(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセス制御に従って動作し、複数のフィールドデバイスを有するプラントに適用可能であるプロセスを監視することに関するドリフトの警告を設定するための方法であって、
プラントプロセスの容認され得るドリフトの範囲に関する所望の範囲を構成するステップと、
前記プラントプロセスの動作に関する所望のパラメータ値を設定するステップと、
前記プラントプロセスの実際のパラメータ値を検出するステップと、
前記実際のパラメータ値を前記所望のパラメータ値および前記所望の範囲と比較するステップと、
前記実際のパラメータ値が前記所望の範囲内にあるが、前記所望のパラメータ値と異なるときにドリフトの発生を示すインジケータを表示するステップと、
前記プラントプロセスの所望のパラメータ値を記録するステップとを含み、
前記プラントプロセスが、前記記録が前記プラントプロセスの前記所望のパラメータ値および関連するより低いレベルのプラントプロセスの所望のパラメータ値を記録するように構成されるようにプラントプロセスのレベルの階層から選択され得る、方法。
プロセス制御に従って動作し、複数のフィールドデバイスを有するプラントにおいてプロセスを監視することに関するドリフトの警告を設定するための少なくとも1つのデバイスを含むシステムであって、
プログラムコードを記憶するように動作可能な少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体と、
前記プログラムコードを読み、前記プログラムコードによって命令された通りに動作するように動作可能である少なくとも1つのプロセッサとを含み、前記プログラムコードが、
プラントプロセスの容認され得るドリフトの範囲に関する所望の範囲を構成することと、
前記プラントプロセスの動作に関する所望のパラメータ値を設定することと、
前記プラントプロセスの実際のパラメータ値を検出することと、
前記実際のパラメータ値を前記所望のパラメータ値および前記所望の範囲と比較することと、
前記実際のパラメータ値が前記所望の範囲内にあるが、前記所望のパラメータ値と異なるときにドリフトの発生を示すインジケータを表示することと、
前記プラントプロセスの所望のパラメータ値を記録することとを含み、
前記プラントプロセスが、前記記録が前記プラントプロセスの前記所望のパラメータ値および関連するより低いレベルのプラントプロセスの所望のパラメータ値を記録するように構成されるようにプラントプロセスのレベルの階層から選択され得る、システム。
【背景技術】
【0002】
関連技術においては、産業プラント環境、特に、産業オートメーション(IA)を利用する産業プラント環境内に、フィールドデバイスの監視および調整のための制御システムが存在する。そのような制御システムの例は、[CENTUM VP](登録商標)などの分散制御システム(DCS)を含む。フィールドデバイスは、流量、温度、水準、または圧力などの物理特性、量、または特徴を測定するために使用される。関連技術において、オペレータは、概して、IAプロセスを制御するために制御室内のコンソール(console)を使用する。加えて、フィールドデバイスが、プロセスを制御するかまたはIAプロセスを保護する目的でこれらの物理特性を修正するために使用される可能性がある。
【0003】
IAプロセスを保護するいくつかの場合、フィールドデバイスは、ユーザまたはシステムに過大な測定された物理値を通知し、状態に基づいてアラームをトリガするかまたはデバイスの診断を通知するように構成される可能性がある。ISA 18.2 2009規格は、アラーム管理規格の一種を記載する。規格の一部として、1つの要素が、不調事前警告(pre-upset warning)の概念を記載する。これらの警告は、プロセスのある部分が理想値から離れるときにオペレータに通知することができ、プロセスがアラームをトリガすることを避けるための多くの時間をオペレータに与えることができる。
【0004】
図1は、フィールドデバイスに関するアラーム(101)がトリガされたことを示すユーザインターフェース画面(100)の関連技術の例を示す図である。
【0005】
さらに、アラームに関する制御システムのユーザインターフェースとのオペレータのインタラクションは、これまで、テキスト入力の方法によって実現されていた。
図13、
図14、
図15、および
図16は、IAプロセスの監視および理想値の入力のためのユーザインターフェース画面の関連技術の例を示す。
【0006】
図13は、フィールドデバイス(1302)のための関連技術のフェースプレート(faceplate)表示(1301)を示す。例示的なアプリケーションにおいて、フェースプレート表示(1301)は、運転モード(1303)、セットポイント量(SV: setpoint variable) (1305)、操作量(MV: manipulated variable) (1306)、プロセス量(PV: process variable) (1304)、およびグラフィカル表示(1307)を示す。PV (1304)は、グラフィカル表示(1307)の棒グラフによって示され、SV (1305)およびMV (1306)は、グラフィカル表示(1307)の棒グラフの横の三角形のインジケータによって示される。
【0007】
図15は、フェースプレート表示(1501)ならびにデータ測定値(1502)および情報グラフ(1503)のその他の表示を示す関連技術のユーザインターフェースチューニングパネルを示す。
【0008】
オペレータは、SV (1305)またはMV (1306)などの変量を変更したいとき、フェースプレート(1301、1501)上の関連する領域をダブルクリックして、
図14および
図16に示されるメニューを表示させることができる。メニューは、現在の設定(1401、1601)および所望の設定のための入力フィールド(1402、1602)を示す。それから、設定パラメータを変更するために、オペレータは、キーボードによって入力フィールド(1402、1602)に所望の設定を入力することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つまたは複数の実施形態は、プロセスを監視することに関するドリフト(drift)の警告を設定するための方法に関する。方法は、プロセスの容認され得るドリフトの範囲に関する所望の範囲を構成するステップと、プロセスの動作に関する所望のパラメータ値を設定するステップと、プロセスの実際のパラメータ値を検出するステップと、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値および所望の範囲と比較するステップと、実際のパラメータ値が所望の範囲内にあるが、所望のパラメータ値と異なるときにドリフトの発生を示すインジケータを表示するステップとを含む。
【0011】
一部の実施形態において、方法は、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値に保つようにフィールドデバイスのパラメータを自動的に調整するステップを含む。
【0012】
1つまたは複数の実施形態によれば、方法は、所望のパラメータ値およびドリフトの範囲の調整のうちの少なくとも1つがオペレータのタッチ入力によることを含む。
【0013】
例示的な実施形態において、調整は、少なくとも2つのタッチ入力によって行われ、第1のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する第1のレートで調整を行うように構成され、第2のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する、第1のレートと比例的に異なる第2のレートで調整を行うように構成される。
【0014】
方法の実施形態は、プロセスの現在の所望のパラメータ値を記録するステップをさらに含み得る。
【0015】
方法の実施形態は、所望のパラメータ値および所望の範囲を構成ファイルに保存するステップをさらに含み得る。
【0016】
方法の実施形態は、プロセスの所望のパラメータ値を記録することを提供する可能性があり、プロセスは、記録がプロセスの所望のパラメータ値および関連するより低いレベルのプロセスの所望のパラメータ値を記録するように構成されるようにプロセスのレベルの階層から選択され得る。
【0017】
1つまたは複数の実施形態は、プロセスを監視することに関するドリフトの警告を設定するための少なくとも1つのデバイスを含むシステムに関する。システムは、プログラムコードを記憶するように動作可能な少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体と、前記プログラムコードを読み、プログラムコードによって命令された通りに動作するように動作可能である少なくとも1つのプロセッサとを含む。プログラムコードは、プロセスの容認され得るドリフトの範囲に関する所望の範囲を構成することと、プロセスの動作に関する所望のパラメータ値を設定することと、プロセスの実際のパラメータ値を検出することと、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値および所望の範囲と比較することと、実際のパラメータ値が所望の範囲内にあるが、所望のパラメータ値と異なるときにドリフトの発生を示すインジケータを表示することとを含む。
【0018】
1つまたは複数の実施形態によれば、プログラムコードは、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値に保つようにフィールドデバイスのパラメータを自動的に調整することをさらに含む。
【0019】
例示的な実施形態において、所望のパラメータ値およびドリフトの範囲の調整のうちの少なくとも1つは、オペレータのタッチ入力による。
【0020】
一部の実施形態において、調整は、少なくとも2つのタッチ入力によって行われ、第1のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する第1のレートで調整を行うように構成され、第2のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する、第1のレートと比例的に異なる第2のレートで調整を行うように構成される。
【0021】
システムの実施形態は、プログラムコードがプロセスの現在の所望のパラメータ値を記録することを含む。
【0022】
システムの実施形態は、プログラムコードが所望のパラメータ値および所望の範囲を構成ファイルに保存することを含む。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、プログラムコードは、プロセス管理コンソールに関連するデバイス識別子を受け取ることと、プロセス管理コンソールに接続するための構成データを取り出すことと、構成データに基づいてプロセス管理コンソールに接続するようにシステムを自動的に構成することとを含み、プロセス管理コンソールは、プロセスに関する情報をシステムに提供する。
【0024】
1つまたは複数の実施形態は、プロセスを監視することに関するドリフトの警告を設定するための装置に関する。装置は、プログラムコードを記憶するように動作可能な少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体と、前記プログラムコードを読み、プログラムコードによって命令された通りに動作するように動作可能である少なくとも1つのプロセッサとを含む。プログラムコードは、プロセスの容認され得るドリフトの範囲に関する所望の範囲を構成することと、プロセスの動作に関する所望のパラメータ値を設定することと、プロセスの実際のパラメータ値を検出することと、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値および所望の範囲と比較することと、実際のパラメータ値が所望の範囲内にあるが、所望のパラメータ値と異なるときにドリフトの発生を示すインジケータを表示することとを含む。
【0025】
1つまたは複数の実施形態によれば、プログラムコードは、実際のパラメータ値を所望のパラメータ値に保つようにフィールドデバイスのパラメータを自動的に調整することをさらに含む。
【0026】
例示的な実施形態において、所望のパラメータ値およびドリフトの範囲の調整のうちの少なくとも1つは、オペレータのタッチ入力による。
【0027】
一部の実施形態において、調整は、少なくとも2つのタッチ入力によって行われ、第1のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する第1のレートで調整を行うように構成され、第2のタッチ入力は、オペレータのタッチ入力の動きに対応する、第1のレートと比例的に異なる第2のレートで調整を行うように構成される。
【0028】
システムの実施形態は、プログラムコードがプロセスの現在の所望のパラメータ値を記録することを含むことを含む。
【0029】
システムの実施形態は、プログラムコードが所望のパラメータ値および所望の範囲を構成ファイルに保存することを含むことを含む。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、プログラムコードは、プロセス管理コンソールに関連するデバイス識別子を受け取ることと、プロセス管理コンソールに接続するための構成データを取り出すことと、構成データに基づいてプロセス管理コンソールに接続するようにシステムを自動的に構成することとを含み、プロセス管理コンソールは、プロセスに関する情報をシステムに提供する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態が、添付の図面を参照して下でより詳細に説明される。下の詳細な説明は、読者が本明細書において説明される方法、装置、および/またはシステム、ならびに均等な修正を総合的に理解するのを助けるために提供される。したがって、本明細書において説明されるシステム、装置、および/または方法の様々な変更、修正、および均等物が、当業者に示唆される。また、よく知られている機能および構造の説明は、明瞭さおよび簡潔さを高めるために省略される可能性がある。
【0033】
説明において使用される用語は、実施形態を説明するようにのみ意図されており、決して限定的ではない。そうでないようにはっきりと使用されない限り、単数形での表現は、複数形の意味も含む。この説明において、「含む(comprising)」または「含む(including)」などの表現は、特徴、数、ステップ、動作、要素、部分、またはこれらの組合せを指定するように意図されており、1つまたは複数のその他の特徴、数、ステップ、動作、要素、部分、またはこれらの組合せのいかなる存在または可能性を排除するともみなされない。
【0034】
アラームの関連技術の用法においては、アラームが発生するとき、これは、プロセスが既に不調状態にあることを示す。
【0035】
プラントプロセスの安定した動作の状態の間、オペレータは、監視システムを通してプラントプロセスおよび関連したフィールドデバイスの動作状態を監視する。この監視の一部として、オペレータは、アラームが発生するのを待っている。プロセスが安定しているときの正常なプロセスの動作中、オペレータは、多くの活動を持たず、動作状態のプロセスの不調を待っている。特に、外部の活動が行われない夜勤の間にこれが起こるとき、オペレータは、退屈しがちであり、小さなプロセスの乱れに対して反応する/小さなプロセスの乱れを認識するそれらのオペレータの能力が、損なわれる。
【0036】
プロセスに影響を与えるいくつかの決定的なおよび重要なパラメータまたはタグ(tag)が大きくなるとき、オペレータは、アラームの発生を避けるためにすべてのパラメータを追跡する能力を持たない。関連技術において、オペレータは、マルチモニタ環境内の画面上に--よく発生する可能性があるおよび/または影響が大きい--抜粋されたいくつかの非常に重要なパラメータの動向を表示させる可能性がある。しかし、これは、オペレータの視野を狭める可能性があり、オペレータは、パラメータの変化--それらの変化はめったに発生しないがプロセスに影響を与え得るのでそれらの変化の影響はやはり重大である--を見逃す可能性がある。
【0037】
さらに、化学プロセスの相互に接続された性質が原因で、プロセスのパラメータがドリフトすることが許容される場合、単一のアラームが、膨大なアラームをトリガし、オペレータにプロセスの不調の根本原因を見失わせる可能性がある。関連技術において、不調事前警告の使用は、それらの不調事前警告が手動で構成されなければならず、数百または数千のタグがシステムに存在する場合にそれを大規模に行うことが難しいので非実際的である。
【0038】
単一プロセスユニットにおいてさえも、異なるプロセスの状態が、異なる動作範囲を必要とする可能性があり、これらの異なる動作範囲に不調事前警告のパラメータを手動で構成することは、難しい可能性がある。たとえば、異なる動作は、混合されている原油(crude)のグレードを精製により変えること、または市場の需要に基づく異なる出力の生産を意味する。
【0039】
また、異なるオペレータは、同じプラントまたはプロセスにおいてさえ、それらのオペレータの経験および生産の目的、たとえば、効率を最大化すること、生産を最大化すること、品質を高めることなどに基づいて異なるように操作する可能性がある。
【0040】
本出願の例示的な実施形態は、ドリフトするパラメータに基づいてシステム全体のための不調事前警告状態に関するパラメータを自動的に設定するための方法を提供する。不調事前警告状態のパラメータは、プロセスの動作状態を示すための特定のプロセスに関する設定された数値である可能性がある。例示的な実施形態は、不調状態に達しないようにプロセスを動作させるための監視を提供する可能性があり、したがって、オペレータは、プロセスが安定した状態のままであるように措置を取ることができる。例示的な実施形態は、オペレータがプロセスに対する遙かに厳格な制御を達成することを可能にし、そもそもアラームを発生させないためにパラメータの変化を監視し、制限することを目標とする。
【0041】
加えて、例示的な実施形態は、表示によって状況に応じて重要な値を提供し、オペレータが様々なタッチ入力によって値を直接操作することを可能にし得る。
【0042】
ドリフトの監視
本出願の例示的な実施形態は、オペレータがドリフト状態の要約を示されるユーザインターフェースを提供する。要約は、オペレータが措置を取るために、どのパラメータが安定した状態からドリフトしているかを表示し、状況認識を提供することができる。
【0043】
図2は、パラメータおよびそれらのパラメータの安定した状態からのドリフトの要約を示すユーザインターフェース(UI) (200)の例示的な実施形態を示す。オペレータは、レベル2の情報を表すグラフィカル表示アイコン(201)を見る可能性がある。そのとき、レベル2のアイコン(201)は、レベル2のプロセスの下に入るより低いレベルのフィールドデバイスおよびプロセスのすべてに関するアラーム状態およびドリフト状態の要約を表示することができる。たとえば、高優先順位アラーム(H) (202)、中優先順位アラーム(M) (203)、および低優先順位アラーム(L) (204)のインスタンスの数、ならびにドリフト(205)の数に関する数値表示が提供され得る。さらに、UI (200)は、スナップショットの特徴(209)、ならびにモバイルデバイス、たとえば、[ANDROID] (登録商標)のネイティブのユーザインターフェースアイコン(206、207、208)に関連するアイコンを提供する可能性がある。
【0044】
このようにして、UIは、オペレータのためにドリフトをアラームと明瞭に区別することができる。また、オペレータは、ドリフトが発生しているかどうかの要約画面を検討する容易さを提供される。また、UIは、より高いレベルの、レベル2の情報に関連するより低いレベルのプロセスを検討するためのレイアウトをさらに提供する。
【0045】
一部の実施形態において、レベル2のアイコンは、左側の縁と右側の縁との両方のUIの垂直の縁に沿って配列される可能性がある。代替的に、一部の実施形態は、UIの左側の縁に沿って配列されるべきレベル2のアイコンを提供する可能性がある。レベル2のアイコンをクリックすることは、関連するより低いレベルのプロセス、たとえば、Towerをレベル2のCrude Unitプロセスのレベル3のプロセスとしてUIの真ん中に表示する。
【0046】
図3および
図4は、オペレータが
図2のUI (200)からレベル3のプロセスをさらに選択したときにUIが従う(follow)実施形態を示す。一部の実施形態において、レベル2のプロセス(301)は、UIの少なくとも片側の縁、または両側の縁に引き続き表示される。UIは、レベル3のプロセスに関連する特定のフィールドデバイス(302)のリストと、フィールドデバイスの動作状態または値のグラフィカル表示(303)とをさらに含む。ドリフトに晒されているリスト(302)内の特定のフィールドデバイスは、グラフィカルな文字「D」などのアイコンまたはアノテーションによって示される可能性がある。
【0047】
オペレータがグラフィカル表示(303)のために特定のデバイスを選択するとき、許容可能なドリフトの範囲に関するパラメータ(305、306)および目標値(304)が示される可能性がある。これは、グラフィカル表示(303)のためのさらなる状況を設定として与える。
【0048】
一部の実施形態においては、アラームの過重負担が発生するとき、オペレータがアラームが起こっているプロセスを安定した状態に戻すことを可能にするために、ドリフト監視システムが自動的にオフにされ得る。これは、常にアラームがドリフトよりも高い優先順位を持つので有用である。さらに、アラーム状態においては非常に多くのドリフトが発生している可能性が高い。
【0049】
一部の実施形態によれば、プロセスの動的特性(dynamics)に基づいて、オペレータは、各パラメータに関する制御の厳密さを定義することができる。これらの値は、リアルタイムオプティマイザ(RTO)の出力である可能性があり、構成ファイルを介してシステムにインポートされることを可能にされる。
図3および
図4に付け加えて、オペレータは、タグ/パラメータを開き、そのタグ/パラメータの現在の状態を調べ、パラメータの所望の値を設定し、オペレータがパラメータがドリフトする場合に通知されたいときには範囲を調整することができる。所望の値および範囲を調整する例示的な実施形態が、以下で説明される
図17〜
図21に見られる。グラフィカル表示(303)をさらに選択することによって、特定の値または範囲の設定が表示させられ得る。
【0050】
一部の実施形態において、構成ファイルが使用される場合、デフォルトのドリフトの範囲の設定は、インポートされる設定である。代替的に、インポート用の構成ファイルが存在しない場合、ドリフト範囲は、動作範囲の10%のデフォルト値のように、希望通りに百分位数の範囲に予め設定される可能性がある。
【0051】
十分に大きな度合いのドリフトが発生する例示的な実施形態において、システムは、自動的に、ドリフトしているパラメータを表示し、オペレータがプロセスを正常な動作基準内にするためにパラメータに対して調整を行うためのユーザインターフェースを表示させる可能性がある。
【0052】
一部の実施形態において、システムは、動作状態を基準内にするために所定のアルゴリズムに基づいてフィールドデバイスを自動的に調整する可能性がある。これらのアルゴリズムは、予め決まっているかまたは経験に基づいてオペレータによって設定される可能性がある。これらの実施形態において、システムは、フィールドデバイスを能動的に調整する可能性がある。調整は、比例-積分-微分(PID)コントローラなどのコントローラを使用することによって実現され得る。PIDコントローラは、測定されたPVと所望のSVとの間の誤差を最小化しようと試みるように構成される制御ループフィードバックメカニズムである。PIDコントローラは、比例の項、積分の項、および微分の項を含む3つの補正項を用いるアルゴリズムに基づいて動作し得る。比例の項は、逸脱の値に比例する。積分の項は、逸脱の継続時間を考慮する。微分の項は、調整を考慮して予測されるシステムの挙動を考慮する。これらの項のうちの1つまたは組合せが、プロセスを調整するための調整量を決定するために使用される可能性がある。PIDコントローラは、制御バルブまたは電源などの構成要素の位置を調整して任意の逸脱を修正しようと試みる可能性がある。一部の実施形態において、システムは、ドリフトが被られるとき、自動的に、フィールドデバイスを調整し始める可能性がある。これは、たとえオペレータがプロセスを手動で調整することができないとしても、アラーム段階へのさらなる逸脱ではなく修正を可能にし得る。
【0053】
一部の実施形態において、調整は、コントローラのSVの代わりにPIDコントローラのチューニングパラメータ(P、I、およびD定数)に対して行われる。
【0054】
一部の実施形態においては、リアルタイムオプティマイザなどのアルゴリズムが、ドリフト検出の上に置かれ、アルゴリズムが、フィールド値を調整する。
【0055】
例示的な実施形態においては、一連のあり得る措置が、ドリフトパラメータにタグ付けされる可能性がある。たとえば、特定のドリフトの通知が、自動的調整が確立された標準的な動作手順に従ってなされるようにする可能性がある。これは、プロセスの調整、またはプロセスを調べるための通知の設定を含む可能性がある。さらに、一部の実施形態は、オペレータがドリフトの通知を検討し、分析するための画面上の手引きを提供する可能性がある。そのような画面上の手引きは、[YOKOGAWA EXA-PILOT] (登録商標)などのソフトウェアによって提供される可能性がある。
【0056】
例示的な実施形態においては、ドリフト自体の傾向、またはプロセスが標準的な動作手順のあり得る措置に基づいてどのように動く可能性があるかの性質を予測するために、シミュレーションが使用される可能性がある。
【0057】
例示的な実施形態においては、シミュレーションが、特定のドリフトに対する一連のあり得る措置を考慮に入れた後に、不安定になる将来のプロセス値を検出するとき、アラームまたは通知がオペレータに対して引き起こされる。
【0058】
スナップショットの構成
例示的な実施形態は、
図5に示されるスナップショットの特徴(509)を提供する。スナップショットの特徴は、プロセスに関する現在の動作状態に関するデータを保存するために使用され得る。主として、それは、プロセスのための最適化された構成およびドリフトの設定の保存を対象としている。このようにして、データは、保存され、潜在的に、その他の場所の同様のプロセスのため、またはシステムの復元の必要がある場合のバックアップのためにエクスポートされ得る。
【0059】
たとえば、プラントがプロセスを変更している、たとえば、サウジアラビアの軽質原油を処理することと異なる原油を処理することとの間を切り替えている場合、対応するスナップショットファイルが迅速に復元され得る。
【0060】
スナップショットの特徴は、特定のフィールドデバイスの特定のパラメータに至るまでより低いレベルのプロセスを含む所望のプロセスに関連するすべてのデータを保存するように構成され得る。
【0061】
その他の実施形態において、スナップショットの特徴は、トラブルシューティングのために使用され得る。最適でない状態がスナップショットによって保存され得るとき、それらの状態は、分析と、その他のオペレータまたは研究者との議論のために送信される可能性がある。これは、修正する一連の措置を決定する手助けをオペレータに提供し得る。
【0062】
図6は、レベル2のプロセス(601)が選択された例示的な実施形態を示す。システムまたは動作が所望の安定した状態にあるとき、オペレータは、スナップショットアイコン(609)をクリックすることによってシステムのスナップショットを取得するそのユーザの意図を通知する。そのとき、システムは、すべての現在のパラメータ値を記録し、それらのパラメータ値を目標値として記憶する。
【0063】
一部の実施形態において、ドリフトの範囲の通知もスナップショットに保存される。代替的にドリフトの範囲の通知は、別個の構成から継続的に来る。
【0064】
レベル2のプロセスのスナップショットを取得することによって、プロセスの特定のフィールドデバイスからのすべてのより低いレベルのデータも保存される。
【0065】
図7は、レベル3のプロセス(701)が選択された例示的な実施形態を示す。システムまたは動作が所望の安定した状態にあるとき、オペレータは、スナップショットアイコン(709)をクリックすることによってシステムのスナップショットを取得するそのユーザの意図を通知する。そのとき、システムは、すべての現在のパラメータ値を記録し、それらのパラメータ値を目標値として記憶する。
【0066】
選択的なレベルに基づくスナップショットの保存を可能にすることによって、保存されるデータの種類および量が、オペレータの特定の必要に合わせられ得る。スナップショットの保存は、選択されたプロセスのパラメータ値の保存および関連するより低いレベルのプロセスに関するすべての関連するパラメータ値の保存を可能にする。そのようにして、プロセスの所望のパラメータ値が記録される可能性があり、プロセスがプロセスのレベルの階層から選択され得る。そのようにすることによって、記録は、プロセスの所望のパラメータ値および関連するより低いレベルのプロセスの所望のパラメータ値を記録するように構成される。したがって、より高いレベルのプロセスが選択される場合、関連するより低いレベルのプロセスに関するすべてのデータも記録され得る。
【0067】
図8は、スナップショットから発見され得る例示的な出力を示す。スナップショットを分析することによって、所与の動作状態のドリフトの数が、プロセスの全体的な効率を査定するために調べられ得る。加えて、ドリフトの数は、潜在的な動作の問題に対処するオペレータの効率の評価として使用され得る。1つのそのような出力は、ドリフトの数を経時的に示すための
図8のようなグラフ(801)である可能性がある。動作の効率と、特定のシフト中の特定のオペレータがドリフトによる特定の課題に直面するかどうかとに関して、評価がなされる可能性がある。
【0068】
一部の実施形態において、スナップショットは、リアルタイム最適化(RTO)または高度プロセス制御(APC: advanced process control)のためのソフトウェアによって自動的に生成され得る。しかし、スナップショットは、手動操作によってスタンドアロンシステムにおいて使用される可能性もある。
【0069】
さらに、一部の実施形態において、スナップショットは、IAプロセスのための製造実行システム(MES)がプロセスの動作状態の変化を検出するときに自動的にロードされる可能性がある。たとえば、異なる原油などの異なる入力が検出される場合に、MESシステムが、対応するスナップショットを自動的にロードする可能性がある。
【0070】
モバイルデバイスによる実装
図9は、制御室内のコンソールとともに使用するためにモバイルデバイスを確認する関連技術の方法を示す。開始する(S901)ために、オペレータが、モバイル設定を開く可能性がある(S902)。これによって、オペレータは、モバイルデバイスがどの特定のコンソールに接続するのかを知らなければならない(S903)。オペレータがコンソールを知ると、モバイルデバイスアプリケーションが、そのコンソールに接続するように手動で構成されなければならない(S904)。必要な構成情報は、端末名、IPアドレス、ポート番号、サブネット、ドメイン、ユーザ名、およびパスワードなどのデータを含む可能性がある。この後、構成情報が、保存される可能性があり(S905)、モバイルアプリケーションが、立ち上げられる可能性があり(S906)、その結果、指定されたコンソールのための接続プロセスが、開始する可能性がある(S907)。
【0071】
このアプリケーション構成手順は、それぞれの個々のコンソールに接続するために繰り返されなければならない。この手動構成プロセスが原因で、モバイルデバイスは、制御室内の複数の異なるコンソールに迅速に接続され得ない。さらに、プロセスは、制御室のコンソールとのモバイルデバイスの近さを考慮に入れない。
【0072】
その他の関連技術の実施形態において、関連技術は、ログインプロセスの一部としてNFCおよび近さを使用する可能性がある。しかし、これは、モバイルデバイスおよびコンソールの接続の前に近接技術とモバイルデバイスとの間でセキュリティ証明書をやりとりすることを含む2ステップの認証および確認プロセスを必要とする。
【0073】
図11は、近さを使用して自動的にモバイルデバイスを構成し、IA制御室内のコンソールに接続するプロセスの例示的な実施形態を示す。例示的な実施形態は、NFCなどの近距離無線通信を使用して自動的にモバイルデバイスを構成し、制御室のコンソールに接続する。NFCを使用することによって、これは、モバイルデバイスが接続されている制御室のコンソールの極近くにそのモバイルデバイスがあることをやはり必要とする。
【0074】
例示的な実施形態においては、NFCタグが、制御室のコンソールの隣に置かれる。各NFCタグは、そのNFCタグが隣に置かれるコンソールを特定する一意IDを含む。この一意IDは、
図10のようなデータベースに入力され、モバイルデバイスまたはモバイルアプリケーションを構成し、制御室のコンソールに接続するための必要な情報を含む。構成情報は、制御室のネットワーク環境に依存して必要に応じて構成テーブルに追加されるかまたは取り去られる可能性がある。また、それぞれのNFCタグは、制御室内のそのNFCタグが表すコンソールに関する一意IDを用いて書き込まれる。
【0075】
接続プロセスを開始するために、ユーザが、制御室の使用のために認められ、ロードされたモバイルデバイスを得る(S1101)。それから、オペレータが、それらのオペレータが接続されたいコンソールにモバイルデバイスを運ぶ。そして、モバイルデバイスが、コンソールにおいてNFCタグにタッチして構成および制御プロセスを開始する(S1102)。さらに、これは、モバイルデバイスが制御室のコンソールの極近くで構成プロセスを開始するという要件を満たす。
【0076】
モバイルデバイスがNFCタグにタッチすると、モバイルデバイス上のアプリケーションが、NFCタグの一意識別子を受け取る(S1103)。そして、モバイルアプリケーションが、データベース内のNFCタグの一意識別子を探す(S1104)。
図10は、特徴の名前(1001)、データタイプ(1002)、およびコメント(1003)に帰せられる情報を有する構成データベースの例示的な実施形態を示す。データベースから返される情報は、制御室のコンソールの構成情報を含む。
【0077】
データベース内の返される構成情報を使用して、アプリケーションが、それから、制御室のコンソールに接続するように自動的に構成される(S1105)。構成に従って、アプリケーションは、そのアプリケーション自体を制御室のコンソールに接続することができる(S1106)。したがって、そのとき、オペレータは、その特定の制御室のコンソールのために必要とされる任意のさらなる認証手順に従う可能性がある(S1107)。
【0078】
例示的な実施形態によって、モバイルデバイスは、それぞれのあらゆるコンソールに関する手動構成を必要とすることなく別の制御室のコンソールに迅速に接続され得る。
【0079】
代替として、一部の実施形態は、NFCの代わりにRFIDチップを使用する可能性がある。プロセスは、RFIDが使用されることを除いてモバイルデバイスにおいてNFCを使用するのと同様である。RFIDチップは、モバイルデバイスに一意IDを与える。そのとき、このRFIDの一意IDは、制御室のコンソールの構成情報を探すためにNFCの一意IDと同様に使用される。RFIDの使用も、モバイルデバイスが接続している制御コンソールの極近くにそのモバイルデバイスがあることを必要とする。
【0080】
図12は、[BLUETOOTH](登録商標)を使用するプロセスの例示的な実施形態を示す。低電力[BLUETOOTH](登録商標)の使用は、制御室のコンソールの近さおよび自動構成を保証する可能性がある。[IBEACON](登録商標)テクノロジーは、低電力[BLUETOOTH](登録商標)デバイスの例である。この実施形態は、NFCの使用と同様である。しかし、NFCタグを使用してコンソールとの近さを判定する代わりに、低電力Bluetooth(登録商標)デバイスが使用される。低電力[BLUETOOTH](登録商標)は、NFCまたはRFIDよりも広い検出範囲を有する可能性がある。
【0081】
NFCおよびRFIDとは別に、[BLUETOOTH](登録商標)を使用して極近くで検出された制御室のコンソールのリストを埋めることが必要である可能性がある。一部の実施形態において、オペレータは、モバイルデバイスがどのコンソールと構成され、接続されるべきかを選択しなければならない。低電力[BLUETOOTH](登録商標)デバイスの特徴は、信号強度が調整され得ることである。これは、低電力[BLUETOOTH](登録商標)デバイスを検出するためにモバイルデバイスがいなくてはならない近傍の範囲に影響を与える。したがって、[BLUETOOTH](登録商標)の使用は、接続の効率を高めるために特定の制御室のレイアウトおよびコンソールの間隔に合うように調整され得る。
【0082】
接続プロセスを開始するために、オペレータが、制御室の使用のために認められ、ロードされたモバイルデバイスを得る(S1201)。オペレータが、それらのオペレータが接続されたいコンソールの近くにモバイルデバイスを運ぶ(S1202)。それから、モバイルデバイス上のモバイルアプリケーションが、コンソールに結びつけられた近くの低電力[BLUETOOTH] (登録商標)デバイスを検出することができる。
【0083】
制御室のコンソールのリストが、モバイルデバイスにおいて埋められ(S1203)、オペレータが、自動的に構成され、接続されるコンソールを選択し得る(S1204)。
【0084】
次いで、低電力[BLUETOOTH](登録商標)デバイスが、モバイルアプリケーションに一意IDを提供する(S1205)。それから、モバイルアプリケーションが、データベース内で低電力[BLUETOOTH](登録商標)デバイスからの一意IDを探す(S1206)。データベースから返される情報は、制御室のコンソールの構成情報である。
【0085】
データベース内の返される構成情報を使用して、アプリケーションが、制御室のコンソールに接続するように自動的に構成され得る(S1207)。このとき、アプリケーションは、そのアプリケーション自体を制御室のコンソールに接続する(S1208)。したがって、そのとき、オペレータは、その特定の制御室のコンソールのために必要とされる任意のさらなる認証手順に従う可能性がある(S1209)。
【0086】
例示的な実施形態によって、モバイルデバイスは、それぞれのあらゆるコンソールに関する手動構成を必要とすることなく別の制御室のコンソールに迅速に接続され得る。
【0087】
一部の実施形態において、モバイルデバイスの使用は、特定のユーザの権利またはユーザプロファイルにリンクされる可能性がある。これらは、特定のプロセスのアクセスおよび監視を選択的に構成する能力を与え得る。このようにして、モバイルデバイスのオペレータが、別々のプロセスの変化に対応するかまたは別々のプロセスの変化を警告されることを必要とせずに、関心のあるプロセスを選択的に監視することができる可能性がある。一部の複雑なプロセスにおいては、それぞれのオペレータがプロセスの1つのセクションまたは部分に責任を負う複数のオペレータが存在する可能性がある。そのような場合、オペレータは、プロセスのすべての要素を監視する必要がない。特定のプロセスをモバイルデバイスに選択的にリンクすることによって、オペレータは、余分な無関係の情報によって邪魔されない。たとえば、オペレータは、
図2に示されたTOWERまたはCRUDE_OIL_FEEDにリンクすることのみを選択し、それによって、別のDESALTERプロセスがドリフトする場合に妨げられない可能性がある。
【0088】
一部の実施形態は、特定のリンクされたプロセスの修正のみを可能にしながらオペレータがプロセスのすべてを見ることを可能にし得る。その他の実施形態は、特定のプロセスの閲覧および修正のみを可能にし得る。
【0089】
これらの実施形態においては、その他のプロセスに対する偶発的な変更を防止するために、特定のモバイルデバイス、ユーザの権利、またはユーザプロファイルが、特定のプロセスの修正に制限される可能性がある。特定のプロセスの外のパラメータの修正を防止することによって、オペレータは、オペレータに割り当てられないプロセスの設定を偶発的に修正し得ない。これは、その特定のプロセスに責任を負う別のオペレータがアラームが発生するまで不調事前警告状態の変化に気がつかない可能性がある場合に潜在的な誤りを防止する。
【0090】
加えて、監督者または訪問者がモバイルデバイスを使用してプロセスを監視している可能性がある場合に、関係のないプロセスの偶発的な修正が防止され得る。
【0091】
タッチインタラクション
図17は、設定パラメータのタッチ調整のために構成されたユーザインターフェース(1701)に関する例示的な実施形態を示す。テキスト入力の方法を用いる
図14の関連技術のメニューとは対称的に、ユーザインターフェースは、グラフ(1702)およびスライダーインジケータ(1703)を提供する。
図13の関連技術のフェースプレート表示は、値が何を表すのかまたはそれらの値の上限および下限がどこかに関してあまり状況を示さない。さらに、インタラクションは、タッチスクリーンデバイスに都合の悪いキーボードおよびマウスによってしか行われない。
【0092】
対称的に、スライダーインジケータ(1703)は、グラフ(1702)の範囲内の構成可能な値を示す。スライダーインジケータ(1703)は、オペレータのタッチ入力の動きに対応して移動可能である。タッチの上下動が、スライドインジケータ(1703)を範囲内で上下に動かす。スライドインジケータ(1703)が動く距離は、何本の指が使われるかに相互に関連付けられる。
【0093】
図18は、オペレータによる2本指の入力がユーザインターフェース(1801)のグラフ(1802)に沿ったスライダーインジケータ(1803)の等しい量の対応する移動をもたらす例示的な実施形態を示す。たとえば、オペレータが2本の指をタッチインターフェース上で1センチメートル滑らせる場合、スライダーインジケータ(1803)も1センチメートル移動する。
【0094】
図19は、オペレータによる1本指の入力がユーザインターフェース(1901)のグラフ(1902)に沿ったスライダーインジケータ(1903)のより少ない量の対応する移動をもたらす例示的な実施形態を示す。たとえば、オペレータが1本の指をタッチインターフェース上で1センチメートル滑らせる場合、スライダーインジケータ(1903)は0.5センチメートル移動する。
【0095】
代替的な実施形態は、2本指の操作がより少ない対応する移動をもたらすように、1本指の操作と2本指の操作との間で応答を切り替える可能性がある。
【0096】
加えて、より少ない入力によって距離が減る機能は、半分削減する以外の何かである可能性がある。タッチ入力に基づくスライダーインジケータの対応する移動は、その他の比率で設定される可能性がある。値が動く距離は、入力されたタッチがディスプレイ上を移動する距離に正比例し、一部の実施形態において、タッチ入力の方法のうちの1つは、タッチ入力の2倍である移動をもたらす可能性がある。
【0097】
異なる移動の応答を有することによって、オペレータは、スライダーインジケータのおおざっぱなおよび細かい調整を行う能力を与えられ得る。これは、タッチ入力に基づくスライダーインジケータの大きな移動が原因で細かい調整に関してスライダーインジケータの移動の制御が難しいか、またはタッチ入力に基づくスライダーインジケータの小さな移動が原因でおおざっぱな調整に関してスライダーインジケータの移動の制御が難しいことに人が気がつく可能性がある単一の対応方法とは対称的である。
【0098】
図20は、ユーザインターフェース(2001)のグラフ(2002)に沿ったスライダーインジケータ(2003)の潜在的な調整値が所定の範囲内に設定される実施形態を示す。したがって、たとえオペレータの動き(2004)が大きくても、スライダーインジケータ(2003)は、所定の範囲の境界にぶつかると移動を止める。
【0099】
図21は、ユーザインターフェース(2101)のグラフ(2102)の表示範囲がピンチインジェスチャおよびピンチアウトジェスチャによって調整され得る実施形態を示す。範囲が構成される必要があるとき、ピンチインジェスチャは、範囲を狭め、ピンチアウトジェスチャは、範囲を拡げる。代替的に、逆の対応が構成される可能性がある。
【0100】
一部の実施形態において、ユーザインターフェースは、さらなる入力されたタッチを利用して、オペレータによって入力されたタッチに応答するスライダーインジケータの比例した移動をさらに調整し得る。この関係は、任意の数の入力されるタッチに当てはめられる可能性があり、それぞれの追加的なタッチが、スライダーインジケータの比例する移動を変更する。
【0101】
たとえば、最大数のタッチがタッチの距離と同じ距離だけスライダーインジケータを動かす例示的な実施形態において、1つ少ないタッチが、半分の距離の移動をもたらし、2つ少ないタッチが、4分の1の距離の移動をもたらすといった具合である。代替的に、1つのタッチが、スライドインジケータがタッチの距離と同じ距離移動する結果を生じ、さらなるタッチが、スライドインジケータが動く距離を減らすように、逆が正しい可能性がある。必要なタッチの最大数は、必要に応じて、粒度または詳細さのレベルによって決定される可能性がある。
【0102】
応用においては、ドリフト範囲の構成の個々の限界を調整するためにタッチ入力システムが使用され得る。
【0103】
図22は、プロセッサ(2201)、タッチスクリーンディスプレイ(2202)、およびストレージ媒体(2203)を有する、方法を実現し得る例示的なデバイスを示す。
【0104】
本明細書が例示的な実施形態に関連して上で説明されたが、添付の特許請求の範囲によって定義される特徴の技術的思想および範囲を逸脱することのない、当業者による説明された例示的な特徴の様々な入れ替えおよび修正が存在する可能性があることが理解される。
【0105】
1つまたは複数の例示的な実施形態の方法は、コンピュータによって具現化される様々な動作を実装するためのプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体(CD ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)にコンピュータ可読プログラムコードとして記録される可能性がある。
【0106】
本明細書は多くの特徴を含むが、特徴は、本開示または添付の特許請求の範囲に対する限定とみなされるべきでない。別々の実施形態に関連して説明された特定の特徴が、組み合わせて実装される可能性もある。反対に、単一の例示的な実施形態に関連して説明された様々な特徴が、複数の例示的な実施形態に別々に、または任意の適切な部分的組合せで実装される可能性もある。
【0107】
図面は特定の順序またはレイアウトでユーザインターフェース(UI)のビューを示すが、UIのビューが図面に示された特定の順序もしくはレイアウトで実行されるかまたは連続的な順序で連続的に実行される、あるいは所望の結果を得るためにすべてのUIのビューが必要であると解釈すべきでない。または、すべての実施形態がこの説明の中でなされた様々なシステムの構成要素の区別を必要としないことに留意されたい。デバイスの構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品または複数のソフトウェア製品パッケージとして実装される可能性がある。
【0108】
いくつかの例が、上で説明された。しかしながら、様々な修正がなされ得ることが留意される。たとえば、説明された技術が異なる順序で実行される場合、ならびに/あるいは説明されたシステム、アーキテクチャ、もしくはデバイスの構成要素が異なる方法で組み合わされるかおよび/またはその他の構成要素もしくはそれらの構成要素の均等物によって置き換えられるかもしくは補足される場合に、好適な結果が達成される可能性がある。したがって、その他の実装は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。