【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、請求項1の特徴による、トランスミッション装置によって対処される。諸従属請求項は、有利な実施形態に関する。特許請求の範囲中に個別に記載された諸特徴は、技術的に適切な仕方で、相互に組合せることが可能であり、明細書の説明事項および図面の内容によって補足し、本発明のさらなる実施形態をハイライトすることも可能である。
【0008】
内燃エンジン及び電気機械を有するハイブリッド車用のトランスミッション装置を提案する。前記内燃エンジンの第一駆動トルク及びこの前記電気機械の第二駆動トルクは、前記トランスミッション装置によって、前記ハイブリッド車の少なくとも1つのドライブシャフトに伝達可能である。前記トランスミッション装置は、第一サンギアと、第一リングギアと、第一遊星キャリアとを含む第一構成部分を有する第一遊星トランスミッションを備える。前記第一遊星キャリアによって、第三駆動トルクが、第二遊星トランスミッションの第二遊星キャリアに伝達可能である。前記第二遊星トランスミッションは、前記第二遊星キャリアと、第二サンギアと、第三サンギアとを含む第二構成部分を有する。前記第二サンギアは、第二遊星ギアの第一歯部とかみ合い、前記第三サンギアは、前記第二遊星ギアの第二歯部とかみ合う。前記ハイブリッド車の前記ドライブシャフトは、前記第三サンギアによって駆動可能である。
【0009】
各駆動トルクは、本トランスミッション装置の個々の歯付きギアの相互にかみ合う歯部によって伝達される。第三駆動トルクは、第一駆動トルク、又は、第二駆動トルク、又は、第一駆動トルクと第二駆動トルクとの和である。本例では、具体的には、電気機械が発電機として動作する場合又は反対方向の回転で動作する場合は、この第二駆動トルクは負であってもよい。このとき、内燃エンジンによって生成された第一駆動トルクはこれに応じて低下する。
【0010】
2つの遊星トランスミッションのこの組合せにより、コンパクトな構造形態が可能となり、特に伝達比の有利な設定が可能とする。具体的に、第一遊星トランスミッションによって内燃エンジンと電気機械との結合が可能になる。よって、内燃エンジンの第一駆動トルク、又は、電気機械の第二駆動トルク、又は、第一駆動トルク及び第二駆動トルクの両方を一緒に、第二遊星トランスミッションに選択的に伝達することが可能である。さらに、電気機械を発電機として動作させることによって、内燃エンジンの第一駆動トルクを少なくとも部分的に電気エネルギーに変換し、例えばハイブリッド車の蓄電池中に蓄えてもよい。加えて、第一遊星トランスミッションによって、内燃エンジンは、消費量に関して最適動作点で動作させることができ、電気機械を用いて、運転者が望む第三駆動トルクの変更又はドライブシャフトの回転速度の変更を設定することが可能である。
【0011】
第一遊星トランスミッションによって予め決まる回転速度及び伝達される第三駆動トルクの伝達比は、第二遊星トランスミッションによって実現される。本例では2ギア比シフト構成が実現される。すなわち、第一遊星トランスミッションとドライブシャフトとの間の2つの相異なる伝達比を、第二遊星トランスミッションによって設けることが可能である。
【0012】
特に、これら2つの遊星トランスミッションは互いに対して独立に構築される。すなわち、第三駆動トルクは、互いにかみ合う歯部を有する2つの構成部分を介して、第一遊星トランスミッションと第二遊星トランスミッションとの間で伝達される。第一遊星トランスミッションには第一構成部分が割り当てられ、第二遊星トランスミッションには第二構成部分が割り当てられている。
【0013】
別の実施形態においては、第三駆動トルクは、剛連結を介して、第一遊星トランスミッションと第二遊星トランスミッションとの間で伝達される。本例では、第一遊星キャリアは、第二遊星キャリアを兼ねて設計される。つまり、第一遊星キャリアは、第一遊星ギアのシャフトと第二遊星ギアのシャフトとを兼ねる。
【0014】
内燃エンジンは、好ましくは、第一リングギアを介して、第一駆動トルクを第一遊星トランスミッションに入力する。
【0015】
特に、電気機械が(さらに)、第一サンギアを介して、第二駆動トルクを第一遊星トランスミッションに入力する。
【0016】
入れ替えた配置(第一サンギア経由の第一駆動トルク、第一リングギア経由の第二駆動トルク)も同様に可能である。
【0017】
内燃エンジンは、第一クラッチを介して第一リングギアに連結可能である。この第一クラッチは、特に、トランスミッション装置のハウジングの外側に配置される。具体的に、第一クラッチは摩擦クラッチであり、これは、好ましくは、公知の自動車における通常の態様で、内燃エンジンとトランスミッションとを繋ぐために使われる。
【0018】
特に、純粋に電気的な運転の(第三駆動トルクが電気機械のみによって供給される)間は、内燃エンジンは切り離される。すなわち、このとき第一クラッチは開状態である。他の全ての運転モード(第三駆動トルクが電気機械及び内燃エンジンによって供給される場合、又は、内燃エンジンのみによって供給される場合)では、内燃エンジンは繋がっている。すなわち、第一クラッチは閉状態である。
【0019】
特に、第一リングギアは、第二クラッチによって、トランスミッション装置のハウジングに共に回転可能な態様で連結可能である。
【0020】
共に回転可能な態様で連結可能とは、特に、連結の後に2つの構成部分が同一の回転速度を有することを意味する。本例では、第一リングギアは、このようにトランスミッション装置の(回転しない)ハウジングに固定されている。
【0021】
純粋に電気的な運転(第三駆動トルクが電気機械のみによって供給される)の間、第二クラッチは閉状態である。すなわち、第一リングギアはハウジングに固定されている。他の全ての運転モード(第三駆動トルクが電気機械及び内燃エンジンによって供給される場合、又は、内燃エンジンのみによって供給される場合)では、第二クラッチは開状態である。すなわち、第一リングギアはハウジングに対して回転可能である。
【0022】
第一リングギアがハウジングに固定されている場合、第一遊星キャリアは、第一遊星キャリアに配置された各第一遊星ギアの歯部とかみ合っている第一サンギアによって駆動される。第一遊星キャリアは、相互にかみ合う歯部によって、第二遊星トランスミッションの第二遊星キャリアを駆動する。
【0023】
具体的には、第一駆動トルクが第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力され、且つ、第二駆動トルクが第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに入力される場合にのみ、この第二クラッチが設けられる。
【0024】
さらなる実施形態においては、(内燃エンジンの)第一駆動トルクは第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに入力され、(電気機械の)第二駆動トルクは第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力される。この実施形態では、第二クラッチを設けないのが好ましい。
【0025】
この実施形態において、純粋に電気的な運転(第三駆動トルクが電気機械のみによって供給される)の間、第一クラッチは開状態にあり、第三クラッチは閉状態である。他の実施形態で必要な第二クラッチの機能は、この場合は必要ない。
【0026】
特に、第一遊星トランスミッションの少なくとも2つの構成部分は、共に回転可能な態様で、第三クラッチによって相互に連結可能である。特に、前述のように、例えば、第一サンギアは第一リングギアに共に回転可能な態様で連結可能であるか、又は、第一サンギアは第一遊星キャリアに共に回転可能な態様で連結可能である。第一遊星キャリアが、第一リングギアに共に回転可能な態様で連結可能であることが好ましい。
【0027】
具体的に、第三クラッチは、(好ましくは、第二駆動トルクが、第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力される場合)、例えばかみ合いクラッチのような、能動的ロック動作を備えたクラッチとして設計されてよい。
【0028】
具体的に、第二サンギアは、第四クラッチによって、本トランスミッション装置のハウジングに共に回転可能な態様で連結可能である。よって、本例では、第二サンギアは、トランスミッション装置の(回転しない)ハウジングに固定される。
【0029】
所望の伝達比を設定するために第四クラッチが作動される。第四クラッチが開状態のとき、第二サンギアは、ハウジングに対し回転可能である。
【0030】
特に、第二遊星トランスミッションの少なくとも2つの構成部分は、共に回転可能な態様で、第五クラッチによって相互に連結可能である。特に、前述のように、例えば、第二サンギアは第二遊星キャリアに共に回転可能な態様で連結可能であるか、又は、第三サンギアが第二サンギアに共に回転可能な態様で連結可能である。第三サンギアが、第二遊星キャリアに共に回転可能な態様で連結可能であることが好ましい。また、第二サンギアが、第二遊星キャリアに共に回転可能な態様で連結可能であるのも好ましい。
【0031】
特に、所望の伝達比を設定するために、第四クラッチ及び第五クラッチが作動される。
【0032】
特に、第一伝達比については、第四クラッチは閉状態であり、第五クラッチは開状態である。この場合は、第三駆動トルクは、第二遊星キャリアと、該第二遊星キャリアに配置された第二遊星ギアとを介して、第二遊星ギアの第二歯部とかみ合っている第三サンギアに伝達される。
【0033】
特に、第二伝達比については、第四クラッチは開状態であり、第五クラッチは閉状態である。この場合は、第三駆動トルクは、第二遊星キャリアを介して、(直接に)第三サンギアに伝達されるか、又は、第三サンギアを有するシャフトに伝達される。
【0034】
特に、第三サンギアは、第三駆動トルクによって駆動可能である。
この第三駆動トルクは、
a)内燃エンジンだけによって、又は、
b)電気機械だけによって、又は、
c)内燃エンジン及び電気機械によって、
供給が可能である。
【0035】
具体的に、第一遊星トランスミッションと第二遊星トランスミッションとは、
a)相互に隣接して、又は、
b)軸方向に沿って一方を他方の後ろにして、又は、
c)第一遊星キャリアと第二遊星キャリアとの同軸配置による軸方向に沿って一方を他方の後ろにして
配置される。
【0036】
前述したクラッチ(第一クラッチ〜第五クラッチ)は、油圧的に、又は、電気機械的に、又は、さらに電気的に作動してもよい。特に、これらクラッチは摩擦クラッチとして設計され、例としては、多板クラッチとして設計され、これは特に非能動的なロック動作を行う。特に、これらクラッチは、能動的なロック動作を行うクラッチ(例えばかみ合いクラッチ)として設計されてもよい。能動的なロック動作を行うクラッチについては、特に、連結されるこれら構成部分の回転速度の同期が必要ということになる。この同期は、好ましくは、電気機械の制御を通して実現することが可能である。
【0037】
能動的なロック連結は、少なくとも2つの連結相手が互いに係合することによって実現する。こうすれば、力の伝達がない場合においても、又は、力の伝達が中断された際も、これら連結相手は互いから解放されることはあり得ない。言い換えれば、能動的なロック連結の場合には連結相手の一方が他方の動きを拘束する。
【0038】
非能動的なロック連結は、互いに連結されるために、表面上に垂直な力を必要とする。前記表面での互いに対する変位は、静止摩擦によってもたらされる反力を超えない限り阻止される。
【0039】
さらなる態様によれば、内燃エンジン及び電気機械を有し、前述したトランスミッション装置を有する駆動システムが提案される。
【0040】
内燃エンジンは、好ましくは、第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに第一駆動トルクを入力する。
【0041】
特に、電気機械は(さらに)第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに第二駆動トルクを入力する。
【0042】
入れ替えた配置(第一サンギア経由の第一駆動トルク、第一リングギア経由の第二駆動トルク)も同様に可能である。
【0043】
この場合は、駆動システムは、内燃エンジンと、電気機械と、(上記で提案された)(特に、第二クラッチなしの)トランスミッション装置を備える。この内燃エンジンは、第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに第一駆動トルクを入力し、この電気機械は、第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに第二駆動トルクを入力する。
【0044】
特に、内燃エンジンは、第一クラッチによって第一サンギアに連結可能である。また、第一遊星トランスミッションの第一サンギアと、第一リングギアと、第一遊星キャリアよりなる群のうち少なくとも2つの構成部分が、共に回転可能な態様で、第三クラッチによって相互に連結可能である。また、第一遊星トランスミッションの構成部分は、第一クラッチ及び第三クラッチのみによって(すなわち、第二クラッチなしに)、駆動システムのさらなる構成部分と連結可能である。よって、この実施形態では、第一、第三、第四、及び第五クラッチだけが設けられることになる。
【0045】
本例では、クラッチと連携して「連結」を形成できる場合、これは、特に、当該クラッチが、それに割り当てられた構成部分と互いに結合可能であるか、又は、前記構成部分と切り離し可能であるか、又は、その両方であることを意味する。言い換えれば、このことは、特に、前記クラッチが、前記割り当てられた構成部分に関して、動作上、係合を実現する又はこの係合を切断する又はその両方が可能なことを意味する。
【0046】
この電気機械は、発電機としても動作可能であることが好ましい。この発電機によって、内燃エンジンの第一駆動トルクの少なくとも一部、又は、ドライブシャフトの第四駆動トルクを、電気エネルギーに変換可能である。
【0047】
具体的に、この電気機械はトランスミッション装置の第一側に配置され、内燃エンジンは反対側の第二側に配置される。よって、特に、少なくとも第一遊星トランスミッションは、電気機械と内燃エンジンとの間に軸方向に沿って配置される。
【0048】
さらなる態様において、内燃エンジンと、電気機械と、本明細書で説明したトランスミッション装置を備えるハイブリッド車を提案する。この電気機械は、電気エネルギーを蓄電池に充電するための発電機として動作可能であり、且つ、ハイブリッド車のドライブシャフトを駆動するための電気モータとして動作可能である。
【0049】
このトランスミッション装置は、再生能力のある多モードトランスミッションを構成する。このトランスミッションは、2ギア比CVT運転方法(continuously variable transmission、連続可変トランスミッション)で動作可能であり、また、2ギア比内燃エンジン運転方法(ICE:internal combustion engine)で動作可能であり、また、2ギア比電気モータ運転方法(EM:electric machine)で可能であり、また、2ギア比並行運転方法で動作可能である。なお、前記2ギア比CVT運転方法では、電気機械が発電機としても動作可能であり、内燃エンジンが第一駆動トルクを供給し、電気機械が第二駆動トルクを供給する。前記2ギア比内燃エンジン運転方法は、第三駆動トルクが第一駆動トルクと一致する。前記2ギア比電気モータ運転方法は、第三駆動トルクが第二駆動トルクと一致する。前記2ギア比並行運転方法は、第三駆動トルクが第一駆動トルク及び第二駆動トルクで構成される。前記CVT運転方法において、電気蓄積装置例えばハイブリッド車の蓄電池は、追加の発電機がなくても、ハイブリッド車の運転操作中に充電することができる。
【0050】
CVT運転方法において、低速及び中速の範囲では、内燃エンジンは電気機械にサポートされており、これにより電気機械を発電機として動作させる。相対的に高い速度では、具体的に、電気機械は、このときハイブリッド車の蓄電池からの給電を受け、第一駆動トルクと第二駆動トルクとを一緒に併せて第三駆動トルクを形成することによって内燃エンジンをサポートする。第二遊星トランスミッションによって提供される2ギア比能力と相まって、極めて低い燃料消費レベルを、だが高い牽引力及び速度をも実現することが可能である。
【0051】
CVT運転方法においては、第一遊星キャリアの回転速度(及び、第二遊星キャリアの回転速度とドライブシャフトの回転速度)は、電気機械の動作(回転の方向、回転速度、第二駆動トルク)によって変えることができる。このようにして、ドライブシャフトの特定の回転速度の範囲内で、内燃エンジンは、(燃焼に関して)最適な動作点で動作することができる。ここでは、要求される回転速度は電気機械によって設定又は供給され、且つ、要求される第三駆動トルクは、おそらくは追加的に電気機械によって設定又は供給される。
【0052】
ICE運転方法及び並行運転方法については、個々のクラッチ(第一クラッチ〜第五クラッチ)のシフト状態は等しい。これについては、特に、第二駆動トルクが第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力されており、且つ、第二クラッチが設けられていない駆動システムの実施形態も同様である。
【0053】
内燃エンジン運転方法においては、規定の伝達比(ギア比)は、特に、達成可能な最高速度に関する要求と、さらには最小燃料消費量に関する要求の両方に対して設定されたものである。
【0054】
電気モータ運転方法においては、規定の伝達比(ギア比)は、特に、発進に必要な牽引力のレベルを実現し、さらには、WLTP駆動サイクル(Worldwide Harmonized Light−Duty Vehicles Test Procedure、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)における、高効率でありながらの所望の達成可能電気最高速度(例えば、130km/h[時間当たりのキロメートル]を実現する。
【0055】
本トランスミッション装置の好適な実施形態に対する、それぞれの運転方法及びそれぞれの伝達比(ギア比の選択)に対する、個々のクラッチのシフト状態を以下に示す(本例では、具体的に、第一駆動トルクは第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力され、第二駆動トルクは第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに入力される)。
【0056】
【表1】
【0057】
CVT: CVT運転方法及び並行運転方法
ICE: 内燃エンジン運転方法
EM: 電気モータ運転方法
第X伝達比: 第X伝達比(第一又は第二)、すなわち第Xギア比(第一又は第二ギア比)
第Xクラッチ: 各クラッチのシフト状態
開状態: クラッチは開状態。クラッチによって連結可能な構成部分は相互に独立して回転する
閉状態: クラッチは閉状態。クラッチによって連結可能な構成部分は共に回転可能な態様で互いに連結される
【0058】
特に、下記の伝達比を提案する。これらは、内燃エンジンに連結された第一リングギア、及び、電気機械に連結された第一サンギアに対して適用されることが好ましい。
【0059】
1.第一遊星トランスミッション中の固定キャリアの伝達比は、第一サンギアの回転速度の第一リングギアの回転速度に対する比率又は第一リングギアの直径の第一サンギアの直径に対する比率に相当する。この伝達比は、第一遊星キャリアが静止しているとき、第一リングギアの回転方向と第一サンギアの回転方向とは相反対なので負符号となり、その値は、−1.5〜−5、特に2.0〜3.0、好ましくは2.1〜2.3となる。
【0060】
2.相対的に低い第一伝達比と相対的に高い第二伝達比との間のステップは、1〜3、特に1.5〜2.5、好ましくは2となる。
【0061】
3.内燃エンジンの第一駆動トルクを、第一遊星トランスミッションへ入力する場合の、例えば第一リングギアへ入力する場合の予備伝達比、及び、電気機械の第二駆動トルクを、第一遊星トランスミッションへ入力する場合の、例えば第一サンギアへ入力する場合の予備伝達比は、0.5〜1.5、特に0.8〜1.2、好ましくは1(伝達比なし)となる。
【0062】
4.トランスミッション装置の全体的伝達比については、以下のようになる。
a)発進伝達比として(車輪スリップの限度又は縁石上での発進)は、14〜23の間
b)(要求される最高速度に依存する、且つ、可能な最低消費量を達成するために)最高のギア比に対する伝達比としては、2〜7の間
【0063】
5.トランスミッション装置の全体的伝達比については、以下のようになる。
a)電気機械のみによる駆動
i.第一伝達比(第一ギア比)は、20〜23の間、特に21.5〜22の間
ii.第二伝達比(第二ギア比)は、9〜12の間、特に10.5〜11の間
b)内燃エンジンのみによる駆動
i.第一伝達比(第一ギア比)は、6〜8の間、特に6.5〜7の間
ii.第二伝達比(第二ギア比)は、2〜4の間、特に3〜3.5の間。
【0064】
電気機械が第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに連結され、内燃エンジンが第一サンギアを介して第一遊星トランスミッションに連結されている場合、トランスミッション装置は第二クラッチなしで使用が可能である。それぞれの運転方法及びそれぞれの伝達比(ギア比の選択)に対する、個々のクラッチ(第二クラッチは存在しない)のシフト状態を以下に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
特に、下記の伝達比を提案する。これらは、好ましくは、第一サンギアが内燃エンジンに連結され、第一リングギアが電気機械に連結されている(すなわち、これにより第二駆動トルクが第一リングギアを介して第一遊星トランスミッションに入力される)場合に適用される。
【0067】
1.第一遊星トランスミッション中の固定キャリアの伝達比は、第一サンギアの回転速度の第一リングギアの回転速度に対する比率又は第一リングギアの直径の第一サンギアの直径に対する比率に相当する。この伝達比は、第一遊星キャリアが静止しているとき、第一リングギアの回転方向と第一サンギアの回転方向とは相反対なので負符号となり、その値は、−1.5〜−5、特に2.0〜3.0、好ましくは2.1〜2.3となる。
【0068】
2.相対的に低い第一伝達比と相対的に高い第二伝達比との間のステップは、1〜3、特に1.5〜2.5、好ましくは2となる。
【0069】
3.内燃エンジンの第一駆動トルクを、第一遊星トランスミッションへ入力する場合の、例えば第一サンギアへ入力する場合の予備伝達比は、1(伝達比無し)となることが好ましい。電気機械の第二駆動トルクを、第一遊星トランスミッションへ入力する場合の、例えば第一リングギアへ入力する場合の予備伝達比は、0.5〜2.5、特に1.5〜2.2、好ましくは1.9となる。
【0070】
4.トランスミッション装置の全体的伝達比については、以下のようになる。
a)発進伝達比として(車輪スリップの限度又は縁石上での発進)は、9〜23
b)(要求される最高速度に依存する、且つ、可能な最低消費量を達成するために)最高のギア比に対する伝達比としては、2〜7の間。
【0071】
5.トランスミッション装置の全体的伝達比については、以下のようになる。
a)電気機械のみによる駆動
i.第一伝達比(第一ギア比)は、9〜23の間、特に10〜16の間
ii.第二伝達比(第二ギア比)は、3〜12の間、特に4〜8の間
b)内燃エンジンのみによる駆動
i.第一伝達比(第一ギア比)は、6〜8の間、特に6.5〜7の間
ii.第二伝達比(第二ギア比)は、2〜4の間、特に3〜3.5の間。
【0072】
本トランスミッション装置に関して述べた内容は、駆動システム及びハイブリッド車にも適用され、逆の場合も同様に適用される。
【0073】
念のため、本明細書で用いる数詞(「第一」、「第二」、「第三」、・・・、)は、本来、いくつかの類似の対象、寸法、又はプロセスの区別をする(のみの)役割を果たすことを、すなわち、前記対象、寸法、又はプロセスの依存度や順序を必ず予め定めるものでないことを指摘しておく。依存度や順序が必要な場合は、そのことを本明細書中に明示的に述べるか、又は、当業者には、具体的に記述されている当該実施形態を検討することによって明らかとなろう。
【0074】
以下、本発明及びその技術分野を、図面に基づいてより詳細に説明する。提示された例示的な実施形態については、本発明を限定する意図はないことを指摘しておく。特に、明示的に特段の記載がある場合を除き、図面中で考察された主題の部分的態様を抽出し、本明細書又は図面又はその両方から得られる他の構成要素及び知見と組み合わせることも可能である。他の図面での説明を補完として考慮に入れることができるように、適切な場合、同じ対象を指すのに同じ参照符号が用いられる。図面は各例とも概略図である。