(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844041
(24)【登録日】2021年2月26日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20210308BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20210308BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 611E
G09G3/20 612U
G09G3/20 621B
G09G3/20 621E
G09G3/20 623V
G09G3/20 624D
G09G3/20 642A
G02F1/133 550
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-570433(P2019-570433)
(86)(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公表番号】特表2020-524306(P2020-524306A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】CN2017094549
(87)【国際公開番号】WO2018232830
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2019年12月19日
(31)【優先権主張番号】201710481709.1
(32)【優先日】2017年6月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曹 丹
【審査官】
塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−107555(JP,A)
【文献】
特開2008−216834(JP,A)
【文献】
特開2010−048989(JP,A)
【文献】
特開2000−221475(JP,A)
【文献】
特開2001−318391(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0104525(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示回路に用いられる共通電圧発生回路であって、前記液晶表示回路は、データ駆動チップと、行駆動チップと、アレイ薄膜トランジスタと、前記アレイ薄膜トランジスタに対応したアレイ液晶ユニットとを含み、前記行駆動チップは、走査線を介して前記アレイ薄膜トランジスタを1行ずつオンするのに用いられ、前記データ駆動チップは、1行のTFTの起動時に、データ線を介して前記1行のTFTに対応した1行の液晶ユニットを充電するのに用いられ、前記アレイ薄膜トランジスタはP列の薄膜トランジスタを含み、
前記共通電圧発生回路はM個の共通電圧発生サブ回路を含み、第1共通電圧発生サブ回路のN個の入力端子は前記データ駆動チップから出力された隣接するN本のデータ線にそれぞれ接続されており、前記第1共通電圧発生サブ回路の出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されており、Mは正の整数であり、Nは偶数であり、且つ、MはPより小さく、NはPより小さく、前記第1共通電圧発生サブ回路は前記M個の共通電圧発生サブ回路の内のいずれか1つであり、
前記第1共通電圧発生サブ回路は、隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記N本のデータ線の保持電圧の平均値を取得し、且つ、前記平均値を前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に出力するのに用いられることを特徴とする共通電圧発生回路。
【請求項2】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、前記N個のスイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は、前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の共通電圧発生回路。
【請求項3】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、第1スイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記第1スイッチ管は前記N個のスイッチ管の内の1つであり、前記第1スイッチ管のソース電極は前記N個のスイッチ管の内の前記第1スイッチ管を除くその他のスイッチ管のドレイン電極に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の共通電圧発生回路。
【請求項4】
隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記データ駆動チップの制御端子から有効な制御信号が出力されることで、前記N個のスイッチ管がオンするように制御されることを特徴とする請求項2に記載の共通電圧発生回路。
【請求項5】
隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記データ駆動チップの制御端子から有効な制御信号が出力されることで、前記N個のスイッチ管がオンするように制御されることを特徴とする請求項3に記載の共通電圧発生回路。
【請求項6】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項1に記載の共通電圧発生回路。
【請求項7】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項2に記載の共通電圧発生回路。
【請求項8】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項3に記載の共通電圧発生回路。
【請求項9】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項4に記載の共通電圧発生回路。
【請求項10】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項5に記載の共通電圧発生回路。
【請求項11】
前記スイッチ管は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の共通電圧発生回路。
【請求項12】
前記液晶表示回路は列反転表示回路であり、前記アレイ薄膜トランジスタ中の任意の隣接する2列の薄膜トランジスタに対応した液晶ユニットの電圧極性は逆であることを特徴とする請求項1に記載の共通電圧発生回路。
【請求項13】
前記液晶表示回路は列反転表示回路であり、前記アレイ薄膜トランジスタ中の任意の隣接する2列の薄膜トランジスタに対応した液晶ユニットの電圧極性は逆であることを特徴とする請求項2に記載の共通電圧発生回路。
【請求項14】
前記液晶表示回路は列反転表示回路であり、前記アレイ薄膜トランジスタ中の任意の隣接する2列の薄膜トランジスタに対応した液晶ユニットの電圧極性は逆であることを特徴とする請求項3に記載の共通電圧発生回路。
【請求項15】
液晶ディスプレイであって、前記液晶ディスプレイは、データ駆動チップと、行駆動チップと、アレイ薄膜トランジスタと、前記アレイ薄膜トランジスタに対応したアレイ液晶ユニットとを含み、前記行駆動チップは、走査線を介して前記アレイ薄膜トランジスタを1行ずつオンするのに用いられ、前記データ駆動チップは、1行のTFTの起動時に、データ線を介して前記1行のTFTに対応した1行の液晶ユニットを充電するのに用いられ、前記アレイ薄膜トランジスタはP列の薄膜トランジスタを含み、
前記液晶ディスプレイはさらに共通電圧発生回路を含み、前記共通電圧発生回路はM個の共通電圧発生サブ回路を含み、第1共通電圧発生サブ回路のN個の入力端子は前記データ駆動チップから出力された隣接するN本のデータ線にそれぞれ接続されており、前記第1共通電圧発生サブ回路の出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されており、Mは正の整数であり、Nは偶数であり、且つ、MはPより小さく、NはPより小さく、前記第1共通電圧発生サブ回路は前記M個の共通電圧発生サブ回路の内のいずれか1つであり、
前記第1共通電圧発生サブ回路は、隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記N本のデータ線の保持電圧の平均値を取得し、且つ、前記平均値を前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に出力するのに用いられることを特徴とする液晶ディスプレイ。
【請求項16】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、前記N個のスイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は、前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項17】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、第1スイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記第1スイッチ管は前記N個のスイッチ管の内の1つであり、前記第1スイッチ管のソース電極は前記N個のスイッチ管の内の前記第1スイッチ管を除くその他のスイッチ管のドレイン電極に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項18】
隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記データ駆動チップの制御端子から有効な制御信号が出力されることで、前記N個のスイッチ管がオンするように制御されることを特徴とする請求項17に記載の液晶ディスプレイ。
【請求項19】
前記Nは2に等しいことを特徴とする請求項15に記載の液晶ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2017年06月22日に提出された、発明の名称を「共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイ」とする、出願番号201710481709.1に係る先の出願に基づく優先権を主張する。前記先の出願の内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は液晶ディスプレイ技術の分野に関するものであり、特に共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイに関するものである。
【背景技術】
【0003】
液晶分子は長時間、或る1つの固定電圧下にあることは不可能なので、現在の液晶表示モジュールはいずれも交流駆動の方法を採用しており、即ち、正極性電圧と負極性電圧が液晶ユニットに対して順番に充電を行なうものである。液晶パネルの製造工程に起因して、正極性電圧と負極性電圧は非対称が生じやすく、その際、ディスプレイスクリーンに点滅が現れて見える。
【0004】
ディスプレイスクリーンの点滅を低減させるために、共通電圧を導入すると、正極性電圧と共通電圧との差は共通電圧と負極性電圧との差に等しくなり、スクリーンの点滅を低減させることができる。しかしながら、ディスプレイスクリーンの異なる領域での点滅の程度が異なる一方で、共通電圧は1つしか存在しないため、一部の領域のフリッカー値が比較的低くなることしか保証できず、スクリーン全体のフリッカー値が比較的低くなることを保証できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイを提供するものである。本発明により、液晶ディスプレイ全体の点滅の程度を低減させ、表示効果を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その第1案において、共通電圧発生回路を提供し、前記共通電圧発生回路は液晶表示回路に用いられるものである。前記液晶表示回路は、データ駆動チップと、行駆動チップと、アレイ薄膜トランジスタ(TFT)と、前記アレイTFTに対応したアレイ液晶ユニットとを含み、前記行駆動チップは、走査線を介して前記アレイTFTを1行ずつオンするのに用いられ、前記データ駆動チップは、1行のTFTの起動時に、データ線を介して前記1行のTFTに対応した1行の液晶ユニットを充電するのに用いられ、前記アレイTFTはP列のTFTを含み、
前記共通電圧発生回路はM個の共通電圧発生サブ回路を含み、第1共通電圧発生サブ回路のN個の入力端子は前記データ駆動チップから出力された隣接するN本のデータ線にそれぞれ接続されており、前記第1共通電圧発生サブ回路の出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されており、Mは正の整数であり、Nは偶数であり、且つ、MはPより小さく、NはPより小さく、前記第1共通電圧発生サブ回路は前記M個の共通電圧発生サブ回路の内のいずれか1つであり、
前記第1共通電圧発生サブ回路は、隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記N本のデータ線の保持電圧の平均値を取得し、且つ、前記平均値を前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に出力するのに用いられる。
【0007】
ここで、前記第1共通電圧発生サブ回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、前記N個のスイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は、前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されている。
【0008】
ここで、前記共通電圧発生回路は、電圧フォロアと、N個のスイッチ管とを含み、前記N個のスイッチ管のゲート電極は前記データ駆動チップの制御端子に接続されており、前記N個のスイッチ管のソース電極はそれぞれ前記N本のデータ線に接続されており、第1スイッチ管のドレイン電極は前記電圧フォロアの非反転入力端子に接続されており、前記第1スイッチ管は前記N個のスイッチ管の内の1つであり、前記第1スイッチ管のソース電極は前記N個のスイッチ管の内の前記第1スイッチ管を除くその他のスイッチ管のドレイン電極に接続されており、前記電圧フォロアの反転入力端子は前記電圧フォロアの出力端子に接続されており、前記電圧フォロアの出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されている。
【0009】
ここで、隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記データ駆動チップの制御端子から有効な制御信号が出力されることで、前記N個のスイッチ管がオンするように制御される。
【0010】
ここで、前記Nは2に等しい。
【0011】
ここで、前記スイッチ管は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタである。
【0012】
ここで、前記液晶表示回路は列反転表示回路であり、前記アレイTFT中の任意の隣接する2列のTFTに対応した液晶ユニットの電圧極性は逆である。
【0013】
本発明は、その実施形態の第2案において、前記共通電圧発生回路を含む液晶ディスプレイを提供している。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態における共通電圧発生回路は、液晶表示回路に用いられるものである。前記液晶表示回路は、データ駆動チップと、行駆動チップと、アレイ薄膜トランジスタ(TFT)と、前記アレイTFTに対応したアレイ液晶ユニットとを含み、前記行駆動チップは、走査線を介して前記アレイTFTを1行ずつオンするのに用いられ、前記データ駆動チップは、1行のTFTの起動時に、データ線を介して前記1行のTFTに対応した1行の液晶ユニットを充電するのに用いられる。前記共通電圧発生回路はM個の共通電圧発生サブ回路を含み、第1共通電圧発生サブ回路(M個の共通電圧発生サブ回路中のいずれか1つ)のN個の入力端子は前記データ駆動チップから出力された隣接するN本のデータ線にそれぞれ接続されており、前記第1共通電圧発生サブ回路の出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されており、Nは偶数である。前記第1共通電圧発生サブ回路は、隣接する2つのフレームの画面表示の空隙時間において、前記N本のデータ線の保持電圧の平均値を取得し、且つ、前記平均値を前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に出力するのに用いられる。本発明の実施形態における共通電圧発生回路は、各2フレームの画面表示の空隙時間に、N本のデータ線に対応した液晶表示ユニットの共通電圧を調整することができ、各フレームの画面のいずれもが共通電圧に対して校正を行なうことで、当該N本のデータ線に対応した液晶表示ユニットと対応する表示領域の点滅を低減させ、液晶ディスプレイ全体のフリッカー値を低減させ、表示効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態又は従来技術中の技術案をより明確に説明するために、以下において、実施形態又は従来技術中の技術案を記述する際に用いる必要な図面について、簡単な紹介を行なう。以下に記述する図面は明らかに、本発明の一部の実施形態を示すものにすぎない。本分野の通常の技術者にとっては、如何なる創造的労力も費やさないことを前提として、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の実施形態で開示する共通電圧発生回路の構造概略図である。
【
図2】本発明の実施形態で開示する共通電圧発生回路の具体的な構造概略図である。
【
図3】本発明の実施形態で開示する他の共通電圧発生回路の具体的な構造概略図である。
【
図4】本発明の実施形態で開示する液晶表示ユニットアレイの電圧極性の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る図面と合わせて、本発明の実施形態における技術案に対する明瞭で且つ完全な記述を行なう。明らかに、記述されている実施形態は、本発明の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、本分野の通常の技術者が如何なる創造的労力も費やすことなく得られた他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0017】
また、以下の各実施形態の説明は添付の図面を参照しており、本発明で実施することのできる特定の実施形態を例示的に示すものである。本発明で言及されている方向を示す用語として、例えば、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」及び「側面」等があるが、これらは単に添付の図面中の方向を参照するためのものである。このため、用いられている方向を示す用語はより良く、より明確に本発明を説明し、及び理解するための用語であり,これら用語は、所定の装置又は部品が特定の方向性を有し、特定の方向において構築及び操作されるべきことを示すもの又は暗示するものではない。従って、これら用語は、本発明を限定するものであると理解してはならない。
【0018】
本発明の記載における説明すべき事項として、明らかな規定又は限定がある場合を除き、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続又は一体型接続である場合と;機械的接続である場合と;直接連結、中間の媒介物を介した連結、二つの部品の内部での連通である場合とが考えられる。本分野における通常の技術者は、具体的な状況に基づいて、本発明におけるこれら用語の具体的な意義を理解されたい。
【0019】
また、本発明の記載において、特に断りのない限り、「複数」が意味するところは、二つ又は二つ以上である。用語「工程」には、独立の工程のみならず、その他の工程と明確に区別することができない場合は、前記工程がその期待されている機能を実現できる限りにおいて,当該用語に含まれる。また、本明細書で「〜」と表示した数値範囲は、「〜」の前後に記載した数値をそれぞれ最小値及び最大値とし、範囲内に含まれるものとする。
【0020】
図中、構造が類似する又は同一であるユニットには同一の符号が付されている。
【0021】
本発明の実施形態は、共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイを提供する。これらは液晶ディスプレイ全体のフリッカー値を低減させ、表示効果を改善することができる。以下、それぞれについて詳しい説明を行なう。
【0022】
図1を参照されたい。
図1は本発明の一実施形態に開示した共通電圧発生回路の構造概略図である。
図1に示すように、本実施形態に記載した共通電圧発生回路10は液晶表示回路20に用いられ、前記共通電圧発生回路10は、M個の共通電圧発生サブ回路を含み、例えば、
図1に示すように、第1共通電圧発生サブ回路11、第M共通電圧発生サブ回路1M等を含む。液晶表示回路20は、データ駆動チップ21と、行駆動チップ22と、アレイ薄膜トランジスタ(
図1に全体的に表示せず、具体的には、
図1に示すような、薄膜トランジスタT11、薄膜トランジスタT12、薄膜トランジスタT21、薄膜トランジスタT22等)と、アレイ薄膜トランジスタTFTに対応したアレイ液晶ユニット(
図1に全体的に表示せず、具体的には、
図1に示すような、液晶ユニットL11、液晶ユニットL12、液晶ユニットL21、液晶ユニットL22等)とを含む。行駆動チップ22は、走査線(
図1に示すような、走査線G1、走査線G2、…走査線Gn)を介して各アレイ薄膜トランジスタTFTを1行ずつオンするために用いられる。データ駆動チップは、1行のTFT(例えば、第1行のTFT:薄膜トランジスタT11、薄膜トランジスタT12、…薄膜トランジスタT1n)が起動する際に、データ線(例えば、
図1に示すような、データ線S1、データ線S2、…データ線Sn)を介して前記1行のTFTに対応した1行の液晶ユニットを充電するのに用いられ、アレイTFTはP列のTFTを含む。
【0023】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、前記M個の共通電圧発生サブ回路の内のいずれかであり、前記第1共通電圧発生サブ回路は、N個の入力端子及び1つ出力端子を含み、前記第1共通電圧発生サブ回路のN個の入力端子は、前記データ駆動チップから出力される隣接したN本のデータ線にそれぞれ接続されており、前記共通電圧発生サブ回路の出力端子は前記N本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通端子に接続されており、Mは正の整数であり、Nは偶数であり、且つ、MはPよりも小さく、NはPよりも小さい。
【0024】
前記第1共通電圧発生サブ回路は、隣接する2フレームの画面表示の空隙時間において、前記N本のデータ線の維持電圧の平均値を取得し、且つ、前記平均値は前記N本のデータ線に対応した液晶表示ユニットの共通端子に出力するのに用いられる。
【0025】
本発明の実施形態では、データ駆動チップ21から出力されるデータ線S1、S2、…Snがそれぞれ1列のTFTに対応しており、
図1に示すように、データ線S1は薄膜トランジスタT11、薄膜トランジスタT21、…、薄膜トランジスタTn1の1列のTFTに対応しており;データ線S2は、薄膜トランジスタT12、薄膜トランジスタT22、…、薄膜トランジスタTn2の1列のTFTに対応しており;データ線Snは、薄膜トランジスタT1n、薄膜トランジスタT2n、…、薄膜トランジスタTnnの1列のTFTに対応している。各々のTFTはさらに1つの液晶ユニットに対応し、例えば、薄膜トランジスタT11は液晶ユニットL11に対応し、薄膜トランジスタT12は液晶ユニットL12に対応し、薄膜トランジスタT21は液晶ユニットL21に対応し、薄膜トランジスタT22は、液晶ユニットL22に対応し、薄膜トランジスタTn1は液晶ユニットLn1に対応している。
【0026】
本発明の実施形態における液晶表示回路20は、アレイTFTの薄膜トランジスタの開閉を制御することで、液晶ユニットに対する充放電を実現するのに用いられる。
図1に示す駆動アレイTFTはn行n列を例にとって説明するが、本発明の実施形態は、アレイTFTの行の数と列の数が同一であることを限定するものではない。実際の製品では、駆動アレイTFTは、行の数と列の数は通常異なっており、例えば、アレイTFTは1920行1080列、1366行768列、1440行900列、1600行900列等である。1フレームの画像表示過程において、前記行駆動チップ21は、各行のTFTを順次走査してオンにし、各行のTFT(例えば、第1行のTFT:薄膜トランジスタT11、薄膜トランジスタT12、…、薄膜トランジスタT1n)がオンになる際に、データ駆動チップ22はデータ線S1、S2、…、Snを介して液晶ユニットL11、液晶ユニットL12、…、L1nに対してそれぞれ充電を行なう。液晶表示スクリーン上の行TFTに対応した全ての液晶ユニットへの充電が完了した後は、即ち、1フレームの画面表示が完成する。そして、液晶表示回路20は、次のフレームの画面のデータ線から出力される電圧を更新するための準備をし(次のフレームの画面表示を準備し)てから、次のフレームの画面表示を始める。一般的に、隣接する2フレームの画面の間には空隙時間が存在するため、次のフレーム画面のデータ線の電圧に対する準備を行なうのに用いられる。
【0027】
液晶表示スクリーンの全体が同一の共通電圧VCOMを用いる場合は、VCOMの配線抵抗等に起因して、スクリーンの中間領域及び両側の領域の充電効果が異なり、フリッカー効果も異なるので、画面に点滅が現れることとなる。従って、本発明の実施形態が提供する共通電圧発生回路は、上記の問題を解決するのに用いられる。
【0028】
本発明の実施形態では、液晶表示回路20に適用される共通電圧発生回路は複数のサブ回路を有してもよく、共通電圧発生回路はデータ駆動チップに内蔵されていてもよい。
図1は、M個(Mは正の整数であり、MはPより小さい)の共通電圧発生サブ回路を有するものを例示している(
図1に示すような、第1共通電圧発生サブ回路11、…、第M共通電圧発生サブ回路)。ここで、前記液晶表示回路20は列反転表示回路であり、アレイTFTにおけるいずれかの隣接する2列のTFTに対応した液晶ユニットの電圧極性は逆である。
図1に示すように、或る1フレームの画面を表示する際、データ線S1に対応した液晶ユニットL11、L21、…、Ln1の電圧極性は正であり、隣接するデータ線S2に対応した液晶ユニットL12、L22、…、Ln2の電圧極性は負である。
【0029】
図1に示すようないずれかの共通電圧発生サブ回路は、隣接するN個(Nは偶数)のデータ線に対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いる。ここで、各々の共通電圧発生サブ回路が調整する隣接のデータ線の数は同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第1共通電圧発生サブ回路11は、隣接するデータ線S1とデータ線S2の2本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いられ、第2共通電圧発生サブ回路は、隣接するデータ線S3とデータ線S4の2本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いられ……第M共通電圧発生サブ回路1Mは、隣接するデータ線Sn−1とデータ線Snに対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いられる。
【0030】
さらに、例えば、第1共通電圧発生サブ回路11は、隣接するデータ線S1とデータ線S2の2本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いられ、第2共通電圧発生サブ回路は、隣接するデータ線S3と、データ線S4と、データ線S5と、データ線S6との4本のデータ線に対応した液晶ユニットの共通電圧を調整するのに用いられ…、各々の共通電圧発生サブ回路が調整する隣接のデータ線の数は偶数(即ち、Nは偶数である)であればよい。本発明の技術案に対する理解の便宜上、以下において、いずれの共通電圧発生サブ回路も隣接の2本のデータ線を調整(即ち、N=2)するのを例にとり、説明する。
【0031】
選択的に、第1共通電圧発生サブ回路11及び第M共通電圧発生サブ回路1Mは、異なるVCOM領域にそれぞれ対応し、
図1に示すように、第1共通電圧発生サブ回路11はVCOM1領域に対応することで、VCOM1領域内の液晶ユニット(即ち、データ線S1及びデータ線S2に対応する液晶ユニット)の共通電圧を調整し、第M共通電圧発生サブ回路1MはVCOMm領域に対応することで、VCOMm領域内の液晶ユニット(即ち、データ線Sn-1及びデータ線Snに対応する液晶ユニット)の共通電圧を調整する。選択的に、VCOM1領域内の液晶ユニットの共通電圧とVCOMm領域内の液晶ユニットの共通電圧は異なる。
【0032】
以下において、第1共通電圧発生サブ回路11を例にとり、共通電圧発生回路の動作原理を説明する。第1共通電圧発生サブ回路11は、2つの入力端子(
図1に示すような、入力端子111及び入力端子112)と、1つの出力端子113とを含み、前記入力端子111はデータ駆動チップから出力されるデータ線S1に接続されており、前記入力端子112はデータ駆動チップから出力されるデータ線S2に接続されており、第1共通電圧発生サブ回路11の出力端子113はデータ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニットの共通端子VCOM1に接続されている。1フレームの画面表示の過程において、行駆動チップ22は走査線G1、G2、Gnを介して各行の順次走査を行ない、データ駆動チップは、データ線S1とデータ線S2とを介して第1列TFT(
図1に示すような、薄膜トランジスタT11、薄膜トランジスタT21、…、薄膜トランジスタTn1)及び第2列TFT(
図1に示すような、薄膜トランジスタT12、薄膜トランジスタT22、…、薄膜トランジスタTn2)に対して充電を行なう。上述の1フレームの画面表示が完了した後、行駆動チップ22は出力をオフにして、全てのTFTが停止する。その際、データ線S1とデータ線S2は電圧を液晶ユニットに出力することができないが、データ線S1とデータ線S2は依然として前フレーム画面の電圧を維持するため、第1共通電圧発生サブ回路11がデータ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2を得て、且つ、データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2の平均値をデータ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニットの共通端子に出力する。そのため、次のフレームの画面を表示する際に、データ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニットの共通端子の共通電圧は、VCOM1=(V1+V2)/2となる。
【0033】
本発明の実施形態における第1共通電圧発生サブ回路11は、各2フレームの画面表示の空隙時間に、データ線S1とデータ線S2に対応した液晶表示ユニットの共通電圧を調整することができ、各フレームの画面が表示される前に、いずれもVCOM1領域(
図1に示すような、第1列のTFTと第2列のTFTに対応する領域)内の液晶ユニット(即ち、データ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニット)の共通電圧を校正することができ、VCOM1領域の点滅を減少させ、液晶ディスプレイ全体のフリッカー値を低減させることによって、表示効果が向上する。
【0034】
理解の便宜上、以下の共通電圧発生回路は、いずれも第1共通電圧発生サブ回路11を例にとって説明する。
【0035】
選択的に、
図2を参照されたい。
図2は、本発明の一実施形態で開示する共通電圧発生回路の具体的な構造概略図である。
図2に示すように、第1共通電圧発生サブ回路11は、電圧フォロアU1と、2つのスイッチ管(
図2に示すような、スイッチ管T1及びスイッチ管T2)とを含み、スイッチ管T1及びスイッチ管T2のゲート電極gはいずれもデータ駆動チップ21の制御端子E1に接続されており、スイッチ管T1及びスイッチ管T2のソース電極sはそれぞれデータ線S1とデータ線S2に接続されており、スイッチ管T1及びスイッチ管T2のドレイン電極dはいずれも電圧フォロアU1の非反転入力端子に接続されており、電圧フォロアU1の反転入力端子は電圧フォロアU1の出力端子outに接続されており、電圧フォロアU1の出力端子outはデータ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニット(データ線S1は液晶ユニットL11、L21、…、Ln1に対応し;データ線S2は液晶ユニットL12、L22、…、Ln2)の共通端子cportに接続されている。
【0036】
電圧フォロアU1の出力は常にその非反転入力端子に追従し、即ち、
図2に示すような電圧フォロワU1の出力端子outの電圧と電圧フォロワU1の非反転入力端子の電圧は等しい。スイッチ管T1及びスイッチ管T2がいずれもオンであるとき、電圧フォロワU1の非反転入力端子は同時にデータ線S1とデータ線S2に連通する。2つのフレームの画面表示の空隙時間において、行駆動チップ22が出力をオフにするため、全ての走査線(G1、G2、…、Gn)はVCOM1領域内のTFTをオンにすることができない。ここで、VCOM1領域内のTFTは、第1列のTFTと第2列のTFTとを含み、第1列のTFTはT11、T21、…、Tn1を含み;第2列のTFTはT12、T22、…、Tn2を含む。
【0037】
2つのフレームの画面表示の空隙時間において、データ線S1とデータ線S2は依然として前フレームの電圧を維持するが、データ線S1の保持電圧とデータ線S2の保持電圧は、第1列のTFTと第2列のTFTとを介して対応する液晶ユニットを充電することができない。その際、データ駆動チップ21の制御信号の制御端子E1から有効な制御信号が出力され、当該有効な制御信号はスイッチ管T1及びスイッチ管T2をオンにするのに用いられ、データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2を短絡させ、且つ、電圧フォロアU1の非反転入力端子へと出力される。データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2を短絡させることは、2つの電圧源(電圧がV1である電圧源と電圧がV2である電圧源)を並列につなぐことに相当し、原理的には、電気容量が同一である2つのキャパシタを並列につなぎ、並列につないだ電圧は2つのキャパシタの両端の電圧の平均値となる。以下において、通常の方式により、電圧平均の原理を説明する:キャパシタC1の電気容量をCとし、電圧をV1とし、電気量をQ1とし;キャパシタC2の電気容量をCとし、電圧をV2とし、電気量をQ2とする。電気量を桶中の水の量と理解し、電気容量を桶の横断面の面積と理解し、電圧を桶内の水位の高さと理解した際に、キャパシタC1とキャパシタC2とを並列につないだ場合、2つの桶の間を水管で連通させることに相当する。このように、キャパシタたる2つの桶の水位が同一となり、即ち、キャパシタC1とキャパシタC2とを並列につないだ後の電圧は等しく、且つ、V1とV2の平均値に等しい。例えば,キャパシタC1とキャパシタC2の電気容量値はいずれも1マイクロファラッドであり、並列につなぐ前において、キャパシタC1の電圧は13ボルトであり、キャパシタC2の電圧は1ボルトであり、並列につないだ後は、キャパシタC1がキャパシタC2を充電し、キャパシタC1の電位が低下し、キャパシタC2の電位が上昇し、両者の電位が同一になるまでに至る。即ち、キャパシタC1とキャパシタC2の電圧が等しく、且つ7ボルトに等しい。
【0038】
電圧フォロアU1の出力が非反転入力端子に追従するので、電圧フォロアU1の出力端子outは、データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2の平均値を、データ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニット(データ線S1は液晶ユニットL11、L21、…、Ln1に対応し;データ線S2は液晶ユニットL12、L22、…、Ln2に対応する)の共通端子cportに出力する。
【0039】
或るフレームの画像表示時間に入る際、データ駆動チップ21の制御端子E1から出力されるのは無効の制御信号である。当該無効の制御信号はスイッチ管T1とスイッチ管T2をオンにすることができない。このように、データ線S1とデータ線S2との接続が切断され、データ線S1とデータ線S2が接続されていないことに相当する(一方、上述において、2つのフレームの画面表示の空隙時間において、データ行駆動チップ21の制御端子E1から出力される有効な制御信号は、スイッチ管T1とスイッチ管T2とをオンにすることができ、データ線S1とデータ線S2とを短絡させる)。このように、隣接する2列のデータ線間は干渉が起こることはなく、液晶表示回路20は正常に表示を行なう。このとき、第1共通電圧生成サブ回路11から出力された電圧は依然として、前フレームの画像と現フレームの画像との間隙に当該第1共通電圧生成サブ回路11から出力された電圧を保持する。これによって、第1共通電圧生成サブ回路11が液晶表示回路20の正常な画面表示を干渉しないことを保証できる。
【0040】
選択的に、
図3を参照されたい。
図3は、本発明の一実施形態で開示するその他の共通電圧発生回路の具体的な構造概略図である。
図3に示すように、第1共通電圧発生サブ回路11は、電圧フォロアU1と、2つのスイッチ管(
図3に示すような、スイッチ管T1及びスイッチ管T2)とを含んでいる。スイッチ管T1及びスイッチ管T2のゲート電極gはいずれもデータ駆動チップ21の制御端子E1に接続されており、スイッチ管T1及びスイッチ管T2のソース電極sはそれぞれデータ線S1とデータ線S2に接続されており、スイッチ管T2のドレイン電極dは電圧フォロアU1の非反転入力端子に接続されており、スイッチ管T2のソース電極sはスイッチT1のドレイン電極dに接続されており、電圧フォロアU1の反転入力端子は電圧フォロアU1の出力端子outに接続されており、電圧フォロアU1の出力端子outはデータ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニット(データ線S1は液晶ユニットL11、L21、…、Ln1に対応し;データ線S2は液晶ユニットL12、L22、…、Ln2に対応する)の共通端子cportに接続されている。
【0041】
ここで、
図3に示すような電圧フォロワU1の出力端子outの電圧は、電圧フォロワU1の非反転入力端子の電圧と等しい。スイッチ管T1及びスイッチ管T2がいずれもオン状態にある場合、電圧フォロワU1の非反転入力端子は同時にデータ線S1とデータ線S2に連通する。2つのフレームの画面表示の空隙時間において、行駆動チップ22が出力をオフにするため、全ての走査線(G1、G2、…Gn)は、VCOM1領域内のTFTをオンにすることができない。ここで、VCOM1領域内のTFTは、第1列のTFTと第2列のTFTとを含み、第1列のTFTはT11、T21、…、Tn1を含み;第2列のTFTはT12、T22、…、Tn2を含む。
【0042】
2つのフレームの画面表示の空隙時間において、データ線S1とデータ線S2は依然として前フレームの電圧を維持するが、データ線S1の保持電圧とデータ線S2の保持電圧は第1列のTFTと第2列のTFTとを介して対応する液晶ユニットを充電することができない。その際、データ駆動チップ21の制御信号の制御端子E1から有効な制御信号が出力され、当該有効な制御信号はスイッチ管T1及びスイッチ管T2をオンにするのに用いられ、データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2を短絡させ、且つ、スイッチ管T2のソース電極へと出力され、スイッチ管T2のドレイン電極を介して電圧フォロアU1の非反転入力端子へと出力される。データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2を短絡させることは、2つの電圧源(電圧がV1である電圧源と電圧がV2である電圧源)を並列につなぐことに相当し、原理的には、電気容量が同一である2つのキャパシタを並列につなぎ、並列につないだ電圧は2つのキャパシタの両端の電圧の平均値となる。以下において、通常の方式により、電圧平均の原理を説明する:キャパシタC1の電気容量をCとし、電圧をV1とし、電気量をQ1とし;キャパシタC2の電気容量をCとし、電圧をV2とし、電気量をQ2とする。電気量を桶中の水の量と理解し、電気容量を桶の横断面の面積と理解し、電圧を桶内の水位の高さと理解した際に、キャパシタC1とキャパシタC2とを並列につないだ場合、2つの桶の間を水管で連通させることに相当する。このように、キャパシタたる2つの桶の水位が同一となり、即ち、キャパシタC1とキャパシタC2とを並列につないだ後の電圧は等しく、且つ、V1とV2の平均値に等しい。例えば,キャパシタC1とキャパシタC2の電気容量値はいずれも1マイクロファラッドであり、並列につなぐ前において、キャパシタC1の電圧は13ボルトであり、キャパシタC2の電圧は1ボルトであり、並列につないだ後は、キャパシタC1がキャパシタC2を充電し、キャパシタC1の電位が低下し、キャパシタC2の電位が上昇し、両者の電位が同一になるまでに至る。即ち、キャパシタC1とキャパシタC2の電圧が等しく、且つ7ボルトに等しい。
【0043】
電圧フォロアU1の出力が非反転入力端子に追従するので、電圧フォロアU1の出力端子outは、データ線S1の保持電圧V1とデータ線S2の保持電圧V2の平均値を、データ線S1とデータ線S2に対応した液晶ユニット(データ線S1は液晶ユニットL11、L21、…、Ln1に対応し;データ線S2は液晶ユニットL12、L22、…、Ln2に対応する)の共通端子cportに出力する。
【0044】
或るフレームの画像表示時間に入る際、データ駆動チップ21の制御端子E1から出力されるのは無効の制御信号である。当該無効の制御信号はスイッチ管T1とスイッチ管T2をオンにすることができない。このように、データ線S1とデータ線S2との接続が切断され、液晶表示回路20は正常な表示を行なう。このとき、第1共通電圧生成サブ回路11から出力された電圧は依然として、前フレームの画像と現フレームの画像との間隙に当該第1共通電圧生成サブ回路11から出力された電圧を保持する。これによって、第1共通電圧生成サブ回路11が液晶表示回路20の正常な画面表示を干渉しないことを保証できる。
【0045】
選択的に、上記スイッチ管T1とスイッチ管T2は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、即ち、MOS管であってもよい。当該MOS管はNMOS管である場合には、データ駆動チップ21の制御端子E1から有効な制御信号(例えば、高電気レベルの信号)が出力されることで、スイッチ管T1とスイッチ管T2がオンするように制御され;当該MOS管がPMOS管である場合には、データ駆動チップ21の制御端子E1から有効な制御信号(例えば、低電気レベルの信号)が出力されることで、スイッチ管T1とスイッチ管T2がオンするように制御される。
【0046】
選択的に、液晶表示回路20は列反転表示回路であり、アレイTFT中の任意の隣接する2列のTFTに対応する液晶ユニットの電圧極性は逆である。
図4に示すように、
図4は、本発明の一実施形態で開示する液晶ユニットアレイにおける電圧極性の変化を示す図である。第Nフレームの画面の際、データ線S1に対応した第1列の液晶ユニットの電圧極性は正であり、データ線S2に対応した第2列の液晶ユニットの電圧極性は負であり、データ線S3に対応した第3列の液晶ユニットの電圧極性は正であり、データ線S4に対応した第4列の液晶ユニットの電圧極性は負であり…以降同様に類推される。第N+1フレームの画面の際、データ線S1に対応した第1列の液晶ユニットの電圧極性は負であり、データ線S2に対応した第2列の液晶ユニットの電圧極性は正であり、データ線S3に対応した第3列の液晶ユニットの電圧極性は負であり、データ線S4に対応した第4列の液晶ユニットの電圧極性は正であり、…以降同様に類推される。
【0047】
本発明の実施形態はさらに、
図1、
図2及び
図3のいずれかの図に示される共通電圧発生回路を含む液晶ディスプレイを提供する。
図1〜4に示す共通電圧発生回路については、上記説明を参照されたい。ここでは、それらの説明を省略する。
【0048】
本明細書中の説明において、参考に供される用語である「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示」、「具体的な例示」又は「いくつかの例示」等の説明の意味するところは、当該実施形態又は例示で説明した具体的な特徴、構造、材料、又は特性を結合させ、これらは少なくとも1つの実施形態又は例示中に含まれる、ということである。本明細書において、上記用語に関わる概念的な表現は、必ずしも同一の実施形態又は例示を指し示す訳ではない。加えて、説明した具体的な特徴、構造、材料、または特性は、いずれか1つの又は複数の実施形態或いは例示において、適切な方法で結合させることができる。
【0049】
以上において、本発明の実施形態が提供する共通電圧発生回路及び液晶ディスプレイに対する詳細な紹介を行なったが、本明細書では、具体例を用いて本発明の原理及び実施形態に対して説明を行なっている。上記の例示における説明は、単に本発明の方法及びその核心的な思想の理解を助けるために用いられるものである。また、本分野の通常の技術者は、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲内において変更を施す場合がある。このように、本明細書の内容は、本発明を限定するものと理解すべきではない。