(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844148
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】摩耗試験装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/56 20060101AFI20210308BHJP
【FI】
G01N3/56 N
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-162461(P2016-162461)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2018-31614(P2018-31614A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】木谷 友翔
【審査官】
北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−087720(JP,A)
【文献】
特開平07−146217(JP,A)
【文献】
特開平02−210243(JP,A)
【文献】
特開2007−292587(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/042998(WO,A1)
【文献】
特開2011−174821(JP,A)
【文献】
特開2015−116576(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0194894(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/56
G01N 17/02
G01N 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムサンプルが保持される保持部と、前記ゴムサンプルが接触する円周面を有する回転体と、前記保持部に保持されている前記ゴムサンプルに、前記円周面に向けた加圧力を付与する圧着機構とを備えた摩耗試験装置において、
前記保持部を複数有して、それぞれの保持部に保持されている前記ゴムサンプルが、回転している前記回転体の前記円周面に対して、独立して同時に圧着された状態になって、それぞれの前記ゴムサンプルの前記円周面に接触して発生する摩耗カスが下方に落下する構成であり、かつ、前記回転体を回転駆動させるためのハンドルを有し、前記ハンドルを用いて前記回転体が手動により回転駆動される構成にした摩耗試験装置。
【請求項2】
それぞれの前記ゴムサンプルが、接触する前記回転体とは接触面での速度を異ならせて逆回転で駆動されて前記円周面に接触する構成にした請求項1に記載の摩耗試験装置。
【請求項3】
それぞれの前記ゴムサンプルの前記摩耗カスが個別に収容される収容箱を備えた請求項1または2に記載の摩耗試験装置。
【請求項4】
それぞれの前記ゴムサンプルの前記摩耗カスの重量を測定する重量計を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の摩耗試験装置。
【請求項5】
前記回転体の回転方向を一方向に規制する回転方向規制機構を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の摩耗試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩耗試験装置に関し、さらに詳しくは、簡便に複数のゴムサンプルの相対的な耐摩耗性を把握することができる摩耗試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴムの耐摩耗性を評価する試験機として、DIN摩耗試験機やウィリアムス摩耗試験機が知られている。これらの試験機は、基本的に1つのゴムサンプル毎に試験を行うため、複数のゴムサンプルについての試験結果を得るには相応の時間を要し、或いは、複数の試験機が必要になる。
【0003】
複数のゴムサンプルを同時に試験する装置としては、例えば、一本の軸に複数のゴムサンプル(試験片)を取付け、他方の一本の軸に複数の相手片を取付ける試験装置が提案されている(特許文献1参照)。この試験装置では、ゴムサンプルと相手片との対向するどうしを加圧装置によって所定の加圧力で圧着させて、互いの間にすべりを生じさせて回転駆動することでゴムサンプルを摩耗させる構造になっている。
【0004】
しかしながら、この提案の試験装置では、それぞれのゴムサンプルが独立して相手片に圧着される構造ではなく、それぞれが一緒に圧着される構造になっている。そのため、単位時間当たりの摩耗量が異なるゴムサンプルを同時に試験すると、相対的に摩耗し易いゴムサンプルに対する加圧力は小さくなる。それ故、それぞれのゴムサンプルの相対的な耐摩耗性を正確に判断することができず、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3003469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡便に複数のゴムサンプルの相対的な耐摩耗性を把握することができる摩耗試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の摩耗試験装置は、ゴムサンプルが保持される保持部と、前記ゴムサンプルが接触する円周面を有する回転体と、前記保持部に保持されている前記ゴムサンプルに、前記円周面に向けた加圧力を付与する圧着機構とを備えた摩耗試験装置において、前記保持部を複数有して、それぞれの保持部に保持されている前記ゴムサンプルが、回転している前記回転体の前記円周面に対して、独立して同時に圧着された状態になって、それぞれの前記ゴムサンプルの前記円周面に接触して発生する摩耗カスが下方に落下する構成
であり、かつ、前記回転体を回転駆動させるためのハンドルを有し、前記ハンドルを用いて前記回転体が手動により回転駆動される構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のゴムサンプルの耐摩耗性を試験するに際しては、回転している回転体の円周面に対して、それぞれのゴムサンプルが独立して同時に圧着された状態になるため、互いのゴムサンプルの摩耗具合に影響を受けることなく、それぞれのゴムサンプルの正確な相対的な耐摩耗性を把握することが可能になる。また、それぞれのゴムサンプルの円周面に接触して発生する摩耗カスが下方に落下するので、それぞれの摩耗カスを目視してその量を相対比較するだけで、相対的な耐摩耗性を簡便に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の摩耗試験装置を平面視で例示する説明図である。
【
図2】
図1の摩耗試験装置を正面視で例示する説明図である。
【
図3】
図1の摩耗試験装置を側面視で例示する説明図である。
【
図4】回転方向規制機構を側面視で例示する説明図である。
【
図5】摩耗試験装置の別の実施形態を平面視で例示する説明図である。
【
図6】
図5の摩耗試験装置を側面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の摩耗試験装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1〜
図3に例示する本発明の摩耗試験装置1(以下、試験装置1という)は、複数のゴムサンプルS1、S2に対して同時に摩耗試験を行なうことができる。この試験装置1は、それぞれのゴムサンプルS1、S2が保持される保持部3と、それぞれのゴムサンプルS1、S2に対向する回転体4と、それぞれのゴムサンプルS1、S2に対する圧着機構5とを備えている。これら部品はそれぞれ、ベース2の上に立設された支持フレームによって直接または間接的に支持されている。この実施形態では、さらに、それぞれのゴムサンプルS1、S1の下方に配置された収容箱6を有していて、試験装置1の大部分が安全カバー13により覆われている。
【0012】
保持部3は、ゴムサンプルS1、S2の数に対応して複数(この実施形態では2つ)設けられている。この保持部3は、回転駆動される回転軸体になっている。保持部3は、円盤状のゴムサンプルS1、S2を保持して回転させる。
【0013】
それぞれの回転体4は、ゴムサンプルS1、S2が接触する円周面を有していて、例えば、回転駆動される円盤状の砥石が用いられる。それぞれのゴムサンプルS1、S2と、それぞれのゴムサンプルS1、S2に対向する回転体4の円周面どうしが接触する。
【0014】
圧着機構5は、それぞれのゴムサンプルS1、S2毎に個別に設けられている。それぞれの圧着機構5は、それぞれのゴムサンプルS1、S2に対して、対向する回転体4の円周面に向けた加圧力を付与する。
【0015】
それぞれの圧着機構5は、ベース2の上に立設された支持フレーム上に、保持部3を支持するスライドフレーム5aを有している。スライドフレーム5aは、対向する回転体4に対して近接離反する方向にスライド可能になっている。スライドフレーム5aに対しては例えば、対向する回転体4に近接する方向に付勢するバネ等の弾性体または錘が取り付けられたワイヤなどの紐状体が接続される。このような弾性体や錘により、スライドフレーム5aが回転体4に向かって付勢されることで、それぞれのゴムサンプルS1、S2に加圧力が付与される。
【0016】
弾性体の仕様や錘の重量を変えることにより、ゴムサンプルS1、S2に対して任意の加圧力を付与することができる。圧着機構5は、この実施形態に例示した構造に限らず、それぞれのゴムサンプルS1、S2を独立して回転体4の円周面に圧着させる構造を採用することができる。
【0017】
それぞれの回転体4が取り付けられている回転軸4aの一端部にはハンドル12が装着されている。ハンドル12だけは、安全カバー13の外部に配置されている。この回転軸4aを中心にしてハンドル12を手動にて一方向に回転させることにより、それぞれの回転体4は一方向に回転駆動される。
【0018】
回転軸4aにはギヤ9a、9b取り付けられていて、それぞれのギヤ9a、9bに噛み合う別のギヤ9c、9dが下方に設置されている。これらギヤ9c、9dと同軸にプーリ10a、10bが設けられている。それぞれの保持部3に接続された軸には、別のプーリ10c、10dが設けられている。プーリ10aとプーリ10cとが円周面を対向して配置され、プーリ10bとプーリ10dとが円周面を対向して配置されている。対向するプーリ10aとプーリ10cの間、プーリ10bとプーリ10dとの間にはそれぞれ、伝導ベルト11a、11bが張設されている。
【0019】
ハンドル12を一方向に回転させると、回転軸4aが一方向に回転駆動され、ギヤ9a、9bおよびそれぞれの回転体4も回転軸4aを中心にして一方向に回転駆動される。ギヤ9a、9bの回転に伴い、噛み合うギヤ9c、9dおよびそれぞれのプーリ10a、10bは他方向に回転駆動される。これにより、それぞれのプーリ10c、10dおよびゴムサンプルS1、S2も他方向に回転駆動される。したがって、それぞれの回転体4とそれぞれのゴムサンプルS1、S2とは逆回転した状態で円周面どうしが接触する。
【0020】
この際に、接触する回転体4とゴムサンプルS1、S2との接触面での互いの速度(周速度)を異ならせている。即ち、回転駆動されている回転体4に対してゴムサンプルS1、S2をスリップさせて接触させることでゴムサンプルS1、S2を摩耗させる。回転体4とゴムサンプルS1、S2との接触面での速度比(スリップ率)は、回転体4とゴムサンプルS1、S2との外径の比率や、対向するギヤ9やプーリ10の外径の比率等によって任意に設定することができる。この接触面でのゴムサンプルS1、S2の速度は例えば、回転体4の速度の5%〜250%に設定する。
【0021】
また、ゴムサンプルS1、S2の摩耗カスRが下方に落下するように、それぞれのゴムサンプルS1、S2および回転体4の回転方向が設定されている。したがって、それぞれのゴムサンプルS1、S2と回転体4とは、対向する相手に向かって上から下に回転駆動される。収容箱6は、それぞれのサンプルS1、S2の回転体4と接触する位置の下方を中心にして配置するとよい。
【0022】
次に、この試験装置1を用いてそれぞれのゴムサンプルS1、S2に対して摩耗試験を行なう方法を説明する。
【0023】
それぞれの保持部3に、試験対象となるゴムサンプルS1、S2を保持させる。例えば、ゴム種の異なるゴムサンプルS1、S2を保持させる。或いは、同じゴム種であっても配合剤を異ならせた、または、配合剤の配合割合を異ならせたゴムサンプルS1、S2を保持させる。
【0024】
次いで、それぞれの圧着機構5によって、それぞれのゴムサンプルS1、S2に所定の加圧力を付与する。例えば、それぞれのゴムサンプルS1、S2に対して同じ大きさの加圧力を付与する。
【0025】
次いで、ハンドル12を手動にて回転させる。これにより、それぞれのゴムサンプルS1、S2を、対向する回転体4とは逆回転で駆動して、対向する回転体4の円周面に所定の加圧力で圧着させる。それぞれのゴムサンプルS1、S2は、回転駆動されている回転体4にスリップして接触することで摩耗し、その摩耗カスRが下方に落下する。落下した摩耗カスRは、それぞれの収容箱6に個別に収容される。
【0026】
本発明の試験装置1では、回転している回転体4の円周面に対して、それぞれのゴムサンプルS1、S2が独立して同時に圧着された状態になる。それ故、それぞれのゴムサンプルS1、S2は、互いのゴムサンプルS1、S2の摩耗具合に影響を受けることなく、常に所定の加圧力が付与された状態で摩耗試験が行われる。したがって、それぞれのゴムサンプルS1、S2の摩耗カスRの量(体積または重量)を相対比較すれば、それぞれのゴムサンプルS1、S2の正確な相対的な耐摩耗性(単位時間当たりの摩耗量)を把握することが可能になる。
【0027】
しかも、それぞれのゴムサンプルS1、S2の摩耗カスRが下方に落下するので、それぞれの摩耗カスRを目視して、その量を相対比較すれば、それぞれのゴムサンプルS1、S2の相対的な耐摩耗性を簡便に把握できる。尚、摩耗試験中のスライドフレーム5aのスライド量は僅かなので、伝導ベルト11a、11bの張力が過小になることはなく、それぞれのゴムサンプルS1、S2および回転体4の回転駆動には影響がない。尚、ゴムサンプルS1、S2の摩耗量が多い場合や試験時間が長時間になってスライドフレーム5aのスライド量が大きくなる場合は、例えば、テンショナーを設けて伝導ベルト11a、11bの張力を一定に保つようにすればよい。
【0028】
この実施形態では、手動によってそれぞれのゴムサンプルS1、S2および回転体4を回転駆動させるので、試験装置1の操作者は、ゴムサンプルS1、S2を摩耗させるために要する力(回転駆動力)を実感することができる。手動により入力した回転駆動力と、摩耗カスRの量とを関連付けて実感させることによって、試験装置1の操作者には、それぞれのゴムサンプルS1、S2の耐摩耗性をより強く印象付けることができる。したがって、展示会などの催事において、来場者に試験装置1を操作してもらうことで、ゴムサンプルS1、S2の相対的な耐摩耗性を強くアピールすることができる。
【0029】
ハンドル12を予め設定された一方向とは逆方向に回転させると、摩耗カスRは上方に飛散する。そこで、このような不具合を防止するには、ハンドル12の回転方向(一方向を示す矢印など)を安全カバー13などに明示しておくとよい。
【0030】
或いは、
図4に例示するように、回転体4の回転方向を一方向に規制する回転方向規制機構7を設けることもできる。この回転方向規制機構7は、ギヤ9aの外周歯に対して所定の角度で接触するように常に付勢されたクサビ体7aを備えている。クサビ体7aは支軸7bによって回動可能に軸支されている。
【0031】
ハンドル12(ギヤ9a)が一方向に回転する場合は、ギヤ9aの外周歯がクサビ体7aを付勢力に対抗して支軸7bを中心にして回動させるので、ハンドル12(ギヤ9a)を一方向に円滑に回転駆動させることができる。これにより、回転体4およびそれぞれのゴムサンプルS1、S2も円滑に回転駆動される。ハンドル12(ギヤ9a)が一方向とは逆回転する場合は、クサビ体7aがギヤ9aの外周歯と外周歯との間に入り込んだままとなり、ハンドル12(ギヤ9a)の回転がロックされる。したがって、回転体4およびそれぞれのゴムサンプルS1、S2が回転駆動されることはない。回転体4の回転方向を一方向に規制することができれば、その他の回転方向規制機構7を用いることもできる。
【0032】
図5、6に例示するように、それぞれのゴムサンプルS1、S2の摩耗カスRを測定する重量計8を設けることもできる。例えば、それぞれの収容箱6を重量計8に載置する。これにより、それぞれの摩耗カスRの重量がリアルタイムで正確に把握できるので、複数のゴムサンプルの相対的な耐摩耗性を一段と把握し易くなる。
【0033】
摩耗試験を継続することで、回転体4の円周面には摩耗カスRが付着して累積する。摩耗カスRの付着量が過大になると、摩耗具合にも影響が生じるので、回転体4の円周面に接触するスクレーパ等を設けて、摩耗カスRを円周面から除去する構成にするとよい。
【0034】
ハンドル12から入力された回転駆動力を、それぞれの回転体4およびゴムサンプルS1、S2に伝達する機構は、この実施形態に例示した機構に限らず、種々の伝達部品、伝達機構を用いることができる。例えば、伝導ベルト11a、11bの滑りによる伝達率の低下を回避するために歯付きベルト等を用いることもできる。
【0035】
この実施形態では、2つのゴムサンプルS1、S2を同時に試験する仕様になっているが、例えば、3つ以上を同時に試験する仕様にすることもできる。この場合は、同時に試験を行なうゴムサンプルの数に合わせた保持部3、圧着機構5を設ければよい。回転体4の数もゴムサンプルの数に合わせた仕様にすることもできるが、例えば、1つの回転体4を挟んで2つのゴムサンプルを対置させた仕様にすることで、1つの回転体4の円周面に対して2つのゴムサンプルを同時に接触させて試験を行なうことができる。
【0036】
この試験装置1は、それぞれのゴムサンプルS1、S2に付与する加圧力やスリップ率を同じにした同一条件下における相対的な耐摩耗性を把握するだけでなく、様々な摩耗試験を行なうことができる。例えば、同じ仕様のゴムサンプルS1に対して、条件(加圧力やスリップ率)を異ならせて同時に摩耗試験をすることもできる。この摩耗試験によって、その仕様のゴムサンプルS1の耐摩耗性に対して、異ならせた条件がどの程度影響するのか、相対的な影響度を簡便に把握できる。
【0037】
それぞれの回転体4およびゴムサンプルS1、S2は、手動により回転駆動させるのではなく、モータ等の駆動源を用いて回転駆動させることもできる。この場合は、例えば、
図1の回転軸4aを回転させるモータ等を設ければよい。
【0038】
この実施形態では、それぞれのゴムサンプルS1、S2を回転駆動しているが、回転する回転体4の円周面に対して、それぞれのゴムサンプルS1、S2を不動状態で圧着させることもできる。例えば、ブロック状のゴムサンプルS1、S2を保持部3により保持して、回転体4の円周面に圧着させて摩耗させることもできる。
【0039】
それぞれのゴムサンプルS1、S2を不動状態で圧着させる仕様の場合は、試験装置1の構造をより簡素化することが可能になる。一方、この実施形態のように、それぞれのゴムサンプルS1、S2を回転駆動する仕様の場合は、ゴムサンプルS1、S2の一部が極端に摩耗することがなく円周面が一様に摩耗するので、より安定した評価をし易くなる。
【符号の説明】
【0040】
1 摩耗試験装置
2 ベース
3 保持部
4 回転体
4a 回転軸
5 圧着機構
5a スライドフレーム
6 収容箱
7 回転方向規制機構
7a クサビ体
7b 支軸
8 重量計
9(9a、9b、9c、9d) ギヤ
10(10a、10b、10c、10d) プーリ
11a、11b 伝導ベルト
12 ハンドル
13 安全カバー
S1、S2 ゴムサンプル
R 摩耗カス