特許第6844157号(P6844157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844157
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20210308BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20210308BHJP
【FI】
   G06Q10/10 320
   G06F3/0484 120
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-176039(P2016-176039)
(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公開番号】特開2018-41350(P2018-41350A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 和宏
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−119855(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/066142(WO,A1)
【文献】 特開2009−193213(JP,A)
【文献】 特開2016−062267(JP,A)
【文献】 特開2012−133528(JP,A)
【文献】 特開2004−259142(JP,A)
【文献】 特開2008−103788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、前記履歴情報のそれぞれを所定のフォントサイズからなる文字列と期間を示す棒形状マーカとで表示させる表示制御手段と、
所定の第1履歴情報の直前期間に対応する第2履歴情報を対象にして、前記履歴図における時間軸に沿う方向に前記文字列を並べた場合に前記棒形状マーカ内に当該文字列が収まるか否かを判別する判別手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させ、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まると判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行と同じ行に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合であって前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させる場合には、前記文字列を前記棒形状マーカからはみ出して表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合であって前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させる場合には、前記文字列を前記棒形状マーカからはみ出させずに省略表示させると共に、当該省略表示された箇所がポインティングデバイスにより指示された際に前記文字列を全て表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記棒形状マーカを枠状に表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータを、
人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、前記履歴情報のそれぞれを所定のフォントサイズからなる文字列と期間を示す棒形状マーカとで表示させる表示制御手段、
所定の第1履歴情報の直前期間に対応する第2履歴情報を対象にして、前記履歴図における時間軸に沿う方向に前記文字列を並べた場合に前記棒形状マーカ内に当該文字列が収まるか否かを判別する判別手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させ、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まると判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行と同じ行に表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会社等の団体に所属する人員(社員)の履歴情報をコンピュータに記憶させて管理することが知られており、各社員の履歴情報を履歴図として一覧表示して社員の履歴を把握することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−210004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、履歴図に表示する履歴情報の量が多くなると、表示される個々の履歴情報が小さく制限されることとなる。
このため、履歴図の視認性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、履歴図に表示する対象となる履歴情報の量が増えても、視認性を低下させることなく好適に履歴図を表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、前記履歴情報のそれぞれを所定のフォントサイズからなる文字列と期間を示す棒形状マーカとで表示させる表示制御手段と、所定の第1履歴情報の直前期間に対応する第2履歴情報を対象にして、前記履歴図における時間軸に沿う方向に前記文字列を並べた場合に前記棒形状マーカ内に当該文字列が収まるか否かを判別する判別手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させ、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まると判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行と同じ行に表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、情報処理装置のコンピュータを、人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、前記履歴情報のそれぞれを所定のフォントサイズからなる文字列と期間を示す棒形状マーカとで表示させる表示制御手段、所定の第1履歴情報の直前期間に対応する第2履歴情報を対象にして、前記履歴図における時間軸に沿う方向に前記文字列を並べた場合に前記棒形状マーカ内に当該文字列が収まるか否かを判別する判別手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まらないと判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行とは異なる行に表示させ、前記判別手段により前記文字列が前記棒形状マーカ内に収まると判別された場合は、前記履歴図を前記表示部に表示させる際に前記第1履歴情報を前記第2履歴情報における文字列が並ぶ行と同じ行に表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、履歴図に表示する対象となる履歴情報の量が増えても、視認性を低下させることなく好適に履歴図を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る一実施形態である情報処理装置の主要構成を示すブロック図である。
図2】基本情報TBLに格納された記憶内容の一例を示す説明図である。
図3】履歴情報TBLに格納された記憶内容の一例を示す説明図である。
図4】履歴情報条件TBLに格納された記憶内容の一例を示す説明図である。
図5】履歴図の表示画面の一例を示す説明図である。
図6】段下げ表示処理の流れを示すフローチャートである。
図7】(a)段下げ表示されない履歴図(b)段下げ表示された履歴図の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
情報処理装置1は、例えば、一の企業に所属する各社員の履歴情報26を、図5に示すような履歴図20として一覧表示する装置である。図1に示すように、情報処理装置1は、表示制御手段、判別手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、複数の操作キーを有する操作部12と、CPU11に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、CPU11が実行するプログラムや制御データを格納した記憶部15と、通信部16とを備える。また、バス17は、CPU11、操作部12、RAM13、表示部14、記憶部15及び通信部16をそれぞれ接続している。
【0011】
CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM13のワークエリアに展開し、このプログラムに従って各部を制御する。また、CPU11は、記憶部15に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、情報表示処理を実行する。
【0012】
操作部12は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードを含む構成とし、操作者による各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU11に出力する。また、操作部12は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU11に出力する。
なお、操作部12には、タッチパネル等の操作装置も適用することができ、入力操作ができるものであればいずれでもよい。
【0013】
RAM13は、揮発性のメモリである。また、RAM13は、実行されるプログラムやこれらプログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0014】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、CPU11から入力される表示情報に応じて各種表示を行う。
【0015】
記憶部15は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。
記憶部15には、プログラム記憶部15Aが設けられている。このプログラム記憶部15Aには、CPU11で実行されるシステムプログラム、各種の処理プログラム等のプログラム及びこれらのプログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態でプログラム記憶部15Aに格納されている。CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
処理プログラムとしては、段下げ制御プログラム151が記憶されている。
【0016】
また、記憶部15には、情報DB30が記憶されている。この情報DB30には、基本情報TBL40Aと、履歴情報TBL40Bと、履歴情報条件TBL40Cとが記憶されている。
【0017】
通信部16は、モデム、ルータ、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークに接続されて、通信ネットワーク上のクライアント端末との通信を行う。通信ネットワークは、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信ネットワーク網と、IPネットワーク、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0018】
図2に示すように、基本情報TBL40Aは、社員の基本的な情報が格納された情報テーブルである。
基本情報TBL40Aには、社員特定情報41と、社員付帯情報42とが格納されている。
社員特定情報41には、社員番号411と、氏名412とが含まれる。
社員付帯情報42には、性別421と、生年月日422と、入社日423とが含まれる。
【0019】
図3に示すように、履歴情報TBL40Bは、社員の履歴に関する情報が格納された情報テーブルである。
履歴情報TBL40Bには、社員番号411と、期間情報43と、表示情報44とが格納されている。
期間情報43には、社員の各履歴の開始年月日431と、終了年月日432とが含まれる。
表示情報44には、各履歴の内容として管理コード441と、管理名442と、表示値443とが含まれる。
表示値443は、表示部14に表示される履歴図20の履歴情報表示領域202に表示される情報が含まれる。
なお、表示される情報としては、例えば、発令については、会社、事業所、所属、役職、職種、職級等についての情報が含まれる。申請については、社員居住、通勤経路、家族構成、家族住所、公的資格、語学レベル等についての情報が含まれる。事務・業務については、社会保険、住民税、営業評価、退職金等についての情報が含まれる。
【0020】
図4に示すように、履歴情報条件TBL40Cは、履歴図20に表示しようとする社員の履歴を検索する際に用いられる検索に関する情報が格納された情報テーブルである。
履歴情報条件TBL40Cには、社員番号411と、期間情報43と、条件情報45とが格納されている。
期間情報43には、社員の各履歴の開始年月日431と、終了年月日432とが含まれる。
条件情報45には、項目コード451と、項目名452と、コード値453と、名称値454と、条件値455とが含まれる。また、項目コード451及び項目名452は、図3の管理コード441及び管理名442にそれぞれ対応している。例えば、管理コード441が「1006000」、管理名442が「職級」に関する履歴情報26(図3中の符号H)について検索を行う場合、項目コード451が「1006001〜1006003」に該当する情報に対応している(図4中の箇所P)。
なお、基本情報TBL40A、履歴情報TBL40B及び履歴情報条件TBL40Cは、情報が変更、追加された時点で随時更新される。
【0021】
図5に示すように、表示部14に表示される社員の履歴図20は、上部に社員に関する基本情報が表示される基本情報表示領域201、中央部に管理項目ごとの履歴情報26が表示される履歴情報表示領域202、下部に履歴情報26に類似した対象履歴情報を有する他の社員を検索するための検索領域28が設けられている。
【0022】
基本情報表示領域201には、基本情報として、本籍会社、所属会社、事業所、社員番号、氏名、性別、生年月日、年齢が表示される。
履歴情報表示領域202には、履歴情報26の管理項目が縦軸21に配置され、過去から未来へ亘る時間軸が横軸22に配置されている。
縦軸21は、3つの属性に大別されており、具体的には、会社から社員に下される発令211と、社員から会社に申告する申請212と、人事が取り扱う事務・業務213とに分けられている。
【0023】
発令211には、会社、事業所、所属、役職、職種、職級が、履歴情報26の管理項目として表示され、申請212には、社員住居、通勤経路、家族構成、家族住所、公的資格、語学レベルが、履歴情報26の管理項目として表示され、事務・業務213には、社会保険、住民税、営業評価、退職金が、履歴情報26の管理項目として表示されている。
横軸22には、履歴図20の左から順に、過去221、現在222、未来223の時間軸が表示される。過去221とは、前期以前のことであり、現在222とは当期のことであり、未来223とは来期以降のことである。過去221の履歴情報26については、期間のスケールを、履歴情報表示領域202の上部中央に設けられたスライダ23で調整できるようになっている。具体的には、横軸22の過去221の単位表示長さが、スライダ23を左から右へとスライドさせることで、半月、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、10か月、15か月、20か月と変更されるようになっている。
なお、スライダで調整される期間は上記期間に限られず、適宜設定してもよい。
【0024】
履歴情報26の表示については、間引き表示モードと等幅表示モードとのいずれかを選択できるように、縦軸21の管理項目と履歴情報26との間にラジオボタン24が設けられており、いずれかをクリックすることで管理項目ごとに任意のモードの履歴図20の表示が行える。
また、それぞれのモードにおいて、管理項目ごとに段下げ表示をするかしないかを選択できるようにトグルボタン25が設けられている。
また、全ての管理項目を間引き表示モードもしくは等幅表示モードに一括して選択できるように履歴図20の右上に一括ラジオボタン24Aが設けられており、同様に全ての管理項目について段下げ表示をするかしないかを一括して選択できるように履歴図20の右上に選択手段としての一括トグルボタン25Aが設けられている。
なお、ラジオボタン24,トグルボタン25及び一括ラジオボタン24A,一括トグルボタン25Aのいずれも選択しない場合は、間引き表示、等幅表示、段下げ表示のいずれも行わない標準表示がなされるようになっている。
【0025】
また、現在222(今期)の履歴情報26の右側に未来223(来期)の予測イベント内容27が表示されている。これは、他の社員の履歴推移の蓄積データが格納されている図示しない履歴推移TBLの情報に基づいて、管理項目ごとの過去221及び現在222の履歴情報26から可能性の高い予測イベント内容27が予測値として表示されたものである。例えば、所属の管理項目であれば、過去の所属と現在の所属とを踏まえて、これまでの他の社員の異動実績からジョブローテーション先として可能性の高い部署を予測イベント内容27として表示している。
【0026】
検索領域28は、任意の履歴情報26を検索領域28にドラッグ&ドロップすると、履歴情報条件TBL40Cの名称値454に格納された情報に基づいて検索条件281が表示され、検索条件281に基づいて情報DB30に記憶されている履歴情報TBL40Bから類似する対象履歴情報を検索し、類似する対象履歴情報を有する他の社員がリストアップされる画面表示領域である。
【0027】
次に、本実施形態の動作について説明する。
〔段下げ表示〕
図6図7を参照して、段下げ表示処理を説明する。段下げ表示処理は、操作部12から処理開始の指示が入力された際にCPU11と記憶部15のプログラム記憶部15Aに記憶された段下げ制御プログラム151との協働により実行される。ここで、段下げ表示とは、個別表示領域261に履歴内容262の表示が収まらないと判別された履歴情報26の直後の履歴情報26を段下げして、履歴内容262を個別表示領域261からはみ出して表示することである。なお、段下げ表示は、行を下げて表示することに限られず、行を上げてもよく、異なる行に表示するものであればいずれでもよい。
【0028】
図6に示すように、CPU11は、社員の履歴に関する情報である基本情報TBL40Aと、履歴情報TBL40Bと、履歴情報条件TBL40Cとを情報DB30から取得する(ステップS1)。
【0029】
次に、CPU11は、履歴図20に表示する全ての管理項目について、段下げ表示処理を行うかどうかを決定する。
まず、CPU11は、段下げ表示をするか否かの決定がなされていない管理項目を選択する(ステップS2)。
CPU11は、選択された管理項目について、履歴図20のトグルボタン25又は一括トグルボタン25Aが選択されて段下げモードがONであるかという第1条件に当てはまるかどうかを判別する(ステップS3)。CPU11は、第1条件に当てはまらない場合(ステップS3;NO)、段下げ表示を行わないことを決定する(ステップS51)。
CPU11は、第1条件に当てはまる場合(ステップS3;YES)、個別表示領域261に履歴内容262の表示が収まるかどうかを判別する(ステップS4)。CPU11は、履歴内容262が個別表示領域261に収まる場合(ステップS4;YES)、段下げ表示を行わないことを決定する(ステップS51)。
CPU11は、履歴内容262が個別表示領域261に収まらない場合(ステップS4;NO)、段下げ表示を行うことを決定する(ステップS5)。
【0030】
次に、CPU11は、全ての管理項目について段下げ表示をするか否かを決定したかという第2条件に当てはまるかどうかを判別する(ステップS6)。CPU11は、第2条件に当てはまらない場合(ステップS6;NO)、ステップS2に戻って未決定の管理項目を選択する。CPU11は、第2条件に当てはまる場合(ステップS6;YES)、表示部14に段下げ表示処理がなされた履歴図20を表示する(ステップS7)。
【0031】
ここで、図7(a),(b)を参照して段下げ表示の一例を説明する。
図7(a)に示すように、段下げ表示されない履歴図20では、縦軸21の管理項目「社会保険」のうち、「厚生年金」に関する複数の各履歴情報26が期間長さに基づいて表示されている。このため、期間が短い履歴情報26については、個別表示領域261が短く、履歴内容262が収まらず途中で省略されているものが存在する。
これに対し、図7(b)に示すように、段下げ表示された履歴図20では、期間が短く履歴内容262が収まらない場合、直後の履歴情報26を一段下げて表示することで、直後の対象履歴情報と干渉させずに、表示が収まらなかった履歴内容262を個別表示領域261からはみ出して表示させることができる。
例えば、管理項目「住民税」については、図7(a)中の箇所Dでは、いずれの対象履歴情報においても履歴内容262が収まらず、「住民税」、「住民」、「住」(D1,D2,D3)といった途中で省略された表示となっているが、図7(b)の箇所Daように段下げ表示することで、いずれの履歴情報26においても「06/25住民税[10,600/月]」(D4)といったように日付及び税額を表示させることができ、住民税額の推移等を一覧で確認できるようになっている。
【0032】
また、図中では、管理項目全てにおいて段下げ表示を行っているが、段下げ表示させたい管理項目のみを任意に選択することができるようになっており、段下げ表示を望まない管理項目においては、段下げせずに一行表示にすることで、履歴図20の表示スペースを節約することができると共に、注視したい管理項目のみに視線を向けやすくなり、視認性の観点からも好ましい。
さらに、全ての管理項目において段下げ表示を望まない場合には、段下げ表示を一切行わないこともできるようになっている。具体的には、図5に示すように履歴図20の右上には、全ての管理項目について段下げ表示をするかしないかを切り替える一括トグルボタン25Aが設けられている。
なお、段下げ表示を行い個別表示領域261からはみ出して履歴内容262を表示しても、履歴内容262が長く、履歴図20内に表示が収まらない場合は、収まらない履歴内容262について表示を省略する。また、当該省略された履歴情報26をクリックすると省略された履歴内容262が表示されるようになっている。
また、段下げ表示として、履歴内容262を個別表示領域261からはみ出させずに省略表示しておいて、当該省略表示した箇所にマウスカーソルが当たった際に履歴内容262の全部が表示される(オンマウス表示)ようにしてもよい。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、CPU11は、人員に係る履歴情報26を時系列に従って配置した履歴図20を表示部14に表示させる際に、個々の履歴情報26が表示される個別表示領域261内に、対応する履歴情報26の履歴内容262の表示が収まるか否かを判別し、履歴内容262の表示が個別表示領域261内に収まらないと判別された場合は、当該判別された履歴情報26に連続する後の履歴情報26を表示する段を変更した履歴図20を表示部14に表示する。
これによれば、表示が収まらない履歴情報26は、直後の履歴情報26が段下げして表示されるので、履歴内容262を個別表示領域261からはみ出して表示することができる。
このため、従来、個別表示領域261に履歴内容262が収まらず省略表示されていた履歴情報26の履歴内容262を省略せずに表示することができ、履歴図20に表示する対象となる履歴情報26の量が増えても、視認性を低下させることなく好適に履歴図20を表示させることができる。
【0034】
また、本実実施形態では、CPU11は、履歴内容262が個別表示領域261に収まらないと判別された履歴情報26をオンマウス表示させるので、履歴内容262が履歴図20からはみ出して表示されることがなく、履歴図20の外観を損ねることがなく、かつ、要求に応じて省略された箇所を表示することができるので、操作性や作業性を損ねるおそれもない。
【0035】
また、本実実施形態では、CPU11は、段下げの実行をするかしないかを選択するための選択手段としてのトグルボタン25ないし一括トグルボタン25Aを備えるので、必要な管理項目についてのみ段下げ表示を行うので、縦軸21方向に履歴図20を必要以上に引き延ばすことなく表示することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、情報処理装置1をスタンドアロンの装置として説明したが、情報処理装置1は、LAN、インターネットに接続された複数の装置により構成されることとしてもよい。例えば、情報処理装置1は、操作部12や表示部14等のユーザインターフェースを備える端末と、記憶部15を備える記憶装置と、表示制御手段150を備えるサーバとにより構成されることとしてもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、履歴図20を表示部14に表示することとしたが、これに限らず、例えば、プリンタから印刷出力することとしてもよい。
【0038】
また、本実施形態において、情報処理装置1は、会社に所属する社員である人物の履歴情報26を管理する装置として説明したが、情報処理装置1は、この構成に限定されるものではなく、任意の組織、グループに所属する構成員の人材情報を管理する構成としてもよい。
すなわち、「社員」とは、会社に所属する社員に限定されるものではなく、組織、グループに所属する構成員等の人物を含むものとする。
【0039】
その他、情報処理装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
<請求項1>
人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、個々の履歴情報が表示される個別表示領域内に、対応する履歴情報の履歴内容の表示が収まるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記履歴内容の表示が前記個別表示領域内に収まらないと判別された場合は、当該判別された履歴情報に連続する後の履歴情報を表示する段を変更した履歴図を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を備える情報処理装置。
<請求項2>
前記表示制御手段は、前記履歴内容の表示が前記個別表示領域に収まらないと判別された前記履歴情報を前記個別表示領域からはみ出して表示させる請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記表示制御手段は、前記履歴内容の表示が前記個別表示領域に収まらないと判別された前記履歴情報を前記個別表示領域からはみ出させずに省略表示させると共に、当該省略表示された箇所がポインティングデバイスにより指示された際に前記履歴内容を全て表示させる請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記表示制御手段による前記履歴情報を表示する段の変更を実行するかしないかを選択するための選択手段を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
コンピュータを、
人員に係る履歴情報を時系列に従って配置した履歴図を表示部に表示させる際に、個々の履歴情報が表示される個別表示領域に、対応する履歴情報の履歴内容の表示が収まるか否かを判別する判別手段、
前記判別手段により前記履歴内容の表示が前記個別表示領域内に収まらないと判別された場合は、当該判定された履歴情報に連続する後の履歴情報を表示する段を変更した履歴図を前記表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0041】
1 情報処理装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
20 履歴図
25 トグルボタン
25A 一括トグルボタン
26 履歴情報
151 段下げ制御プログラム
261 個別表示領域
262 履歴内容
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7