(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池パックは、前記第1規制部と係合する係合部材と、外部から操作されることによって前記第1規制部と前記係合部材との係合を解除可能な電池側操作部と、を備えた係止部を、さらに有し、
前記第1規制部と前記係合部材とが係合することによって、前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置に向かう移動が規制され、
前記第2規制部は、外部から操作可能な工具側操作部を有し、
前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池側操作部が操作されることにより前記第1規制部による前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、前記工具側操作部が操作されることにより前記第2規制部が前記第2状態に変化することで、前記電池パックを前記第3位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の電動工具。
前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池側操作部が操作されることにより前記第1規制部による前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、前記工具側操作部が操作されることにより前記第2規制部が前記第2状態に変化した場合にのみ前記電池パックを前記第3位置に移動させることが可能であることを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
前記ハウジングには、前記所定方向に直交する方向において、前記第1壁部と前記第2壁部との間に前記電池の残量を表示するための残量表示部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の電動工具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のハンマドリルでは、バッテリパックの脱落を防止するための保持バンドを本体及びバッテリパックとは別に設けるため、部品点数の増加によりコストアップに繋がってしまう可能性があった。また、保持バンドを固定するために作業者が自ら保持バンドの自由端をハウジングに係止する作業を行わなければならず面倒であった。
【0007】
そこで本発明は、電動工具本体からのバッテリパックの脱落を容易に防止することが可能な電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、前記モータに電気的に接続された工具側端子部と、を有する本体と、前記モータの駆動電源となる電池と、前記電池と電気的に接続された電池側端子部と、を有する電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックと係合可能であり、前記電池パックと係合した状態で電池パックの第1位置を経由する第2位置と第3位置との間の前記本体に対する相対移動をガイドするガイド部と、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池パックの前記ガイド部にガイドされた前記第2位置から前記第3位置に向かう移動を規制する第1規制部と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を規制するとともに前記第1位置から前記第2位置への移動を許容する第1状態と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を許容する第2状態と、の間で変化可能な第2規制部と、を有し、前記電池パックは、前記ガイド部にガイドされながら前記電池パックを前記本体から離脱させる方向に移動させることによって前記電池パックと前記ガイド部との係合が解除可能に構成されていることを特徴とする電動工具を提供している。
【0009】
上記構成の電動工具では、第1規制部による第2位置から第3位置へ向かう方向の移動に対する規制が解除された場合においても、第2規制部により第1位置から第3位置へ向かう方向の移動の規制がされるため、電動工具本体からの電池パックの脱落を容易に抑制することが可能となる。また、当該第2規制部を電動工具本体に設けるため、部品点数の増加によるコストアップを抑制することが可能となる。
【0010】
上記構成において、前記相対移動の過程において、前記電池パックが前記第3位置から前記第2位置に向かう場合において、前記第2規制部が前記第1状態になった後に、前記第1規制部によって前記第2位置から前記第3位置に向かう移動が規制されることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、電動工具本体からの電池パックの脱落を容易に抑制することが可能となる。
【0012】
また、前記電池パックは、前記第1規制部と係合する係合部材と、外部から操作されることによって前記第1規制部と前記係合部材との係合を解除可能な電池側操作部と、を備えた係止部を、さらに有し、前記第1規制部と前記係合部材とが係合することによって、前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置に向かう移動が規制され、前記第2規制部は、外部から操作可能な工具側操作部を有し、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池側操作部が操作されることにより前記第1規制部による前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、前記工具側操作部が操作されることにより前記第2規制部が前記第2状態に変化することで、前記電池パックを前記第3位置に移動させることが可能であることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、電池側操作部が操作されることにより第1規制部による電池パックの第2位置から第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、工具側操作部が操作されることにより第2規制部が第2状態に変化し、電池パックを第3位置に移動させることが可能に構成されているため、意図せずに、電池パックが電動工具本体から脱落してしまうことを抑制することが可能となる。
【0014】
また、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池側操作部が操作されることにより前記第1規制部による前記電池パックの前記第2位置から前記第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、前記工具側操作部が操作されることにより前記第2規制部が前記第2状態に変化した場合にのみ前記電池パックを前記第3位置に移動させることが可能であることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、電池側操作部が操作されることにより第1規制部による電池パックの第2位置から第3位置へ向かう移動に対する規制が解除され、且つ、工具側操作部が操作されることにより第2規制部が第2状態に変化した場合にのみ電池パックを第3位置に移動させることが可能に構成されているため、意図せずに、電池パックが電動工具本体から脱落してしまうことを抑制することが可能となる。
【0016】
また、前記本体には、弾性体が設けられ、前記弾性体が圧縮された状態で前記第1規制部と前記係合部材とが係合していることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、弾性体が圧縮された状態で第1規制部材と係合部材とが係合するため、弾性体の弾性力により好適に電動工具本体と電池パックとの相対的な移動が抑制された状態で電池パックを電動工具本体に装着することが可能となる。
【0018】
また、前記本体は、作業者が把持するハンドル部を、さらに有し、前記第2規制部は、前記ハンドル部に設けられていることが好ましい。
【0019】
このような構成によれば、第2規制部を本体及び電池パックとは別に設ける場合に比較して、部品点数の増加によるコストアップを抑制することが可能となる。
【0020】
前記電池パックは、ハウジングを、さらに有し、前記電池側操作部は、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記ガイド部に関して前記弾性体とは反対側に位置し、前記工具側操作部は、電池パックが前記第2位置に位置する場合において前記電池側操作部に隣接する前記ハンドル部の端部に設けられていることが好ましい。
【0021】
このような構成によれば、工具側操作部が電池パックの後部側に設けられ、また、電池パックが第2位置に位置する場合において電池側操作部が工具側操作部に隣接するように位置している。つまり、電池側操作部及び工具側操作部は、電池パックの後部側にまとめて配置されているため、作業者の電池側操作部及び工具側操作部に対する操作性が向上する。
【0022】
また、前記ハウジングは、所定方向に延び、前記ハウジングは、前記所定方向に直交する方向において、前記電池に関して互いに反対側に位置する第1壁部と、第2壁部と、を有し、前記電池側操作部は、第1電池側操作部と、第2電池側操作部と、を有し、前記第1電池側操作部は前記第1壁部に設けられ、前記第2電池側操作部は前記第2壁部に設けられていることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、作業者の電池側操作部に対する操作性が向上する。
【0024】
また、前記工具側操作部は、前記所定方向に直交する方向において、前記第1壁部と前記第2壁部との間に設けられていることが好ましい。
【0025】
このような構成によれば、例えば、親指と中指とで電池側操作部を操作しつつ、人差し指で工具側操作部を操作することが可能となるため、作業者の電池側操作部及び工具側操作部に対する操作性が向上する。
【0026】
また、前記ハウジングには、前記所定方向に直交する方向において、前記第1壁部と前記第2壁部との間に前記電池の残量を表示するための残量表示部が設けられていることが好ましい。
【0027】
このような構成によれば、作業者が目視により電池パックの交換時期を容易に把握することが可能となる。
【0028】
前記第2規制部には、前記ハウジングと当接する当接部が設けられ、前記電池パックと前記当接部が当接することによって前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動が規制されることが好ましい。
【0029】
このような構成によれば、電動工具本体からの電池パックの脱落を容易に抑制することが可能となる。
【0030】
また、前記電池パックは、前記ガイド部と係合する被ガイド部を有し、前記電池パックを前記ガイド部と前記被ガイド部とが係合した状態でガイド部に対して被ガイド部を摺動させることで、前記電池側操作部及び前記工具側操作部のいずれも操作することなく前記第2位置へ移動させることが可能であることが可能であることが好ましい。
【0031】
このような構成によれば、電池パックを電動工具本体に容易に装着することが可能であり、また、電動工具本体からの電池パックの脱落を容易に抑制することが可能となる。
【0032】
また、前記第2位置においては、前記電池側端子部と前記工具側端子部とは、接触し、前記第1位置においては、前記電池側端子部と前記工具側端子部とは、離間していることが好ましい。
【0033】
このような構成によれば、振動により端子が損傷してしまうことを抑制することが可能となる。
【0034】
また、前記モータは、回転軸を有し、前記駆動部は、先端工具を着脱可能に構成され、前記回転軸の回転運動を伝達し前記先端工具を所定方向に延びる軸線を中心に回転方向に回転させることが可能、かつ、前記回転軸の回転運動を往復動に変換し前記先端工具を前記所定方向に往復動させることが可能な動力伝達部をさらに有することが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、回転軸の回転運動を伝達し先端工具を所定方向に延びる軸線を中心に回転方向に回転させることが可能、かつ、回転軸の回転運動を往復動に変換し先端工具を所定方向に往復動させることが可能な動力伝達部を有するハンマドリル等の電動工具において電動工具本体からの電池パックの脱落を容易に抑制することが可能となる。
本発明はさらに、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、前記モータに電気的に接続された工具側端子部と、を有する本体と、前記モータの駆動電源となる電池と、前記電池と電気的に接続された電池側端子部と、を有する電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックと係合可能であり、前記電池パックと係合した状態で電池パックの第1位置を経由する第2位置と第3位置との間の前記本体に対する相対移動をガイドするガイド部と、
前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池パックの前記ガイド部にガイドされた前記第2位置から前記第3位置に向かう移動を規制する第1規制部と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう前記ガイド部にガイドされた移動を規制するとともに前記第1位置から前記第2位置へ向かう前記ガイド部にガイドされた移動を許容する第1状態と、前記電池パックの前記ガイド部にガイドされた前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を許容する第2状態と、の間で変化可能な第2規制部と、を有し、前記電池側端子部は、前記第2位置において前記工具側端子部と接触し、前記第1位置において前記工具側端子部と離間し、前記第3位置において前記工具側端子部と前記第1位置よりも離間し、前記電池パックは、前記ガイド部にガイドされながら前記電池パックを前記本体から離脱させる方向に移動させることによって前記電池パックと前記ガイド部との係合が解除可能に構成されていることを特徴とする電動工具を提供する。
本発明はさらに、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、前記モータに電気的に接続された工具側端子部と、を有する本体と、前記モータの駆動電源となる電池と、前記電池と電気的に接続された電池側端子部と、を有する電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックと係合可能であり、前記電池パックと係合した状態で電池パックの第1位置を経由する第2位置と第3位置との間の前記本体に対する相対移動をガイドするガイド部と、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池パックの前記ガイド部にガイドされた前記第2位置から前記第3位置に向かう移動を規制する第1規制部と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を規制するとともに前記第1位置から前記第2位置への移動を許容する第1状態と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を許容する第2状態と、の間で変化可能な第2規制部と、を有し、前記電池側端子部は、前記第2位置において前記工具側端子部と接触し、前記第1位置において前記工具側端子部と離間し、前記第3位置において前記第1位置よりも前記工具側端子部と離間し、前記電池パックは、前記ガイド部にガイドされながら前記電池パックを前記本体から離脱させる方向に移動させることによって前記電池パックと前記ガイド部との係合が解除可能に構成され、前記相対移動の過程において、前記電池パックが前記第3位置から前記第2位置に向かう場合において、前記第2規制部が前記第1状態になった後に、前記第1規制部によって前記第2位置から前記第3位置に向かう移動が規制されることを特徴とする電動工具を提供する。
本発明はさらに、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、前記モータに電気的に接続された工具側端子部と、を有する本体と、前記モータの駆動電源となる電池と、前記電池と電気的に接続された電池側端子部と、を有する電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックと係合可能であり、前記電池パックと係合した状態で電池パックの第1位置を経由する第2位置と第3位置との間の前記本体に対する相対移動をガイドするガイド部と、前記電池パックが前記第2位置に位置する場合において、前記電池パックの前記ガイド部にガイドされた前記第2位置から前記第3位置に向かう移動を規制する第1規制部と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を規制するとともに前記第1位置から前記第2位置への移動を許容する第1状態と、前記電池パックの前記第1位置から前記第3位置に向かう移動を許容する第2状態と、の間で変化可能な第2規制部と、を有し、前記電池側端子部は、前記第2位置において前記工具側端子部と接触し、前記第1位置において前記工具側端子部と離間し、前記第3位置において前記第1位置よりも前記工具側端子部と離間し、前記電池パックは、前記ガイド部にガイドされながら前記電池パックを前記本体から離脱させる方向に移動させることによって前記電池パックと前記ガイド部との係合が解除可能に構成され、前記電池パックは、前記第1規制部と係合する係合部材及び外部から操作されることによって前記第1規制部と前記係合部材との係合を解除可能な電池側操作部を備えた係止部と、前記ガイド部と係合する被ガイド部を有し、前記第2規制部は、外部から操作されることにより前記第2規制部を前記第1状態から前記第2状態に変化させる工具側操作部を有し、前記電池パックを前記ガイド部と前記被ガイド部とが係合した状態でガイド部に対して被ガイド部を摺動させることで、前記電池側操作部及び前記工具側操作部のいずれも操作することなく前記第2位置へ移動させることが可能であることを特徴とする電動工具を提供する。
本発明はさらに、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、を有する本体と、前記本体に装着される電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックが離脱しないように規制する第1規制部及び第2規制部を有し、前記電池パックは、第1の付勢部材の付勢力に抗して外部から操作されることによって前記第1規制部の規制が解除される電池側操作部を有し、前記本体は、第2の付勢部材の付勢力に抗して外部から操作されることによって前記第2規制部の規制が解除される工具側操作部を有し、前記本体は、前記電池側操作部が操作され、且つ、前記工具側操作部が操作されている場合にのみ前記電池パックとの係合が解除されることを特徴とする電動工具を提供する。
本発明はさらに、モータと、前記モータによって駆動される駆動部と、を有する本体と、前記本体に装着される電池パックと、を備えた電動工具であって、前記本体は、前記電池パックが離脱しないように規制する第1規制部及び第2規制部を有し、前記電池パックは、外部から操作されることによって前記第1規制部の規制が解除される電池側操作部を有し、前記本体は、上下方向に延びる形状を有し作業者が把持するハンドル部と、前記ハンドル部に設けられ外部から操作されることによって前記第2規制部の規制が解除される工具側操作部を有し、前記ハンドル部は、作業者によって操作されて前記モータの始動及び停止を制御可能なモータ操作部を有し、下端部に前記電池パックが取り付けられ、前記工具側操作部は、前記上下方向において前記モータ操作部よりも下側に位置するように、前記電池側操作部に隣接する前記ハンドル部の前記下端部に設けられ、前記電池側操作部は、前記ハンドル部の前記下端部に隣接して設けられ、前記工具側操作部及び前記電池側操作部は、前記第1規制部及び前記第2規制部のいずれもが前記電池パックの前記本体からの離脱を規制した状態において、いずれも視認可能かつ同時に規制を解除可能であることを特徴とする電動工具を提供する。
【発明の効果】
【0036】
本発明の電動工具によれば、電動工具本体からのバッテリパックの脱落を容易に抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施の形態による電動工具の一例であるハンマドリル1について、
図1乃至
図5を参照しながら説明する。ハンマドリル1は、被加工材(例えば、コンクリート、鉄鋼、木材等)に穿孔穴を形成したり、打撃力を加えることによって破砕したりするための電動式の電動工具である。
【0039】
以下の説明においては、
図1に示されている「上」を上方向、「下」を下方向、「前」を前方向、「後」を後方向と定義する。また、ハンマドリル1を後から見た場合の「右」を右方向、「左」を左方向と定義する。本明細書において寸法、数値等について言及した場合には、当該寸法及び数値等と完全に一致する寸法及び数値だけでなく、略一致する寸法及び数値等(例えば、製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。「同一」、「直交」、「平行」、「一致」、「面一」等についても同様に「略同一」、「略直交」、「略平行」、「略一致」、「略面一」等を含むものとする。
【0040】
図1に示されているように、ハンマドリル1は、ハンマドリル本体10と、バッテリパック8とを有している。また、ハンマドリル本体10は、ハウジング2と、モータ3と、インバータ回路基板部4と、制御部5と、動力伝達部6と、出力部7とを主に有している。ハンマドリル本体10は、本発明における「本体」の一例である。
【0041】
図1に示されているように、ハウジング2は、モータハウジング21、ギヤハウジング22、バックカバー23及びハンドルハウジング24を有し、
図2に示されているように、係合部25、規制部26、バッテリ接続端子部27及び弾性体28を主に有している。
【0042】
図1及び
図2に示されているように、モータハウジング21は、上下方向に延びる略円筒形状をなしており、モータ3及びインバータ回路基板部4を収容している。
【0043】
モータ3は、DCブラシレスモータであり、回転軸31、ロータ32、ステータ33及びファン34を有している。モータ3は、本発明における「モータ」の一例である。
【0044】
回転軸31は、上下方向に延び、ハウジング2に回転可能に支承されている。回転軸31の上端部には、回転軸31と一体に回転するピニオン31Aが固定されている。回転軸31は、本発明における「回転軸」の一例である。
【0045】
ロータ32は、図示せぬ永久磁石を有する回転子であり、回転軸31と一体回転可能に回転軸31に設けられている。
【0046】
ステータ33は、図示せぬステータ巻線を有する固定子である。ステータ33は、モータハウジング21の内周面に固定されている。
【0047】
ファン34は、ピニオン31Aの下方において、回転軸31と一体回転可能に回転軸31に固定されている。
【0048】
インバータ回路基板部4は、モータ3のステータ33の上方に設けられている。インバータ回路基板部4は、基板40を有している。基板40は、インシュレータを介してステータ33に固定されている。基板40には、バッテリパック8の電力をモータ3に供給するとともにモータ3の回転を制御するためのインバータ回路(図示せず)、ロータ32の回転位置を検知するための磁気センサ(図示せず)等が実装されている。
【0049】
図1及び
図2に示されているように、ギヤハウジング22は、金属製であり、モータハウジング21の上部に接続され、前後方向に延びている。ギヤハウジング22は、その内部に、動力伝達部6と、出力部7の一部とを収容している。また、ギヤハウジング22には、作業者が把持するサイドハンドル2Aが取付けられている。
【0050】
動力伝達部6は、動力変換機構61と、回転力伝達機構62とを有しており、モータ3の回転軸31の回転を往復動に変換し出力部7に伝達可能、且つ、モータ3の回転軸31の回転を出力部7に伝達可能に構成されている。動力伝達部6は、本発明における「動力伝達部」の一例である。
【0051】
出力部7は、ギヤハウジング22内において、回転力伝達機構62の上方に配置されている。出力部7は、打撃子71と、シリンダ72と、先端工具Pを着脱可能な工具保持部73とを有している。出力部7は、本発明における「駆動部」の一例である。先端工具Pは、本発明における「先端工具」の一例である。
【0052】
打撃子71は、動力変換機構61により往復動可能に構成されている。打撃子71の前端は、工具保持部73に装着される先端工具Pの後端に当接可能に構成され、打撃子71が前後方向に往復動することに伴い、先端工具Pは前後方向に往復動可能である。
【0053】
シリンダ72は、回転力伝達機構62を介してモータ3の回転力を受けることによって前後方向に延びる軸線Aを中心に回転可能に構成されている。また、シリンダ72が回転することによって工具保持部73が回転し、工具保持部73に装着された先端工具Pが軸線Aを中心に回転可能に構成されている。軸線Aは、本発明における「軸線」の一例である。先端工具Pは、本発明における「先端工具」の一例である。
【0054】
図1及び
図2に示されているように、バックカバー23は、上下方向に延び、モータハウジング21及びギヤハウジング22の後部を覆うように配置されている。バックカバー23には、被挿通部23A及び接続部23Bが設けられている。
【0055】
被挿通部23Aは、バックカバー23の下方において後方に突出している。被挿通部23Aには、左右方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0056】
接続部23Bは、バックカバー23の上端部において、前後方向に延びている。
【0057】
また、バックカバー23内には、制御部5が固定されている。制御部5は、平板状の基板(図示せず)を有しており、当該基板にハンマドリル1を制御する各種回路等が実装されている。制御部5は、インバータ回路基板部4と電気的に接続されている。
【0058】
図1及び
図2に示されているように、ハンドルハウジング24は、側面視略コ字状をなしており、バックカバー23の後方に位置している。ハンドルハウジング24は、ハウジング2の左右方向の中央を通り且つ左右方向に直交する分割面(仮想面)で分割された分割ハウジングとして構成されており、それぞれの分割された右側部分と左側部分とは、分割面に関して略対称に構成されている。ハンドルハウジング24は、把持部24B、第1接続部24C、第2接続部24D及び延出部24Fを有している。
【0059】
把持部24Bは、作業時に作業者によって把持される部分であり、上下方向に延びている。把持部24Bの前部上部には、モータ3の始動及び停止を制御するための手動操作可能なトリガ24Aが設けられている。把持部24Bの下部には、把持部24Bの内面から前方に突出する突起24H及び左右方向に延びるシャフト24Gが設けられている。また、把持部24Bの下部には、開口24a及び開口24bが形成されている。把持部24Bは、本発明における「ハンドル部」の一例である。
【0060】
第1接続部24Cは、把持部24Bの下端部から前方に延出している。第1接続部24Cの前部の内部には、左右方向に延びるシャフト24Eが設けられている。シャフト24Eは、被挿通部23Aの貫通孔に挿通されている。ハンドルハウジング24は、シャフト24Eを支点として回動可能に構成されている。
【0061】
第2接続部24Dは、把持部24Bの上端部から前方に延出している。第2接続部24Dには、振動低減機構2Bが設けられ、第2接続部24Dは、振動低減機構2Bを介してバックカバー23の接続部23Bと接続されている。振動低減機構2Bは、図示せぬ弾性体を含んで構成されている。出力部7に軸線A方向の振動が発生した場合においても、ハンドルハウジング24がシャフト24Eを中心に回動し、振動低減機構2Bの図示せぬ弾性体が伸縮されることにより軸線A方向の振動が吸収され、把持部24Bを把持する作業者に軸線A方向の振動が伝わることが低減される。
【0062】
延出部24Fは、第1接続部24Cの前端部から下方に延出するように設けられている。
【0063】
図2に示されているように、係合部25は、ハンドルハウジング24の第1接続部24Cの下部に設けられ、前後方向に延びている。
図3に示されているように、係合部25は、ガイドレール25Aと、係止突起25Bと、基部25Cとを有している。なお、係合部25は、ハンドルハウジング24の分割面に関して略対称に設けられている。当該分割面とは、上述の通り、ハンドルハウジング24を左側部分と右側部分とに分割する面である。
【0064】
基部25Cは、第1接続部24Cの下端部から下方に延びるとともに前後方向に延びる平板状をなしている。
【0065】
ガイドレール25Aは、基部25Cから左右方向内側に突出し、前後方向に延びている。ガイドレール25Aは、本発明における「ガイド部」の一例である。
【0066】
係止突起25Bは、ガイドレール25Aの後端部に設けられ、ガイドレール25Aから左右方向内側に突出している。係止突起25Bは、本発明における「第1規制部」の一例である。
【0067】
図2に示されているように、バッテリ接続端子部27は、第1接続部24Cの下部に設けられている。バッテリ接続端子部27は、前後方向及び左右方向において、ガイドレール25Aと重なる位置に位置している。バッテリ接続端子部27は、モータ3及び制御部5等と電気的に接続されている。バッテリ接続端子部27は、複数の端子を有している。バッテリ接続端子部27は、本発明における「工具側端子部」の一例である。
【0068】
図1及び
図2に示されているように、弾性体28は、樹脂製の弾性体であり、ハンドルハウジング24の延出部24Fの上下方向における略中央部に設けられている。弾性体28は、延出部24Fの後面から後方に突出している。弾性体28は、本発明における「弾性体」の一例である。
【0069】
図2に示されているように、規制部26は、バッテリパック8のハンマドリル本体10からの脱落を抑制するように構成され、把持部24Bの下端部に設けられている。これにより、規制部26をハンマドリル本体10及びバッテリパック8とは別に設ける場合と比較して、部品点数の増加によるコストアップを抑制することが可能となる。規制部26は、回動部261と、スプリング262とを有している。
【0070】
回動部261は、操作突起261Aと、規制突起261Bと、回動本体部261Cとを有している。回動部261は、本発明における「第2規制部」の一例である。
【0071】
回動本体部261Cは、スプリング262に付勢された状態で上下方向に延びている。図には表れていないが、回動本体部261Cの上部には、左右方向に貫通する貫通孔が形成され、当該貫通孔にハンドルハウジング24の把持部24Bの下端部に設けられたシャフト24Gが挿通されることによって、回動部261はシャフト24Gを支点として回動可能に構成されている。
【0072】
操作突起261Aは、回動本体部261Cの上部において、回動本体部261Cと一体に設けられている。操作突起261Aは、ハンドルハウジング24の開口24aを介して把持部24Bの外部に露出している。操作突起261Aは、本発明における「工具側操作部」の一例である。
【0073】
規制突起261Bは、回動本体部261Cの下部において、回動本体部261Cと一体に設けられている。規制突起261Bは、ハンドルハウジング24の開口24bを介して把持部24Bの外部に露出している。また、回動部261がシャフト24Gを支点として回動する場合において、規制突起261Bは、開口24bの前部を形成する面の僅かに内側を通過するように構成されている(
図4(a)参照)。
【0074】
スプリング262は、トーションバネであり、シャフト24Gに外装されている。スプリング262は、一端部262Aと、他端部262Bとを有している。
【0075】
一端部262Aは、スプリング262の巻回方向における一端部に設けられ、把持部24Bの突起24Hに係止されている。他端部262Bは、スプリング262の巻回方向における他端部に設けられ、回動本体部261Cの下部の前面に係止されている。
図1及び
図2に示されているように、回動部261は、一端部262Aが突起24Hに係止され、他端部262Bが回動本体部261Cの下部の前面に係止されることによって、ハンマドリル1の側面視における時計回り方向に付勢されている。
【0076】
次に、本実施の形態にかかるバッテリパック8の構成について
図1を参照しながら説明する。なお、バッテリパック8は、ハンマドリル本体10に着脱可能に装着され、以下においては特に言及しない限り、バッテリパック8がハンマドリル本体10に装着された状態を基準に説明を行う。バッテリパック8は、本発明における「電池パック」の一例である。
【0077】
図1に示されているように、バッテリパック8は、その外郭をなすバッテリパックハウジング81と、被ガイド部82と、係止部材83とを主に有している。バッテリパック8は、上述のハンドルハウジング24の分割面(仮想面)に関して略対称に構成されている。
【0078】
バッテリパックハウジング81は、前後方向に延びる略直方体をなしており、図示せぬ二次電池が収容されている。また、図には表れていないが、バッテリパックハウジング81の前部上部には、当該二次電池と電気的に接続され複数の端子を有するバッテリ側端子部が設けられている。本実施の形態においては、バッテリパック8がハンマドリル本体10に装着されることでバッテリ側端子部の端子とバッテリ接続端子部の端子とが接触し、これにより、モータ3、制御部5等に電力供給可能に構成されている。バッテリパックハウジング81の上部の後面は、規制突起261Bの前面と前後方向において対向している。また、バッテリパックハウジング81の上部の後面は、ハンドルハウジング24の開口24bの前部を形成する面と略面一となるように構成されている。また、バッテリパックハウジング81は、左右方向において電池に関して互いに反対側に位置する右側面と左側面(不図示)とを有している。バッテリ側端子部は、本発明における「電池側端子部」の一例である。前後方向は、本発明における「所定方向」の一例である。バッテリパックハウジング81の右側面及び左側面は、それぞれ、本発明における「第1壁部」及び「第2壁部」の一例である。
【0079】
被ガイド部82は、バッテリパック8の前部上部に設けられている。被ガイド部82は、壁部82Aと、リブ部82Bとを有している。被ガイド部82は、本発明における「被ガイド部」の一例である。
【0080】
壁部82Aは、前後方向に延びている。壁部82Aの後部には、左右方向に貫通する82aが形成されている。
【0081】
リブ部82Bは、壁部82Aの上部から左右方向外側へ突出し、前後方向に延びている。
【0082】
係止部材83は、バッテリパック8の上部に設けられ、係止爪83Aと、被押圧部83Bとを有している。係止部材83は、ハンドルハウジング24の分割面(仮想面)に関して、略対称に構成され、右側及び左側に位置する係止部材83は、図示せぬ付勢部材によって左右方向外側に向けて付勢されている。また、右側に位置する係止部材83は、バッテリパックハウジング81の右側面に設けられ、左側に位置する係止部材83は、バッテリパックハウジング81の左側面に設けられている。係止部材83は、本発明における「係止部」の一例である。
【0083】
係止爪83Aは、係止部材83の前部に位置し、その先端が左右方向外側へ突出するフック形状をなしている。係止爪83Aは、本発明における「係合部材」の一例である。
【0084】
被押圧部83Bは、ガイドレール25Aに関して弾性体28とは反対側に位置している。被押圧部83Bは、係止部材83の後部に位置し、対応する係止爪83Aの突出端(先端部)よりも左右方向外側に位置している。
図1に示されているように、被押圧部83Bは、把持部24Bの下端部と隣接している。被押圧部83Bは、本発明における「電池側操作部」の一例である。右側に位置する被押圧部83Bは、本発明における「第1電池側操作部」の一例である。左側に位置する被押圧部83Bは、本発明における「第2電池側操作部」の一例である。
【0085】
また、左右方向においてバッテリパックハウジング81の右側面と左側面との間に規制部26は位置している。このため、例えば、親指と中指とで被押圧部83Bを操作しつつ、人差し指で操作突起261Aを操作することが可能となるため、作業者の被押圧部83B及び操作突起261Aに対する操作性が向上する。
【0086】
次に、ハンマドリル1の動作について
図1を参照しながら説明する。
【0087】
作業者が把持部24Bのトリガ24Aに対して引操作すると、制御部5がモータ3の駆動制御を開始する。駆動制御が開始されるとバッテリパック8に収容された二次電池の電力がモータ3に供給され、回転軸31が回転する。回転軸31の回転力は動力伝達部6を介して出力部7に伝達され、工具保持部73に装着された先端工具Pが回転往復動を開始する。
【0088】
ここで、作業の経過に伴い、バッテリパック8内の二次電池に蓄えられた電力が消費されるため、定期的にバッテリパック8をハンマドリル本体10から離脱させ、二次電池を交換する必要がある。この場合においては、充電された二次電池をバッテリパック8に収容したうえバッテリパック8をハンマドリル本体10に装着しなおす。以下ハンマドリル本体10にバッテリパック8を着脱させる操作について、規制部26を設けたことに伴う効果に言及しつつ、
図4及び
図5を参照しながら詳細に説明する。
【0089】
まず、ハンマドリル1からバッテリパック8を離脱させる操作について、
図4を参照しながら説明する。
【0090】
バッテリパック8をハンマドリル1から離脱させるために作業者が被押圧部83Bを左右方向内側に向けて押圧すると、係止部材83は、図示せぬ付勢部材の付勢力に抗して左右方向内側へ移動する。
【0091】
この状態において、
図4(a)に示されているように、作業者は、規制部26の操作突起261Aを下方に移動させる。回動部261は、シャフト24Gを支点として、ハンマドリル1の側面視における時計回り方向のスプリング262の付勢力に抗して反時計回り方向に回動し、規制突起261Bが把持部24B内に収容される。この場合において、規制突起261Bの下端部がバッテリパック8の上面位置よりも上方まで回動可能に構成されているため、規制部26によりバッテリパック8の後方への移動が規制されることはない。このように、回動部261が反時計回り方向に回動し規制突起261Bが把持部24B内に収容された場合における回動部261の状態は、本発明の「第2状態」に対応している。
【0092】
図4(b)に示されているように、作業者が被押圧部83Bを押圧したままの状態でバッテリパック8を後方へスライド移動させると、バッテリパック8は係合部25のガイドレール25Aに対して後方へ相対移動される。
図4(c)に示されているように、リブ部82Bの前端部とバッテリパックハウジング81の上面とがガイドレール25Aから後方へ離間すると、バッテリパック8はハンマドリル本体10から離脱される。
図4(c)に示されているように、バッテリパックハウジング81の上部の後面と規制突起261Bの前面とが対向しておらず、バッテリパック8をハンマドリル本体10から離脱可能なバッテリパック8のハンマドリル本体10に対する相対的な位置は、本発明における「第3位置」の一例である。
【0093】
バッテリパック8とハンマドリル1との電気的接続(バッテリ側端子とバッテリ接続端子部の端子の接触)も、バッテリパック8がスライドされ所定量移動した時点で、解除される。
【0094】
ここで、本実施の形態においては、回動部261がシャフト24Gを支点として回動する場合において、規制突起261Bは、開口24bの前部を形成する面の僅かに内側を通過するように構成され、バッテリパックハウジング81の上部の後面は、ハンドルハウジング24の開口24bの前部を形成する面と略面一となるように構成されているため、規制突起261Bが把持部24Bに収容されていない状態では、バッテリパック8の上部の後面と規制突起261Bとが当接し、後方にスライドさせることができない。すなわち、本実施の形態においては、作業者は、被押圧部83Bを操作し、且つ、操作突起261Aを操作し回動部261を回動させ規制突起261Bが把持部24B内に収容しなければ、バッテリパック8をハンマドリル本体10に対して後方にスライドさせることができないため、意図せずに、バッテリパック8がハンマドリル本体10から脱落してしまうことを抑制することが可能となる。
【0095】
次に、ハンマドリル1にバッテリパック8を装着する操作について、規制部26を設けたことに伴う効果に言及しつつ、
図5を参照しながら説明する。
【0096】
バッテリパック8をハンマドリル本体10に装着するには、
図5(a)に示されているように、リブ部82Bの前端とバッテリパックハウジング81の上面とで係合部25のガイドレール25Aを挟み込むように係合させ、バッテリパック8をガイドレール25Aに沿って前方へスライド移動させつつ挿入していく。
【0097】
このときに、
図5(b)に示されているように、回動部261の規制突起261Bがバッテリパック8の上部と当接し、前方に押し出される。回動部261は、シャフト24Gを支点として、ハンマドリル1の側面視における時計回り方向のスプリング262の付勢力に抗して反時計回り方向に回動する。このときに、回動部261は、規制突起261Bがバッテリパック8の上面位置よりも上方まで回動可能に構成されているため、バッテリパック8は、規制部26により前方への移動が規制されることはない。
【0098】
バッテリパック8の前方へのスライド移動に伴い、被ガイド部82の壁部82Aから突出している係止爪83Aは、係合部25の係止突起25Bによって左右方向内側へ押圧され、図示せぬ付勢部材の付勢力に抗して左右方向内側へ移動する。
【0099】
そのままバッテリパック8をさらに前方へスライド移動させ、係止爪83Aが係止突起25Bを通過すると、係止爪83Aは図示せぬ付勢部材の付勢力によって左右方向外側へ押し出され、係止突起25Bに係止される。係止爪83Aが係止突起25Bに対して係止されると、バッテリパック8のそれ以上の前方への移動が規制される。
【0100】
このときに、
図5(c)に示されているように、バッテリパックハウジング81の前面によって弾性体28が圧縮される。この状態において、バッテリパック8が弾性体28から後方へ向かう弾性力を受けることにより、係止突起25Bと係止爪83Aとが強く噛み合う。このように、弾性体28の弾性力により好適にハンマドリル1とバッテリパック8との相対的な移動が抑制された状態でバッテリパック8をハンマドリル1に装着することが可能である。また、上記の通り、係合部25のガイドレール25Aに対してバッテリパック8の被ガイド部82を摺動させることで操作突起261A及び被押圧部83Bのいずれも操作することなくバッテリパック8をハンマドリル1に装着することが可能である。
図5(c)に示されているように、係止爪83Aが係止突起25Bに係止される状態におけるバッテリパック8のハンマドリル本体10に対する相対的な位置は、本発明における「第2位置」に対応している。
【0101】
なお、バッテリパック8のハンマドリル1に対する装着が完了した時点で、バッテリ側端子部の端子とバッテリ接続端子部27の端子とが接触し、ハンマドリル1とバッテリパック8とは電気的に接続される。
【0102】
ここで、従来において、バッテリパックの電動工具本体に対する装着が意図せずに解除されてしまう可能性があった。このような場合において、従来の電動工具では、作業中にバッテリパックが電動工具本体から脱落してしまう可能性があった。
【0103】
しかしながら、本実施の形態においては、
図5(c)に示されているように、バッテリパック8の上部の後面と規制突起261Bの前面とが、前後方向において対向しているため、バッテリパック8が意図せずに後方に移動した場合においても、バッテリパック8と規制突起261Bとが当接し、好適にバッテリパック8がハンマドリル本体10から脱落してしまうことが抑制される。
図5(c)に示されている
状態からバッテリパック8が後方へ移動し、バッテリパック8の上部の後面と規制突起261Bの前面とが当接する状態におけるバッテリパック8のハンマドリル本体10に対する相対的な位置は、本発明における「第1位置」に対応している。また、回動部261がスプリング262によって時計回り方向に付勢され規制突起261bが把持部24Bの開口24bから露出している場合における回動部261の状態は、本発明における「第1状態」に対応している。
【0104】
また、バッテリパック8の上部の後面と規制突起261Bの前面とが当接している場合において、バッテリ側端子部の端子とバッテリ接続端子部27の端子との接触は解除される。これによれば、ハンマドリル本体10に発生した振動により端子が損傷してしまうことを抑制することが可能となる。
【0105】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0106】
左右方向において、バッテリパックハウジング81の右側面と左側面との間にバッテリパック8に収容された電池の残量を表示するための残量表示部が設けられていても良い。このような構成によれば、作業者が目視により電池パックの交換時期を容易に把握することが可能となる。
【0107】
本実施の形態においては、ハンマドリル1を例に説明したが、本発明はハンマドリル以外のバッテリパックからの電力供給によって駆動される電動工具にも適用可能であり、特に、振動ドリル、セーバソー等の電動工具本体に振動が発生しやすい電動工具に好適である。