(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受け付け手段が前記オファー側企業及び前記サーチ側企業の一方の企業に係る前記企業端末から他方の企業の詳細情報へのアクセス要求を受け付けた場合、当該オファー側企業及び当該サーチ側企業の間で商談を開始することにつき、前記オファー側金融機関及び前記サーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報を前記受け付け手段が受け付けていないときは、前記制御手段は、前記企業端末から前記詳細情報へのアクセスを制限す
る
請求項1に記載のマッチング支援システム。
前記受け付け手段が前記一方の企業に係る前記企業端末から前記他方の企業の前記詳細情報へのアクセス要求を受け付けた場合、当該オファー側企業及び当該サーチ側企業の間で商談を開始することにつき、前記オファー側金融機関及び前記サーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報が前記受け付け手段により受け付け済であるときのみ、前記出力手段が、前記詳細情報の少なくとも一部を前記一方の企業に係る前記企業端末に出力する
請求項2に記載のマッチング支援システム。
前記受け付け手段が一の前記金融機関端末から一の前記会員企業が入力した前記交渉履歴へのアクセス要求を受け付けた場合、当該金融機関端末に係る前記会員金融機関が前記一の会員企業に対応する会員金融機関であった場合のみ、前記出力手段が、前記交渉履歴への少なくとも一部を前記金融機関端末に出力する
請求項4に記載のマッチング支援システム。
マッチング案件に関する情報、並びに会員企業及び会員金融機関に関する情報を記憶し、マッチングサービスを提供するサーバと、前記会員企業により用いられ、前記サーバにアクセスする企業端末と、前記会員金融機関により用いられ、前記サーバにアクセスする金融機関端末とを有するシステムにおけるマッチング支援方法であって、
前記サーバが、外部端末から情報の入力を受け付けるステップと、
前記サーバが、前記マッチング案件に関する案件情報及び前記会員企業の各々の詳細を示す詳細情報が記録されたデータベースを記憶手段に記憶するステップと、
前記サーバが、前記データベースに記録されている情報の少なくとも一部を前記企業端末又は前記金融機関端末に出力するステップと、
一の外部端末から新規企業を会員として登録する要求を受け付けた場合において、当該要求が一の前記会員金融機関により承認されたことを示す情報を受け付けたときは、前記サーバが、当該新規企業を前記会員企業として、当該承認した当該会員金融機関の識別情報と対応付けて前記データベースに登録するステップと、
前記サーバが、前記会員企業の1つであるサーチ側企業に係る前記企業端末から案件検索要求を受け付け、
前記サーバが、前記案件検索要求に従って前記データベースにおいて検索されたマッチング案件に関する情報を前記サーチ側企業に係る前記企業端末に出力し、
前記検索されたマッチング案件に関し、当該マッチング案件をオファーした前記会員企業であるオファー側企業及び前記サーチ側企業の間で商談を開始することにつき、当該オファー側企業に対応する前記会員金融機関であるオファー側金融機関及び当該サーチ側企業に対応する前記会員金融機関であるサーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報が受け付けられた場合、前記出力するステップにおいて、前記オファー側企業に係る前記企業端末、前記オファー側金融機関に係る前記金融機関端末、前記サーチ側企業に係る前記企業端末、及び前記サーチ側金融機関に係る前記金融機関端末の少なくとも1つに対し、当該商談の開始が合意された旨が通知されるステップと
を有するマッチング支援方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.構成
図1は本実施形態に係るマッチング支援システム1の全体構成を例示するブロック図である。マッチング支援システム1は、案件をサーチ(すなわち検索)する企業とオファー(すなわち提供)する企業とのマッチングを支援するシステムである。マッチングの対象となる案件は、商品又はサービスの売買である。
【0016】
マッチング支援システム1の当事者(ユーザ)は、サーチ側企業、サーチ側金融機関、オファー側企業、及びオファー側金融機関である。サーチ側企業とは、案件をサーチする企業である。サーチ側企業は、例えばネジの購入を希望する企業である。サーチ側金融機関は、サーチ側企業の取引銀行である。サーチ側金融機関は例えば、サーチ側企業に融資を行っている地方銀行又は信用金庫である。オファー側企業とは、案件をオファーする企業である。オファー側企業は例えばネジを販売する企業である。オファー側金融機関とは、オファー側企業の取引銀行である。オファー側金融機関は例えばオファー側企業に融資を行っている地方銀行又は信用金庫である。
【0017】
マッチング支援システム1は、
図1に示すように、サーバ10、サーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bを備える。サーバ10は、サーチ側企業とオファー側企業とのマッチングサービスを提供するサーバである。サーバ10はマッチング案件に関する情報をサーチ側企業及びオファー側企業に提供する。マッチング案件とは、サーチ側企業がサーチしたい商材又はオファー側企業がオファーしたい商材に関する案件である。サーバ10はいわゆるクラウドサーバである。
【0018】
サーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bは、通信回線2を介してサーバ10と通信を行う。通信回線2は、例えばインターネット、移動体通信網、電話回線、及びLAN(Local Area Network)などのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
サーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bは、汎用コンピュータ(例えば、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、タブレット端末、スマートフォン)である。サーチ側企業端末20aは、サーチ側企業により用いられ、サーバ10にアクセスする端末である。オファー側企業端末20bは、オファー側企業により用いられ、サーバ10にアクセスする端末である。サーチ側金融機関端末30aは、サーチ側金融機関により用いられ、サーバ10にアクセスする端末である。オファー側金融機関端末30bは、オファー側金融機関により用いられ、サーバ10にアクセスする端末である。
【0020】
この実施形態では、マッチング支援システム1のユーザは、会員金融機関、会員企業、及び会員職業紹介事業者に大別される。会員金融機関は、マッチング支援システム1の運営事業者と契約した金融機関である。会員企業は、会員金融機関から紹介された企業である。会員企業は、例えば会員金融機関である金融機関が融資を行っている企業である。会員職業紹介事業者は、運営事業者と契約した人材紹介会社である。会員職業紹介事業者は、例えば所定の技術を有するエンジニアを紹介する人材紹介会社である。
【0021】
サーチ側企業端末20a及びオファー側企業端末20bは、会員企業(サーチ側企業又はオファー側企業)により用いられる端末である。以下の説明では、サーチ側企業端末20aとオファー側企業端末20bとが各々区別されない場合には、これらを「企業端末20」という。サーチ側金融機関端末30a及びオファー側金融機関端末30bは、会員金融機関により用いられる端末である。以下の説明では、サーチ側金融機関端末30aとオファー側金融機関端末30bとが各々区別されない場合には、これらを「金融機関端末30」という。
【0022】
図1の例では、図面が煩雑になるのを防ぐため、サーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bをそれぞれ1台ずつ図示しているが、複数のサーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bがマッチング支援システム1に含まれてもよい。
【0023】
図2は、マッチング支援システム1の機能構成を例示するブロック図である。図において、サーバ10は、受け付け手段11、記憶手段12、出力手段13、及び制御手段14を備える。受け付け手段11は、外部端末から情報の入力を受け付ける。外部端末は、例えば、企業端末20又は金融機関端末30である。
【0024】
記憶手段12は、マッチング案件に関する案件情報、会員企業に関する企業情報、及び会員金融機関に関する金融機関情報がそれぞれ記録されたデータベースを記憶するこの実施形態では、記憶手段12は、案件データベース、企業データベース、金融機関データベース、及び求人情報データベースを記憶する。案件データベースは、マッチング案件に関する情報を記録したデータベースである。マッチング案件に関する情報とは、例えば、商材・サービス名、仕様、価格、及び納期である。マッチング案件に関する情報は、さらに、オファー側企業とサーチ側企業との交渉履歴を含んでもよい。
【0025】
企業データベースは、会員である企業に関する情報(以下「会員企業情報」という)を記録したデータベースである。企業に関する情報とは、例えば、企業の名称、連絡先、所在地、売上、利益、取引銀行、主要商品、及び主要取引先である。金融機関データベースは、会員である金融機関に関する情報を記録したデータベースである。金融機関に関する情報とは、例えば、金融機関の名称、連絡先、及び所在地である。求人情報データベースは、求人情報を記録したデータベースである。求人情報は例えば、職歴、保有資格、勤務時間帯、及び年収条件等である。会員企業及び会員金融機関に関する情報は、それぞれ、概要情報及び詳細情報に区分される。概要情報は、詳細情報の一部である(詳細情報の方が情報量は多い)。
【0026】
出力手段13は、上記データベースに記録されている情報の少なくとも一部をサーチ側企業端末20a、オファー側企業端末20b、サーチ側金融機関端末30a、及びオファー側金融機関端末30bに出力する。
【0027】
制御手段14は、受け付け手段11、記憶手段12、及び出力手段13を制御する。また、受け付け手段11が一の外部端末から新規企業を会員として登録する要求を受け付けた場合において、その要求が一の会員金融機関により承認されたことを示す情報を受け付け手段11が受け付けたときは、制御手段14が、その新規企業を会員企業として、承認した会員金融機関の識別情報と対応付けて企業データベースに登録する。
【0028】
また、一のマッチング案件に関し、そのマッチング案件をオファーした会員企業であるオファー側企業及びそのマッチング案件をサーチした会員企業であるサーチ側企業の間で商談を開始することにつき、そのオファー側企業に対応する会員金融機関であるオファー側金融機関及びそのサーチ側企業に対応する会員金融機関であるサーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報が受け付け手段11により受け付けられた場合、出力手段13が、オファー側企業端末20b、オファー側金融機関端末30b、サーチ側企業端末20a、及びサーチ側金融機関端末30aの少なくとも1つに対し、その商談の開始が合意された(マッチングが成立した)旨を通知する。
【0029】
また、受け付け手段11がオファー側企業及び前記サーチ側企業の一方の企業に係る企業端末20から他方の企業の詳細情報へのアクセス要求を受け付けた場合、そのオファー側企業及びそのサーチ側企業の間で商談を開始することにつき、オファー側金融機関及びサーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報を受け付け手段11が受け付けていないときは、制御手段14は、その一方の企業に係る企業端末20から詳細情報へのアクセスを制限する。なおアクセスを制限するとは、アクセスを許可しないこと、及び限られた情報のみへのアクセスを許可することを含む。
【0030】
また、受け付け手段11が一方の企業に係る企業端末20から他方の企業の詳細情報へのアクセス要求を受け付けた場合、そのオファー側企業及びそのサーチ側企業の間で商談を開始することにつき、オファー側金融機関及びサーチ側金融機関の双方が承認したことを示す情報が受け付け手段11により受け付け済であるときのみ、出力手段13が、その他方の企業の詳細情報の少なくとも一部を一方の企業に係る企業端末20に出力する。
【0031】
また、受け付け手段11は、オファー側企業又はサーチ側企業に係る企業端末20から、商談の交渉履歴の入力を受け付ける。記憶手段12は、案件データベースにこの交渉履歴を記録する。
【0032】
受け付け手段11が一の金融機関端末30から一の会員企業が入力した交渉履歴へのアクセス要求を受け付けた場合、その会員金融機関がその会員企業に対応する会員金融機関であった場合(その会員企業を会員登録するときに承認した金融機関であった場合)のみ、出力手段13が、交渉履歴への少なくとも一部をその金融機関端末30に出力する。
【0033】
図3はサーバ10のハードウェア構成を例示するブロック図である。プロセッサ101は、サーバ10の他の要素を制御するプロセッサである。メモリ102は、プロセッサ101がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。記憶装置103は各種のプログラム及びデータを記憶する記憶装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)を含む。通信IF104は、予め定められた無線又は有線の通信規格(例えば、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信を行う。
【0034】
この例で、メモリ102又は記憶装置103に記憶されているプログラムをプロセッサ101が実行することにより、
図2に示される機能が実装される。プログラムを実行しているプロセッサ101及び通信IF104は、受け付け手段11、記憶手段12、出力手段13、及び制御手段14の一例である。
【0035】
図4は企業端末20のハードウェア構成を例示するブロック図である。プロセッサ201は、企業端末20の他の要素を制御するプロセッサである。メモリ202は、プロセッサ201がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する記憶装置であり、例えばRAMを含む。記憶装置203は各種のプログラム及びデータを記憶する記憶装置であり、例えば、SSD又はHDDを含む。通信IF204は、予め定められた無線又は有線の通信規格(例えば、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信を行う。UI(User Interface)部105は例えばタッチスクリーンとキーとを備える。UI部105はサーバ10に内蔵されていてもよく、また、外付けされて外部接続されてもよい。
【0036】
図5は金融機関端末30のハードウェア構成を例示するブロック図である。プロセッサ301は、金融機関端末30の他の要素を制御するプロセッサである。メモリ302は、プロセッサ301がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する記憶装置であり、例えばRAMを含む。記憶装置303は各種のプログラム及びデータを記憶する記憶装置であり、例えば、SSD又はHDDを含む。通信IF304は、予め定められた無線又は有線の通信規格(例えば、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信を行う。UI部305は例えばタッチスクリーンとキーとを備える。UI部305は金融機関端末30に内蔵されていてもよく、また、外付けされて外部接続されてもよい。
【0037】
2.動作
次いで、マッチング支援システム1の動作を説明する。上述したように、マッチング支援システム1のユーザは、会員金融機関、会員企業、及び会員職業紹介事業者に大別される。また、会員区分には、本会員と仮会員とがある。本会員は、商材の閲覧、及び商談の申し込みが可能な会員である。一方、仮会員は商材の閲覧のみが可能であり、商談の申し込みは不可である。会員職業紹介事業者が閲覧できる商材は、求人情報のみである。
【0038】
商材区分には、オファー商材、サーチ商材、及び求人情報がある。オファー商材とは、オファー側企業が販売したい商品、又は提供したいサービスである。オファー商材は例えば、ネジ、食料品、運送、及び広告である。サーチ商材とは、サーチ側企業が購入したい商品、又は提供を受けたいサービスである。サーチ商材は例えば、ネジ、食料品、運送、及び広告である。求人情報は、求人に関する情報である。
【0039】
企業端末20及び金融機関端末30には、マッチング支援システム1が提供するサービスを利用するためのアプリケーションが予めインストールされている。このアプリケーションは、企業端末20のプロセッサ201又は金融機関端末30のプロセッサ301が自装置の記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0040】
マッチング支援システム1の動作は、(i)会員登録、(ii)案件登録、(iii)案件検索・マッチング、(iv)人材紹介、に大別される。以下、これらの処理の各々を説明する。
【0041】
2−1.会員登録
まず、会員金融機関の登録動作を説明する。システム管理者は金融機関にマッチング支援システム1を紹介する。金融機関はマッチング支援システム1への登録の申込を行う。この申込は、例えば、契約書を交わすことにより行われる。契約は、紙の文書を交わすことによって行われてもよいし、オンラインの契約サービス(いわゆる電子契約)を用いて行われてもよい。契約のデータ(例えば、紙の文書の場合はスキャンデータ、電子契約の場合は電子契約を証明するデータ)は履歴としてマッチング支援システム1に記録される。他の契約についても同様である。申込がなされると、システム管理者は、マッチング支援システム1にログインし、金融機関の情報を簡易登録する。ここで登録される情報は例えば、金融機関の名称、連絡先、所在地、ログインID、等である。サーバ10はシステム管理者により入力された情報を金融機関データベースに登録する。また、システム管理者は、登録対象である金融機関に対し、ログインID及びパスワードを通知する。この通知は例えば、ログインID及びパスワードが金融機関端末30へ電子メールで送信、又は郵送されることにより行われる。パスワードは例えばマッチング支援システム1により発行された仮パスワードが用いられる。
【0042】
登録された金融機関の担当者等は、金融機関端末30を用いてマッチング支援システム1にログインし、金融機関の詳細情報を登録する。サーバ10は、金融機関端末30から受信される情報を金融機関データベースに登録する。
【0043】
また、金融機関は、自身の取引企業にマッチング支援システム1を紹介する。紹介された企業は、マッチング支援システム1への登録の申込を行う。この例において、金融機関が企業に代わってマッチング支援システム1にアクセスし、登録を申請する。なお、会員企業には、サーチ側、オファー側の区別は無い。また、ここで説明する会員登録は、本会員としての登録である。
【0044】
図6は、会員企業の登録動作の流れを例示するシーケンス図である。取引金融機関によりマッチング支援システム1を紹介された企業は、その取引金融機関に対し、マッチング支援システム1への登録の申し込みを行う。この申し込みは例えば、システム外で(企業と金融機関とが電話又は電子メール等でやり取りすることにより)行われる。なお、システム外で行われる処理については、図において便宜的に破線で示す。
【0045】
ステップS101において、金融機関端末30は、サーバ10に対して、新規企業の会員登録を申請する。この申請は、会員登録を希望する企業の概要情報を含む。企業の概要情報は、詳細情報の一部(例えば、社名及び電話番号)である。ステップS102において、サーバ10は、この企業を会員企業として企業データベースに登録する。具体的には、サーバ10の制御手段14は、その新規企業に対し企業ID及び仮パスワードを発行する。制御手段14は、企業ID、金融機関ID、仮パスワード、及びこの企業の概要情報を対応付けて、企業データベースに登録する。新規企業を企業データベースに登録すると、サーバ10は、金融機関端末30に企業ID及び仮パスワードを通知する(ステップS103)。金融機関の担当者は、サーバ10から通知された企業ID及び仮パスワードを、この新規企業に通知する。この通知は、例えばシステム外で行われる。
【0046】
金融機関から通知を受けると、企業の担当者は、企業端末20からサーバ10にアクセスする(ステップS104)。サーバ10は、新規企業の企業端末20からの初回アクセス時に、新規企業の詳細情報の登録を要求する(ステップS105)。詳細情報とは、マッチング支援システム1において規定される企業の属性情報であり、例えば、連絡先、住所、担当者名、事業内容、従業員数、直近3年間の売上及び利益等の情報を含む。企業の担当者は、この要求に従って詳細情報を入力する(ステップS106)。サーバ10は、入力された詳細情報を用いて企業データベースを更新する(ステップS107)。すなわち、サーバ10は、詳細情報を企業データベースに追加し、データベースを更新する。こうして、新規企業の会員登録が完了する。なお、マッチング支援システム1の運営事業者は、新規企業との間で別途(システム外で)契約書を交わしてもよい。
【0047】
図7は、企業データベースの内容を例示する図である。
図7の例では、「企業ID」、「名称」、「連絡先」、及び「取引銀行」等の各項目が互いに関連付けて記憶されている。これらの項目のうち、「企業ID」の項目には、その企業を識別する識別情報(企業ID)が記憶される。「名称」の項目には、その企業の名称を示す情報が記憶される。「連絡先」の項目には、その企業の連絡先(電話番号、メールアドレス等)を示す情報が記憶される。「取引銀行」の項目には、その企業と取引のある金融機関、又は、その企業の会員登録の要求を承認した金融機関を識別する識別情報(金融機関ID)が記憶される。
【0048】
図6の説明に戻る。ステップS108において、サーバ10は、企業を会員登録した旨を通知するための登録通知を、企業端末20に送信する。この登録通知には、企業のログインID及びパスワードが含まれる。企業端末20は、登録通知を受信し、会員登録がなされた旨を示す情報をUI部205に表示する等して企業の担当者等にその旨を通知する。また、ステップS109において、サーバ10は、企業を会員登録した旨を通知するための登録通知を、金融機関端末30に送信する。
【0049】
2−2.案件登録
図8は、案件登録動作の流れを例示するシーケンス図である。商材(又は案件。総称してオファーということがある)の登録を希望するオファー側企業の担当者等は、オファー側金融機関に、商材の相談を行う。この相談は、まずは例えばシステム外で(例えば電話又は電子メールを介して)行われる。金融機関との相談により商材の概要が固まったら、オファー側企業の担当者等は、オファー側企業端末20bを用いて、案件登録(又は案件変更)のための操作を行う。オファー側企業端末20bは、ステップS301において、案件の登録の申請を、オファー側金融機関端末30bへ送信する。この申請には、オファー側企業の企業ID、及び案件情報が含まれる。案件情報は、案件の内容を示す情報である。案件情報は例えば、案件の名称、仕様、価格、納期を示す情報、及びマッチングの可能期間を示す情報である。案件情報は、概要情報及び詳細情報に区分される。概要情報は、検索結果として閲覧可能な情報であり、マッチング成立前の状態においても閲覧できる等、相対的にアクセス制限が緩い情報である。詳細情報は、例えば金融機関の許可があったときに閲覧可能な情報であり、相対的にアクセス制限が厳しい情報である。一例において概要情報の入力欄と詳細情報の入力欄とは分けられており、担当者はこれらを区別して入力する。マッチングの可能期間は、オファー側企業の担当者等により設定される。マッチング可能期間を過ぎると、その案件は自動的に取り下げされる(すなわちマッチングの成立は不可能になる)。なお、案件情報は、登録後も更新が可能である。
【0050】
ステップS302において、オファー側金融機関端末30bは、申請された案件を承認するかを判定する。この実施形態では、オファー側金融機関端末30bが、その案件を申請したオファー側企業を識別する識別情報を企業データベースから検索し、検索された識別情報に対応する会員企業情報(企業の売上、利益、等)をUI部305に表示する等して出力する。オファー側金融機関端末30bを使用するオファー側金融機関の担当者等は、出力された会員企業情報及びその他の情報を参照し、その案件を承認するか否かを決定する。オファー側金融機関の担当者等は、その結果を、UI部305を用いてオファー側金融機関端末30bに入力する。オファー側金融機関端末30bは、UI部305から出力される情報に従い、その案件を承認するか否かを判定する。なお、判定方法はこれに限らず、他の方法であってもよい。例えば、オファー側金融機関端末30bのプロセッサ301が、企業データベースに記憶された情報及びその他の情報を用いて所定のアルゴリズムに従い自動的に判定を行ってもよい。
【0051】
申請された案件を承認した場合、オファー側金融機関端末30bは、ステップS303において、案件の登録要求をサーバ10へ送信する。サーバ10は、オファー側金融機関端末30bから案件の登録要求(外部端末からの情報の入力)を受け付ける。この登録要求には、オファー側企業の企業ID及び案件情報が含まれる。
【0052】
サーバ10はオファー側金融機関端末30bから案件の登録要求を受信する。ステップS304において、サーバ10は、案件を示すデータを案件データベースに記憶(登録)する。
【0053】
図9は、案件データベースの内容を例示する図である。
図9の例では、「案件ID」、「商材・サービス名」、「仕様」、及び「企業ID」等の各項目が互いに関連付けて記憶される。これらの項目のうち、「案件ID」の項目には、案件を識別する識別情報(案件ID)が記憶される。「商材・サービス名」の項目には、案件(商品・サービス)の名称を示す情報が記憶される。「仕様」の項目には、その案件の仕様を示す情報が記憶される。「企業ID」の項目には、その案件をオファーした企業を識別する企業IDが記憶される。なお、案件データベースには、これら以外にも、例えば、納期を示す情報、価格を示す情報、及びマッチングの可能期間を示す情報が含まれてもよい。
【0054】
図8の説明に戻る。ステップS305において、サーバ10は案件を登録した旨を通知する登録通知をオファー側金融機関端末30bへ送信する。オファー側金融機関端末30bは登録通知をサーバ10から受信し、ステップS306において、オファー側企業端末20bへ登録通知を送信する。オファー側企業端末20bは、案件が登録された旨を示す情報をUI部205に表示する等して企業の担当者にその旨を通知する。
【0055】
案件データベースに登録された案件(商材)の情報は、他企業により検索がなされた場合に他企業のサーチ側企業端末20aのUI部205に表示される。なお、案件データベースに登録されているマッチングの可能期間が過ぎた場合は、その案件はマッチング成立不可となる。
【0056】
一方、
図8のステップS302において案件が承認されなかった場合、オファー側金融機関端末30bは、その旨を示す情報をオファー側企業端末20bに送信する。送信される情報には、承認されなかった理由を示す情報が含まれる。オファー側企業端末20bは、サーバ10から情報を受信し、案件が承認されなかった旨を示す情報等をUI部305に表示する等してオファー側企業の担当者等に通知する。
【0057】
2−3.案件検索・マッチング
図10は、案件検索・マッチング動作の流れを例示するシーケンス図である。案件を検索するサーチ側企業の担当者等は、サーチ側企業端末20aのUI部205を介して、案件を検索するための検索条件(又は検索キー若しくはサーチ情報)の入力、及び検索開始の指示を行う。サーチ側企業端末20aは、ステップS401において、案件の検索要求をサーバ10へ送信する。この検索要求には、検索条件(例えば、商材の名称、サイズ)を示す情報が含まれる。
【0058】
ステップS402において、サーバ10は、検索要求に含まれる検索条件を満たす案件を、案件データベースから検索する。ステップS403において、サーバ10は、検索結果を示す情報をサーチ側企業端末20aに送信(出力)する。サーチ側企業端末20aは検索結果を示す情報をサーバ10から受信する。
【0059】
ステップS404において、サーチ側企業端末20aは受信された検索結果を示す情報に従い、検索結果をUI部205に表示する等して検索結果を出力する。出力される検索結果には、例えば、商材の概要、オファー側企業の概要、オファー側金融機関の概要が含まれる。
【0060】
図11はUI部205に表示される画面を例示する図である。
図11の例では、マッチング案件の内容を示す情報、オファー側企業の概要情報、及びオファー側金融機関の概要情報がUI部205に表示される。なおこの画面では、サーチ側企業は、オファー側企業の情報については、概要のみ閲覧することができ、詳細は閲覧することができない。逆にオファー側企業も、この段階では、サーチ側企業の情報については、概要のみ閲覧することができ、詳細は閲覧することができない。サーチ側企業の担当者等は、表示される情報を参照し、商談を申し込むかを検討する。商談を申し込む場合、サーチ側企業の担当者等は、興味を持った商材のIDや商材名を控え、金融機関に相談する。この相談は、例えばシステム外で(例えば電話又はメールを介して)行われる。
図11においては、システム外で行われる処理を便宜的に破線で示す。なお、実際の商談に進めるのは本会員のみであり、仮会員は商談に進むことはできない。仮会員が商談に進みたい場合には、本会員としての正式な契約手続を行う必要がある。正式な申込があった場合、システム管理者は会員の属性を仮会員から本会員に変更する。会員の属性(仮会員/本会員)は例えば企業データベースに登録される。
【0061】
図10の説明に戻る。商材に興味を持ったサーチ側企業の担当者は、サーチ側金融機関(すなわち自身の取引金融機関)に相談する。この相談はシステム外で行われる。サーチ側企業から相談を受けたサーチ側金融機関の担当者は、この商材をオファーしたオファー側企業を担当するオファー側金融機関に相談する。この相談はシステム外で行われる。他の金融機関から相談を受けたオファー側金融機関の担当者は、社内で協議したり、あるいはオファー側企業と相談したりして、この商談を受けるか否か判断する。会員金融機関は、マッチング支援システム1上で商材の情報又は企業情報(概要のみ)を閲覧することができるので、必要に応じてこれらの情報を参照して意思決定の材料とすることができる。
【0062】
この商談を受けると判断した場合、オファー側金融機関の担当者は、オファー側金融機関端末30bからサーバ10にアクセスし、マッチングが成立した旨を入力する。ここでいう「マッチングの成立」とは、オファー側企業(又はオファー側金融機関)及びサーチ側企業(又はサーチ側金融機関)の双方が、単に具体的な商談の開始に合意したことを意味するものであって、商材の売買契約が成立することを意味するものではない。この入力を受けると、ステップS405において、サーバ10は、その商材のマッチングが成立した旨を案件データベースに登録する。案件データベースには、マッチングが成立した日時、サーチ側企業の企業ID、及びサーチ側金融機関の企業IDが登録される。また、サーバ10は、成立したマッチングに係るサーチ側企業端末20a、サーチ側金融機関端末30a、オファー側企業端末20b、及びオファー側金融機関端末30bに対し、マッチングが成立した旨を通知する。この通知は、例えば、案件ID、並びにサーチ側、サーチ側金融機関、オファー側企業、及びオファー側金融機関の企業IDを含む。
【0063】
マッチングが成立した旨の通知を受けると、オファー側企業、オファー側金融機関、サーチ側企業、及びサーチ側金融機関は、実際の商談を開始する準備をする。商談を行うに先立って、オファー側企業、オファー側金融機関、サーチ側企業、及びサーチ側金融機関、の4者間で秘密保持契約が結ばれる。秘密保持契約はシステム外で締結される。秘密保持契約が結ばれると、サーチ側企業とオファー側企業とで交渉が行われる。また、サーチ側企業はサーチ側金融機関に相談を行うことができる。オファー側企業端末はオファー側金融機関に相談を行うことができる。サーチ側金融機関とオファー側金融機関は交渉を行うことができる。交渉及び相談は、システム外で(例えば電話又は電子メールを介して)進められる。
【0064】
なお、マッチングが成立した旨が登録されると、サーチ側企業端末20a及びサーチ側金融機関端末30aは、オファー側企業の詳細情報にアクセスすることが可能になる。同様に、オファー側企業端末20b及びオファー側金融機関端末30bも、サーチ側企業の詳細情報にアクセスすることが可能になる。商談に際し、各当事者は、これらの情報を参照することができる。
【0065】
交渉が行われると、サーチ側企業の担当者及びオファー側企業の担当者は、企業端末20を用いて交渉記録を作成し、システムに登録する。具体的には、ステップS406において、サーチ側企業端末20aは、UI部205から出力される情報に従い、交渉記録を示すデータをサーバ10へ送信する。また、ステップS407において、オファー側企業端末20bは、UI部205から出力される情報に従い、交渉記録を示すデータをサーバ10へ送信する。なお、これらの企業に代わり取引金融機関の担当者が、金融機関端末30を用いて交渉記録を登録してもよい。
【0066】
サーバ10は、企業端末20から交渉記録を受信し、受信された交渉記録をデータベースに登録する。登録された交渉記録は、サーチ側金融機関端末30a及びオファー側金融機関端末30bから閲覧可能である。交渉記録には閲覧権限が設定されている。金融機関は、自身の紹介企業が作成した交渉記録のみ閲覧可能である。また、企業は、自身が作成した交渉記録及びシステム管理者が作成した交渉記録のみ閲覧可能である。
【0067】
サーチ側企業及びオファー側企業の担当者は、商談の進捗に応じて交渉記録のステータスを変更する。ステータスは、例えば、「交渉中」、「成約」、及び「不成約」のいずれかの値を取る。「交渉中」はまだ交渉が継続中であり、結論が出ていないことを示す。「成約」及び「不成約」は、交渉の結論が出たことを示し、前者は交渉が成立したことを、後者は不成立であったことを、それぞれ示す。
【0068】
ステップS408において、サーチ側企業端末20aは、担当者により入力された指示に従い、ステータスの変更要求をサーバ10へ送信する。また、ステップS409において、オファー側企業端末20bは、担当者により入力された指示に従い、ステータスの変更要求をサーバ10へ送信する。サーバ10は、サーチ側企業端末20aから受信される変更要求及びオファー側企業端末20bから受信される変更要求に従い、案件情報のステータスを変更する。この実施形態では、案件のマッチングが成立したときに有効期限が設定され、この有効期限までに商談が終了していなければ企業端末20及び金融機関端末30においてアラートが表示される。アラートが表示された場合、商談を続ける場合にはオファー側金融機関又はサーチ側金融機関が、企業端末20を介して有効期限の延長をサーバ10に申請する。
【0069】
また、この実施形態では、サーバ10の受け付け手段11が一のサーチ側企業端末20aから一のマッチング案件に関する情報提供の要求を受け付けた場合、サーバ10の出力手段13は、一のマッチング案件の案件情報の少なくとも一部及びその一のマッチング案件をオファーしたオファー側企業に対応するオファー側金融機関を特定する情報を、その一のサーチ側企業端末20aに提供する。
【0070】
また、商談申込が承認された場合、サーバ10は、オファー側企業端末20bへ、商談申込を行ったサーチ側企業の詳細を示す詳細情報、及びそのサーチ側企業に対応するサーチ側金融機関を特定する情報を、送信する。
【0071】
商談の成立後は、サーチ側企業端末20a及びオファー側企業端末20bは、システム外で商材の発注、費用の請求などを行う。すなわち、実際に取引が開始された後は、マッチング支援システム1においてログ等は残らない。金融機関は口座への入金記録等から取引状況を知ることができる。
【0072】
2−4.人材紹介
2−4−1.求人情報の登録
図12は、求人情報の登録動作の流れを例示するシーケンス図である。企業の担当者等は、企業端末20を用いて、求人情報の登録(又は変更)のための操作を行う。企業端末20は、ステップS501において、求人情報の登録の申請を、金融機関端末30へ送信する。この申請には、会員企業を識別する識別情報(企業ID)、求人の詳細な情報(職種、勤務地、待遇、要件(経歴、保有資格)、等)、及び募集期間を示す情報が含まれる。
【0073】
金融機関端末30は、企業端末20からの求人情報の登録要求を受け付ける。金融機関の担当者等は、企業が作成した求人情報の内容を確認するとともに、契約手続きが済んでいることを確認する。ステップS502において、金融機関端末30は、サーバ10へ求人情報を送信する。サーバ10は、企業端末20からの求人情報の登録要求を受け付ける。ステップS503において、サーバ10は、求人情報を求人情報データベースに登録する。ステップS504において、サーバ10は、求人情報を登録した旨を通知する登録通知を企業端末20へ送信する。企業端末20は、人材が登録された旨を示す情報をUI部205に表示する等して企業の担当者にその旨を通知する。
【0074】
求人情報データベースに登録された求人情報の一部は、後述する求人検索・マッチング動作において、人材紹介会社に提示される。なお、求人情報データベースに登録されている募集期間が過ぎた場合は、その求人情報は自動的に取り下げられ、マッチングの成立が不可となる。この募集期間は金融機関により確認される。
【0075】
2−4−2.求人検索・マッチング
図13は、求人情報の検索動作の流れを例示するシーケンス図である。
図13の例では、人材を提供する側の企業(人材紹介会社)の企業端末20を、商材(この場合は人材)を提供するという意味において「オファー側企業端末20b」といい、求人を行う側の企業(雇い入れ会社)の企業端末20を、商材(この場合は人材)を検索するという意味において「サーチ側企業端末20a」という。人材紹介会社の担当者等は、オファー側企業端末20bのUI部205を用いて、求人情報を検索するための操作を行う。オファー側企業端末20bは、ステップS601において、求人情報の検索要求をサーバ10へ送信する。この検索要求には、検索条件(例えば、職種及び待遇)を示す情報が含まれる。
【0076】
ステップS602において、サーバ10は、検索要求に含まれる検索条件を満たす求人情報を求人情報データベースから検索する。ステップS603において、サーバ10は、検索結果を示す情報をオファー側企業端末20bに送信する。オファー側企業端末20bは検索結果を示す情報をサーバ10から受信する。
【0077】
ステップS604において、オファー側企業端末20bは受信された検索結果を示す情報に従い、検索結果をUI部205に表示する等して検索結果を出力する。出力される検索結果には例えば、求人情報が示す勤務条件、及び紹介元の金融機関の担当窓口の連絡先(メールアドレス、電話番号、等)が含まれる。
【0078】
求人情報の検索を行った企業(サーチ側企業)の担当者等は、表示される情報を参照し、人材を提供できそうな求人情報のIDを控え、該当する求人情報に記載された企業の情報(金融機関)を基に、概要を紹介元の金融機関の担当窓口に相談(又は連絡)する。この相談は、システム外で(例えば、電話又は電子メールにより)行われる。システム管理者は、求人情報を登録した企業の情報について、地域、業種、紹介元の金融機関の担当者の連絡先のみ閲覧可能である。
【0079】
紹介元の金融機関の担当者等は、求人情報を登録した企業(サーチ側企業)と相談し、又は自身の判断で、人材の紹介を受けるかを検討する。サーチ側企業とのやり取りは例えば、システム外で(電話やメールにより)行われる。人材の紹介を受ける場合、金融機関の担当者等はUI部305を用いてマッチングが成立したした旨を示す情報を入力する。ステップS605において、金融機関端末30は、UI部305から入力される情報に応じて、マッチング登録をサーバ10へ送信する。サーバ10は金融機関端末30からマッチング登録を受け付ける。このマッチング登録には、サーチ側企業を識別する企業IDが含まれる。
【0080】
ステップS606において、サーバ10は、マッチング登録があった旨(マッチングが成立した旨)を示す通知をオファー側企業端末20bへ送信する。また、ステップS607において、サーバ10は、マッチングが成立した旨を示す通知をサーチ側企業端末20aへ送信する。
【0081】
サーチ側企業の担当者と人材紹介会社の担当者とは、システム外で(例えば電話又はメールにより)人材紹介を受けるかについての交渉を行う。この交渉には、例えば、紹介候補者とサーチ側企業との面接が含まれる。交渉が行われると、サーチ側企業の担当者及びオファー側企業の担当者は、企業端末20を用いて交渉記録を作成し、システムに登録する。ステップS608において、オファー側企業端末20bは、UI部205から出力される情報に従い、交渉記録を示すデータをサーバ10へ送信する。また、ステップS609において、サーチ側企業端末20aは、UI部205から出力される情報に従い、交渉記録を示すデータをサーバ10へ送信する。
【0082】
サーバ10は、サーチ側企業端末20a及びオファー側企業端末20bから交渉記録を受信し、受信された交渉記録をデータベースに登録する。登録された交渉記録は金融機関の担当者等により閲覧可能である。交渉記録には閲覧権限が設定されている。金融機関は、自身の紹介企業が作成した交渉記録のみ閲覧可能である。また、企業は、自身が作成した交渉記録及びシステム管理者が作成した交渉記録が閲覧可能である。
【0083】
サーチ側企業の担当者及びオファー側企業の担当者は、交渉の進捗に応じて案件のステータスを変更する。この実施形態では、マッチングが成立したときに有効期限が設定され、この有効期限までに商談が終了していなければ企業端末20においてアラートが表示される。アラートが表示された場合、商談を続ける場合には金融機関又はシステム事業者が有効期限を延長する。商談が成立した場合、サーチ側企業端末20aとオファー側企業端末20bとは実際の契約へ進む。
【0084】
2−5.追加機能
図14は、別の実施形態に係るマッチング支援システム1の概要を示す図である。この例において、マッチング支援システム1は、
図1の構成に加えてサーバ90を有する。サーバ90は、マッチング支援システム1に追加機能及び追加コンテンツの少なくとも一方を提供するサーバである。サーバ90はサーバ10と同一の事業者によって運営されてもよいし、別の事業者によって運営されてもよい。また、サーバ90はサーバ10と同一のハードウェア装置に実装されてもよい。
【0085】
サーバ90が提供する追加機能は、例えば、eラーニング、研修管理システム、グループウェア、動画作成支援ツール、ライフプラン管理支援、相続支援ツール、各種資金計画ツール、ローン計画ツール、営業支援ツール、及び施設予約システムのうち少なくとも一種を含む。また、サーバ90が提供するコンテンツは、各種の研修動画及び業務支援動画を含む。
【0086】
図15は、追加機能の登録処理を例示するシーケンスチャートである。追加機能を登録しようとするサーチ側企業の担当者等は、サーチ側企業端末20aのUI部205を介して、追加機能を検索するための検索条件(又は検索キー若しくはサーチ情報)の入力、及び検索開始の指示を行う。サーチ側企業端末20aは、ステップS901において、追加機能の検索要求をサーバ10へ送信する。この検索要求には、検索条件(例えば、追加機能の名称、価格帯)を示す情報が含まれる。
【0087】
ステップS902において、サーバ10は、検索要求に含まれる検索条件を満たす追加機能を検索する。一例において、サーバ10は、サーバ90に対して問い合わせを行い、追加機能を検索する。あるいは、サーバ10は、サーバ90が提供する追加機能に関する情報を記憶したデータベースを有し、このデータベースにおいて追加機能を検索してもよい。この例において、サーバ90は、会員企業に提供可能な追加機能を、その会員企業の入会を承認した金融機関に応じて制限する。各金融機関が、マッチング支援システム1とは別に独自のシステムでこれらの追加機能を提供する場合があるためである。例えば、A金融機関により入会が承認された会員企業に対してはeラーニング、研修管理システム、及びグループウェアのみが提供可能であり、B金融機関により入会が承認された会員企業に対してはeラーニング、ライフプラン管理支援、相続支援ツール、各種資金計画ツール、ローン計画ツール、営業支援ツール、及び施設予約システムのみが提供可能である。サーバ10又はサーバ90は、金融機関の識別子とその金融機関に提供可能な追加機能の識別子とを対応づけたデータベースを記憶している。サーバ10又はサーバ90は、このデータベースを参照して、その企業に提供可能な追加機能を特定する。
【0088】
ステップS903において、サーバ10は、検索結果を示す情報をサーチ側企業端末20aに送信(出力)する。サーチ側企業端末20aは検索結果を示す情報をサーバ10から受信する。
【0089】
ステップS904において、サーチ側企業端末20aは受信された検索結果を示す情報に従い、検索結果をUI部205に表示する等して検索結果を出力する。出力される検索結果には、例えば、追加機能の属性情報、例えば、料金、仕様、及びデモンストレーション動画等が含まれる。
【0090】
追加機能に興味を持ったサーチ側企業の担当者は、サーチ側金融機関(すなわち自身の取引金融機関)に、その追加機能を導入したい旨を相談する。この相談はシステム外で行われる。サーチ側企業から相談を受けたサーチ側金融機関の担当者は、社内で協議したり、あるいは追加機能の提供事業者と相談したりして、この追加機能の導入可否を判断する。会員金融機関は、マッチング支援システム1上で追加機能の情報を閲覧したり、デモンストレーションを体験したりすることができるので、必要に応じてこれらの情報を参照して意思決定の材料とすることができる。
【0091】
サーチ側金融機関がこの追加機能を導入してよいと判断した場合、サーチ側企業、サーチ側金融機関、サーバ10の運営事業者、及びサーバ90の運営事業者の4者間で追加機能の提供契約が結ばれる。サーチ側金融機関の担当者は、サーチ側金融機関端末30aのUI部305を介して、追加機能の利用登録をするための登録要求をサーバ10に送信する(ステップS905)。この登録要求は、サーチ側企業の企業ID及び登録を希望する追加機能の識別子を含む。登録要求を受信すると、サーバ10は、サーバ90に対して追加機能の利用登録を行う。利用登録が完了すると、サーバ90は、登録要求の送信元であるサーチ側金融機関端末30aに対し、利用登録が完了した旨を通知する(ステップS906)。さらに、サーバ90は、登録要求に企業IDが含まれるサーチ側企業のサーチ側企業端末20aに対し、利用登録が完了した旨を通知する(ステップS907)。この通知には、例えばユーザID及びパスワード等、追加機能の利用に必要な情報が含まれる。これ以降、サーチ側企業端末20aは追加機能を利用することができる(ステップS908)。なおここではサーチ側企業及びサーチ側金融機関について説明したが、オファー側企業及びオファー側金融機関についても同様である。
【0092】
2−6.まとめ
この実施形態では、サーチ側企業とオファー側企業とをマッチングする際に、サーチ側金融機関とオファー側金融機関とでそれぞれ商談申込を承認するかを判定する(なお人材紹介の場合は、サーチ側金融機関のみ)。これにより、売買取引における購買者と販売者との仲介を支援するシステムにおいて、金融機関が自らの取引先の企業の取引相手を選別することができる。
【0093】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例に記載された事項のうち2つ以上のものが組み合わせられてもよい。
【0094】
(1)上述の実施形態において金融機関端末が行うものと説明した処理の一部を、企業端末が行ってもよい。また、その逆も可能である。例えば、実施形態においては、新規企業の会員登録を金融機関端末30が仲介する例を説明した。しかし、新規企業の会員登録の際、金融機関端末30は会員登録の承認をするだけであり、新規企業の企業端末20が直接、サーバ10にアクセスしてもよい。
【0095】
図16は、この変形例に係る会員企業の登録動作の流れを例示するシーケンス図である。会員登録を希望する企業の担当者等は、企業端末20のUI部205を用いて、会員登録のための操作を行う。会員登録のための操作は、企業の属性(例えば、企業の名称、連絡先、所在地、売上、利益、取引銀行、主要商品、又は主要取引先等)の入力を含む。ステップS151において、企業端末20は、UI部205から出力される情報に従い、会員企業の登録要求をサーバ10に送信する。この登録要求には、入力された属性を示す情報が含まれる。
【0096】
サーバ10の受け付け手段11は、企業端末20(外部端末の一例)から新規企業を会員企業(サーチ側企業又はオファー側企業)として登録する要求を受け付ける。ステップS152において、サーバ10は金融機関端末30に対し、承認依頼を送信する。承認依頼の送信先となる金融機関端末30は、ステップS151において入力された取引銀行に対応する端末である。金融機関端末30はサーバ10から承認依頼を受信する。この承認依頼には、例えば、会員企業の登録要求に含まれていた情報が含まれる。
【0097】
ステップS153において、金融機関端末30は、受信された承認依頼に対応する企業を会員企業として承認するかを判定する。この実施形態では、金融機関端末30を使用する金融機関の担当者等が、承認依頼に含まれる情報及びその他の情報を参照して承認するか否かを決定し、その結果を、UI部305を用いて金融機関端末30に入力する。金融機関端末30は、UI部305から出力される情報に従い、その企業を承認するか否かを判定する。なお、判定方法はこれに限られず、他の方法であってもよい。例えば、金融機関端末30のプロセッサ301が、承認依頼に含まれる情報及びその他の情報を用いて所定のアルゴリズムに従い自動で判定を行ってもよい。
【0098】
その企業を承認する場合、金融機関端末30は、ステップS154において、会員登録の要求がサーチ側金融機関又はオファー側金融機関により承認されたことを示す情報をサーバ10に送信する。一方、承認しない場合、金融機関端末30は、承認しない旨を示す情報をサーバ10に送信する。この場合、サーバ10は承認しない旨を示す情報を企業端末20に送信し、企業端末20は、承認されなかった旨を示す情報をUI部205に表示する等して企業の担当者等にその旨を通知する。
【0099】
サーバ10の受け付け手段11は、新規企業の登録要求がサーチ側金融機関により承認されたことを示す情報を、金融機関端末30から受信する。ステップS155において、サーバ10の制御手段14は、承認された企業を会員企業として登録する処理を行う。すなわち、サーバ10の受け付け手段11が企業端末20(外部端末の一例)から新規企業を会員登録する要求を受け付けた場合において、その要求が金融機関により承認されたことを示す情報を受け付けたときは、サーバ10の制御手段14は、その新規企業に関する情報を、その新規企業を承認した金融機関の金融機関IDと対応付けて企業データベースに登録する。
【0100】
ステップS156において、サーバ10は企業を会員登録した旨を通知するための登録通知を企業端末20へ送信する。企業端末20は、登録通知をサーバ10から受信し、会員登録がなされた旨を示す情報をUI部205に表示する等して企業の担当者等にその旨を通知する。
【0101】
(2)上記の実施形態においてシステム外で行われたやり取りの少なくとも一部をシステム上で行ってもよい。例えば、マッチングの成立前において、サーチ側金融機関とオファー側金融機関とがシステム上でメッセージのやり取りを行ってもよい。このメッセージは交渉記録としてサーバ10に保存される。サーチ側企業端末20a又はオファー側企業端末20bは、この交渉記録を閲覧することができる(他の金融機関端末、及び企業端末は、この交渉記録にアクセスできない)。
【0102】
(3)上述の実施形態では、会員企業にサーチ側、オファー側の区別は設けられていなかった。これに代えて、会員企業として新規企業が登録される際に、サーチ側企業とオファー側企業とが区別されて登録されてもよい。
【0103】
(4)上述の実施形態では、商材を提供する企業がオファー側企業となる例を説明したが、商材の提供を受ける企業がオファー側企業となってもよい。例えば、まず、ある仕様のネジの購入を希望する企業が「この仕様のネジを作ってくれる企業さんいませんか?」といった情報を案件データベースに登録する。これに対し、ネジの製造会社が案件をサーチし、マッチングを申し込んでもよい。
【0104】
(5)上述の実施形態において、システム外で行われたやり取りの少なくとも一部を、システム上で行うようにしてもよい。
【0105】
図17は、案件検索・マッチング動作の別の例を示すシーケンス図であり、
図10に対応するものである。
図17に示される処理が
図10に示された処理と異なる点は、
図10のステップS404とS405の間に、ステップS701〜S703の処理が行われる点である。ステップS701において、サーチ側企業端末20aは、商談申込をサーチ側金融機関端末30aに送信する。また、ステップS702において、サーチ側金融機関端末30aは、商談申込をオファー側金融機関端末30bへ送信する。また、ステップS703において、オファー側金融機関端末30bは、商談申込をオファー側企業端末20bへ送信する。
【0106】
(6)上述の実施形態では、案件について企業間のマッチングが成立するまでは、互いに相手企業の詳細情報にアクセスすることができなかった。しかし、サーバ10は、マッチング成立前の段階においても、相手企業の詳細情報へのアクセスを認めてもよい。あるいは、サーバ10は、自身の取引金融機関又は相手方の取引金融機関の承諾があった場合等の条件付きで、相手企業の詳細情報へのアクセスを認めてもよい。
【0107】
(7)マッチング支援システム1は、案件登録又は案件検索等の各種情報の入力時に情報入力を補助する機能を有してもよい。一例において、マッチング支援システム1は、各種情報の入力に際して用いるテンプレートを記憶する。ユーザはこのテンプレートを用いて情報を入力する。あるいは、情報入力のUI画面が複数の項目に細分化され、これら複数の項目の一部はプルダウンメニューにより情報を入力するものであってもよい。
【0108】
別の例において、各種情報の入力に際しては禁則事項又は禁止事項が設定されている。一例として、マッチングの成立前において企業名を伏せるという規則があるが、案件情報の概要に企業名又は具体的な商標を記載してしまうと事実上この規則が無意味となってしまう。そこで、マッチング支援システム1は、禁則事項が入力されたことを検知するとユーザに警告をしてもよい。警告の手法としては、例えば、メッセージの表示、又は禁則事項の部分を他と異なる外観での表示(例えばハイライト表示)がある。例えば、マッチング支援システム1は禁則事項の一覧を記憶している。この一覧と一致する語が検知された場合、マッチング支援システム1はユーザに警告する。別の例において、禁則事項が入力されたか否かの判断にあたって、マッチング支援システム1は、その企業(すなわちオファー側企業)の企業情報を参照してもよい。例えば、マッチング支援システム1は、オファー側企業の企業情報と同一又は類似する情報が概要情報に含まれていた場合、禁則事項に該当すると判断する。禁則事項は企業に対してだけではなく、商材に対して設定されてもよい。掲載不可の商材は、例えば、麻薬又は軍事品等の違法なもの、若しくは営業秘密又はノウハウのように情報管理上不適当とされるものが含まれる。
【0109】
情報入力を補助する機能の別の例として、マッチング支援システム1は、オファー情報(すなわち商材の概要情報及び詳細情報)の記載を支援してもよい。記載の支援には、一例として機械学習が用いられる。マッチング支援システム1がある期間運用されると、登録されたオファーとその最終結果(成約又は非成約)のデータが蓄積される。マッチング支援システム1は、入力層、中間層、及び出力層を有する機械学習モデルにアクセスする。マッチング支援システム1は、これらのデータのうちオファーのデータを入力層に、最終結果のデータを出力層に教師データとして与え、機械学習をさせて学習済みモデルを生成する。新たなオファーの登録に際しオファー情報が入力されると、マッチング支援システム1は、このオファー情報を学習済みモデルに入力する。この学習済みモデルから出力される最終結果(の予測)が否定的なものである場合、マッチング支援システム1は、ユーザに警告する。あるいは、この学習済みモデルが判断の根拠(最終結果に大きな影響を与える部分)を示す機能を有している場合、マッチング支援システムは、入力されたオファー情報のうちその部分を明示してもよい。同様に、マッチング支援システム1は、企業情報の入力に際しても記載の支援をしてもよい。
【0110】
情報入力を補助する機能のさらに別の例として、
図14及び
図15を用いて説明した追加機能が用いられてもよい。例えば、マッチング支援システム1は、動画作成支援ツールを用いて、商材の紹介をする動画の作成を支援してもよい。
【0111】
(8)マッチング支援システム1は、企業からの要求を金融機関が承認するまでの工程を管理してもよい。例えば、マッチング支援システム1は、企業からの要求が金融機関において承認されるまでを複数の工程に細分化し、各工程が完了した日時、及びその要求が現在どの工程にいるか、を記憶する。マッチング支援システム1は、その要求を行った企業からのアクセスに対し、これらの記録を出力する。この記録を閲覧することにより、企業は、自分の行った要求の進捗を確認することができる。
【0112】
(9)マッチング支援システム1は、オファー情報又は検索要求を統計処理した情報を金融機関又は企業に提供してもよい。この統計処理は、例えば各種のランキング生成を含む。生成されるランキングは、例えば、検索件数、成約件数、成約金額、及びアクセス数の少なくとも一種を含む。検索件数は、商材の属性又は企業の属性の検索件数に関するものである。成約件数及び成約金額は、それぞれ、オファーの成約件数及び成約金額に関するものである。アクセス数は、検索結果の表示画面において詳細情報が閲覧された件数に関するものである。マッチング支援システム1は、例えば検索結果の一覧を表示する際に、これらのいずれかのランキングに従う順序で検索結果を表示する。あるいは、マッチング支援システム1は、オファー情報の概要情報又は詳細情報と一緒に、オファーをした企業のランキング又はこれらの数値(例えば成約件数)を表示してもよい。マッチング支援システム1は、これら複数項目を統合した指標を計算し、そのランキング又は数値を表示してもよい。企業又は金融機関は、これらの情報を、マッチング適否の判断に用いるだけでなく、ニーズの探索、マーケティング活動、又は事業戦略の立案に活用することができる。
【0113】
例えば、会員金融機関は検索件数のランキングを参照し、「いまこの仕様のネジの需要が高まっているな」というような市場の動向を判断する。金融機関は、この判断に基づいて取引企業に対し新製品の開発を提案することができる。あるいは、会員企業自身がこのランキングを参照し、新製品開発等の経営判断をすることができる。
【0114】
(10)マッチング支援システム1は、会員金融機関に対し、各種の情報を集約したいわゆるポータル画面を提供してもよい。ポータル画面は、例えば、金融機関端末30からマッチング支援システム1にログインしたときに最初に表示される。ポータル画面には、例えば、進行中の商談の一覧及び会員企業からの要求の一覧が含まれる。これらの情報は、所定の優先順位(例えば、期限が早い順)で並べられる。所定の条件を満たす項目(例えば、期限までの日数がしきい値以下の項目)については、他の項目と異なる外観で表示する等、マッチング支援システム1はユーザにアラートを出力してもよい。
【0115】
(11)マッチング支援システム1が行う処理の順序は、上述した実施形態において説明された例に限られない。処理のステップは、矛盾が生じない限りにおいて、入れ替えられてもよい。また、本発明は、マッチング支援システム1において行われるマッチング支援方法として提供されてもよい。
【0116】
(12)上述の実施形態では、企業端末20及び金融機関端末30にマッチング支援システム1が提供するサービスを利用するためのアプリケーションが予めインストールされている場合を説明した。企業端末20及び金融機関端末30は、専用のアプリケーションによりサーバ10とデータのやり取りを行ってもよく、また、Webブラウザ等の汎用のアプリケーションによりサーバ10とのデータのやり取りを行ってもよい。Webブラウザ等の汎用のアプリケーションが用いられる場合、マッチング支援システム1のための専用のアプリケーションが各端末にインストールされる必要はない。
【0117】
(13)上述の実施形態では、企業データベース、案件データベース及び金融機関データベース等のデータベースがサーバ10の記憶装置103に記憶されている場合を説明した。各データベースはサーバ10以外の他の装置に記憶されていてもよい。この場合、サーバ10は通信回線2を介して各データベースにアクセスする。
【0118】
(14)上述の実施形態では、オファー側金融機関、オファー側企業、サーチ側金融機関、及びサーチ側企業の商談は、電話又はメール等でやり取りすることにより進められた。商談申込を承認するか否かの判定方法は、上述した実施形態で示したものに限られない。例えば、サーチ側金融機関端末30a及びオファー側金融機関端末30bが、商談申込に含まれる情報及びその他の情報(データベースに登録された情報、等)を用いて所定のアルゴリズムに従い判定を行ってもよい。
【0119】
また、この判定処理において、サーチ側金融機関端末30aは、サーチ側企業に関する情報を閲覧する要求をサーバ10へ送信してもよい。この場合、サーバ10は、その要求をされたサーチ側企業の情報を企業データベースから検索し、検索された情報をサーチ側金融機関端末30aに送信する。すなわち、この例では、サーバ10の受け付け手段11が一のサーチ側金融機関端末30aから企業データベースに記録されている情報のうち一のサーチ側企業に関する情報を閲覧する要求を受け付けた場合、出力手段13は、その要求をされたサーチ側企業の情報をサーチ側金融機関端末30aに提供する。
【0120】
また、上記判定において、オファー側金融機関端末30bは、オファー側企業に関する情報を閲覧する要求をサーバ10へ送信してもよい。この場合、サーバ10は、その要求をされたオファー側企業の情報を企業データベースから検索し、検索された情報をオファー側金融機関端末30bに送信する。すなわち、この例では、サーバ10の受け付け手段11が一のオファー側金融機関端末30bから企業データベースに記録されている情報のうち一のオファー側企業に関する情報を閲覧する要求を受け付けた場合、出力手段13は、その要求をされたオファー側企業の情報を、オファー側金融機関端末30bに提供する。
【0121】
(15)上述の実施形態においてサーバ10により実行された処理は、他の装置により実行されてもよい。例えば、企業端末20及び/又は金融機関端末30に専用のアプリケーションをインストールさせ、上述の実施形態においてサーバ10が実行した各種の処理をいずれかの端末が実行してもよい。
【0122】
また、上述の実施形態においてサーバ10により実行された各種の処理を、複数のサーバが協働して実行してもよい。例えば、
図2に示す機能構成部毎に設けられた複数のサーバが協働することにより
図2に示す各機能が実装されてもよい。
【0123】
(16)上述の実施形態において人間が判断するものとして説明した事項の少なくとも一部が、機械学習等を用いたAI(Artificial Intelligence)技術によって置換されてもよい。すなわち、人間に代わりマッチング支援システム1が自動的に判断をしてもよい。
【0124】
(17)上述の実施形態において、サーバ10のプロセッサ101、企業端末20のプロセッサ201、又は金融機関端末30のプロセッサ301により実行されるプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、これらのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。