(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体キャビネットの商品収納庫内に商品を収納した商品収納ラックおよびこの商品収納ラックから搬出された商品を商品取出口に送出する商品搬出シュータを備えた自動販売機において、前記商品搬出シュータは、商品収納ラックから搬出される商品の落下位置に位置するサブシュータとこのサブシュータに落下した商品を商品取出口に送出するメインシュータからなり、前記サブシュータは、前後方向に分割された主シュータ、従シュータおよび主シュータと従シュータとを連結し、かつ、主シュータと従シュータとの山折れを規制する一方、谷折れを許容する関節部を備え、さらに前記サブシュータは主シュータにおけるメインシュータ側を支点として上下方向に揺動する態様で上昇した待機位置に復帰するように付勢力を受けた可動式として形成してなり、前記サブシュータの下方に、当該サブシュータが付勢力に抗して下降した際に加圧される緩衝部材を配してなることを特徴とする自動販売機。
請求項1に記載の自動販売機において、サブシュータの関節部は、ヒンジ機構と当該ヒンジ機構を中心とする主シュータおよび従シュータの山折れを規制する規制爪からなることを特徴とする自動販売機。
請求項1または請求項2に記載の自動販売機において、サブシュータを待機位置に復帰させる付勢力は、サブシュータを構成する主シュータの支点に連繋して設けた弾性部材により付与されることを特徴とする自動販売機。
【背景技術】
【0002】
スラントラックとも称される商品収納ラックを備えた自動販売機は、商品収納ラックが複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路を上下方向に多段に備え、本体キャビネットの商品収納庫内に左右方向に複数列並設されている。前記商品収納ラックにおける商品収納通路の商品搬出口には商品搬出装置が設けられており、この商品搬出装置により商品収納通路に横倒し姿勢で収納された商品を一個ずつ搬出するように構成されている。この種の自動販売機として
図9に示すものが知られている。
【0003】
図9は従来の自動販売機の概略構成を示す側面図である。この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とからなる。本体キャビネット1の商品収納庫の前面は開閉可能な断熱内扉3によって閉塞されている。本体キャビネット1の商品収納庫内には、左右方向に複数配列されるとともに上下方向に多段に配設された商品収納棚42を備えた商品収納ラック4が収納設置されている。前記商品収納ラック4は左右に対向配置された矩形状の左右一対のラック側板41,41を備え、この左右一対のラック側板41,41に前記商品収納棚42が架設されている。前記商品収納棚42は商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で配設されている。前記商品収納棚42の上部空間が複数の商品Sを横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43として構成されている。また、前記商品収納棚42における商品搬出口45の近傍には商品搬出装置5が配設され、この商品搬出装置5は前記商品収納通路43に収納された商品Sを一個ずつ切り出して搬出するものである。
【0004】
前記各商品収納棚42における商品搬出口45と商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁)との間が商品の落下する商品落下通路46として形成されている。そして、各商品収納棚42の後端には、前記商品落下通路46に突出する突出位置と、落下する商品Sにより押し開かれて商品落下通路46から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が設けられている。複数の姿勢制御板47のうちの一つ(図の場合には最下段の姿勢制御板47)を除く他の姿勢制御板47は、不図示の捻りコイルばねにより商品落下通路46に向けて突出するように付勢されており、商品落下通路46を落下する商品Sにより押し開かれて商品落下通路46から退避する際、当該商品Sの姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品Sの落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる機能を有している。最下段の姿勢制御板47には、商品落下通路46に向けて突出した状態から商品落下通路46を落下する商品Sにより押し開かれて商品落下通路46から退避する方向への回動を制動する緩衝器(オイルダンパー)48が連結されている。また、商品落下通路46を挟んで最下段の姿勢制御板47と対向する位置に、当該姿勢制御板47と協働して商品落下通路46を落下する商品Sに生じる衝撃を緩衝するクッション49を有している。
【0005】
前記商品収納ラック4の下部には前下がりの姿勢に配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュータ6が設けられている。前記商品搬出シュータ6は、商品落下通路46の下端と断熱内扉3に設けた搬出口フラッパ3bを有する商品搬出口3aを介して外扉2の商品取出口2aとを連係する。また、商品搬出シュータ6の下部には、商品収納庫内を冷却若しくは加熱して商品収納ラック4に収納した商品Sをコールド若しくはホット状態に保存するところの冷却/加熱ユニット7(点線で示す)が配設されている。この冷却/加熱ユニット7は風洞によって覆われている。また、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の冷却ユニットと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット9(点線で示す)が配設されている。さらに、商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁)には当該本体キャビネット1の背壁に沿って上下方向に延在し、かつ、上端に開放した吸込み口を有するとともに下端が冷却/加熱ユニット7の風洞に連通された庫内空気循環用のダクト(不図示)が配備されている。
【0006】
そして、前記冷却/加熱ユニット7により加熱若しくは冷却された空気は商品搬出シュータ6の複数の通気孔を介して商品収納ラック4に収納された商品Sを加熱若しくは冷却しつつ庫内を上昇した後、庫内空気循環用のダクトの吸込み口を経由して当該ダクトから冷却/加熱ユニット7の風洞に戻る経路を通って循環するように構成されている。
【0007】
そして、商品収納ラック4に収納した商品Sが販売適温に冷却若しくは加熱されると販売可能状態となり、本体キャビネット1の前面開口に開閉自在に取付けられた外扉2に設けた商品選択ボタンが押圧操作されると対応する商品収納棚42の商品収納通路43に設けられた商品搬出装置5が動作して当該商品収納通路43に収納された商品Sが一個切り出される。商品搬出装置5により切り出された商品Sは、商品落下通路46を落下する過程で姿勢制御板47により姿勢を矯正されると同時に落下速度が低減され、かつ、最下段の姿勢制御板47で更に落下速度が低減された後、クッション49に当って緩衝されたうえで商品搬出シュータ6上に落下し、当該商品搬出シュータ6上を転動若しくは滑動して断熱内扉3に設けた商品搬出口3aの搬出口フラッパ3bを押し開いて商品取出口2aに送出されるように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
この種のスラントラックを備えた自動販売機においては、大径から小径の多種の商品を販売可能であり、商品の多様化に伴う多種の商品を販売可能(多セレクション化)とする要求に応えることができる一方、多種の商品が商品搬出シュータ6上に落下(着地)する際に商品に生じる衝撃を緩衝する必要がある。かかる点、特許文献1に開示された発明においては、最下段の姿勢制御板47に、商品落下通路46から退避する方向への回動を制動する緩衝器(オイルダンパー)48を連結し、さらに、商品落下通路46を挟んで最下段の姿勢制御板47と対向する位置に、当該姿勢制御板47と協働して商品落下通路46を落下する商品Sに生じる衝撃を緩衝するクッション49を備えることにより、特に、炭酸ガスを混和させた飲料入りの商品Sのフォーミングを抑制して開栓した際の泡の噴出を防止している。
【0009】
また、商品Sが商品搬出シュータ6上に落下する際に商品Sに生じる衝撃を緩衝するための先行技術として商品搬出シュータ6を固定シュータおよびこの固定シュータの上に配設される可動シュータに分割し、固定シュータと可動シュータの間に弾性部材(コイルばね)を介在させたものが知られており(例えば、特許文献2参照)、さらに、商品が商品搬出シュータ上に落下する際に商品に生じる衝撃を緩衝するための先行技術として、可動の商品搬出シュータの下部に補強板を配備し、商品搬出シュータと補強板との間に平板状のクッションを介在させたものも知られている(例えば、特許文献3)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明が対象とする自動販売機の一例である缶入り飲料、ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の概略側面図である。なお、左右とは、自動販売機の前面から見た場合の左右を指すものである。
【0020】
図1に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面開口を閉塞する態様で本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とを備え、この外扉2には商品取出口2aが設けられている。本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dにウレタンフォームからなる断熱パネルを配設して断熱筐体として構築され、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dに配設された断熱パネルで囲まれた空間が商品収納庫として形成され、商品収納庫の下部が機械室8として形成されている。前記本体キャビネット1の断熱パネルで囲まれた商品収納庫内は、断熱仕切壁(不図示)により左右方向に複数の商品収納室に区画されている。前記各商品収納室には、上下方向に多段に配設された商品収納棚10を有する商品収納ラック4がそれぞれ収納設置されている。前記本体キャビネット1における商品収納庫の前面はヒンジ機構により本体キャビネット1に開閉可能に支持された断熱内扉3によって閉塞され、この断熱内扉3には商品収納庫内から送出される商品によって押し開かれる搬出口フラッパ3bを有する商品搬出口3aが設けられている。前記搬出口フラッパ3bは上端を軸支されて垂下するとともに自重により商品搬出口3aを閉塞して冷気若しくは暖気の流出を防止しており、商品搬出シュータ6を介して搬出される商品により押し開かれ、当該商品を外扉2の商品取出口2aに送出するように形成されている。
【0021】
前記商品収納ラック4は、矩形平板状の薄板鋼板製になる左右一対のラック側板41,41を備えており、この左右一対のラック側板41,41に商品収納棚10が架設される。商品収納棚10は、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で左右のラック側板41,41に上下多段(この実施の形態では10段)に架設されている。最上段の商品収納棚10の上方にはメック係止部材100が左右のラック側板41,41に架設されている。前記左右のラック側板41,41の上端は、商品収納庫の天井面に敷設された左右一対のガイド金具(不図示)に係合・離脱可能に構成され、この左右のラック側板41,41を前記ガイド金具に係合させることにより、商品収納ラック4が商品収納庫に収設されるものである。
【0022】
前記商品収納棚10と左右のラック側板41,41、若しくは必要に応じて商品収納棚10にセットされる仕切部材48に囲まれた内部空間が複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43(商品コラム)として画成されている。前記商品収納棚10に画成された各商品収納通路43における商品搬出口45の近傍であって各商品収納通路43の上部、この実施の形態においては上段側の商品収納棚10の下面側に当該商品収納通路43に収容された商品Sを一個ずつ切り出して搬出する商品搬出装置5が配設されている。また、商品収納棚10には、必要に応じて商品搬出装置5と商品収納通路43の通路面との間の間隔を調整するアタッチメント(不図示)が敷設される。最上段の商品収納通路43に収納された商品を一個ずつ切り出す商品搬出装置5は、最上段の商品収納棚10の上方に配設したメック係止部材100に取り付けられる。
【0023】
前記商品搬出装置5は、周知のとおり、商品収納通路43に出没自在であって販売順位一番の商品(最後端の商品であり、販売商品とも称される)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売商品の保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けたペダル部材、商品収納通路43に出没自在であって商品収納通路43から退避する退避位置と販売商品に続く販売順位二番の商品(最後端の商品に続く商品であり、次販売商品とも称される)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けたストッパ部材、前記ペダル部材およびストッパ部材を突出位置と退避位置とに移動させるリンク機構、このリンク機構を駆動する駆動手段(ソレノイド,モータ)等からなり、販売待機時にペダル部材が商品収納通路43に突出して販売商品を保持し、ストッパ部材が商品収納通路から退避した状態にあり、販売指令に基づいて前記駆動手段を駆動することによりリンク機構を介してストッパ部材を商品収納通路43に突出させて次販売商品を保持した上でペダル部材を商品収納通路43から退避させて販売商品を払い出すように構成されたものである。
【0024】
前記メック係止部材100の後端上方位置に庫内上部ファンF2が配備されている。メック係止部材100の後端上方域は、メック係止部材100が前方側に対して後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜して配されることによりデッドスペースとなる部位であり、このデッドスペースを利用して庫内上部ファンF2が配備されている。庫内上部ファンF2は、本体キャビネット1の背壁1cに沿って配置された上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気を下方に向けて送風するものであり、左右一対のラック側板41,41に架設されている。
【0025】
前記各商品収納ラック4に上下多段に配設された商品収納棚10の後端(商品搬出口45)は同一の鉛直線上に位置しており、前記商品搬出口45と上部ダクト部材70bとの間が商品の落下する商品落下通路46として形成されている。前記商品落下通路46には、各商品収納棚10の後端部に近接した位置に回動中心を有して前記商品落下通路46に突出する突出位置と、落下する商品により押し開かれて商品落下通路46から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が配備されている。この姿勢制御板47は、不図示の捻りコイルばねにより商品落下通路46に向けて突出するように付勢されており、商品落下通路46を落下する商品により押し開かれて商品落下通路46から退避する際、当該商品の姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品の落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる機能を有している。
【0026】
商品収納ラック4の下部には、商品落下通路46の下方域と断熱内扉3に設けた商品搬出口3aとを連繋する態様で前下がりの姿勢に傾斜して配されるとともにその板面に複数の通気孔61a(
図2参照)が穿孔された商品搬出シュータ6と、商品収納ラック4に収納した商品を冷却若しくは加熱してコールド若しくはホット状態に保存する冷却/加熱ユニット7が配設され、商品収納庫内に商品収納ラック4と商品搬出シュータ6と冷却/加熱ユニット7とが上下の順に配備されている。
【0027】
前記冷却/加熱ユニット7は、前下がりの姿勢に傾斜して配された商品搬出シュータ6の背後の空間に配設されている。冷却/加熱ユニット7は、蒸発器7aとヒータ7bと庫内下部ファンF1とを備え、これらの蒸発器7aとヒータ7bと庫内下部ファンF1とが、前方側からヒータ7b,庫内下部ファンF1,蒸発器7aの順に前後方向に並置されてなる。前記庫内下部ファンF1は、ファン駆動用モータを電圧制御、PWM制御することにより回転数を可変可能なものである。前記蒸発器7a,庫内下部ファンF1,ヒータ7bは、それぞれを囲繞して保護する風洞40内に配されている。そして、この冷却/加熱ユニット7の風洞40に連ねて下部ダクト部材70aが設けられている。この下部ダクト部材70aは、商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁1c)に沿って配設され、風洞40の出口に対峙する入口側開口74(
図4参照)と商品落下通路46の下方域に連通する出口側開口75(
図4参照)を備えている。この下部ダクト部材70aの出口側開口75に連通して上部ダクト部材70bが配設される。
【0028】
さらに、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の蒸発器7aと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット9が配設されている。冷凍機コンデンシングユニット9は、圧縮機9a,凝縮器9b,庫外ファン9c,膨張弁(不図示)などからなり、商品収納庫外に配された凝縮器9bと商品収納庫内に配された蒸発器7aとが膨張弁を介して冷媒配管により接続されている。
【0029】
なお、外扉2の前面には、商品コラムに対応した複数の商品見本21を展示した商品展示室22の他に、図示は省略するが、購入する商品を指定する商品選択ボタン、代価としての硬貨を投入する硬貨投入口、代価としての紙幣を挿入する紙幣挿入口、釣銭硬貨若しくは返却指令により返却される硬貨を取り出すための硬貨返却口、釣銭若しくは投入硬貨の返却を指示する返却レバーなど、貨幣の投入により商品の自動販売に必要な部品が配設され、さらに、外扉2を本体キャビネット1に閉止鎖錠する扉ロック機構のハンドルなどが設けられている。
【0030】
商品収納ラック4の下部に配された商品搬出シュータ6と、冷却/加熱ユニット7の風洞40(
図1参照)に連なる下部ダクト部材70aとを
図2〜
図4,
図6〜
図8に示している。
図2に示すように、商品搬出シュータ6は、厚板鋼板製のメインシュータ61とサブシュータ62とからなり、メインシュータ61の後方にサブシュータ62が連なり、メインシュータ61の平板面に対してサブシュータ62の平板面が高くなる態様で配される。
【0031】
メインシュータ61は商品の転動(滑動)面となる平板面の傾斜角度が後半域に対して前半域が大きくなる態様で折り曲げるとともに補強を図るために左右端部を適宜折り曲げて形成され、その前端には下方に屈曲した固定部611が形成されている。この固定部611は、本体キャビネット1の前壁に沿うものであって、その板面にはねじ挿通穴611aが形成されて本体キャビネット1の前壁にねじ止めされる。また、メインシュータ61の後端には下方に折り曲げられるとともに後方に向けて屈曲した取付部612(
図3、
図4参照)が形成されている。この取付部612は、下部ダクト部材70aにねじ止めされた補強金具64に係止される固定金具63の前方側下面にねじ止めして係止される。また、メインシュータ61の平板面には複数の通気孔61aやリブ61bが設けられている。更に、メインシュータ61の平板面には商品シュータ601を装着するための係止穴61c1(
図4参照)、商品シュータ602を装着するための係止穴61c2,61c3(
図4参照)が穿設されている。
【0032】
商品シュータ601,602はそれぞれメインシュータ61の平板面を転動(滑動)する商品をメインシュータ61の中央に寄せるものである。商品シュータ601,602は、それぞれ後方側が商品搬出シュータ6の後方側外側端部(商品シュータ601の場合は左端部、商品シュータ602の場合には右端部)に位置し、前端側が商品搬出口3a側に位置して商品が転動(滑動)するメインシュータ61の平板面(商品の転動面)を後方側から前方側に向かうに従って狭め、かつ、その傾斜角度が商品搬出シュータ6の板面(転動面)から外側(商品シュータ601の場合は左端側、商品シュータ602の場合には右端側)に向かうに従って漸増する傾斜面部6011,6021と、左右の側面部6012,6022と、前面部6013,6023とを備えた鋼板製になり、底面が解放した三角錐状をなす態様で折り曲げ形成されたものである。
【0033】
商品シュータ601の傾斜面部6011の下縁の後端寄りにはメインシュータ61に穿設された係止穴61c1に挿入して係止される係止爪6011a(
図4参照)が形成されている。また、商品シュータ601の前面部6013の下端は、図示は省略したが、メインシュータ61の平板面に密着する態様で後方側に折り曲げ形成された折り曲げ部を有し、当該折り曲げ部にねじ挿通穴が形成されている。前記折り曲げ部のねじ挿通穴にねじを差し込んで締め付けるため、前面部6013には窓6013aが設けられている。
【0034】
商品シュータ602における傾斜面部6021の下縁の前後方向中間位置にはメインシュータ61に穿設された係止穴61c2に挿入して係止される係止爪(不図示)が形成され、側面部6022の下縁の前後方向中間位置にはメインシュータ61に穿設された係止穴61c3に挿入して係止される係止爪6022aが形成されている。また、商品シュータ602の前面部6023はメインシュータ61の固定部611に連なるものであり、その下縁から下方に張り出す係止片60231の板面にはねじ挿通穴60231a(
図4参照)が形成されてメインシュータ61の固定部611のねじ挿通穴611bにねじ止めされる。なお、図示は省略したが、商品シュータ602がメインシュータ61の通気孔61aを閉塞する態様の三角錐をなしていることから、その傾斜面部6021にはメインシュータ61の通気孔61aと同様の通気孔が形成されているものである。
【0035】
固定金具63は、下部ダクト部材70aにねじ止めされる補強金具64に載置される態様で配設される板金製になる。固定金具63の板面には2個のフック片632,632が形成されている。また、固定金具63の前フランジ631における左右両端には左右一対の中空円筒形状(カール状)の軸挿通部63a,63a(
図4参照)が上方に張り出して形成されている。
【0036】
補強金具64は天板641と、天板641の後端側に連なる背板642と、天板641の左右端部に連なるフランジ643a付きの左右側板643,643とからなる板金製になる。補強金具64は展開状態で半纏(T字)の形状をなすとともに腕部を袖付きに形成し、半纏の胸部と腕部とが天板641と左右側板643,643をなし、胴部が背板642をなし、腕部の袖が左右側壁のフランジ643aをなす態様で形成されている。背板642は中央を開口する態様で左右両側にのみ設けられている。この補強金具64は左右側板643,643のフランジ643a,643aを左右の背板642に溶接して天板641が略水平をなしている。天板641の前端側は凹状に形成され、天板641の凹部に固定金具63の板面に形成した2個のフック片632,632が収まるとともに天板641に係合するように構成されている。背板642が中央を開口する態様で左右両側にのみ設けられているのは、後述する下部ダクト部材70aの前面壁71に形成した入口側開口74を閉塞するのを防止するためである。左右の背板642および左右側板643,643のフランジ643a,643aには、重なり合った状態で貫通するねじ挿通穴(不図示)が形成されて下部ダクト部材70aにねじ止めされる。
【0037】
メインシュータ61の後方に連なるサブシュータ62は、前後方向に分割された主シュータ621,従シュータ622と、主シュータ621と従シュータ622とを連結する態様で主シュータ621と従シュータ622との間に位置する関節部623を備えてなる。前記関節部623は、当該関節部623を中心とする主シュータ621と従シュータ622との山折れを規制する一方、谷折れを許容するものである。主シュータ621および従シュータ622はメインシュータ61の幅に略一致する幅の矩形状の平板面を有するプレートとして形成されている。そして、サブシュータ62を構成する従シュータ622が商品落下通路46(
図1参照)の下部に位置している。
【0038】
図5に示すように、サブシュータ62を構成する主シュータ621の平板面(着地面)の前縁から下方に屈曲して形成したフランジ6211の下縁には、左右方向に分散する態様で3個の中空円筒形状(カール状)の軸挿通部621aが下方に張り出して形成されている。これらのカール状の軸挿通部621aは、固定金具63の前縁に形成した左右一対のカール状の軸挿通部63a,63aの間に位置する態様で形成されている。前記主シュータ621の平板面(着地面)の後縁には、左右方向に分散する態様で3個の中空円筒形状(カール状)の軸挿通部621bが後方に張り出して形成されている。また、前記主シュータ621の平板面(着地面)の左右側縁の後端には下方に向けて折り曲げ形成されたストッパ6212が設けられている。
【0039】
前記サブシュータ62を構成する従シュータ622の前縁の左右両側には、従シュータ622の平板面(着地面)より一段低く、かつ、前方に向けて突出する態様で折り曲げ形成された規制爪6221,6221が設けられ、また、従シュータ622の前縁における前記左右の規制爪6221,6221の間には左右に対のカール状の軸挿通部622a,622aが設けられている。この左右に対のカール状の軸挿通部622a,622aの間の間隔は、前記主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bのうちの中央の軸挿通部621bを受容可能な大きさに定められ、前記左右に対のカール状の軸挿通部622a,622aと左右の規制爪6221,6221の間の間隔は、前記主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bのうちの左右両端の軸挿通部621b,621bをそれぞれ受容可能な大きさに定められている。したがって、主シュータ621の後縁と従シュータ622の前縁とを突き合せた際、主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bと従シュータ622の前縁に設けた左右に対のカール状の軸挿通部622a,622aが互い違いに噛み合う態様で左右一列に連なる。この場合、従シュータ622の前縁の左右両側に設けた規制爪6221,6221は主シュータ621の下方に潜り込んで主シュータ621の背面に当接するようになる。
【0040】
前述したように主シュータ621の後縁と従シュータ622の前縁とを突き合せて主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bと従シュータ622の前縁に設けた左右に対の軸挿通部622a,622aを互い違いに噛み合せたうえで、主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bと従シュータ622の前縁に設けた左右に対の軸挿通部622a,622aにヒンジ軸PN1(
図4参照)を挿通することにより主シュータ621と従シュータ622とが連結される。主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bと従シュータ622の前縁に設けた左右に対の軸挿通部622a,622aとヒンジ軸PN1とはヒンジ機構を構成するものである。また、主シュータ621の後縁と従シュータ622の前縁とを突き合せた際、主シュータ621の下方に潜り込むところの、従シュータ622の前縁の左右両側に設けた規制爪6221,6221は、主シュータ621の背面に当接した状態で主シュータ621と従シュータ622とがヒンジ機構(ヒンジ軸PN1)を中心とする山折れを規制する一方、谷折れを許容するものである。前記ヒンジ機構と従シュータ622の前縁の左右両側に設けた規制爪6221,6221とが請求項1の関節部623を構成する。そして、互い違いにかみ合わされた主シュータ621の後縁に設けた3個の軸挿通部621bと従シュータ622の前縁に設けた左右に対の軸挿通部622a,622aとがカール状に形成されていることから、ヒンジ機構部の面が山折れを規制された状態で主シュータ621と従シュータ622の着地面と面一となる。
【0041】
斯様に主シュータ621と従シュータ622とが関節部623を介して連結されてなるサブシュータ62は、主シュータ621の前縁側に設けた3個のカール状の軸挿通部621aを固定金具63の左右一対のカール状の軸挿通部63a,63aの間に位置させたうえで両者にヒンジ軸PN(
図4参照)を挿通することにより固定金具63に揺動自在に連結される。前記ヒンジ軸PNには捻りコイルばねSP(
図4,
図5参照)が巻回されている。捻りコイルばねSPは、その一端を固定金具63に係止する一方、他端を主シュータ621に係止することにより主シュータ621(サブシュータ62)に固定金具63から離隔する方向に付勢力を付与するものである。したがって、主シュータ621(サブシュータ62)は、捻りコイルばねSPによる付勢力を受けてヒンジ軸PNを支点として上下方向に揺動自在である。前記主シュータ621(サブシュータ62)の上方への揺動は、主シュータ621の前縁が、メインシュータ61のフランジ6211に当接することにより規制される。
【0042】
このように、上方への揺動が規制された位置がサブシュータ62の上昇した待機位置となる。これにより、サブシュータ62は、上昇した待機位置に復帰するように捻りコイルばねSPにより付勢力を受けた可動式として形成されている。なお、サブシュータ62の上昇した待機位置ではサブシュータ62の着地面がメインシュータ61の板面と面一となるのが理想的であるが、組立て誤差などによりサブシュータ62の着地面がメインシュータ61の板面よりも低くならないように、サブシュータ62の着地面がメインシュータ61の板面よりも僅かに高い位置となるように構成されている。また、捻りコイルばねSPは、サブシュータ62の後端側に落下した商品を跳ね返すことがないように、サブシュータ62を上昇した待機位置に復帰させる程度の比較的弱い付勢力を有するものが適している。
【0043】
サブシュータ62と固定金具63の板面との間にはクッション65が配設されている。このクッション65は、
図4,
図5に示すように、角柱状をなし、固定金具63に貼着されている。このクッション65は、低反発の発泡ゴムが適している。また、クッション65は、サブシュータ62における主シュータ621と従シュータ622との谷折れを阻害しないように主シュータ621の下方に配置するのがよい。
【0044】
このように、商品搬出シュータ6のサブシュータ62は、販売待機状態において捻りコイルばねSPの付勢力により上昇した待機位置に復帰するように構成されている。そして、固定金具63に貼着されたクッション65は、商品がサブシュータ62に落下した時の衝撃荷重を吸収する。この場合、固定金具63に貼着されたクッション65は、サブシュータ62が捻りコイルばねSPの付勢力により待機位置に復帰していることによりサブシュータ62の荷重を受けることがなく、特許文献3に開示された発明のようにクッションが商品搬出シュータの荷重を受けて経年変化(塑性変形)するのを抑制することができる。なお、サブシュータ62とクッション65との関係を、上昇した待機位置に復帰したサブシュータ62がクッション65から離隔させるように構成すれば、クッション65が待機状態でサブシュータ62に加圧されずに無加圧状態となるので、クッション65の経年変化(塑性変形)を抑制することができるものである。
【0045】
下部ダクト部材70aは、
図4に示すように、横断面凹状に形成した薄板鋼板製になり、矩形平板状の前面壁71と左右側壁72,72とからなり、左右側壁72,72の内側にクッション73,73が貼着されてなる。前面壁71の略中央下部寄りには風洞40の出口にスペーサ76を介して連通する入口側開口74が形成されている。前記風洞40と下部ダクト部材70aの開口74とを連繋するスペーサ76は門型の板金製になり、前面壁71にねじ止めして固定される。前記スペーサ76における門の笠木に相当する上縁761には上方を向くフランジ7611が形成されている。この上向きのフランジ7611に前記風洞40の上縁に設けた下向きのフランジ(不図示)を係合させることにより風洞40が下部ダクト部材70aに一体的に連結される。
【0046】
前記下部ダクト部材70aは、その下端を本体キャビネット1の底壁1dに載置するとともに左右側壁72,72を両面テープ等により本体キャビネット1の背壁1cに密着させる態様で配設され、下部ダクト部材70aの前面壁71と左右側壁72,72と本体キャビネット1の背壁1cで囲まれた空間が庫内空気の流れる通路となり、その上端が上部ダクト部材70bの下端に連通する出口側開口75となる。
【0047】
商品搬出シュータ6の組み立ては、
図6に示すように、クッション65が貼着された固定金具63にサブシュータ62を構成する主シュータ621および従シュータ622を組み付けたうえでメインシュータ61の後端を固定金具63に固着して構成される。このように構成された商品搬出シュータ6は本体キャビネット1の開口前面から本体キャビネット1の背壁1cに沿う態様で配設された下部ダクト部材70aに予め固着された補強金具64に組み付けられる。この場合、商品搬出シュータ6は固定金具63の板面を補強金具64の天板641に載置する態様で押し込みつつ、固定金具63に設けた2個のフック片632,632を補強金具64の天板641に潜り込ませる態様で係合させたうえでメインシュータ61の前端に設けた固定部611を本体キャビネット1の前壁にねじ止めすることにより本体キャビネット1に組み付けられる(
図2,
図3,
図7参照)。このように、商品搬出シュータ6は固定金具63に設けた2個のフック片632,632を補強金具64の天板641に係合させることにより補強金具64の天板641の上に載置される態様で配設され、前記2個のフック片632,632を天板641から離脱させることにより補強金具64と分離可能に構成されていることから、本体キャビネット1から商品搬出シュータ6を容易に着脱することが可能である。
【0048】
なお、サブシュータ62は、固定金具63に揺動自在に軸支されるものに限らず、メインシュータ61と蝶番を介して連結されるとともにばね部材により待機位置に復帰するように構成することもできるものである。
【0049】
かかる構成の自動販売機は、
図1に示す外扉2および断熱内扉3を開放して商品投入口44から商品収納棚10に画成された商品収納通路43に商品がローディングされる。商品収納通路43に最初にローディングされた商品は、商品収納通路43に突出した商品搬出装置5のペダル部材に保持されて販売順位一番の商品となり、次にローディングされる商品は、ペダル部材により保持された販売商品の前方側に積み重ねられて販売順位二番の商品となり、引き続いてローディングされる商品は、販売順位二番の商品の前方に順次積み重ねられる。このようにして商品収納ラック4に収納した商品は冷却/加熱ユニット7により冷却若しくは加熱されて販売に適したコールド若しくはホット状態に保存されて販売可能な状態(販売待機状態)となる。
【0050】
斯様な販売待機状態において、外扉2に設けた商品選択スイッチが操作されると、商品収納ラック4に架設された商品収納棚10に配設され選択された商品に対応する商品収納通路43の商品搬出装置5が動作して当該商品収納通路43に収納された販売順位一番の商品が商品落下通路46に搬出される。商品落下通路46に搬出された商品は、姿勢制御板47により落下速度が低減されるとともに姿勢矯正されたうえで商品搬出シュータ6のサブシュータ62における従シュータ622の着地面に落下する。この場合、サブシュータ62を構成する関節部623が主シュータ621と従シュータ622との山折れを規制しているので、サブシュータ62における従シュータ622の着地面に商品が落下すると関節部623を介して主シュータ621に商品荷重がかかる。これにより捻りコイルばねSPが縮んでサブシュータ62は上昇した待機位置から沈むように下降(揺動)を開始する。サブシュータ62が下降(揺動)してクッション65に当接すると当該クッション65は縮んでサブシュータ62の下降を許容しつつ商品の落下衝撃(鉛直方向の分力)を捻りコイルばねSPとともに吸収する。そして、サブシュータ62に落下した落下衝撃(鉛直方向の分力)を捻りコイルばねSPおよびクッション65により吸収された商品は前方に向かう分力によりサブシュータ62からメインシュータ61に移動した後、商品シュータ601,602の作用によりメインシュータ61の中央に寄せられたうえで、
図1に示す断熱内扉3に設けた商品搬出口3aの搬出口フラッパ3bを押し開いて外扉2の商品取出口2aに送出される。商品がサブシュータ62からメインシュータ61に乗り移った後、サブシュータ62は、捻りコイルばねSPの付勢力により上昇して待機位置に復帰する。
【0051】
ここで、捻りコイルばねSPは、サブシュータ62を上昇した待機位置に復帰させる程度の比較的弱い付勢力のものが採用されているので、捻りコイルばねSPの反発力によりサブシュータ62に落下した商品が跳ねてバウンドすることがなく、炭酸ガスを混和させた飲料のフォーミングの発生を抑制することが可能である一方、この種のスラントラックを備えた自動販売機では多種多様の商品を取り扱うため、商品の重量が大きい場合、サブシュータ62における従シュータ622に重量の大きな商品が落下(着地)するのに伴いサブシュータ62が下降した際、従シュータ622の前端が固定金具63に当接する事態が生じる。この場合、サブシュータ62が関節部623を備えていない場合には従シュータ622が固定金具63に当接すると商品に落下衝撃が加わるのでフォーミングが発生してしまうものである。しかしながら、関節部623を備えたサブシュータ62の場合、従シュータ622の前端が固定金具63に当接すると関節部623が主シュータ621と従シュータ622との谷折れを許容する。この状態を
図8に示し、
図8の(a)が従シュータ622の前端が固定金具63に当接した状態、
図8の(b)が主シュータ621と従シュータ622とが谷折れした状態を示している。そして、関節部623による主シュータ621と従シュータ622との谷折れ後も、主シュータ621には捻りコイルばねSPおよびクッション65の機能が継続して働くので、商品の落下衝撃を捻りコイルばねSPとともに吸収することができる。前記サブシュータ62を構成する関節部623による主シュータ621と従シュータ622との谷折れは実質的にサブシュータ62の可動ストロークを拡大させることを意味しており、自動販売機の高さを維持しつつ上下方向に多段の商品収納通路の段数をも維持することが可能である。
【0052】
前述したように、この実施の形態に係る自動販売機によれば、本体キャビネット1の商品収納庫内に商品を収納した商品収納ラック4およびこの商品収納ラック4から搬出された商品を商品取出口に送出する商品搬出シュータ6を備えた自動販売機において、前記商品搬出シュータ6は、商品収納ラック4から搬出される商品の落下位置に位置するサブシュータ62とこのサブシュータ62に落下した商品を商品取出口に送出するメインシュータ61からなり、前記サブシュータ62は、前後方向に分割された主シュータ621,従シュータ622および主シュータ621と従シュータ622とを連結し、かつ、主シュータ621と従シュータ622との山折れを規制する一方、谷折れを許容する関節部623を備え、さらに前記サブシュータ62は主シュータ621におけるメインシュータ61側を支点として上下方向に揺動する態様で上昇した待機位置に復帰するように付勢力(捻りコイルばねSPの付勢力)を受けた可動式として形成してなり、前記サブシュータ62の下方に、当該サブシュータ62が付勢力(捻りコイルばねSPの付勢力)に抗して下降した際に加圧される緩衝部材(クッション65)を配してなることにより、サブシュータ62に商品が着地した際の衝撃荷重がサブシュータ62に付与された付勢力(捻りコイルばねSPの付勢力)と緩衝部材(クッション65)とにより吸収されるので、炭酸ガスを混和させた飲料のフォーミングの発生を抑制することが可能となる。また、サブシュータ62に重量の大きな商品が着地してサブシュータ62における従シュータ622の後端が、サブシュータ62を保持する固定部材(固定金具63)に当接するような事態が生じた場合にはサブシュータ62の主シュータ621と従シュータ622とが関節部623を中心に谷折れの状態となることにより主シュータ621の揺動を許容するので、サブシュータ62の可動ストロークを拡大しつつ、サブシュータ62に付与された付勢力(捻りコイルばねSPの付勢力)と緩衝部材(クッション65)の機能を発揮させて重量の大きな商品がサブシュータ62に着地した際の衝撃を緩和させることができる。さらに、サブシュータ62が待機位置に復帰するように付勢力(捻りコイルばねSPの付勢力)を受けていることから、サブシュータ62の下方に配した緩衝部材(クッション65)は、待機位置に復帰したサブシュータ62により加圧されることがなく、販売待機状態でサブシュータに加圧され続けて経年変化するのを抑制することができるという効果を奏する。
【0053】
なお、前述した実施の形態においては、サブシュータの関節部623としてヒンジ機構と当該ヒンジ機構を中心とする主シュータ621および従シュータ622の山折れを規制する規制爪6221からなるものについて説明したが、メインシュータ61とサブシュータ62とを連結し、かつ、メインシュータ61とサブシュータ62との山折れを規制する一方、谷折れを許容するための種々の機構を採用することができ、実施の形態に限定されるものではない。また、前述した実施の形態においては、クッション65を固定金具63に貼着した例について説明したが、クッション65は、固定金具63と離隔する態様でサブシュータ62の下面に貼着して配することもできるものであり、実施の形態に限定されるものではない。