(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レーン情報は、前記複数の前記レーンの各々が実装されているか否かを示す情報、および、前記レーンを通じて伝送される光信号の波長に関する情報の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のホスト基板。
前記複数のレーンは、前記光トランシーバの第1の伝送容量のための第1のレーンと、前記第1の伝送容量とは異なる、前記光トランシーバの第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のホスト基板。
前記管理部は、前記コネクタに前記光トランシーバが接続されたことを検知して、前記光トランシーバから前記レーン情報を読出す、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のホスト基板。
前記複数のレーンは、前記光受信器の第1の伝送容量のための第1のレーンと、前記第1の伝送容量とは異なる、前記光受信器の第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む、請求項8に記載の光受信器。
前記複数のレーンは、前記光送信器の第1の伝送容量のための第1のレーンと、前記第1の伝送容量とは異なる、前記光送信器の第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む、請求項12に記載の光送信器。
前記光トランシーバよりも高い伝送容量を有する別の光トランシーバを、前記光トランシーバに替えて前記コネクタに接続するステップをさらに備える、請求項16に記載のホスト基板への光トランシーバの実装方法。
前記光トランシーバの伝送容量と同じ第1の伝送容量および前記光トランシーバの前記伝送容量よりも大きい第2の伝送容量を有する別の光トランシーバを、前記光トランシーバに替えて前記コネクタに接続するステップをさらに備える、請求項16に記載のホスト基板への光トランシーバの実装方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0022】
(1)本発明の一態様に係るホスト基板は、光トランシーバを実装するためのホスト基板であって、単数または複数のレーンを有する光トランシーバを着脱可能に構成され、レーンの数に対応する電気的接点を含むコネクタと、コネクタを通じて、光トランシーバから光トランシーバのレーンに関するレーン情報を受信して、使用可能な電気的接点を特定する管理部と、コネクタを通じて光トランシーバとの間で通信する通信部とを備える。通信部は、管理部によって特定された電気的接点を通じて、光トランシーバとの間で情報を通信できるように構成される。
【0023】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のためのホスト基板を提供することができる。管理部は、光トランシーバからのレーン情報に基づいて、使用可能なコネクタの電気的接点を特定する。レーン数の変更によって伝送容量を変更することができる。使用可能な電気的接点を特定することにより、レーン数を変更することができる。したがって、伝送容量の段階的な変更が可能である。
【0024】
(2)好ましくは、レーン情報は、複数のレーンの各々が実装されているか否かを示す情報、および、レーンを通じて伝送される光信号の波長に関する情報の少なくとも一方を含む。
【0025】
上記によれば、管理部は、レーン数を判定することができる。さらに、管理部は、たとえば波長に関する情報に基づいて、同じ光ファイバに時分割多重ではなく、波長多重が可能なレーンの組み合わせを知ることができる。
【0026】
(3)好ましくは、レーン情報は、光トランシーバの伝送容量に関する情報を含む。管理部は、伝送容量に関する情報に基づいて、レーンの数を判定して、使用可能な電気的接点を特定する。
【0027】
上記によれば、管理部は、光トランシーバのサポートする伝送容量の情報から、使用可能な電気的接点を特定することができる。
【0028】
(4)好ましくは、コネクタは、4つのレーンに対応する数の電気的接点を含む。
上記によれば、たとえば、4レーンによる並列伝送を実現することができる。一例では、40Gbps(10G×4)あるいは100Gbps(25G×4)などの伝送容量を実現することができる。
【0029】
(5)好ましくは、複数のレーンは、光トランシーバの第1の伝送容量のための第1のレーンと、第1の伝送容量とは異なる、光トランシーバの第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む。
【0030】
上記によれば、第1の伝送容量および第2の伝送容量の両方を達成できる光トランシーバがホスト基板に接続される。したがって、小さい伝送容量を有する旧世代のシステムと、大きい伝送容量を有する新世代のシステムとを共存させることができる。
【0031】
(6)好ましくは、管理部は、コネクタに光トランシーバが接続されたことを検知して、光トランシーバからレーン情報を読出す。
【0032】
上記によれば、ホスト基板への光トランシーバのプラグインによりレーン数を変更することができるので、伝送容量の変更を容易に実現できる。
【0033】
(7)本発明の一態様に係る光受信器は、光ファイバを介して伝搬された、波長多重された光信号から、単数または複数の受信すべき光信号を分離する波長分離部と、受信すべき光信号を受信して電気信号を出力する、単数または複数の光受信部と、光受信部からの電気信号をホスト基板に出力するための電気的接点を含むインタフェースと、光受信部からの電気信号をホスト基板に伝達するために使用可能な電気的接点と当該光受信部とを特定するための情報を、ホスト基板に通知する通信部とを備える。
【0034】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のための光受信器を提供することができる。ホスト基板は、光受信器からの情報に基づいて、光受信器から電気信号を受信するための電気的接点を特定できる。さらに光受信器では、サポートされていない伝送容量に対応する波長多重信号を受信しても、伝送されるべきデータとは関係しない波長の光信号を無視することができる。
【0035】
(8)好ましくは、前記情報は、複数のレーンの各々が実装されているか否かを示す情報、および、レーンを通じて伝送される光信号の波長に関する情報の少なくとも一方を含む。
【0036】
上記によれば、光受信器は、ホスト基板に対して、レーン数を判定することが可能な情報を提供することができる。さらに光受信器が、光信号の波長に関する情報をホスト基板に通知することによって、ホスト基板は、たとえば同じ光ファイバに時分割多重ではなく、波長多重が可能なレーンの組み合わせを知ることができる。
【0037】
(9)好ましくは、複数のレーンは、光受信器の第1の伝送容量のための第1のレーンと、第1の伝送容量とは異なる、光受信器の第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む。
【0038】
上記によれば、第1の伝送容量および第2の伝送容量の両方を達成できる光受信器がホスト基板に接続される。したがって、小さい伝送容量を有する旧世代のシステムと、大きい伝送容量を有する新世代のシステムとを共存させることができる。
【0039】
(10)好ましくは、情報は、光受信器の伝送容量に関する情報を含む。
上記によれば、ホスト基板に、光受信器のサポートする伝送容量に関する情報を提供できる。したがって、ホスト基板は、レーン数を判定することができるとともに、使用可能な電気的接点を特定することができる。
【0040】
(11)本発明の一態様に係る光送信器は、ホスト基板からの電気信号を受信して、同一波長または異なる波長の光信号を送出する、単数または複数の光送信部と、単数または複数の光送信部からの光信号を光ファイバに送出し、かつ、単数または複数の光送信部からの光信号の波長が異なる場合には、波長多重された光信号を光ファイバに送出する波長多重部と、ホスト基板からの電気信号を受けるための電気的接点を含むインタフェースと、ホスト基板からの電気信号を光送信部に伝達するために使用可能な電気的接点と当該光送信部とを特定するための情報を、ホスト基板に通知する通信部とを備える。
【0041】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のための光送信器を提供することができる。ホスト基板は、光送信器からの情報に基づいて、ホスト基板からの電気信号を受信するための電気的接点を特定できる。
【0042】
(12)好ましくは、情報は、複数のレーンの各々が実装されているか否かを示す情報、および、レーンを通じて伝送される光信号の波長に関する情報の少なくとも一方を含む。
【0043】
上記によれば、光送信器は、ホスト基板に対して、レーン数を判定することが可能な情報を提供することができる。さらに光送信器が、光信号の波長に関する情報をホスト基板に通知することによって、ホスト基板は、たとえば同じ光ファイバに時分割多重ではなく、波長多重が可能なレーンの組み合わせを知ることができる。
【0044】
(13)好ましくは、複数のレーンは、光送信器の第1の伝送容量のための第1のレーンと、第1の伝送容量とは異なる、光送信器の第2の伝送容量のための第2のレーンとを含む。
【0045】
上記によれば、第1の伝送容量および第2の伝送容量の両方を達成できる光送信器がホスト基板に接続される。したがって、小さい伝送容量を有する旧世代のシステムと、大きい伝送容量を有する新世代のシステムとを共存させることができる。
【0046】
(14)好ましくは、情報は、光送信器の伝送容量に関する情報を含む。
上記によれば、ホスト基板に、光送信器のサポートする伝送容量に関する情報を提供できる。したがって、ホスト基板は、レーン数を判定することができるとともに、使用可能な電気的接点を特定することができる。
【0047】
(15)本発明の一態様に係る光トランシーバは、光ファイバを介して伝搬された、波長多重された光信号から、単数または複数の受信すべき光信号を分離する波長分離部と、波長分離部と一体化または波長分離部から分離された波長多重部と、受信すべき光信号を受信する、単数または複数の光受信部と、ホスト基板からの電気信号を受信して光信号を出力する、単数または複数の光送信部と、ホスト基板から電気信号を受けるための第1の電気的接点と、光受信部からの電気信号をホスト基板に出力するための第2の電気的接点とを有するインタフェースと、ホスト基板に、光受信部と、光送信部と、ホスト基板からの電気信号を光送信部に伝達するために使用可能な第1の電気的接点と、光受信部からの電気信号をホスト基板に伝達するために使用可能な第2の電気的接点とを特定するための情報を通知する通信部とを備える。
【0048】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更を可能にするための光トランシーバを提供することができる。
【0049】
(16)本発明の一態様に係るホスト基板への光トランシーバの実装方法は、レーン情報を記憶した光トランシーバを、ホスト基板のコネクタに接続するステップと、光トランシーバからレーン情報を読み出すステップと、レーン情報に基づいて、レーン数を判定するステップと、レーン数に基づいて、マルチレーン分配のための制御を実行するステップとを備える。
【0050】
上記によれば、光トランシーバがコネクタに接続されるごとに、レーン数を判定することができる。したがって伝送容量の段階的な変更を実現することができる。
【0051】
(17)好ましくは、方法は、光トランシーバよりも高い伝送容量を有する別の光トランシーバを、光トランシーバに替えてコネクタに接続するステップをさらに備える。
【0052】
上記によれば、ホスト基板のコネクタに接続される光トランシーバを交換することにより伝送容量を変更することができる。
【0053】
(18)好ましくは、ホスト基板への光トランシーバの実装方法は、光トランシーバの伝送容量と同じ第1の伝送容量および光トランシーバの伝送容量よりも大きい第2の伝送容量を有する別の光トランシーバを、前記光トランシーバに替えてコネクタに接続するステップをさらに備える。
【0054】
上記によれば、第1の伝送容量および第2の伝送容量の両方を達成できる光トランシーバがホスト基板に接続される。したがって、小さい伝送容量を有する旧世代のシステムと、大きい伝送容量を有する新世代のシステムとを共存させることができる。
【0055】
(19)本発明の一態様に係るホスト基板は、光トランシーバを実装するためのホスト基板であって、単数または複数のレーンを有する光トランシーバを着脱可能に構成されたコネクタと、コネクタを通じて、光トランシーバから光トランシーバの使用可能なレーンに関するレーン情報を受信して、使用可能なレーンを特定する管理部と、コネクタを通じて光トランシーバとの間で通信する通信部とを備える。通信部は、管理部によって特定された、使用可能なレーンを伝送されるデータを、光トランシーバとの間で通信できるように構成される。
【0056】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のためのホスト基板を提供することができる。管理部は、光トランシーバからのレーン情報に基づいて、使用可能なレーンを特定する。レーン数の変更によって伝送容量を変更することができる。使用可能なレーンを特定することにより、レーン数を変更することができる。したがって、伝送容量の段階的な変更が可能である。
【0057】
(20)本発明の一態様に係る光受信器は、光ファイバを介して伝搬された、波長多重された光信号から、単数または複数の受信すべき光信号を分離する波長分離部と、受信すべき光信号を受信して電気信号を出力する、単数または複数の光受信部と、光受信部からの電気信号をホスト基板に出力するためのインタフェースと、光受信部からの電気信号をホスト基板に伝達するために使用可能なレーンと、当該光受信部とを特定するための情報を、ホスト基板に通知する通信部とを備える。
【0058】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のための光受信器を提供することができる。ホスト基板は、光受信器からの情報に基づいて、光受信器から電気信号を受信するために使用可能なレーンを特定できる。さらに光受信器では、サポートされていない伝送容量に対応する波長多重信号を受信しても、伝送されるべきデータとは関係しない波長の光信号を無視することができる。
【0059】
(21)本発明の一態様に係る光送信器は、ホスト基板からの電気信号を受信して、同一波長または異なる波長の光信号を送出する、単数または複数の光送信部と、単数または複数の光送信部からの光信号を光ファイバに送出し、かつ、単数または複数の光送信部からの光信号の波長が異なる場合には、波長多重された光信号を光ファイバに送出する波長多重部と、ホスト基板からの電気信号を受けるためのインタフェースと、ホスト基板からの電気信号を光送信部に伝達するために使用可能なレーンと、当該光送信部とを特定するための情報を、ホスト基板に通知する通信部とを備える。
【0060】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更が可能な光通信のための光送信器を提供することができる。ホスト基板は、光送信器からの情報に基づいて、光送信器から電気信号を受信するために使用可能なレーンを特定できる。
【0061】
(22)本発明の一態様に係る光トランシーバは、光ファイバを介して伝搬された、波長多重された光信号から、単数または複数の受信すべき光信号を分離する波長分離部と、波長分離部と一体化または波長分離部から分離された波長多重部と、受信すべき光信号を受信する、単数または複数の光受信部と、ホスト基板からの電気信号を受信して光信号を出力する、単数または複数の光送信部と、ホスト基板から電気信号を受けるとともに、光受信部からの電気信号をホスト基板に出力するためのインタフェースと、ホスト基板に、光受信部と、光送信部と、ホスト基板からの電気信号を光送信部に伝達し、かつ光受信部からの電気信号をホスト基板に伝達するために使用可能なレーンとを特定するための情報を通知する通信部とを備える。
【0062】
上記によれば、伝送容量の段階的な変更を可能にするための光トランシーバを提供することができる。
【0063】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0064】
図1は、一実施形態に係る光通信システムの構成例を示した図である。
図1において、PON(Passive Optical Network)システム300は、一実施形態に係る光通信システムである。PONシステム300は、局側装置301と、宅側装置302と、PON回線303と、光スプリッタ304とを備える。「局側装置」および「宅側装置」は「OLT(Optical Line Terminal)」および「ONU(Optical Network Unit)」とそれぞれ読み替えてもよい。
【0065】
局側装置301は、通信事業者の局舎に設置される。局側装置301は、ホスト基板(図示せず)を搭載する。ホスト基板には、電気信号と光信号とを相互に変換する光トランシーバ(図示せず)が接続される。
【0066】
宅側装置302は、ユーザ側に設置される。複数の宅側装置302の各々は、PON回線303を介して局側装置301に接続される。
【0067】
PON回線303は、光ファイバにより構成された光通信回線である。PON回線303は、幹線光ファイバ305、および、少なくとも1つの支線光ファイバ306を含む。光スプリッタ304は、幹線光ファイバ305および支線光ファイバ306に接続される。PON回線303には、複数の宅側装置302が接続可能である。
【0068】
局側装置301から送信された光信号は、PON回線303を通り、光スプリッタ304によって複数の宅側装置302へと分岐される。一方、各々の宅側装置302から送信された光信号は、光スプリッタ304によって集束されるとともに、PON回線303を通って局側装置301に送られる。光スプリッタ304は、外部からの電源供給を特に必要とすることなく、入力された信号から受動的に信号を分岐または多重する。
【0069】
PONシステム300は、P2MP(Point−to−Multipoint)型のシステムである。本発明の実施の形態に係る光通信システムは、P2P(Peer to Peer)型のシステムであってもよい。
【0070】
高速PONシステムとして、上り信号または下り信号に複数波長が割り当てられ、複数波長を波長多重して上り信号または下り信号を構成する波長多重型PONシステムが検討されている。たとえば100Gbps級PONでは、上りおよび下りに、1波長あたりの伝送容量が25Gbpsの信号をそれぞれ4波長割り当て、それらを波長多重する構成とすることができる。このような波長多重型PONシステムの導入シナリオとして、伝送容量の段階的な拡張(アップグレード)が考えられる。以下に説明される図面において、「Day1」、「Day2」、「Day3」等は、伝送容量の拡張の段階の表記である。なお、伝送容量の拡張の段階を示す名称は特に限定されない。たとえば「世代」との用語を用いて、「第1世代」、「第2世代」のように段階を表記してもよい。
【0071】
<実施の形態1>
図2から
図4に示されるように、伝送容量の拡張の1つのシナリオは、光トランシーバを追加することである。
図2を参照して、ホスト基板1は、局側装置301(
図1を参照)に搭載され、ポート11〜14と、電気処理LSI(Large Scale Integrated circuit)2と、集線LSI3とを有する。ポート11〜14の各々は、光トランシーバとの間で信号およびデータを入出力できるように構成される。各ポートは、コネクタによって実現される。
【0072】
ポート11〜14の各々は、25Gbps用の光トランシーバ101を接続できるように構成されている。「Day1」の段階では、ポート11にのみ光トランシーバ101が接続されている。
【0073】
電気処理LSI2は、ホスト基板1の外部との間で情報を通信する。電気処理LSI2は、光トランシーバ101から出力された電気信号に対して各種の処理を施す。さらに、電気処理LSI2は、集線LSI3を通じてホスト基板1の外部から電気信号を受けて、光トランシーバ101に入力されるべき電気信号を生成する。集線LSI3は、電気信号のための複数の伝送路を収容する。
【0074】
電気処理LSI2は、マルチレーン分配制御をサポートする。一実施形態では、電気処理LSI2は、25Gbpsの4つのレーンによって、100Gbpsの伝送を実現することができる。レーン数を変更することによって、電気処理LSI2は、25Gbps,50Gbps,100Gbpsの伝送速度をサポートする。
【0075】
光トランシーバ101は、宅側装置302からの光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。電気信号は、光トランシーバ101からポート11を通じて電気処理LSI2へと出力される。一方、光トランシーバ101は、電気処理LSI2からポート11を通じて電気信号を受信して、その電気信号を光信号に変換する。光信号は、光トランシーバ101からPON回線(
図1を参照)を通じて宅側装置302へと送られる。
【0076】
図3は、
図2に示された段階から、伝送容量を50Gbpsに拡張した段階(Day2)を示した図である。
図2および
図3を参照して、「Day2」の段階では、光トランシーバ101に加えて、25Gbps用の光トランシーバ102がホスト基板1に実装される。光トランシーバ102は、ポート12に接続される。
【0077】
光トランシーバ101と光トランシーバ102とでは、光信号の波長が異なる。光波長多重分離器(WM)31は、光トランシーバ101からの波長λ1の光信号と、光トランシーバ102からの波長λ2の光信号とを多重化する。波長多重された光信号は、宅側装置302へ送られる。一方、光波長多重分離器31は、宅側装置302からの波長多重された光信号を2つの光信号に分離する。光トランシーバ101,102の各々は、光波長多重分離器31からの対応する光信号を受信する。
【0078】
図4は、
図3に示された段階から、伝送容量を100Gbpsに拡張した段階(Day3)を示した図である。
図3および
図4を参照して、「Day3」の段階では、25Gbps用の4つの光トランシーバ(光トランシーバ101,102,103,104)がホスト基板1に実装される。光トランシーバ103,104は、それぞれポート13,14に接続される。光波長多重分離器31は、光トランシーバ101,102からの光信号に加えて、光トランシーバ103からの波長λ3の光信号と、光トランシーバ104からの波長λ4の光信号とを多重化する。一方、光波長多重分離器31は、宅側装置302からの波長多重された光信号を4つの光信号に分離する。光トランシーバ101〜104の各々は、光波長多重分離器31からの対応する光信号を受信する。
【0079】
図2〜
図4に示されたシナリオを実現するには、以下の点を考慮する必要がある。第1に、将来の使用を予想して、複数のポートをホスト基板1に実装しなければならない。一方、Day1の段階では、1つのポートのみ使用され、3つのポートは未使用である。しかしDay1の段階では、未使用ポートは無駄になる。さらに、Day1で準備された4つのポートにより伝送容量の拡張を実現するので、ホスト基板あたりの伝送容量が小さい。
【0080】
第2に、伝送容量を拡張する場合(Day1からDay2への移行時)には、光波長多重分離器31を設置する必要がある。このため光波長多重分離器31は、局側装置301とは別に設置される可能性が高い。しかし、光波長多重分離器31を設置するスペースを確保するのが難しい可能性がある。
【0081】
第3に、伝送容量を拡張する際には、追加された光トランシーバと、光波長多重分離器31との間を、光ファイバで接続しなければならない。このため光ファイバの配線が煩雑になりやすい。
【0082】
上記の観点から、実施の形態1では、以下のシナリオを採用することができる。
図5は、一実施形態に係るホスト基板の構成を示した図である。
図5を参照して、ホスト基板1は、ポート11と、電気処理LSI2と、集線LSI3とを備える。ポート11は、光トランシーバ101、光トランシーバ121、および光トランシーバ111の各々が着脱可能なように構成される。光トランシーバ121は、25Gbps、波長λ1の4つのチャネルを有する。光トランシーバ111は、25Gbps×4波長(λ1,λ2,λ3,λ4)光トランシーバである。
【0083】
本発明の実施の形態に係る光トランシーバは、ポート11に接続されることにより、電気処理LSI2に、光トランシーバがサポートする伝送容量に関する情報を出力する。電気処理LSI2は、ポート11を通じて、その情報を取得する。光トランシーバとホスト基板1との間の通信プロトコルとしては、たとえばMDIO(Management Data Input/Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、あるいはI
2Cといったシリアル通信を用いることができる。
【0084】
図6は、光トランシーバ、ポート11および電気処理LSI2の間の電気的接続に関する構成を模式的に示した図である。
図6において、ポート11に接続可能な光トランシーバとして光トランシーバ111が代表的に示される。ポート11は、コネクタにより実現される。コネクタは、電気的接点4a,4b,4c,4d,6a,6b,6c,6d,8を有する。
【0085】
電気的接点4a,4b,4c,4dは、高速信号線5a,5b,5c,5dにそれぞれ接続される。電気的接点6a,6b,6c,6dは、高速信号線7a,7b,7c,7dにそれぞれ接続される。電気的接点8は、制御信号線9に接続される。
【0086】
光トランシーバ111は、電気インタフェース43を含む。電気インタフェース43は、ピン43a〜43iを有する。光トランシーバ111がコネクタ(ポート11)に接続された状態において、ピン43a〜43iは、電気的接点4a〜4d、6a〜6d,8にそれぞれ電気的に接続される。光トランシーバ111のピン配置は、たとえばCFP MSA(Centum gigabit Form factor Pluggable Multi−Source Agreement)に従ってもよい。一実施形態では、光トランシーバは、CFP4と呼ばれる規格に従ってもよい。
【0087】
高速信号線5a,5b,5c,5d,7a,7b,7c,7dおよび制御信号線9は、電気処理LSI2に接続される。高速信号線5a,5b,5c,5dが1つの組をなすとともに、高速信号線7a,7b,7c,7dがもう1つの組をなす。2つの組のうちの一方の高速信号線は、コネクタ(ポート11)に接続された光トランシーバから電気処理LSI2に電気信号を伝達するために用いられる。他方の組の高速信号線は、電気処理LSI2から、その光トランシーバに電気信号を伝達するために用いられる。
【0088】
それぞれの組の1つの信号線が1つのレーンに対応する。したがって、光トランシーバ101の場合には、高速信号線5a,5b,5c,5dのうちの1つと、高速信号線7a,7b,7c,7dのうちの1つとが電気処理LSI2と光トランシーバ101との間の電気信号の伝達のために用いられる。
図6において、信号を伝達するための線は、1本の直線によって示されている。しかし、信号を伝達するための線は、差動信号対(すなわち2本の線)によって構成されていてもよい。
【0089】
光トランシーバのピン43a〜43iは、光受信部からの電気信号を、コネクタの電気的接点を通じてホスト基板1に出力するために使用可能なピン(電気的接点)を含む。さらに、光トランシーバのピン43a〜43iは、電気処理LSI2からの電気信号をコネクタの電気的接点から受けるために使用可能なピンと、光トランシーバに記憶された情報を出力するためのピンとを含む。各ピンは、コネクタ(ポート11)の対応する電気的接点に接続される。
【0090】
伝送容量に関する情報を表す電気信号は、光トランシーバ111から制御信号線9を通じて電気処理LSI2に送られる。電気処理LSI2は、制御信号線9あるいは
図6に示されていない別の信号線を通じて、光トランシーバを制御するための信号をポート11(コネクタ)に接続された光トランシーバに送ってもよい。
【0091】
図7は、電気処理LSI2の下り信号処理に関する構成の概略を示したブロック図である。
図7を参照して、電気処理LSI2は、データ転送部21と、MAC(Media Access Control)22と、RS(Reconciliation Sublayer)23と、PCS(Physical Coding Sublayer)24a,24b,24c,24dと、PMA(Physical Medium Attachment)25a,25b,25c,25dと、マルチレーン分配コントローラ26と、レーン数判定部27とを含む。
【0092】
データ転送部21、MAC22、RS23、PCS24a〜24d、およびPMA25a,25b,25c,25dは、外部と通信するとともにコネクタを通じて光トランシーバとの間で通信する通信部を実現する。
図6に示されるように、電気処理LSI2はコネクタ(ポート11)の電気的接点を通じて光トランシーバに電気的に接続される。
【0093】
データ転送部21は、MACフレームの中継処理、複数MACから来るトラフィックを束ねる集線処理、上位装置と複数回線を使って接続するためのリンクアグリゲーションなどの処理を実行する。MAC22は、Ethernet(登録商標) MACフレームに、フレームの宛先を示すLLID(Logical Link Identifier)を付与してPON MACフレームへの変換を行う。そして、MAC22は、LLIDごとのデータを、LLIDごとに設けられた物理的または論理的データバッファに保管する。
【0094】
マルチレーン分配コントローラ26は、MPMC(Multi−Point MAC Control)副層が管理する、各LLIDの宛先がどのレーンに接続されるかの情報と、ポートに接続されている光トランシーバのレーン情報とを用いて、各LLID宛データバッファからのデータブロック読み出し量と、読み出したデータブロックをどのレーンを使って送信するかをRS23に指示する。
【0095】
RS23は、マルチレーン分配コントローラの指示に従い、MAC22の各LLID宛データバッファから、特定のデータ長を単位とするデータブロックまたはその整数倍で読み出して、データブロックごとに、データの宛先を示すLLIDと、データ構成順序を示すシーケンス番号を付与する。RS23は、レーンごとに設けた送信バッファにデータブロックを振り分ける。ここで、特定のデータ長単位とは、PCSで処理するFEC(Forward Error Correction)の符号長単位とすることができる。
【0096】
PCS24a〜24dの各々は、レーンごとに設けた送信バッファから、データブロックを読み出し、MACフレーム間ギャップの調整、64B/66Bのエンコード、FECエンコードを行う。さらに、PMA25a〜25dの各々は、光トランシーバとインタフェースするためのパラレル/シリアル変換を実行する。
【0097】
一方、光トランシーバから送られてきた複数レーンの受信データは、PCS24a〜24dのうちの対応するPCSにおいて、64B/66Bデコード、FECデコード、デスクランブル等の処理が実行され、図示しない受信バッファに一旦保管される。データブロックの受信後、MAC22では、データブロックに付与されたLLID(どのONUから送られたデータであるかを示す)と、データブロックに付与されたデータ構成順序を示すシーケンス番号に対応して、LLIDごとに設けられた物理的または論理的な各LLID宛データバッファにデータブロックが振り分けられ、PON MACフレームからEthernet(登録商標) MACフレームに変換される。データ転送部21は、データ構成順序を示すシーケンス番号順にデータバッファからデータを取得して、MACフレームの中継処理、複数MACから来るトラフィックを束ねる集線処理、上位装置と複数回線を使って接続するためのリンクアグリゲーションなどの処理を実行する。
【0098】
マルチレーン分配コントローラ26およびレーン数判定部27はホスト基板1上の管理部を実現する。管理部は、コネクタを通じて、光トランシーバ111のコントローラ41から、光トランシーバ111の使用可能なレーンに関するレーン情報を受信する。管理部は使用可能なレーンに対応したコネクタの電気的接点、すなわちコネクタの使用可能な電気的接点を特定する。これにより、伝送容量の段階的なアップグレードが可能となる。
【0099】
詳細には、レーン数判定部27は、光トランシーバ111内のコントローラ41から、光トランシーバ111の使用可能なレーンに関するレーン情報を読み出す。レーン数判定部27は、その読み出した情報に基づいて、光トランシーバ111のレーンの数を判定する。レーン情報に、各レーンに使われている波長情報が含まれるときには、レーン数判定部27は、各レーンの波長を判定する機能を有することもできる。
【0100】
PMA25a〜25dのうち、1または複数の対応するPMAが、光トランシーバ111にデータを伝送する。
図6に示されるように、コネクタの電気的接点4a〜4dの各々および電気的接点6a〜6dの各々は,各レーンに割り当てられている。使用可能なレーンが特定されることにより、複数の電気的接点の中から、そのレーンに対応づけられた使用可能な電気的接点が特定される。したがって電気処理LSI2の通信部を構成する回路ブロックは、その特定された電気的接点を経て情報(すなわちホスト基板1から下り信号によって伝送される情報)を光トランシーバとの間で通信することができる。
【0101】
光トランシーバ111は、コントローラ41を含む。コントローラ41は、光トランシーバ111を監視および制御する。さらに、コントローラ41は、レーンに関するレーン情報を記憶するとともに、そのレーン情報をホスト基板1に送信する。レーン情報を記憶するメモリが、コントローラ41とは別に光トランシーバ111の内部に設けられてもよい。
【0102】
以下に説明する光トランシーバにおいても同様に、コントローラ41が、レーンに関するレーン情報をホスト基板1に通知する。レーン情報とは、光トランシーバから出力された電気信号をホスト基板1(電気処理LSI2)に伝達するための電気的接点(光トランシーバのピン)を特定するための情報であると定義することができる。さらに、レーン情報は、ホスト基板1(電気処理LSI2)から出力された電気信号を、光トランシーバに伝達するためのコネクタの電気的接点を特定するための情報であると定義することができる。さらに、レーン情報とは、光信号を送信するための光送信部、または、光信号を受信するための光受信部を特定するための情報を含むことができる。これらの光送信部または光受信部は、レーンと関連付けられるためである。
【0103】
図8は、レーン情報の第1の例を示した図である。
図8を参照して、レーン情報は、レーンのサポート情報を含んでもよい。サポート情報は、4つのレーン(Lane1,Lane2,Lane3,Lane4)の各々について、送信の有無および受信の有無を示す情報である。
【0104】
図9は、レーン情報の第2の例を示した図である。
図9を参照して、レーン情報は、レーンの波長情報を含んでもよい。波長情報は、送信される光信号のレーンごとの波長、および受信される光信号のレーンごとの波長を示す。
【0105】
光トランシーバ111は、
図8に示したレーンのサポート情報および
図9に示したレーンの波長情報の一方を有してもよい。あるいは光トランシーバ111は、レーンのサポート情報および波長情報の両方を有してもよい。
【0106】
図10は、光トランシーバ111の内部に記憶されるレーン情報の構成例を示した図である。
図10を参照して、レーン情報は、たとえばコントローラ41のレジスタに記憶された情報である。たとえばTransmitter laneおよびReceiver laneは4ビットから構成される。各ビットは、レーンの番号(Lane0,Lane1, Lane2, Lane3)、およびそのレーンの実装の有無を表す。Transmitter wavelength およびReceiver wavelengthは2ビット×4=8ビットから構成される。各々の2ビットは、レーンの番号、およびそのレーンでの光信号の波長を表す。
【0107】
図11は、レーン情報の第3の例を示した図である。
図11を参照して、コントローラ41は、光トランシーバがサポートする伝送容量の情報を記憶する。
図11には、送信時の伝送容量(25G,50Gまたは100G)および受信時の伝送容量(25G,50Gまたは100G)が例として示される。電気処理LSI2は、伝送容量とレーン数とを対応付ける情報、および、各レーンの光信号(送信および受信)の波長に関する情報を有してもよい。電気処理LSI2は、コントローラ41から、伝送容量のサポート情報を取得して、そのサポート情報を、レーンの情報に展開してもよい。
【0108】
レーンに関する情報のフォーマットは、
図8〜
図11に示されるように限定されるものではない。
図6に戻り、ホスト基板1は、レーンに関する情報を光トランシーバから受けるための電気的接点8を有していればよい。たとえば、レーン数に関する情報が、電気的接点8に接する光トランシーバのピン(図示せず)にアサインされていてもよい。電気処理LSI2は、電気的接点8から出力された信号を制御信号線9を通じて受信する。これにより電気処理LSI2は、レーン数に関する情報を光トランシーバから取得することができる。
【0109】
図12は、
図7に示した電気処理LSI2によるマルチレーン分配制御のフローを示したフローチャートである。
図7および
図12を参照して、ステップS1において、光トランシーバ(たとえば光トランシーバ111)がホスト基板1のポート11に接続される。電気処理LSI2は、光トランシーバにアサインされたピンのうちの特定のピン(たとえばMOD_ABS)からの信号を受けて、光トランシーバのホスト基板1へのプラグインを検知する。たとえばこの信号の状態がハイからローに変化することによって、ホスト基板1への光トランシーバのプラグインが検知されてもよい。
【0110】
ステップS2において、電気処理LSI2は、光トランシーバ111からレーン情報を読み取る。
【0111】
ステップS3において、電気処理LSI2のレーン数判定部27は、レーン情報を判定する。ステップS4において、レーン数判定部27は、レーン情報に含まれるレーン数および波長の情報(
図10を参照)に基づいて、独立チャネル数を判定する。
【0112】
たとえばレーン数が4であり、各レーンにおける波長の情報が(λ0,0,0,0)である場合、レーン数判定部27は、25Gbpsの独立チャネルの数が4つであると判定する。なお、「λ0」は、波長λt0,λr0をまとめて表記したものである(以下に説明するλ1,λ2,λ3等も同様である)。
【0113】
たとえばレーン数が4であり、各レーンにおける波長の情報が(λ0,λ1,λ2,λ3)である場合、レーン数判定部27は、100Gbpsの独立チャネルの数が1つであると判定する。
【0114】
たとえばレーン数が4であり、各レーンにおける波長の情報が(λ0,λ1,λ0,λ1)である場合、レーン数判定部27は、50Gbpsの独立チャネルの数が2つであると判定する。
【0115】
たとえばレーン数が2であり、各レーンにおける波長の情報が(λ0,λ1)である場合、レーン数判定部27は、50Gbpsの独立チャネルの数が1つであると判定する。
【0116】
ステップS5において、マルチレーン分配コントローラ26は、独立チャネル数の判定を、マルチレーン分配制御に展開する。マルチレーン分配コントローラ26は、独立チャネルごとに、独立チャネルを形成するレーンに送信データを分配して渡す。
【0117】
図13は、実施の形態1に係る伝送容量の段階的アップグレードを実現するためのシナリオにおける、伝送容量が25Gbpsの段階(Day1)を示した図である。
図13を参照して、光トランシーバ101(25Gbps,波長λ1)がホスト基板1のポート11に接続される。この段階では、レーン数は1であり、独立チャネル数は1である。
【0118】
図14は、
図13に示された段階から、伝送容量を50Gbpsに拡張した段階(Day2)を示した図である。
図14を参照して、2波長集積型の光トランシーバ103(25Gbps,波長λ1,λ2)がポート11に接続される。この段階では、レーン数は2であり、50Gbpsの独立チャネル数は1である。
【0119】
図15は、実施の形態1に係る伝送容量の段階的アップグレードを実現するためのシナリオにおける、伝送容量が100Gbpsの段階(Day3)を示した図である。
図15を参照して、4波長集積型の光トランシーバ111(25Gbps,波長λ1,λ2,λ3,λ4)がホスト基板1のポート11に接続される。この段階では、レーン数は4であり、独立チャネル数は1である。Day3の段階へは、Day1、Day2の順に移行することができる。
【0120】
図16は、
図13に示された段階から、伝送容量が25Gbpsの宅側装置が増加した段階(Day3’)を示した図である。
図16を参照して、各ユーザの要求帯域は25Gbpsである。光トランシーバ121(25Gbps,波長λ1×4)がポート11に接続される。この段階では、レーン数は4であり、独立チャネル数は4である。
【0121】
一般的に、電気回路(LSI)の集積化は光トランシーバの集積化よりも進んでいる。
図13〜
図16に示されたシナリオでは、高集積化されたホスト基板1が最初の段階(Day1)から導入される。ホスト基板1は、最初からDay3の段階を想定した高ポート密度の構成を有する。一方光トランシーバの集積化が進むにつれて、ポート11に接続可能な光トランシーバの集積度が高められる。
図13〜
図16に示したシナリオでは、必要とされる伝送容量(ユーザ要求帯域)が小さいときには、光トランシーバの消費電力あるいはコストを低減できる。ポート11に接続された光トランシーバを、より高い集積度を有する光トランシーバに交換することにより、伝送容量を上げることができる。ホスト基板を交換する必要なく、伝送容量の段階的なアップグレードを実現できる。さらに、近実施の形態によれば、ホスト基板において、Day1の空のポートを予め実装しておかなくてもよい。
【0122】
図17は、実施の形態1に適用可能な光トランシーバの概略的な構成を示した図である。
図17では、光トランシーバ111aが例示される。光トランシーバ111aは、コントローラ41と、電気インタフェース43と、クロックデータ再生(CDR(Clock Data Recovery))IC44と、電源IC45と、温度制御IC46と、送信モジュール50と、受信モジュール60とを含む。コントローラ41は、光トランシーバ
111aを監視および制御する。さらに、コントローラ41は、レーンに関するレーン情報を記憶するとともに、そのレーン情報をホスト基板1に送信する。レーン情報を記憶するメモリが、コントローラ41とは別に光トランシーバ111aの内部に設けられてもよい。
【0123】
電気インタフェース43は、電気処理LSI2との間で電気信号を入力および出力する。送信モジュール50は、クロックデータ再生IC44からのデータを光信号の形態で出力する。送信モジュール50は、ペルチェ素子48を含んでもよい。温度制御IC46は、ペルチェ素子48に制御信号を送り、送信モジュール50の温度を制御する。
【0124】
受信モジュール60は、光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する。受信モジュール60からの電気信号は、クロックデータ再生IC44へと送られる。
【0125】
なお、クロックデータ再生IC44は、光トランシーバに内蔵されるよう限定されず、ホスト基板1において、光トランシーバと電気処理LSI2との間に設けられてもよい。あるいは、クロックデータ再生IC44は、電気処理LSI2に内蔵されてもよい。
【0126】
さらに、送信側のクロックデータ再生ICと受信側のクロックデータ再生ICとは個別に設けられてもよい。それぞれが独立して、光トランシーバとホスト基板との間、または電気処理LSI内のいずれかに設けられてもよい。
【0127】
以下に、伝送容量の段階的なアップグレードのシナリオに適用されることができる光トランシーバの概略的な構成の例が説明される。なお、理解を容易にするために、以下に説明する図では、光信号の送信および受信に関する部分を主に示す。クロックデータ再生IC44と、電源IC45と、温度制御IC46と、ペルチェ素子48とは、以下に説明される図には示されていない。
【0128】
図18〜
図20では、1心双方向型の光トランシーバの構成例が示される。
図18は、伝送容量の段階的なアップグレードを実現可能な光トランシーバの構成例を示した図である。
図18によれば、光トランシーバ101は、25Gbps×1のレーンをサポートする。光トランシーバ101は、コントローラ41と、光波長多重分離器(MUX/DMUX)42と、電気インタフェース43と、光送信部51と、光受信部61とを含む。
【0129】
光波長多重分離器42は、PON回線303に光学的に接続される。光波長多重分離器42は、複数の異なる波長の光信号をPON回線303上で伝送するために光トランシーバ101に実装される。具体的には、光波長多重分離器42は、光送信部51からの波長λt1の光信号をPON回線303に出力するとともに、PON回線303からの波長λr1の光信号を光受信部61に出力する。
【0130】
光送信部51は、電気インタフェース43を通じて電気信号を受信して、その電気信号を波長λt1の光信号に変換する。光送信部51は、その光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303に出力する。
【0131】
光受信部61は、波長λr1の光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303から受信して、その光信号を電気信号に変換する。光受信部61は、その電気信号を電気インタフェース43へと出力する。
【0132】
図19は、伝送容量の段階的なアップグレードを実現可能な光トランシーバの構成例を示した図である。
図19に示されるように、光トランシーバ103は、25Gbps×2レーンをサポートする。光トランシーバ103は、50Gbpsの伝送容量を達成するために用いられることができる。
【0133】
光トランシーバ103は、
図18に示された構成に加えて、光送信部52と、光受信部62とを含む。光送信部52は、電気インタフェース43を通じて電気信号を受信して、その電気信号を波長λt2の光信号に変換する。光受信部62は、波長λr2の光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303から受信して、その光信号を電気信号に変換する。
【0134】
光波長多重分離器42は、光送信部51からの波長λt1との光信号と、光送信部52からの波長λt2との光信号とを多重化して、PON回線303に波長多重信号を出力する。一方、光波長多重分離器42は、PON回線303から波長多重信号を受けて、その波長多重信号を、2つの光信号(波長λr1,λr2)に分離する。
【0135】
図20は、伝送容量の段階的なアップグレードを実現可能な光トランシーバの構成例を示した図である。
図20に示されるように、光トランシーバ111は、25Gbps×4レーンをサポートする。光トランシーバ111は、100Gbpsの伝送容量を達成するために用いられることができる。
【0136】
光トランシーバ111は、
図19に示された構成に加えて、光送信部53,54と、光受信部63,64とを含む。光送信部53,54の各々は、電気インタフェース43を通じて電気信号を受信する。光送信部53,54は、それぞれ、波長λt3の光信号および波長λt4の光信号を出力する。光受信部63,64は、それぞれ波長λr3の光信号および波長λr4の光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303から受信する。光受信部63,64の各々は、受信された光信号を電気信号に変換する。
【0137】
図21〜
図23では、2心片方向型の光トランシーバの構成例が示される。
図21〜
図23に示されるように、光波長多重分離器が、光トランシーバに接続される。
図18および
図21を参照して、光トランシーバ101aは、光波長多重分離器を有さない点において光トランシーバ101と異なる。光トランシーバ101と同様に、光トランシーバ101aは、25Gbpsの伝送容量を達成するために用いられることができる。
【0138】
図22を参照して、光トランシーバ103aは、送信モジュール50と、受信モジュール60とを含む。光トランシーバ103と同様に、光トランシーバ103aは、50Gbpsの伝送容量を達成するために用いられることができる。
【0139】
送信モジュール50は、光送信部51,52と、光波長多重器(MUX)55とを含む。光波長多重器55は、光送信部51,52からの光信号を多重化して波長多重信号を生成する。波長多重信号は、光波長多重分離器31を通じてPON回線303に出力される。
【0140】
受信モジュール60は、光受信部61,62と、光波長分離器(DMUX)65とを含む。波長分離器65は、PON回線303から波長多重信号を受けて、その波長多重信号を、2つの光信号(波長λr1,λr2)に分離する。光受信部61,62は、それぞれ、波長λr1の光信号、および波長λr2の光信号を受信する。
【0141】
図23を参照して、光トランシーバ111aは、送信モジュール50と、受信モジュール60とを含む。光トランシーバ111と同様に、光トランシーバ111aは、100Gbpsの伝送容量を達成するために用いられることができる。
【0142】
送信モジュール50および受信モジュール60の構成の点において、光トランシーバ111aは、光トランシーバ103aと相違する。送信モジュール50は、光送信部51,52,53,54を含み、受信モジュール60は、光受信部61,62,63,64を含む。光送信部51,52,53,54および光受信部61,62,63,64について以後の説明は繰り返さない。
【0143】
光波長多重器55は、光送信部51,52,53,54からの光信号を多重化して波長多重信号を生成する。波長分離器65は、PON回線303から波長多重信号を受けて、その波長多重信号を、4つの光信号(波長λr1,λr2,λr3,λr4)に分離する。
【0144】
上記の通り、各々の光受信部が受信する光信号の波長は予め定められている。たとえば
図18に示された光トランシーバ101が、波長多重された光信号を受信した場合、光波長多重分離器42が、波長λr1の光信号のみを出力する。このように、実施の形態1に係る光トランシーバは、サポートする伝送容量に関連付けられた波長の光信号を電気信号に変換してホスト基板1に出力する。それ以外の波長の光信号について、光トランシーバは、ホスト基板1には出力しない。言い換えると、光トランシーバは、受信対象以外の波長を有する光信号を無視する。
【0145】
実施の形態1では、25G用の光トランシーバ、50G用の光トランシーバ、および100G用の光トランシーバがホスト基板1側のコネクタに接続可能なように、光トランシーバの形状が共通化される。コネクタに接続される光トランシーバを交換することによって、伝送容量の段階的な拡張が可能となる。
【0146】
図24は、実施の形態1に適用可能な光トランシーバの他の構成例を示した図である。
図24に示されるように、光トランシーバ121は、4つの光波長多重分離器42を含む。光送信部51〜54の各々は、波長λt1の光信号を送信する。光受信部61〜64の各々は、波長λr1の光信号を受信する。各々の光波長多重分離器42は、1つの光送信部および1つの光受信部に接続される。光トランシーバ121は、25Gbps×4レーンをサポートする。
【0147】
図25は、実施の形態1に適用可能な光トランシーバの他の構成例を示した図である。
図25に示されるように、光トランシーバ104は、送信モジュール50,50Aと、受信モジュール60,60Aとを有する。送信モジュール50Aおよび受信モジュール60Aは、送信モジュール50および受信モジュール60とそれぞれ同じ構成を有する。したがって送信モジュール50Aおよび受信モジュール60Aの構成については詳細を繰り返さない。光トランシーバ121は、25Gbps×4レーンをサポートする。
【0148】
光トランシーバ104は、2つの光波長多重分離器31に光学的に接続される。各々の光波長多重分離器31は、PON回線303に接続される。
図25に示した構成によれば、50Gbpsの独立チャネルの数は2である。2つのPON回線303の各々において、50Gbpsの伝送容量を実現できる。
【0149】
図26は、実施の形態1に適用可能な光トランシーバの他の構成例を示した図である。
図26に示されるように、光トランシーバ112は、光トランシーバ111(
図20を参照)と同じ構成を有する。コントローラ41は、光送信部51〜54および光受信部61〜64の各々に対して、イネーブル(Enable)信号およびディセーブル(Disable)信号を出力する。コントローラ41は、電気インタフェース43を通じて光トランシーバ112の外部から信号を受けて、その信号に応答して、イネーブル信号およびディセーブル信号を出力してもよい。光送信部51〜54および光受信部61〜64の各々は、イネーブル信号によって活性化される一方、ディセーブル信号によって非活性化される。
【0150】
図27は、
図26に示した光トランシーバ112により、25Gbpsをサポートするための構成を示した図である。
図27に示されるように、コントローラ41は、光送信部51および光受信部61にイネーブル信号を送るとともに、他の光送信部および光受信部にディセーブル信号を送る。光送信部51および光受信部61が活性化されることによって、25Gbps×1レーンが実現される。
【0151】
図28は、
図26に示した光トランシーバ112により、50Gbpsをサポートするための構成を示した図である。
図28に示されるように、コントローラ41は、光送信部51,52および光受信部61,62にイネーブル信号を送るとともに、他の光送信部および光受信部にディセーブル信号を送る。光送信部51,52および光受信部61,62が活性化されることによって、25Gbps×2レーンが実現される。
【0152】
図29は、
図26に示した光トランシーバ112により、100Gbpsをサポートするための構成を示した図である。
図29に示されるように、コントローラ41は、光送信部51,52,53,54および光受信部61,62,63,64にイネーブル信号を送る。光送信部51〜54および光受信部61〜64が活性化されることによって、25Gbps×4レーンが実現される。
【0153】
図30は、実施の形態1に適用可能な光トランシーバの他の構成例を示した図である。
図30に示されるように、光トランシーバ122は、光トランシーバ121(
図21を参照)と同じ構成を有する。コントローラ41は、光送信部51〜54および光受信部61〜64の各々にイネーブル信号またはディセーブル信号を送る。
図30に示された例では、コントローラ41は、光送信部51および光受信部61にイネーブル信号を送るとともに、他の光送信部および光受信部にディセーブル信号を送る。光送信部51および光受信部61が活性化される。したがって、光トランシーバ121は、25Gbpsの1チャネル(波長λ1)の光トランシーバ101と等価である。
【0154】
図31は、
図30に示した光トランシーバ122により、25Gbps×4チャネルの伝送をサポートするための構成例を示した図である。
図31を参照して、コントローラ41は、光送信部51〜54および光受信部61〜64にイネーブル信号を送る。これにより、光送信部51〜54および光受信部61〜64が活性化される。
【0155】
図26〜
図31に示された構成によれば、光トランシーバ112,122では、コントローラ41がイネーブル/ディセーブル信号を発出する。しかしながら、コントローラ41を介することなく、ホスト基板1側(たとえば電気処理LSI2またはホスト基板上の別の制御ブロック)がポート(コネクタ)を介して、光トランシーバ112,122の光送信部および光受信部にイネーブル/ディセーブル信号を直接供給してもよい。
【0156】
図32は、伝送容量の段階的なアップグレードのシナリオの別の例を示した図である。
図32を参照して、第1の段階では、光トランシーバ121がポート11に接続される。さらに、光波長多重分離器31a,31b,31c,31dが光トランシーバ121に光学的に接続される。これにより、25Gbps×4チャネルの光信号の伝送が実現される。
【0157】
第2の段階では、光トランシーバ121aが、ポート12に接続されるとともに、光波長多重分離器31a,31b,31c,31dに光学的に接続される。光信号の波長がλ2(λt2,λr2)である点を除き、光トランシーバ121aは、光トランシーバ121と同じ構成を有する。光波長多重分離器31a,31b,31c,31dは、光トランシーバ121,121aからの光信号を波長多重するとともに、PON回線(図示せず)からの波長多重信号を、波長λr1の光信号と、波長λr2の光信号とに分離する。これにより、50Gbps×4チャネルでの光信号の伝送が実現される。
【0158】
図33は、
図32に示された構成から、伝送容量をアップグレードするための構成を示した図である。
図33に示された構成は、光トランシーバ121b,121cが、それぞれポート13およびポート14に接続される点において、
図29に示された構成と異なる。光トランシーバ121bの波長はλ3(λt3,λr3)であり、光トランシーバ121cはλ4(λt4,λr4)である。
【0159】
光波長多重分離器31a,31b,31c,31dは、光トランシーバ121,121a,121b,121cからの光信号を波長多重するとともに、PON回線(図示せず)からの波長多重信号を、波長λr1の光信号、波長λr2の光信号、波長λr3の光信号、および波長λr4の光信号に分離する。これにより、100Gbps×4チャネルでの光信号の伝送が実現される。
図32および
図33に示されるように、本発明の実施の形態によれば、ホスト基板上の4つのポートによって、Day3×4の伝送容量を実現することができる。
【0160】
<実施の形態2>
実施の形態2に係る光通信システムの全体の構成は、
図1に示された構成と同じである。詳細には、実施の形態2では、旧世代のシステムと新世代のシステムとが共存する。この実施の形態において、「旧世代のシステム」とは、伝送容量の小さいシステムを意味し、「新世代のシステム」は、伝送容量の大きいシステムを意味する。
【0161】
実施の形態2の説明において、「Day0」との用語は、伝送容量が拡張される前の段階、すなわち旧世代を意味する。一実施形態では、Day0における伝送容量は、10Gbpsである。
【0162】
伝送容量の小さい旧世代のシステムが既に普及しているために、旧世代システムと新世代システムとが共存したシステムが要求される可能性がある。たとえば10Gのシステムが既に導入されている場合には、新世代(25G,50G,100G)のシステムが、既存のシステム(10G)を収容できることが好ましい。実施の形態2では、旧世代システムと共存可能なシステムが提供される。
【0163】
図34は、伝送容量が10Gbpsの段階(Day0)を示した図である。
図34において、10Gbps用の光トランシーバ131(波長λ0)、電気処理LSI2A、および、集線LSI3がホスト基板1Aに搭載される。
【0164】
図35は、伝送容量の拡張の1つのシナリオにおける、10Gbpsのシステムと25Gbpsのシステムとが共存する段階(Day1)を示した図である。
図34および
図35を比較すると、Day1の段階において、10Gbpsの宅側装置302に加えて、25Gbpsの宅側装置302が、システムに導入される。このために、ホスト基板1Aは、ホスト基板1Bに交換される。ホスト基板1Bには、光トランシーバ141と、電気処理LSI2,2Aと、集線LSI3とが搭載される。
【0165】
光トランシーバ141は、10Gbps(波長λ0)および25Gbps(波長λ1)の両方の伝送容量をサポートできる。電気処理LSI2Aは、電気処理LSI2と同じく、ホスト基板1Bの外部との間で情報を通信する。電気処理LSI2Aは、10Gbpsでの伝送処理のためのLSIである。この点において、電気処理LSI2Aは、電気処理LSI2と相違する。
【0166】
図36は、伝送容量の拡張の1つのシナリオにおける、10Gbpsのシステム、25Gbpsのシステムおよび50Gbpsのシステムが共存する段階(Day2)を示した図である。
図35に示された構成と比較すると、
図36では、光トランシーバ141に代えて、光トランシーバ151がホスト基板1Bに実装される。光トランシーバ151は、10Gbps×1波長(波長λ0)および25Gbps×2波長(λ1,λ2)の光トランシーバである。
【0167】
図37は、伝送容量の拡張の1つのシナリオにおける、10Gbps,25Gbps,50Gbps,100Gbpsのシステムが共存する段階(Day3)を示した図である。
図36に示された構成と比較すると、
図37では、光トランシーバ151に代えて、光トランシーバ161がホスト基板1Bに実装される。光トランシーバ161は、光トランシーバ151は、10Gbps×1波長(波長λ0)および25Gbps×4波長(λ1,λ2,λ3,λ4)の光トランシーバである。
【0168】
図38は、Day1の段階におけるホスト基板の一形態を示した図である。
図39は、Day3の段階でのホスト基板の一形態を示した図である。
図38および
図39に示されるように、ホスト基板1Bは、旧世代(10Gbps)の1つのレーンと新世代の4つのレーンとを収容するように構成される。電気処理LSI2Aは、10Gbpsの伝送のための処理を実行する。電気処理LSI2Aは、25Gbpsの複数レーン(N個のレーン)での伝送のための処理を実行する。
【0169】
光トランシーバ141,161は、旧世代の伝送容量(たとえば10Gbps)をサポートする。光トランシーバ141は、旧世代用の1レーンに加えて、新世代用の1レーンを実装する。光トランシーバ161は、旧世代用の1レーンに加えて、新世代用の4レーンを実装する。光トランシーバ141と光トランシーバ161とは互いに同じ形態を有する。したがって、光トランシーバ141を光トランシーバ161に容易に交換できる。
【0170】
図40は、実施の形態2における、伝送容量の制御のための構成の概略を示したブロック図である。
図40を参照して、ホスト基板1B上の光トランシーバ監視制御ブロック20は、光トランシーバ(たとえば光トランシーバ161)のコントローラ41から、その光トランシーバがサポートする伝送容量の情報を読み取る。たとえば光トランシーバ監視制御ブロック20は、光トランシーバが、1レーン、2レーン、および4レーンのうちのいずれに対応しているかどうかを、光トランシーバのコントローラ41からの情報から把握する。さらに、光トランシーバ監視制御ブロック20は、光トランシーバが、旧世代(たとえば10Gbps)のシステムに対応しているかどうかを、光トランシーバのコントローラ41からの情報から把握する。ホスト基板1Bは、光トランシーバ監視制御ブロック20によって読み取られた情報に基づいて、光トランシーバ161への信号の入出力の速度(レーン数)、および旧世代のシステムの有無に応じてデータの流れを制御する。
【0171】
図41は、実施の形態2における、光トランシーバ、ポートおよび電気処理LSIの間の電気的接続に関する構成を模式的に示した図である。
図41において、光トランシーバ161が示される。
図6に示された構成と同じく、実施の形態2では、ポート11は、コネクタにより実現される。実施の形態2では、コネクタは、
図6に示された電気的接点4a,4b,4c,4d,6a,6b,6c,6d,8に加えて電気的接点4e,6eを有する。電気的接点4e,6eは、高速信号線5e,7eにそれぞれ接続される。実施の形態2において、高速信号線5a,5b,5c,5d,5eが1つの組をなすとともに、高速信号線7a,7b,7c,7d,7eがもう1つの組をなす。
【0172】
光トランシーバ161は、電気インタフェース43を含む。電気インタフェース43は、ピン43a〜43iに加えて、ピン43j,43kを有する。光トランシーバ161がコネクタ(ポート11)に接続された状態において、ピン43j,43kが、電気的接点4e,6eにそれぞれ電気的に接続される。他のピンについては、実施の形態1に係る電気インタフェース43の対応するピンと同じであるので、以後の説明を繰り返さない。
【0173】
図42は、実施の形態2に係る光トランシーバの構成例を示した図である。
図42に示されるように、光トランシーバ141は、10Gbps×1および25Gbps×1のレーンをサポートする。
図18に示された光トランシーバ101の構成に加えて、光トランシーバ141は、光送信部56と、光受信部66とを含む。
【0174】
光送信部56は、電気インタフェース43を通じて電気信号を受信して、その電気信号を波長λt0の光信号に変換する。光送信部56は、その光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303に出力する。光受信部66は、波長λr0の光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303から受信して、その光信号を電気信号に変換する。光受信部66は、その電気信号を電気インタフェース43へと出力する。なお、光送信部56および光受信部66の詳細な説明は以後繰り返さない。
【0175】
図43は、実施の形態2に係る光トランシーバの別の構成例を示した図である。
図43に示されるように、光トランシーバ151は、10Gbps×1および25Gbps×2のレーンをサポートする。
図19に示された光トランシーバ103の構成に加えて、光トランシーバ151は、光送信部56と、光受信部66とを含む。
【0176】
図44は、実施の形態2に係る光トランシーバのさらに別の構成例を示した図である。
図44に示されるように、光トランシーバ161は、10Gbps×1および25Gbps×4のレーンをサポートする。
図19に示された光トランシーバ103の構成に加えて、光トランシーバ
161は、光送信部56と、光受信部66とを含む。
【0177】
図45は、既存の伝送容量と大容量とを共存可能な光トランシーバの別の構成例を示した図である。
図45に示されるように、光トランシーバ141Aは、10Gbps×1および25Gbps×1のレーンをサポートする。
図42に示された光トランシーバ141の構成と対比して、光トランシーバ141Aは、光受信部61,66に代えて、光受信部61Aを含む。光受信部61Aは、波長λr0と波長λr1とが時分割多重された光信号を、光波長多重分離器42を通じてPON回線303から受信して、その光信号を電気信号に変換する。光受信部61Aは、それらの電気信号を10Gbps用のレーンと25Gbps用のレーンとに分けて電気インタフェース43へと出力する。なお、光受信部61Aの詳細な説明は以後繰り返さない。
【0178】
図46は、既存の伝送容量と大容量とを共存可能な光トランシーバの別の構成例を示した図である。
図46に示されるように、光トランシーバ151Aは、10Gbps×1および25Gbps×2のレーンをサポートする。
図43に示された光トランシーバ151の構成と対比して、光トランシーバ151Aは、光受信部61,66に代えて、光受信部61Aを含む。
【0179】
図47は、既存の伝送容量と大容量とを共存可能な光トランシーバのさらに別の構成例を示した図である。
図47に示されるように、光トランシーバ161Aは、10Gbps×1および25Gbps×4のレーンをサポートする。
図44に示された光トランシーバ161の構成と対比して、光トランシーバ161Aは、光受信部61,66に代えて、光受信部61Aを含む。
【0180】
図48は、
図42〜
図44に示された光トランシーバによる光信号の受信を説明するための図である。
図48に示されるように、波長λr0の光信号と、波長λr1の光信号とは波長分割多重(WDM)方式により、PON回線303に共存する。したがって光波長多重分離器42において、波長λr0の光信号と、波長λr1の光信号とが分離される。
【0181】
図49は、
図45〜
図47に示された光トランシーバによる光信号の受信を説明するための図である。
図49に示されるように、波長λr0の光信号と、波長λr1の光信号とは時分割多重(TDM)方式により、PON回線303に共存する。光波長多重分離器42においては、波長λr0の光信号と、波長λr1の光信
号とを分離しない。したがって光受信部61Aは、時分割多重信号(波長λr0の光信号と、波長λr1の光信号)を受信する。
図42〜
図47に示された光トランシーバは、光信号をWDMにより送信する。なお、図示しないが、
図42〜
図47に示された光トランシーバは、光信号をWDM方式により送信する。
【0182】
図50は、実施の形態2に係る電気処理LSIの下り信号処理に関する構成の概略を示したブロック図である。
図50を参照して、ホスト基板1Bは、
図7に示された構成に、10Gbps用の下りデータ伝送のための構成が追加される。具体的には、10Gbps用の構成は、MAC22A,RS23A,PCS24,PMA25を含む。さらに、100Gデータクライアントブロック21Aがデータ転送部として、ユーザの要求する伝送容量に応じてデータのレーンを振り分ける。10Gbps用のレーンを以下では「Lane0」と定義する。
【0183】
100Gデータクライアントブロック21A、MAC22,22A、RS23,23A,PCS24,24a〜24d、およびPMA25,25a〜25dは、外部と通信するとともにコネクタを通じて光トランシーバとの間で通信する通信部を実現する。マルチレーン分配コントローラ26およびレーン数判定部27はホスト基板
1B上の管理部を実現する。管理部は、
図40に示した光トランシーバ監視制御ブロック20を実現する。管理部は、コネクタを通じて、光トランシーバのコントローラ41(
図40を参照)から、光トランシーバの使用可能なレーンに関するレーン情報を受信する。管理部は使用可能なレーンに対応したコネクタの電気的接点、すなわちコネクタの使用可能な電気的接点を特定する。
【0184】
図51は、実施の形態2に係るレーン情報の第1の例を示した図である。
図52は、実施の形態2に係るレーン情報の第2の例を示した図である。
図53は、実施の形態2に係るレーン情報の第3の例を示した図である。実施の形態2では、Lane0の情報が、
図8、
図9、
図11に示されたレーン情報に追加される。したがって、複数のレーンは、光トランシーバ、光送信器および光受信器の第1の伝送容量(10G)のための第1のレーン(Lane0)と、第1の伝送容量とは異なる、光トランシーバ、光送信器および光受信器の第2の伝送容量(25G,50G,100G)のための第2のレーン(Lane1,Lane2,Lane3,Lane4)とを含む。これにより、小さい伝送容量を有する旧世代のシステムと、大きい伝送容量を有する新世代のシステムとを共存させることができる。
【0185】
サービスの加入者ごとに宅側装置が設置されるので、システムは、伝送容量の異なる宅側装置を含む。実施の形態2によれば、局側装置では、光トランシーバの交換のみによって、旧世代のシステムと新世代のシステムとを共存させることができる。さらに、実施の形態2によれば、ホスト基板を交換することなく、新世代のシステムにおいて伝送容量を段階的にアップグレードすることができる。これにより、実施の形態2では、局側装置の構成が複雑化することを防ぎつつ高いスケーラビリティを達成することができる。
【0186】
この発明のすべての実施の形態によれば、ホスト基板に接続される光トランシーバを交換することによって、伝送容量を段階的に変更することができる。なお、上記のように記載されたすべての実施の形態では、伝送容量の拡張のシナリオが示される。しかし、この発明のすべての実施の形態において、伝送容量の変更のシナリオは、伝送容量の縮小(ダウングレード)を含むことができる。
【0187】
さらに、本発明のすべての実施の形態では、光トランシーバのうち、波長分離部と、単数または複数の光受信部と、電気的インタフェースと、コントローラ(通信部)とにより、ホスト基板に対してレーン情報を通知する光受信器を実現することができる。同じく、本発明のすべての実施の形態では、光トランシーバのうち、波長多重部と、単数または複数の光送信部と、電気的インタフェースと、コントローラ(通信部)とにより、ホスト基板に対してレーン情報を通知する光送信器を実現することができる。
【0188】
また、上記の各実施の形態では、25G×4の例を示した。本発明のすべての実施の形態は、40G(10G×4)の伝送容量のサポート、10Gから40Gへの伝送容量の段階的なアップグレード、旧世代(10G)と新世代(10Gから40Gへの拡張)の併存もサポートできる。
【0189】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。