(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0016】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。
【0017】
また、本明細書では、基地局をRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継機(relay)などを含む包括的な名称として使う。
【0018】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の制御平面及びユーザ平面の構造を示す図である。制御平面とは、端末(User Equipment;UE)とネットワークとが信号を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザ平面とは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0019】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該送信チャネルを通じて媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを通じてデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0020】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を通じて、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックとしてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0021】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御平面にのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層により提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあるようになる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0022】
ネットワークから端末にデータを送信する下り送信チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを介して送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を通じて送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。送信チャネルの上位に存在し、送信チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0023】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0024】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得すればよい。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得できる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認できる。
【0025】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得できる(S302)。
【0026】
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行ってよい(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を通じて特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信すればよい(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、競合解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0027】
上述の手順を行った端末は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行えばよい。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割り当て情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なっている。
【0028】
一方、端末が上りリンクを通じて基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Qualit Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信してもよい。
【0029】
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
【0030】
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレームで構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロットで構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10−8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は一つ以上のサブフレーム単位に定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0031】
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0032】
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭の1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0033】
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。一つのREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を指示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0034】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶために用いられる。即ち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで指示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマッピングされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシティ得を得るために3回繰り返し(repetition)される。
【0035】
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数で、PCFICHによって指示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、送信チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割り当てに関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHを介して送信される。従って、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHを介してデータをそれぞれ送信及び受信する。
【0036】
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードしなければならないかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例えば、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、即ち、送信形式情報(例えば、送信ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いて検索領域でPDCCHをモニタリング、即ち、ブラインドデコードし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0037】
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0038】
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割り当て要請であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで互いに異なる周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。即ち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、
図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
【0039】
以下、チャネル状態情報(channel state information、CSI)の報告について説明する。現在LTE標準では、チャネル状態情報なしに運用される開ループ(open−loop)MIMOと、チャネル状態情報に基づいて運用される閉ループ(closed−loop)MIMOの2つの送信方式が存在する。特に、閉ループMIMOでは、MIMOアンテナの多重化利得(multiplexing gain)を得るために、基地局及び端末は各々チャネル状態情報に基づいてビーム形成を行うことができる。基地局はチャネル状態情報を端末から得るために、端末にPUCCH(Physical Uplink control CHannel)又はPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を割り当てて下りリンク信号に関するチャネル状態情報(CSI)をフィードバックするように命令する。
【0040】
CSIは大きく、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、CQI(CHANNEL Quality Indication)の3つの情報に分類される。第一に、上述したように、RIはチャネルのランク情報を示し、端末が同じ周波数−時間リソースにより受信可能なストリームの数を意味する。RIはチャネルの長周期フェージング(Long Term fading)により決定されるので、通常、PMI、CQI値より長い周期で基地局にフィードバックされる。
【0041】
第二に、PMIはチャネルの空間特性を反映した値であり、SINRなどのメトリックスを基準として端末が選好する基地局のプリコーディング行列インデックスを示す。最後に、CQIはチャネルの強度を示す値であり、通常基地局がPMIを用いた時に得られる受信SINRを意味する。
【0042】
3GPP LTE−Aシステムにおいて、基地局は多数のCSIプロセスをUEに設定し、各CSIプロセスに対するCSIが報告される。ここで、CSIプロセスは、基地局からの信号品質特定のためのCSI−RSリソースと、干渉測定のためのCSI−IM(interference measurement)リソース、即ち、IMR(interference measurement REsource)とで構成される。
【0043】
ミリ波(Millimeter Wave、mmW)では波長が短いので、同一面積に多数のアンテナ要素(element)の設置が可能である。即ち、30GHz帯域において波長は1cmであるので、4*4cmのパネルに0.5lambda(波長)間隔で2次元(2−dimension)配列する場合、総64(8×8)個のアンテナ要素を設けることができる。これにより、ミリ波(mmW)では多数のアンテナ要素を使用してビーム形成(beamforming、BF)利得を上げてカバレッジを増加させるか、或いはスループット(throughput)を向上させることができる。
【0044】
この時、アンテナ要素ごとに伝送パワー及び位相の調節ができるように、各々のアンテナ要素はTXRU(transceiver)を含む。これにより、各々のアンテナ要素は周波数リソースごとに独立的なビーム形成を行うことができる。しかし、100余個の全てのアンテナ要素にTXRUを設けることは費用面で実効性が乏しい。従って、1つのTXRUに多数のアンテナ要素をマッピングし、アナログ位相シフター(analog phase shifter)でビーム方向を調節する方式が考えられている。かかるアナログビーム形成方式では全帯域において1つのビーム方向のみを形成できるので、周波数選択的なビーム形成が難しいという短所がある。
【0045】
デジタルビーム形成及びアナログビーム形成の中間形態として、Q個のアンテナ要素より少ない数のB個のTXRUを有するハイブリッドビーム形成(hybrid BF)が考えられる。この場合、B個のTXRUとQ個のアンテナ要素の連結方式によって差はあるが、同時に伝送可能なビームの方向はB個以下に制限される。
【0046】
図7はTXRUとアンテナ要素の連結方式の一例を示す。
【0047】
図7の(a)はTXRUがサブアレイ(sub−array)に連結された方式を示す。この場合、アンテナ要素は1つのTXRUのみに連結される。一方、
図7の(b)はTXRUが全てのアンテナ要素に連結される方式を示す。この場合、アンテナ要素は全てのTXRUに連結される。
図7において、Wはアナログ位相シフター(analog phase shifter)により乗じられる位相ベクトルを示す。即ち、Wによってアナログビーム形成の方向が決定される。ここで、CSI−RSアンテナポートと複数のTXRUとのマッピングは1:1又は1:多である。
【0048】
より多い通信機器がより大きな通信容量を要求することにより、既存の無線接続技術(radio access technology、RAT)に比べて向上したモバイルブロードバンド通信の必要性が高まっている。また、多数の器機及びモノを連結していつでもどこでも多様なサービスを提供する大規模の(massive)MTCが次世代通信の主要争点の1つになっている。さらに信頼性及び遅延(latency)に敏感なサービス/UEを考慮した通信システムのデザインも考えられている。これらを考慮した次世代RATの導入が論議されており、本発明では便宜上、New RATと呼ぶ。
【0049】
TDDシステムにおいて、データ送信遅延を最小化するために、5世代NewRATでは
図8のようなセルフサブフレームの構造を考慮している。
図8はセルフサブフレームの構造の一例である。
【0050】
図8において斜線領域は下りリンク制御領域を示し、黒い部分は上りリンク制御領域を示す。表示のない領域は、下りリンクデータ送信又は上りリンクデータ送信のために使用されることができる。かかる構造の特徴は、1つのサブフレーム内で下りリンク送信と上りリンク送信が順に行われて、サブフレーム内で下りリンクデータを送り、上りリンクACK/NACKも受けることができる。結果として、データ送信のエラー発生時にデータの再送信までかかる時間を減らすことができ、これにより最終データの伝達遅延を最小化することができる。
【0051】
かかるセルフサブフレーム構造において、基地局とUEが送信モードから受信モードへの転換過程又は受信モードから送信モードへの転換過程のための時間ギャップ(time gap)が必要である。このために、セルフサブフレーム構造において、下りリンクから上りリンクに転換される時点の一部のOFDMシンボル(OFDMシンボル;OS)がGP(guard period)として設定される。
【0052】
NewRATに基づいて動作するシステムにおいて、構成/設定可能なセルフサブフレームのタイプの一例として、少なくとも以下の4つのサブフレームタイプが考えられる。
【0053】
−下りリンク制御区間+下りリンクデータ区間+GP+上りリンク制御区間
【0054】
−下りリンク制御区間+下りリンクデータ区間
【0055】
−下りリンク制御区間+GP+上りリンクデータ区間+上りリンク制御区間
【0056】
−下りリンク制御区間+GP+上りリンクデータ区間
【0057】
現在のLTEシステム及びLTE−Aシステムでは、CW(Codeword)単位でMCS(modulation and coding scheme)設定とHARQ処理が行われ、2レイヤ以上では2CWが送信される。従って、多重レイヤの各チャネル品質が異なる環境で2CWを活用して2つの独立したMCS設定が可能であり、2つの独立したACK/NACK処理及び再送信が可能である。勿論、2つのMCSフィールド及び2つのHARQフィールドによってDCIオーバーヘッドが増加する短所はあるが、リンクアダプテーション(Link adaptation)をより柔軟に運用することによりシステム送信率を最大化できるという長所がある。結果として、多重レイヤ、即ち、多重ランク送信において、各レイヤのチャネル品質が異なるほど多重CWを支援する必要性が大きくなり、逆にチャネル品質が類似するほど単一のCWを支援してDCIオーバーヘッドを減らす必要性が大きくなる。
【0058】
以下、次世代通信システムにおいて、コードワードとレイヤのマッピングとそれによるDCI構成について提案する。
【0060】
本発明の第1実施例では、下りリンク単一セル、下りリンクCoMP JT(Joint transmission)、上りリンクの3つの状況に区分して、多重ランク送信において各レイヤのチャネル品質がどのくらい異なるかを精密に分析し、各状況に合わせるCW数を提案する。
【0061】
まず、上りリンク環境では、送信端であるUEが双−指向性(bi−directional)の送信アンテナを使用する。即ち、単一のパネルアンテナであるが、パネル前面方向に向く、即ち、パネル前面方向に送信ビームが形成されるアンテナと、パネル後面方向に向くアンテナで構成されているので、前面アンテナと後面アンテナの間のチャネル品質が異なる可能性が高い。即ち、前面アンテナと後面アンテナで送信された信号が互いに異なる散乱体(scatterer)を介して基地局で受信され、結果的に互いに異なるフェージング(fading)チャネルを生成してチャネル品質が異なる。
【0062】
またUEの端末サイズ、価格及びパワーなどを考える時、2つの送信アンテナが双−指向性のアンテナで構成される可能性が高く、上述したように、2レイヤの送信時に各レイヤのチャネル品質が異なることになる。従って、上りリンクにおいて、1レイヤは1CWであるが、2レイヤからは2CWを用いてMCS設定及びHARQ処理をレイヤごとに個々に管理する動作が好ましい。
【0063】
反面、一般的に下りリンクでは基地局の送信アンテナがパネル全方向に配置されているので、多重レイヤの送信で多重レイヤの間のチャネル品質が大きく異なる可能性が低い。また、X−polアンテナ環境において、H−polとV−polが各々1レイヤが生成されて総2レイヤが生成され、各polの位置が同一であるので、チャネル品質が類似する可能性が高い。従って、下りリンクでは、1レイヤ及び2レイヤの送信時には1CWを送信するが、3レイヤ以上では2CWを送信することが好ましい。また4レイヤ以下では1CWを送信し、5レイヤ以上では2CWを送信するように設定して、リンクアダプテーションのオーバーヘッド及びHARQオーバーヘッドをより減少させることができる。
【0064】
下りリンクにおいてCoMP JTが行われる場合は、送信TP(又は基地局)が互いに異なる位置でデータを送信するので、各TPごとのチャネル品質が異なる可能性が高い。例えば、2TPの独立したレイヤJTを仮定、即ち、TPごとに互いに異なるレイヤを送信してTP1では1〜xレイヤを送信し、TP2ではx+1〜Nレイヤを送信すると仮定すると、2CWを使用することが好ましい。即ち、TP1及びTP2が各々互いに異なるCWを送信し、CWごとにリンクアダプテーション及びHARQを動作させる。この観点からして、独立したレイヤJTの送信時に2レイヤ以上で2CWを使用することが好ましい。
【0065】
また、送信TPがX−polアンテナを用いる場合は、各TPごとpolごとに1レイヤが生成される状況を考えることができる。この時、TP1のH−pol及びV−polに該当する2レイヤはチャネル品質が類似し、TP2のH−pol及びV−polに該当する2レイヤはチャネル品質が類似するので、独立したレイヤJTの送信時に3レイヤ以上で2CWを使用し、残りは1CWを使用することが好ましい。また4レイヤ以下では1CWを送信し、5レイヤ以上では2CWを送信するように設定して、リンクアダプテーションのオーバーヘッド及びHARQオーバーヘッドをより減少させることができる。
【0066】
以上では、下りリンクの状況をCoMPとnon−CoMPに区分して互いに異なるCWとレイヤのマッピング及びCW数を定義することを提案した。しかし、具現の複雑度及びシステム運用上の複雑度を考えると、下りリンクにおいてCoMPとnon−CoMPの区分無しに共通したCWとレイヤのマッピング及びCW数を用いることが好ましい。この場合にも、上りリンクは2レイヤ以上で2CWを使用し、下りリンクは3レイヤ以上、4レイヤ以上又は5レイヤ以上でのみ2CWを使用する。即ち、2CW使用が開始されるレイヤ数を上りリンクと下りリンクを各々異なるように構成することが好ましい。
【0067】
さらに、上述したCW数のレイヤ数との関係は初期送信に関し、NACK発生後の再送信時には1レイヤ乃至4レイヤのうちのいずれでも1CWが送信されることができる。
【0069】
1CWと2CWのレイヤ分岐点(即ち、xレイヤ以上から2CWが開始される時、x値)によってDCIのMCS及びHARQ関連フィールド(RV、NDI)のオーバーヘッドが減少/増加するようにDCIオーバーヘッドサイズを可変して制御チャネルオーバーヘッドを最適化することができる。このために、UEは上りリンク/下りリンクの各々に対して端末がどのレイヤまでSU MIMOを支援できるかというMIMO性能又は端末の送信/受信アンテナ数(又はTXRU数又はアンテナ数又はアンテナポート数)を基地局にUE性能として報告し、基地局はこれを参照して端末の上りリンク/下りリンクデータの最大送信/受信レイヤがレイヤ分岐点まで到達するか否かを判断する。
【0070】
例えば、レイヤ分岐点が4であり、MIMO性能が2であると、そのUEは常に1CWのみを使用する。又はレイヤ分岐点が2であり、送信アンテナ数が2であり、2CWを使用する。又は上りリンクでは送信アンテナ数と上りリンクMIMO性能の最小値とレイヤ分岐点を比較して決定し、下りリンクでは受信アンテナ数と下りリンクMIMO性能の最小値とレイヤ分岐点を比較して決定する。送受信アンテナ数は基地局が設定したSRSポート数又はCSI−RSポート数である。
【0071】
もしレイヤ分岐点まで到達できない場合は、UEには1CWのみを使用すればよいので、DCIに1CWに該当するMCS及びHARQフィールドを設定してコンパクトしたDCIを送信する。反面、レイヤ分岐点まで到達した場合は、そのUEは2CWを使用できるので、DCIに2CWに該当するMCS及びHARQフィールドを設定してDCIを送信する。UEは基地局からDCIのペイロードサイズ及び1CWに該当するMCS及びHARQフィールドが設定されたか否か、或いは2CWに該当するMCS及びHARQフィールドが設定されたか否かが指示され、該当ペイロードサイズでDCIをブラインド検出(BD;blind detection)する。
【0072】
上述したように、UEがCSI−RSポート数(上りリンクである場合、SRSポート数)とUEのMIMO性能の最小値とレイヤ分岐点を比較してDCI内にフィールドサイズを決定する時、搬送波の集成技法(Carrier Aggregation;CA)を考慮すると、以下のような問題が発生することができる。
【0073】
CAにおいて、UEはバンド結合(band combination)のバンド当たりのバンド幅、即ち、per bandwidth per band per band combination単位でMIMO性能(即ち、最大の下りリンク受信可能な(又は上りリンク送信可能な)レイヤ数)を報告する。もしバンド結合を構成するバンドが同じバンドである場合、同じバンドに対して多数のMIMO性能が報告されることができ、この場合、多数のMIMO性能のうち、最大値でMIMO性能を仮定し、CSI−RSポート数(上りリンクである場合、SRSポート数)とUEのMIMO性能の最小値を決定する。即ち、UEはレイヤ分岐点、設定されたCSI−RSの最小アンテナポート数及びバンド結合を構成する同じバンドのためのMIMO性能の最大値を比較してDCIサイズを決定する。
【0074】
また多数のCSI−RSリソースが設定された場合、各CSI−RSリソースのポート数は互いに異なる(勿論、上りリンクである場合、SRSリソースが複数設定されることができ、この場合、CSI−RSの代わりにSRSを基準として本発明が適用される)。この場合、CSI−RSリソースの最大のポート数を基準として本発明が適用される。具体的には、多数のMIMO性能のうち、最大値でMIMO性能を仮定し、多数のCSI−RSリソースのうち、最大のポート数でCSI−RSポート数を仮定した後、MIMO性能とCSI−RSポート数の最小値を求める。この値がレイヤ分岐点以上である場合は、2CWに対するDCIフィールドが設定され、そうではない場合には、1CWに対するDCIフィールドが設定される。
【0075】
上りリンクと下りリンクの間に相互関係(reciprocity)が成立するTDDシステムにおいて、UEはPMIを報告せずRIとCQIのみを報告する。この場合にも、独立的なCSI報告プロセスである報告設定で報告可能な最大のRI値を基準として本発明を適用できる。
【0076】
また、下りリンクDCIに含まれたMCSフィールド数の場合、UEはMIMO性能とCSI−RSのポート数に基づいて、更なるシグナリング無しにそれを決定できる。特に、MIMO性能の最小値とCSI−RSのポート数が5未満である場合、UEは下りリンクDCIに単一のMCSフィールドが存在すると仮定する。次世代通信システムにおいて、CSI−RSはCSI測定以外にビーム管理などの目的にも使用できるので、上記CSIポート数はCSI測定用途のCSI−RSに限定される必要がある。また、CSI−RSが複数個設定された場合には、最大のポート数を基準としてMCSフィールド数が決められることが好ましい。かかる提案はMCSフィールド数を決定する用途以外に1CWに対するDCIフィールド(即ち、RV、NDI、MCSなど)がDCI定義されたか、2CWに対するDCIフィールドがDCI定義されたかをUEが判別する用途に使用される。さらに、UEが1CWに対するCSIを報告するか、2CWに対するCSIを報告するか、(即ち、CSIペイロードサイズ)を決定する用途にも使用される。
【0077】
下りリンクDCIにおいて、1CWに対するDCIフィールド(RV、NDI、MCSなど)がDCI定義されたか、2CWに対するDCIフィールドがDCI定義されたかを基地局がUEに知らせる方式の1つとして、CBSR(Codebook subset restriction)シグナリングを用いることができる。ここで、CBSRは、全体PMIのうち、UEが報告できるPMIのランク及びインデックスをサブセットに制限することを意味する。NR(new RAT)システムにおいて、個別の報告設定ごとにCBSRが設定されることができ、その結果、UEに複数のCBSRが1回に設定されることができる。例えば、CBSR1はランク1〜4までと制限され、CBSR2はランク1〜2に制限されることができる。この場合、UEに設定された各CBSRのランク値のうち、最大値を基準として1CWに対するDCIフィールド(RV、NDI、MCSなど)がDCI定義されたか、2CWに対するDCIフィールドがDCI定義されたかを知らせることができる。上記例では、最大ランクは4であり、ランク4以下では単一のCWのみが支援されると仮定すると、1CWに対するDCIフィールド(RV、NDI、MCSなど)がDCIに定義される。報告設定は大きくビーム管理用の報告設定とCSI獲得用の報告設定が存在するので、CSI獲得用の報告設定に設定されたCBSRのみを対象として上記提案が動作する。これはビーム管理用の報告設定はMCS設定及びランク設定とは関係ないためである。
【0078】
またUEに複数の報告設定が設定された場合、DCIを受けるNスロット前の時点(例えば、N=1である場合、1スロット前の時点)に1回でもCSIが報告された報告設定のCBSRのみを対象として提案が動作する。具体的には、報告設定1及び報告設定2が存在し、DCIを受けるNスロット前の時点にただ報告設定1のみがCSI報告された場合は、報告設定1に該当するCBSRのみを対象として上記提案が動作する。
【0080】
上述した第2実施例のように、UEのMIMO性能又は送受信アンテナ数によって最大レイヤ数(z)が限定される。この時、z値がy以上であるか否かによって異なるCW数及び異なるCWとレイヤのマッピングをデザインすることができる。
【0081】
例えば、z<yである場合、常に1CWの送信と限定し、そうではない場合は、レイヤ分岐点xによって1CWと2CWを全て支援するデザインが可能である。これにより、最大の送受信レイヤ数が小さい低複雑度の端末/基地局である場合、1CWのみを支援すればよいので、CW数の増加による追加複雑度が発生せず、単純な端末設計が可能である。またDCIペイロードを減らすことにより制御チャネルのオーバーヘッドを最小化できる長所がある。
【0082】
反面、最大の送受信レイヤ数がy以上である高複雑度の端末/基地局である場合は、送信レイヤとレイヤ分岐点xによって1CWと2CWを支援するデザインが可能である。その結果、DCIペイロードは増加するが、精巧なリンクアダプテーションによる追加利得を期待することができる。
【0083】
第3実施例による具体的な具現例は以下の通りである。
【0084】
−最大ランクが5未満である場合、1レイヤ乃至4レイヤ送信のために1CWのみを支援
【0085】
−最大ランクが5以上でありかつ分岐点xが3である場合、1レイヤ及び2レイヤ送信のために1CWを支援し、3レイヤ乃至8レイヤ送信のために2CWを支援
【0087】
現在のLTEシステムによれば、以下の表1のように、1CWの送信時にTB1又はTB2が選択的にマッピングされて送信されることができる。
【0089】
次世代通信システムであるNRでも、このように1CWの送信時にTB1又はTB2が自由にマッピングされる場合、以下のような点を考える必要がある。
【0090】
初期送信時に1CW送信が行われたが、ランクがレイヤ分岐点x以上に変更されることにより2CWに変更される場合は、初期送信と再送信のレイヤ差が大きく発生する。上述したように、レイヤ差は最小化することが望ましいので、2CWのTBマッピングが様々に支援される必要がある。例えば、ランク4で行われた1CWの初期送信でTB1が送信され、NACKが発生してランク5で2CWの再送信が行われる場合、ランク5のCWとレイヤのマッピングがCW1は2レイヤ、CW2は3レイヤに固定されていると、再送信はCW2によって3レイヤに送信されることが好ましい。このために、基地局は2CWである時、TBとCWマッピングがスワッピング(swapping)されたことを指示する必要がある。
【0091】
反面、CW1=TB1、CW2=TB2と固定されていると、再送信レイヤ数が2レイヤに固定されて初期送信レイヤ数との差が大きくなる。TBとCWマッピングがスワッピングされたことは、DCI内に単独フィールドにより定義されるか、又は他のフィールドを介して暗黙的又は間接的に指示されることができる。
【0092】
上記目的のために、TBとCWの間のマッピングを導入する代わりに、単一のCWである場合に限って、初期送信時のCW1に送信されるTBを固定することを提案する。
【0093】
即ち、1)単一のCWのみを初期送信する場合、CW1をTB2に固定して送信する。
【0094】
反面、2)2CW送信が許容されるレイヤ分岐点x以上において、CW2レイヤのマッピングを設計する時、常にCW2にマッピングされるレイヤ数がCW1にマッピングされるレイヤ数以上を満たすように設計し、TB1はCW1に、TB2はCW2に固定する。
【0095】
この方式によれば、ランク4で1CWを初期送信したが、ランク5で2CWの再送信が行われる時、再送信されるデータはランク2の送信ではなく、ランク3の送信になる。
【0096】
かかる動作は、初期送信が1CWであったが、再送信が2CWになる場合に有効であるので、上記動作1)の条件に、さらに単一のCWがx−1レイヤに送信される場合と限定して動作させることが好ましい。
【0098】
一方、初期送信時に1CWと2CWのレイヤ分岐点(即ち、xレイヤ以上から2CWが開始される時、x値)が2ではないシステムで再送信が発生する場合、即ち、初期送信時に2CWを送信し、再送信時に1CWを送信する場合は、以下のような問題がある。
【0100】
基地局が初期送信時に2CWを送信したが、その後、チャネルのランクが変化して、即ち、CSIフィードバックされたRI値が変化して、再送信時に1CWを送信する場合があり得る。この場合、2CWが全て初期送信時にNACKが発生すると、再送信の遅延が増加する問題がある。即ち、2CWが全てNACKが発生したが、1CWの送信のみが可能であるので、2つのCWを一緒に再送信できず、1CWずつ交互に送信しなければならない。これにより、再送信の遅延が増加する問題がある。
【0101】
かかる問題を解決するために、2CWの初期送信において、2つのCWに全てNACKが発生した場合に限って、レイヤ分岐点未満のレイヤでも2CWの送信を許容することを提案する。例えば、レイヤ分岐点x(例えば、x=5)である時、初期xレイヤ以上の2CW送信で[NACK、NACK]が発生し、ランクがx未満に減少した場合は、1CWの再送信ではなく2CWの再送信を行う。一般的にはランクが急に変化する可能性は低いので、ランクがx未満に減少した場合、2CWの再送信を許容する代わりに、ランクがx−1に減少した場合に限って2CWの再送信を許容することによりシステム複雑度を減らすことができる。
【0102】
UEはレイヤ分岐点以下のランクで再送信が行われるか又は初期送信が行われるかを分からないので、各々の場合を仮定したCSIをフィードバックする必要がある。UEはCSIと共に該当CSIが再送信を仮定しているか又は初期送信を仮定しているかに関する情報をフィードバックする必要がある。また基地局がUEに再送信又は初期送信を仮定し、CSIを計算することを指示することもできる。例えば、ランク4の1CWに対応するCSI及びランク4の2CWに対応するCSIを送信することを指示することができる。特に、ランク4の2CWに対応するCSIは、再送信を仮定したCSIであることを意味する。
【0103】
問題点2−再送信レイヤ数の変動による非効率性
【0104】
問題点2は、以下のように再送信時にレイヤ数がレイヤ分岐点x未満に減少する場合と、分岐点x以上に増加する場合とに分けて考える必要がある。
【0105】
まず再送信時にレイヤ数がレイヤ分岐点x未満に減少する場合について説明する。
【0106】
レイヤ分岐点x(例えば、x=5)である時、初期xレイヤ以上の2CW送信において、いずれか1つのCWにでもNACKが発生し、再送信前にx未満のレイヤにランクが変更された場合は、NACKが発生したCWの初期送信レイヤ数とそのCWの再送信レイヤ数が異なることができる。例えば、初期送信時にランク5で送信された2つのCWが各々2レイヤ及び3レイヤに送信され、3レイヤに送信されたCWに対してNACKが発生した場合を仮定する。この時、ランクが4に減少すると、3レイヤに初期送信されたデータが4レイヤに再送信されることであるので、レイヤ数が変化する。このようにレイヤ数が変化することによりチャネルコーディングの冗長性(redundancy)情報を必要以上多く送信することになり、結果的にリソースの効率が落ちる。
【0107】
従って、再送信時に初期送信と同じ数のレイヤで送信できるようにCWとレイヤの間のマッピングを設計することが好ましい。以下の表2はかかるマッピング方式の一例を示す。
【0109】
これを一般化すると、レイヤ分岐点xで各CWのレイヤ数がa、b(但し、a+b=x)である時、x−1レイヤによる再送信でも2つのCWのうちの一方に対してaレイヤ又はbレイヤの送信を許容することが好ましい。例えば、a=2、a=3である時、2CWの4レイヤ再送信を許容し、この時、各CWのレイヤ数は表2のように(2,2)又は(3,1)に設定される。
【0110】
次に、再送信時にレイヤ数がレイヤ分岐点x以上に増加する場合について説明する。具体的には、レイヤ分岐点x(例えば、x=5)未満のレイヤにより1CWの初期送信後にNACKが発生し、チャネルランクが変化してxレイヤ以上の再送信が行われる場合も発生することができる。
【0111】
例えば、初期送信時にランク4で1CWが送信され、送信されたCWに対してNACKが発生したと仮定する。この時、ランクが5に増加すると、4レイヤに初期送信されたデータが2レイヤ又は3レイヤに再送信されることであるので、レイヤ数が変化する。これを解決するために、ランク5で再送信する時に2つのCWが1レイヤ及び4レイヤに分けられて送信されることが好ましい。レイヤ分岐点が4である場合にも、同様にランク4で再送信する時に2つのCWが1レイヤ、3レイヤに分けられて送信されることが好ましい。以下の表3はかかるマッピング方式の一例を示す。
【0113】
これを一般化すると、レイヤ分岐点xで各CWのレイヤ数がa、b(但し、a+b=x)である時、xレイヤによる再送信時にa=x−1、b=1である再送信を許容することが好ましい。例えば、初期送信において、x=5、a=2、a=3であっても、再送信時にはレイヤ数がa=x−1、b=1である送信を許容する必要がある。特に、この提案は初期送信がx−1レイヤにより行われ、再送信が発生した場合に限定して適用することが好ましい。
【0114】
上記提案において、同じランクであっても初期送信であるか或いは再送信であるかによってCW数が変わり、或いは同じランクの同じ数のCWであっても初期送信であるか或いは再送信であるかによってCWとレイヤのマッピングが変更される。従って、UEはかかる様々な仮定に対して各々CSIを計算して報告することが好ましい。CSI計算に使用される仮定はUEが決定してCSIと共に報告されるか、又は基地局がCSIごとに仮定を指示する。
【0115】
上述した本発明の第5実施例は、上りリンクCW数及び上りリンクCWとレイヤのマッピング又は下りリンクCW数及び上りリンクCWとレイヤのマッピングにも拡張適用できる。
【0117】
最近NRのような次世代通信システムの標準化論議によれば、基地局がUEにDCI内にMCS、RV、NDIフィールド数が1つであるか又は2つであるかをRRCシグナリングにより予め設定することができる。また基地局がUEに1つのCSI報告に対してUEが報告するCQI最大数をRRCシグナリングにより予め設定することができる。但し、CQIはCWごとに報告されることにより、1CWである場合は、1CQIを報告し、2CWである場合には、2CQIを報告する。
【0118】
DCI内にMCS、RV、NDIフィールド数が各々1つに設定されたが、DCIに指示されたランクが5以上である場合は、UE動作が曖昧になることができる。これは、ランク5以上では2CWであり、ランク4以下である場合は、1CWに定められるためである。参考として、ランクは、下りリンクでは自分のデータが送信されるDM−RSポート数と指示されることができ、上りリンクでもDM−RSポート数により指示されるか、又はTRI或いはSRI(SRS resource indicator)数により指示されることができる。これを解決するために、UEはMCS、RV、NDIフィールド数が1つに設定された場合、DM−RSポート数(上りリンクの場合は、TRI又はSRIの数で表現されたランク)が5以上であることを期待しないと定義することが好ましい。参考として、NR ReL−15において、上りリンク非コードブック基盤の送信(non−codebook based transmission)のために、基地局はSRIを1つ又は複数のUEに指示することができ、この時、指示されたSRI数はランクを意味する。
【0119】
また、MCS、RV、NDIフィールド数が1つに設定された時、DM−RSポート数(上りリンクの場合、TRI又はSRIの数で表現されたランク)が5以上に設定された場合は、1つのMCS、RV、NDIフィールドに指示された値をCW1とCW2に共通に適用することも考えられる。もしNRのDM−RSパラメータを定義するテーブルが、既存のLTEのDM−RSのように、単一のCWである場合と複数のCWである場合の2つに分けて定義されると、MCS、RV、NDIフィールド数が1つに設定された場合、UEは基地局が指示したDM−RSフィールドを単一のCWに対するDM−RSテーブルに基づいて解釈する。MCS、RV、NDIフィールド数が2つに設定された場合は、さらに基地局が指示したCW数によってDM−RSフィールドを解釈する。
【0120】
CQI最大数が1つに設定されたが、CSR(codebook subset restriction)によって報告可能なランクとしてランク5以上が可能であるように設定された場合は、ランク5以上では2CQIが送信されるので、UE動作が曖昧になる。従って、CQI最大数が1に設定された場合、UEはCSRにより報告可能なランクとして5以上が設定されないように期待する。逆に、CSRにより報告可能なランクとして5以上が設定された場合には、CQI最大数が1に設定されることを期待しない。又はUEはCQI最大数に対するシグナリングを無視してCSRによってCQIを報告するか、又はランク5以上に対するCSRは無視して(但し、ランク4以下に対するCSRは有効である)CQI最大数によってCQIを報告する。
【0121】
DCI内にMCS、RV、NDIフィールドの数が1つと設定されたが、CQI最大数が2と設定される場合、UE動作が曖昧になることができる。従って、UEはMCS、RV、NDIフィールド数が1つである場合、CQI最大数を2に設定することを期待しない。またUEはMCS、RV、NDIフィールド数が2つである場合、CQI最大数を1に設定することを期待しない。
【0122】
図9は本発明の実施例によって少なくとも1つのコードワードを含む下りリンク信号を受信する方法を例示するフローチャートである。
【0123】
図9を参照すると、段階901で端末は新規送信としてCW1及びCW2を受信する。特に、多重コードワード送信のための最小ランク値に対応する数のレイヤによりCW1及びCW2を受信する。より具体的には、CW1がaレイヤにより受信され、CW2がbレイヤにより受信され、(a+b)は多重コードワード送信のための最小ランク値である。即ち、上述したレイヤ分岐値を称する。
【0124】
次に、段階903で端末は基地局に第1コードワード及び第2コードワードのうちの1つに対する否定応答を送信する。好ましくは、本発明では段階901の後、ランクが減少した場合を仮定する。
【0125】
かかる場合、端末は段階905のように減少したランクをフィードバックすることが好ましい。その後、端末は段階907で否定応答に対応して再送信されたコードワード及び新規送信された第3コードワードを受信する。特に、本発明によれば、再送信されたコードワード及び新規送信された第3コードワードは多重コードワード送信のための最小ランク値より小さい特定数、即ち、(a+b−1)のレイヤにより受信され、再送信されたコードワードが受信されるレイヤ数は新規送信時と同一であることを特徴とする。
【0126】
より好ましいは、多重コードワード送信のための最小ランク値は5であり、特定数は4である。具体的には、第1個数は2であり、第2個数は3である。この場合、再送信されたコードワードが第1コードワードであると、第3コードワードは2つのレイヤにより受信され、再送信されたコードワードが第2コードワードであると、第3コードワードは1つのレイヤにより受信されることを特徴とする。
【0127】
一方、基地局にフィードバックされるランク情報は、単一のコードワード送信を仮定したチャネル状態情報及び多重コードワード送信を仮定したチャネル状態情報を含むことを特徴とする。
【0128】
図10は、本発明の一実施例による通信装置のブロック構成図を例示する。
【0129】
図10を参照すると、通信装置1000は、プロセッサ1010、メモリ1020、RFモジュール1030、ディスプレイモジュール1040、及びユーザインターフェースモジュール1050を含む。
【0130】
通信装置1000は説明の便宜のためのものであり、一部のモジュールは省略されてもよい。また通信装置1000は必要なモジュールをさらに備えてもよい。通信装置1000において一部のモジュールはより細分化したモジュールに区分されてもよい。プロセッサ1010は、図面を参照して例示した本発明の実施例による動作を実行するように構成される。具体的には、プロセッサ1010の詳細な動作は、
図1乃至
図9に記載された内容を参照できる。
【0131】
メモリ1020は、プロセッサ1010に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1030は、プロセッサ1010に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール1030は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップ変換又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1040は、プロセッサ1010に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1040は、特に制限されないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を使用できる。ユーザインターフェースモジュール1050は、プロセッサ1010に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成可能である。
【0132】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0133】
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper ode)によって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
【0134】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現できる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0135】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、上述した機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0136】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。