特許第6844586号(P6844586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6844586ゲーム装置及び該ゲーム装置におけるクレジットの移転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844586
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】ゲーム装置及び該ゲーム装置におけるクレジットの移転方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20210308BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   A63F9/00 513
   A63F9/30 502C
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-99508(P2018-99508)
(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公開番号】特開2019-201953(P2019-201953A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年3月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】深沢 光晴
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−042854(JP,A)
【文献】 特開2017−093645(JP,A)
【文献】 特開2015−186530(JP,A)
【文献】 特開2008−220599(JP,A)
【文献】 特開2008−029513(JP,A)
【文献】 特開2016−002150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00− 9/20
A63F 9/26−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上のデータベースに接続されていない環境下にあるゲーム装置であって、
プレイヤーから入金され又はゲームの進行に応じて消費若しくは付与されてゲーム装置の内部で増減する第1のクレジット残高を数える残高計数手段と、
前記第1のクレジット残高を、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された第2のクレジット残高へ移転する残高書き込み手段と、
操作者の操作により他のゲーム装置の残高書き込み手段により外部の記録媒体に記録された、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された前記第2のクレジット残高を前記第1のクレジット残高へ移転する残高読み出し手段と、を備え、
前記残高書き込み手段は、前記第1のクレジット残高の少なくとも一部を前記第2のクレジット残高へ加算する外部クレジット加算手段と、該第2のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第1のクレジット残高から減算する内部クレジット減算手段と、を含み、
前記残高読み出し手段は、前記第2のクレジット残高の少なくとも一部を前記第1のクレジット残高へ加算する内部クレジット加算手段と、該第1のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第2のクレジット残高から減算する外部クレジット減算手段と、
を含み、
ユーザーの操作を入力できる入力手段をさらに備え、
前記入力手段にユーザーの操作が入力されていない状態で前記記録媒体との通信が開始された場合、前記第1のクレジット残高を減算する書き込みモードに設定されていると判定して前記残高書き込み手段を実行し、
前記入力手段にユーザーの操作が入力されている状態で前記記録媒体との通信が開始された場合、前記第1のクレジット残高を加算する読み出しモードに設定されていると判定して前記残高読み出し手段を実行する、ゲーム装置。
【請求項2】
外部のサーバーと通信する通信手段をさらに備え、
前記残高書き込み手段及び前記残高読み出し手段は、前記通信手段を用いずに直接に外部の前記記録媒体と通信することを特徴とする、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置は、複数のプレイヤーが同時にゲームをプレイできるゲーム装置であって、各々のプレイヤーが前記第1のクレジット残高を保有しており、
複数のプレイヤーのうちのいずれのプレイヤーが保有する前記第1のクレジット残高から前記残高書き込み手段を実行するか指定する移転元指定手段と、
複数のプレイヤーのうちのいずれのプレイヤーが保有する前記第1のクレジット残高へ前記残高読み出し手段を実行するか指定する移転先指定手段と、
をさらに備えた請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記記録媒体は、前記ゲーム装置に設けられたリーダライタと通信可能なRFタグである、請求項1から3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記記録媒体は、近距離無線通信が可能な通信ポートを備えており、前記第2のクレジット残高を登録可能なアプリケーションがインストールされたスマートフォンである、請求項1から3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記残高書き込み手段は、前記第1のクレジット残高のすべてを前記第2のクレジット残高へ加算し且つ該第1のクレジット残高をゼロになるまで減算し、
前記残高読み出し手段は、前記第2のクレジット残高のすべてを前記第1のクレジット残高へ加算し且つ該第2のクレジット残高をゼロになるまで減算する
請求項1から5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
通信ネットワーク上のデータベースに接続されていない環境下にあるゲーム装置であって、
プレイヤーから入金され又はゲームの進行に応じて消費若しくは付与されてゲーム装置の内部で増減する第1のクレジット残高を数える残高計数手段と、
前記第1のクレジット残高を、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された第2のクレジット残高へ移転する残高書き込み手段と、
操作者の操作により他のゲーム装置の残高書き込み手段により外部の記録媒体に記録された、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された前記第2のクレジット残高を前記第1のクレジット残高へ移転する残高読み出し手段と、を備え、
前記残高書き込み手段は、前記第1のクレジット残高の少なくとも一部を前記第2のクレジット残高へ加算する外部クレジット加算手段と、該第2のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第1のクレジット残高から減算する内部クレジット減算手段と、を含み、
前記残高読み出し手段は、前記第2のクレジット残高の少なくとも一部を前記第1のクレジット残高へ加算する内部クレジット加算手段と、該第1のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第2のクレジット残高から減算する外部クレジット減算手段と、
を含み、
ユーザーの操作を入力できる入力手段をさらに備え、
前記入力手段にユーザーの操作が入力されている状態で前記記録媒体との通信が開始された場合、前記第1のクレジット残高を減算する書き込みモードに設定されていると判定して前記残高書き込み手段を実行し、
前記入力手段にユーザーの操作が入力されていない状態で前記記録媒体との通信が開始された場合、前記第1のクレジット残高を加算する読み出しモードに設定されていると判定して前記残高読み出し手段を実行する、ゲーム装置。
【請求項8】
通信ネットワーク上のデータベースに接続されていない環境下にあるゲーム装置であって、
プレイヤーから入金され又はゲームの進行に応じて消費若しくは付与されてゲーム装置の内部で増減する第1のクレジット残高を数える残高計数手段と、
前記第1のクレジット残高を、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された第2のクレジット残高へ移転する残高書き込み手段と、
操作者の操作により他のゲーム装置の残高書き込み手段により外部の記録媒体に記録された、操作者が携帯する外部の記録媒体に記録された前記第2のクレジット残高を前記第1のクレジット残高へ移転する残高読み出し手段と、を備え、
前記残高書き込み手段は、前記第1のクレジット残高の少なくとも一部を前記第2のクレジット残高へ加算する外部クレジット加算手段と、該第2のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第1のクレジット残高から減算する内部クレジット減算手段と、を含み、
前記残高読み出し手段は、前記第2のクレジット残高の少なくとも一部を前記第1のクレジット残高へ加算する内部クレジット加算手段と、該第1のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を前記第2のクレジット残高から減算する外部クレジット減算手段と、
を含み、
前記残高書き込み手段は、前記第1のクレジット残高のすべてを前記第2のクレジット残高へ加算し且つ該第1のクレジット残高をゼロになるまで減算し、
前記残高読み出し手段は、前記第2のクレジット残高のすべてを前記第1のクレジット残高へ加算し且つ該第2のクレジット残高をゼロになるまで減算し、
前記記録媒体との通信が開始されたとき、
前記第1のクレジット残高がプラスであり且つ前記第2のクレジット残高がゼロである場合、前記第1のクレジット残高を減算する書き込みモードに設定されていると判定して前記残高書き込み手段を実行し、
前記第1のクレジット残高がゼロであり且つ前記第2のクレジット残高がプラスである場合、前記第1のクレジット残高を加算する読み出しモードに設定されていると判定して前記残高読み出し手段を実行する、ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム装置及び該ゲーム装置におけるクレジットの移転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム等の景品取得ゲーム装置において、クレジットを一度に2クレジット以上投入してゲームをプレイし、狙った景品が取れた後もクレジットの残高が1クレジット以上残ることがある。新たに狙いたい景品が他のゲーム装置にあるとき、アミューズメント施設のオペレータに依頼して、投入済みの残ったクレジットをそちらのゲーム装置に移転してもらうことがある。
【0003】
クレジットを移転する作業の一例は、まず、クレジットの移転元のゲーム装置のメンテナンスドアを鍵で開けて、オペレータが手動でリセットボタンを押してクレジットをゼロにし、次いで、クレジットの移転先のゲーム装置のメンテナンスドアを鍵で開けて、オペレータが手動でクレジットボタンを押してクレジットを加算する。そのようなクレジットの移転作業は手間がかかるため、オペレータの負担が大きい。
【0004】
一方で、プレイヤーが保有しているクレジット残高を通信ネットワーク上のデータベースに記憶させ、このデータベースを介して一方のメダルゲーム装置から他方のメダルゲーム装置へクレジットの残高を移転させる管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の管理装置は、電子マネーで決済されたメダルをインターネット等の通信網に接続されたサーバー装置のデータベース上に保有している。利用者は、ユーザーIDが入った記録媒体をメダルの代わりに持ち歩き、通信網に接続されているすべてのゲーム装置からデータベース上に保有するメダルを参照できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−110320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、ネットワーク接続されていないメダルゲーム装置に関しては、わざわざネットワークに接続せずともクレジット残高を移転することができれば便宜である。オペレータの負担を軽減するためにクレジットの移転を省力化したい反面、データベースに接続する必然性が薄いゲーム装置は、現行の運用を継続したい要望がある。
そこで、本発明は、通信ネットワークに接続されていない環境であってもクレジットを移転できるクレジット移転方法及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るゲーム装置は、プレイヤーから入金され又はゲームの進行に応じて消費若しくは付与されてゲーム装置の内部で増減する第1のクレジット残高を数える残高計数手段と、第1のクレジット残高を外部の記録媒体に記録された第2のクレジット残高へ移転する残高書き込み手段と、第2のクレジット残高を第1のクレジット残高へ移転する残高読み出し手段と、を備え、残高書き込み手段は、第1のクレジット残高の少なくとも一部を第2のクレジット残高へ加算する外部クレジット加算手段と、該第2のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を第1のクレジット残高から減算する内部クレジット減算手段と、を含み、残高読み出し手段は、第2のクレジット残高の少なくとも一部を第1のクレジット残高へ加算する内部クレジット加算手段と、該第1のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を第2のクレジット残高から減算する外部クレジット減算手段と、を含んでいる。
この態様によれば、一方のゲーム装置から他方のゲーム装置へプレイヤーが保有するクレジットを移転できる。クレジットを移転させる作業が簡便になるため、オペレータの負担を軽減できる。携行可能な記録媒体を介してクレジットを移転させるため、複数のゲーム装置をデータベースに接続して一元管理する必要がない。
【0008】
上記態様において、ゲーム装置は、外部のサーバーと通信する通信手段をさらに備えていてもよい。
この態様においても、残高書き込み手段及び残高読み出し手段は、通信手段を用いずに直接に外部の記録媒体と通信することができる。
【0009】
上記態様において、ゲーム装置は、複数のプレイヤーが同時にゲームをプレイできるゲーム装置であって、各々のプレイヤーが第1のクレジット残高を保有しており、複数のプレイヤーのうちのいずれのプレイヤーが保有する第1のクレジット残高から残高書き込み手段を実行するか指定する移転元指定手段と、複数のプレイヤーのうちのいずれのプレイヤーが保有する第1のクレジット残高へ残高読み出し手段を実行するか指定する移転先指定手段と、をさらに備えていてもよい。
この態様によれば、二人以上のプレイヤーがいても、自分のクレジットのみ他のゲーム装置へ移転できる。他のプレイヤーのクレジットが尽きるのを待つ必要がない。
【0010】
上記態様において、記録媒体は、ゲーム装置に設けられたリーダライタと通信可能なRFタグであってもよい。
RFタグに読み書きできる機種が普及しているが、この態様では、筐体に付属するRFタグと同一規格のRFタグを記録媒体として用いる。本発明のゲーム装置として機能するように再設計するとき、現行機種のハードウェア構成を大幅に変更しないため、ゲーム装置を製造しやすい。ハードウェア構成が現行機種から大幅に変わらないため、複数の筐体をデータベースで一元管理する場合と比べ、アミューズメント施設において使い勝手がよい。
【0011】
上記態様において、記録媒体は、近距離無線通信が可能な通信ポートを備えており、第2のクレジット残高を登録可能なアプリケーションがインストールされたスマートフォンであってもよい。
この態様によれば、ユーザーが所有するスマートフォンを記録媒体として使用できる。記録媒体を購入して新たに用意する必要がないため、導入コストを抑えることができる。しかも、アミューズメント施設がユーザーに貸与した記録媒体を持ち去られることがない。ユーザーがアミューズメント施設に記録媒体を返却する手間も省くことができる。
【0012】
上記態様において、残高書き込み手段は、第1のクレジット残高のすべてを第2のクレジット残高へ加算し且つ第1のクレジット残高をゼロになるまで減算し、残高読み出し手段は、第2のクレジット残高のすべてを第1のクレジット残高へ加算し且つ第2のクレジット残高をゼロになるまで減算してもよい。
この態様によれば、計数部や記録媒体に保有されているクレジットの残高のうちのいくつを移転させるかクレジットの数量を指定する必要がない。例えば、ユーザーの操作を入力してクレジットの数量を指定する場合と比べ、操作が減った分だけ移転作業を速やかに実行できる。また、クレジットの残高をゼロかプラスかで二値化できるこの態様は、分岐を簡素化できるため、各種手順の自動化に好適である。
【0013】
上記態様において、ユーザーの操作を入力できる入力手段をさらに備え、入力手段にユーザーの操作が入力されている状態で記録媒体との通信が開始された場合、書き込みモードであると判定して残高書き込み手段を実行し、入力手段にユーザーの操作が入力されていない状態で記録媒体との通信が開始された場合、読み出しモードであると判定して残高読み出し手段を実行してもよい。
この態様によれば、書き込みモードか、読み出しモードか、ユーザーが入力して自由に選択できるようになる。このとき、書き込みモード及び読み出しモードのいずれか一方を選択する場合のみユーザーの操作が必要で、他方は常に選択されているようにすれば、通信ポートに記録媒体をかざすだけで他方のモードを選択できるようになる。ユーザーの操作を簡略化できる。
【0014】
上記態様において、記録媒体との通信が開始されたとき、第1のクレジット残高がプラスであり且つ第2のクレジット残高がゼロである場合、書き込みモードであると判定して残高書き込み手段を実行し、第1のクレジット残高がゼロであり且つ第2のクレジット残高がプラスである場合、読み出しモードであると判定して残高読み出し手段を実行してもよい。
この態様によれば、ゲーム装置や記録媒体に保有されている第1のクレジット残高がゼロかプラスかで書き込みモードか読み出しモードかを自動判定できる。どちらのモードを選択するかユーザーが操作しないため、入力手段が必須の構成ではなくなる。
【0015】
本発明の一態様に係るクレジットの移転方法は、二台以上のゲーム装置の一方から他方へクレジットを移転する方法であって、プレイヤーからから入金され又はゲームの進行に応じて消費若しくは付与されてゲーム装置の内部で増減する第1のクレジット残高を数え、ゲーム装置からクレジットを持ち出す書き込みモードに設定されているとき、第1のクレジット残高の少なくとも一部を外部の記録媒体に記録された第2のクレジット残高へ加算し且つ第2のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を第1のクレジット残高から減算し、ゲーム装置へクレジットを持ち込む読み出しモードに設定されているとき、第2のクレジット残高の少なくとも一部を第1のクレジット残高へ加算し且つ第1のクレジット残高へ加算したクレジットの数量を第2のクレジット残高から減算する。
この態様によれば、一方のゲーム装置から他方のゲーム装置へプレイヤーが保有するクレジットを移転できる。クレジットを移転させる作業が簡便になるため、オペレータの負担を軽減できる。携行可能な記録媒体を介してクレジットを移転させるため、複数のゲーム装置をデータベースに接続して一元管理する必要がない。
【発明の効果】
【0016】
本発明のゲーム装置及びクレジット移転方法によれば、通信ネットワーク上のデータベースに接続されていない環境であってもクレジットを移転できる。クレジットを移転するサービスにおいて、オペレータの負担を軽減できるとともに、プレイヤーの待ち時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の景品取得ゲーム装置の外観を示す斜視図である。
図2図1に示されたゲーム装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態のクレジットの移転方法に含まれる残高書き込み手順の一例を示すフロー図である。
図4】第1実施形態のクレジットの移転方法に含まれる残高読み出し手順の一例を示すフロー図である。
図5】第2実施形態のクレジットの移転方法に含まれるモード判定手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。各実施形態のゲーム装置は、通信ネットワーク上のデータベースではなく、携行可能な記録媒体を介してクレジットを移転させるための構成を含んでいる。記録媒体は特に限定されず、例えば、ゲーム装置に付属するRFタグでもよいし、プレイヤーが所有するスマートフォンでもよい。
【0019】
各実施形態に示すゲーム装置によれば、通信ネットワーク上のデータベースに接続されていない環境であってもクレジットを移転できる。データベースの管理装置や通信ネットワーク環境が必須の構成ではないため、ゲーム装置にクレジットを移転する機能を追加しても、すでにゲーム装置が設置されているアミューズメント施設の一角をこれまで通りに運用できる。クレジットを移転するサービスにおいて、オペレータの負担を軽減できるとともに、プレイヤーの待ち時間を短縮できる。以下、図1から図6を参照して本実施形態のゲーム装置の各構成について詳しく説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態のゲーム装置1の外観を示す斜視図である。図1に示す例では、ゲーム装置1として、天井を走行するクレーン5等によってぬいぐるみ等の景品を吊り上げる景品取得ゲーム装置を示している。なお、ゲーム装置1は、景品を景品取得口7へ向けて運搬する景品取得ゲーム装置に限定されず、メダルを払い出すメダルゲーム装置であってもよいし、ビデオ画面を使用したビデオゲーム等であってもよい。
【0021】
図1に示すように、ゲーム装置1の筐体は、例えば直方体に形成され、基台2と、基台2の上に設けられた景品収容部3と、で構成されている。基台2の天面には、景品が載置されるプレイフィールド4が設けられている。景品収容部3は、例えば、透明なアクリル板から箱状に形成され、プレイフィールド4を囲んでいる。
【0022】
景品収容部3には、プレイヤーに操作されるクレーン5や景品獲得時に点灯するLEDライト6等が配置されている。図1に示す例では、ゲーム装置1が二基のクレーン5を備え、二人のプレイヤーがそれぞれ独立してゲームをプレイできるように構成されている。基台2の正面には、プレイヤーが景品を取り出す景品取得口7と、プレイフィールド4とほぼ同じ高さに配置されたコントロールパネル10と、が配置されている。
【0023】
コントロールパネル10には、例えば、クレーン5を操作するコントローラ11と、コインが投入されるコイン投入口12と、ゲームをプレイできる残り回数等を表示するディスプレイ13と、筐体外部の記録媒体100と通信するコイルアンテナ等が埋設された通信ポート14と、オペレータがロックを解除すると使用できるようになるメンテナンス用のスイッチ15と、が配置されている。
【0024】
スイッチ15は、クレジットを移転するとき、ユーザーの操作をゲーム装置1に入力する入力手段の一例である。ここでいうユーザーとは、アミューズメント施設のオペレータ又はゲームのプレイヤーである。クレジットの移転方法については、図3から図5を参照して後で詳しく説明する。
【0025】
ゲームに使用されるコントローラ11は、例えばボタンやレバー等である。ディスプレイ13は、7セグメントLEDであってもよいし、タッチパネル等であってもよい。クレジットを移転するとき、スイッチ15ではなく、コントローラ11やタッチパネル式のディスプレイ13にユーザーの操作を入力するように構成してもよい。コントローラ11及びディスプレイ13は、入力手段の他の一例である。通信ポート14は、記録媒体100が挿入されるコネクタ等であってもよいし、ディスプレイ13の下側に配置してもよい。
【0026】
基台2の内部には、コイン投入口12に投入されたコインを数える計数部(コインセレクター)16と、通信ポート14に接近又は挿入された外部の記録媒体100と通信可能な通信部17と、メインボード20と、が収容されている。通信部の一例は、RFタグを読み書きできるリーダライタである。メインボード20は、前述したクレーン5、LEDライト6、コントローラ11、ディスプレイ13、スイッチ15、計数部16、通信部17等と電気的に接続されている。
【0027】
図2は、ゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、メインボード20は、制御部21と、記憶部22と、を備えている。記憶部22は、プレイヤーがゲームをプレイできる残り回数である第1のクレジット残高を記憶している。前述したディスプレイ13に表示される数値は、記憶部22に記憶された第1のクレジット残高の一例である。
【0028】
さらに、記憶部22は、各種プログラムやオペレーティングシステムを記憶する機能を有している。記憶部22は、制御部21が処理の途中で各種データを一時的に記憶するワークエリアとしての機能も有する。記憶部22は、例えばROM(RAMでも可)等により実現される。ROMには、ゲームの実行に必要な各種のプログラム及びデータが記憶されている。ROMは、例えば、DRAMに代表される揮発性メモリ、マスクROMに代表される書き換え不能な不揮発性メモリ、及びフラッシュメモリに代表される書き換え可能な不揮発性メモリのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせで構成される。
【0029】
制御部21は、例えば、メインボード20に搭載されたCPU(コンピューター)の機能により実現されうる。CPUは、ROMに格納されたゲームプログラムを記憶部22を構成するメモリ上に展開して実行し、ゲーム装置1を構成するデバイスに各種の機能を実現させることにより、他のハードウェアユニット/コンポーネントと協働して、当該ゲーム装置1上でのゲームを実現する。
【0030】
ゲーム装置1の筐体の外部にある記録媒体100には、第2のクレジット残高が記録されている。記録媒体100が通信ポート14に接近又は挿入されたとき、通信部17は、記録媒体100と接続を確立して、第2のクレジット残高を読み出し及び書き込みできる。
【0031】
通信部17の一例は、RFIDに読み書きするリーダライタであり、記録媒体100の一例は、そのようなリーダライタと通信可能なRFタグである。RFタグは、クレジット移転用に設計された専用品であってもよいし、ゲーム装置1のロックを解除してメンテナンス操作を可能にするオペレータ用のRFタグ(UFOキー)を転用してもよい。
【0032】
或いは、記録媒体100は、ゲーム装置1側の通信ポート14と近距離無線通信が可能な通信ポートを備え、第2のクレジット残高を記録するアプリケーションがインストールされたスマートフォンであってもよい。なお、本明細書における近距離無線通信とは、携帯電話及びスマートフォンの分野で普及している到達距離の短い無線通信であり、NFC規格の電磁誘導方式に限定されず、Bluetooth(登録商標)規格の電波方式やIrDA(商標)規格の赤外線通信方式等も含まれる。
【0033】
制御部21は、残高計数手段23、モード判定手段24、残高書き込み手段25、残高読み出し手段26等の機能を有している。残高書き込み手段25には、外部クレジット加算手段251、内部クレジット減算手段252、移転元指定手段253等の機能が含まれる。残高読み出し手段26には、内部クレジット加算手段261、外部クレジット減算手段262、移転先指定手段263等の機能が含まれる。
【0034】
残高計数手段23として機能するとき、制御部21は、計数部16が数えたコインの額面及び枚数に応じて第1のクレジット残高を加算する。さらに、制御部21は、ゲームの進行に応じてクレジットが消費された場合、第1のクレジット残高を減算し、ゲームの進行に応じてボーナスクレジットが付与された場合、第1のクレジット残高を加算する。
【0035】
モード判定手段24として機能するとき、制御部21は、第1のクレジット残高を減算する書き込みモードにゲーム装置1が設定されている状態か、第1のクレジット残高を加算する読み出しモードにゲーム装置1が設定されている状態か、或いは、どちらでもないか、ゲーム装置1の現時点の設定を判定する。
【0036】
一例として、ユーザーから入力があるまでの待機時はゲーム装置1が読み出しモードに設定されており、スイッチ15等の入力手段にユーザーの操作が入力されると、ゲーム装置1が書き込みモードに設定されるようにゲーム装置1を構成した場合、制御部21は、スイッチ15の入力を監視している。
【0037】
移転元指定手段253として機能するとき、制御部21は、タッチパネル等の入力手段に入力されたユーザーの操作に応じていずれのプレイヤーの第1のクレジット残高を減算するか選択する。同様に、移転先指定手段263として機能するとき、制御部21は、ユーザーの操作に応じていずれのプレイヤーの第1のクレジット残高を加算するか選択する。
【0038】
内部クレジット減算手段252及び内部クレジット加算手段261として機能するとき、制御部21は、ゲーム装置1の内部のメインボード20に実装された記憶部22の第1のクレジット残高を減算又は加算して更新する。
【0039】
外部クレジット加算手段251及び外部クレジット減算手段262として機能するとき、制御部21は、通信ポート14に接近又は挿入されて通信部17との接続が確立された外部の記録媒体100の第2のクレジット残高を加算又は減算して更新する。
【0040】
[第1実施形態]
図3は、第1実施形態のクレジットの移転方法に含まれる残高書き込み手順の一例として手順S11〜S16を示すフロー図である。図4は、第1実施形態のクレジットの移転方法に含まれる残高読み出し手段の一例として手順S21〜S25を示すフロー図である。
【0041】
手順S11〜S16に従って制御部21が機能すると、クレジットが第1のクレジット残高から第2のクレジット残高へ移転される。制御部21は、残高書き込み手段の一例である。一方で、手順S21〜S25に従って残高読み出し手段が機能すると、クレジットが第2のクレジット残高から第1のクレジット残高へ移転される。制御部21は、ゲーム装置1の残高読み出し手段の一例である。
【0042】
図3を参照して手順S11〜S16について説明する。一方のゲーム装置1の記憶部22から記録媒体100へクレジットを移転するには、まず、ゲーム装置1を書き込みモード(転出モード)に設定する。図3に示す例では、ユーザーから入力があるまでの待機時はゲーム装置1が読み出しモード(転入モード)に設定されており、スイッチ15を押下する等のユーザーの操作が入力手段に入力されると、ゲーム装置1が書き込みモードに設定されるように構成されている。
【0043】
そのため、まず、ユーザーがスイッチ15を押下し、ゲーム装置1を書き込みモードに設定する(手順S11)。すると、モード判定手段24として機能する制御部21によってゲーム装置1が書き込みモードの状態にあると判定され、以後の残高書き込み手段25が実行可能な状態になる。
【0044】
なお、図3に示す例とは逆に、ユーザー入力があるまでの待機時はゲーム装置1が書き込みモードに設定されており、ユーザーの操作が入力手段に入力されると、ゲーム装置1が読み出しモードに設定されるように構成してもよい。書き込みモード又は読み出しモードのいずれか一方のみ、ユーザーの操作を要求するように構成すれば、一回分の入力操作を省略して作業を簡略化できるため、速やかにクレジットを移転できる。
【0045】
一方で、図示しないが、ユーザーが入力手段に第1の操作(例えば、タッチパネルのAボタンに触れる)を入力するとゲーム装置1が書き込みモードに設定され、第1の操作とは異なる第2の操作(例えば、タッチパネルのBボタンに触れる)を入力するとゲーム装置1が読み出しモードに設定されるように構成してもよい。
【0046】
書き込みモード及び読み出しモードの両方にユーザーの操作を要求する場合、モードの選択を誤った場合に選択をやり直してすぐに他方に切り替えることができる。誤った操作を取り消すリセットボタンを押す必要がない。或いは、入力が時間経過によって自動的にリセットされるまで待つ必要がない。
【0047】
二人以上のプレイヤーが同時にゲームをプレイできる機種の場合、1P側のプレイヤーか、2P側のプレイヤーか、どちらのプレイヤーの第1のクレジット残高を移転するか選択する選択画面をディスプレイ13に表示し(手順S12)、タッチパネル等の入力手段にユーザーの操作を入力していずれのプレイヤーか選択する(手順S13)。
【0048】
すると、移転元指定手段253として機能する制御部21によって、以下の手順の対象となる第1のクレジット残高が特定される。なお、一人しかゲームをプレイできない機種の場合や、片方のプレイヤーの第1のクレジット残高がゼロの場合、手順S12,S13を省略してもよい。
【0049】
次いで、通信ポート14に記録媒体100を接近又は挿入して、通信部17と記録媒体100との接続を確立する(手順S14)。このとき、制御部21は、第1のクレジット残高を参照して、同数のクレジットを第2のクレジット残高に加算する(手順S15)。同時に、制御部21は、第2のクレジット残高に加算したクレジットを第1のクレジット残高から減算する(手順S16)。
【0050】
つまり、第1のクレジット残高のすべてが第2のクレジット残高へ加算され、第1のクレジット残高がゼロになるまで減算される。手順S14,S15において、制御部21は外部クレジット加算手段251として機能している。手順S16において、制御部21は、内部クレジット減算手段252として機能している。
【0051】
以上説明した手順S11〜S16によって、ゲーム装置1の記憶部22から記録媒体100へクレジットが移転される。なお、残高書き出し手順は、ゲーム装置1の内部に保有されている第1のクレジット残高のうちのどれだけの数量を外部の第2のクレジット残高へ移転させるかユーザーが入力する手順をさらに含んでいてもよい。
【0052】
続いて、図4を参照して手順S21〜S25について説明する。記録媒体100から他方のゲーム装置1の記憶部22へクレジットを移転するには、ゲーム装置1を読み出しモードに設定する。図4に示す例では、ユーザーから入力があるまで読み出しモードに設定されるようにゲーム装置1が構成されている。
【0053】
ユーザーの入力がない状態で通信ポート14に記録媒体100を接近又は挿入し、通信部17と記録媒体100との接続を確立する(手順S21)。すると、モード判定手段24として機能する制御部21は、ゲーム装置1が読み出しモードに設定された状態にあると判定し、以下の残高読み出し手段26を開始する。
【0054】
まず、移転先指定手段263として機能する制御部21が、1P側のプレイヤーか、2P側のプレイヤーか、どちらのプレイヤーの第1のクレジット残高へ移転するか選択させる。制御部21は、前述した手順S12,S13と同様に、いずれのプレイヤーの第1のクレジット残高へ移転するか選択する選択画面をディスプレイ13に表示し(手順S22)、ユーザーの入力(手順S23)に従って対象となる第1のクレジット残高を特定する。もちろん、一人しかゲームをプレイできない機種の場合、手順S22,S23を省略できる。
【0055】
移転先の第1のクレジット残高が選択されると、制御部21は、第2のクレジット残高を参照して、同数のクレジットを当該第1のクレジット残高に加算する(手順S24)。同時に、制御部21は、第1のクレジット残高に加算したクレジットを第2のクレジット残高から減算する(手順S25)。
【0056】
つまり、第2のクレジット残高のすべてが第1のクレジット残高へ加算され、第2のクレジット残高がゼロになるまで減算される。手順S24において、制御部21は内部クレジット加算手段261として機能している。手順S25において、制御部21は、外部クレジット減算手段262として機能している。
【0057】
以上説明した手順S21〜S25によって、記録媒体100からゲーム装置1の記憶部22へクレジットが移転される。二台以上のゲーム装置1で一方のゲーム装置1から他方のゲーム装置1へクレジットを移転させる場合、一方のゲーム装置1において手順S11〜S16を実施し、他方のゲーム装置1において手順S21〜S25を実施すればよい。
【0058】
第1実施形態のクレジットの移転方法によれば、一方のゲーム装置1から他方のゲーム装置1へプレイヤーが保有するクレジットを移転できる。クレジットを移転させる作業が簡便になるため、オペレータの負担を軽減できる。携行可能な記録媒体100を介してクレジットを移転させるため、通信ネットワークに接続されていない環境であってもクレジットを移転できる。
【0059】
アミューズメント施設において、UFOキーと呼ばれるRFタグに読み書きできる機種が普及しているが、この態様では、筐体に付属するRFタグと同一規格のRFタグを記録媒体100として用いる。本発明のゲーム装置1として機能するように筐体を再設計するとき、現行機種のハードウェア構成を大幅に変更しないため、ゲーム装置1を製造しやすい。ハードウェア構成が現行機種から大幅に変わらないため、複数の筐体をデータベースで一元管理する場合と比べ、アミューズメント施設において使い勝手がよい。
【0060】
[第2実施形態]
第2実施形態では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。第2実施形態では、書き出しモード及び読み出しモードのいずれを選択するかユーザーに操作を要求しない。第1のクレジット残高及び第2のクレジット残高を制御部21が参照して自動判定することが特徴の一つである。
【0061】
図5は、第2実施形態のクレジットの移転方法に含まれるモード判定手順S31〜S36の一例を示すフロー図である。第2実施形態では、まず、ゲーム装置1と通信部17との接続を確立する(手順S31)。モード判定手段24として機能する制御部21は、まず、記憶部22に記憶された第1のクレジット残高を参照する(手順S32)。第1のクレジット残高がプラスである場合、さらに、第2のクレジット残高を参照する(手順S33)。
【0062】
手順S32において第1のクレジット残高がプラスであり且つ手順S33において第2のクレジット残高がプラスでない、換言すると第2のクレジット残高がゼロの場合、制御部21は、ゲーム装置1が書き込みモードに設定された状態であると判定する(手順S34)。その場合、制御部21は、図3に示された手順S15以降の残高書き込み手段25を実行する。
【0063】
一方で、制御部21は、手順S32において第1のクレジット残高がプラスでない、換言すると第1のクレジット残高がゼロである場合、さらに、第2のクレジット残高を参照する(手順S35)。手順S32において第1のクレジット残高がゼロであり且つ手順S35において第2のクレジット残高がプラスである場合、制御部21は、ゲーム装置1が読み出しモードに設定された状態であると判定する(手順S36)。その場合、制御部21は、図4に示された手順S24以降の残高読み出し手段26を実行する。
【0064】
なお、第1のクレジット及び第2のクレジットのどちらもゼロである場合、移転できるクレジットが存在しないため、制御部21は手順を終了する。また、第1のクレジット及び第2のクレジットのどちらもプラスである場合、制御部21は、ゲーム装置1が書き込みモード及び読み出しモードのどちらでもない状態にあると判定して手順を終了する。
【0065】
第2実施形態によれば、ゲーム装置や記録媒体に保有されているクレジット残高がゼロであるかプラスであるかで書き込みモードか読み出しモードかを自動判定できる。どちらのモードを選択するかユーザーが操作しないため、入力手段が必須の構成ではなくなる。ユーザーに要求される操作が減った分だけ、オペレータの負担を軽減し、プレイヤーの待ち時間を短縮できる。
【0066】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0067】
例えば、各実施形態に係るゲーム装置1は、通信ネットワークに接続されていなくてもクレジットを移転できることが特徴の一つである。ただし、この特徴は、クレジットの移転とは異なる目的で通信ネットワークに接続されるゲーム装置1に対する本発明の適用を妨げるものではない。つまり、ゲーム装置1は、通信ネットワークに接続されていなくてもよいし、通信ネットワークに接続されていてもよい。
【0068】
例えば、ゲーム装置1が無線通信装置を内蔵し、周囲に設置された同一規格のゲーム装置1と互いに接続可能に構成されていてもよい。そのような場合、ゲーム装置1は、例えば、景品を獲得した時に、アミューズメント施設内の周囲のゲーム装置1のLEDライト6を連動して点灯させて、複数のゲーム装置1が設置されたアミューズメント施設の一角を華やかに演出する機能を有していてもよい。
【0069】
或いは、ゲーム装置1は、周囲にあるゲーム装置1のインカムデータ等の情報を手元のゲーム装置1に集約する機能を有していてもよいし、手元のゲーム装置1で調整したクレーン5のアームの把持力等の設定を周囲のゲーム装置1へ展開する機能を有していてもよい。それらの機能であれば、データベース用の管理装置をゲーム装置1とは別途にわざわざ用意しなくても実装できる。
【0070】
仮に、アミューズメント施設内に管理装置を設置すると、ゲーム装置1を設置するためのスペースが減ってしまう。アミューズメント施設外の管理装置にインターネット回線を介して接続すると、インフラ使用料等が発生する。これに対し、本発明によれば、持ち歩くことができる記録媒体100を利用してクレジットを移転できるようになるため、ゲーム装置1をデータベースに接続するためのコストを省くことができる。
【0071】
なお、本発明のゲーム装置1は、外部のサーバーと通信する通信手段をさらに備えていてもよい。ただし、そのような場合であっても、ゲーム装置1は、残高書き込み手段25及び残高読み出し手段26は、外部のサーバーと通信する通信手段を用いずに直接に外部の記録媒体100と通信することを特徴としている。
【符号の説明】
【0072】
1…ゲーム装置、2…基台、3…景品収容部、4…プレイフィールド、5…クレーン、6…ライト、7…景品を景品取得口、10…コントロールパネル、11…コントローラ(入力手段の一例)、12…コイン投入口、13…ディスプレイ(入力手段の一例)、14…通信ポート、15…スイッチ(入力手段の一例)、16…計数部、17…通信部、20…メインボード、21…制御部、22…記憶部、23…残高計数手段、24…モード判定手段、25…残高書き込み手段、251…外部クレジット加算手段、252…内部クレジット減算手段、26…残高読み出し手段、261…内部クレジット加算手段、262…外部クレジット減算手段、263…移転先指定手段、100…記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5