(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
本実施形態を、装着者の行動を多方面から記録するためのマルチデータロガーに適用した第1の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、マルチデータロガー10とその装着者PSを示すものである。装着者PSは、マルチデータロガー10を例えば腰部など、自身の動作による変動量が少なく、且つ装着により動作に支障が出ないような、安定した部位に装着する。
【0013】
同図では、マルチデータロガー10内に、後述する地磁気センサ及び加速度センサを有するものとする。装着者PSが円状の矢印Cに示すように水平面内での移動や回転を行なった場合に、マルチデータロガー10内では、上記地磁気センサの検出出力から磁北方向への地磁気ベクトルTMを算出すると共に、この地磁気ベクトルTMと直交する鉛直方向VTを推定するものとする。
【0014】
こうして推定された鉛直方向VTを元に、装着者PSの姿勢角度等が適宜記録されるものとなる。
【0015】
図2は、上記マルチデータロガー10の機能回路の構成を示すブロック図である。このマルチデータロガー10において、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)アンテナ11で受信した、図示しない複数のGPS衛星からの到来電波に基づき、GPS受信部12が現在位置の3次元座標、すなわち、緯度、経度、高度と、現在時刻とを算出し、バスB1を介してCPU13へ送出する。
【0016】
CPU13は、このマルチデータロガー10全体の動作制御を、バスB1を介して接続されたメインメモリ14及びSSD(Solid State Drive)15を使用して実行する。
【0017】
メインメモリ14は、例えばSDRAMで構成され、CPU13がプログラムを実行する際のワークメモリとなる。SSD15は、不揮発性メモリで構成され、このマルチデータロガー10の動作時の各種データの記録動作に必要な動作プログラムと、各種固定データ等を格納、記憶するもので、それらの記憶内容は適宜CPU13によって上記メインメモリ14へ読出される。
【0018】
また上記バスB1はさらに、表示部16、スピーカ17、3軸地磁気センサ18、3軸加速度センサ19、3軸ジャイロセンサ20、キー操作部21、及び外部デバイスインタフェイス(I/F)22と接続される。
【0019】
表示部16は、例えばモノクロの液晶パネルとそれらの駆動回路とで構成される。
【0020】
スピーカ17は、マルチデータロガー10における操作音や動作状況に応じたビープ音等を発生して放音させる。
【0021】
3軸地磁気センサ18は、互いに直交する3軸方向それぞれの地磁気を検出するもので、磁北の方向に基づいてその時点でこのマルチデータロガー10の方位が検出できる。
【0022】
3軸加速度センサ19は、互いに直交する3軸方向それぞれの加速度を検出するもので、重力加速度の方向により、マルチデータロガー10の姿勢を検出できる。
【0023】
3軸ジャイロセンサ20は、互いに直交する3軸方向に配置された振動型ジャイロスコープで構成され、上記3軸加速度センサ19と組み合わせて、このマルチデータロガー10を所持、装着しているユーザの動作を解析して、上記GPSアンテナ11、GPS受信部12からの出力による現在位置の認識ができない状態でも、3軸加速度センサ19との協働により自律航法による現在位置の更新動作を実行するために用いる。
【0024】
キー操作部21は、このマルチデータロガー10の筐体に設けられる、電源キーやモードキー、カーソルキー、エンターキー等からなり、それらのキー操作に応じたキー操作信号をバスB1を介して上記CPU13へ送出する。
【0025】
外部デバイスインタフェイス22は、ヘッドホンジャック23、マイクロUSB端子24、及びメモリカードスロット25を介して、例えばヘッドホンやイヤホン、USB機器、及びメモリカードをそれぞれ接続または装着可能とする。
【0026】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図3は、マルチデータロガー10の移動位置や姿勢等を含む各種データの記録時に、その一指標となる鉛直方向を検出する際の処理内容を抽出して示すフローチャートである。
【0027】
その当初にCPU13においては、3軸地磁気センサ18から予め設定した単位時間、例えば10.0[秒]間に連続して得られる複数回分のX、Y、Z各座標軸空間における検出値x、y、zの3成分から鉛直方向Aを推定算出する(ステップS101)。
【0028】
ここで、上記
図1に示したように装着者PSが水平面上で体の向きを変更し、あるいは移動するような、マルチデータロガー10の傾き状態を変えない動作を行なう過程においては、3軸地磁気センサ18から得られる3次元空間中でのX、Y、Z成分を仮想的なX、Y、Z軸空間にプロットすると、
図4に示すような、円ELを描いた点列が得られることになる。
【0029】
したがって、例えば最小二乗法などでこの円ELの近似式を算出することにより、原点位置から、算出した円ELの中心を通る中心軸Aを鉛直方向を示すものとして推定する。
【0030】
次いでCPU13は、上記近似式で算出した円ELからそれぞれの点列がどの程度分散しているのかを示す積算値として分散度σaを算出する(ステップS102)。
【0031】
CPU13は、この算出した分散度σaが予め用意している閾値Tha以下であるか否かにより、上記推定した鉛直方向が、装着者PSの安定した動作下において推定された、充分に精度の高いか否かを判断する(ステップS103)。
【0032】
ここで分散度σaが閾値Tha以下であり、充分に精度の高いと判断した場合(ステップS103のYes)、CPU13はそのまま上記中心軸Aを鉛直方向であるものと確定して(ステップS104)、この
図3の処理を終了すると共に、得た鉛直方向Aを他の各種データの指標として活用する。
【0033】
また上記ステップS103において、算出した分散度σaが予め用意している閾値Thaより大きく、必要な精度を有していないと判断した場合(ステップS103のNo)、CPU13は上記中心軸Aが不確かであり、鉛直方向が不定であるものとした上で(ステップS105)、この
図3の処理を終了し、推定で得た鉛直方向Aは破棄して、他の各種データを算出するための一指標としては用いないものとする。
【0034】
このようにCPU13は、所定時間毎に上記鉛直方向Aの推定算出を継続し、得た充分精度が高いと思われる鉛直方向Aを用いて、他の各種データの指標として活用する。
【0035】
この場合、装着者PSが特に上記3軸加速度センサ19による出力の変化が激しいような動きをとっている場合にも、3軸地磁気センサ18の出力により鉛直方向をより安定した状態で推定できる。
【0036】
以上詳述した如く本実施形態によれば、鉛直方向を高い精度で安定して検出することが可能となる。
【0037】
加えて上記実施形態では、上記
図4に示したように仮想的なX、Y、Z軸空間にプロットされた3軸地磁気センサ18の出力のx、y、z成分からなる点列から、最小二乗法で円ELの近似式を算出するものとして、空間の原点位置から算出した円ELの中心を通る中心軸Aを鉛直方向として得るようにしたので、3軸地磁気センサ18の出力に多少のばらつきを生じた場合でも、全体でそのばらつきを吸収して、比較的安定した鉛直方向の推定を実行できる。
【0038】
[第2の実施形態]
本実施形態を、地図データを半導体メモリに記録し、バッテリ駆動で動作するポータブルナビゲーション装置(PND)に適用した第2の実施形態について説明する。
【0039】
図5は、このPND30の機能回路の構成を示すブロック図である。このPND30において、GPSアンテナ31で受信した複数のGPS衛星からの到来電波に基づき、GPS受信部32が現在位置の3次元座標、すなわち、緯度、経度、高度と、現在時刻とを算出し、バスB2を介してCPU33へ送出する。
【0040】
CPU33は、このPND30全体の動作制御を、バスB2を介して接続されたメインメモリ34及びSSD35を使用して実行する。
【0041】
メインメモリ34は、例えばSDRAMで構成され、CPU33がプログラムを実行する際のワークメモリとなる。SSD35は、不揮発性メモリで構成され、ナビゲーション動作に必要な各種動作プログラムと、地図データ35Aを含む各種固定データ等を格納、記憶するもので、それらの記憶内容は適宜CPU33によって上記メインメモリ34へ読出される。
【0042】
また上記バスB2はさらに、表示部36、タッチ入力部37、音声処理部38、3軸地磁気センサ39、3軸加速度センサ40、3軸ジャイロセンサ41、気圧センサ42、キー操作部43、近距離無線通信部44、及び外部デバイスインタフェイス(I/F)45と接続される。
【0043】
表示部36は、バックライト付きのカラー液晶パネルとそれらの駆動回路とで構成される。この表示部36に対して、透明電極膜を用いたタッチ入力部37が一体に構成される。タッチ入力部37は、ユーザのタッチ操作に応じた時系列の座標信号をデジタル化し、タッチ操作信号として上記CPU33へ送出する。
【0044】
音声処理部38は、PCM音源等の音源回路を備え、与えられる音声データに応じてアナログの音声信号を発生し、スピーカ46から拡声放音させる。
【0045】
3軸地磁気センサ39は、互いに直交する3軸方向それぞれの地磁気を検出するもので、磁北の方向に基づいてその時点でこのPND30を向けている方位が検出できる。
【0046】
3軸加速度センサ40は、互いに直交する3軸方向それぞれの加速度を検出するもので、このPND30自体の動きや与えられている外力等を検出できる。
【0047】
3軸ジャイロセンサ41は、互いに直交する3軸方向に配置された振動型ジャイロスコープで構成され、上記3軸加速度センサ40の出力と組み合わせて、このPND30を所持、装着しているユーザの動作を解析して、上記GPSアンテナ31、GPS受信部32からの出力による現在位置の認識ができない状態でも、3軸加速度センサ40との協働により自律航法による現在位置の更新動作を実行するために用いる。
【0048】
気圧センサ42は、その時点の気圧を検出するもので、上記GPSアンテナ31、GPS受信部32による現在位置の測定精度が高い場合の高度情報に基づいて気圧情報を高度情報に変換することで、その後の移動に伴ってGPSアンテナ31、GPS受信部32によって取得できる現在位置の位置精度が低下した場合でも、その時点で得られる気圧情報から、測定精度が高かった位置での気圧情報を基準として、相対的に現在位置の高度情報を算出することができる。
【0049】
キー操作部43は、このPND30の筐体に設けられる、電源キーや現在位置キー、目的地キー、カーソルキー、エンターキー等からなり、それらのキー操作に応じたキー操作信号をバスB2を介して上記CPU33へ送出する。
【0050】
近距離無線通信部44は、例えばBluetooth(登録商標) SMARTまたはANT+により、近距離通信アンテナ47を介して、予めペアリング設定された外部の機器と無線接続する。
【0051】
外部デバイスインタフェイス45は、ヘッドホンジャック48、マイクロUSB端子49、及びメモリカードスロット50を介して、例えばヘッドホンやイヤホン、USB機器、及びメモリカードをそれぞれ接続または装着可能とする。
【0052】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、このポータブルナビゲーション装置30は、例えば登山者等がバックパックのショルダハーネス部等に固定するなどの場合において、主に地表面を移動する際に用いられるものとする。
【0053】
図6は、上記ポータブルナビゲーション装置30による現在位置を認識した上でのガイド動作時に、位置情報と併せて記録する姿勢情報の一指標として、鉛直方向を検出する際の処理内容を抽出して示すフローチャートである。
【0054】
その当初にCPU33においては、3軸地磁気センサ39から予め設定した単位時間、例えば10.0[秒]間に連続して得られる複数回分の3軸地磁気センサ39のX、Y、Z各座標軸空間における検出値x、y、zの3成分から鉛直方向Aを推定算出する(ステップS201)。
【0055】
ここで、ポータブルナビゲーション装置30の傾き状態を変えない動作を行なう過程においては、3軸地磁気センサ39から得られる3次元空間中でのx、y、z成分を仮想的なX、Y、Z軸空間にプロットすると、上記
図4に示したような、円を描いた点列が得られることになる。
【0056】
したがって、例えば最小二乗法などでこの円ELの近似式を算出することにより、原点位置から、算出した円ELの中心を通る中心軸Aを鉛直方向を示すものとして推定する。
【0057】
次いでCPU33は、上記近似式で算出した円からそれぞれの点列がどの程度分散しているのかを示す積算値として分散度σaを算出する(ステップS202)。
【0058】
さらにCPU33は、3軸加速度センサ40から予め設定した単位時間、例えば10.0[秒]間に連続して得られる複数回分のX、Y、Z各座標軸空間における検出値x、y、zの3成分から重力加速度に相当する鉛直方向Bを推定算出する(ステップS203)。
【0059】
ここで、ポータブルナビゲーション装置30の傾き状態を変えない動作を行なう過程においては、3軸加速度センサ40から得られる3次元空間中でのx、y、z成分を仮想的なX、Y、Z軸空間にプロットすると、特定の一方向に重力加速度に応じた値となる多数のプロット位置が収束して得られることになる。
【0060】
したがって、CPU33はそれらの収束したプロット位置の点列を取得し、仮想的なX、Y、Z軸空間にプロットされた各成分の平均を算出することにより、鉛直方向Bを推定結果として算出できる。
【0061】
さらにCPU33は、この収束したプロット位置の点列に対しても、それぞれの点列がどの程度分散しているのかを示す積算値として分散度σbを算出する(ステップS204)。
【0062】
次にCPU33は、上記ステップS202で算出した地磁気の分散度σaが予め用意している閾値Tha以下であり、且つ上記ステップS204で算出した加速度の分散度σbが予め用意している閾値Thb以下であるか否かにより、地磁気と加速度の推定が共に安定した高い精度で算出されたものであるか否かを判断する(ステップS205)。
【0063】
ここで2つの分散値がそれぞれ対応する閾値以下であり、地磁気と加速度の推定が共に安定した高い精度で算出されたものであると判断した場合(ステップS205のYes)、CPU33は地磁気での推定結果を優先するものとして、上記ステップS202で得た上記中心軸Aを鉛直方向であるものと確定して(ステップS207)、この
図6の処理を終了すると共に、得た鉛直方向Aを他のデータの指標として活用する。
【0064】
また上記ステップS205において、2つの分散値の双方が、それぞれ対応する閾値以下ではないと判断した場合(ステップS205のNo)、CPU33は次に少なくとも地磁気の分散度σaが、予め用意している閾値Tha以下であるか否かを判断する(ステップS206)。
【0065】
ここで地磁気の分散度σaが閾値Tha以下であり、地磁気から推定した鉛直方向Aは安定した高い精度で算出されたものであると判断した場合(ステップS206のYes)、地磁気での推定結果により得た上記中心軸Aを鉛直方向であるものと確定して(ステップS207)、この
図6の処理を終了すると共に、得た鉛直方向Aを他のデータの指標として活用する。
【0066】
さらに上記ステップS206において、地磁気の分散度σaが閾値Thaを超えており、地磁気での鉛直方向の推定は安定した高い精度で算出されたものではないと判断した場合(ステップS206のNo)、次にCPU33は加速度での分散度σbが、予め用意している閾値Thb以下であるか否かを判断する(ステップS208)。
【0067】
ここで加速度の分散度σbが閾値Thb以下であり、加速度から推定した鉛直方向Bは安定した高い精度で算出されたものであると判断した場合(ステップS208のYes)、CPU33は加速度での推定結果により得た鉛直方向Bを確定して(ステップS209)、この
図6の処理を終了すると共に、得た鉛直方向Bを他のデータの指標として活用する。
【0068】
また上記ステップS208において、算出した加速度の分散度σbが予め用意している閾値Thbより大きく、加速度の推定結果も必要な精度を有していないと判断した場合、CPU33は鉛直方向が不定であるものとした上で(ステップS210)、この
図6の処理を終了し、推定で得た鉛直方向A、Bを共に破棄して、他の各種データを算出するための一指標としては用いないものとする。
【0069】
このようにCPU33は、所定時間毎に上記地磁気による鉛直方向Aの推定算出と加速度による鉛直方向Bの推定算出とをそれぞれ継続し、得た充分精度が高いと思われる鉛直方向を用いて、他の各種データの指標として活用する。
【0070】
以上詳述した如く本実施形態によれば、鉛直方向を高い精度で安定して検出することが可能となる。
【0071】
また上記実施形態においては、地磁気により推定した鉛直方向Aと、加速度により推定した鉛直方向Bについて、それぞれ予め用意した閾値と各分散度を比較することで、精度の判断を行なうものとしたので、必要とする精度の検証が容易であり、CPU33の処理負担を軽減できる。
【0072】
さらに上記実施形態では、地磁気により推定した鉛直方向Aと、加速度により推定した鉛直方向Bとが共に充分な精度を有しているものと判断した場合に、地磁気により推定した鉛直方向Aの方を優先して結果として利用するものとしたので、特にポータブルナビゲーション装置30の使用者が3軸加速度センサ19による出力の変化が比較的大きいような動きをとっている場合にも、3軸地磁気センサ18の出力により鉛直方向をより安定した状態で推定できる。
【0073】
なお、3軸地磁気センサ18の出力から直接検出できるのは地表面に沿った磁北の方向であり、所定の時間内に渡って地表面を移動し、あるいは対向する方向を変化した場合に得られる3軸地磁気センサ18の出力の一連のプロット結果は同一円周上に配列されるものとなるので、プロットされた点列から円の近似式を算出し、算出した円の近似式から円の中心軸方向を推定することで、より精度の高い鉛直方向を推定できる。
【0074】
また、上記第1の実施形態ではマルチデータロガーに適用した場合、第2の実施形態ではポータブルナビゲーション装置(PND)に適用した場合について図面を参照して説明したが、本発明はこれらに限るものではなく、他の装置等にも同様に適用することが可能である。
【0075】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0076】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
磁気センサと、
移動に伴って上記磁気センサが出力する3次元空間に対応した磁気データを仮想3次元空間にプロットするデータプロット手段と、
上記データプロット手段で仮想3次元空間にプロットした複数の磁気データの点列から円の近似式を算出する近似式算出手段と、
上記近似式算出手段で得た円の近似式から円の中心軸方向を鉛直方向として取得する鉛直方向取得手段と、
を備える情報処理装置。
[請求項2]
上記近似式算出手段は、上記データプロット手段で仮想3次元空間にプロットした複数の磁気データの点列から最小二乗法を用いて円の近似式を算出する、請求項1記載の情報処理装置。
[請求項3]
磁気センサと、
移動に伴って上記磁気センサが出力する磁気データに基づいて鉛直方向を推定する第1の鉛直方向推定手段と、
加速度センサと、
移動に伴って上記加速度センサが出力する加速度データに基づいて鉛直方向を推定する第2の鉛直方向推定手段と、
所定時間内に上記第1の鉛直方向推定手段で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第1の分散度判定手段と、
所定時間内に上記第2の鉛直方向推定手段で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第2の分散度判定手段と、
上記第1及び第2の分散度判定手段の少なくとも一方の判定結果に基づいて鉛直方向を特定する鉛直方向特定手段と、
を備える情報処理装置。
[請求項4]
上記鉛直方向特定手段は、上記第1の分散度判定手段で判定した複数の鉛直方向の分散度と上記第2の分散度判定手段で判定した複数の鉛直方向の分散度とをそれぞれ予め設定された閾値と比較し、その比較結果に基づいて鉛直方向を特定する請求項3記載の情報処理装置。
[請求項5]
上記鉛直方向特定手段は、上記第1の分散度判定手段での判定結果を上記第2の分散度判定手段での判定結果より優先して鉛直方向を特定する請求項3または4記載の情報処理装置。
[請求項6]
上記第1の鉛直方向推定手段は、移動に伴って上記磁気センサが出力する3次元空間に対応した磁気データを仮想3次元空間にプロットし、プロットした複数の磁気データの点列から円の近似式を算出し、算出した円の近似式から円の中心軸方向を推定する、請求項3乃至5いずれか記載の情報処理装置。
[請求項7]
磁気センサを備える装置での情報処理方法であって、
移動に伴って上記磁気センサが出力する3次元空間に対応した磁気データを仮想3次元空間にプロットするデータプロット工程と、
上記データプロット工程で仮想3次元空間にプロットした複数の磁気データの点列から円の近似式を算出する近似式算出工程と、
上記近似式算出工程で得た円の近似式から円の中心軸方向を鉛直方向として取得する鉛直方向取得工程と、
を有する情報処理方法。
[請求項8]
磁気センサと加速度センサとを備えた装置での情報処理方法であって、
移動に伴って上記磁気センサが出力する磁気データに基づいて鉛直方向を推定する第1の鉛直方向推定工程と、
移動に伴って上記加速度センサが出力する加速度データに基づいて鉛直方向を推定する第2の鉛直方向推定工程と、
所定時間内に上記第1の鉛直方向推定工程で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第1の分散度判定工程と、
所定時間内に上記第2の鉛直方向推定工程で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第2の分散度判定工程と、
上記第1及び第2の分散度判定工程の少なくとも一方の判定結果に基づいて鉛直方向を特定する鉛直方向特定工程と、
を有する情報処理方法。
[請求項9]
磁気センサを備える装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
移動に伴って上記磁気センサが出力する3次元空間に対応した磁気データを仮想3次元空間にプロットするデータプロット手段、
上記データプロット手段で仮想3次元空間にプロットした複数の磁気データの点列から円の近似式を算出する近似式算出手段、及び
上記近似式算出手段で得た円の近似式から円の中心軸方向を鉛直方向として取得する鉛直方向取得手段、
として機能させるプログラム。
[請求項10]
磁気センサと加速度センサとを備えた装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、
移動に伴って上記磁気センサが出力する磁気データに基づいて鉛直方向を推定する第1の鉛直方向推定手段、
移動に伴って上記加速度センサが出力する加速度データに基づいて鉛直方向を推定する第2の鉛直方向推定手段、
所定時間内に上記第1の鉛直方向推定手段で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第1の分散度判定手段、
所定時間内に上記第2の鉛直方向推定手段で推定した複数の鉛直方向の分散度を判定する第2の分散度判定手段、及び
上記第1及び第2の分散度判定手段の少なくとも一方の判定結果に基づいて鉛直方向を特定する鉛直方向特定手段、
として機能させるプログラム。