カラー構造物(凹部又は突出壁)は、カトマイザが摩擦嵌めによってカラーの中に保持されるように弾性材料から形成することができる。この材料は、カトマイザの関連部分が凹部に挿入されるとわずかに変形し、カトマイザを適所に弾性的に把持する。代替的又は追加的に、カトマイザを把持するために、一つ以上の変形可能フランジを凹部の側壁(複数可)に設けることができる。カトマイザを凹部に挿入する助けになるように、側壁をテーパ付きにすることができる(それにより、ケースの内部に隣り合う凹部外側孔は、ケース壁に最も近い凹部のベース部よりも大きくなる)。より剛性の材料を代替的に使用することができ、その封止の程度は、凹部の内壁と係合カトマイザ部分の外面の間の嵌合の緊密さと、カトマイザの端壁と凹部のベース部との間の接触量(例えば、閉じたときにケースがカトマイザを内面73に押し付けるように構成することによって増大させることができる)とに応じて達成される。
【0055】
上記の例と同様に、カラー封止手段を有するケースは、一つ以上のカトマイザを受容するように構成することができる。また、カラー封止手段は、カトマイザの一方又は両方の孔に対し設けることもできる。例えば、
図3の例のように空気通路孔が両端にあるカトマイザに対し、一方のカラーはケースの第1の部分の内面に形成し、もう一方のカラーはケースの第2の部分の向かい合う内面に形成することができる。
【0056】
さらに、表面特徴部の封止手段を、突起を取り囲むカラーを有する、キャップと栓が組み合わされた機構として構成することができる。
図8は、このような封止手段の例をケースの一部の断面として示す。
【0057】
押込み又は挿入によってカトマイザと係合する表面特徴部封止手段(「押し嵌め式の」封止手段)の代替形態として、特定のカトマイザに設けられたねじ部を利用してカトマイザを電子タバコのバッテリー部と接続することができる。カトマイザの中への空気入口がねじ部で囲まれている場合、そのねじ部をケースの内面の対応するねじ部に螺合させることにより何らかの封止効果が得られ、空気入口からの漏洩に対する保護が実現する。上記で論じたような「押し嵌め式の」表面特徴部封止手段が、所望であれば、空気出口を封止又は被覆するために付加的に設けられてもよい。
【0058】
図9aは、ねじ部による封止手段の第1の例の断面図を示し、ねじ部84が、カトマイザ30の内向きのねじ部86と係合するために、ケースの内面から突出するカラーないしは台座80の外側面に設けられている。
図9bは、代替例の断面図を示し、ねじ部84が、カトマイザ30の外向きのねじ部86と係合するために、突出カラーないしは凹部82の内側面に設けられている。ねじ部機構が、内面73から延びる突起と組み合わされること、また空気通路孔50の中に延びるように構成されることが、その突起が、ねじ部を連結するために必要な回転を妨げないように構成され、空気通路孔が、カトマイザの端部のねじ部の範囲内の中心に配置されているならば、行われてよい。
【0059】
封止手段の他の形状、形及び構成もまた、必要であれば、上記の例のいずれかと組み合わせて使用することができる。本発明は、いかなる特定の形状にも限定されない。むしろ、空気通路孔を内部に有するカトマイザの一部分又は一領域の中又は周囲に係合できる、任意の形状が使用されてもよく、それにより、空気通路孔を介してカトマイザの内部と、ケースの内部容積部の外との間の流体連通が、全体的又は部分的に阻止され、妨げられ、又は制限される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ケースは、その別の部分にヒンジによって接続された蓋部を有し得る。空気通路孔が各端部にある(
図2のような)カトマイザに対しては、上で論じられた様々な例のいずれかによる封止手段がヒンジ式蓋又はヒンジ式扉の反対側のケースの内面に設けられてもよく、及び又は「押し嵌め式の」構成による封止手段がヒンジ式蓋又はヒンジ式扉の内面に設けられてもよい。
【0061】
図10は、この態様で構成された例示的ケースの斜視図を示す。ケース70は、主本体部90と、ヒンジ94によって主本体90に回動可能に取り付けられたヒンジ式扉92(又は蓋)とを備える。主本体部90は、アクセス開口96を一つの壁に有し、扉92は、ヒンジ94のまわりに回転したときにアクセス開口96を覆って閉じるように設置されている。封止部93が任意選択で、扉92又はアクセス開口96の周辺部に設けられてもよい。カトマイザ(図示せず)をケースの中にアクセス開口96から挿入することができる。扉92に対向するケース70の壁98の内面に、挿入されたカトマイザの遠位端(扉から遠くの端部)の空気通路孔に係合するようにサイズ設定及び位置付けされた突出表面特徴封止部材78が設けられる。第2のこのような部材76が扉92の内面に設けられ、それにより、扉92がこれをヒンジ94のまわりに回転させることによって閉じられると、突起76がカトマイザの近位端の空気通路孔に挿入される。その結果カトマイザは封止されて、両端での漏洩が抑止される。図示されていないが、アクセス開口96を通してアクセス可能なケース70の内部は、意図されたカトマイザの外形に合致又は近似するように形づくることができ、それにより、カトマイザがケースに受容されると、カトマイザは、ケースの封止部材76、78がカトマイザの空気通路孔と整列するように適切な位置になる。ケースは、場合によりそれぞれ別々の領域内に二つ以上のカトマイザを受容するように構成することができ、個々の扉が、個々のアクセス開口にアクセスできるようになっており、あるいは単一の扉が、いくつかのカトマイザを収容するのに十分な大きさの領域にアクセスできるようになっている。図示されたもの以外のヒンジ式扉又は蓋の機構を想起することができ、ケースは任意のサイズ又は形状とすることができる。この例では、ケースは、内部壁によってカトマイザ領域から分割された第2の保管コンパートメントを有する(扉、カバー又は蓋を通してアクセスできる(図示せず))。
【0062】
本発明の実施形態によるケースの内部は、別々の実施形態において関係が異なる、二つの容積部から成ると考えることができる。一つ以上のカトマイザによって占有されることが意図されている内部領域は、カトマイザを受容するので受容容積部となる。封止部材(カトマイザごとに一つ以上)は、受容容積部に受容されたカトマイザの空気通路孔と整列するように配置される。ケースの内側壁は、カトマイザの外面の一部又は全部に対応して形づくることができ、それによりカトマイザは、受容容積部にカトマイザを入れる操作によって、及び/又はケースを閉じることによって、封止部材と整列される。あるいは封止部材が、空気通路孔を有するカトマイザの部分と十分堅固に(例えば、ねじ山又は摩擦嵌め結合によって)係合するように構成されている場合、封止部材はまた、カトマイザを受容容積部の適所に保持するための支持体として機能することもできる。
【0063】
図3〜
図5の第1の部分及び第2の部分などのケースの部分、又は
図10の主本体(第2の部分)及びヒンジ式扉(第1の部分)は、協働してケースの内部保管容積部を形成する(ケースの壁の内面によって縁取られる)。これらの部分は、すでに論じられたように、ヒンジ、ねじ部、押し嵌め式のアタッチメントなどによって一緒になるように連結可能又は接合可能であり得る。本書に記載の封止手段の目的は、カトマイザからの原料液体が内部保管容積部に流れ込むことを抑止することである。
【0064】
いくつかの例では、受容容積部と内部保管容積部は実質的に同じであり、すなわちこれらは、ほぼ同じサイズであり、一致し接している。受容容積部は、内部保管容積部の実質的に全部を占める。したがって、ケースが、その意図されたカトマイザの全数量を保持しているとき、カトマイザは、ケース内部の全部又はほぼ全部のスペースを占め、内部保管容積部は満杯になる。他の物品を収容するスペースはない。
図3及び
図5のケースは、このようなケースの例である。
【0065】
別の例では、内部保管容積部は受容容積部よりも大きく、受容容積部は内部保管容積部の中に含まれる。ケースがその意図されたカトマイザの全数量を保持しているとき、受容容積部は完全に占有されているが、内部保管容積部は占有されておらず、電子タバコを形成するためにカトマイザと共に使用するためのバッテリー部など、他の物品、おそらくは関連する物品を保管又は保持するために使用することができる。
【0066】
図11は、拡大内部保管容積部を有するケースの一例の断面図を示す。ケース70は、ケースの内部保管容積部を形成するベース部74を覆って閉鎖可能な蓋部72を備える。この蓋部は図示の幅Iを有する。ケースは、
図4のものと同様の3組の封止手段を備えるので、内部容積部の幅Iよりも小さい幅Rの受容容積部に3つのカトマイザを受容することができる。二つのカトマイザ30が示されており、第3のものを受容するスペースが受容容積部の中にある。内部保管容積部が受容容積部よりもその分だけ大きいスペースが、幅がSの追加保管スペースすなわち容積部になる。この容積部は、この例ではバッテリー部20を保管するために使用され、バッテリー部はカトマイザのいずれとも結合して電子タバコを形成することができる。これは例示的な構成にすぎず、受容容積部は内部保管容積部の中のどこにでも配置することができ、任意の形式の封止手段を使用することができ、任意の数のカトマイザを収容することができ、また、バッテリー部に加えた、又はその代わりの物品が保管容積部に受容され得る。
【0067】
さらに別の実施形態では、受容容積部は内部保管容積部に隣り合い、これら二つは重なり合わないが、内部保管容積部から受容容積部にアクセスするアクセス開口を介して連結される。このような機構では、保管されたカトマイザから内部保管容積部の中への望ましくない流体漏洩に、アクセス開口を閉鎖するカバーの形の封止手段によって対処することができる。その結果、カトマイザから漏洩する液体がもしあっても受容容積部に限定され、内部保管容積部に達することが抑止される。その結果、内部保管容積部のバッテリー部など、いかなる物品も保護することができる。
【0068】
図12は、このようなケースの一例の断面を示す。ケース70はベース部74と、ヒンジのところでヒンジで動くようにベース部74に取り付けられている蓋部72とを備える(任意の閉鎖又は結合機構を使用して蓋とベースを固定することができる)。ケース70内部の容積部は、下部の受容容積部Rと、受容容積部Rの上の内部保管容積部Iとに分割される。アクセス開口100が二つの容積部の間の仕切り103として形成され、受容容積部Rには、アクセス開口100を通して内部保管容積部Iからアクセスすることができる。受容容積部Rは、この例では二つのカトマイザ30を受容するようにサイズ設定される。他のケースでは、保持できるカトマイザが二つより多いことも少ないこともある。封止手段102は、アクセス開口100全体にわたって嵌合して受容容積部を閉鎖するカバーを備える。内部保管容積部は、カバー102の上で蓋72の下のスペースにあり(ケースが図示のような垂直の向きにあるとき)、カトマイザ30と共に使用するためのバッテリー部20を収容することができる。カバー102は、受容容積部Rの方へ延びる周縁フランジ105を有し、この周縁フランジは、アクセス開口100のリム106と係合してカバー102をその閉鎖位置で固定する。カバー102、フランジ105、リム106は、摩擦嵌めのために形づくられ形成されて、カバー102とリム106との間の液体の通過を抑止するように緊密閉鎖嵌合することができる。例えば、少なくともフランジ105が、また場合によりカバー102全体が、いくらか弾性変形する弾性材料(ゴム、発泡体、可撓性プラスチックなど)から製作されて、カバー102が圧縮を受けて開口100の中へ入ることを強制できるようになる。突出フランジ以外の構成を代替的に使用して摩擦嵌めを行うことができる。カバーを適所に保持するために、代替閉鎖技術を使用することができる。例えば、カバー102及びリム106は、係合してカバーを閉鎖できる互いに協働するねじ部を有することができる。磁性材料をカバー及びリムに配置して、又はこれらの構成要素を製作するのに使用して、カバーを磁力で固定することもできる。取外し可能カバーの代替形態として、カバー102をヒンジで動くように取り付けることもでき、それによりカバーは仕切り103にヒンジによって回転可能に取り付けられる(例えば、摩擦嵌め又は磁石機構がヒンジと一緒に用いられてもよい)。これにより、カバーの置き忘れが防止される。あるいは、カバーは、例えば、カバーの向かい合わせの平行縁部が仕切り上の、又はケースの内部側壁上の一対の軌道内に配置された、摺動機構として構成されてもよく、この軌道によりカバーが、受容容積部にアクセスする開放位置と、受容容積部を内部保管容積部から分離する閉鎖位置との間で摺動できるようになる。
【0069】
図12のケースは例示的な構成にすぎない。受容容積部と内部保管容積部は、所望の相対位置に配置すること、及びより多くの、又はより少ない物品を保管するようにそれぞれサイズ設定することができる。その内面は、カトマイザ及び他の物品を規定位置及び場所に保持するように形づくることができる。
【0070】
加えて、ケースの受容容積部が、アクセス孔を通して空気通路孔がアクセス可能になる位置にカトマイザを受容するように構成されている場合、例えば、カトマイザが空気通路孔をその端面に有し、カトマイザの長手方向軸線が閉鎖カバーに直交した状態で配置される場合、蓋の下側は、空気通路孔と係合するための、また追加の封止効果又は漏洩抑止効果を得るための、押し嵌め式の封止手段を備えることができる。例えば、カバーは、
図4の例の第1の部分72、又は
図10の例のヒンジ式扉と同様に構成されてよい。
【0071】
本発明の実施形態によるケースは、ケースに保管された電子タバコのバッテリー部内部の再充電可能なバッテリー又は電池を充電する機能を含むようにさらに構成することができる。この構成は、内部保管容積部が受容容積部を含みそれを上回るケース、又は内部保管容積部に隣り合うケース、すなわち、カトマイザに加わる一つ以上の物品のための保管容量を設けるように構成されたケースに適用可能であり、この一つ以上の物品にはバッテリー部(
図1の例示的装置の本体20)が含まれる。このような例では、封止手段は、充電に必要な電気コネクタをカトマイザからの漏洩原料液体の影響を受けることから保護する機能を提供する。
【0072】
図13は、このような実施形態によって構成された例示的ケースの簡略断面図を示す。主部74を閉鎖する蓋部72を有するケース70は、受容容積部に二つのカトマイザ(図示せず)を保持するように構成される。カトマイザごとの二つの突出表面特徴部76、78の形の封止手段(一方が空気入口と係合し、一方が空気出口と係合する)が、受容容積部に設けられる。これらの機能は、
図11の例と同様に、蓋部72の内側及び主部74の内側に置かれる。受容容積部を上回るケース70の内部保管容積部の部分の中に備えられた保管スペースに、受容容積部が隣り合い、この受容容積部は、カトマイザ30に結合されたバッテリー部すなわち本体20を備える電子タバコ10を受容するように形づくられ寸法設定される。この例は、完全な電子タバコ10の保管用に構成されているが、他の例では、バッテリー部20だけを収容するように構成された保管スペースを有することもある。充電ポート110がケース70の主部74の中で保管スペースに設けられ、バッテリー部20はケース70に挿入されると、このポート110に何らかの適切な手段で電気的に結合されて、バッテリー部内のバッテリー又は電池54との電気的接続部(図示せず)を形成することができる。充電ポート110は、ケース70の外側からアクセス可能な外部電気ソケットを有し、このソケットに電気コネクタ112を、バッテリー54を充電できる電流源へのケーブル114及びプラグ、USBコネクタ116(原寸に比例していない)などを介する接続のために、結合することができる。電流源は、例えば主電源又はホストコンピュータとしてもよい。したがって、ケースは、バッテリー部20を充電のために電源に接続するように動作可能な、充電ユニットとして機能する。
【0073】
あるいは、ケースは、電源に接続しなくてもバッテリー部に保管されたバッテリーを充電するように動作可能な、自立型充電ユニットとして構成されてもよい。
【0074】
図14は、自立型充電のために構成された例示的ケースの一部の簡略断面図である。図は、充電機能を具現化するケース70の部分を示す。したがって、バッテリー部20を収容する保管スペースの部分が、内壁から突出する表面特徴部封止手段78を有する隣り合う受容容積部の一部と共に示されている。ケースは、前のようにケースの主部74の内側に充電ポート110を備えるが、この例では、再充電可能電源118(バッテリー又はセル)が充電ポート110と外部電気ソケット120の間に介在する。コネクタ112によって外部ソケット120に接続されたケーブル114が、主電源などから電流を再充電可能電源118に供給して、この電源を充電することができる。ケーブルが取り外されると、ケースは元の電流源(主電源)から持ち出し、いずれの主電源などからも離れたバッテリー部20をその後充電するのに使用することができる。ケース70に入れられ充電ポート110に結合されたバッテリー部20は、再充電可能電源118から電流を引き出すことができ、それによりバッテリー54が再充電される。ケース70はまた、
図13のケースと同様に、主電源から直接バッテリーを充電するのに使用することもできる。
【0075】
充電機能を有するケースは、当業者に理解される任意の従来の態様で構成された適切な電気接続部を用いて構成することができる。直接電気接続部が使用されてもよく、あるいは誘導結合が使用されてもよい。充電ポート110は、バッテリー部の専用充電コネクタと接続するように、又はカトマイザに接続するためにバッテリー部に設けられた電気接続部と接続するように、バッテリー部の形式に応じて構成することができる。ケースは、任意の数のカトマイザをその受容容積部に収容することができ、本書で論じられた様々な封止手段のいずれかを使用して、カトマイザ(複数可)からの液体の漏洩を抑止することができる。また、保管スペースは、充電ポートに結合する位置にあるバッテリー部に加えて一つ以上の追加のバッテリー部を収容するように、サイズ設定することもできる。
【0076】
図15は、別の例示的保管ケースすなわち容器を、収容することが意図されているカトマイザと一緒に示す分解組立外観斜視図である。この例において役立つように、ケース70は、消費者にカトマイザ30を供給するための包装体として構成することができ、またさらに、消費者が受け取った後にカトマイザを保管するための拡大利用に対して、例えば、繰り返される開閉及びカトマイザの取り出し挿入に耐えるように十分に堅牢になることによって、構成することが可能である。一例として、ケース70の二つの部分はポリウレタンから形成することができるが(例えば、単一部分として、又は連結部を溶接、接着、又はスナップ嵌めすることによって接合される複数の部分として成形することによって)、他の材料を除外しない。一方又は両方の部分を透明材料で形成して、ケースの内容物を確認できるようにすること、例えば、原料液体香料を表示する特定の色を有し得るカトマイザを識別できるようにすることが可能である。
【0077】
図15の例は
図3の例と類似しているが、その形状及び全体の外観が主に異なる。ケース70は、蓋すなわち最上部のハウジング部の機能を有する第1の部分72と、ベースすなわち下部のハウジング部の機能を有する第2の部分74とを備える。第1の部分72と第2の部分74は、これら二つの部分の向かい合う縁部で形成された接合部72a、74aで係合する。この例では、係合形状によってスナップ嵌めが可能になり、それによりケース70は、二つの部分を押し合わせることによって閉鎖し、二つの部分を引き離すことによって開放することができる。二つの部分72、74は、ケースの内部保管容積部を形成し、この内部保管容積部は、単一カトマイザ30を受容し収容するように形づくられる。この例のカトマイザ30は平坦な形状を有し、幅がその高さとほぼ同等であり、奥行きが高さよりもずっと小さい。このカトマイザは、
図3の例のカトマイザ30の細長く全体的に円筒形の形状とは対照的である。保管容積部は、カトマイザ30の外側の形状及びサイズにかなり厳密に近づくように形づくられ、それにより、ケースがカトマイザ30を保持しているときに、閉じられたケース70の内側には空のスペースがほとんど又は全くない。カトマイザは、カトマイザ30の空気出口(空気通路孔)が形成されているマウスピース部35を有する。カトマイザ30の空気入口(第2の空気通路孔(
図15に示されていない))は、カトマイザの底面30aにある。
【0078】
図16は、カトマイザ30を内部容積部に保管するケース70を閉じた形で示す断面図である。カトマイザ30もまた断面が示されているが、その内部構造は一例にすぎず、本発明には関連しないことに留意されたい。図から分かるように、ケース70の内部容積部はカトマイザの外形と厳密に一致している。この図は、第1の部分72の内側に配置された第1の封止手段76と、第2の部分74の内側に配置された第2の封止手段78とを示す。各封止手段76、78は、ケース70の内壁からケースの内部へ延びる突起の形をしている。第1の封止手段76は、カトマイザマウスピース35の空気通路孔52と整列するように配置され、第2の封止手段78は、カトマイザ30の底面の空気通路孔50と整列するように配置される。第1の部分72と第2の部分74が接合されてカトマイザ30のまわりのケースが閉じられると、各封止手段76、78は、その対応する空気通路孔50、52に到達してこれらを塞ぎ、そこからの流体漏洩を抑止する。各封止手段76、78は、その幅がケース壁から遠くの端部で小さくなるようにテーパ形状を有し、このため封止手段が空気通路孔に入りやすくなる。これとは別に、各封止手段は、対応する空気流路の横断形状に一致するようにサイズ設定され形づくられているその長さに直交する断面を、効果的な封止のための緊密嵌合を得るように有する。この例では、第2の封止手段は、下方の空気通路孔50が円形であるので実質的に円形の断面を有し、第1の封止手段は、マウスピースの孔52が楕円形であるので実質的に楕円形の断面を有し、カトマイザの平坦な外形を反映してその幅がその奥行きよりも大きい。
【0079】
図17は、いくつかの実施形態による封止手段の細部を示す。特に
図17は、ケース74の下部、及びまたケース内にあるカトマイザの下部の断面図である。ケース74の下部には、カトマイザ30の底面30Aに形成された空気流路孔50に挿入される突起78が含まれる。封止手段を形成するこの突起は、中心スペース178を有する全体としてカラーの形状であり、このカラーは上端(カトマイザに最も奥まで挿入される端部)が開いている。しかし、
図6aとは異なり、このカラーは孔50の内側で嵌合して、封止を形成するように孔の壁と接触する。このような中心スペース178が突起78にある一つの理由は、ケースを取り付ける助けにするためである。加えて、中心スペース178は突起78にいくらかの弾性を与えて、よりよい封止部を形成することもできる(突起78が孔50の中でわずかな圧縮を受けることが可能になる)。
【0080】
図18A及び
図18Bは、いくつかの実施形態による封止手段の細部を示す。特に
図18Aは、ケース72の下部の、及びまたケース内にあるカトマイザの上(マウスピース部)の断面図である。ケース72の上部には、カトマイザ30の上に形成された空気通路孔(マウスピース孔)52に挿入されている突起76が含まれる。封止手段を形成するこの突起は、中心スペース176を有する全体として楕円カラーの形状であり、このカラーは下部(カトマイザに最も奥まで挿入される端部)が開いている。やはり、このカラーは孔52の内側にあり、封止を形成するために孔の壁と接触している。
図18Bは、カトマイザが存在しないケース72の上部の内側の図であり、楕円形状の突起76を示し、この突起は、突起の中心領域内のスペース176を形成する楕円形状(又は他の任意の適切な形状)を持つ高くなった隆起の形をしている。
【0081】
これまで論じられた実施形態の表面特徴部封止手段は、カトマイザの端壁の空気通路孔と係合するように一般にケース内に配置され形づくられている。しかし、本発明はそのように限定されず、表面特徴部は、カトマイザ側壁の開口など、カトマイザの他の場所の孔と係合するように形づくり配置することができる。
【0082】
本書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を助けるためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表例としてのみ提供されており、網羅的及び/又は限定的なものではない。本書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び/又は他の側面は、請求項で定義された本発明の範囲を制限するもの、或いは請求項の均等物に対する制限と考えられるべきではないこと、並びに特許請求する発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で具体的に説明したもの以外の、開示されている要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでも、これらのみからなっていても、或いは実質的にこれらのみからなっていてもよい。また、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載され得る他の発明を含み得る。