(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような装着式の生体情報取得装置は、生体情報を取得する際、常に対象者に取り付ける必要がある。これに対し、対象者は、例えば就寝する時や、ソファ等でリラックスしたい時において、必ずしも装着式の生体情報取得装置を身につけたいと考えないことがある。生体情報取得装置を装着することで、拘束感を覚える可能性があるからである。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡素な構成でありながら、装着式の生体情報取得装置を対象者から取り外したとしても、生体情報を取得できる生体情報取得ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、対象者に装着可能に構成され、該対象者の体動が作用する第1中空部材(31)と、該第1中空部材(31)の圧力を検出する圧力センサ(32)と、該圧力センサ(32)で検出した圧力信号に基づいて上記対象者の生体情報を取得する信号処理部(51)とを備えた装着式の生体情報取得装置であって、所定の対象物(5)に設けられる第2中空部材(74)と、上記圧力センサ(32)とを連通可能な連通路(40)と
、上記第1中空部材(31)、上記圧力センサ(32)、および上記連通路(40)が設けられるとともに上記対象者の着用品(2,3)に装着されるケースユニット(11)とを備え、上記対象物(5)は、上記ケースユニット(11)と異なる対象物であり、上記ケースユニット(11)には、上記第2中空部材(74)と上記連通路(40)とを連通可能に接続する孔(47)が形成されることを特徴とする生体情報取得装置である。
【0008】
第1の発明では、生体情報取得装置(10)ないし第1中空部材(31)を対象者に装着した状態において、対象者の体動が第1中空部材(31)に作用する。この体動に起因して、第1中空部材(31)の内圧が変化する。圧力センサ(32)は、第1中空部材(31)の内圧を検出し、この内圧に応じた圧力信号を出力する。この圧力信号には、対象者の体動(体の大きな動きに由来する粗動や、心拍・呼吸に由来する微動)が重畳している。このため、信号処理部(51)により、この圧力信号に基づいて対象者の生体情報を取得できる。
【0009】
一方、対象者が生体情報取得装置(10)を装着したくない状況では、該生体情報取得装置(10)を取り外す。そして、所定の対象物(5)(例えば寝具やソファ等)に設けられた第2中空部材(74)に対象者の体動を作用させる。第2中空部材(74)は、連通路(40)を介して圧力センサ(32)と連通する。このため、圧力センサ(32)により第2中空部材(74)の内圧に応じた圧力信号を検出でき、ひいては信号処理部(51)により、この圧力信号に基づく生体情報を取得できる。以上により、対象者が生体情報取得装置(10)を取り外した状態においても、対象者の生体情報を取得できる。
【0010】
第1中空部材(31)の内圧に基づいて生体情報を取得する動作と、第2中空部材(74)の内圧に基づいて生体情報を取得する動作とでは、圧力センサ(32)及び信号処理部(51)が兼用される。このため、圧力センサや信号処理部を2つ設けることなく、上記の2つの動作を行うことができる。従って、生体情報取得装置(10)の簡素化ないし低コスト化を図ることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、上記連通路(40)は、上記圧力センサ(32)を、上記第1中空部材(31)及び上記第2中空部材(74)と並列に接続させることを特徴とする生体情報取得装置である。
【0012】
第2の発明では、圧力センサ(32)と、第1中空部材(31)及び第2中空部材(74)とが分岐路(43)を介して並列に接続される。このため、1つの圧力センサ(32)により、第1中空部材(31)の内圧と、第2中空部材(74)の内圧とを検出できる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、上記連通路(40)には、
上記圧力センサ(32)と、上記第2中空部材(74)との連通状態を切り換える切換機構(46,80)、または上記圧力センサ(32)と、上記第1中空部材(31)及び上記第2中空部材(74)との連通状態を切り換える切換機構が設けられることを特徴とする生体情報取得装置である。
【0014】
第3の発明は、切換機構(46,80)を用いることで、圧力センサ(32)と第1中空部材(31)だけを連通させたり、圧力センサ(32)と第2中空部材(74)だけを連通させたりできる。圧力センサ(32)と第1中空部材(31)だけを連通させた状態で、生体情報取得装置(10)を装着することで、第1中空部材(31)の内圧変化が大きくなる。この結果、生体情報取得装置(10)の装着時に取得される生体情報の精度が向上する。
【0015】
また、圧力センサ(32)と第2中空部材(74)だけを連通させた状態で、生体情報取得装置(10)を取り外し、対象者の体動を第2中空部材(74)に作用させると、第2中空部材(74)の内圧変化が大きくなる。この結果、生体情報取得装置(10)を取り外した時に取得される生体情報の精度が向上する。
【0016】
第4の発明は、第3の発明において、
上記連通路(40)には、上記圧力センサ(32)と、上記第2中空部材(74)との連通状態を切り換える切換機構(46,80)が設けられ、上記切換機構(46,80)は、上記第2中空部材(74)と上記圧力センサ(32)を連通させる通路(43)を開閉する開閉機構(46,80)であることを特徴とする生体情報取得装置である。
【0017】
第4の発明では、開閉機構(46,80)を閉状態にすることで、第2中空部材(74)と圧力センサ(32)とを繋ぐ通路(43)が遮断される。これにより、この通路(43)が開放されていることに起因して、第1中空部材(31)の内圧の変化が小さくなることを回避できる。この状態において、対象者が生体情報取得装置(10)を装着することで、第1中空部材(31)の内圧の変化が大きくなり、取得される生体情報の精度が向上する。
【0018】
開閉機構(46,80)を開放することで、第2中空部材(74)と圧力センサ(32)とが連通する。これにより、生体情報取得装置(10)を取り外した状態で、対象者の生体情報を取得できる。この場合、第1中空部材(31)と圧力センサ(32)も連通することになるが、第1中空部材(31)は対象者から取り外され、体動が作用しない。このため、第1中空部材(31)と圧力センサ(32)とが連通したとしても、第2中空部材(74)の内圧変化の傾向が大きく変わることがない。従って、第1中空部材(31)と圧力センサ(32)とが連通していても、対象者の生体情報を十分に取得できる。
【0019】
第5の発明は、第4の発明において、上記第2中空部材(74)は、上記通路(43)の始端に接続可能な接続部(73)を有し、上記開閉機構(46,80)は、上記第2中空部材(74)の上記接続部(73)が上記通路(43)に接続されると該通路(43)を開放し、上記第2中空部材(74)の上記接続部(73)が上記通路(43)から外れると該通路(43)を閉鎖することを特徴とする生体情報取得装置である。
【0020】
第5
および第7の発明では、第2中空部材(74)の接続部(73)を、該第2中空部材(74)と圧力センサ(32)とを連通させるための通路(43)に接続すると、開閉機構(46,80)が開放状態となる。従って、生体情報取得装置(10)を対象者から取り外した状態において第2中空部材(74)の内圧を圧力センサ(32)で検出でき、対象者の生体情報を取得できる。
【0021】
一方、生体情報取得装置(10)を装着する際には、第2中空部材(74)の接続部(73)を通路(43)から外す。これにより、開閉機構(46,80)が閉状態となり、通路(43)が閉鎖される。従って、第1中空部材(31)の内圧変化が大きくなり、生体情報取得装置(10)の装着時における生体情報の精度が向上する。
【0022】
第6の発明は、第1の発明において、上記第1中空部材は中空状のチューブ(31)を有し、上記第2中空部材(74)は、上記チューブ(31)を介して上記圧力センサ(32)と接続可能に構成されることを特徴とする生体情報取得装置である。
【0023】
第6の発明では、第1中空部材であるチューブ(31)から第2中空部材(74)を取り外した状態において、対象者が生体情報取得装置(10)を装着することで、対象者の体動がチューブ(31)に作用する。圧力センサ(32)は、チューブ(31)の内圧に応じた圧力信号を出力し、信号処理部(51)は、この圧力信号に基づいて生体情報を取得する。
【0024】
一方、対象者が生体情報取得装置(10)を取り外した状態で、第2中空部材(74)をチューブ(31)に接続する。これにより、第2中空部材(74)は、チューブ(31)の内部通路(31b)を介して圧力センサ(32)と連通する。対象者の体動が、対象物(5)に設けられた第2中空部材(74)に作用すると、圧力センサ(32)は、第2中空部材(74)の内圧に応じた圧力信号を出力し、信号処理部(51)は、この圧力信号に基づいて生体情報を取得する。以上のように、第2中空部材(74)をチューブ(31)に継ぎ足すことで、生体情報取得装置(10)を取り外した状態において、圧力センサ(32)及び信号処理部(51)を用いて、生体情報を取得できる。
【0025】
本発明では、チューブ(31)の内部通路(31b)が連通路(40)を兼ねるため、装置の簡素化、小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、対象物(5)に設けられた第2中空部材(74)に体動を作用させることで、生体情報取得装置(10)を取り外しながら、対象者の生体情報を取得できる。従って、対象者が生体情報取得装置(10)を装着することに起因して、対象者の快適性を損なうことを回避できる。
【0027】
また、本発明によれば、第1中空部材(31)を用いて生体情報を取得する場合と、第2中空部材(74)を用いて生体情報を取得する場合とで、圧力センサ(32)及び信号処理部(51)が兼用させる。これにより、生体情報取得装置(10)の部品点数やコストを削減でき、装置の簡素化・小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0030】
図1及び
図2に示すように、実施形態に係る生体情報取得ユニット(1)は、装着式の生体情報取得装置(10)と、クレードルユニット(60)と、外付けのチューブユニット(70)とが組み合わされて構成される。生体情報取得装置(10)は、クレードルユニット(60)の充電台(61)に設置可能に構成される(
図2を参照)。また、生体情報取得装置(10)には、チューブユニット(70)が接続可能である。
【0031】
〈生体情報取得装置〉
図1〜
図6に示す生体情報取得装置(10)は、対象者に装着可能な装着式である。生体情報取得装置(10)は、対象者の着用品(2,3)に着脱可能に構成され、着用品(2,3)を介して対象者に取り付けられる。本実施形態の生体情報取得装置(10)は、着用品であるベルト(2)及びズボン(3)に装着される。
【0032】
生体情報取得装置(10)は、ケースユニット(11)、第1チューブ(31)、圧力センサ(32)、回路基板(21)、及び充電式電池(22)を備えている。
【0033】
〈ケースユニット〉
図1及び
図5に示すように、ケースユニット(11)は、全体として縦長で下側が開放する逆U字状の外形を構成している。ケースユニット(11)は、対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材を構成する。ケースユニット(11)は、第1ケーシング(12)と、第2ケーシング(13)と、接続部材(14)とを有している。第1ケーシング(12)は、着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される。第2ケーシング(13)は、着用品(2,3)を挟んで対象者と反対側に配置される。接続部材(14)は、可撓性を有する筒状の樹脂材料で構成される。接続部材(14)は、第1ケーシング(12)の端部と第2ケーシング(13)の端部とを連結する。
【0034】
第1ケーシング(12)には、第1チューブ(31)及び圧力センサ(32)が収容され、第2ケーシング(13)には、液晶ディスプレイ(20)、回路基板(21)、及び充電式電池(22)が収容される。
【0035】
図4に示すように、第2ケーシング(13)の前面には、液晶ディスプレイ(20)を露出させるための開口(15)が形成される。液晶ディスプレイ(20)には、生体情報取得装置(10)の操作に関する情報や、対象者の生体情報に関する情報が表示される。
【0036】
また、第2ケーシング(13)の前面には、液晶ディスプレイ(20)の上方に、チューブコック(46)のレバー(46b)(操作部)と、差込孔(47)とが設けられる。これらの詳細は後述する。
【0037】
第2ケーシング(13)の右側の側面には、電源ボタン(16)と、切り替えボタン(17)とが設けられる。電源ボタン(16)は、液晶ディスプレイ(20)ないし生体情報取得装置(10)のON/OFFの切り換えを行うためのON/OFFスイッチである。切り替えボタン(17)は、例えば液晶ディスプレイ(20)の表示の切り替え等を行うための切換部である。
【0038】
ケースユニット(11)では、第1ケーシング(12)と第2ケーシング(13)と接続部材(14)との間に、着用品(2,3)が挿通される凹部(18)(挿通孔)が形成される。
【0039】
ケースユニット(11)の内部には、クリップ(図示省略)が収容される。クリップは、第1ケーシング(12)、接続部材(14)、及び第2ケーシング(13)に沿ったU字状の板ばねである。このクリップの付勢力により、第1ケーシング(12)と第2ケーシング(13)とが近接する方向に付勢される。これにより、ケースユニット(11)が、着用品(2,3)を強固に取り付けられる。なお、クリップにかえて、スプリング等の他の弾性部材を用いることもできる。
【0040】
〈第1チューブ〉
第1チューブ(31)は、第1ケーシング(12)の内部に収容される本体側チューブを構成している。第1チューブ(31)は、対象者の体動が作用する第1感圧部である。また、第1チューブ(31)は、中空状の第1中空部材を構成している。第1チューブ(31)は、横断面が円形状の細長いチューブ状に形成され、可撓性を有する樹脂材料(例えば塩化ビニル)で構成される。第1チューブ(31)は、第1ケーシング(12)の裏側の壁面(第1壁部(12a))と、第1ケーシング(12)の表側の壁面(第2壁部(12b))とに挟まれるように配置される。
【0041】
図6に示すように、第1チューブ(31)は、第1壁部(12a)に沿うように略U字状に配設される。第1チューブ(31)の基端部は、筒状のチューブコネクタ()を介して圧力センサ(32)に接続される。第1チューブ(31)の先端は開口していてもよいし、栓などで封止されていてもよい。また、この栓に第1チューブ(31)の内部と外部とを連通させる連通口を形成してもよい。いずれの構成においても、第1チューブ(31)は、対象者の体動が作用することで内圧が変化するように構成される。
【0042】
圧力センサ(32)は、第1ケーシング(12)の上端寄りであって、前後方向において接続部材(14)と重なる位置にある。圧力センサ(32)は、マイクロフォンで構成される。圧力センサ(32)は、第1チューブ(31)の内圧を検出し、この内圧に応じた圧力信号を出力する。また、圧力センサ(32)は、詳細は後述する連通路(40)を介してチューブユニット(70)の第2チューブ(71)とも接続する。これにより、圧力センサ(32)は、第2チューブ(71)の内圧を検出し、この内圧に応じた圧力信号も出力する。圧力センサ(32)で検出した圧力信号は、信号線(図示省略)を介して回路基板(21)へ送られる。
【0043】
〈回路基板〉
図1に示すように、回路基板(21)は、第2ケーシング(13)の内部に収容される。回路基板(21)は、プリント基板で構成され、中央処理演算装置(CPU)及び記憶装置(メモリやレジスタ等)を含む電子回路が実装されている。回路基板(21)は、第2ケーシング(13)の前面や後面に沿うように上下に延びる板状に形成される。回路基板(21)の前面(表面)には、上述した液晶ディスプレイ(20)が搭載される。
【0044】
〈充電式電池〉
充電式電池(22)は、第2ケーシング(13)の内部において、回路基板(21)に隣接する位置に収容される。充電式電池(22)は、生体情報取得装置(10)の電源を構成している。充電式電池(22)には、クレードルユニット(60)から電力が供給される。
【0045】
〈入力端子〉
図1及び
図7に示すように、生体情報取得装置(10)の第1ケーシング(12)には、入力端子(35)(入力部)が設けられている。入力端子(35)は、クレードルユニット(60)の出力端子(69)から出力される直流電力が入力される。入力端子(35)に入力された直流電力は、電源ラインを介して充電式電池(22)に供給される。
【0046】
〈クレードルユニット〉
図1及び
図2に示すクレードルユニット(60)は、所定の設置面(例えば机の上)に設置される据置ユニットを構成している。クレードルユニット(60)は、充電台(61)と、ACアダプタ(68)とを有している。
【0047】
〈充電台〉
充電台(61)は、生体情報取得装置(10)(厳密には、装置本体であるケースユニット(11))が設置される設置台を構成している。充電台(61)は、上側が開放する凹状に形成される。充電台(61)は、横長の基台部(62)と、該基台部(62)の長手方向の一端(
図1の右端)から上方に突出する第1凸部(63)と、該基台部(62)の長手方向の他端(
図1の左端)から上方に突出する第2凸部(64)とを有している。充電台(61)では、基台部(62)、第1凸部(63)、及び第2凸部(64)の内側に、生体情報取得装置(10)が格納される格納部(65)が形成される。
【0048】
第1凸部(63)には、生体情報取得装置(10)の充電式電池(22)を充電するためのACアダプタ(68)が接続される。
【0049】
〈出力端子〉
図1に示すように、充電台(61)の第2凸部(64)の上部には、格納部(65)側(
図1の右側)部分に出力端子(69)(出力部)が設けられる。生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置すると、出力端子(69)が生体情報取得装置(10)の入力端子(35)と接触し、両者の接点が繋がる。これにより、ACアダプタ(68)から供給される直流電力が、出力端子(69)を介して入力端子(35)へ出力される。
【0050】
〈チューブユニット〉
図2及び
図8に示すように、生体情報取得ユニット(1)は、付属品としてのチューブユニット(70)を有している。外付けチューブユニット(70)は、第2チューブ(71)、パッド(72)、及びチューブジョイント(73)を有している。第2チューブ(71)及びチューブジョイント(73)により、中空状の第2中空部材(74)が構成される。
【0051】
第2チューブ(71)は、対象者の体動が作用する第2感圧部である。第2チューブ(71)は、横断面が円形状の細長いチューブ状に形成され、可撓性を有する樹脂材料(例えば塩化ビニル)で構成される。
【0052】
図8に示すように、第2チューブ(71)は、対象物である寝具(5)(例えばベッドのマット)上、又はその内部に配設される。対象者が寝具(5)上に横臥すると、対象者の体動が第2チューブ(71)に作用する。
【0053】
第2チューブ(71)の先端には、矩形薄板状のパッド(72)が取り付けられる。パッド(72)を寝具(5)上に置くことで、第2チューブ(71)の位置ずれを防止できる。
【0054】
第2チューブ(71)の先端は開口していてもよいし、栓などで封止されていてもよい。また、この栓に第2チューブ(71)の内部と外部とを連通させる連通口を形成してもよい。いずれの構成においても、第2チューブ(71)は、対象者の体動が作用することで内圧が変化するように構成される。
【0055】
図2に示すように、第2チューブ(71)の基端には、中空状のチューブジョイント(73)が接続される。チューブジョイント(73)は、例えばL字状に屈曲した樹脂材料で構成され、その内部に空気通路が形成される。チューブジョイント(73)の一端は、第2チューブ(71)の基端の開口に接続される。チューブジョイント(73)の他端は、生体情報取得装置(10)の差込孔(47)に接続される。つまり、チューブジョイント(73)は、分岐路(43)の始端に接続可能な接続部を構成する。
【0056】
〈連通路〉
本実施形態の生体情報取得装置(10)には、第1チューブ(31)と第2チューブ(71)との双方の内圧を1つの圧力センサ(32)で検出できるように、連通路(40)が形成される。連通路(40)、及びその周辺機器の構成について、
図2、
図9〜
図11を参照しながら説明する。
【0057】
本実施形態の連通路(40)は、チューブコネクタ(41)の内部に形成される圧力室(42)と、該圧力室(42)に連通する分岐路(43)とを含んでいる。
【0058】
図9に示すように、チューブコネクタ(41)は、その内部に圧力室(42)を形成する略筒状に形成され、圧力センサ(32)を保持するセンサフォルダを構成している。チューブコネクタ(41)の軸方向の一端側には、圧力センサ(32)が内嵌する開放部が形成される。チューブコネクタ(41)の軸方向の他端側の側壁には、第1チューブ(31)の基端が接続される第1接続口(44)が形成される。チューブコネクタ(41)の周壁には、分岐路(43)を構成する管(例えばチューブ等)が接続される第2接続口(45)が形成される。
【0059】
このようにして、本実施形態の連通路(40)では、第1チューブ(31)と第2チューブ(第2中空部材(74))とが圧力センサ(32)に並列に接続される。
【0060】
〈チューブコック〉
図10及び
図11に示すように、分岐路(43)の途中には、チューブコック(46)が接続される。チューブコック(46)は、圧力センサ(32)と、第1チューブ(31)及び第2チューブ(71)の連通状態との連通状態を切り換える切換機構である。チューブコック(46)は、第2チューブ(71)と圧力センサ(32)とを連通させる通路(分岐路(43))を開閉する開閉機構である。
【0061】
例えばチューブコック(46)は、円柱縦長のコック本体(46a)と、コック本体(46a)の上端に形成されるレバー(46b)とを有する。コック本体(46a)の下部には、分岐路(43)と連通可能な連通孔(46c)が形成される。チューブコック(46)では、レバー(46b)を回転させることで、コック本体(46a)が分岐路(43)に対して回動し、分岐路(43)と連通孔(46c)との断続状態が切り換わる。これにより、対象者は分岐路(43)の開閉を適宜切り換えることができる。
【0062】
分岐路(43)の始端には、ケースユニット(11)の外部に向かって開口する円形の差込孔(47)が形成される。差込孔(47)は、チューブジョイント(73)が着脱可能に構成される。チューブジョイント(73)を差込孔(47)に接続すると、第2チューブ(71)は分岐路(43)を介して圧力室(42)と連通する。これにより、第2チューブ(71)の内圧を圧力センサ(32)で検出できる。
【0063】
〈機能ブロック〉
上述した回路基板(21)に構成される機能ブロックについて、
図7を参照しながら詳細に説明する。生体情報取得装置(10)は、判定部(50)、信号処理部(51)、記憶部(57)、及び通信部(58)を有する。
【0064】
判定部(50)は、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されているか否かを判定する。本実施形態の判定部(50)は、充電式電池(22)の給電の有無に応じて、生体情報取得装置(10)の設置状態を判定する。具体的には、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されると、出力端子(69)及び入力端子(35)の接点が繋がり、クレードルユニット(60)から充電式電池(22)へ直流電力が供給される。従って、判定部(50)は、電源ラインの給電状態を示す指標(直流電力、直流電流、直流電圧等)に基づき、給電の有無を判定でき、ひいては生体情報取得装置(10)の設置状態を判定できる。例えば電源ラインの給電が検出されない場合、判定部(50)は、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていないと判断する。逆に、電源ラインの給電が検出される場合、判定部(50)は、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていると判断する。
【0065】
信号処理部(51)は、体動を示す信号に基づいて、対象者の生体情報を取得するための信号処理を行う。本実施形態の信号処理部(51)は、体動信号抽出部(52)、心拍信号抽出部(53)、呼吸信号抽出部(54)、自律神経情報取得部(55)、及び睡眠情報取得部(56)を有する。
【0066】
体動信号抽出部(52)は、圧力センサ(32)から出力された圧力信号から対象者の体動信号を抽出する。ここで、体動信号は、対象者の大きな体の動き(粗体動)と、心拍や呼吸に由来する小さな体の動き(微体動)とが重畳した信号である。
【0067】
心拍信号抽出部(53)は、体動信号抽出部(52)で抽出した体動信号から心拍に由来する信号(心拍信号)だけを抽出する。
【0068】
呼吸信号抽出部(54)は、体動信号抽出部(52)で抽出した体動信号から呼吸に由来する信号(呼吸信号)だけを抽出する。
【0069】
自律神経情報取得部(55)は、心拍信号抽出部(53)で抽出した心拍信号に基づいて、例えば対象者のLF/HF値を算出する。ここで、LF/HF値は、心拍信号に基づいて求められた拍動間隔のゆらぎの低周波成分LFと、この拍動間隔の揺らぎの高周波成分HFとの比である。このLF/HF値は、ストレス度や自律神経活動を示す指標となり、LF/HF値が高いほどストレス度が高いことを意味する。
【0070】
睡眠情報取得部(56)は、体動信号、心拍信号、及び呼吸信号に基づいて、対象者の睡眠に関する情報(着床、入眠、目覚め、離床等の寝具上での活動状態や、睡眠深度等)を取得する。
【0071】
信号処理部(51)は、判定部(50)で判定した生体情報取得装置(10)の設置状態に応じて、第1処理動作と第2処理動作とを切り換える。
【0072】
第1処理動作は、判定部(50)により、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていないと判定されたときに実行される。第1処理動作では、自律神経情報取得部(55)により、対象者の自律神経に関する生体情報が取得される。第2処理動作は、判定部(50)により、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていると判定されたときに実行される。第2処理動作では、睡眠情報取得部(56)により、対象者の睡眠に関する生体情報が取得される(詳細は後述する)。
【0073】
記憶部(57)は、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成される。記憶部(57)には、回路基板(21)で処理される各種の信号や、取得した生体情報に関するデータが、対応する時刻とともに適宜記憶される。具体的には、例えば記憶部(57)には、体動信号、心拍信号、LF/HF値等が時系列データとして漸次記憶されていく。
【0074】
通信部(58)は、生体情報取得装置(10)の通信インターフェースである。つまり、通信部(58)は、有線又は無線からなるネットワーク通信を介して外部機器(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報端末)と接続される。例えば記憶部(57)に記憶された各情報は、ネットワーク通信を介して外部機器へ送信される。これにより、対象者は、外部機器を用いて生体情報の詳細を確認することができる。
【0075】
〈生体情報取得装置の装着/取り外し〉
図5に示すように、本実施形態の生体情報取得装置(10)は、ケースユニット(11)を着用品(2,3)に取り付けることで対象者に装着される。具体的には、ケースユニット(11)の凹部(18)には、ベルト(2)と、ズボン(3)の腰周りの部分とが同時に挿通される。凹部(18)にベルト(2)及びズボン(3)が挿通された状態では、第1ケーシング(12)と第2ケーシング(13)とが、その内部のクリップにより付勢される。これにより、ベルト(2)及びズボン(3)は、第1ケーシング(12)と第2ケーシング(13)とによって挟持される。従って、ケースユニット(11)がベルト(2)及びズボン(3)から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0076】
生体情報取得装置(10)を取り外す際には、クリップの付勢力に抗して第1ケーシング(12)と第2ケーシング(13)とを離間させ、ケースユニット(11)を上方へ移動させる。これにより、生体情報取得装置(10)をベルト(2)及びズボン(3)から容易に取り外すことができる。
【0077】
〈第1処理動作〉
第1処理動作は、対象者が生体情報取得装置(10)を装着するときに実行される。第1処理動作では、第1チューブ(31)の内圧変化に基づいて、対象者の自律神経に関する生体情報が取得される。
【0078】
第1処理動作を行う際には、第2チューブ(71)を差込孔(47)から取り外す。また、チューブコック(46)により分岐路(43)を閉鎖する。これにより、連通路(40)では、圧力室(42)と差込孔(47)とが遮断される一方、圧力室(42)と第1チューブ(31)だけが連通する。従って、第1チューブ(31)の内圧の変化が大きくなり、圧力センサ(32)により、第1チューブ(31)の圧力信号を確実に検出できる。
【0079】
生体情報取得装置(10)をベルト(2)及びズボン(3)に取り付けた状態では、対象者の腹部と第1ケーシング(12)とが接触する。このため、対象者の体動は第1ケーシング(12)の第1壁部(12a)を介して第1チューブ(31)へ伝達される。圧力センサ(32)は、この第1チューブ(31)の内圧ないし内圧変化を検出し、圧力信号を出力する。
【0080】
生体情報取得装置(10)が対象者に装着される状態では、判定部(50)により、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていないと判断される。このため、信号処理部(51)では、第1処理動作が実行され、自律神経に関する生体情報が取得される。
【0081】
具体的には、第1処理動作では、体動信号抽出部(52)が、第1チューブ(31)の内圧に基づく圧力信号から体動信号を抽出する。次いで、心拍信号抽出部(53)は、この体動信号から心拍信号を抽出する。次いで、自律神経情報取得部(55)は、心拍信号に基づいて対象者のLF/HF値を漸次算出する。このLF/HF値に基づき、対象者のストレス状態を評価できる。
【0082】
〈第2処理動作〉
第2処理動作は、対象者が生体情報取得装置(10)を取り外し、充電台(61)に設置されるときに実行される。第2処理動作では、寝具(5)に設けられた第2チューブ(71)の内圧の変化に基づいて、対象者の睡眠に関する生体情報が取得される。
【0083】
例えば対象者が就寝する際、対象者が生体情報取得装置(10)を装着したままであると、対象者が拘束感を覚えてしまう。このため、対象者は生体情報取得装置(10)を外して充電台(61)に設置する。これにより、対象者は拘束感を覚えることなく、更に生体情報取得装置(10)の充電を行うことができる。
【0084】
第2処理動作を行う際には、第2チューブ(71)のチューブジョイント(73)を生体情報取得装置(10)の差込孔(47)に差し込む。また、チューブコック(46)により分岐路(43)を開放する。これにより、第2チューブ(71)と圧力室(42)とが連通し、第2チューブ(71)の内圧を圧力センサ(32)により検出できる。第1チューブ(31)と圧力室(42)とは連通したままであるが、生体情報取得装置(10)の設置状態では、第1チューブ(31)に対象者の体動等が作用することはない。このため、この状態であっても、第2チューブ(71)の内圧の変化を圧力センサ(32)により十分に検出できる。
【0085】
対象者が寝具(5)に入床すると、対象者の体動が第2チューブ(71)へ伝達される。圧力センサ(32)は、この第2チューブ(71)の内圧ないし内圧変化を検出し、圧力信号を出力する。
【0086】
生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置される状態では、直流電力が、出力端子(69)及び入力端子(35)を介して充電式電池(22)へ供給される。
【0087】
このように充電式電池(22)の給電が行われると、判定部(50)により、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置されていると判断される。このため、信号処理部(51)では、第2処理動作が実行される。
【0088】
第2処理動作では、体動信号抽出部(52)が圧力信号から体動信号を抽出する。次いで、心拍信号抽出部(53)は、この体動信号から心拍信号を抽出する。また、呼吸信号抽出部(54)は、この体動信号から呼吸信号を抽出する。次いで、睡眠情報取得部(56)は、体動信号、心拍信号、及び呼吸信号の少なくとも1つを用いて対象者の睡眠に関する情報を取得する。これにより、対象者の睡眠状態を評価できる。
【0089】
〈実施形態の効果〉
本実施形態によれば、対象者の就寝時には、対象者から生体情報取得装置(10)を取り外しつつ、継続的に生体情報(睡眠に関する情報)を取得できる。従って、対象者が拘束感を覚えることなく、対象者の生体情報を取得できる。
【0090】
また、対象者の就寝時において、生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置することで、対象者の睡眠情報を取得しつつ、生体情報取得装置(10)の充電を行うことができる。
【0091】
第1処理動作と第2処理動作とでは、圧力センサ(32)及び信号処理部(51)が兼用される。このため、例えばクレードルユニット(60)側に別途、圧力センサや信号処理部を設ける必要がないため、部品点数やコストを削減できるとともに、クレードルユニット(60)の小型化を図ることができる。
【0092】
第1処理動作と第2処理動作とでは、判定部(50)による電源ラインの給電の有無に基づいて、自動的に切り換えられる。これにより、対象者が生体情報取得装置(10)を装着している状態では、第1チューブ(31)の内圧変化に基づいて対象者の自律神経に関する生体情報を取得できる。また、生体情報取得装置(10)が充電台(61)に設置される状態では、第2チューブ(71)の内圧変化に基づいて対象者の睡眠に関する生体情報を取得できる。
【0093】
《変形例1》
図12及び
図13に示す変形例1は、上記実施形態と開閉機構(切換機構)の構成が異なる。変形例1の生体情報取得装置(10)では、実施形態のチューブコック(46)の代わりに逆止弁(80)が用いられる。逆止弁(80)は、分岐路(43)を開閉する開閉機構を構成する。逆止弁(80)は、生体情報取得装置(10)の差込孔(47)の内縁部に配置される。第2中空部材(74)のチューブジョイント(73)が差込孔(47)から外れた状態では、
図12に示すように、逆止弁(80)の弁体(81)が図示を省略したバネ等で付勢され、分岐路(43)を閉鎖する状態となる。一方、第2中空部材(74)のチューブジョイント(73)を差込孔(47)に差し込むと、チューブジョイント(73)の先端によって弁体(81)が分岐路(43)の内部へ押し込まれ、分岐路(43)を開放する状態となる。
【0094】
対象者が生体情報取得装置(10)を装着する際には、第2中空部材(74)(厳密には、チューブジョイント(73))が差込孔(47)から取り外される。このため、上記実施形態と同様、分岐路(43)を閉鎖した状態で、第1チューブ(31)の内圧に基づき対象者の自律神経に関する生体情報を取得できる。
【0095】
例えば対象者が就寝する際には、生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置し、チューブジョイント(73)を分岐路(43)に接続する。これにより、第2チューブ(71)と圧力室(42)とが連通するため、第2チューブ(71)の内圧に基づき対象者の睡眠に関する生体情報を取得できる。それ以外の作用効果は上記実施形態と同様である。
【0096】
《変形例2》
図14に示す変形例2では、分岐路(43)の差込孔(47)に栓(85)(例えばゴム栓)が着脱可能に取り付けられる。対象者が生体情報取得装置(10)を装着する際には、栓(85)を差込孔(47)に内嵌させる。これにより、分岐路(43)が閉鎖される。従って、第1チューブ(31)の内圧を十分に変化させながら、自律神経に関する生体情報を取得できる。
【0097】
生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置し、就寝する際には、栓(85)を差込孔(47)から外し、チューブジョイント(73)を差込孔(47)に差し込む。これにより、第2チューブ(71)と圧力室(42)とが連通するため、第2チューブ(71)の内圧に基づき対象者の睡眠に関する生体情報を取得できる。それ以外の作用効果は上記実施形態と同様である。
【0098】
《変形例3》
図15に示す変形例3は、実施形態に係る分岐路(43)が省略されている。一方、変形例3では、第1チューブ(31)の先端が第1ケーシング(12)の外部まで導かれる。第1チューブ(31)の先端には、第1ケーシング(12)の外部に開口するチューブ接続口(31a)が形成される。チューブ接続口(31a)には、第2中空部材(74)のチューブジョイント(73)が着脱可能に接続される。
【0099】
対象者が生体情報取得装置(10)を装着する際には、第2中空部材(74)を第1チューブ(31)から取り外す。そして、例えば変形例2に係る栓(85)により第1チューブ(31)のチューブ接続口(31a)を封止する。従って、第1チューブ(31)の内圧を十分に変化させながら、自律神経に関する生体情報を取得できる。
【0100】
生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置し、就寝する際には、栓(85)をチューブ接続口(31a)から外し、チューブジョイント(73)をチューブ接続口(31a)に差し込む。この状態では、圧力センサ(32)、第1チューブ(31)、チューブジョイント(73)、及び第2チューブ(71)の順に、これらが直列に接続される。つまり、第2チューブ(71)は、第1チューブ(31)を介して圧力センサ(32)と接続される。即ち、変形例3では、第1チューブ(31)の内部通路(31b)が、連通路(40)の少なくとも一部を構成している。これにより、第2チューブ(71)と圧力室(42)とが連通するため、第2チューブ(71)の内圧に基づき対象者の睡眠に関する生体情報を取得できる。
【0101】
変形例3では、上記実施形態の分岐路(43)が減るため、生体情報取得装置(10)の簡素化、小型化を図ることができる。それ以外の作用効果は上記実施形態と同様である。
【0102】
《その他の実施形態》
第2中空部材(74)は、チューブジョイント(73)を有しているが、チューブジョイント(73)を省略した構成としてもよい。この場合、上記実施形態、変形例1、及び変形例2では、第2チューブ(71)の基部(接続部)を差込孔(47)に接続できる。また、上記変形例3では、第2チューブ(71)の基部(接続部)を第1チューブ(31)のチューブ接続口(31a)に接続できる。
【0103】
圧力センサ(32)と、第1チューブ(31)及び第2チューブ(71)(第2中空部材(74))との連通状態を切り換える切換機構は、上記の形態に限られない。例えば切換機構は、第1チューブ(31)と圧力センサ(32)とを連通させ、第2チューブ(71)と圧力センサ(32)とを遮断する第1状態と、第2チューブ(71)と圧力センサ(32)とを連通させ、第1チューブ(31)と圧力センサ(32)とを遮断する第2状態とに切り換わるような流路切換弁であってもよい。
【0104】
上記実施形態の判定部(50)は、充電式電池(22)の給電の有無に基づいて、生体情報取得装置(10)の設置状態を判定し、第1処理動作と第2処理動作とを切り換えている。しかし、判定部(50)は、他の方法により生体情報取得装置(10)の設置状態を判定してもよい。具体的には、例えば生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置することで作動するスイッチを用いることができる。
【0105】
また、判定部(50)を省略し、対象者の操作により第1処理動作と第2処理動作とを手動で切り換える構成としてもよい。
【0106】
上記実施形態では、第2チューブ(71)が対象物である寝具(5)に設けられているが、第2チューブ(71)を例えばソファやマッサージチェア等の椅子の座部に設けてもよい。この場合、対象者が生体情報取得装置(10)を充電台(61)に設置した状態で、座部に座る対象者の生体情報(例えば自律神経情報)を、第2信号に基づいて継続して取得することができる。
【0107】
据置ユニット(クレードルユニット(60))は、必ずしも充電の機能を有していなくてもよい。
【0108】
第1チューブ(31)や第2チューブ(71)は、必ずしもチューブ状でなくてもよく、例えば袋状であってもよい。
【0109】
信号処理部(51)では、体動信号抽出部(52)、心拍信号抽出部(53)、呼吸信号抽出部(54)、自律神経情報取得部(55)、睡眠情報取得部(56)のいずれかを省略した構成としてもよい。また、例えば自律神経情報取得部(55)や睡眠情報取得部(56)の機能を、通信部(58)を介してネットワーク上に繋がるサーバや、他の通信端末に付与してもよい。この場合、信号処理部(51)で得られた信号に基づき、サーバや通信端末において対象者の更なる生体情報が取得されることになる。
【0110】
生体情報取得装置(10)のケースユニット(11)は、着用品であるベルト(2)やズボン(3)に装着されるが、例えばスカート、靴、使い捨てパンツ等の他の着用品に装着されるものであってもよい。