(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入庫ステーションと、出庫ステーションと、複数の保管棚と、これらの間を移動して保管対象物品を移載する走行型移載装置と、内部に前記保管対象物品が収容され各保管棚に対して着脱可能な複数のバケットとを備えた自動倉庫であって、
前記バケットは、前記入庫ステーション、前記出庫ステーション及び前記保管棚の間のみで使用され、内部に何も入っていない空バケットとして使われる場合と、内部に前記保管対象物品の入った実バケットとして使われる場合があるもので、
前記走行型移載装置は、前記空バケットを保持するストック部を備え、
入庫要求または再配置要求があった際に、前記実バケットを前記入庫ステーションまたは前記保管棚から取り出した後、前記ストック部から空バケットを前記入庫ステーションまたは前記保管棚に供給することを特徴とする自動倉庫。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜
図4を用いて説明する。本実施形態は、本発明の自動倉庫を、自動倉庫型の物品一時預かり装置1に適用したものであり、具体的には、駅前やコンビニエンスストア等の店舗に設置された自動倉庫型ロッカーとして用いられるものである。
【0010】
本実施形態では、
図1〜
図4に示すように、自動倉庫型の物品一時預かり装置1に預ける保管対象物品Gの差出人H1と、この保管対象物品Gを物品一時預かり装置1に入庫する入庫者H2と、物品一時預かり装置1から保管対象物品Gを出庫する出庫者H3と、その保管対象物品Gを受け取る受取人H4がいる状態を前提としている。以下、差出人H1、入庫者H2、出庫者H3及び受取人H4をまとめて「保管対象物品Gの関係者」と呼ぶことがある。差出人H1と入庫者H2が同一人物である場合、出庫者H3と受取人H4が同一人物である場合、または、これら全てが同一人物である場合、その他種々のパターンが考えられる。本実施形態では、ロッカーを宅配便の受取口として利用する一例を示すため、差出人H1が商店、入庫者H2が宅配業者、出庫者H3と受取人H4が当該保管対象物品Gの依頼者(一個人)である場合、言い換えれば、自動倉庫型の物品一時預かり装置1を宅配便の中継ロッカーとして用いる場合について説明する。
【0011】
自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、
図1〜
図4に示すように、入庫ステーション31と、出庫ステーション32と、保管棚43と、走行型移載装置とを備える。具体的には、複数の保管棚43を有する対をなす固定ラック4と、固定ラック4間の走行レール51に沿って走行可能なスタッカークレーン5(走行型移載装置)と、一方の固定ラック41に設けられた入庫ステーション31と出庫ステーション32とを兼ねる複数の入出庫ステーション31、32とを備える。また、この自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、入出庫ステーション31、32で予め待機しているバケットB内に入庫者H2が保管対象物品Gを入れた後、当該保管対象物品GをバケットBごと自動倉庫内部で一時的に保管するものである。この自動倉庫は、壁6で仕切られた構造となっており、その内部空間7にスタッカークレーン5の走行レール51に沿って配置される複数の保管棚43を備える。自動倉庫は、この保管棚43が垂直方向及び水平方向に多数備えられた一対の固定ラック4がスタッカークレーン5の走行レール51の両側に配置されている。
【0012】
各固定ラック4は、
図1〜
図4に示すように、上下方向及び横方向に複数の保管棚43を備える。一方の固定ラック41は、外面側が壁に接しており、内面側から前記スタッカークレーン5がアクセス可能なものである。他方の固定ラック42は、外面側が利用者の通行可能な通路に面しており、内面側から前記スタッカークレーン5がアクセス可能なものである。他方の固定ラック42の保管棚43の一部は、スタッカークレーン5から見た背面側を開閉可能としておくことで、入出庫ステーション31、32として使用される。すなわち、入出庫ステーション31、32として使用される保管棚43の外面側は扉33を備えており、外部から保管棚43にアクセス可能なものである。また、それ以外の保管棚43の外面側は外部から保管棚43にアクセスできないように壁32が形成されている。
【0013】
各保管棚43は、
図1〜
図4に示すように、所定の深さを有した同一種類のバケットBを使用して保管対象物品Gを保管するものである。各バケットBは、各保管棚43に着脱可能な係止部(図示しない)を備えており、上面側に開口を有している。各バケットBは、スタッカークレーン5が保管棚43にアクセスしてバケットBを取り出すときに前記保管棚43から係止部の係着状態を解除するとともに、スタッカークレーン5が保管棚43にバケットBを移動させるときに前記保管棚43に係止部を係着させるように構成されている。前記バケットBは、前記入庫ステーション31、前記出庫ステーション32及び前記保管棚43の間のみ、すなわち自動倉庫型の物品一時預かり装置1内の空間のみで使用されるものであり、内部に何も入っていない空バケットBEとして使われる場合と、内部に前記保管対象物品Gの入った実バケットBFとして使われる場合がある。
【0014】
スタッカークレーン5は、
図1〜
図4に示すように、入出庫ステーション31、32と保管棚43との間を移動して保管対象物品Gを移載するものである。このスタッカークレーン5は、前記保管対象物品Gを前記入庫ステーション31から前記保管棚43へ配置する機能、及び、前記保管対象物品Gを前記保管棚43から出庫ステーション32へ配置する機能に加えて、前記保管対象物品Gが保管されている保管棚43から別の保管棚43に当該保管対象物品Gを再配置する機能を備えている。
【0015】
本実施形態のスタッカークレーン5は、
図1〜
図4に示すように、前記保管対象物品GをバケットBごと移動させるものであり、バケットBを保持するフォーク部分(図示しない)を備えている。また、このスタッカークレーン5は、前記空バケットBEを保持するストック部52を備えており、このストック部52にもフォーク部分(図示しない)を備えている。これらのフォーク部分は互いに個別に駆動されるものである。そして、入庫要求または再配置要求があった際に、前記実バケットBFを前記入庫ステーション31または前記保管棚43から取り出した後、前記ストック部52から空バケットBEを前記入庫ステーション31または前記保管棚43に供給する。
【0016】
この自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、制御装置(図示しない)により制御される。制御装置は、汎用的なパーソナルコンピュータやワークステーション等のように、CPU、メインメモリ、補助記憶デバイス、通信インターフェース等のハードウェア資源を備え、これらがコントローラにより制御されるものであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
【0017】
以下、制御装置により制御された自動倉庫型の物品一時預かり装置1の動作の一例を説明する。
【0018】
初期状態では、入出庫ステーション31、32を含むすべての保管棚43に空バケットBEが収容してあり、スタッカークレーン5のストック部52にも空バケットBEが1つ保持されている。すなわち、自動倉庫型の物品一時預かり装置1内の空バケットBEの総数は、基本は「保管棚43の全数+1」個である。
【0019】
この状態から入庫者H2が操作端末機器(図示しない)等を用いて、保管対象物品Gに関する情報(例えば、差出人H1(商店)のIDと連絡先、入庫者H2(宅配業者)のIDと連絡先、出庫者H3及び受取人H4(依頼者)のIDと連絡先、保管対象物品Gの品名と常温/冷蔵での保管方法の別、出庫口の番号と希望条件(その出庫口であることをどのくらいの強度で希望するか)や拒否条件(その出庫口であることがどのくらいの強度で拒否するか)、出庫日時または時間帯と希望条件(その日時や時間帯にどのくらい出庫する希望または可能性があるか)や拒否条件(その日時や時間帯にどのくらい出庫しない可能性があるか))等が入力されると、制御装置がその内容を記憶する。
【0020】
入庫者H2による一連の情報入力が終了すると、入出庫ステーション31、32の一つの扉33が開き、入庫者H2が当該入出庫ステーション31、32に予め用意されているバケットBの中に保管対象物品Gを入れ、扉33を閉めることで入庫作業が完了する。言い換えれば、入庫者H2が操作端末機器で入庫要求をした後、複数ある入庫ステーション31のうちどの入庫ステーション31に入庫するかを報知する。そして、入庫者H2がその場所まで行き、保管棚43(入出庫ステーション31、32)の外側開閉扉33を開けてから保管対象物品Gを保管棚43内に収容する。
【0021】
この状態から自動倉庫型の物品一時預かり装置1の制御装置は、スタッカークレーン5を次のように制御する。また、操作端末機器から入庫要求があった際に、
図4(A)に示すように、スタッカークレーン5が前記実バケットBFを前記入庫ステーション31から取り出す。その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、
図4(B)に示すように、当該スタッカークレーン5のストック部52から空バケットBEを前記入庫ステーション31に供給する。
【0022】
その後、スタッカークレーン5は、実バケットBFを保管すべき保管棚43に移動させる。その際、
図4(C)に示すように、スタッカークレーン5のストック部52が空バケットBEを前記保管棚43から取り出す。その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、
図4(D)に示すように、当該スタッカークレーン5から実バケットBFを前記保管棚43に供給する。
【0023】
なお、どの保管棚43に移動させるかについては、入庫の際に入力された情報に基づいて決定する。例えば、どの出庫口から出庫させたいかや、どの日時に出庫させたいか等の情報に基づいて、前記保管対象物品G(実バケットBF)を移動させる保管棚43を決定する。具体的には、一の出庫口の近傍の保管棚43に、その出庫口から出庫すべき日時が近い実バケットBFを配置する。逆に、拒否日時条件等の設定によりしばらく出庫する予定のないものは、出庫口から離れた位置に保管しておけばよい。
【0024】
また、操作端末機器等から出庫要求があった際には、前述した入庫の際と逆の要領で、スタッカークレーン5が前記実バケットBFを保管棚43から出庫ステーション32へ移動させる。具体的には、出庫者H3が操作端末機器で出庫要求をした後、スタッカークレーン5が実バケットBFを前記保管棚43から取り出す。
【0025】
その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、当該スタッカークレーン5のストック部52から空バケットBEを前記保管棚43に供給する。この状態からスタッカークレーン5が上下左右に移動した後、スタッカークレーン5が前記空バケットBEを前記出庫ステーション32から取り出す。その後、スタッカークレーン5が上下方向に移動し、当該スタッカークレーン5から実バケットBFを前記出庫ステーション32に供給する。
【0026】
なお、自動倉庫の制御装置は、複数ある出庫ステーション32のうちどの出庫ステーション32から出庫されるかを報知する。出庫者H3がその場所まで行き、保管棚43(入出庫ステーション31、32)の外側開閉扉33を開けることで、保管対象物品Gを取り出すことができる。
【0027】
本実施形態の自動倉庫型の物品一時預かり装置1は、入庫ステーション31と、出庫ステーション32と、複数の保管棚43と、これらの間を移動して保管対象物品Gを移載するスタッカークレーン5と、内部に前記保管対象物品Gが収容され各保管棚43に対して着脱可能な複数のバケットBとを備えた自動倉庫型の物品一時預かり装置1であって、前記バケットBは、前記入庫ステーション31、前記出庫ステーション32及び前記保管棚43の間のみで使用されるものである。
【0028】
そのため、バケットBの管理が行いやすく、特に、本実施形態のような公共場所に置かれる自動倉庫型の物品一時預かり装置1には好適である。さらに、同一大きさ/形状のバケットBを使用しているので、保管対象物品Gの形状がどのようなものであっても適切にスタッカークレーン5で運ぶことができる。なお、「入庫ステーション、出庫ステーション及び保管棚の間のみ」とは、これらが含まれる自動倉庫の空間内全体を指すものであり、スタッカークレーン等の走行型移載装置を排除するものではない。
【0029】
前記バケットBは、内部に何も入っていない空バケットBEとして使われる場合と、内部に前記保管対象物品Gの入った実バケットBFとして使われる場合があるもので、前記スタッカークレーン5は、前記空バケットBEを保持するストック部52を備え、入庫要求があった際に、前記実バケットBFを前記入庫ステーション31から取り出した後、その実バケットBFが取り出された前記入庫ステーション31に前記ストック部52から空バケットBEを供給する。
【0030】
そのため、スタッカークレーン5に無駄な動きがなくなり、入庫に伴う処理を効率よく実行することができる。また、入庫ステーション31に実バケットBFと引き替えに空バケットBEが供給されるので、入庫要求がなされてから空のバケットを入庫ステーションに配置するものと比べて入庫口での待ち時間が少なくなり、連続的な入庫要求にも応えることができる。
【0031】
特に、本実施形態では、保管すべき保管棚43が決定した後、前記空バケットBEを前記保管棚43から前記ストック部52に取り出した後、その空バケットBEが取り出された前記保管棚43に実バケットBFを供給する。また、場合によっては、既に実バケットBFが保管されている保管棚43から当該先に保管されていた実バケットBFを前記ストック部52に取り出した後、先に保管されていた実バケットBFが取り出された保管棚43に今回保管したい実バケットBFを供給するようにしてもよい。すなわち、複数の実バケットBF同士をスタッカークレーン5を介して交換するようなものであってもよい。
【0032】
このようなものであれば、複数の保管棚43のうち、スタッカークレーン5の動きを効率化させるために最適な保管棚43に実バケットBFを移動させることができる。すなわち、空いている保管棚43から順に埋めていく従来の方法に比べて、複数ある保管棚43のうちの好ましい場所に実バケットBFを配置させやすくなるという効果が得られる。そのため、本実施形態のような依頼者から与えられた情報に基づいて当該保管対象物品Gを保管する保管棚43を決める場合に好ましい。
【0033】
また、本実施形態の自動倉庫1は、出庫要求があった際に、前記実バケットBFを前記保管棚43から取り出した後、その実バケットBFが取り出された前記保管棚43に前記ストック部52から空バケットBEを供給する。出庫ステーションへ移動した後、空バケットBEを前記出庫ステーション32から前記ストック部52に取り出し、その空バケットBEが取り出された前記出庫ステーション32に実バケットBFを供給する。
【0034】
そのため、スタッカークレーン5に無駄な動きがなくなり、出庫に伴う処理を効率よく実行することができる。なお、出庫ステーション32でバケットBから保管対象物品Gが取り出された後には、空バケットBEとしてそのまま出庫ステーション32に留まる。そのため、本実施形態のように、入庫ステーション31と出庫ステーション32を兼用させていれば、すぐに保管対象物品Gを入庫可能な待機状態とみなすことができる。
【0035】
本実施形態では、宅配便等の一時預かりロッカーとして自動倉庫を利用するものであり、保管対象物品Gが入庫されるごとに当該保管対象物品Gに依頼者から付与された情報を紐付け、これを用いて制御を行うので利便性を高めることができ、一時的に多くの人が収受を行う際の混雑に対応することができる。さらに、本実施形態の自動倉庫は、入出庫ステーション31、32を複数備えているので、自動倉庫型の物品一時預かり装置1に入出庫される保管対象物品Gの処理量を飛躍的に高めることができる。なお、入庫作業や出庫作業がない時間帯には、スタッカークレーン5は、すでに入庫されている保管対象物品Gの再配置作業を行うことができるのは言うまでもない。
【0036】
また、本実施形態の自動倉庫型の一時預かり装置1は、機械的な自動再配置または人為的な再配置要求があった際に、前記実バケットBFを前記保管棚43から取り出した後、前記ストック部52から空バケットBEを前記保管棚43に供給する。言い換えれば、前記実バケットBFを前記保管棚43から取り出した後、その実バケットBFが取り出された前記保管棚43に前記ストック部52から空バケットBEを供給する等、上述した入庫時や出庫時の制御に準じた制御を行い得る。
【0037】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0038】
走行型移載装置は、上述したスタッカークレーンには限られない。すなわち、走行型移載装置は、予め決められたルートを直線的に移動するものの他に、無人搬送車のようなものであってもよい。また、ストック部は、個別に駆動される二つのクレーン部のうち、どちら側に設定してもよい。さらに、一連の動作の間に二つのクレーン部の間で適宜ストック部を切り替えるようにしてもよい。なお、一方にストック部が設けられる二つのクレーン部は上下に並べて配置するものの他、横に並べて配置するなど種々変更可能である。また、ストック部を複数備えるものであってもよい。
【0039】
入庫ステーションと出庫ステーションは、それぞれ別々に設けられてもよい。また、保管棚以外の場所に設けられるものであってもよい。また、入庫ステーション、出庫ステーションの数は一個でもよく、複数でもよい。さらにその配置も種々変更可能である。
【0040】
自動倉庫のラックの配置については、図示したものに限られず、種々変更可能である。例えば、下層階と上層階とにわたってラックが形成されるものであってもよい。
【0041】
バケットの大きさや形状は図示したものに限られず、どのようなものであってもよい。また、上述した実施形態では、底面側で保管棚に係着(保持)されるように図示しているが、これに限られず、係止部がバケットの側面側または開口部側(上端部側)に形成されているものであってもよい。また、係止部の保管棚との係着の仕方も、棚板に載せ置かれるものに限られず、先行技術文献で示したような棚受けのみで保持されるものであってもよい。本発明の保管棚は、バケットを収容可能な空間に対する名称であって、棚板を備えないもの、すなわち、棚受けのみでバケットを支持するようなものであってもよい。
【0042】
自動倉庫内で使用されるバケットは、全てが同一大きさ/形状をなすものでなくてもよい。例えば、互いに深さの異なる2種類のバケットを用いるものであってもよい。この場合、空バケットを1種類ずつ待機させておけるように、ストック部を2つ備えるものが好ましい。
【0043】
上述した実施形態では、本発明の自動倉庫をロッカーに適用した場合について説明したが、ホテルのフロントでの荷物の一時預かりや、工場での組み立てに用いられる部品の一時保管にも適用できる。ホテル(催し物会場)のフロントでの荷物の一時預かりは、催し物の終了時間帯に荷物の受け取りが集中することになるが、上述したロッカーに準じた自動倉庫を用いれば、一時的に多くの人が収受を行う際の混雑に対応することができる。また、製造工場においては、製品番号別、または作業別に都合の良い日時に出庫ステーションへ該当保管対象物品を集合させて作業効率を向上させることができる。さらに、ロッカーの場合も、上述した実施形態のようなものに限られず、例えば入出庫口が引き出し式に形成されているものを用いる等種々変更可能である。
【0044】
上述した走行型移載装置は、前記保管対象物品を前記入庫ステーションから前記保管棚へ配置する機能に加えて、前記保管対象物品が保管されている保管棚から別の保管棚に当該保管対象物品を再配置する機能を備えていた。このようなものであれば、出庫希望時間帯に合わせて出庫ステーション近傍の保管棚を有効に利用することができ、出庫口での混雑を緩和することができる。宅配ロッカーの場合には、各出庫者の希望する引取時間を勘案して再配置すればよいし、ホテルのフロントの場合には、各催し物の終了時間を勘案して再配置すればよい。
【0045】
上述した実施形態では、宅配ロッカーの一例として、差出人が商店、入庫者が宅配業者、出庫者と受取人が一個人(依頼者)である場合について説明したが、これ以外の様々な場面が想定されるものであり、例えば、差出人と入庫者が一個人(依頼者)、出庫者が宅配業者、受取人が商店または依頼者もしくは依頼者以外の一個人という場面も考えられる。なお、自動倉庫を制御するために用いられる情報が、保管対象物品を入庫した自動倉庫型の物品一時預かり装置とは異なる場所に設けられた別の自動倉庫型の物品一時預かり装置の出庫口/出庫口群を指定可能なものであってもよい。このようなものであれば、宅配業者等により一から他の自動倉庫に保管対象物品を移動してもらうことにより希望する場所で保管対象物品を受け取ることが可能となる。
【0046】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。