(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記設定手段は、前記グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張性シートの他面側への印刷画像成分であって前記熱膨張層を熱膨張させるための印刷画像成分としても割り当てることを特徴とする請求項4に記載の立体造形物製造システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である立体造形物製造システムの構成図である。
立体造形物製造システム1000は、表示装置100と、表示操作部150と、二次元画像形成装置320と、発泡装置310とを備え、二次元画像形成装置320と発泡装置310とで立体画像形成装置300を構成する。特に、本実施形態の立体造形物製造システム1000は、関数グラフの立体画像を一面側に熱膨張層が形成された熱膨張性シートに形成するように構成されている。また、表示装置100は、画像形成する関数グラフの画像を表示操作部150に表示させる。
【0013】
表示装置100は、OS(Operating System)を用いた汎用の情報処理装置であり、表示操作部150に表示させる装置である。また、表示装置100は、発泡装置310や二次元画像形成装置320を制御する制御装置として使用される。表示装置100は、制御部10と、揮発性記憶部80と、不揮発性記憶部90と、通信部70とを備える。揮発性記憶部80は、RAM(Random Access Memory)であり、ワークメモリとして使用されると共に、グラフデータ85を格納する。不揮発性記憶部90は、HDD(Hard Disk Drive)やROM(Read Only Memory)であり、OS91、アプリケーションプログラム93、プリンタドライバ92等を格納する。通信部70は、LAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)のシリアルインタフェースやパラレルインタフェースである。本実施形態では、二次元画像形成装置320とUSB接続され、発泡装置310とシリアル又はパラレル接続される。表示操作部150は、表示装置100に接続されるタッチパネルであり、二次元画像を表示する表示手段と、操作者が入力する入力手段とを備える。
【0014】
発泡装置310は、熱で発泡(膨張)する発泡層(膨張層)を一面側に積層した熱膨張性シートの片面又は両面を加熱するために、発熱器具(加熱器具)としてのハロゲンランプ(不図示)を備えている。
【0015】
二次元画像形成装置320は、熱膨張性シートの特定部位を発泡(膨張)させる黒色印刷(描画)したり、熱膨張性シートの全面をCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)でカラー印刷したりするインクジェットプリンタである。二次元画像形成装置320は、熱膨張性シートの表面を膨張させる特定部位の画像データ(表面データ)と該熱膨張性シートの裏面から膨張層を膨張させる画像データ(裏面データ)と、カラー画像データとが必要である。
【0016】
なお、ハロゲンランプは、近赤外光を強く発生するので、黒色(カーボン)を強く加熱し、CMYのカラー印刷箇所では加熱量が少ない。このため、発泡層を有した熱膨張性シートは、黒色印刷された特定部位のみ発泡(膨張)し、立体造形物が形成される。言い換えれば、二次元画像形成装置320は、近赤外光を熱に変換する熱変換層(黒色層)を印刷する。ここで、黒色印刷するインクは、カーボンを含み、近赤外光の照射による発泡に寄与する。CMYのインクは、カーボンを含んでいない。このため、CMYを混色した黒色は、発熱量が少なく、発泡に寄与しない。なお、立体造形物製造システム1000は、立体画像の構造物を製造する構造物製造システムとして動作する。
【0017】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを実行することにより、設定手段20と、表示制御手段30と、入力制御手段40と、画像形成制御手段50と、通信制御部60との機能を実現する。表示制御手段30は、グラフ画像生成手段31を備え、グラフ画像生成手段31が入力された関数とパラメータとに基づいて、グラフデータ85を生成し、生成されたグラフの画像を表示操作部150に表示させる。
【0018】
生成されたグラフデータ85は、熱膨張性シートの表面に黒色で画像形成する表面データと、該熱膨張性シートの裏面に黒色で画像形成する裏面データと、熱膨張性シートの表面にカラーで画像形成するカラー画像データとから構成される。設定手段20は、軸・目盛り・割当手段21と、線・割当手段22とを備える。軸・目盛り・割当手段21は、グラフの軸や目盛りを表面データに割り当て、線・割当手段22は、二次元グラフの線(直線や、曲線)や、三次元グラフの面(平面や、曲面)を裏面データに割り当てる。なお、カラー画像データは、表面のカラー画像として割り当てられている。
【0019】
入力制御手段40は、パラメータ入力制御手段41を備え、熱膨張性シートに画像形成する関数を、予め決められた複数の関数の中から選択し、関数のパラメータを入力する入力画面を生成し、パラメータを入力する制御を行う。画像形成制御手段50は、グラフデータ85に基づいて、二次元画像形成装置320と、発泡装置310との双方を制御する制御手段である。
【0020】
通信制御部60は、通信部70を制御する制御手段であり、二次元画像形成装置320をUSB(Universal Serial Bus)制御し、発泡装置310をパラレルI/FやシリアルI/Fで制御し、表示操作部150にデジタル映像信号を送信する。
【0021】
図2は、二次元グラフの一例を示す説明図である。
二次元グラフ400は、線410と、X軸413と、Y軸414と、複数の縦目盛線417と、複数の横目盛線418と、目盛り416と、関数画像420とを備える。線410は、例えば、変数xを−5〜5まで変えたときのn次関数(三次関数)(y=2.5x
3+1.5X
2−3x−200)の軌跡を示した曲線である。線410は、x=5のとき、y=135であり、x=−5のとき、y=−490である。
【0022】
X軸413は、y=0の直線であり、複数の横目盛線418よりも太い。Y軸414は、x=0の直線であり、複数の縦目盛線417よりも太い。縦目盛線417は、x=−5(最小値)と、x=5(最大値)との間を等間隔に10分割し、該複数の分割点を通るように平行に引いた直線である。横目盛線418は、y=−500(最小値)と、y=200(最大値)との間を等間隔に7分割し、該複数の分割点の各々を通過する平行線である。
【0023】
目盛り416は、等間隔に分割された点のx座標又はy座標の文字である。関数画像420は、例えば、三次関数(y=2.5x
3+1.5x
2−3x−200)の文字列である。
【0024】
図3は、二次元グラフの表面発泡用画像の例であり、
図4は、二次元グラフの裏面発泡用画像の例であり、
図5は、二次元グラフのカラー画像の例である。
軸・目盛り・割当手段21(
図1)は、グラフのX軸413、Y軸414、縦目盛線417,横目盛線418,目盛り416を、熱膨張性シートの表面を発泡させる表面発泡画像に割り当てる。ここで、表発泡画像は、グラフのX軸413a、Y軸414a、縦目盛線417a,横目盛線418a(
図3)を含み、裏面に割り当てた線410b(
図5)との重複部分を除去したものである。また、線・割当手段22は、二次元グラフの線(直線や、曲線)を、熱膨張性シートの裏面を発泡させる裏面発泡画像(線410b)に割り当てる。なお、カラー画像データは、表面のカラー画像(
図5)として割り当てられている。
【0025】
図6は、三次元グラフの一例を示す説明図である。
三次元グラフ450は、面451と、網掛け452と、1又は複数のX軸453と、1又は複数のY軸454と、1又は複数のZ軸455と、目盛り416とを備える。面451は、例えば、−8≦x≦8、−8≦y≦8としたときの、三次元関数(z=sin(√(x
2+y
2))/√(x
2+y
2))が形成する曲面である。なお、面451は、曲面だけでなく、平面を含む。
【0026】
網掛け452は、X軸及びY軸の何れか一方又は双方の座標を等間隔に分割し、分割された一方の座標を固定し、他方の座標の軌跡を描いた曲線の集合である。X軸453とY軸454とZ軸455とは、互いに直交する。X軸453は、y座標の最小値、及び最大値の何れか一方又は双方を通り、任意のZ座標とする軌跡である。Y軸454は、x座標の最小値、及び最大値の何れか一方又は双方を通り、任意のZ座標とする軌跡である。Z軸455は、任意のx,y座標を通る、X−Y面に垂直な軌跡である。
【0027】
目盛り416は、X軸453を等間隔に分割した点と、Y軸454を等間隔に分割した点と、Z軸455を等間隔に分割した点とに示される数字である。なお、X軸、Y軸及びZ軸は、等間隔に分割することなく、例えば、指数関数的に分割することもある。
【0028】
図7は、立体造形物製造システムの表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
表示制御手段30は、グラフ設定画面を表示操作部150に表示させる(S10)。つまり、表示制御手段30は、例えば、関数グラフ作成画面500(
図8)を表示させ、関数入力画面510の関数選択欄512を用いて、操作者に立体画像を形成させる関数を選択させる。
【0029】
図8は、関数グラフ作成画面の一例を示す図であり、
図9は、パラメータ入力欄の一例を示す図である。
関数入力画面510は、パラメータ入力欄513(
図8)を備え、パラメータa,b,c,d、及びxの範囲を操作者に入力させる。具体的には、操作者は、パラメータ入力画面520のテンキー521(
図8,9)を用いて、a=2.5、b=1.5、c=−3、d=−200のパラメータを入力し、xの範囲「−5」〜「5」を入力する。
【0030】
パラメータ入力画面520は、さらに、「中止」ボタン522、「戻る」ボタン523、及び「次へ」ボタン524の組み合わせとから構成されている。つまり、操作者は、グラフ作成の中止(例えば、メニュー画面への戻り)、一つ前の画面への戻り、次の画面への進行を行うことができる。
【0031】
S10の後、表示制御手段30は、X軸、Y軸設定画面を表示操作部150に表示させる(S20)。具体的には、表示制御手段30は、X軸設定画面530(
図10)を表示させ、引き続き、Y軸設定画面550(
図11)を表示させる。
【0032】
X軸設定画面530は、軸の最大最小値設定欄531と、目盛り設定欄532と、軸強調設定欄533aとを備え、操作者が軸情報を入力する操作を行う画面である。操作者は、例えば、軸の最大最小値設定欄531の最小値「−5」、最大値「5」をテンキー521を用いて入力し、「目盛り線表示」、「方眼縦線表示」、「点字表示領域を空ける」のチェックボックスをチェックし、「目盛間隔」欄に、例えば、「1」を入力する。また、操作者は、「軸強調」のチェックボックスをチェックし、Y軸との交点「自動」のラジオメータをチェックする。Y軸との交点「自動」のラジオメータがチェックされると、表示制御手段30は、「Y軸の値」欄に交点の値(例えば、「0」)を自動表示する。
【0033】
Y軸設定画面550(
図11)は、X軸設定画面530(
図10)と同様に、軸の最大最小値設定欄531と、目盛り設定欄532と、軸強調設定欄533bとを備える。操作者は、例えば、軸の最大最小値設定欄531の最小値「−500」、最大値「200」をテンキー521を用いて入力し、「目盛り線表示」、「方眼縦線表示」、「点字表示領域を空ける」のチェックボックスをチェックし、「目盛間隔」欄に、例えば、「100」を入力する。また、操作者は、「軸強調」のチェックボックスをチェックし、Y軸との交点「自動」のラジオメータをチェックする。Y軸との交点「自動」のラジオメータがチェックされると、表示制御手段30は、「X軸の値」欄に交点の値(例えば、「0」)を自動表示する。
【0034】
S20の後、グラフ画像生成手段31は、グラフを生成する。まず、グラフ画像生成手段31は、曲線演算を行う(S30)。つまり、グラフ画像生成手段31は、例えば、三次関数(y=2.5x
3+1.5x
2−3x−200)の演算を−5≦X≦5の範囲で行い、演算結果をグラフデータ85(
図1)として、一時的に格納する。S30の後、グラフ画像生成手段31は、軸・目盛りの画像生成を行う(S35)。つまり、グラフ画像生成手段31は、X軸設定画面530(
図10)とY軸設定画面550(
図11)とを用いて設定された設定値に基づいて、X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418、目盛り416(
図2)の画像データを生成し、グラフデータ85として、一時的に格納する。
【0035】
S35の後、軸・目盛り・割当手段21(
図1)は、グラフのX軸413、Y軸414、縦目盛線417,横目盛線418,目盛り416を、熱膨張性シートの表面を発泡させる表面発泡データに割り当てる(S40)。このとき、グラフのX軸413、Y軸414の濃度は、縦目盛線417,横目盛線418の濃度よりも濃い値に予め設定されている。S40の後、線・割当手段22は、二次元グラフの線(直線や、曲線)を、熱膨張性シートの裏面を発泡させる裏面発泡データに割り当てる(S45)。このとき、二次元グラフの線の濃度は、グラフのX軸413、Y軸414よりも濃い値に予め設定されている。また、設定手段20は、二次元グラフの線を表面のカラー画像として割り当て、グラフのX軸413、Y軸414、縦目盛線417,横目盛線418,目盛り416を、表面の黒色画像(CMY混色画像)として割り当てる(S50)。
【0036】
S50の後、グラフ画像生成手段31は、グラフ画像を表示操作部150(
図1)に描画させる(S55)。つまり、グラフ画像生成手段31は、関数描画画面560(
図12)に示すように、線410、X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418、目盛り416を表示させる。また、関数描画画面560は、「次へ」ボタン524を備え、次の画面への進行を行うことができる。
【0037】
図13は、表面画像編集画面の一例を示す図である。
表面画像編集画面620は、線410と、X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418とからなる二次元グラフ401と、ビットマップ変更画面625とを備える。ビットマップ変更画面625は、表側の画像ビットマップの太さ、及び発泡高さを変更する画面であり、特に、「表側の画像ビットマップデータ」のラジオメータがオンになっており、表側のCMYのカラー画像を編集する画面である。
【0038】
なお、表面発泡データの変更は、「表側の発泡ビットマップデータ」のラジオメータをオンにし、裏側発泡データの変更は、「裏側の発泡ビットマップデータ」のラジオメータをオンにし、点字発泡データの変更は、「点字の発泡ビットマップデータ」のラジオメータをオンにして行う。
【0039】
図14は、裏面画像編集画面の一例を示す図である。
裏面画像編集画面630は、線410のみからなる二次元グラフ402と、ビットマップ変更画面635とを備える。ビットマップ変更画面635は、ビットマップ変更画面625(
図13)と同様の画面であるが、「裏側の発泡ビットマップデータ」のラジオメータがオンになっている。
【0040】
図15は、縦目盛線と横目盛線との交点の発泡ビットマップを説明する説明図である。
軸・目盛り・割当手段21(
図1)は、縦目盛線417、及び横目盛線418を個別に表面に割り当てるが、交点419では、濃度が増加する。このため、交点419の発泡高さが他の直線部よりも高くなってしまう。この現象を回避するため、軸・目盛り・割当手段21は、交点419の濃度を低下させる。
【0041】
S55の後、表示制御手段30は、表示されたグラフが適切か否か判定された判定結果を入力する(S60)。描画したグラフの上限や下限が不適切であるような判定結果であれば(S60でグラフ再設定)、表示制御手段30は、処理をS10に戻し、グラフ設定画面を表示させる。また、描画したグラフの位置が悪いというような判定結果であれば(S60でX軸、Y軸再設定)、表示制御手段30は、処理もS20に戻し、X軸設定画面530、Y軸設定画面550を表示操作部150に表示させる。
【0042】
一方、表示されたグラフが適切であるという判定結果であれば(S60で画像形成)、画像形成制御手段50(
図1)は、二次元画像形成装置320、及び発泡装置310に対して、三次元画像の形成を指示し(S70)、処理を終了する。
【0043】
図16は、立体造形物の一例の平面図であり、
図17は、両面に二次元画像形成された熱膨張性シートのA−A断面図である。
図16の平面図は、
図2の二次元グラフと同様なものであり、
図17のA−A断面図の断面位置を記している。
画像形成制御手段50は、まず、二次元画像形成装置320を用いて、X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418、目盛り416(
図2)を黒色で熱膨張性シートの表面に画像形成する。このとき、グラフのX軸413aは、横目盛線418aよりも、幅が広く、濃い濃度に設定されている。
【0044】
さらに、画像形成制御手段50は、熱膨張性シートの裏面側に線410(
図2)を黒色で画像形成する。このとき、線410bの濃度は、表側のX軸413aよりも濃い値に予め設定されている。また、画像形成制御手段50は、熱膨張性シートの表面にカラーで画像形成する。
図17では、表側の線410aは、赤で画像形成されており、裏側の線410bよりも幅が広い。なお、X軸413、Y軸414、縦目盛線417、横目盛線418、目盛り416を黒色で表現するときには、画像形成制御手段50は、CMYの全色を用いて画像形成する。
【0045】
次に、画像形成制御手段50は、発泡装置310を用いて、熱膨張性シートに近赤外光を照射し、黒色で画像形成した部位(熱膨張性シートの裏面側の線410や、表面側のX軸413、Y軸414、縦目盛線417、横目盛線418、目盛り416)を発泡させる。
【0046】
図18は、立体造形物の一例のA−A断面図であり、
図19は、立体造形物の一例の斜視図である。
グラフのX軸413aは、横目盛線418aよりも、幅が広く、濃い濃度に設定されている。このため、グラフのX軸413、Y軸414の方が縦目盛線417,横目盛線418よりも高く発泡する。また、線410b(
図17)の濃度は、表側のX軸413a(
図17)よりも濃い値に予め設定されているので、線410は、Y軸413よりも高く発泡する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の立体造形物製造システム1000は、表面側(一面側)に熱膨張層が形成された熱膨張性シートに関数グラフ(二次元グラフ400(
図2)や三次元グラフ450(
図3))の2.5D画像(立体造形物、立体画像)を形成することができる。具体的には、立体造形物製造システム1000は、グラフ軸としてのX軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418(
図2)を表面側に割り当て、このグラフ軸(X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418)をカーボンを含む黒色で熱膨張性シートの表面側に画像形成する。立体造形物製造システム1000は、裏面側に縦目盛線417(
図2)や面451(
図3)を割り当て、この縦目盛線417をカーボンを含む黒色で熱膨張性シートの裏面側に画像形成する。なお、三次元グラフ450の網掛け451(
図3)は、表面への画像形成でも裏面の画像形成でも構わないが、表面が好ましい。
【0048】
そして、立体造形物製造システム1000は、黒色で画像形成された熱膨張性シートを加熱し、熱膨張層を膨張させる。これにより、熱膨張性シートは、線410や面451が裏面側から時間を掛けて熱膨張層を表面側に膨張させ、グラフ軸(X軸413、Y軸414、縦目盛線417や418)が表面側で直ぐに熱膨張する。これにより、熱膨張性シートは、裏面側の線410よりも表面側のX軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418の方が高さ変化量が大きくなるように熱膨張する。つまり、熱膨張性シートは、線410や面451とグラフ軸(X軸413、Y軸414、縦目盛線417や横目盛線418)とが適宜選択され、より適切な立体造形物が形成される。
【0049】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段と、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段で表示されるグラフのうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、熱膨張性シートにおける熱膨張層を前記熱膨張性シートの一面側から熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張層を前記熱膨張性シートの他面側から熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てる設定手段と、
を備えたことを特徴とする立体造形物製造システム。
<請求項2>
前記熱膨張層が形成されている側が前記一面側とされていることを特徴とする請求項1に記載の立体造形物製造システム。
<請求項3>
前記一面側に割り当てたグラフ軸またはグラフ目盛りは、前記他面側に割り当てたグラフ線又はグラフ曲との重複部分を除去したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体造形物製造システム。
<請求項4>
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段と、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段でプレビュー表示されるグラフの成分のうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、一面側に熱膨張層が形成された熱膨張性シートにおける前記熱膨張層上への印刷画像成分であって前記熱膨張層を熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張層上への印刷画像成分であって前記熱膨張層の熱膨張に非寄与的な印刷画像成分として割り当てる設定手段と、
を備えたことを特徴とする立体造形物製造システム。
<請求項5>
前記設定手段は、前記グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張性シートの他面側への印刷画像成分であって前記熱膨張層を熱膨張させるための印刷画像成分としても割り当てることを特徴とする請求項4に記載の立体造形物製造システム。
<請求項6>
前記熱膨張層の熱膨張に非寄与的な印刷画像成分は、三原色混色画像であり、
前記熱膨張層を熱膨張させるための印刷画像成分は、カーボンを含む黒色画像であることを特徴とする請求項5に記載の立体造形物製造システム。
<請求項7>
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段と、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段でプレビュー表示されるグラフの成分のうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、表面からの光照射により前記表面側に設けられた熱膨張層を隆起させるための画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、裏面からの光照射により熱膨張層を隆起させるための画像成分として割り当てる設定手段と、
を備えたことを特徴とする立体造形物製造システム。
<請求項8>
熱膨張性シートを立体造形させる装置のコンピュータを、
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段、
前記表示制御手段で表示されるグラフのうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、前記熱膨張性シートにおける熱膨張層を前記熱膨張性シートの一面側から熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張層を前記熱膨張性シートの他面側から熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てる設定手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項9>
一面側に熱膨張層が形成された熱膨張性シートを立体造形させる装置のコンピュータを、
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段、
前記表示制御手段でプレビュー表示されるグラフの成分のうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、前記熱膨張性シートにおける前記熱膨張層上への印刷画像成分であって前記熱膨張層を熱膨張させるための印刷画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、前記熱膨張層上への印刷画像成分であって前記熱膨張層の熱膨張に非寄与的な印刷画像成分として割り当てる設定手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項10>
表面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートを立体造形させる装置のコンピュータを、
所定の関数式にパラメータを代入するための入力手段、
前記入力手段によりパラメータが代入された前記関数式に基づいて描画されるグラフの画像を表示させる表示制御手段、
前記表示制御手段でプレビュー表示されるグラフの成分のうち、グラフ軸またはグラフ目盛りを、表面からの光照射により前記熱膨張層を隆起させるための画像成分として割り当てるとともに、グラフ線又はグラフ面を、裏面からの光照射により熱膨張層を隆起させるための画像成分として割り当てる設定手段、
として機能させるためのプログラム。