特許第6844580号(P6844580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844580
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20210308BHJP
   B66F 9/07 20060101ALI20210308BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20210308BHJP
【FI】
   B65G1/04 537B
   B66F9/07 S
   G05D1/02 P
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-78580(P2018-78580)
(22)【出願日】2018年4月16日
(65)【公開番号】特開2019-182638(P2019-182638A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵三
(72)【発明者】
【氏名】白瀧 肇
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 晶広
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−175117(JP,A)
【文献】 特開2006−248690(JP,A)
【文献】 特開2004−277167(JP,A)
【文献】 特開2011−152984(JP,A)
【文献】 特開2010−58956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−1/133
B65G 1/14−1/20
B66F 9/07
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有端の移動経路に沿って移動する3つ以上の搬送装置と、
前記移動経路に沿って配列され、それぞれ物品が載置される複数の物品載置部と、を備え、
前記搬送装置は、前記移動経路に沿って走行する走行部と、前記物品を前記物品載置部との間で移載する移載部と、を有し、
前記搬送装置のそれぞれは、前記移動経路内に設定された自らの担当移動範囲内を移動するように制御され、
隣接する2つの前記搬送装置の前記担当移動範囲は、互いに一部重複する重複範囲を有するように設定され、
隣接する2つの前記搬送装置は、前記重複範囲にある前記物品載置部を介して互いに前記物品の受け渡しを行い、
3つ以上の前記搬送装置のうち、前記移動経路に沿う方向における両外側に位置する2つの前記搬送装置のそれぞれを外側搬送装置とし、
2つの前記外側搬送装置の間に位置する1つ以上の前記搬送装置のそれぞれを内側搬送装置とし、
前記走行部が正常であるが前記走行部以外の部分に異常が生じた前記内側搬送装置を特定異常搬送装置とし、
前記特定異常搬送装置に対して前記移動経路に沿う方向における両側に隣接する前記搬送装置のそれぞれを隣接搬送装置とし、
1つの前記内側搬送装置が前記特定異常搬送装置となった場合に、
前記特定異常搬送装置の前記担当移動範囲を無くすと共に、2つの前記隣接搬送装置の前記担当移動範囲が互いに重複する前記重複範囲を有するように、2つの前記隣接搬送装置の少なくとも一方の前記担当移動範囲が再設定され、
前記特定異常搬送装置は、2つの前記隣接搬送装置と干渉することを回避する回避移動を行うように制御される、物品搬送設備。
【請求項2】
前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合において、前記搬送移動動作中の前記隣接搬送装置の移動軌跡と干渉しない非干渉位置に前記特定異常搬送装置がある場合、当該搬送移動動作中、前記特定異常搬送装置は前記非干渉位置に停止する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合において、前記搬送移動動作中の前記隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置に前記特定異常搬送装置がある場合、前記特定異常搬送装置は、前記隣接搬送装置の前記移動先が決定した後、前記隣接搬送装置が前記特定異常搬送装置に対して規定距離内に近づく前に、前記回避移動を開始する、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
2つの前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を同時並行的に行う場合において、2つの前記隣接搬送装置のうちの先に移動を開始する方を第1隣接搬送装置、後で移動を開始する方を第2隣接搬送装置として、
前記搬送移動動作中の前記第1隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置であって、且つ、前記搬送移動動作中の前記第2隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置に、前記特定異常搬送装置がある場合、
前記特定異常搬送装置は、前記第1隣接搬送装置と干渉することを回避する第1回避移動を優先して行い、
前記第2隣接搬送装置は、前記第1回避移動の実行中は、前記特定異常搬送装置と干渉しない範囲に移動が制限される、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記重複範囲の位置の設定変更を受け付ける設定変更受付部を更に備えた、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有端の移動経路に沿って移動する3つ以上の搬送装置と、移動経路に沿って配列され、それぞれ物品が載置される複数の物品載置部と、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品搬送設備の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、この背景技術の欄の説明では、特許文献1における部材名及び符号を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1には、3つの搬送装置(無人搬送車41,42,43)を備えた物品搬送設備が例示されている。3つの搬送装置(無人搬送車41,42,43)のそれぞれは、有端の移動経路に設定された自らの担当移動範囲内を移動する。そして、隣接する2つの搬送装置は、物品が載置される物品載置部(ステーションS)を介して互いに物品の受け渡しを行う。具体的には、3つの搬送装置(無人搬送車41,42,43)の移動経路に沿って複数の物品載置部(ステーションS)が配列されており、1つの搬送装置が物品載置部(ステーションS)に物品を移載した後、当該搬送装置に隣接する別の搬送装置が当該物品載置部(ステーションS)から物品を受け取る。このように、隣接する搬送装置同士で物品載置部(ステーションS)を介して物品の受け渡しを行うため、隣接する2つの搬送装置の担当移動範囲は、互いに一部重複する重複範囲(干渉エリアK1,K2)を有するように設定されている。
【0004】
ところで、特許文献1の物品搬送設備では、中央の搬送装置(無人搬送車42)に異常が生じた場合、中央の搬送装置(無人搬送車42)は待機位置に停止する。この場合、両外側の搬送装置(無人搬送車41,43)の担当移動範囲は、中央の搬送装置(無人搬送車42)の待機位置に対して両外側の範囲となる。そのため、両外側の搬送装置(無人搬送車41,43)は、共通の物品載置部(ステーションS)を介して互いに物品の受け渡しを行うことができない。
【0005】
上記のような場合、両外側の搬送装置(無人搬送車41,43)同士で物品の受け渡しを行うために、従来、両外側の搬送装置(無人搬送車41,43)間で物品を搬送する中継コンベヤが設けられていた。しかしながら、第1の搬送装置(無人搬送車41,43)が物品載置部(ステーションS)に物品を移載し、中継コンベヤで別の物品載置部(ステーションS)に搬送し、その後第2の搬送装置(無人搬送車41,43)が当該物品載置部(ステーションS)から物品を受け取るという動作を行う必要がある。そのため、中継に時間を要することとなり、物品の搬送効率が低下するという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−175117号公報(段落0076及び0077、図9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、搬送装置の移動経路に沿う方向における両外側の搬送装置の間に配置された搬送装置に異常が生じた場合であっても、物品の搬送効率の低下を少なく抑えることができる物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記に鑑みた、物品搬送設備の特徴構成は、
有端の移動経路に沿って移動する3つ以上の搬送装置と、
前記移動経路に沿って配列され、それぞれ物品が載置される複数の物品載置部と、を備え、
前記搬送装置は、前記移動経路に沿って走行する走行部と、前記物品を前記物品載置部との間で移載する移載部と、を有し、
前記搬送装置のそれぞれは、前記移動経路内に設定された自らの担当移動範囲内を移動するように制御され、
隣接する2つの前記搬送装置の前記担当移動範囲は、互いに一部重複する重複範囲を有するように設定され、
隣接する2つの前記搬送装置は、前記重複範囲にある前記物品載置部を介して互いに前記物品の受け渡しを行い、
3つ以上の前記搬送装置のうち、前記移動経路に沿う方向における両外側に位置する2つの前記搬送装置のそれぞれを外側搬送装置とし、
2つの前記外側搬送装置の間に位置する1つ以上の前記搬送装置のそれぞれを内側搬送装置とし、
前記走行部が正常であるが前記走行部以外の部分に異常が生じた前記内側搬送装置を特定異常搬送装置とし、
前記特定異常搬送装置に対して前記移動経路に沿う方向における両側に隣接する前記搬送装置のそれぞれを隣接搬送装置とし、
1つの前記内側搬送装置が前記特定異常搬送装置となった場合に、
前記特定異常搬送装置の前記担当移動範囲を無くすと共に、2つの前記隣接搬送装置の前記担当移動範囲が互いに重複する前記重複範囲を有するように、2つの前記隣接搬送装置の少なくとも一方の前記担当移動範囲が再設定され、
前記特定異常搬送装置は、2つの前記隣接搬送装置と干渉することを回避する回避移動を行うように制御される点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、1つの内側搬送装置に異常が生じた場合であっても、その異常が走行可能な異常である場合には、当該異常が生じた特定異常搬送装置を停止させることなく、2つの隣接搬送装置の動きに応じてこれらと干渉することを回避する回避移動を行わせる。そのため、特定異常搬送装置の担当移動範囲を無くすと共に、2つの隣接搬送装置の担当移動範囲が互いに重複する重複範囲を有するようにそれぞれの担当移動範囲を再設定することができる。その結果、重複範囲にある物品載置部を介して2つの隣接搬送装置同士で物品の受け渡しを行うことが可能となる。したがって、搬送装置の移動経路に沿う方向における両外側の搬送装置の間に配置された搬送装置に異常が生じた場合であっても、その異常が走行可能な異常である場合には、物品の搬送効率の低下を少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る物品搬送設備を示す図
図2】実施形態に係る物品搬送設備の制御ブロック図
図3】全ての搬送装置が正常な場合における、搬送装置の担当移動範囲、及び重複範囲を示す図
図4】内側搬送装置が特定異常搬送装置となった場合における、搬送装置の担当移動範囲、及び重複範囲を示す図
図5】特定異常搬送装置の回避移動の一例を示す図
図6】特定異常搬送装置の回避移動の一例を示す図
図7】特定異常搬送装置の回避移動の一例を示す図
図8】非干渉位置に停止する特定異常搬送装置を示す図
図9】特定異常搬送装置の回避移動の別の一例を示す図
図10】特定異常搬送装置の回避移動の別の一例を示す図
図11】特定異常搬送装置の回避移動の別の一例を示す図
図12】特定異常搬送装置の回避移動の別の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、実施形態に係る物品搬送設備100について図面を参照して説明する。図1に示すように、物品搬送設備100は、有端の走行レール1に沿って移動する搬送装置10と、走行レール1に沿って配列され、それぞれ物品Wが載置される複数の物品載置部20と、を備えている。本実施形態では、搬送装置10は、スタッカクレーンである。
【0012】
走行レール1は、搬送装置10の「移動経路」を規定している。本実施形態では、3つの搬送装置10が同じ走行レール1上に配置されている。つまり、3つの搬送装置10は、同じ1本の移動経路を走行するように設けられている。図示の例では、走行レール1は、直線状に延在している。但しこれに限定されず、走行レール1(移動経路)が円弧等の曲線状に延在していてもよい。
【0013】
以下の説明では、走行レール1の延在方向を「搬送方向X」とし、水平面に沿う方向であって搬送方向Xに直交する方向を「移載方向Y」とする。そして、搬送方向Xにおける一方側(図1の左側)を搬送方向第1側X1とし、搬送方向Xにおける他方側(図1の右側)を搬送方向第2側X2とする。なお、本実施形態において、ある特定の方向に「沿う方向」とは、当該特定の方向に平行な方向に限定されず、多少傾斜していても全体として沿っていればよいものとする。
【0014】
また、以下の説明では、3つの搬送装置10を、搬送方向第1側X1から順に、「第1搬送装置M1」、「第2搬送装置M2」、「第3搬送装置M3」とする。つまり、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3のそれぞれが「外側搬送装置」に相当し、第2搬送装置M2が「内側搬送装置」に相当する。なお、単に搬送装置10と記した場合には、第1搬送装置M1、第2搬送装置M2、及び第3搬送装置M3のいずれも区別することなく表すものとする。
【0015】
複数の物品載置部20は、走行レール1に沿って並んで配置されている。本実施形態では、複数の物品載置部20が搬送方向X及び鉛直方向に整列された状態で配置され、保管棚2を構成している。保管棚2は、走行レール1を挟んで移載方向Yに対向するように、2つ1組で設けられている。
【0016】
図2に示すように、搬送装置10のそれぞれは、走行レール1に沿って走行する走行部11と、物品Wを物品載置部20との間で移載する移載部12と、移載部12を昇降させる昇降部13と、下位制御装置14と、を有している。
【0017】
走行部11は、走行レール1上を転動する車輪が設けられた走行台車を有している。移載部12は、物品載置部20との間で移載方向Yに沿って物品Wを移載可能に構成されている。移載部12としては、例えば、スライド自在な一対のフォーク部を有するフォーク装置を採用可能である。昇降部13は、走行部11の走行台車に鉛直方向に延在するように設けられたマストと、当該マストに案内されて鉛直方向に移動する昇降台と、を有している。昇降部13の昇降台には、移載部12が取り付けられている。これにより、移載部12は、走行部11の移動に伴って搬送方向Xに移動すると共に、昇降部13の昇降台の昇降動作に伴って鉛直方向に移動する。
【0018】
下位制御装置14は、走行部11、移載部12、及び昇降部13と電気的に接続されており、それらを制御可能に構成されている。具体的には、下位制御装置14は、走行部11における走行台車の車輪を駆動するための走行用モータ、移載部12を駆動するための移載用モータ、及び昇降部13の昇降台を駆動するための昇降用モータ等を制御可能に構成されている。
【0019】
また、下位制御装置14は、物品搬送設備100に備えられた上位制御装置30と通信可能に構成されている。下位制御装置14は、ロータリエンコーダ等のセンサによって検出された搬送装置10の現在の位置情報を取得し、上位制御装置30に送信する。上位制御装置30は、第1搬送装置M1の下位制御装置14を介して第1搬送装置M1を制御し、第2搬送装置M2の下位制御装置14を介して第2搬送装置M2を制御し、第3搬送装置M3の下位制御装置14を介して第3搬送装置M3を制御する。
【0020】
第1搬送装置M1の下位制御装置14と、第2搬送装置M2の下位制御装置14とは、互いに通信可能に構成されている。更に、第2搬送装置M2の下位制御装置14と、第3搬送装置M3の下位制御装置14とは、互いに通信可能に構成されている。
【0021】
図3に示すように、搬送装置10のそれぞれは、走行レール1に設定された自らの担当移動範囲内を移動するように上位制御装置30によって制御される。本実施形態では、第1搬送装置M1は、第1担当移動範囲R1内を移動し、第2搬送装置M2は、第2担当移動範囲R2内を移動し、第3搬送装置M3は、第3担当移動範囲R3内を移動する。
【0022】
隣接する2つの搬送装置10の担当移動範囲は、互いに一部重複する重複範囲を有するように、上位制御装置30によって設定されている。本実施形態では、第1担当移動範囲R1と第2担当移動範囲R2とが、互いに一部重複する第1重複範囲O1を有するように、上位制御装置30によって設定されている。更に、本実施形態では、第2担当移動範囲R2と第3担当移動範囲R3とが、互いに一部重複する第2重複範囲O2を有するように、上位制御装置30によって設定されている。
【0023】
本実施形態では、第1重複範囲O1及び第2重複範囲O2の位置は、設定変更受付部40を介して変更可能となっている。図2に示すように、設定変更受付部40は、物品搬送設備100に備えられ、上位制御装置30と電気的に接続されている。設定変更受付部40は、作業者によって第1重複範囲O1及び第2重複範囲O2の位置を示す位置情報を入力可能に構成されている。作業者によって重複範囲の位置情報が設定変更受付部40に入力された場合、上位制御装置30は、入力された位置情報に対応する位置に重複範囲が配置されるように、搬送装置10の担当移動範囲を再設定する。例えば、作業者によって第1重複範囲O1の位置情報が設定変更受付部40に入力された場合、上位制御装置30は、入力された位置情報に対応する位置に第1重複範囲O1が配置されるように、第1担当移動範囲R1及び第2担当移動範囲R2を再設定する。
【0024】
隣接する2つの搬送装置10は、重複範囲にある物品載置部20を介して互いに物品Wの受け渡しを行う。具体的には、1つの搬送装置10が重複範囲にある物品載置部20に物品Wを移載した後、当該搬送装置10に隣接する別の搬送装置10が当該物品載置部20から物品を受け取る。本実施形態では、第1搬送装置M1と第2搬送装置M2とが、第1重複範囲O1にある物品載置部20を介して互いに物品Wの受け渡しを行う。更に、第2搬送装置M2と第3搬送装置M3とが、第2重複範囲O2にある物品載置部20を介して互いに物品Wの受け渡しを行う。
【0025】
以下では、第2搬送装置M2において、走行部11が正常であるが走行部11以外の部分に異常が生じた場合の搬送装置10の制御について説明する。この場合、第2搬送装置M2が「特定異常搬送装置」に相当する。そして、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3のそれぞれが「隣接搬送装置」に相当する。なお、「走行部11以外の部分の異常」とは、搬送装置10が走行可能であるが、物品Wの正常な搬送及び移載を行うことができない異常である。このような「走行部11以外の部分の異常」には、例えば、移載部12の異常や昇降部13の異常、更には走行部11以外の各部に設けられたセンサや駆動機構の異常、通信異常等が含まれる。ここでは、第2搬送装置M2の移載部12に異常が生じたものとし、図2において破線で表している。
【0026】
なお、第2搬送装置M2が特定異常搬送装置となったか否か、つまり、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じたか否かは、作業者が判断する構成としても良いし、上位制御装置30が判断する構成としても良い。上位制御装置30が第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じたか否かを判断する構成としては、例えば、第2搬送装置M2が備える各種センサの出力や各部の通信結果等に基づいて、移載部12や昇降部13等の走行部11以外の部分が下位制御装置14の指令通りに動作しなかった場合に、下位制御装置14が上位制御装置30にエラー信号を出力し、当該エラー信号に基づいて第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じたと上位制御装置30が判断する構成が挙げられる。また例えば、このような場合に下位制御装置14からエラー信号を受け取った上位制御装置30が、その旨を報知し、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じたことを作業者が判断する構成であってもよい。この場合、作業者の入力によって上位制御装置30は第2搬送装置M2が特定異常搬送装置となったことを判断する。
【0027】
そして、上位制御装置30は、第2搬送装置M2が特定異常搬送装置となったことを判断した場合、自動的に、或いは作業者による指示入力に基づいて、図4に示すように、第2搬送装置M2の第2担当移動範囲R2を無くすための設定変更を行う。つまり、上位制御装置30は、第1搬送装置M1の第1担当移動範囲R1と第3搬送装置M3の第3担当移動範囲R3とが互いに重複する第3重複範囲O3を有するように、第1担当移動範囲R1及び第3担当移動範囲R3の少なくとも一方を再設定する。図示の例では、走行レール1の搬送方向Xの中央部に第3重複範囲O3が配置されるように、第1担当移動範囲R1が搬送方向第2側X2に延長されると共に、第3担当移動範囲R3が搬送方向第1側X1に延長されている。
【0028】
そして、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3は、第3重複範囲O3にある物品載置部20を介して互いに物品Wの受け渡しを行う。第3重複範囲O3は、第1重複範囲O1及び第2重複範囲O2と同様に、設定変更受付部40を介してその位置を変更可能となっている。
【0029】
また、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じた場合、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3と干渉することを回避する回避移動を行うように制御される。なお、本実施形態では、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じた場合、第2搬送装置M2は、上位制御装置30によって制御されず、第1搬送装置M1の下位制御装置14、及び第3搬送装置M3の下位制御装置14によって制御される。
【0030】
以下では、図5及び図6を用いて、第2搬送装置M2の回避移動の一例を説明する。図5及び図6では、説明の便宜上、搬送装置10の移動経路(走行レール1)上に、位置P1〜P9を等間隔で順に配置している。位置P1〜P9の隣接する位置間の距離は、当該隣接する位置のそれぞれに搬送装置10がある場合、それらの搬送装置10が互いに干渉しないように設定されているものとする。例えば、位置P4に第1搬送装置M1が位置し、位置P5に第2搬送装置M2が位置している場合、第1搬送装置M1と第2搬送装置M2とは互いに干渉しない。また、図5及び図6では、説明の便宜上、各搬送装置10を上下に並べて図示している。なお、図7から図12も同様とする。
【0031】
図5に示す例では、初期状態として、第1搬送装置M1が位置P1に位置し、第2搬送装置M2が位置P5に位置し、第3搬送装置M3が位置P9に位置している。この初期状態において、第1搬送装置M1が位置P1から位置P6まで移動する場合、第1搬送装置M1の第1移動軌跡L1は、位置P1から位置P6に亘って形成される。この場合、位置P5に位置する第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1と干渉する。そのため、図6に示すように、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に対して規定距離D内に近づく前に、第1移動軌跡L1と干渉しない非干渉位置の1つである位置P7に移動する。
【0032】
規定距離Dは、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に近づくように移動する際に、第1搬送装置M1の第2搬送装置M2に対する干渉を回避するために、第1搬送装置M1の移動速度を低下させるか否かの閾値として設定される。つまり、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に近づくように移動する際、第1搬送装置M1と第2搬送装置M2との距離が規定距離D以下となった場合に第1搬送装置M1の移動速度が低下される。このような移動速度の低下の判断は、第1搬送装置M1が備える距離センサ(図示省略)の出力に基づいて、第1搬送装置M1の下位制御装置14が判断する構成であっても良いし、上位制御装置30が判断する構成であっても良い。なお、距離センサは、各搬送装置10に、隣接する搬送装置10との距離を検出できるように設けられている。図6に示す例では、規定距離Dは、位置P5から位置P4までの距離よりも大きく、位置P5から位置P3までの距離よりも小さく設定されている。
【0033】
以上のように、第1搬送装置M1が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合において、当該搬送移動動作中の第1搬送装置M1の第1移動軌跡L1と干渉する位置に第2搬送装置M2がある場合、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1の移動先が決定した後、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に対して規定距離D内に近づく前に回避移動を開始する。
【0034】
具体的には、まず、上位制御装置30が第1搬送装置M1の下位制御装置14に、第1搬送装置M1を任意の移動先まで移動させる指令を送信する。次に、第1搬送装置M1の下位制御装置14が、移動元(現在の第1搬送装置M1の位置)を示す情報と、上位制御装置30から送信された指令に含まれる、第1搬送装置M1の移動先を示す情報とを、第2搬送装置M2の下位制御装置14に送信する。そして、第2搬送装置M2の下位制御装置14が、第1搬送装置M1の移動元から移動先までの第1移動軌跡L1と干渉する位置に第2搬送装置M2があると判断した場合、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に対して規定距離D内に近づく前に、第2搬送装置M2が、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3と干渉しない位置に移動する。
【0035】
図7に示すように、第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1と干渉する位置にある場合において、第1搬送装置M1の移動先が決定した後、第1搬送装置M1が移動を開始する前に、第2搬送装置M2が回避移動を開始しても良い。
【0036】
図8に示すように、本実施形態では、第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1と干渉しない非干渉位置にある場合、第1搬送装置M1が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作中、第2搬送装置M2は当該非干渉位置に停止する。図8に示す例では、第2搬送装置M2は第1搬送装置M1が移動を開始する前から位置P7に位置している。この場合、第2搬送装置M2は停止したままの状態を維持する。
【0037】
図5から図8に示す例では、第3搬送装置M3は位置P9に位置しており、第2搬送装置M2の回避移動の際に、第2搬送装置M2が第3搬送装置M3に干渉することを想定していない。しかし、第3搬送装置M3が、第2搬送装置M2の回避移動の際に第2搬送装置M2と干渉する位置(例えば、位置P7)にある場合、第3搬送装置M3は第2搬送装置M2と干渉しない位置に移動する。
【0038】
また、図5から図8に示す例では、第1搬送装置M1が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合における第2搬送装置M2の回避移動について説明しているが、第3搬送装置M3が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合においても同様であるため、その説明は省略する。
【0039】
以下では、図9から図12を用いて、第2搬送装置M2の回避移動の別の一例を説明する。
【0040】
図9に示す例では、初期状態として、第1搬送装置M1が位置P1に位置し、第2搬送装置M2が位置P5に位置し、第3搬送装置M3が位置P9に位置している。この初期状態において、第1搬送装置M1が位置P1から位置P6まで移動すると共に、第3搬送装置M3が位置P9から位置P4まで移動する場合、第1搬送装置M1の第1移動軌跡L1が位置P1から位置P6に亘って形成されると共に、第3搬送装置M3の第3移動軌跡L3が位置P9から位置P4に亘って形成される。この場合、位置P5に位置する第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1及び第3移動軌跡L3の双方と干渉する。
【0041】
なお、本例では、第3搬送装置M3よりも第1搬送装置M1が先に上位制御装置30から搬送移動動作の指令が出され、第3搬送装置M3よりも第1搬送装置M1が先に移動を開始するものとする。つまり、第1搬送装置M1が「第1隣接搬送装置」に相当し、第3搬送装置M3が「第2隣接搬送装置」に相当する。
【0042】
まず、図10に示すように、第1搬送装置M1が位置P1から位置P6まで移動する。このとき、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1と干渉することを回避するために、第1移動軌跡L1と干渉しない非干渉位置の1つである位置P7に移動する。この第2搬送装置M2の移動は、「第1回避移動」に相当する。また、このとき、第3搬送装置M3は移動が制限され、第2搬送装置M2と干渉しない範囲である制限範囲Rにおいてのみ移動が可能となる。図10に示す例では、制限範囲Rは、位置P9から位置P8までの範囲に設定されている。
【0043】
次に、図11に示すように、第2搬送装置M2は、第3搬送装置M3と干渉することを回避するために、第3移動軌跡L3と干渉しない非干渉位置の1つである位置P3に移動する。このとき、第1搬送装置M1は、第2搬送装置M2と干渉することを回避するために位置P2に移動する。その後、図12に示すように、第3搬送装置M3が位置P9から位置P4に移動する。
【0044】
以上のように、第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を同時並行的に行う場合において、搬送移動動作中の第1搬送装置M1の移動軌跡L1と干渉する位置であって、且つ、搬送移動動作中の第3搬送装置M3の移動軌跡L3と干渉する位置に第2搬送装置M2がある場合、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1と干渉することを回避する第1回避移動を優先して行い、第3搬送装置M3は、第2搬送装置M2の第1回避移動の実行中は、第2搬送装置M2と干渉しない範囲に移動が制限される。
【0045】
具体的には、まず、上位制御装置30が、第1搬送装置M1の下位制御装置14に、第1搬送装置M1を任意の移動先まで移動させる指令を送信した後、第3搬送装置M3の下位制御装置14に、第3搬送装置M3を任意の移動先まで移動させる指令を送信する。次に、第1搬送装置M1の下位制御装置14が、移動元(現在の第1搬送装置M1の位置)を示す情報と、上位制御装置30から送信された指令に含まれる、第1搬送装置M1の移動先を示す情報とを、第2搬送装置M2の下位制御装置14に送信する。また、第3搬送装置M3の下位制御装置14が、移動元(現在の第3搬送装置M3の位置)を示す情報と、上位制御装置30から送信された指令に含まれる、第3搬送装置M3の移動先を示す情報とを、第2搬送装置M2の下位制御装置14に送信する。そして、第2搬送装置M2の下位制御装置14が、第1搬送装置M1の移動元から移動先までの第1移動軌跡L1と干渉する位置に第2搬送装置M2があり、且つ、第3搬送装置M3の移動元から移動先までの第3移動軌跡L3と干渉する位置に第2搬送装置M2があると判断した場合、第2搬送装置M2は、搬送移動動作中の第1搬送装置M1と干渉しないように移動する。このとき、上位制御装置30は、第3搬送装置M3が第2搬送装置M2と干渉しない範囲である制限範囲Rにおいてのみ移動するように、第3搬送装置M3の移動を制限する。第1搬送装置M1の搬送移動動作の完了後、上位制御装置30は、第3搬送装置M3の移動の制限を解除する。そして、第2搬送装置M2は、搬送移動動作中の第3搬送装置M3と干渉しないように移動する。
【0046】
なお、図9から図12に示す例では、第3搬送装置M3よりも第1搬送装置M1が先に移動を開始する場合について説明しているが、第1搬送装置M1よりも第3搬送装置M3が先に移動を開始する場合も同様であるため、その説明は省略する。
【0047】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、3つの搬送装置10が備えられた構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、4つ以上の搬送装置10が備えられた構成としても良い。その場合、特定異常搬送装置となり得る内側搬送装置は複数存在する。
【0048】
(2)上記の実施形態では、搬送装置10がスタッカクレーンである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、搬送装置10が無人搬送車である構成としても良い。
【0049】
(3)上記の実施形態では、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じた場合、第2搬送装置M2が、上位制御装置30によって制御されず、第1搬送装置M1の下位制御装置14、及び第3搬送装置M3の下位制御装置14によって制御される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じた場合であっても第2搬送装置M2が上位制御装置30によって制御される構成としても良い。或いは、第2搬送装置M2に走行可能な異常が生じた場合に、第2搬送装置M2が、当該第2搬送装置M2の下位制御装置14によって自律的に制御される構成としても良い。いずれにしても、第2搬送装置M2の下位制御装置14は、上位制御装置30や第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3の下位制御装置14と通信し、これらと連携して第2搬送装置M2の制御を行う。
【0050】
(4)上記の実施形態では、第1搬送装置M1の下位制御装置14と、第2搬送装置M2の下位制御装置14とが互いに通信可能であると共に、第2搬送装置M2の下位制御装置14と、第3搬送装置M3の下位制御装置14とが互いに通信可能である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、これらに加えて、第1搬送装置M1の下位制御装置14と第3搬送装置M3の下位制御装置14とも互いに通信可能である構成としても良い。
【0051】
(5)上記の実施形態では、第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1と干渉しない非干渉位置にある場合、第1搬送装置M1が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作中、第2搬送装置M2が当該非干渉位置に停止する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第2搬送装置M2が第1移動軌跡L1と干渉しない非干渉位置にある場合、第1搬送装置M1が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作中、第2搬送装置M2が第1搬送装置M1及び第3搬送装置M3と干渉しない範囲で移動可能な構成としても良い。
【0052】
(6)上記の実施形態では、第1移動軌跡L1と干渉する位置に第2搬送装置M2がある場合、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1の移動先が決定した後、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に対して規定距離D内に近づく前に回避移動を開始する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、第1移動軌跡L1と干渉する位置に第2搬送装置M2がある場合、第2搬送装置M2は、第1搬送装置M1の移動先が決定した後、第1搬送装置M1が第2搬送装置M2に対して規定距離D内に近づいてから回避移動を開始する構成としても良い。
【0053】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0054】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0055】
物品搬送設備は、
有端の移動経路に沿って移動する3つ以上の搬送装置と、
前記移動経路に沿って配列され、それぞれ物品が載置される複数の物品載置部と、を備え、
前記搬送装置は、前記移動経路に沿って走行する走行部と、前記物品を前記物品載置部との間で移載する移載部と、を有し、
前記搬送装置のそれぞれは、前記移動経路内に設定された自らの担当移動範囲内を移動するように制御され、
隣接する2つの前記搬送装置の前記担当移動範囲は、互いに一部重複する重複範囲を有するように設定され、
隣接する2つの前記搬送装置は、前記重複範囲にある前記物品載置部を介して互いに前記物品の受け渡しを行い、
3つ以上の前記搬送装置のうち、前記移動経路に沿う方向における両外側に位置する2つの前記搬送装置のそれぞれを外側搬送装置とし、
2つの前記外側搬送装置の間に位置する1つ以上の前記搬送装置のそれぞれを内側搬送装置とし、
前記走行部が正常であるが前記走行部以外の部分に異常が生じた前記内側搬送装置を特定異常搬送装置とし、
前記特定異常搬送装置に対して前記移動経路に沿う方向における両側に隣接する前記搬送装置のそれぞれを隣接搬送装置とし、
1つの前記内側搬送装置が前記特定異常搬送装置となった場合に、
前記特定異常搬送装置の前記担当移動範囲を無くすと共に、2つの前記隣接搬送装置の前記担当移動範囲が互いに重複する前記重複範囲を有するように、2つの前記隣接搬送装置の少なくとも一方の前記担当移動範囲が再設定され、
前記特定異常搬送装置は、2つの前記隣接搬送装置と干渉することを回避する回避移動を行うように制御される。
【0056】
この構成によれば、1つの内側搬送装置に異常が生じた場合であっても、その異常が走行可能な異常である場合には、当該異常が生じた特定異常搬送装置を停止させることなく、2つの隣接搬送装置の動きに応じてこれらと干渉することを回避する回避移動を行わせる。そのため、特定異常搬送装置の担当移動範囲を無くすと共に、2つの隣接搬送装置の担当移動範囲が互いに重複する重複範囲を有するようにそれぞれの担当移動範囲を再設定することができる。その結果、重複範囲にある物品載置部を介して2つの隣接搬送装置同士で物品の受け渡しを行うことが可能となる。したがって、搬送装置の移動経路に沿う方向における両外側の搬送装置の間に配置された搬送装置に異常が生じた場合であっても、その異常が走行可能な異常である場合には、物品の搬送効率の低下を少なく抑えることができる。
【0057】
ここで、前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合において、前記搬送移動動作中の前記隣接搬送装置の移動軌跡と干渉しない非干渉位置に前記特定異常搬送装置がある場合、当該搬送移動動作中、前記特定異常搬送装置は前記非干渉位置に停止すると好適である。
【0058】
この構成によれば、隣接搬送装置の搬送移動動作中における特定異常搬送装置の移動の頻度を少なく抑えることができる。したがって、物品搬送設備のエネルギ効率の低下を抑制することができる。
【0059】
また、前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を行う場合において、前記搬送移動動作中の前記隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置に前記特定異常搬送装置がある場合、前記特定異常搬送装置は、前記隣接搬送装置の前記移動先が決定した後、前記隣接搬送装置が前記特定異常搬送装置に対して規定距離内に近づく前に、前記回避移動を開始すると好適である。
【0060】
隣接搬送装置が特定異常搬送装置に対して規定距離内に近づいたことを検知してから特定異常搬送装置が回避移動を開始する構成では、隣接搬送装置が、特定異常搬送装置に対する干渉を回避するために、当該隣接搬送装置の移動速度を低下させることが必要となる場合が生じ得る。しかし、上記の構成によれば、特定異常搬送装置が予め回避移動を開始しているため、隣接搬送装置が特定異常搬送装置に接近して減速する必要が生じる可能性を低減でき、隣接搬送装置の移動速度を高くすることが可能となる。したがって、物品の搬送効率を高くすることができる。
【0061】
また、2つの前記隣接搬送装置が移動元から移動先まで移動する搬送移動動作を同時並行的に行う場合において、2つの前記隣接搬送装置のうちの先に移動を開始する方を第1隣接搬送装置、後で移動を開始する方を第2隣接搬送装置として、
前記搬送移動動作中の前記第1隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置であって、且つ、前記搬送移動動作中の前記第2隣接搬送装置の移動軌跡と干渉する位置に、前記特定異常搬送装置がある場合、
前記特定異常搬送装置は、前記第1隣接搬送装置と干渉することを回避する第1回避移動を優先して行い、
前記第2隣接搬送装置は、前記第1回避移動の実行中は、前記特定異常搬送装置と干渉しない範囲に移動が制限されると好適である。
【0062】
この構成によれば、2つの隣接搬送装置の搬送移動動作を同時並行的に行う場合において、先に移動を開始する第1隣接搬送装置の搬送移動動作を第2隣接搬送装置の搬送移動動作よりも優先的に行う。そして、この第1隣接搬送装置の搬送移動動作中、特定異常搬送装置は第1隣接搬送装置との干渉を回避する第1回避移動を行い、第2隣接搬送装置は特定異常搬送装置と干渉しない範囲に移動が制限される。そのため、複数の搬送装置が互いに干渉することなく、第1隣接搬送装置の搬送移動動作を適切に行うことができる。また、この間も、第2隣接搬送装置は、特定異常搬送装置と干渉しない範囲であれば移動先に向かって移動することができる。そして、第1隣接搬送装置の搬送移動動作の完了後は、通常の隣接搬送装置の搬送移動動作と同様に、第2隣接搬送装置の搬送移動動作を行うことができる。以上のように、この構成によれば、2つの隣接搬送装置の搬送移動動作を同時並行的に行う場合であっても、搬送装置同士が干渉することなく適切に隣接搬送装置の搬送移動動作を行うことができる。
【0063】
また、前記重複範囲の位置の設定変更を受け付ける設定変更受付部を更に備えていると好適である。
【0064】
この構成によれば、重複範囲の位置を任意の位置に設定することができる。そのため、2つの隣接搬送装置同士での物品の受け渡しを行うための物品載置部を任意の位置に設定することができる。したがって、物品搬送設備の運用の自由度を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示に係る技術は、有端の移動経路に沿って移動する3つ以上の搬送装置と、移動経路に沿って配列され、それぞれ物品が載置される複数の物品載置部と、を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
100 :物品搬送設備
1 :走行レール(移動経路)
10 :搬送装置
11 :走行部
12 :移載部
W :物品
M1 :第1搬送装置(外側搬送装置、第1隣接搬送装置)
M2 :第2搬送装置(内側搬送装置、特定異常搬送装置)
M3 :第3搬送装置(外側搬送装置、第2隣接搬送装置)
R1 :第1担当移動範囲
R2 :第2担当移動範囲
R3 :第3担当移動範囲
O1 :第1重複範囲
O2 :第2重複範囲
O3 :第3重複範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12