特許第6844278号(P6844278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6844278制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844278
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20210308BHJP
【FI】
   H04W16/14
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-12408(P2017-12408)
(22)【出願日】2017年1月26日
(65)【公開番号】特開2018-121252(P2018-121252A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】金子 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】児玉 保彦
【審査官】 石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−023565(JP,A)
【文献】 特開2016−009973(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0021626(US,A1)
【文献】 特表2017−523708(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0223187(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視装置において、
捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得する受信手段と、
所定の制御チャネル監視周期内で、上記既存基地局からの上記各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、上記受信手段に対して、到来電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、
上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視時間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段と
を備えることを特徴とする制御チャネル監視装置。
【請求項2】
上記受信タイミング制御手段が、上記既存基地局から送出される上記各制御チャネルの最大間隔時間と、上記分割監視時間の時間長とに基づいて、上記制御チャネル監視周期内での到来電波の受信回数を決定し、この受信回数に基づく上記分割監視時間で、到来電波の受信を指示することを特徴とする請求項1に記載の制御チャネル監視装置。
【請求項3】
上記分割監視時間の時間長が所定の単位フレームの時間長であり、
上記受信タイミング制御手段が、上記各制御チャネルの最大間隔時間を上記単位フレームの時間長で除して、上記受信回数を決定することを特徴とする請求項2に記載の制御チャネル監視装置。
【請求項4】
上記受信タイミング制御手段が、上記制御チャネル監視周期を複数の分割周期に分割し、ある分割周期内の各分割監視時間と、他の分割周期内の各分割監視時間とが一部で重なるように、各分割周期内の各分割監視時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の制御チャネル監視装置。
【請求項5】
上記分割監視時間の時間長が、所定の単位フレームの時間長の整数倍であり、
上記受信タイミング制御手段が、上記他の分割周期内の分割監視時間を、上記ある分割周期内の各分割監視時間に対して、上記単位フレームの時間長だけ位相をずらして決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の制御チャネル監視装置。
【請求項6】
上記制御チャネル監視周期は、所定の既存システム保護条件に基づく時間長と、上記制御チャネルの数とに基づいて決定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の制御チャネル監視装置。
【請求項7】
上記制御チャネルの数が1個の場合、上記制御チャネル監視周期が1時間であり、
上記制御チャネルの数が2個の場合、上記制御チャネル監視周期が30分である
ことを特徴とする請求項6に記載の制御チャネル監視装置。
【請求項8】
上記分割監視時間の時間長が10msであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の制御チャネル監視装置。
【請求項9】
上記キャリアセンス判定手段が、上記1又は複数の制御チャネルの周波数として1898.45MHzと1900.25MHzとのいずれか又は両方を含む周波数帯をキャリアセンスすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の制御チャネル監視装置。
【請求項10】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視方法において、
受信手段が、捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得し、
受信タイミング制御手段が、所定の制御チャネル監視周期内で、上記既存基地局からの上記各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、上記受信手段に対して、到来電波の受信を指示し、
キャリアセンス判定手段が、上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視時間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視する
ことを特徴とする制御チャネル監視方法。
【請求項11】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視プログラムにおいて、
コンピュータを、
捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得する受信手段と、
所定の制御チャネル監視周期内で、上記既存基地局からの上記各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、上記受信手段に対して、到来電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、
上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視時間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段と
して機能させることを特徴とする制御チャネル監視プログラム。
【請求項12】
所定の無線方式で無線通信を行なう基地局において、
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する請求項1〜9のいずれかに記載の制御チャネル監視装置である制御チャネル監視手段を備えることを特徴とする基地局。
【請求項13】
上記既存基地局が送出する上記各制御チャネルを受信する既存方式受信手段をさらに備え、
上記既存方式受信手段が、上記制御チャネル監視手段から指示された、所定の制御チャネル監視周期内で、上記既存基地局からの上記各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで受信する
ことを特徴とする請求項12に記載の基地局。
【請求項14】
上記所定の無線方式が、TD−LTE規格化技術に準拠した無線方式であることを特徴とする請求項12又は13に記載の基地局。
【請求項15】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視装置において、
電波を受信し前記電波の受信信号強度を取得する受信手段と、
制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、上記受信手段に対して、電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、
上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視期間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段と
を備えることを特徴とする制御チャネル監視装置。
【請求項16】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視方法において、
受信手段が、電波を受信し前記電波の受信信号強度を取得し、
受信タイミング制御手段が、制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、上記受信手段に対して、電波の受信を指示し、
キャリアセンス判定手段が、上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視期間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視する
ことを特徴とする制御チャネル監視方法。
【請求項17】
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視プログラムにおいて、
コンピュータを
電波を受信し前記電波の受信信号強度を取得する受信手段と、
制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、上記受信手段に対して、電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、
上記受信手段からの上記受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、上記各分割監視期間で受信した上記各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、上記各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段と
して機能させることを特徴とする制御チャネル監視プログラム。
【請求項18】
所定の無線方式で無線通信を行なう基地局において、
他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する請求項15に記載の制御チャネル監視装置である制御チャネル監視手段を備えることを特徴とする基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日本国内において、1.9GHz帯の新たな無線システムの規格標準化技術「1.9GHz帯自営高度化システム(sXGP:Shared XGP方式)」が導入される予定である。sXGP方式は、時分割多重方式(TDD;Time Division Duplex)方式の「TD−LTE(Long Term Evolution)をベースとした無線方式である。
【0003】
日本国内に同一の周波数帯域に異種無線システムを導入する場合、既存システムの運用に影響を与えないように保護する規定がある。
【0004】
ここで、既存システムの運用に影響を与えないように保護するとは、即ち既存システムの制御チャネルを保護することを意図する。
【0005】
制御チャネルは、基地局と端末との間の接続制御に必要な制御信号を転送するためのチャネルであり、例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)方式の場合、基地局が、制御チャネルを使用して、端末に対して使用可能なタイムスロットとキャリアとの割り当てメッセージを送信している。
【0006】
今後、導入が予定されているsXGP方式と同一周波数帯を使用する既存システムとして、PHS(Personal Handy-phone System)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)システムがあるため、sXGP方式を導入する場合、これら既存システムの運用に影響しないことが求められる。
【0007】
図2に示すように、PHSは、42chのチャネルのうち、12chと18chとが制御チャネル(論理制御チャネル:LCCH;logical Control Channel)として現在使用されている。
【0008】
一般に、従来の自営PHSはTDMA−TDD接続方式が採用されており、1つのフレームは、図3の通り構成されている。さらに、自営PHS基地局のLCCHのフレームは、図3に示すように、フレームが複数個まとまったスーパーフレーム構成となっている。
【0009】
LCCHは、自営PHSのいわゆるパイロット信号であり、複数の同システムで共存するために、所定の間隔を持って送信している。そのLCCHの間隔(インターバル)は、第二世代コードレス電話システム「RCR STD−28」の標準規格に規定されている。
【0010】
sXGP方式の1チャネル当たりの帯域幅は、1.4MHz又は5MHzで検討されており(図2参照)、1.4MHz、5MHzのいずれの帯域幅も、PHSのLCCHと重なりが生じ得る。
【0011】
PHSのLCCH保護内容は、「後発システムが運用を開始する前、及び運用開始後1時間毎に電波状況を確認(キャリアセンス)し、あるレベル以上のLCCHが存在していたら、運用を停止する」というものである。すなわち、PHSに影響を与えないようにするため、sXGP基地局は、PHS基地局が所定の間隔で送信するLCCHを確実に検出することが必要となる。
【0012】
PHSのLCCHインターバル値(n)は25≦n≦60となっているため、1フレームが5msの場合、25*5≦n≦60*5なので、LCCHインターバルは、125ms≦LCCHインターバル値≦300msとなる。
【0013】
よって、自営PHS基地局は、図4に示す通り、最大300msに1回、制御チャネルを使用して625usのフレーム送信を行なう。
【0014】
このような動作をしている自営PHSに悪影響を与えないように、sXGP方式が動作するためには、最大300msに1回送信されるLCCHを確実に検出する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2013−175983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、sXGP基地局がPHS基地局から最大300msに1回送信されるLCCHを確実に検出するためには、sXGP基地局は、キャリセンスのために、300msの間、送信を止め、受信し続けなければならない。PHSは、制御チャネルが2つあるため、sXGP基地局は、2つの制御チャネルのそれぞれを探索することになり、同時に2チャネルを受信できない場合には、送信を止める時間が2倍になることも考えられる。
【0017】
この間は、sXGP基地局からのユーザデータは、もちろん、システム維持に必要なパイロット信号や報知情報も送信されない。
【0018】
sXGP方式で300msもの間、基地局が送信しないことになると、sXGP方式の端末から見ると、通話の音切れ、映像の停止などサービス面で品質の低下、場合によっては、圏外表示になることが考えられ、これが繰り返し発生し得るという問題がある。
【0019】
そのため、既存システム(異種の他の無線システム)の運用を保護するために、異種の他の無線システムの制御チャネルの受信監視に係る時間を短くして、上記制御チャネルを確実に検出することができる制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る制御チャネル監視装置は、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視装置において、(1)捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得する受信手段と、(2)所定の制御チャネル監視周期内で、既存基地局からの各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、受信手段に対して、到来電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、(3)受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視時間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
第2の本発明に係る制御チャネル方法は、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視方法において、(1)受信手段が、捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得し、(2)受信タイミング制御手段が、所定の制御チャネル監視周期内で、既存基地局からの各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、受信手段に対して、到来電波の受信を指示し、(3)キャリアセンス判定手段が、受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視時間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視することを特徴とする。
【0022】
第3の本発明に係る制御チャネル監視プログラムは、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視プログラムにおいて、コンピュータを、(1)捕捉した到来電波の電波信号を受信し、当該電波信号の受信信号強度を取得する受信手段と、(2)所定の制御チャネル監視周期内で、既存基地局からの各制御チャネルの間隔時間を複数に分割した複数の分割監視時間のそれぞれで、受信手段に対して、到来電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、(3)受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視時間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
第4の本発明に係る基地局は、所定の無線方式で無線通信を行なう基地局において、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する第1の本発明に係る制御チャネル監視装置である制御チャネル監視手段を備えることを特徴とする。
第5の本発明に係る制御チャネル監視装置は、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視装置において、(1)電波を受信し電波の受信信号強度を取得する受信手段と、(2)制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、受信手段に対して、電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、(3)受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視期間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段とを備えることを特徴とする。
第6の本発明に係る制御チャネル監視方法は、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視方法において、(1)受信手段が、電波を受信し電波の受信信号強度を取得し、(2)受信タイミング制御手段が、制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、受信手段に対して、電波の受信を指示し、(3)キャリアセンス判定手段が、受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視期間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視することを特徴とする。
第7の本発明に係る制御チャネル監視プログラムは、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する制御チャネル監視プログラムにおいて、コンピュータを(1)電波を受信し電波の受信信号強度を取得する受信手段と、(2)制御チャネル監視期間を分割した複数の分割監視期間のそれぞれで、受信手段に対して、電波の受信を指示する受信タイミング制御手段と、(3)受信手段からの受信信号強度に基づいてキャリアセンスするものであって、各分割監視期間で受信した各制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視するキャリアセンス判定手段として機能させることを特徴とする。
第8の本発明に係る基地局は、所定の無線方式で無線通信を行なう基地局において、他の無線システムの既存基地局が間欠的に送出する1又は複数の制御チャネルを監視する第5の本発明に係る制御チャネル監視装置である制御チャネル監視手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、異種の他の無線システムの運用を保護するために、異種の他の無線システムの制御チャネルの受信監視に係る時間を短くして、制御チャネルを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施形態に係る基地局の内部構成を示す内部構成図である。
図2】自営PHS、DECT方式、sXGP方式の周波数配置を説明する説明図である。
図3】自営PHS基地局のLCCHのフレームのフレーム構成を示す構成図である。
図4】自営PHS基地局が送出するLCCHのインターバル間隔を説明する説明図である。
図5】第1の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す全体構成図である。
図6】第1の実施形態に係る基地局におけるキャリアセンス方法の処理を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る基地局におけるキャリアセンスを説明する説明図である。
図8】第2の実施形態に係る基地局におけるキャリアセンスを説明する説明図である。
図9】第2の実施形態に係る基地局におけるキャリアセンス方法の処理を示すフローチャートである。
図10】変形実施形態に係る基地局の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
第1の実施形態では、既存システムとしてPHSが敷設されている環境に、新方式のsXGP方式の無線システムを敷設する場合のsXGP基地局の通信装置に本発明を適用する場合を例示する。
【0028】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図5は、第1の実施形態に係る通信システムの全体構成を示す全体構成図である。
【0029】
図5に示すように、第1の実施形態に係る通信システム100は、基地局(新方式)10、基地局(既存システム)7、新方式端末8、既存システム端末9を有する。
【0030】
第1の実施形態では、既存の無線システム(既存システム)が設置されている環境に、新しい無線方式の無線システム(新方式)を設置する場合を例示する。例えば、既存システムがPHSシステム(自営PHSシステム)であり、新方式がsXGP方式である場合を例示する。
【0031】
基地局(既存システム)7は、PHS基地局であり、自営PHS基地局である場合を例示する。自営PHSは、251ch〜255ch、1ch〜37chの合計42chを送信又は受信のために使用し、上記42chのうち12chと18chを制御チャネル(LCCH)として使用している。基地局7は、制御チャネル(LCCH)を使用して、一定間隔で無線チャネル情報やシステム情報などの報知情報を送信しており、既存システム端末9との接続要求が生じた場合、他の無線通信との妨害の少ないスロット及びキャリア(周波数)を含む情報を当該端末9に送信し、ネゴシエーションが完了後、その指定されるスロット・キャリアに移行し通信を継続する。一般的に、自営PHSはTDMA−TDD接続方式を採用しており、基地局7が制御チャネルを使用して、図3に例示するフレーム構成を持つフレームを、所定の間隔をもって送信する。1つのフレームは、例えば図3に例示するように、625usをスロット長とする8個のスロットを含むものであり、1フレームのフレーム長は5msとすることができる。また8個のスロットのうち、4個が送信用スロットであり、4個が受信用スロットである。
【0032】
自営PHSのLCCHのインターバル(間隔)は、例えばRCR STD−28の標準規格により規格化されており、自営PHSのLCCHインターバル値(n)は25≦n≦60となっている。すなわち、1フレームが5msの場合、25*5≦n≦60*5なので、LCCHインターバルは、125ms≦LCCHインターバル値≦300msとなる。換言すると、基地局7は、図4に示す通り、最大300msに1回、625usの送信を行う。
【0033】
既存システム端末9は、PHS方式に対応可能な無線通信装置を搭載した端末であり、基地局(既存システム)7との間で無線通信を行なう。既存システム端末9は、基地局7により割り当てられたスロット及びキャリアを使用して基地局7との間で送信、受信を行なうものである。
【0034】
新方式端末8は、sXGP方式に対応可能な無線通信装置を搭載した端末であり、基地局(新方式)9との間で無線通信を行なう。
【0035】
基地局(新方式)10は、sXGP方式の規格化技術に従って、新方式端末8との間で無線通信するものである。sXGP方式の標準規格化技術は、現在進められているが、例えば次のような通信方式が考えられている。使用周波数帯は、1.9GHz帯である。また、基地局10から新方式端末8への通信方式は、OFDMとTDMAを組み合わせたTDD方式を採用し、新方式端末8から基地局10への通信方式は、SC−TDMAを使用したTDD方式を採用することができる。占有周波数帯域幅は、1.4MHz又は5MHzとすることが考えられており、1フレームは10msとする。
【0036】
(A−1−2)基地局の詳細な構成
図1は、第1の実施形態に係る基地局10の内部構成を示す内部構成図である。
【0037】
図1において、基地局10は、制御・ベースバンド部1、無線部2、アンテナ部3を有する。
【0038】
なお、本発明に係る制御チャネル監視装置は、基地局10に搭載されるものであり、少なくとも、制御・ベースバンド部1のキャリアセンス制御部12、無線部2の受信部22を有する。
【0039】
アンテナ部3は、到来した電波を捕捉し、その電波信号を電気信号に変換して得た受信信号を無線部2に与えたり、無線部2からの送信信号を電波信号に変換して送出したりするものである。
【0040】
無線部2は、制御・ベースバンド部1からのベースバンド信号を送信信号に変換してアンテナ部3に与えたり、アンテナ部3からの受信信号をベースバンド信号に変換して制御・ベースバンド部1に与えたりするものである。
【0041】
図1に示すように、無線部2は、送信部21、受信部22、スイッチ部(SW)23、インタフェース部24を有する。
【0042】
送信部21は、インタフェース部24を介して、制御・ベースバンド部1から取得した送信データ信号(ベースバンド信号)の変調処理や周波数変換処理等を行ない、アンテナ部3を介して送信信号を送信するものである。
【0043】
受信部22は、アンテナ部3を介して受信した受信信号の周波数変換、受信電力の調整、復調処理等を行ない、復調したデータ信号を、インタフェース部24を介して制御・ベースバンド部1に与えるものである。受信部22は、電波信号の強度を取得する受信強度取得部211を有しており、受信強度取得部211は、電波信号の受信信号強度(例えば、RSSI)の値を制御・ベースバンド部1に与える。
【0044】
スイッチ部23は、送信又は受信に応じて、送信部21及び受信部22と、アンテナ部3との接続切替を行なうものである。送信処理の場合、送信部21とアンテナ部3とが接続するように切り替え、受信処理の場合、受信部22とアンテナ部3とが接続するように切り替える。
【0045】
インタフェース部24は、制御・ベースバンド部1との間でデータの授受を行なうインタフェースである。
【0046】
制御・ベースバンド部1は、基地局10の制御を司るものである。制御・ベースバンド部1のハードウェア構成は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース部等を有する集積回路を適用でき、制御・ベースバンド部1の各機能は、CPUによるソフトウェア(処理プログラム)の実行により実現することができる。基地局10にソフトウェアをインストールしても構築することができ、その場合でも、処理プログラムは、図1に示す各ブロックとして示すことができる。
【0047】
図1に示すように、制御・ベースバンド部1は、タイミング制御部11、キャリアセンス制御部12、ベースバンド制御部13、制御部14、インタフェース部15を有する。
【0048】
タイミング制御部11は、無線部2から取得したクロックを使用して内部クロックを生成するものである。
【0049】
インタフェース部15は、無線部2との間でデータを授受するためのインタフェースである。
【0050】
制御部14は、基地局10における各種機能の制御を行なうものである。制御部14は、後述するキャリアセンス制御部12のキャリアセンスの判定結果に基づいて、PHSの保護内容を満たしているか否かを判断する。すなわち、PHSの保護内容を満たしている場合には、sXGP方式の無線システムを運用するようにし、PHSの保護内容を満たしていない場合には、sXGP方式の無線システムを停止する。
【0051】
ベースバンド制御部13は、図示しない上位層から取得したフレームデータをベースバンド信号に変換してインタフェース部15を介して無線部2に与え、インタフェース部15を介して受信したベースバンド信号を受信データに変換して上位層に与える。変復調方式は、例えば、sXGP方式の規格化に基づく方式を採用することができ、基地局10からの下り信号には、OFDM、OFDMA等を採用し、又新方式端末8からの上り信号には、SC−TDMA等を採用する。さらに、ベースバンド制御部13は、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の変調も行なう。
【0052】
キャリアセンス制御部12は、受信タイミング制御部121と、キャリアセンス判定部122とを有する。
【0053】
受信タイミング制御部121は、所定の制御チャネル監視周期(例えば、運用開始後1時間等)内で、PHSの基地局7が送出する制御チャネルの間隔時間(すなわち、LCCHのインターバル期間)を複数に分割し、複数の分割監視時間のそれぞれで、受信部22に対して受信を指示するものである。
【0054】
キャリアセンス判定部122は、sXGP方式で使用される1.4MHz又は5MHzのキャリア周波数をキャリアセンスするものであり、各分割監視時間で受信した制御チャネルの周波数の受信信号強度と閾値との比較結果に基づいて、各制御チャネルを監視するものである。
【0055】
ここで、自営PHSのLCCHの保護内容(「既存システム保護条件」とも呼ぶ。)は、「後発システムが運用を開始する前、及び、運用開始後1時間毎に電波状況を確認(キャリアセンス)し、あるレベル以上のLCCHが存在していたら、運用を停止する。」というものである。
【0056】
sXGP方式で使用が予定されている5MHzの周波数帯は、PHSの2つの制御チャネルである12chと18chに割り当てられている周波数である1898.45MHzと1900.25MHzの両方の周波数成分を含み、1.4MHzの周波数帯は、PHSの2つの制御チャネルである12chと18chの1898.45MHzと1900.25MHzのいずれかの周波数成分を含み得る。
【0057】
そのため、キャリアセンス制御部12は、sXGP方式の無線システムの運用開始前に1.4MHz又は5MHzのキャリア周波数の電波信号を受信し、それぞれの受信信号強度が閾値以上であるか否かを判定すると共に、運用開始後1時間毎に、sXHP方式の無線システムの運用開始前に1.4MHz又は5MHzのキャリア周波数を受信し、各受信信号強度が閾値以上であるか否かを判定する。
【0058】
より具体的には、キャリアセンス制御部12は、運用を開始する前に、PHSの制御チャネルである12chと18chの1898.45MHzと1900.25MHzの各受信信号強度が閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御チャネルの周波数の受信信号強度のいずれかが閾値以上である場合、PHSに対して妨害を加える可能性があるため、制御部14はsXGP方式の無線システムの運用を停止する。
【0059】
ここで、運用開始前の場合、一般的に、基地局10の制御部14は、電波状況を確認するため、従来技術と同様に、搬送波周波数のキャリアセンスを行なうので、LCCHの保護内容を満たしているか否かを判定することができる。
【0060】
これに対して、運用開始後のLCCHの保護内容を満たしているか否かを判定するためには、sXGP方式の基地局10は、運用開始後1時間毎に、電波状況を連続して受信することが必要であった。なぜなら、sXGP方式の基地局10はPHSの基地局7と非同期のシステムであるため、基地局10は基地局7によるLCCHの送信タイミングを認識することができないので、PHSの制御チャネル(LCCH)を監視するために、最大300msの間、基地局10は制御チャネルの周波数を連続受信することが必要となるからである。
【0061】
ところで、上述したように、運用開始後のLCCHの保護内容は、「運用開始後1時間毎に電波状況を確認(キャリアセンス)し、あるレベル以上のLCCHが存在していたら、運用を停止する。」というものである。
【0062】
この運用開始後のLCCHの保護内容は、運用開始後、電波状況を継続して確認するということについて規定されていない。換言すると、運用開始後1時間の中で、最大300msのフレーム受信時間を確保して電波状況を確認することができればよいと解釈できる。
【0063】
そこで、第1の実施形態では、キャリアセンス制御部12は、運用開始後1時間の中で、制御チャネルの間隔時間(すなわち、LCCHのインターバル期間)を複数に分割し、分割した各時間で制御チャネルの周波数の電波状況をキャリアセンスする。
【0064】
なお、基地局10と基地局7とは非同期であるが、1時間程度の時間では、両システムのクロックの位相のずれはほとんどないと考えられるので、キャリアセンス時間を分割にしても問題はない。
【0065】
具体的には、キャリアセンス制御部12は、運用開始後の1時間の中で、制御チャネルの監視期間を複数に分割し、その分割した各時間で、PHSの制御チャネルである12chと18chに割り当てられている周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)の各受信信号強度が閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御チャネルの周波数の受信信号強度のいずれかが閾値以上である場合、PHSに対して妨害を加える可能性があるため、基地局10はsXGP方式の無線システムの運用を停止する。
【0066】
このように、基地局10が制御チャネルの監視のために連続受信するのではなく、分割受信することにより、LCCHの監視のために送信を停止し、受信をし続けることを回避することができる。
【0067】
ここで、運用開始後1時間の中で、制御チャネルの監視時間を分割した時間を「分割監視時間」と呼ぶ。この実施形態では、分割監視時間の時間長は10msとする。このように分割監視時間を10msとした理由は、sXGP方式の規格化技術で1フレームが10msとしているため10msとしているが、分割監視時間の時間長は、これに限定されるものではなく、sXGP方式の1フレーム長(10ms)の整数倍の時間長としてもよいし、その1フレーム長よりも短い時間長であってもよい。
【0068】
また、分割監視時間の時間長と、PHSの基地局7が送信する制御チャネルのインターバル(制御チャネル間隔時間)とに基づいて、運用開始後の制御チャネルの監視時間を分割する回数を設定することができる。例えば、分割監視時間の時間長が10msであり、制御チャネル間隔時間が300msである場合、分割回数を30回(=300ms÷10ms)と設定することができる。
【0069】
上記のようにして、キャリアセンス制御部12は、分割監視時間の時間長を設定し、分割監視時間の時間長と制御チャネル間隔時間とに基づいて分割した回数で、制御チャネルの電波を受信してキャリアセンスを行なう。
【0070】
さらに、現在、PHSのLCCHは、12chと18chの2つのチャネルがあるため、12ch、18chの周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)を監視する必要がある。
【0071】
例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅をキャリアセンスする場合には、PHSの2つの制御チャネル12ch、18chの周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)を同時に受信することができる。
【0072】
これに対して、例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリア周波数帯域幅をキャリアセンスする場合には、PHSの制御チャネル(LCCH)の周波数を1つずつ検索することになる。このような場合、運用開始後1時間以内に、2つのLCCHのそれぞれを確認する必要があるため、1つのLCCHにつき、30分以内に確認する必要がある。つまり、キャリアセンス制御部12は、12chの周波数1898.45MHzについて、30分以内に、10msの分割監視期間で無線部2に受信させ、この受信処理を30回指示する。同様に、18chの周波数1900.25MHzについても、30分以内に、10msの分割監視期間で無線部2に受信させ、この受信処理を30回指示する。
【0073】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る基地局10におけるキャリアセンス方法の処理動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
図6は、第1の実施形態に係る基地局10におけるキャリアセンス方法の処理を示すフローチャートである。
【0075】
ここでは、自営PHSの基地局7が送信するLCCHのインターバル(制御チャネル間隔時間)が300msであり、基地局10のキャリアセンス制御部12による分割監視時間が10msである場合を示す。
【0076】
図6において、キャリアセンス制御部12には、制御チャネル監視周期が設定される(S101)。ここで、制御チャネル監視周期は、LCCHの保護内容及び制御チャネルの数に基づいて、各制御チャネルを監視する単位期間をいう。
【0077】
例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合、PHSの2つの制御チャネル12ch、18chの周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)を同時に受信することができるので、制御チャネル監視周期を1時間とする。
【0078】
また例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリ周波数帯域幅を使用する場合であって、PHSの2つの制御チャネルを同時に検索できないときには、1時間の中で、2つの制御チャネルの電波を受信することが必要となるため、1時間(60分)を制御チャネル数で割った30分を制御チャネル監視周期とする。
【0079】
次に、キャリアセンス制御部12は、分割監視時間と制御チャネル間隔時間と基づいて分割回数を決定し(S102)、制御チャネル監視周期内で、各制御チャネルの受信を分割する分割回数を設定する(S103)。
【0080】
例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合、PHSの基地局7が送信するLCCHの制御チャネル送信間隔は300msであるから、分割監視時間が10msである場合、分割回数を30回と決定する。
【0081】
また例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリ周波数帯域幅を使用する場合であって、PHSの2つの制御チャネルを同時に検索できないときには、2つの制御チャネルの周波数のそれぞれの受信を、30分に30回(すなわち、30分に30フレームの受信)と設定する。
【0082】
キャリアセンス制御部12は、無線部2に対して、分割監視時間で電波を受信することを指示する(S105)。
【0083】
例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合12chの周波数1898.45MHzを受信する場合には、キャリアセンス制御部12は10msの分割監視期間で受信することを無線部2に指示する。また、18chの周波数の場合も同様に行う。なお、12chと18chの両方の周波数を受信可能とすることができれば、12chと18chの周波数の受信順序は特に限定されるものでなく、最初の30分のうちに、12chの周波数を受信するようにし、残りの30分のうちに、18chの周波数を受信するようにしてもよい。また別の方法として、1時間以内で、12chの周波数と18chの周波数とを交互に、それぞれの分割監視時間の位相をずらしながら、受信するようにしてもよい。
【0084】
これにより、無線部2において受信部22が12chの周波数、18chの周波数の各受信信号強度がキャリアセンス制御部12に与えられる。キャリアセンス制御部12は、取得した各受信信号強度と閾値とを比較して、各受信信号強度が閾値以上であるか否かを判定する(S106)。受信信号強度が閾値以上の場合には、当該制御チャネルを使用していると判定することができる。
【0085】
S106の処理が行われると、S104に移行する。S104では、制御チャネル監視周期内での当該制御チャネルの監視回数が、設定された分割回数に達していない場合には、S105に移行して、当該制御チャネルの周波数の受信及びキャリアセンスの処理が繰り返し行なわれる。このとき、キャリアセンス制御部12は、前回の分割監視期間を基準に、10msだけ位相をずらして制御チャネルの周波数を受信する。
【0086】
一方、制御チャネル監視周期内での当該制御チャネルの監視回数が、設定された分割回数に達した場合、今回の制御チャネル監視周期内での制御チャネルの周波数の受信及びキャリアセンスの処理は終了したものとする。
【0087】
図7は、第1の実施形態に係る基地局10におけるキャリアセンスを説明する説明図である。図7では、説明を容易にするために、運用開始後、1時間以内に、1つの制御チャネルの周波数を分割受信する場合を例示している。
【0088】
まず、前提となるのが、1時間以内で、300ms間、全てのスロットタイミングで基地局10が受信可能とすることである。
【0089】
自営PHSの基地局7とsXGP方式の基地局10とは、非同期のシステムである。但し非同期のシステムと言っても1時間では、互いのシステムの位相のズレは、ほとんどないと考えられるので、次に示す分割受信を行っても問題はない。
【0090】
そこで、図7に示す通り、sXGP方式の基地局10は、連続で300ms受信するのではなく、1時間の中で、制御チャネルの周波数を受信する制御チャネルの監視時間を30分割する。そして、制御チャネルを受信する分割監視時間を10msとし、これを基準として10msずつ位相をずらしながら、1時間の中で30回受信する。
【0091】
この場合、sXGP方式の1フレームが10msである場合、1時間中に、36,000のsXGP方式のフレームが存在するので、そのうちの30フレーム分を、PHSの制御チャネルの受信で使用することなる。
【0092】
なお、PHSの2種類のLCCHを確認する場合は、1時間の半分である30分で、30フレームの受信を2回実施すれば良いことになる。
【0093】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、sXGP方式の基地局が1フレーム10msずつ30回分割受信することにより、1時間で300ms受信できるので、sXGP方式の基地局がPHSのLCCHを検出が可能となり、PHS運用中の場合、sXGP方式基地局はsXGP方式の無線システムの運用を停止して、PHSの運用を保護できる。
【0094】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る制御チャネル監視装置、方法、プログラム及び基地局の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0095】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の基地局10の基本的な構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同様であるため、第2の実施形態の基地局10の構成については図1を用いて説明する。
【0096】
第1の実施形態では、PHSの基地局7が、最大300msの間に、所定のタイミングでLCCHを1回送信する場合に、sXGP方式の基地局10が、そのLCCHを検出する方法を説明した。
【0097】
しかし、PHSの基地局7が、別のスロットタイミングでLCCHを送信する場合もある。
【0098】
そこで、第2の実施形態では、PHSの基地局7が別のスロットタイミングでLCCHを送信する場合でも、sXGP方式の基地局10がLCCHを検出できるようにする場合を説明する。
【0099】
図8は、第2の実施形態に係る基地局10におけるキャリアセンスを説明する説明図である。図8では、説明を容易にするために、運用開始後、1時間以内に、1つの制御チャネルの周波数を分割受信する場合を例示している。
【0100】
第2の実施形態では、1時間以内で、最大300msの間の全てのスロットタイミングで制御チャネルを受信できるようにするという前提は、第1の実施形態と同様である。
【0101】
しかし、図8に示すように、PHSの基地局7によるスロットの送信タイミングが異なる場合、1つの分割監視時間で、LCCHのフレームを確実に受信できない場合がある。
【0102】
そこで、第2の実施形態では、1つの制御チャネルに対する制御チャネル監視周期を、少なくとも2つのサイクルに分割し、第2サイクル目では、第1サイクル目の分割監視時間に対して位相をずらした分割監視時間で制御チャネルの周波数を受信するようにする。換言すると、第1サイクル目の分割監視時間と第2サイクル目の分割監視時間とが一部で重なるようにする。なお、制御チャネル監視周期を分割するサイクル(これを「分割監視周期」とも呼ぶ。)の数は2つに限定するものではなく、各サイクルの分割監視時間の一部で重なっていれば、3つ以上のサイクルに分割するようにしてもよい。
【0103】
ここで、第1の実施形態では、分割監視時間がsXGP方式の1フレームの時間長である10msとする場合を例示したが、第1サイクル目の分割監視時間と第2サイクル目の分割監視時間とが一部で重なるようにするため、第2の実施形態では、各サイクルの分割監視時間を20ms(すなわち、1フレームのフレーム長の2倍の時間長)とする。これにより、第1サイクル目の分割監視時間の位相に対して、第2サイクル目の分割監視時間の位相を10msだけずらすことで、重なるようにしている。勿論、第1サイクル目の分割監視時間と第2サイクル目の分割監視時間とが一部で重なるように設定できるのであれば、各サイクルの分割監視時間の時間長は、上記に限定されるものではない。
【0104】
つまり、図8に示すように、制御チャネル監視周期(1時間)を、30分の第1サイクルと、残り30分の第2サイクルとに分割する。また、第1サイクル目と第2サイクル目の各分割監視時間を、sXGP方式の2フレーム分の20msとする。
【0105】
第1サイクル目では、20msの分割監視時間で制御チャネルの周波数を受信し、次の受信時には20msだけ位相をずらした分割監視時間で制御チャネルの周波数を受信する。このような処理を、30分以内で15回行う。
【0106】
第2サイクル目では、第1サイクル目の分割監視時間から10msだけ位相をずらした、20msの分割監視時間で制御チャネルの周波数を受信する。そして、次の受信時には、20msだけ位相をずらした分割監視時間で制御チャネルの周波数を受信する。このような処理を、30分以内で15回行う。
【0107】
なお、例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合、PHSの2つの制御チャネル12ch、18chの周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)を同時に受信することができるので、制御チャネル監視周期を1時間し、それぞれ30分の第1サイクル及び第2サイクルで、15回ずつの分割監視時間で、制御チャネルの周波数を受信することになる。
【0108】
これに対して、sXGP方式で1.4MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合であって、PHSの2つの制御チャネルを同時に検索できないときには、1時間の中で、2つの制御チャネル(例えば12ch、18ch)の電波信号を受信することが必要となる。この場合、例えば12chの電波信号の受信については、制御チャネル監視周期を30分とし、それぞれ15分の第1サイクル及び第2サイクルで、15回ずつの分割監視時間で、制御チャネルの周波数を受信し、例えば18chの電波信号についても、制御チャネル監視周期を30分とし、それぞれ15分の第1サイクル及び第2サイクルで、15回ずつの分割監視時間で、制御チャネルの周波数を受信することができる。
【0109】
さらに、この場合、最終的に12chと18chの300msの検索が可能であれば、各制御チャネルの第1サイクル及び第2サイクルの検索順序は特に限定されるものではない。例えば、12chの第1サイクルで検索後、18chの第1サイクルで検索し、更にその後、12chの第2サイクルで検索後、18chの第2サイクルで検索してもよい。また、12chの第1サイクルで検索後、12chの第2サイクルで検索し、その後、18chの第1サイクルで検索後、18chの第2サイクルで検索してもよい。
【0110】
図9は、第2の実施形態に係る基地局10におけるキャリアセンス方法の処理を示すフローチャートである。
【0111】
まず、キャリアセンス制御部12には、制御チャネル監視周期が設定され、さらに制御チャネル監視周期を2つのサイクルに分割して設定する(S201)。
【0112】
例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合、PHSの2つの制御チャネル12ch、18chの周波数(1898.45MHzと1900.25MHz)を同時に受信することができるので、制御チャネル監視周期を1時間とし、第1サイクル目と第2サイクル目の各時間を30分とする。
【0113】
また例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリ周波数帯域幅を使用する場合であって、PHSの2つの制御チャネルを同時に検索できないときには、1時間の中で、2つの制御チャネルの電波を受信することが必要となるため、1時間(60分)を制御チャネル数で割った30分を制御チャネル監視周期とし、各制御チャネルの第1サイクル目と第2サイクル目の各時間を15分とする。
【0114】
次に、キャリアセンス制御部12は、分割監視時間と制御チャネル間隔時間と基づいて分割回数を、サイクル毎に決定し(S202)、制御チャネル監視周期内で、各制御チャネルの受信を分割する分割回数をサイクル毎に設定する(S203)。
【0115】
例えば、sXGP方式で5MHzのキャリア周波数帯域幅を使用する場合、PHSの基地局7が送信するLCCHの制御チャネル送信間隔は300msであるから、分割監視時間が20msである場合、30分の各サイクル(第1サイクル目と第2サイクル目)における分割回数を15回と決定する。
【0116】
また例えば、sXGP方式で1.4MHzのキャリ周波数帯域幅を使用する場合であって、PHSの2つの制御チャネルを同時に検索できないときには、各制御チャネルについて、15分の各サイクル(第1サイクル目と第2サイクル目)における分割回数を15回と設定する。
【0117】
それ以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0118】
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果に加えて、制御チャネル送信間隔を2サイクルに分けて、第2サイクル目の分割監視時間の位相をずらし(例えば10ms)、第1サイクル目の分割監視時間に対して一部で重なるようにすることで、第1サイクル目の受信開始又は終了の境目に、PHS基地局のLCCHがあった場合の検出不可を回避できる。
【0119】
さらに第2の実施形態によれば、PHS基地局とsXGP方式の基地局は非同期で動作しており、第1サイクル目の受信開始又は終了の境目の位相ズレがあったとしても、この方法により、検出不可を回避できる。
【0120】
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態においても、本発明の種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用することができる。
【0121】
(C−1)図10は、変形実施形態に係る基地局50の構成を示す構成図である。
【0122】
図10に示すように、変形実施形態に係る基地局50は、sXGP方式の基地局であり、第1又は第2の実施形態の図1に示す構成要素を備える基地局回路部10と、PHS受信回路部60とを有する。
【0123】
図10に示す基地局50は、自営PHS基地局のLCCHを検出するPHS受信回路部60を備える点に特徴がある。
【0124】
図2に示した通り、自営PHSのチャネル帯域幅は300KHzであり、sXGP方式のチャネル帯域幅は1.4MHz又は5MHzで検討されている。
【0125】
特にsXGP方式が5MHz帯域幅の場合、5MHzの帯域幅で自営PHSシステムを検索するため、帯域幅の差が大きく、自営PHSの300KHz帯域の信号レベルが低くなり、検出が難しくなるという問題がある。
【0126】
これに対して、図10に示すように、追加したPHS受信回路部60がキャリアセンスすれば、同じPHSシステムとなるため、「PHS信号」と識別することが容易になり、かつ前述のような信号レベルの低下で、保護する自営PHS基地局のLCCH検出が難しくなる等の問題を解消することができる。
【0127】
なお、現状、sXGP方式の基地局に搭載する基地局回路部10は無線LSIであり、PHS受信回路部60を備えたものは存在しないため、このPHSの受信基板であるPHS受信回路部60を追加した構成のsXGP方式の基地局50を考える。
【0128】
このPHS受信回路部60は、常時、受信状態であり、基地局回路部10が、第1及び第2の実施形態で説明した電波信号の受信タイミングと同様のタイミングで、PHS受信回路部60に対して指示することにより第1及び第2の実施形態と同様の動作を行なうことができる。
【0129】
さらに、図10の基地局50は、PHSの基地局7と非同期で動作しているので、保護するPHSの基地局7のLCCH受信開始、又は終了の境目の位相のズレに対しても対応することができ、追加したPHS受信回路部60は、分割受信の際のフレームの重なり時間は、PHSの1スロットに相当する625usで良い。このように、625usの重なりを持たせ、最大300msになるような分割受信を、1時間の間に実施すれば、保護するPHS基地局のLCCHを確実に受信できる。
【0130】
また、第2の実施形態に比べて、分割監視時間の重なる時間が10msから625usに減るので、キャリアセンスを効率化することができる。これは、sXGP方式の基地局が送信する時間を増やすことに繋がるので、先に述べたsXGP方式の端末側の通話の音切れ、映像の停止などサービス面で品質の低下の抑止にもなる。
【0131】
なお、PHS受信回路部60とsXGP方式の基地局回路部10とを物理的に別々に設置するようにしてもよい。この場合、PHS受信回路部60とsXGP方式の基地局回路部10との設置距離が大きくなりすぎると、受信位置が変化して、受信レベルにズレが生じ得ることが懸念されるので、設置に関しては注意が必要である。
【0132】
(C−2)第1及び第2の実施形態では、PHSの制御チャネルが12ch、18chである場合を例示したがこれらに限定されるものではない。現在、PHSの制御チャネルは、12chと18chの2チャネルが配置されているが、これらに加えて、35ch(1905.35MHz)、37ch(1905.95MHz)も制御チャネルとして追加することが検討されている。このように制御チャネルが追加された場合も、上述した第1及び第2の実施形態で説明した方法により各制御チャネルを監視することができる。
【符号の説明】
【0133】
10又は50…基地局、1…制御・ベースバンド部、2…無線部、3…アンテナ部、21…送信部、22…受信部、23…スイッチ部(SW)、24…インタフェース部、11…タイミング制御部、12…キャリアセンス制御部、121…受信タイミング制御部、122…キャリアセンス判定部、13…ベースバンド制御部、14…制御部、15…インタフェース部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10