特許第6844007号(P6844007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6844007ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法及び関係するデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844007
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法及び関係するデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20210308BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210308BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20210308BHJP
   H04L 1/16 20060101ALI20210308BHJP
   H04L 29/08 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   H04W28/04 110
   H04W72/04 131
   H04W74/08
   H04L1/16
   H04L13/00 307Z
【請求項の数】28
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2019-538293(P2019-538293)
(86)(22)【出願日】2016年10月10日
(65)【公表番号】特表2019-535217(P2019-535217A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(86)【国際出願番号】CN2016101703
(87)【国際公開番号】WO2018058698
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年5月7日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/100503
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,イファン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ユン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,ヨンボ
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/133106(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/121809(WO,A1)
【文献】 特表2012−530475(JP,A)
【文献】 Panasonic,Uplink Acknowledgement timing for HSDPA[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #24 R2-012369,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_24/Docs/Zips/R2-012369.zip>,2001年 9月26日
【文献】 Huawei, HiSilicon,Processing time reduction and related procedures for 1ms TTI[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86 R1-167891,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1880/Docs/R1-167891.zip>,2016年 8月26日
【文献】 LG Electronics,Discussion on frame structure for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #84bis R1-162519,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-162519.zip>,2016年 4月15日
【文献】 LG Electronics,Physical layer aspect of processing time for shortened TTI[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #84bis R1-162511,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-162511.zip>,2016年 4月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 1/16
H04L 29/08
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局により実行される、データに対するACK/NACK情報を受信する方法であって、
データパケットをユーザ装置に送信するステップと、
前記データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを送信するステップであり、前記DCIは、前記データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用されるべき第1の遅延を指示するために使用されるフィールドを含む、ステップと
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定するステップと、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記ユーザ装置により送信された、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記ユーザ装置により送信された、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信するステップは、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するため前記ユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定するステップと、
前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用される前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定するステップは、
前記データパケットのデータ情報を決定するステップであり、前記データ情報は、少なくとも前記データパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、ステップと、
前記処理能力及び前記データ情報に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するための前記ユーザ装置の遅延能力を決定するステップと
前記遅延能力に基づいて、前記第2の遅延を決定するステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ装置により送信された処理能力情報を受信するステップをさらに含み、
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定するステップは、
前記ユーザ装置により送信された前記処理能力情報を使用することにより、前記第2の遅延を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記処理能力情報は、前記ユーザ装置の前記処理能力のレベルを表すために使用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サブフレームは、前記ACK/NACK情報が搬送されるUL制御領域を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
データに対するACK/NACK情報を送信する方法であって、
ユーザ装置により、データパケットを受信するステップと、
前記データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを受信するステップであり、前記DCIは、前記データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用されるべき第1の遅延を指示するために使用されるフィールドを含む、ステップと
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定するステップと、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を基地局に送信するステップと
を含む方法。
【請求項8】
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を基地局に送信するステップは、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するためのサブフレームを決定するステップと、
前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定するステップは、
前記データパケットのデータ情報を決定するステップであり、前記データ情報は、少なくとも前記データパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、ステップと、
前記処理能力及び前記データ情報に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するための前記ユーザ装置の遅延能力を決定するステップと
前記遅延能力に基づいて、前記第2の遅延を決定するステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
処理能力情報を前記基地局に送信するステップをさらに含み、
前記処理能力情報は、前記ユーザ装置の前記処理能力のレベルを表すために使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記サブフレームは、前記ACK/NACK情報が搬送されるUL制御領域を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するステップは、
前記データパケットを復号するステップと、
前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を符号化するステップと、
アップリンクタイミングを進めること及び前記サブフレームに基づいて、前記ACK/NACK情報を前記基地局に送信するステップと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、バスとを含む基地局であって、
前記少なくとも1つのプロセッサ、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、前記バスを使用することにより互いに接続されて通信し、前記通信インタフェースは、ユーザ装置への通信接続を確立するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
データパケットを前記ユーザ装置に送信する動作と、
前記データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを送信する動作であり、前記DCIは、前記データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用されるべき第1の遅延を指示するために使用されるフィールドを含む、動作と
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定する動作と、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記ユーザ装置により送信された、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信する動作と
を実行するように構成される、基地局。
【請求項14】
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記ユーザ装置により送信された、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信する動作は、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するため前記ユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定する動作と、
前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用される前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を受信する動作と
を含む、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
前記ユーザ装置により送信された処理能力情報を受信する動作を実行するようにさらに構成され、前記処理能力情報は、前記ユーザ装置の前記処理能力のレベルを表すために使用され、
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定する動作は、
前記ユーザ装置により送信された前記処理能力情報を使用することにより、前記第2の遅延を決定する動作を含む、請求項13に記載の基地局。
【請求項16】
前記サブフレームは、前記ACK/NACK情報が搬送されるUL制御領域を含む、請求項14に記載の基地局。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、バスとを含むユーザ装置であって、
前記少なくとも1つのプロセッサ、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、前記バスを使用することにより互いに接続されて通信し、前記通信インタフェースは、基地局への通信接続を確立するように構成され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
ータパケットを受信する動作と、
前記データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを受信する動作であり、前記DCIは、前記データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するために前記ユーザ装置により使用されるべき第1の遅延を指示するために使用されるフィールドを含む、動作と
前記ユーザ装置の処理能力を使用することにより、第2の遅延を決定する動作と、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を基地局に送信する動作と
を実行するように構成される、ユーザ装置。
【請求項18】
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を基地局に送信する動作は、
前記第1の遅延及び前記第2の遅延に基づいて、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信するためのサブフレームを決定する動作と、
前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信する動作と
を含む、請求項17に記載のユーザ装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
処理能力情報を前記基地局に送信する動作を実行するようにさらに構成され、
前記処理能力情報は、前記ユーザ装置の前記処理能力のレベルを表すために使用される、請求項17に記載のユーザ装置。
【請求項20】
前記サブフレームは、前記ACK/NACK情報が搬送されるUL制御領域を含む、請求項18に記載のユーザ装置。
【請求項21】
前記サブフレーム内で、前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を送信する動作は、
前記データパケットを復号する動作と、
前記データパケットに対応する前記ACK/NACK情報を符号化する動作と、
アップリンクタイミングを進めること及び前記サブフレームに基づいて、前記ACK/NACK情報を前記基地局に送信する動作と
を含む、請求項18に記載のユーザ装置。
【請求項22】
請求項13乃至16のうちいずれか1項に記載の基地局と、請求項17乃至21のうちいずれか1項に記載のユーザ装置とを含むネットワークシステム。
【請求項23】
電気通信ネットワークにおけるデバイスであって、
前記電気通信ネットワークにおける通信をサポートするトランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合されたプロセッサと
を含み、
前記トランシーバ及び前記プロセッサは、基地局に対して、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法のステップを実行させるように連携して動作する、デバイス。
【請求項24】
電気通信ネットワークにおけるデバイスであって、
前記電気通信ネットワークにおける通信をサポートするトランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合されたプロセッサと
を含み、
前記トランシーバ及び前記プロセッサは、ユーザ装置に対して、請求項7乃至12のうちいずれか1項に記載の方法のステップを実行させるように連携して動作する、デバイス。
【請求項25】
プロセッサに対して請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように適合させるプログラム。
【請求項26】
プロセッサに対して請求項7乃至12のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように適合させるプログラム。
【請求項27】
コンピュータにより実行されたとき、前記コンピュータに対して請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項28】
コンピュータにより実行されたとき、前記コンピュータに対して請求項7乃至12のうちいずれか1項に記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法及び関係するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
新たな世代の5G通信技術が議論の段階に進むにつれて、既存の4Gロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution, LTE)通信技術で達成されたシステム構造及びアクセス手順が採用され続けるか否かを検討する必要がある。一方で、通信システムは後方互換性があるので、後で開発された新たな技術は、以前に標準化された技術と互換性がある傾向がある。他方、4G LTEは大量の既存の設計を含んでいるので、互換性を達成するためには、5Gの柔軟性を大幅に犠牲にする必要があり、性能を劣化させる。したがって、現在、3GPP組織は、下位互換性を考慮するか、下位互換性を考慮しないかの2つの方向で並行して研究を行っている。2つの方向において、後方互換性を考慮しない技術的方向は、5G New Radio(New Radio, NR)と呼ばれる。
【0003】
ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest, HARQ)技術は、前方誤り訂正(Forward Error Correction, FEC)技術と自動再送要求(Automatic Repeat reQuest, ARQ)技術とを組み合わせることにより形成された技術である。FECによれば、再送回数の量を減らすために、受信端がいくつかのエラーを訂正できるように冗長情報が追加される。FECを使用することにより訂正できないエラーに対しては、受信端はARQメカニズムを使用することによりデータを再送することを送信端に要求する。受信端は、通常ではCRC検査であるエラー検出コードを使用することにより、受信したデータパケットにエラーが発生したか否かを検出する。エラーが存在しない場合、受信端は送信端に肯定応答(ACK)を送信し、送信端はACKを受信した後に次のデータパケットを送信し続ける。エラーが発生した場合、受信端はデータパケットを破棄するか、或いはデータパケットをHARQバッファに記憶し、次に送信端に否定応答(NACK)を送信する。送信端はNACKを受信した後に同じデータを再送する。
【0004】
LTEシステムでは、ダウンリンクデータのための既存のHARQ手順が図1に示されている。進化型NodeB(Evolved NodeB, eNB)、すなわち、基地局は、まず初期データ(すなわち、データブロックが初めて送信される)をユーザ装置(User Equipment, UE)に送信する。UEはデータを受信し、次にデータを復号して検査する。検査が成功した場合、それは送信が成功したことを示す。この場合、UEはeNBにACK情報を送信する。検査が失敗した場合、それは送信が失敗したことを示す。この場合、UEはNACK情報をeNBに送信する。eNBは、NACKを受信した後、データを再送し(再送データは、初期に送信されたデータと同じであってもよく、或いは異なってもよい)、UEは、UEがデータブロックを成功して受信するか、或いは再送が予め設定された最大回数だけ実行されるまで、受信、復号及び検査のような手順を再び実行する。
【0005】
具体的には、周波数分割複信(Frequency Division Duplexing, FDD)モードでは、UEがACK/NACKを送信する時間は、ACK/NACKに対応するダウンリンクデータが受信される時間から4つのサブフレームだけ離れている。言い換えると、UEが第(n-4)のサブフレームでダウンリンクデータを受信した場合、UEは、第nのサブフレームでそのデータに対応するACK/NACKを送信する。時分割複信(Time Division Duplexing, TDD)モードでは、すべてのサブフレームがダウンリンクデータ又はアップリンクデータを送信するために使用できるとは限らないので、ダウンリンクデータとダウンリンクデータに対応するACK/NACKとの間の時間関係は単純な式を使用することにより制約できない。具体的には、TDDモードでは、UEが第(n-k)のサブフレームでダウンリンクデータを受信した場合、UEは、第nのサブフレームでそのデータに対応するACK/NACKを送信する。kの値は異なる予め設定されたモードによって変化してもよい。
【0006】
要するに、FDDモードでは、ACK/NACKは、対応するデータが受信された時間よりも4つのサブフレーム(4ms)の遅延の後にのみ送信でき、TDDモードでは、遅延は少なくとも4つのサブフレーム(4ms)であり、最大限でも13個のサブフレーム(13ms)とすることができる。UEがデータを復号するのに失敗した場合、データはさらに再送される必要がある。この場合、成功した送信の時間は何倍にも増加する。さらに、FDDモードでは、アップリンク送信とダウンリンク送信に異なる周波数帯域が使用され、ACK/NACK遅延は固定される。TDDモードでは、送信モードは7つの所定のモードのうち1つであり、ACK/NACK遅延は異なる送信モードに依存して異なる所定の方式に従う。5G NRでは、ダイナミックTDD(dynamic TDD)が使用される場合、アップリンク送信とダウンリンク送信に同じ周波数帯域が使用され、ACK/NACK遅延は予め決定されない。従って、既存のACK/NACK情報フィードバック方式は、5G NRにおけるデータ送信要求を満たすことも柔軟なスケジューリングの要求を満たすこともできない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、データ送信遅延を低減し、送信効率を改善するために、データパケットを受信した後、ユーザ装置がデータパケットに対応するACK/NACK情報を基地局にできるだけ早くフィードバックし、柔軟なスケジューリングの要件を満たすために、ユーザ装置がACK/NACK情報をフィードバックするサブフレームの位置が基地局により示される時間遅延に基づいて調整できるような、データに対するACK/NACK情報を送信する方法及び関係するデバイスを提供する。
【0008】
本発明の実施形態の第1の態様は、データに対するACK/NACK情報を送信する方法を提供し、
データパケットをユーザ装置に送信するステップと、
制御シグナリングを送信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップ
を含む。
第1の態様を参照して、第1の態様の第1の可能な実現方式において、制御シグナリングがデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用されることは、
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定
制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
第1の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第2の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置の処理能力を決定し、
データパケットのデータ情報を決定、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含
処理能力及びデータ情報に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第1の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第3の可能な実現方式において、制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することは、
制御シグナリングを使用することにより、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信する際のユーザ装置の第1の遅延を決定
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を使用することにより、第2の遅延を決定
第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
【0009】
ユーザ装置の処理能力が決定され、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力が、処理能力に関する情報及びデータパケットに対応するデータ情報に基づいて決定され、これにより、データパケットを受信してからACK/NACK情報をフィードバックするまでのユーザ装置の待機時間がACK/NACK情報の遅延能力に基づいて短縮でき、それにより、ユーザ装置のACK/NACK情報フィードバックの速度を増加させ、通信待ち時間を低減する。さらに、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームは、制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて決定され、これにより、ユーザ装置がデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置が、異なるサービスの優先度要件を満たし、サービス負荷を均衡させるように、異なるサービス優先度要件に基づいて柔軟に指示できる。
【0010】
第1の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第4の可能な実現方式において、ACK/NACK情報のための遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルに基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第1の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第5の可能な実現方式において、ユーザ装置の処理能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルに基づいて、ユーザ装置の処理能力を決定することを含む。
【0011】
UEは、異なるプリアンブルを使用することにより、ランダムアクセス手順でそれらの処理能力をeNBに報告し、これにより、データが送信される度に、UEとeNBとの双方は、データパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのUEの遅延能力を別々に決定できる。ACK/NACK情報のためのUEの遅延能力は、ランダムアクセス手順で送信されるプリアンブルで暗示的に搬送されるので、追加の情報が交換される必要がなく、それにより、シグナリング負荷及びオーバーヘッドを低減する。
【0012】
第1の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第6の可能な実現方式において、ACK/NACK情報のための遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信、Msg3は遅延能力を示すことを含む。
第1の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第7の可能な実現方式において、ユーザ装置の処理能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信し、Msg3は前記ユーザ装置の前記処理能力を示すことを含む。
【0013】
UEは、ランダムアクセス手順でMsg3にフィールドを追加することにより、処理能力情報をeNBに報告し、これにより、データが送信される度に、UEとeNBとの双方は、データパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのUEの遅延能力を別々に決定できる。このように、シグナリングのオーバーヘッドは比較的小さく、実現が容易である。さらに、UEは、通信待ち時間を低減するために、その処理能力に基づいてACK/NACK情報をできるだけ早くフィードバックできる。
【0014】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現方式第1の態様の第2の可能な実現方式又は第1の態様の第3の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、第1の態様の第8の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを使用することにより、制御シグナリングを送信するステップを含む。
【0015】
eNBは、DCIを使用することにより、UEの追加時間遅延を動的に指示し、これにより、ACK/NACK情報送信時間は、UL制御領域の不十分な容量に関する問題を解決し、種々のサービス負荷及び異なる展開シナリオの要件を満たすように、より柔軟に配置できる。
【0016】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現方式第1の態様の第2の可能な実現方式又は第1の態様の第3の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、第1の態様の第9の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
RRCシグナリングを使用することにより、制御シグナリングを送信するステップを含む。
【0017】
eNBは、RRCシグナリングを使用することにより、UEの追加時間遅延を動的に指示し、これにより、ACK/NACK情報送信時間は、異なるシナリオに基づいて動的に配置でき、それにより、シグナリング負荷を均衡させる。
【0018】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現方式第1の態様の第2の可能な実現方式又は第1の態様の第3の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、第1の態様の第10の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
システム情報を使用することにより、制御シグナリングを送信するステップを含む。
【0019】
eNBは、システム情報を使用することにより、異なるUEに対して、異なる追加遅延の後にACK/NACK情報をフィードバックするように命令し、これにより、ACK/NACK情報送信時間が異なるシナリオに基づいて配置でき、それにより、異なるサービス負荷に動的に適応させる。
【0020】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実現方式第1の態様の第2の可能な実現方式又は第1の態様の第3の可能な実現方式のうちいずれか1つを参照して、第1の態様の第11の可能な実現方式において、第1の遅延は、データパケットに対応するサービス遅延要求と、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量と、第1の遅延及び第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量とに基づいて決定される。
【0021】
第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が十分であるか否かは、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量に基づいて決定できる。第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分である場合、アップリンク制御領域の不十分な容量に起因するACK/NACK情報送信失敗に関する問題を効果的に解決するために、データパケットに対応するACK/NACK情報又はアップリンク制御領域において送信される他のACK/NACK情報のフィードバックは、データパケットに対応するサービス優先度に基づいて或る期間さらに遅延される。
【0022】
第1の態様の第11の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第12の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、データパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定され、他のデータパケットにおけるいずれか1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0023】
第1の態様の第11の可能な実現方式を参照して、第1の態様の第13の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度と等しく、データパケットを送信する時間が最も遅い場合、データパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のデータパケットにおける少なくとも1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定される。
【0024】
本発明の実施形態の第2の態様は、データに対するACK/NACK情報を送信する方法を提供し、
ユーザ装置により、データパケットを受信するステップと、
制御シグナリングを受信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップ
を含む。
第2の態様を参照して、第2の態様の第1の可能な実現方式において、制御シグナリングがデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用されることは、
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定
制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第2の可能な実現方式において、制御シグナリングがデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用されることは、
ユーザ装置の処理能力の決定し、データパケットのデータ情報を決定し、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含み、処理能力及びデータ情報に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第3の可能な実現方式において、制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することは、
制御シグナリングを使用することにより、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信する際のユーザ装置の第1の遅延を決定し、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を使用することにより、第2の遅延を決定し、第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
【0025】
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第4の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でプリアンブルを送信、プリアンブルは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を示すことを含む。
【0026】
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第5の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でMsg3を送信、Msg3は遅延能力を示す、ことを含む。
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第6の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
前記ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でMsg3を送信し、Msg3は前記ユーザ装置の前記処理能力を示すことを含む。
第2の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第7の可能な実現方式において、ユーザ装置の処理能力の決定することは、
前記ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でMsg3を送信し、Msg3は前記ユーザ装置の前記処理能力を示すことを含む。
【0027】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実現方式第2の態様の第2の可能な実現方式又は第2の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第8の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを通じて、制御シグナリングを受信するステップを含む。
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実現方式、第2の態様の第2の可能な実現方式又は第2の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第9の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
RRCシグナリングを通じて、前記制御シグナリングを受信するステップを含む。
【0028】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実現方式第2の態様の第2の可能な実現方式又は第2の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第10の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
データパケットに対して基地局により配信された無線リソース制御RRCシグナリングを受信するステップであり、無線リソース制御RRCシグナリングは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、ステップと、
RRCシグナリングを通じて、制御シグナリングを受信するステップと
を含む。
【0029】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実現方式第2の態様の第2の可能な実現方式又は第2の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第11の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信するステップであり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、ステップは、
システム情報を通じて、制御シグナリングを受信するステップを含む。
【0030】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実現方式又は第2の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第12の可能な実現方式において、第1の遅延は、データパケットに対応するサービス遅延要求と、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量と、第1の遅延及び第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量とに基づいて決定される。
【0031】
第2の態様の第12の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第13の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、データパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定され、他のデータパケットにおけるいずれか1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0032】
第2の態様の第12の可能な実現方式を参照して、第2の態様の第14の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度と等しく、データパケットを送信する時間が最も遅い場合、データパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のデータパケットにおける少なくとも1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定される。
【0033】
本発明の実施形態の第3の態様は、基地局を提供し、
ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得するように構成された処理能力取得ユニットであり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、処理能力取得ユニットと、
データパケットのデータ情報を取得するように構成されたデータ情報取得ユニットであり、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、データ情報取得ユニットと、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、データパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延、すなわち、第2の遅延を決定するように構成された基本遅延計算ユニットと、
データパケットに対する追加時間遅延、すなわち、第1の遅延をユーザ装置に配信するように構成された追加遅延配信ユニットであり、追加時間遅延は、データパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、追加遅延配信ユニットと、
第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定するように構成されたフィードバック情報受信ユニットと
を含む。
【0034】
第3の態様を参照して、第3の態様の第1の可能な実現方式において、処理能力取得ユニットは、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割するように構成されたプリアンブルグループ化サブユニットであり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、プリアンブルグループ化サブユニットと、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルが位置する系列グループを決定するように構成されたプリアンブル受信サブユニットと、
プリアンブルが位置する系列グループに基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得するように構成された処理能力決定サブユニットと
を含む。
【0035】
第3の態様を参照して、第3の態様の第2の可能な実現方式において、処理能力取得ユニットは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信するように構成された情報受信サブユニットであり、Msg3は、処理能力情報を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、情報受信サブユニットと、
Msg3で新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成されたフィールド読み取りサブユニットであり、ビット値は、ユーザ装置の処理能力レベルを表すために使用される、フィールド読み取りサブユニットと、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得するように構成された能力決定サブユニットと
を含む。
【0036】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実現方式又は第3の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第3の態様の第3の可能な実現方式において、追加遅延配信ユニットは、
データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第1のフィールド追加サブユニットと、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第1のビット事前設定サブユニットと、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第1の遅延配信サブユニットと
を含む。
【0037】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実現方式又は第3の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第3の態様の第4の可能な実現方式において、追加遅延配信ユニットは、
データパケットに対する無線リソース制御RRCシグナリングに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第2のフィールド追加サブユニットと、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第2のビット事前設定サブユニットと、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第2の遅延配信サブユニットと
を含む。
【0038】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実現方式又は第3の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第3の態様の第5の可能な実現方式において、追加遅延配信ユニットは、
データパケットに対するシステム情報に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第3のフィールド追加サブユニットと、
システム情報での新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第3のビット事前設定サブユニットと、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第3の遅延配信サブユニットと
を含む。
【0039】
本発明の実施形態の第4の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、バスとを含む基地局を提供する。少なくとも1つのプロセッサ、メモリ及び通信インタフェースは、バスを使用することにより互いに接続されて通信する。通信インタフェースは、ユーザ装置への通信接続を確立するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
データパケットをユーザ装置に送信する動作と、
制御シグナリングを送信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作
を実行するように構成される。
第4の態様を参照して、第4の態様の第1の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定
制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第2の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置の処理能力を決定
データパケットのデータ情報を決定、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含
処理能力及びデータ情報に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第3の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
制御シグナリングを使用することにより、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信する際のユーザ装置の第1の遅延を決定
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を使用することにより、第2の遅延を決定
第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む
【0040】
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第4の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルに基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第5の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルに基づいて、ユーザ装置の処理能力を決定することを含む。
【0041】
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第6の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信、Msg3は遅延能力を示すことを含む。
第4の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第7の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信し、Msg3はユーザ装置の前記処理能力を示すことを含む。
【0042】
第4の態様、第4の態様の第1の可能な実現方式第4の態様の第2の可能な実現方式又は第4の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第8の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを使用することにより、制御シグナリングを送信する動作を含む。
【0043】
第4の態様、第4の態様の第1の可能な実現方式第4の態様の第2の可能な実現方式又は第4の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第9の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
RRCシグナリングを使用することにより、制御シグナリングを送信する動作を含む。
【0044】
第4の態様、第4の態様の第1の可能な実現方式第4の態様の第2の可能な実現方式又は第4の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第10の可能な実現方式において、制御シグナリングを送信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
システム情報を使用することにより、制御シグナリングを送信する動作を含む。
【0045】
第4の態様、第4の態様の第1の可能な実現方式又は第4の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第6の可能な実現方式において、第1の遅延は、データパケットに対応するサービス遅延要求と、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量と、第1の遅延及び第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量とに基づいて決定される。
【0046】
第4の態様の第11の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第12の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、データパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定され、他のデータパケットにおけるいずれか1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0047】
第4の態様の第11の可能な実現方式を参照して、第4の態様の第13の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度と等しく、データパケットを送信する時間が最も遅い場合、データパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のデータパケットにおける少なくとも1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定される。
【0048】
本発明の実施形態の第5の態様は、ユーザ装置を提供し、
ユーザ装置の処理能力情報を取得し、処理能力情報を基地局に報告するように構成された処理能力報告ユニットであり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、処理能力報告ユニットと、
データパケットのデータ情報を取得するように構成されたデータ情報取得ユニットであり、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、データ情報取得ユニットと、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、データパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延、すなわち、第2の遅延を決定するように構成された基本遅延計算ユニットと、
データパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延、すなわち、第1の遅延を受信するように構成された追加遅延受信ユニットであり、追加時間遅延は、データパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、追加遅延受信ユニットと、
第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定するように構成されたフィードバック情報送信ユニットと
を含む。
【0049】
第5の態様を参照して、第5の態様の第1の可能な実現方式において、処理能力報告ユニットは、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割するように構成された系列グループ化サブユニットであり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、系列グループ化サブユニットと、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルとして、ユーザ装置の処理能力レベルに対応する系列グループからプリアンブルを選択するように構成された系列選択サブユニットと、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルを使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告するように構成された能力報告サブユニットと
を含む。
【0050】
第5の態様を参照して、第5の態様の第2の可能な実現方式において、処理能力報告ユニットは、
ランダムアクセス手順のMsg3に、処理能力情報を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成されたフィールド追加サブユニットと、
処理能力情報に基づいて、Msg3での新しく追加されたフィールドに対して、対応する処理能力レベルを表すために使用されるビット値を予め設定するように構成されたビット事前設定サブユニットと、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告するように設定された能力報告サブユニットと
を含む。
【0051】
第5の態様、第5の態様の第1の可能な実現方式又は第5の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第5の態様の第3の可能な実現方式において、追加遅延受信ユニットは、
データパケットに対して基地局により配信されたダウンリンク制御情報DCIを受信するように構成された第1の情報受信サブユニットであり、DCIは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第1の情報受信サブユニットと、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第1のフィールド読み取りサブユニットであり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第1のフィールド読み取りサブユニットと、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、データパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第1の遅延取得サブユニットと
を含む。
【0052】
第5の態様、第5の態様の第1の可能な実現方式又は第5の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第5の態様の第4の可能な実現方式において、追加遅延受信ユニットは、
データパケットに対して基地局により配信された無線リソース制御RRCシグナリングを受信するように構成された第2の情報受信サブユニットであり、無線リソース制御RRCシグナリングは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第2の情報受信サブユニットと、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第2のフィールド読み取りサブユニットであり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第2のフィールド読み取りサブユニットと、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、データパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第2の遅延取得サブユニットと
を含む。
【0053】
第5の態様、第5の態様の第1の可能な実現方式又は第5の態様の第2の可能な実現方式を参照して、第5の態様の第5の可能な実現方式において、追加遅延受信ユニットは、
データパケットに対して基地局により配信されたシステム情報を受信するように構成された第3の情報受信サブユニットであり、システム情報は、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第3の情報受信サブユニットと、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第3のフィールド読み取りサブユニットであり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第3のフィールド読み取りサブユニットと、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、データパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第3の遅延取得サブユニットと
を含む。
【0054】
本発明の実施形態の第6の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリと、通信インタフェースと、バスとを含むユーザ装置を提供する。少なくとも1つのプロセッサ、メモリ及び通信インタフェースは、バスを使用することにより互いに接続されて通信する。通信インタフェースは、基地局への通信接続を確立するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
ユーザ装置により、データパケットを受信する動作と、
制御シグナリングを受信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作
を実行するように構成される。
第6の態様を参照して、第6の態様の第1の可能な実現方式において、制御シグナリングがデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用されることは、
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定
制御シグナリング及びデータパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む。
第6の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第2の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置の処理能力の決定
データパケットのデータ情報を決定、データ情報は、少なくともデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含
処理能力及びデータ情報に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することを含む。
第6の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第3の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
制御シグナリングを使用することにより、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信する際のユーザ装置の第1の遅延を決定
データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を使用することにより、第2の遅延を決定
第1の遅延と第2の遅延との合計に基づいて、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを決定することを含む
【0055】
第6の態様の第1の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第4の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でプリアンブルを送信、プリアンブルは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を示すことを含む。
【0056】
第6の第1の可能な実現方式の態様を参照して、第6の態様の第5の可能な実現方式において、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためのユーザ装置の遅延能力を決定することは、
ユーザ装置により、ランダムアクセス手順でMsg3、Msg3は遅延能力を示すことを含む。
【0057】
第6の態様、第6の態様の第1の可能な実現方式第6の態様の第2の可能な実現方式又は第6の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第6の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
データパケットに対するダウンリンク制御情報DCIを通じて、制御シグナリングを受信する動作を含む。
【0058】
第6の態様、第6の態様の第1の可能な実現方式第6の態様の第2の可能な実現方式又は第6の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第7の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
RRCシグナリングを通じて、制御シグナリングを受信する動作を含む。
【0059】
第6の態様、第6の態様の第1の可能な実現方式第6の態様の第2の可能な実現方式又は第6の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第8の可能な実現方式において、制御シグナリングを受信する動作であり、制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される、動作は、
システム情報を通じて、制御シグナリングを受信する動作を含む。
【0060】
第6の態様、第6の態様の第1の可能な実現方式第6の態様の第2の可能な実現方式又は第6の態様の第3の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第9の可能な実現方式において、第1の遅延は、データパケットに対応するサービス遅延要求と、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量と、第1の遅延及び第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量とに基づいて決定される。
【0061】
第6の態様の第9の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第10の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、データパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定され、他のデータパケットにおけるいずれか1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0062】
第6の態様の第9の可能な実現方式を参照して、第6の態様の第11の可能な実現方式において、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であり、データパケットのサービス優先度が第2の遅延に対応するサブフレームにおけるACK/NACKに対応する他のデータパケットのサービス優先度と等しく、データパケットを送信する時間が最も遅い場合、データパケットに対応する第1の遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のデータパケットにおける少なくとも1つ以上のデータパケットに対応する第1の遅延はゼロに設定される。
【0063】
データに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法及び関係するデバイスによれば、シグナリングは、データパケットに対するダウンリンク制御情報DCI、RRCシグナリング又はシステム情報で送信され、それにより、第2の遅延に対応するサブフレームの不十分なACK/NACK容量に起因するACK/NACK情報送信失敗に関する問題を効果的に解決するために、第2の遅延に対応するサブフレームのACK/NACK容量が不十分であるときに、UEの第1の遅延は、データパケットに対応するサービス優先度に基づいて決定できる。さらに、ユーザ装置の第1の遅延はデータパケットに対して設定され、ACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置は、異なるサービス優先度要件を満たし、チャネル負荷を均衡させるように、チャネル負荷に基づいてさらに柔軟に指示できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下に、実施形態を説明するのに必要な添付図面について簡単に説明する。
図1】ダウンリンクデータパケットのための既存のHARQ手順の概略図である。
図2】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法の適用シナリオの概略図である。
図3図2に示す適用シナリオにおいてランダムアクセス手順を使用することにより、ユーザ装置が基地局への接続を確立する概略フローチャートである。
図4A】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法におけるサブフレームの概略構造図である。
図4B】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法におけるサブフレームの概略構造図である。
図5】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法において、ダウンリンクデータパケットを受信してからACK/NACK情報をフィードバックするまでのユーザ装置の処理手順の概略図である。
図6】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法の第1の概略フローチャートである。
図7A】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法におけるACK/NACK情報フィードバック位置の概略比較図である。
図7B】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法におけるACK/NACK情報フィードバック位置の概略比較図である。
図7C】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法におけるACK/NACK情報フィードバック位置の概略比較図である。
図8】本発明の実施形態に係るダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法の第2の概略フローチャートである。
図9】本発明の実施形態に係る基地局の第1の概略構造図である。
図10A図9に示す基地局の処理能力取得ユニットの概略構造図である。
図10B図9に示す基地局の処理能力取得ユニットの概略構造図である。
図10C図9に示す基地局の追加遅延配信ユニットの概略構造図である。
図10D図9に示す基地局の追加遅延配信ユニットの概略構造図である。
図10E図9に示す基地局の追加遅延配信ユニットの概略構造図である。
図11】本発明の実施形態に係る基地局の第2の概略構造図である。
図12】本発明の実施形態に係るユーザ装置の第1の概略構造図である。
図13A図12に示すユーザ装置の処理能力報告ユニットの概略構造図である。
図13B図12に示すユーザ装置の処理能力報告ユニットの概略構造図である。
図13C図12に示すユーザ装置の追加遅延受信ユニットの概略構造図である。
図13D図12に示すユーザ装置の追加遅延受信ユニットの概略構造図である。
図13E図12に示すユーザ装置の追加遅延受信ユニットの概略構造図である。
図14】本発明の実施形態に係るユーザ装置の第2の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下に、本発明の実施形態における添付図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決策について説明する。
【0066】
本発明の実施形態は、UEの処理能力の報告に基づいて、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法を提供し、これは、少なくとも以下の3つの部分を含む。
【0067】
1.eNBは、データパケットをユーザ装置に送信し、制御シグナリングを送信する。制御シグナリングは、データパケットに対応するACK/NACK情報を送信するためにユーザ装置により使用されるべきサブフレームを示すために使用される。
【0068】
2.UEは、UEの処理能力(processing capability)をeNBに報告する。eNBは、UEにより報告された処理能力に基づいて、ACK/NACK情報をフィードバックするためにUEにより必要とされる基本時間遅延又は第2の遅延と呼ばれる最小遅延量を計算する。UEは、UEの処理能力に基づいて基本時間遅延を決定し、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするために基本時間遅延に最も近いサブフレームを選択する。eNBは、ACK/NACK情報を受信するために、基本時間遅延に基づいて対応するサブフレームを選択する。
【0069】
3.eNBは、UEに対して、追加遅延に基本遅延量を加えたものの後に、ACK/NACK情報をフィードバックするように命令する。追加遅延に対応する遅延量は、追加時間遅延又は第1の遅延と呼ばれる。具体的には、eNBは、スケジューリング要件に基づいて、或いはダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度に基づいて、追加時間遅延を決定し、追加時間遅延をUEに配信してもよい。追加時間遅延を受信した後、UEは、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするために、基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、対応するサブフレームを選択する。対応して、eNBは、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を受信するために、基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、対応するサブフレームを選択する。
【0070】
図2を参照すると、本発明の実施形態は、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法の適用シナリオを提供する。シナリオは、基地局eNB及び複数のユーザ装置UE、例えば、UE1、UE2及びUE3を含む。eNBは、複数のUEとの通信に責任がある。UE1、UE2及びUE3はそれぞれ、eNBからダウンリンクデータを受信し、必要に応じてACK/NACK情報をフィードバックする。異なるUEがACK/NACK情報を迅速にフィードバックするときに、いかなる競合も引き起こさずに、ACK/NACK情報が柔軟に送信できることをどのようにして確保するかが、本発明のこの実施形態において解決される必要がある問題である。
【0071】
UEが基地局に対応するセルへの接続を確立するプロセスにおいて、UEは、セル検索プロセスの後に、既にセルとダウンリンク同期している。したがって、UEはダウンリンクデータを受信できる。しかし、UEは、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックするために、セルとのアップリンク同期を達成した後にのみアップリンク送信を実行できる。この実施形態では、UEは、セルへの接続を確立し、ランダムアクセス手順(Random access procedure)を使用することによりアップリンク同期を実現する。
【0072】
図3を参照すると、ランダムアクセス手順は、主に以下の4つのステップを含む。
【0073】
ステップ301:UEは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)をeNBに送信する。
【0074】
ステップ302:eNBは、UEにランダムアクセス応答(random access response)を返信する。
【0075】
ステップ303:UEはeNBにMsg3を送信する。Msg3に含まれる情報は、異なる場合によって変化する。例えば、Msg3は、RRC接続要求、RRC接続再確立要求などを含んでもよい。
【0076】
ステップ304:eNBはMsg4をUEに送信する。Msg4に含まれる情報は、異なる場合によって変化する。例えば、Msg4は、RRC接続確立又は再確立命令を含んでもよい。
【0077】
ステップ301で、UEがrandom access preambleをeNBに送信するときに、UEにより使用されるプリアンブル(preamble)は、利用可能なpreambleの集合から選択されるいずれかのプリアンブルである。各セルには64個のプリアンブルが存在し、これらの系列はすべてZadoff-Chu系列に基づいて生成される。UEがMsg3を送信するときにアップリンクデータのためのハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest, HARQ)が既に使用されており、eNBがMsg4を送信するときにダウンリンクデータのためのHARQが既に使用されていることに留意することは価値がある。
【0078】
図4A及び図4Bを参照すると、本発明の実施形態は、3つの部分を含むサブフレーム構造を提供する。第1の部分は、ダウンリンク制御領域(DL control region)であり、ここでは、UEにリソース構成を通知するために、DL grantのようなダウンリンクスケジューリングシグナリング又はUL grantのようなアップリンクスケジューリングシグナリングが送信できる。第2の部分は、データ領域(data region)であり、ここでは、eNBがダウンリンクデータを送信できるか、或いはUEがUL grantで割り当てられたリソースに基づいてアップリンクデータを送信できる。第3の部分はアップリンク制御領域(UL control region)であり、ここでは、UEはダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックできるか、或いは後続のスケジューリングにおいてeNBにより使用されるアップリンクチャネル状態情報(Channel State Information, CSI)を送信できる。いくつかの場合、UL control regionはアップリンクデータ(UL data)により占有される。この実施形態では、異なるタイプのサブフレームを区別するために、図4Aに示すように、ダウンリンクデータを送信するためのサブフレームはダウンリンク自己完結型(self-contained)サブフレームと呼ばれ、一方、図4Bに示すように、アップリンクデータを送信するためのサブフレームはアップリンク自己完結型サブフレームと呼ばれる。
【0079】
ダウンリンク自己完結型サブフレームにおいて、eNBは、DL grantのようなダウンリンクスケジューリングシグナリングを使用することにより、eNBがダウンリンクデータを送信する特定のリソースをUEに通知する。次に、DL grantが送信された後、eNBは対応するリソースでダウンリンクデータを送信する。ダウンリンクデータが送信された後、UEは、ガード期間(guard period, GP)の後に、ACK/NACK情報又はCSIのような対応するアップリンク制御情報を送信する。アップリンク自己完結型サブフレームにおいて、eNBは、UL grantのようなアップリンクスケジューリングシグナリングを使用することにより、UEがアップリンクデータを送信するためのdata regionでリソースを割り当てる。GPの後、UEは、UL grantのようなアップリンクスケジューリングシグナリングで割り当てられたリソースに基づいてアップリンクデータを送信する。送信が終了した後、スケジューリングされたUEは、ACK/NACK情報又はCSIのようなアップリンク制御情報を送信する。
【0080】
図5を参照すると、本発明の実施形態において提供されるダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法において、ユーザ装置は、ダウンリンクデータパケットを受信してからACK/NACK情報をフィードバックするまでに以下の処理手順を実行してもよい。
【0081】
ステップ501:ダウンリンクデータを復号する。
【0082】
ステップ502:ACK/NACKを符号化する。
【0083】
ステップ503:待機する。
【0084】
ステップ504:アップリンクタイミングを進める。
【0085】
5G NR通信では、十分に小さい送信遅延を確保するために、ダウンリンクデータを受信した後、UEはACK/NACK情報をeNBにできるだけ早くフィードバックする必要がある。しかし、4つのステップにおいて、ステップ501(ダウンリンクデータを復号する)及びステップ502(ACK/NACKを符号化する)は、ハードウェア処理速度に基づいて決定され、ステップ504(アップリンクタイミングを進める)は、UEとeNBとの間の相対距離に基づいて決定される。双方の場合、送信待ち時間を短縮することは困難である。時間アライメントを実現するために、ステップ503(待機)は、通常では時間遅延がダウンリンクデータの受信と対応するACK/NACKの送信との間で予め決定されるので、このステップは、適切な設計を使用することにより短縮され得る。設計が十分に適切である場合、待機ステップの時間はゼロに短縮され得ることが理解され得る。
【0086】
この実施形態では、ダウンリンクデータの受信と対応するACK/NACK情報のフィードバックとの間の時間遅延をできるだけ低減するために、すなわち、待機時間をできるだけ短縮するために、UEは、UEの処理能力に関する情報をeNBに報告する必要がある。処理能力情報は、UEの処理能力のレベルを表すために使用される。UEのより高い処理能力レベルは、同じタスク(例えば、ダウンリンクデータパケットの復調及び対応するACK/NACK情報の符号化)を処理するために必要とされるより短い時間、及びACK/NACKをフィードバックするために必要とされるより短い時間遅延を示す。これに基づいて、eNBとUEとの双方は、処理能力情報と、対応するダウンリンクデータ送信パケットのサイズ及び変調オーダーのような情報とに基づいて、現在のダウンリンクデータ受信においてダウンリンクデータパケットのデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化する(すなわち、ステップ501及びステップ502)ためにUEにより必要とされる基本時間遅延又は第2の遅延と呼ばれる時間を決定できる。さらに、アップリンクタイミングの進行(すなわち、ステップ504)に関する情報は、UEのみに関係しており、UEにとって既知である。要するに、UEがその処理能力情報をeNBに報告した後、UEとeNBとの双方は、ACK/NACK情報をフィードバックするためにUEにより必要とされる基本時間遅延を習得でき、ACK/NACK情報を送信するために基本時間遅延に最も近いサブフレームにおいてUL control regionを選択でき、それにより、ダウンリンクデータの送信と対応するACK/NACK情報のフィードバックと間の時間遅延をできるだけ低減する。基本時間遅延に最も近いサブフレームは、ダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームに最も近く且つダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームまでの時間間隔が基本時間遅延より小さくないサブフレームである。ランダムアクセス手順では、Msg4が送信及び受信されるときにHARQが既に使用されている点に留意すべきである。したがって、UEは、Msg4が送信される前に、その処理能力情報をeNBに報告する必要がある。
【0087】
図6を参照すると、本発明の実施形態は、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックするための方法を提供し、以下のステップを含む。
【0088】
ステップ601:ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得し、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される。
【0089】
ステップ602:ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得し、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む。
【0090】
ステップ603:処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延、すなわち、第2の遅延を計算する。
【0091】
ステップ604:ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延、すなわち、第1の遅延をユーザ装置に配信し、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される。
【0092】
ステップ605:基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を受信するための対応するサブフレームを選択する。
【0093】
この実施形態では、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法は、基地局、例えば、eNBにより実行されてもよい。ユーザ装置は、移動電話でもよい。基地局は、複数のユーザ装置への通信接続を確立してもよい。異なるユーザ装置は、異なる処理能力レベルを有することが理解され得る。ユーザ装置は、処理能力レベルを表すために使用される処理能力情報を取得し、処理能力情報を基地局に報告し、それにより、基地局は、ダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーのような情報と、ユーザ装置により報告された処理能力情報とに基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算できる。さらに、ユーザ装置は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするために、処理能力情報と、受信したダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーのような情報とに基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するために必要とされる基本時間遅延を計算し、基本時間遅延に対応するサブフレームを選択できる。対応して、基地局は、ダウンリンクデータパケットに対応し且つユーザ装置によってフィードバックされたACK/NACK情報を受信するために、基本時間遅延に基づいて、基本時間遅延に対応するサブフレームを選択する。
【0094】
基本時間遅延を計算した後、基地局は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのユーザ装置に対するサブフレームの位置を示すために、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに基づいて、追加時間遅延及び追加時間遅延の具体的な長さを、ダウンリンクデータパケットのためにユーザ装置に送信するか否かをさらに決定してもよいことが理解され得る。決定の結果が、ダウンリンクデータパケットに対するACK/NACK情報をフィードバックする時間が追加的に遅延される必要がない場合、追加時間遅延はゼロに設定されてもよいことが理解され得る。決定の結果が、ダウンリンクデータパケットに対するACK/NACK情報をフィードバックする時間が追加的に遅延される必要がある場合、ユーザ装置に対して、1つ以上のサブフレームの追加遅延に基本時間遅延を加えたものの後に、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするように命令するために、追加時間遅延は、1つ以上のサブフレームの継続時間に設定されてもよい。
【0095】
ユーザ装置の処理能力情報が取得され、基本時間遅延が、処理能力情報とダウンリンクデータパケットに対応するデータ情報とに基づいて計算され、これにより、ダウンリンクデータパケットを受信してからACK/NACK情報をフィードバックするまでのユーザ装置の待機時間が基本時間遅延に基づいて短縮でき、それにより、ユーザ装置のACK/NACK情報フィードバック速度を増加し、通信待ち時間を低減する。さらに、追加時間遅延がダウンリンクデータパケットに対してユーザ装置に配信され、これにより、ユーザ装置がダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置が、ダウンリンクデータパケットのサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに基づいて、異なるサービスの優先度要件を満たし、サービス負荷を均衡させるように、柔軟に指示できる。
【0096】
実現方式において、ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得することは、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割し、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応し、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルが位置する系列グループを決定し、
プリアンブルが位置する系列グループに基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得することを含む。
【0097】
具体的には、eNBは、各セルに割り当てられたすべての利用可能なプリアンブルを複数の系列グループに分割してもよい。各系列グループは、1つの処理能力レベルに対応する。対応して、UEは、異なるプリアンブルを使用することにより、ランダムアクセス手順でそれらの処理能力をeNBに報告してもよい。UEの処理能力がレベル0、レベル1、レベル2及びレベル3の4つのレベルに分類されると仮定すると、256個の利用可能なプリアンブルが各セルに割り当てられる必要がある。256個のプリアンブルは、4つの系列グループ0、1、2及び3に分割され、各系列グループは、表1に示すように、1つの処理能力レベルに対応する。具体的には、プリアンブル0〜63はレベル0に対応し、プリアンブル64〜127はレベル1に対応し、プリアンブル128〜171はレベル2に対応し、プリアンブル172〜255はレベル3に対応する。プリアンブルに対するブラインド検出の間、eNBは、UEにより使用されるプリアンブルが位置する系列グループを検出することにより、UEの処理能力レベルを習得できる。
【表1】
UEは、異なるプリアンブルを使用することにより、ランダムアクセス手順でそれらの処理能力をeNBに報告し、これにより、ダウンリンクデータが送信される度に、UEとeNBとの双方は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためにUEにより必要とされる基本時間遅延を別々に決定できることが理解され得る。ACK/NACK情報はランダムアクセス手順で送信されるプリアンブルで暗示的に搬送されるので、追加の情報が交換される必要がなく、それにより、シグナリング負荷及びオーバーヘッドを低減する。さらに、UEは、通信待ち時間を低減するために、その処理能力に基づいてACK/NACK情報をできるだけ早くフィードバックできる。
【0098】
実現方式において、ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得することは、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信し、Msg3は、処理能力情報を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含み、
Msg3で新しく追加されたフィールドのビット値を読み取り、ビット値は、ユーザ装置の処理能力レベルを表すために使用され、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得することを含む。
【0099】
具体的には、UEは、Msg3での新しく追加されたフィールドにおいて異なるビット値を使用することにより、ランダムアクセス手順でそれらの処理能力情報を報告してもよい。表2に示すように、UEの処理能力レベルがレベル0、レベル1、レベル2及びレベル3の4つのレベルに分類されると仮定すると、UEの処理能力情報を報告するために、2ビットの新しく追加されたフィールドがMsg3に追加されてもよい。
【表2】
UEの処理能力レベルが0であるとき、Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値は00に設定される。
【0100】
UEの処理能力レベルが1であるとき、Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値は01に設定される。
【0101】
UEの処理能力レベルが2であるとき、Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値は10に設定される。
【0102】
UEの処理能力レベルが3であるとき、Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値は11に設定される。
【0103】
UEは、ランダムアクセス手順でのMsg3にフィールドを追加することにより、処理能力情報をeNBに報告し、これにより、ダウンリンクデータが送信される度に、UEとeNBとの双方は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためにUEにより必要とされる基本時間遅延を別々に決定できることが理解され得る。処理能力情報は、Msg3に2ビットのフィールドのみを追加することにより報告でき、これにより、シグナリングオーバーヘッドは比較的低く、実現が便利である。さらに、UEは、通信待ち時間を低減するために、その処理能力に基づいてACK/NACK情報をできるだけ早くフィードバックできる。
【0104】
5G NR通信では、図4Aに示すダウンリンク自己完結型サブフレーム構造に基づいて、複数の異なるサブフレームで送信されたダウンリンクデータに対応するACK/NACK情報は、同じサブフレーム内のアップリンク制御領域(UL control region)で送信されてもよい。しかし、ACK/NACK情報を送信するために使用されるサブフレーム内のUL control regionは、限られた容量を有するので、過剰なACK/NACK情報が同じサブフレーム内のUL control regionにおいて送信される必要があるとき、容量は明らかに不十分である。したがって、いくつかのACK/NACK情報が追加遅延時間の後に送信される必要がある。この実施形態では、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに一緒に基づいて決定される。基本時間遅延に対応するサブフレームは、ダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームの時間間隔に最も近く且つ基本時間遅延より小さくないサブフレームである。
【0105】
図7Aを参照すると、Dはダウンリンクサブフレームを表し、Uはアップリンクサブフレームを表し、0〜6はサブフレームのシーケンス番号である。設計において、サブフレーム0、サブフレーム1及びサブフレーム3で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報はすべて、サブフレーム3内のUL control regionで送信されるべきであると仮定する。過剰なダウンリンク送信コードワードがサブフレーム0、サブフレーム1及びサブフレーム3においてスケジューリングされたとき、サブフレーム3内のUL control regionの限られた容量は、過剰なACK/NACK情報を同時に搬送するには十分ではない。したがって、サブフレーム3において送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信は、追加で遅延されてもよく、図7Bに示すように、ACK/NACK情報は、サブフレーム4内のUL control regionにおいて送信される。或いは、図7Cに示すように、サブフレーム0又はサブフレーム1において送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信は、追加で遅延されてもよく、ACK/NACK情報は、サブフレーム4内のUL control regionにおいて送信される。ACK/NACK情報の送信が追加で遅延される具体的な時間(すなわち、追加時間遅延)は、サブフレーム0、サブフレーム1及びサブフレーム3で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、送信プロセスにおける対応するデータパケットの遅延要求とに基づいて、eNBにより決定され、次に、対応するユーザ装置に配信される。
【0106】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して追加時間遅延をユーザ装置に配信することは、
ダウンリンクデータパケットに対するダウンリンク制御情報(Downlink Control Information, DCI)に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加し、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定し、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信することを含む
具体的には、種々のサブフレームにおいてダウンリンクデータをスケジューリングするとき、eNBは、新しく追加されたフィールドの異なるビット値を使用することにより、現在のサブフレームにおけるダウンリンクデータに対応するACK/NACK情報により必要とされる追加時間遅延を示すために、ダウンリンクデータに対するダウンリンク制御情報DCIに新しい追加フィールドを追加してもよい。表3に示すように、それぞれ0サブフレーム、1サブフレーム、2サブフレーム及び3サブフレームである4つの異なる追加時間遅延が存在すると仮定すると、eNBは、対応するユーザ装置に追加時間遅延を配信するために、ダウンリンクデータパケットに対するダウンリンク制御情報DCIに2ビットの新しく追加されたフィールドを追加してもよい。
【表3】
追加時間遅延が0サブフレームである(すなわち、追加遅延が存在しない)とき、DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値は00に設定される。
【0107】
追加時間遅延が1サブフレームであるとき、DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値は01に設定される。
【0108】
追加時間遅延が2サブフレームであるとき、DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値は10に設定される。
【0109】
追加時間遅延が3サブフレームであるとき、DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値は11に設定される。
【0110】
例えば、図7Aに示す場合、サブフレーム3内のUL control regionの容量が過剰なACK/NACK情報を同時に搬送できない場合、eNBは、サブフレーム3に対応するダウンリンクデータパケットに対するDCIに2ビットのフィールドを追加し、ユーザ装置に対して、1つのサブフレームの追加遅延に基本時間遅延を加えたものの後に、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするように命令するために、新しく追加したフィールドのビット値を01に設定してもよい。言い換えると、サブフレーム3で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信が遅延され、ACK/NACK情報がサブフレーム4内のUL control regionでフィードバックされる。
【0111】
この実施形態では、eNBはDCIを使用することによりUEの追加時間遅延を動的に示し、これにより、UL control regionの不十分な容量に関する問題を解決し、種々のサービス負荷及び異なる展開シナリオの要件を満たすように、ACK/NACK情報送信時間がより柔軟に配置できる、
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して追加時間遅延をユーザ装置に配信することは、
ダウンリンクデータパケットに対する無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)シグナリングに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加し、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定し、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信することを含む。
【0112】
具体的には、eNBは、代替として、追加時間遅延を搬送するために、ダウンリンクデータパケットに対する無線リソース制御RRCシグナリングにフィールドを追加してもよい。例えば、図7Aにおけるサブフレーム3でスケジューリングされたUEのためのサービス(サブフレーム3で送信されたダウンリンクデータパケットに対応する)は、厳密な遅延要求を有さず、ACK/NACK情報は、現在のサブフレームで直ちにフィードバックされる必要はなく、ACK/NACK情報が次のサブフレームでフィードバックされても、現在のサービスの遅延要求は依然として満たされることができると仮定する。サブフレーム3内のUL control regionの送信電力を低減するために、eNBは、RRCシグナリングを使用することにより構成を実行してもよく、これにより、サブフレーム3においてUEは、追加の1サブフレームの時間遅延の後に、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックする。
【0113】
この実施形態では、eNBは、RRCシグナリングを使用することにより、UEの追加時間遅延を動的に示し、これにより、ACK/NACK情報送信時間は、異なるシナリオに基づいて動的に配置でき、それにより、シグナリング負荷を均衡させる。
【0114】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して追加時間遅延をユーザ装置に配信することは、
ダウンリンクデータパケットに対するシステム情報に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加し、
システム情報での新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定し、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信することを含む。
【0115】
具体的には、いくつかの場合、ACK/NACK情報がeNBによりサービス提供されるすべてのUEのサービスシナリオに対して高速フィードバックされる必要がない場合、すなわち、どのUEもそれらの最高処理速度でACK/NACK情報をフィードバックする必要がない場合、eNBは、システム情報(例えば、MIB又はSIB)において、異なるUEに対して、異なる追加遅延の後にACK/NACK情報をそれぞれフィードバックするように命令してもよく、これにより、ACK/NACK情報送信時間が、異なるシナリオに基づいて配置でき、それにより、異なるサービス負荷を動的に適応させる。
【0116】
eNBは、ダウンリンクデータパケットに対するダウンリンク制御情報DCI、RRCシグナリング又はシステム情報に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加し、新しく追加されたフィールドのビット値を使用することによりユーザ装置に追加時間遅延を配信し、これにより、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量を超えるとき、アップリンク制御領域の不十分な容量に起因するACK/NACK情報送信失敗に関する問題を効果的に解決するために、UEは、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度に基づいて、追加時間遅延に基本時間遅延を加えたものの後に、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするように命令されてもよいことが理解され得る。さらに、ダウンリンクデータパケットに対して追加時間遅延がユーザ装置に配信されるので、ACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置が、異なるサービス優先度要件を満たし、チャネル負荷を均衡させるように、チャネル負荷に基づいてさらに柔軟に指示できる。
【0117】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定され、他のダウンリンクデータパケットにおけるいずれか1つ以上のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0118】
具体的には、eNBは、異なるルールに従って追加遅延をそれぞれ受けるUEを選択してもよい。例えば、図7Aに示す実施形態において、eNBが「サービスタイプに基づいて追加遅延を決定する」というルールを使用し、サブフレーム3において送信されるダウンリンクデータパケットのサービス優先度が、サブフレーム0及びサブフレーム1において送信されるダウンリンクデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、サブフレーム3において送信されるダウンリンクデータパケットに対してACK/NACK情報はできるだけ早く返信される必要がある。したがって、ダウンリンクデータパケットに対するACK/NACKの送信は、追加で遅延されない。言い換えると、サブフレーム3で送信されるダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定される。さらに、サブフレーム1で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信は、追加で遅延されてもよい。言い換えると、サブフレーム1で送信されるダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は、1つのサブフレームに設定される。最終的なスケジューリング結果が図7Cに示されており、すなわち、サブフレーム1で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信が追加で遅延され、ACK/NACK情報がサブフレーム4内のUL control regionで送信される。
【0119】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度と等しく、ダウンリンクデータパケットを送信する時間が最も遅い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定される。
【0120】
具体的には、eNBは、異なるルールに従って追加遅延をそれぞれ受けるUEを選択してもよい。例えば、図7Aに示す実施形態において、eNBが「最大遅延を最小化する」というルールを使用する場合、サブフレーム3において送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を追加で遅延させる優先度が、サブフレーム0又はサブフレーム1において送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を追加で遅延させる優先度よりも高くなるように、サブフレーム0及びサブフレーム1において送信されるダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延がゼロに設定され、サブフレーム3において送信されるダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延が1つのサブフレームに設定される。最終的なスケジューリング結果が図7Bに示されており、すなわち、サブフレーム3で送信されるダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報の送信が追加で遅延され、ACK/NACK情報がサブフレーム4内のUL control regionで送信される。
【0121】
図8参照すると、本発明の実施形態は、ダウンリンクデータに対するNACK情報をフィードバックする方法を提供し、以下のステップを含む。
【0122】
ステップ801:ユーザ装置の処理能力情報を取得し、処理能力情報を基地局に報告し、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される。
【0123】
ステップ802:ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得し、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む。
【0124】
ステップ803:処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算する。
【0125】
ステップ804:ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信し、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される。
【0126】
ステップ805:基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするための対応するサブフレームを選択する。
【0127】
実現方式において、処理能力情報を基地局に報告することは、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割し、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応し、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルとして、ユーザ装置の処理能力レベルに対応する系列グループからプリアンブルを選択し、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルを使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告することを含む。
【0128】
実現方式において、処理能力情報を基地局に報告することは、
ランダムアクセス手順のMsg3に、処理能力情報を搬送するために使用されるフィールドを追加し、
処理能力情報に基づいて、Msg3での新しく追加されたフィールドに対して、対応する処理能力レベルを表すために使用されるビット値を予め設定し、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告することを含む。
【0129】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信することは、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたダウンリンク制御情報DCIを受信し、DCIは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含み、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取り、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用され、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得することを含む。
【0130】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信することは、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された無線リソース制御RRCシグナリングを受信し、無線リソース制御RRCシグナリングは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含み、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取り、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用され、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得することを含む。
【0131】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信することは、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたシステム情報を受信し、システム情報は、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含み、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を読み取り、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用され、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得することを含む。
【0132】
実現方式において、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに一緒に基づいて決定される。基本時間遅延に対応するサブフレームは、ダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームの時間間隔に最も近く且つ基本時間遅延より小さくないサブフレームである。
【0133】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定され、他のダウンリンクデータパケットにおけるいずれか1つ以上のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0134】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度と等しく、ダウンリンクデータパケットを送信する時間が最も遅い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定される。
【0135】
この実施形態において、ダウンリンクデータに対するACK/NACK情報をフィードバックする方法は、ユーザ装置(User Equipment, UE)、例えば、移動電話又はタブレットコンピュータにより実行されてもよいことが理解され得る。この実施形態における方法のステップは、図6に示す実施形態における方法のステップに対応する。したがって、この実施形態における方法のステップの具体的な実現方式については、図6に示す方法の実施形態の関係する説明を参照する。詳細はここでは再び説明しない。
【0136】
図9を参照すると、本発明の実施形態は、基地局900を提供し、
ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得するように構成された処理能力取得ユニット910であり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、処理能力取得ユニット910と、
ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得するように構成されたデータ情報取得ユニット930であり、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、データ情報取得ユニット930と、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算するように構成された基本遅延計算ユニット950と、
ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延をユーザ装置に配信するように構成された追加遅延配信ユニット970であり、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、追加遅延配信ユニット970と、
基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を受信の対応するサブフレームを選択するように構成されたフィードバック情報受信ユニット990と
を含む。
【0137】
図10Aを参照すると、実現方式において、処理能力取得ユニット910は、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割するように構成されたプリアンブルグループ化サブユニット911であり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、プリアンブルグループ化サブユニット911と、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルが位置する系列グループを決定するように構成されたプリアンブル受信サブユニット913と、
プリアンブルが位置する系列グループに基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得するように構成された処理能力決定サブユニット915と
を含む。
【0138】
図10Bを参照すると、実現方式において、処理能力取得ユニット910は、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信するように構成された情報受信サブユニット912であり、Msg3は、処理能力情報を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、情報受信サブユニット912と、
Msg3で新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成されたフィールド読み取りサブユニット914であり、ビット値は、ユーザ装置の処理能力レベルを表すために使用される、フィールド読み取りサブユニット914と、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得するように構成された能力決定サブユニット916と
を含む。
【0139】
図10Cを参照すると、実現方式において、追加遅延配信ユニット970は、
ダウンリンクデータパケットに対するダウンリンク制御情報DCIに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第1のフィールド追加サブユニット971と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第1のビット事前設定サブユニット973と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第1の遅延配信サブユニット975と
を含む。
【0140】
図10Dを参照すると、実現方式において、追加遅延配信ユニット970は、
ダウンリンクデータパケットに対する無線リソース制御RRCシグナリングに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第2のフィールド追加サブユニット972と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第2のビット事前設定サブユニット974と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第2の遅延配信サブユニット976と
を含む。
【0141】
図10Eを参照すると、実現方式において、追加遅延配信ユニット970は、
ダウンリンクデータパケットに対するシステム情報に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成された第3のフィールド追加サブユニット977と、
システム情報での新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定するように構成された第3のビット事前設定サブユニット978と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信するように構成された第3の遅延配信サブユニット979と
を含む。
【0142】
基地局900のユニットの機能及び具体的な実現方式については、図6に示す方法の実施形態の関係する説明を参照することが理解され得る。詳細はここでは再び説明しない。
【0143】
図11を参照すると、本発明の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ1110と、メモリ1130と、通信インタフェース1150と、バス1170とを含む基地局1100が提供される。少なくとも1つのプロセッサ1110、メモリ1130及び通信インタフェース1150は、バス1170を使用することにより互いに接続されて通信する。通信インタフェース1150は、ユーザ装置への通信接続を確立するように構成される。プロセッサ1110は、メモリ1130に記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得する動作であり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、動作と、
ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得する動作であり、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、動作と、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算する動作と、
ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延をユーザ装置に配信する動作であり、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、動作と、
基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報を受信するための対応するサブフレームを選択する動作と
を実行するように構成される。
【0144】
実現方式において、ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得する動作は、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割する動作であり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、動作と、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたプリアンブルを受信し、プリアンブルが位置する系列グループを決定する動作と、
プリアンブルが位置する系列グループに基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得する動作と
を含む。
【0145】
実現方式において、ユーザ装置により報告された処理能力情報を取得する動作は、
ランダムアクセス手順でユーザ装置により送信されたMsg3を受信する動作であり、Msg3は、処理能力情報を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、動作と、
Msg3で新しく追加されたフィールドのビット値を読み取る動作であり、ビット値は、ユーザ装置の処理能力レベルを表すために使用される、動作と、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ユーザ装置の処理能力情報を取得する動作と
を含む。
【0146】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延をユーザ装置に配信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対するダウンリンク制御情報DCIに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加する動作と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定する動作と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信する動作と
を含む。
【0147】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延をユーザ装置に配信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対する無線リソース制御RRCシグナリングに、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加する動作と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定する動作と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信する動作と
を含む。
【0148】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対する追加時間遅延をユーザ装置に配信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対するシステム情報に、追加時間遅延を搬送するために使用されるフィールドを追加する動作と、
システム情報での新しく追加されたフィールドに対して、対応する追加時間遅延を表すために使用されるビット値を予め設定する動作と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置に追加時間遅延を配信する動作と
を含む。
【0149】
実現方式において、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに一緒に基づいて決定される。基本時間遅延に対応するサブフレームは、ダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームの時間間隔に最も近く且つ基本時間遅延より小さくないサブフレームである。
【0150】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定され、他のダウンリンクデータパケットにおけるいずれか1つ以上のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0151】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度と等しく、ダウンリンクデータパケットを送信する時間が最も遅い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定される。
【0152】
プロセッサ1110により実行される前述の動作ステップの具体的な実現方式については、図6に示す方法の実施形態の関係する説明を参照することが理解され得る。詳細はここでは再び説明しない。
【0153】
図12を参照すると、本発明の実施形態は、ユーザ装置1200を提供し、
ユーザ装置の処理能力情報を取得し、処理能力情報を基地局に報告するように構成された処理能力報告ユニット1210であり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、処理能力報告ユニット1210と、
ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得するように構成されたデータ情報取得ユニット1230であり、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、データ情報取得ユニット1230と、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算するように構成された基本遅延計算ユニット1250と、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信するように構成された追加遅延受信ユニット1270であり、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、追加遅延受信ユニット1270と、
基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするための対応するサブフレームを選択するように構成されたフィードバック情報送信ユニット1290と
を含む。
【0154】
図13Aを参照すると、実現方式において、処理能力報告ユニット1210は、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割するように構成された系列グループ化サブユニット1211であり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、系列グループ化サブユニット1211と、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルとして、ユーザ装置の処理能力レベルに対応する系列グループからプリアンブルを選択するように構成された系列選択サブユニット1213と、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルを使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告するように構成された能力報告サブユニット1215と
を含む。
【0155】
図13Bを参照すると、実現方式において、処理能力報告ユニット1210は、
ランダムアクセス手順のMsg3に、処理能力情報を搬送するために使用されるフィールドを追加するように構成されたフィールド追加サブユニット1212と、
処理能力情報に基づいて、Msg3での新しく追加されたフィールドに対して、対応する処理能力レベルを表すために使用されるビット値を予め設定するように構成されたビット事前設定サブユニット1214と、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告するように設定された能力報告サブユニット1216と
を含む。
【0156】
図13Cを参照すると、実現方式において、追加遅延受信ユニット1270は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたダウンリンク制御情報DCIを受信するように構成された第1の情報受信サブユニット1271であり、DCIは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第1の情報受信サブユニット1271と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第1のフィールド読み取りサブユニット1273であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第1のフィールド読み取りサブユニット1273と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第1の遅延取得サブユニット1275と
を含む。
【0157】
図13Dを参照すると、実現方式において、追加遅延受信ユニット1270は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された無線リソース制御RRCシグナリングを受信するように構成された第2の情報受信サブユニット1272であり、無線リソース制御RRCシグナリングは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第2の情報受信サブユニット1272と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第2のフィールド読み取りサブユニット1274であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第2のフィールド読み取りサブユニット1274と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第2の遅延取得サブユニット1276と
を含む。
【0158】
図13Eを参照すると、実現方式において、追加遅延受信ユニット1270は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたシステム情報を受信するように構成された第3の情報受信サブユニット1277であり、システム情報は、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、第3の情報受信サブユニット1277と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を読み取るように構成された第3のフィールド読み取りサブユニット1278であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、第3のフィールド読み取りサブユニット1278と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得するように構成された第3の遅延取得サブユニット1279と
を含む。
【0159】
ユーザ装置1200のユニットの機能及び具体的な実現方式については、図6及び図8に示す方法の実施形態の関係する説明を参照することが理解され得る。詳細はここでは再び説明しない。
【0160】
図14を参照すると、本発明の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサ1410と、メモリ1430と、通信インタフェース1450と、バス1470とを含むユーザ装置1400を提供する。少なくとも1つのプロセッサ1410、メモリ1430及び通信インタフェース1450は、バス1470を使用することにより互いに接続されて通信する。通信インタフェース1450は、基地局への通信接続を確立するように構成される。プロセッサ1410は、メモリ1430に記憶された実行可能プログラムコードを呼び出し、以下の動作、すなわち、
ユーザ装置の処理能力情報を取得し、処理能力情報を基地局に報告する動作であり、処理能力情報は、ユーザ装置の処理能力のレベルを表すために使用される、動作と、
ダウンリンクデータパケットのデータ情報を取得する動作であり、データ情報は、少なくともダウンリンクデータパケットのサイズ及び変調オーダーを含む、動作と、
処理能力情報及びデータ情報に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対するデータ復号を実行してACK/NACK情報を符号化するためにユーザ装置により必要とされる基本時間遅延を計算する動作と、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信する動作であり、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするためのサブフレームの位置を示すために使用される、動作と、
基本時間遅延と追加時間遅延との合計に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対応するACK/NACK情報をフィードバックするための対応するサブフレームを選択する動作と
を含む。
【0161】
実現方式において、処理能力情報を基地局に報告する動作は、
ランダムアクセス手順ですべての利用可能なプリアンブルの集合を複数の系列グループに分割する動作であり、各系列グループは1つの処理能力レベルに対応する、動作と、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルとして、ユーザ装置の処理能力レベルに対応する系列グループからプリアンブルを選択する動作と、
ランダムアクセス手順のためのプリアンブルを使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告する動作と
を含む。
【0162】
実現方式において、処理能力情報を基地局に報告する動作は、
ランダムアクセス手順のMsg3に、処理能力情報を搬送するために使用されるフィールドを追加する動作と、
処理能力情報に基づいて、Msg3での新しく追加されたフィールドに対して、対応する処理能力レベルを表すために使用されるビット値を予め設定する動作と、
Msg3での新しく追加されたフィールドのビット値を使用することにより、ユーザ装置の処理能力情報を基地局に報告する動作と
を含む。
【0163】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたダウンリンク制御情報DCIを受信する動作であり、DCIは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、動作と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取る動作であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、動作と、
ダウンリンク制御情報DCIでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得する動作と
を含む。
【0164】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された無線リソース制御RRCシグナリングを受信する動作であり、無線リソース制御RRCシグナリングは、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、動作と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値を読み取る動作であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、動作と、
無線リソース制御RRCシグナリングでの新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得する動作と
を含む。
【0165】
実現方式において、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を受信する動作は、
ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信されたシステム情報を受信する動作であり、システム情報は、追加時間遅延を搬送するために使用される新しく追加されたフィールドを含む、動作と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値を読み取る動作であり、ビット値は、対応する追加時間遅延を表すために使用される、動作と、
システム情報での新しく追加されたフィールドのビット値に基づいて、ダウンリンクデータパケットに対して基地局により配信された追加時間遅延を取得する動作と
を含む。
【0166】
実現方式において、追加時間遅延は、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度と、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量と、アップリンク制御領域の容量とに一緒に基づいて決定される。基本時間遅延に対応するサブフレームは、ダウンリンクデータパケットを送信するためのサブフレームの時間間隔に最も近く且つ基本時間遅延より小さくないサブフレームである。
【0167】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度よりも高い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定され、他のダウンリンクデータパケットにおけるいずれか1つ以上のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は、少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定される。
【0168】
実現方式において、基本時間遅延に対応するサブフレーム内のアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報の量がアップリンク制御領域の容量よりも大きく、ダウンリンクデータパケットに対応するサービス優先度がアップリンク制御領域において送信されるACK/NACK情報に対応する他のダウンリンクデータパケットのサービス優先度と等しく、ダウンリンクデータパケットを送信する時間が最も遅い場合、ダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延は少なくとも1つのサブフレームの継続時間に設定され、他のダウンリンクデータパケットに対応する追加時間遅延はゼロに設定される。
【0169】
プロセッサ1410により実行される前述の動作ステップの具体的な実現方式については、図6及び図8に示す方法の実施形態の関係する説明を参照することが理解され得る。詳細はここでは再び説明しない。
【0170】
本発明の提供される実施形態において、開示された方法及びデバイスは他の方式で実現されてもよいことが理解され得る。例えば、記載されたデバイスの実施形態は、単なる例である。ユニット分割は単なる論理的な機能分割であり、実際の実現方式においては他の分割でもよい。例えば、複数のユニットが組み合わされてもよく、或いは他のシステムに統合されてもよく、或いはいくつかの特徴が無視されても、或いは実行されなくてもよい。実現方式において、デバイスは、実行可能プログラムモジュールの形式でメモリに記憶され、対応する機能を実現するためにプロセッサにより呼び出されて実行される。
【0171】
本発明の実施形態における方法のステップの順序は調整されてもよく、いくつかのステップが実際の要件に基づいて組み合わされてもよく、或いは削除されてもよいことが理解され得る。対応して、本発明の実施形態におけるデバイス内のユニットは、実際の要件に基づいて組み合わされても、分割されても、或いは削除されてもよい。
【0172】
前述の開示の実施形態は、本発明の単に例示的な実施形態であり、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、前述の実施形態を実現するプロセスの全部又は一部及び本発明の特許請求の範囲に従ってなされた同等の変更が、本発明の範囲内に入るものとすることを理解し得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14