(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱源ユニット(20)と、利用熱交換器(73)及び利用膨張弁(72)を有する利用ユニット(70)とを備え、前記熱源ユニット(20)と前記利用ユニット(70)とが接続されることで、前記熱源熱交換器(25)を放熱器とし前記利用熱交換器(73)を蒸発器とする冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)が構成される冷凍装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0019】
〈全体構成〉
実施形態1に係る冷凍装置(1)は、冷却対象である空気を冷却する。本例の冷却対象は、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケースなどの庫内の空気である。
【0020】
図1に示すように、冷凍装置(1)は、室外に設置される室外ユニット(20)と、庫内の空気を冷却する冷設ユニット(70)とを備える。冷設ユニット(70)の数量は、2つに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。室外ユニット(20)と2つの冷設ユニット(70)とは液連絡配管(14)及びガス連絡配管(13)を介して互いに接続される。これにより、冷凍装置(1)に冷媒回路(10)が構成される。冷媒回路(10)では、充填された冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0021】
〈室外ユニットの概要〉
室外ユニット(20)は、熱源ユニットである。室外ユニット(20)は、屋外に設置される。室外ユニット(20)は、熱源回路(20a)と室外ファン(F1)とを有する。熱源回路(20a)は、主な構成要素として、圧縮要素(C)である3台の圧縮機(21,22,23)、四方切換弁(24)、室外熱交換器(25)、レシーバ(26)、過冷却熱交換器(27)、及び室外膨張弁(28)を有する。
【0022】
熱源回路(20a)には、ガス閉鎖弁(11)と液閉鎖弁(12)とが設けられる。ガス閉鎖弁(11)には、ガス連絡配管(13)が接続される。液閉鎖弁(12)には、液連絡配管(14)が接続される。
【0023】
〈圧縮要素、及びその周辺構造〉
本例の圧縮要素(C)は、3台の圧縮機(21,22,23)で構成される。熱源回路(20a)では、3台の圧縮機(21,22,23)が並列に接続される。3台の圧縮機(21,22,23)は、第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)で構成される。各圧縮機(21,22,23)は、例えばスクロール圧縮機で構成される。第1圧縮機(21)は、可変容量式である。第1圧縮機(21)には、電源電力がインバータ回路を介し電動機に供給される。第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)は、固定容量式である。
【0024】
第1圧縮機(21)の吐出部には第1吐出管(31)が接続される。第1圧縮機(21)の吸入部には第1吸入管(34)が接続される。第2圧縮機(22)の吐出部には第2吐出管(32)が接続される。第2圧縮機(22)の吸入部には第2吸入管(35)が接続される。第3圧縮機(23)の吐出管(33)には第3吐出管(33)が接続される。第3圧縮機(23)の吸入部には第3吸入管(36)が接続される。
【0025】
第1吐出管(31)、第2吐出管(32)、及び第3吐出管(33)の各流出端は、主吐出管(37)の流入端が接続される。第1吸入管(34)、第2吸入管(35)、及び第3吸入管(36)の各流入端は、主吸入管(38)の流出端が接続される。
【0026】
第1吐出管(31)には、第1逆止弁(CV1)が接続される。第2吐出管(32)には、第2逆止弁(CV2)が接続される。第3吐出管(33)には、第3逆止弁(CV3)が接続される。第1逆止弁(CV1)、第2逆止弁(CV2)、第3逆止弁(CV3)は、各圧縮機(21,22,23)の吐出部から主吐出管(37)への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0027】
主吐出管(37)には、油分離器(39)が設けられる。油分離器(39)は、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒から油を分離する。油分離器(39)には、油戻し管(39a)の流入端が接続される。油戻し管(39a)の流出端は、インジェクション回路(I)に接続される。油戻し管(39a)には、電動弁である油戻し弁(39b)が接続される。油分離器(39)で分離された油は、油戻し管(39a)、インジェクション回路(I)を介して各圧縮機(21,22,23)の圧縮室(中間圧力部)に戻される。
【0028】
〈四方切換弁〉
四方切換弁(24)は、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、第3ポート(P3)、及び第4ポート(P4)を有する。第1ポート(P1)は、主吐出管(37)の流出端に接続する。第2ポート(P2)は、主吸入管(38)の流入端に接続する。第3ポート(P3)は、室外熱交換器(25)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)は、ガス閉鎖弁(11)に繋がる。
【0029】
四方切換弁(24)は、第1状態(
図1の実線で示す状態)と第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(24)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(24)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
【0030】
〈室外熱交換器、及びその周辺構造〉
室外熱交換器(25)は、熱源熱交換器である。室外熱交換器(25)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。室外ファン(F1)は、室外熱交換器(25)の近傍に配置される。室外ファン(F1)は、室外熱交換器(25)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(25)では、室外ファン(F1)により搬送される室外空気と冷媒とが熱交換する。
【0031】
〈レシーバ、過冷却熱交換器、及びその周辺構造〉
レシーバ(26)は、冷媒を貯留する。レシーバ(26)は、縦長の密閉容器である。
【0032】
過冷却熱交換器(27)は、第1流路(27a)と第2流路(27b)とを有する。過冷却熱交換器(27)は、第1流路(27a)を流れる冷媒と、第2流路(27b)を流れる冷媒とを熱交換させる。
【0033】
室外熱交換器(25)の液端部とレシーバ(26)の頂部との間には、第1管(41)が接続される。第1管(41)には、第4逆止弁(CV4)が接続される。第4逆止弁(CV4)は、室外熱交換器(25)側からレシーバ(26)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0034】
レシーバ(26)の底部と過冷却熱交換器(27)の第1流路(27a)の一端との間には、第2管(42)が接続される。第1流路(27a)の他端と液閉鎖弁(12)との間には、第3管(43)が接続される。第3管(43)は、液管の一部を構成する。第3管(43)には、第5逆止弁(CV5)が接続される。第5逆止弁(CV5)は、第1流路(27a)の他端側から液閉鎖弁(12)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0035】
第3管(43)には、第1流路(27a)の他端と第5逆止弁(CV5)との間に室外膨張弁(28)が接続される。室外膨張弁(28)は、熱源膨張弁である。室外膨張弁(28)は、冷媒を減圧する減圧機構である。室外膨張弁(28)は、電子膨張弁で構成される。
【0036】
第3管(43)には、第4管(44)が接続される。第4管(44)の一端は、第3管(43)における第5逆止弁(CV5)と液閉鎖弁(12)との間に接続される。第4管(44)の他端は、第1管(41)における第4逆止弁(CV4)とレシーバ(26)との間に接続される。第4管(44)には、第6逆止弁(CV6)が接続される。第6逆止弁(CV6)は、第3管(43)側から第1管(41)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0037】
第3管(43)には、第5管(45)が接続される。第5管(45)の一端は、第3管(43)における室外膨張弁(28)と第5逆止弁(CV5)との間に接続される。第5管(45)の他端は、第1管(41)における第4逆止弁(CV4)と室外熱交換器(25)との間に接続される。第5管(45)には、第7逆止弁(CV7)が接続される。第7逆止弁(CV7)は、第3管(43)側から第1管(41)側への冷媒の流れを許容し、その逆の冷媒の流れを禁止する。
【0038】
〈インジェクション回路〉
熱源回路(20a)は、インジェクション回路(I)を含む。インジェクション回路(I)は、中間圧の冷媒を圧縮要素(C)の中間圧力部へ導入する。インジェクション回路(I)は、1つの分岐管(51)と、1つの中継管(52)と、3つのインジェクション管(53,54,55)とを含む。
【0039】
分岐管(51)の流入端は、第3管(43)における第1流路(27a)と室外膨張弁(28)との間に接続される。分岐管(51)の流出端は、第2流路(27b)の流入端に接続される。分岐管(51)には、インジェクション弁(59)が接続される。インジェクション弁(59)は、電子膨張弁で構成される。
【0040】
中継管(52)の流入端は、第2流路(27b)の流出端に接続される。中継管(52)には、油戻し管(39a)の流出端が接続される。中継管(52)の流出部には、第1インジェクション管(53)と、第2インジェクション管(54)と、第3インジェクション管(55)の各流入端が接続される。
【0041】
第1インジェクション管(53)の流出端は、第1圧縮機(21)の圧縮室に連通する。第2インジェクション管(54)の流出端は、第2圧縮機(22)の圧縮室に連通する。第3インジェクション管(55)の流出端は、第3圧縮機(23)の圧縮室に連通する。
【0042】
第1インジェクション管(53)には、第1電動弁(56)が接続される。第2インジェクション管(54)には、第2電動弁(57)が接続される。第3インジェクション管(55)には、第3電動弁(58)が接続される。各電動弁(56,57,58)は、流量調節弁である。各電動弁(56,57,58)は、対応するインジェクション管(53,54,55)の冷媒の流量を調節する。
【0043】
〈熱源ユニットのセンサ〉
熱源ユニット(20)には、熱源回路(20a)の冷媒の物理量を検知する複数のセンサが設けられる。複数のセンサは、第1吐出温度センサ(61)、第2吐出温度センサ(62)、第3吐出温度センサ(63)、高圧圧力センサ(64)、吸込温度センサ(65)、低圧圧力センサ(67)、液側圧力センサ(68)、及び中間圧力センサ(69)を少なくとも有する。
【0044】
第1吐出温度センサ(61)は、第1吐出管(31)の冷媒の温度(Td1)を検知する。第2吐出温度センサ(62)は、第2吐出管(32)の冷媒の温度(Td2)を検知する。第3吐出温度センサ(63)は、第3吐出管(33)の冷媒の温度(Td3)を検知する。高圧圧力センサ(64)は、圧縮要素(C)の吐出圧力(冷媒回路(10)の高圧圧力(HP))を検知する。吸込温度センサ(65)は、圧縮要素(C)の吸入冷媒の温度を検出する。低圧圧力センサ(67)は、圧縮要素(C)の吸入圧力(冷媒回路(10)の低圧圧力(LP))を検知する。液側圧力センサ(68)は、第3管(43)の液冷媒の圧力(液圧(Ps))を検知する。中間圧力センサ(69)は、インジェクション回路(I)の中継管(52)の冷媒の圧力(MP)を検知する。
【0045】
低圧圧力センサ(67)及び吸入温度センサ(66)は、圧縮要素(C)の吸入過熱度(SSH)を検出するための吸入過熱度検知部を構成する。具体的には、コントローラ(80)は、低圧圧力センサ(67)で検出した低圧圧力(LP)に相当する飽和温度と、吸入温度センサ(66)の検出温度との差により、吸入過熱度(SSH)を求める。
【0046】
高圧圧力センサ(64)及び3つの吐出温度センサ(61,62,63)は、圧縮要素(C)の吐出過熱度(DSH)を検出するための吐出過熱度検知部を構成する。具体的には、コントローラ(80)は、高圧圧力センサ(64)で検出した高圧圧力(HP)に相当する飽和温度と、各吐出温度センサ(61,62,63)の検出温度(例えばこれらの平均温度)との差により、吐出過熱度(DSH)を求める。
【0047】
〈冷設ユニット〉
冷設ユニット(70)は、利用ユニットである。各冷設ユニット(70)は、利用回路(70a)と庫内ファン(F2)とをそれぞれ有する。
【0048】
利用回路(70a)は、液連絡配管(14)及びガス連絡配管(13)に並列に接続される。各利用回路(70a)は、その液端部からガス端部に向かって順に、開閉弁(71)、庫内膨張弁(72)、及び庫内熱交換器(73)をそれぞれ有する。
【0049】
開閉弁(71)は、利用回路(70a)を開閉する電磁開閉弁である。開閉弁(71)は、通常の運転時には開放される。
【0050】
庫内膨張弁(72)は、利用膨張弁である。庫内膨張弁(72)は、感温自動膨張弁である。庫内膨張弁(72)は、蒸発器となる利用熱交換器(73)を流出する冷媒の過熱度に応じて、開度が調節される。この過熱度は、圧縮要素(C)に吸入される冷媒の吸入過熱度(SSH)に相当する。
【0051】
より詳細には、
図1に示すように、庫内膨張弁(72)は、膨張弁本体(72a)と、感温筒(72b)と、キャピラリーチューブ(72c)とを有する。膨張弁本体(72a)は、利用回路(70a)の開閉弁(71)と庫内熱交換器(73)との間に接続される。感温筒(72b)は、利用熱交換器(73)のガス端部の配管に接触するように配置される。膨張弁本体(72a)と感温筒(72b)とはキャピラリーチューブ(72c)を介して接続される。蒸発器となる庫内熱交換器(73)を流出した冷媒の過熱度が変化すると、感温筒(72b)及びキャピラリーチューブ(72c)の内部に封入された作動流体の圧力が変化する。この内圧変化に応じて膨張弁本体(72a)のダイヤフラムが変位し、ひいては庫内膨張弁(72)の開度が調節される。
【0052】
庫内熱交換器(73)は、利用熱交換器である。庫内熱交換器(73)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。庫内ファン(F2)は、庫内熱交換器(73)の近傍に配置される。庫内ファン(F2)は、庫内熱交換器(73)を通過する庫内空気を搬送する。庫内熱交換器(73)では、庫内ファン(F2)が搬送する庫内空気と冷媒とが熱交換する。
【0053】
〈コントローラ〉
室外ユニット(20)は、コントローラ(80)を備える。コントローラ(80)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを含む。
【0054】
コントローラ(80)は、運転指令、及び各センサの検出信号に基づいて、室外ユニット(21,22,23)の各機器を制御する。コントローラ(80)は、冷設運転、デフロスト運転、油戻し運転を切り換えるように、各機器を制御する。冷設運転は、冷設ユニット(70)により庫内の空気を冷却する運転である。デフロスト運転は、庫内熱交換器(73)の表面に付いた霜を融かす運転である。油戻し運転は、庫内熱交換器(73)に溜まった油(冷凍機油)を圧縮機(21,22,23)に回収する運転である。
【0055】
油戻し運転において、コントローラ(80)は、第1動作、第2動作、及び第3動作を実行するように室外ユニット(20)を制御する。第1動作は、室外膨張弁(28)の開度を減少させる動作である。第2動作は、室外膨張弁(28)の開度を増大させる動作である。第3動作は、室外膨張弁(28)の開度を第1動作の開始直前に開度に戻す動作である。
【0056】
コントローラ(80)は、第1動作中において、第2動作を実行させる判定を行う。この判定は、第1条件(詳細は後述する)に基づいて行われる。コントローラ(80)は、第2動作中において第3動作を実行させる判定を行う。この判定は、第2条件(詳細は後述する)に基づいて行われる。
【0057】
−運転動作−
実施形態に係る冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
【0058】
〈冷設運転〉
冷設運転では、各圧縮機(21,22,23)、室外ファン(F1)、及び庫内ファン(F2)が運転される。四方切換弁(24)が第1状態に設定され、室外膨張弁(28)が全開状態になる。開閉弁(71)が開放される。各庫内膨張弁(72)の開度が適宜調節される。具体的には、各庫内膨張弁(72)の開度は、庫内熱交換器(73)を流出した冷媒の過熱度を所定値に維持するように調節される。インジェクション弁(59)、第1電動弁(56)、第2電動弁(57)、及び第3電動弁(58)の開度が適宜調節される。
【0059】
冷設運転では、室外熱交換器(25)を放熱器ないし凝縮器とし、庫内熱交換器(73)を蒸発器とする第1冷凍サイクルが行われる。
【0060】
図2に示すように、冷設運転では、各圧縮機(21,22,23)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(25)を流れる。室外熱交換器(25)では、冷媒が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(25)で放熱した冷媒は、第1管(41)、レシーバ(26)、第2管(42)を通過し、過冷却熱交換器(27)の第1流路(27a)を流れる。
【0061】
インジェクション弁(59)が開放されると、第3管(43)の冷媒の一部が分岐管(51)を流れる。分岐管(51)の冷媒は、インジェクション弁(59)で減圧された後、過冷却熱交換器(27)の第2流路(27b)を流れる。過冷却熱交換器(27)では、第2流路(27b)の冷媒と、第1流路(27a)の冷媒とが熱交換する。第2流路(27b)の冷媒は、第1流路(27a)の冷媒から吸熱して蒸発する。これにより、第1流路(27a)の冷媒が冷却され、この冷媒の過冷却度が大きくなる。
【0062】
第2流路(27b)を流れた冷媒は、中継管(52)を経由して、各インジェクション管(53,54,55)から各圧縮機(21,22,23)の圧縮室へ導入される。
【0063】
第1流路(27a)で冷却された冷媒は、第3管(43)、液連絡配管(14)を流れ、各冷設ユニット(70)へ送られる。
【0064】
各冷設ユニット(70)では、冷媒が庫内膨張弁(72)で減圧された後、庫内熱交換器(73)を流れる。庫内熱交換器(73)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。これにより、庫内空気が冷却される。
【0065】
各利用熱交換器(73)で蒸発した冷媒は、ガス連絡配管(13)を流れ、室外ユニット(20)へ送られる。この冷媒は、主吸入管(38)を流れ、各圧縮機(21,22,23)にそれぞれ吸入される。
【0066】
〈デフロスト運転〉
デフロスト運転では、各圧縮機(21,22,23)、室外ファン(F1)、及び庫内ファン(F2)が運転される。四方切換弁(24)が第2状態に設定され、庫内膨張弁(72)が全開状態となる。開閉弁(71)が開放される。室外膨張弁(28)の開度が調節される。なお、
図3に示すように、デフロスト運転では、冷設運転と同様、インジェクション回路(I)に冷媒を流してもよい。インジェクション弁(59)を全閉とし、インジェクション回路(I)に冷媒を流さなくてもよい。
【0067】
デフロスト運転では、庫内熱交換器(73)を放熱器ないし凝縮器とし、室外熱交換器(25)を蒸発器とする第2冷凍サイクルが行われる。
【0068】
図3に示すように、デフロスト運転では、各圧縮機(21,22,23)で圧縮された冷媒が、
ガス連絡配管(13)を通過し、各冷設ユニット(70)に送られる。各冷設ユニット(70)では、冷媒が庫内熱交換器(73)を流れる。庫内熱交換器(73)では、冷媒によって、その表面の霜が融かされる。各庫内熱交換器(73)で放熱した冷媒は、液連絡配管(14)を流れ、室外ユニット(20)へ送られる。
【0069】
室外ユニット(20)の冷媒は、第4管(44)、レシーバ(26)、第2管(42)、過冷却熱交換器(27)の第1流路(27a)、第3管(43)を順に流れる。第3管(43)に流出した冷媒は、室外膨張弁(28)で減圧された後、第5管(45)、室外熱交換器(25)を順に流れる。室外熱交換器(25)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(25)で蒸発した冷媒は、主吸入管(38)を流れ、各圧縮機(21,22,23)に吸入される。
【0070】
〈油回収運転〉
次いで、油回収運転について詳細に説明する。油戻し運転は、上述冷設運転中に所定の条件が成立すると実行される。油戻し運転では、各圧縮機(21,22,23)、室外ファン(F1)、及び庫内ファン(F2)が運転される。四方切換弁(24)が第1状態に設定される。開閉弁(71)が開放される。各庫内膨張弁(72)の開度が適宜調節される。具体的には、各庫内膨張弁(72)の開度は、庫内熱交換器(73)を流出した冷媒の過熱度を所定値に維持するように調節される。インジェクション弁(59)、第1電動弁(56)、第2電動弁(57)、及び第3電動弁(58)の開度が適宜調節される。
【0071】
なお、以下に説明する油回収運転は、全ての庫内熱交換器(73)の油を同時に回収する例である。
【0072】
図4に示すように、油回収運転を実行させる指令がコントローラ(80)に入力されると、ステップST1において、コントローラ(80)の記憶部が室外膨張弁(28)の現在の開度(pls1)を記憶する。この現在の開度(Pls1)は、例えば室外膨張弁(28)の最大開度である。次いで、ステップST2において、第1動作が実行される。
【0073】
第1動作では、室外膨張弁(28)の開度が徐々に小さくなる。具体的には、第1動作では、所定時間ΔT1毎に室外膨張弁(28)の開度が段階的に小さくなる。ここで、ΔT1が経過した後の次の室外膨張弁(28)の開度(パルス)をEV1とし、現在の室外膨張弁(28)の開度(パルス)をEV1’とする。第1動作では、ΔT1毎にEV1=α×EV1’となるように室外膨張弁(28)の開度を小さくしていく。ここで、ΔT1は例えば15秒に設定される。αは0.75に設定される。言い換えると、第1動作では、室外膨張弁(28)の開度(パルス)が15秒毎に25%ずつ小さくなっていく。第1動作は、ステップST3の第1条件が成立するまで継続して行われる。
【0074】
第1動作において、室外膨張弁(28)の開度が小さくなると、室外膨張弁(28)で冷媒が減圧される。このため、利用熱交換器(73)を流れる冷媒の流量及び圧力が小さくなる。この結果、各庫内熱交換器(73)を流出する冷媒の過熱度が大きくなり、各庫内膨張弁(72)の開度が大きくなっていく。
【0075】
ステップST3では、第1動作中において、第2動作を実行させる第1条件が成立するか否かの判定が行われる。第1条件は、次のa)〜e)の条件を含む。本例では、a)からe)のうちのいずれか1つの条件が成立すると、ステップST4〜ステップS6へ移行し、第2動作が実行される。
【0076】
a)液側圧力センサ(68)で検出した液圧(Ps)と、低圧圧力センサ(67)で検出した低圧圧力(LP)との差ΔP(=Ps-LP)が所定値より小さい。ここで、この所定値は、例えば数百KPaに設定される。
【0077】
b)吸入過熱度(SSH)が所定値(第1値)よりも大きい。ここで、第1値は、例えば数十℃に設定される。
【0078】
c)低圧圧力(LP)が所定値より小さい。ここで、この所定値は、数十KPaに設定される。
【0079】
d)高圧圧力(HP)が所定値より大きい。ここで、この所定値は、数百MPaに設定される。
【0080】
e)第1動作が実行されてから所定時間t1が経過した。ここで、t1は、例えば数分に設定される。
【0081】
上記a)は、第1動作により、庫内膨張弁(72)の開度が十分に大きくなったことを判定する条件である。室外膨張弁(28)の下流側の冷媒の液圧(Ps)は、庫内膨張弁(72)の流入側の圧力に相当する。低圧圧力(LP)は、庫内膨張弁(72)の流出側の圧力に相当する。よって、ΔPは庫内膨張弁(72)によって冷媒を減圧した圧力に相当する。したがって、ΔPが所定値より小さいことを条件とすることで、庫内膨張弁(72)の開度が大きいことを精度よく判定できる。
【0082】
加えて、a)の条件は、冷媒の圧力のみを判定の指標としている。冷媒の圧力は冷媒の温度と比較して応答性が高い。このため、a)を第1条件とすることで、庫内膨張弁(72)の開度が大きいことを速やかに判定できる。
【0083】
上記b)は、第1動作により庫内膨張弁(72)の開度が十分に大きくなったことを判定する条件である。上述したように、第1動作により各庫内熱交換器(73)を流出する冷媒の過熱度が大きくなると、各庫内膨張弁(72)の開度が大きくなっていく。それにも拘わらず、吸入過熱度(SSH)が第1値よりも大きい場合、庫内膨張弁(72)の開度が十分に大きい、あるいは全開状態になっていると推定できる。したがって、吸入過熱度(SSH)が第1値よりも大きいことを条件とすることで、庫内膨張弁(72)の開度が大きいことを精度よく判定できる。
【0084】
上記c)は、冷凍装置(1)の保護の観点から設定された条件である。第1動作を実行し、室外膨張弁(28)の開度を小さくしていくと、低圧圧力(LP)が過剰に低くなる可能性がある。そこで、第1動作において、低圧圧力(LP)が所定値よりも低くなると、ステップST4〜ST6へ移行し、第2動作を実行させる。これにより、室外膨張弁(28)の開度が増大し、低圧圧力(LP)の低下を抑制できる。
【0085】
上記d)は、冷凍装置(1)の保護の観点から設定された条件である。第1動作を実行し、室外膨張弁(28)の開度を小さくしていくと、高圧圧力(HP)が過剰に高くなる可能性がある。そこで、第1動作において、高圧圧力(HP)が所定値よりも高くなると、ステップST4〜ST6へ移行し、第2動作を実行させる。
【0086】
上記e)は、第1動作により、庫内膨張弁(72)の開度が十分に大きくなったことを判定する条件である。第1動作では、時間の経過に伴い庫内膨張弁(72)の開度が大きくなる。このため、所定時間t1が経過するd)を第1条件とすることで、庫内膨張弁(72)の開度が大きいことを判定できる。この所定時間t1は、上記a)やb)の条件が先に成立する程度に、十分長めに設定される。e)の条件は、例えばセンサの故障や誤検知があった場合に、a)〜d)の条件が成立しない場合にも、第2動作へ移行させるための保護的な条件ともいえる。
【0087】
ステップST3において、上記a)〜e)のいずれかの条件が成立すると、ステップST4に移行し、所定時間t2が経過すると、ステップST5に移行する。t2は数秒程度である。なお、ステップS4を省略し、ステップST3からステップST5へ移行するようにしてもよい。
ステップST5では、コントローラ(80)の記憶部に、液側圧力センサ(68)で検出した液圧(Ps1)が記憶される。次いでステップST6に移行し、第2動作が実行される。
【0088】
第2動作では、室外膨張弁(28)の開度が徐々に大きくなる。具体的には、第2動作では、所定時間ΔT2毎に室外膨張弁(28)の開度が段階的に大きくなる。ここで、ΔT2が経過した後の次の室外膨張弁(28)の開度(パルス)をEV2とし、現在の室外膨張弁(28)の開度(パルス)をEV2’とする。第2動作では、ΔT2毎にEV2=β×EV2’となるように室外膨張弁(28)の開度を大きくしていく。ここで、ΔT2は例えば10秒に設定される。βは1.5に設定される。言い換えると、第2動作では、室外膨張弁(28)の開度(パルス)が10秒毎に50%ずつ大きくなっていく。第2動作は、ステップST7の第2条件が成立するまで継続して行われる。
【0089】
このように、本実施形態では、第2動作時に室外膨張弁(28)の開度を増大させる速度が、第1動作時に室外膨張弁(28)の開度を減少させる速度よりも早い。
【0090】
第2動作において、室外膨張弁(28)の開度が大きくなると、庫内熱交換器(73)を流れる冷媒の流量及び圧力が大きくなる。ここで、第2動作は、ステップST3において、上記c)及びd)の条件が成立した場合を除き、庫内膨張弁(72)の開度が大きくなった条件が成立してから実行される。このため、庫内熱交換器(73)を流れる冷媒の流量を十分に確保できる。庫内熱交換器(73)に溜まった油は、液冷媒、又は気液二相冷媒に相溶した後、圧縮機(21,22,23)に吸い込まれる。これにより、庫内熱交換器(73)に溜まった油を速やかに回収できる。
【0091】
上述したように、第2動作時に室外膨張弁(28)の開度を増大させる速度は、第1動作時に室外膨張弁(28)の開度を減少させる速度よりも早い。このため、庫内膨張弁(72)の開度が大きい状況化において、冷媒を速やかに庫内熱交換器(73)に送ることができ、庫内熱交換器(73)の油を速やかに圧縮機(21,22,23)に回収できる。
【0092】
第2動作は、次のステップST7において第2条件が成立するまで継続して実行される。
【0093】
ステップST7では、第2動作中において、第3動作を実行させる第2条件が成立するか否かの判定が行われる。第2条件は、次のf)〜i)の条件を含む。本例では、f)からi)のうちのいずれか1つの条件が成立すると、ステップST8、ST9へ移行し、第3動作が実行される。
【0094】
f)現在の液圧(Ps)が、所定値よりも大きい。厳密には、現在の液圧(Ps)が、ステップST5で記憶した第2動作の開始直前の液圧(Ps1)×Aよりも大きい。ここで、係数Aは例えば2.0に設定される。
【0095】
g)吸入過熱度(SSH)が第2値より小さい。厳密には、吸入過熱度(SSH)が第2値より小さい状態が、所定時間t3連続する。ここで、第2値は例えば数℃〜10℃程度、t3は数十秒程度に設定される。
【0096】
h)吐出過熱度(DSH)が所定値より小さい。厳密には、吐出過熱度(DSH)が所定値より小さい状態が、所定時間t4連続する。ここで、この所定値は例えば数十度程度、t4は数十秒程度に設定される。
【0097】
i)第2動作が実行されてからt5が経過した。ここで、t5は、数分程度に設定される。t5は、上記e)の条件のt1よりも短い。
【0098】
上記f)は、第2動作により、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを判定する条件である。室外膨張弁(28)の下流側の圧力(液圧(Ps))が所定値より大きいことは、室外膨張弁(28)の開度が大きいことを示す。厳密には、液圧(Ps)が第2動作の開始直前の液圧(Ps1)×A(A=2.0)より大きいことは、第2動作により、室外膨張弁(28)の開度が十分に大きくなったことを示す。よって、f)の条件が成立する場合、十分な液冷媒が庫内熱交換器(73)に送られ、ひいては庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたと推定できる。したがって、液圧(Ps)が所定値(液圧(Ps1)×A)より大きいことを条件とすることで、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを精度よく判定できる。
【0099】
加えて、f)の条件は、冷媒の圧力のみを指標としている。冷媒の圧力は冷媒の温度と比較して応答性が高い。このため、f)を第2条件とすることで、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを速やかに判定できる。
【0100】
上記g)は、第2動作により、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを判定する条件である。吸入過熱度(SSH)が所定値より小さいことは、庫内熱交換器(73)に十分な液冷媒が送られていることを示す。吸入過熱度(SSH)が所定値より小さいことがt3連続することで、庫内熱交換器(73)に液冷媒が連続して送られ、ひいては冷媒とともに油が圧縮機(21,22,23)に回収されたと推定できる。したがって、吸入過熱度(SSH)が所定値より小さいこと、厳密にはこの状態がt3時間連続することを条件とすることで、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを精度よく判定できる。
【0101】
上記h)は、冷凍装置(1)の保護の観点から設定された条件である。第2動作を実行し、室外膨張弁(28)の開度を大きくしていくと、圧縮機(21,22,23)に湿り状態の冷媒が吸入される可能性がある。この場合、圧縮機(21,22,23)内の油が希釈され、摺動部の潤滑不良を招く可能性がある。そこで、吐出過熱度(DSH)が所定値より小さいこと、厳密にはこの状態がt4時間連続することを条件とすることで、第2動作を終了させる。これにより、圧縮機(21,22,23)を保護できる。
【0102】
上記i)は、第2動作により、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを判定する条件である。第2動作では、時間の経過に伴い室外膨張弁(28)の開度が大きくなる。このため、所定時間t5が経過するi)を第2条件とすることで、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを判定できる。この所定時間t5は、上記f)やg)の条件が先に成立する程度に、十分長めに設定される。l)の条件は、例えばセンサの故障や誤検知があった場合に、f)やg)の条件が成立しない場合にも、第2動作を終了させるための保護的な条件ともいえる。
【0103】
ステップST7において、上記f)〜i)のいずれかの条件が成立すると、ステップST8に移行し、第2動作を保持するか否かのさらなる判定が行われる。ステップST8では、j)〜l)のいずれかの条件が成立すると、ステップST9へ移行する。ここで、j)は、高圧圧力(HP)が所定値より大きい条件である。この所定値は、数MPaに設定される。k)は、最大吐出温度(TdMAX)が所定値より小さい条件である。最大吐出温度(TdMAX)は、各吐出温度センサ(61,62,63)で検出した吐出冷媒の温度(Td1,Td2,Td3)のうち最大値である。この所定値は、例えば100℃前後の値に設定される。i)は、ステップST8へ移行してからさらに所定時間t6が経過した条件である。t6は数分程度に設定される。なお、ステップST7の第2条件が成立すると、ST8の判定を省略し、ステップST9へ移行してもよい。
【0104】
ステップST9に移行すると、第3動作が実行される。第3動作では、室外膨張弁(28)の開度が第1動作の開始直前の開度(Psl1)に戻る。この開度(Psl1)は、ステップST1で記憶された開度である。本例では、この開度(Psl1)は、室外膨張弁(28)の最大開度である。次いで油回収運転が終了し、上述した冷設運転が行われる。
【0105】
−実施形態の効果−
上記実施形態は、圧縮要素(C)、液管(43)(第3管)、該液管(43)に接続される熱源膨張弁(28)(室外膨張弁)、及び熱源熱交換器(25)(室外熱交換器)を有し、利用熱交換器(73)(庫内熱交換器)及び利用膨張弁(72)(庫内膨張弁)を有する利用ユニット(70)(冷設ユニット)に接続されることで、前記熱源熱交換器(25)を放熱器とし前記利用熱交換器(73)を蒸発器とする冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)が構成される熱源ユニットであって、前記冷凍サイクル中に前記利用熱交換器(73)の油を回収する油回収運転を実行するように前記熱源ユニット(20)を制御する制御器(80)(コントローラ)をさらに備え、前記油回収運転は、前記熱源膨張弁(28)の開度を小さくする第1動作と、該第1動作の後、該熱源膨張弁(28)の開度を大きくする第2動作とを含み、前記制御器(80)は、前記第1動作中に第1条件が成立すると前記第2動作を実行するように構成され、前記第1条件は、前記液管(43)における前記熱源膨張弁(28)の下流側の冷媒の圧力と、前記圧縮要素(C)の吸入冷媒の圧力との差ΔPが所定値より小さい条件を少なくとも含んでいる。
【0106】
本形態では、液圧(Ps)と低圧圧力(Ps)との差ΔPが所定値より小さいことを第1条件とするため、庫内膨張弁(72)の開度が大きくなっていることを精度よく判定できる。
【0107】
加えて、この条件は、圧力のみを指標とするため、温度を指標とする場合と比較して応答性も高い。したがって、庫内膨張弁(72)の開度が大きくなっていることを速やかに判定できる。
【0108】
加えて、ΔPは、熱源ユニット(20)の低圧圧力センサ(67)と液側圧力センサ(68)を用いて求めることできる。よって、冷設ユニット(70)の仕様に拘わらず、第1条件が成立したことを判定できる。冷設ユニット(70)を交換しても、同様の判定ができる。
【0109】
上記実施形態は、前記第1条件は、吸入過熱度(SSH)が第1値より大きい条件を含んでいる。
【0110】
本形態では、吸入過熱度(SSH)が第1値より大きいことを第1条件とするため、庫内膨張弁(72)の開度が大きくなっていることを精度よく判定できる。
【0111】
加えて、吸入過熱度(SSH)は、熱源ユニット(20)の吸入温度センサ(66)と低圧圧力センサ(67)とを用いて求めることができる。よって、冷設ユニット(70)の仕様に拘わらず、第1条件が成立したことを判定できる。冷設ユニット(70)を交換しても、同様の判定ができる。
【0112】
上記実施形態は、前記制御器(80)が、前記第2動作中に第2条件が成立すると、前記熱源膨張弁(28)の開度を前記第1動作の開始直前の開度とする第3動作を実行させるように構成され、前記第2条件は、吸入過熱度(SSH)が第2値より小さくなる条件を含む。
【0113】
本形態では、吸入過熱度(SSH)が第2値より小さいことを第2条件とするため、庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを精度よく判定できる。
【0114】
加えて、吸入過熱度(SSH)は、熱源ユニット(20)の吸入温度センサ(66)と低圧圧力センサ(67)とを用いて求めることができる。よって、冷設ユニット(70)の仕様に拘わらず、第1条件が成立したことを判定できる。冷設ユニット(70)を交換しても、同様の判定ができる。
【0115】
上記実施形態は、前記制御器(80)は、前記第2動作中に第2条件が成立すると、前記熱源膨張弁(28)の開度を前記第1動作の開始直前の開度とする第3動作を実行させるように構成され、前記第2条件は、前記液管(43)における前記熱源膨張弁(28)の下流側の冷媒の圧力が、所定値より高くなる条件を含む。
【0116】
本形態では、第3管(43)における室外膨張弁(28)の下流側の液圧(Ps)が所定値より高いことを第2条件とするため、室外膨張弁(28)の開度が十分に大きいことを判定でき、ひいては庫内熱交換器(73)の油が圧縮機(21,22,23)に回収されたことを精度よく判定できる。
【0117】
加えて、この条件は、圧力のみを指標とするため、温度を指標とする場合と比較して応答性も高い。したがって、圧縮機(21,22,23)に油が回収されたことを速やかに判定できる。
【0118】
加えて、圧力(Ps)は、熱源ユニット(20)の低圧圧力センサ(67)と液側圧力センサ(68)を用いて求めることできる。よって、冷設ユニット(70)の仕様に拘わらず、第1条件が成立したことを判定できる。冷設ユニット(70)を交換しても、同様の判定ができる。
【0119】
特に上記実施形態では、現在の液圧(Ps)と、第2動作の開始直前の液圧(Ps1)とを比較するため、第2動作により室外膨張弁(28)の開度が十分に大きくなったことをより確実に判定できる。
【0120】
上記実施形態は、前記第2動作時に前記熱源膨張弁(28)の開度を大きくする速度が、前記第1動作時に前記熱源膨張弁(28)の開度を小さくする速度よりも早い。
【0121】
本形態では、第2動作において、庫内膨張弁(72)の開度が大きい状況化において、室外膨張弁(28)の開度を速やかに大きくするため、庫内熱交換器(73)の油を圧縮機(21,22,23)に速やかに回収できる。
【0122】
加えて、第1動作では、室外膨張弁(28)の開度を徐々に小さくする。このため、室外膨張弁(28)の開度が過剰に小さくなることに起因して、高圧圧力(HP)が過剰に高くなったり、低圧圧力(LP)が過剰に低くなったりすることを回避できる。
【0123】
《その他の実施形態》
第1条件は、少なくとも上記a)の条件を含んでいればよく、上記b)の条件を含んでいるのが好ましい。第2条件は、上記f)の条件、あるいは上記g)の条件を含んでいるのが好ましい。
【0124】
上記実施形態の冷凍装置(1)は、庫内の空気を冷却する冷凍装置である。しかし、冷凍装置(1)は、室内空気を空調する空気調和装置であってもよいし、庫内の空気の冷却と、室内空気の空調とを同時に行う冷凍装置であってもよい
。
【0125】
利用熱交換器(73)は、空気と冷媒と熱交換する空気熱交換器である。しかし、利用熱交換器(73)は、冷媒と所定の熱媒体(例えば水)とを熱交換する熱交換器であってもよい。
【0126】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。