(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の調理容器が前記第1の調理容器よりも小さい直径を有し、積み重ねられたときに、前記第2の調理容器と入れ子になることを特徴とする請求項12に記載の調理用品システム。
前記第1の調理容器および前記第2の調理容器のそれぞれの周縁部に適合するように構成された蓋を、さらに備えることを特徴とする請求項11に記載の調理用品システム。
前記調理用品が、第1の直径を有する第1の調理容器と、前記第1の調理容器との入れ子状の積み重ねのために構成される、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を備えている第2の調理容器と、を備えることを特徴とする請求項18に記載の2つ以上の調理用品のセット。
前記2つ以上の調理用品のセットにおける調理容器のそれぞれの周縁部に適合するように構成された蓋を、さらに備えることを特徴とする請求項19に記載の2つ以上の調理用品のセット。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、例えば、積み重ね用に構成された調理容器や調理器具、これらのセットなどの、調理用品を含んでいる積み重ね可能な調理器具システムについて記載している。この調理器具システムは、例えば直径、高さ、または長さなどの異なる寸法を有している調理用品を安定して支持するように構成されてもよい。
【0016】
様々な実施形態において積み重ね可能な調理器具システムが、積み重ね可能な調理器具の取っ手部を含んでおり、当該取っ手部は、異なる寸法を有する多種多様な調理用品に配置されて、これらの調理用品を安定して積み重ねることができるようにしてもよく、当該調理用品が、いくつかの実施形態において、入れ子状の配置で積み重ねることを含んでもよい。したがって調理用品が積み重ね可能な取っ手部を配置し、これらの調理用品の多様な寸法にもかかわらず、安定した積み重ねを提供している。現在の積み重ね可能な調理器具とは異なり、本明細書に開示される、積み重ねている調理器具システムが、積み重ねられた調理用品の間に安定して確保された間隔を含んでもよく、繊細な仕上げを損なわないようにしている。この積み上げることが自己安定式であってもよく、積み上げられた物品が、積み上げ補助なしで積み上げられるようにしてもよい。例えば、積み上げにおける下方の物品が、当該下方の物品の上に積み上げられた物品の重量を支持してもよい。
【0017】
様々な図において同様の参照番号が同様の構成要素に言及している
図1A〜
図8Bを参照すると、積み重ね可能な調理器具システム20が調理器具の取っ手部200を含んでもよく、この取っ手部200は、当該取っ手部200を配置している調理用品50を、整列し積み重ねて係合するために構成される。例えば調理器具システム20が、調理器具容器100,100',100''にそれぞれ取り付けられた複数の取っ手部200,200',200''を含んでもよい。
【0018】
簡略して表現するため、アクセントの付いていない参照番号により提供される単独の調理用品50、単独の容器100または単独の取っ手部200に関して、図面を参照し、本明細書における調理器具システム20の様々な特徴が記載されてもよい。このような記載は、これらの図面に示された、対応するアクセント付き参照番号により識別される構成要素に適用可能であってよいことが理解されよう。なお様々な図面において、調理用品50は通常、調理器具容器100として示される一方で、調理用品50が、例えば取っ手部200を配置可能な、(
図8Aおよび
図8Bに示されるような)器具801などの、他の調理器具の物品を含んでもよい。例えば様々な実施形態において、この取っ手部200は、サイズが次第に増加または減少する複数の調理器具容器100に配置されてもよく、整列された入れ子状の積み重ねの係合を提供している。また他の実施例において、例えば調理器具容器100などの、他の調理器具801や他の調理用品50と共に使用される調理器具801と共に取っ手部200が配置されてもよく、(例えば、
図8Aおよび
図8Bに示されるように)当該調理器具801が能動的に使用されていないときに、この調理器具801の取っ手部200を、調理用品50の他の取っ手部200''上に積み重ねている、または置いている。このことにより、調理容器100内の食品を扱うための調理に調理器具801が使用されてていないとき、カウンターのスペースを消費する別個のプレートや調理器具ホルダを必要とすることを避けている。また、調理器具801が移動すること、もしくは調理器具801が、調理台や隣接するコンロまたはオーブンの表面を汚すことも防止している。いくつかの実施形態において、調理器具801を積み重ねること、または置くことにより、当該調理器具801が、実質的に同様の積み重ね可能な嵌合部を配置している他の積み重ねられた調理用品50と入れ子になることをもたらしてもよい。
【0019】
取っ手部200は通常、雄嵌合部203または雌嵌合部204の一方または両方を含んでいる。例えば、特に
図2Aで表現されるように、取っ手部200'が、第2の取っ手部200の雌嵌合部204との積み重ね可能な接続用の雄嵌合部203'と、第3の取っ手部200''の雄嵌合部203''との積み重ね可能な接続用の雌嵌合部204'と、を含んでもよい。このような配置において、雄嵌合部および雌嵌合部203'、204および203'’、204'が係合面に沿って係合し、積み重ねられた調理用品50'、50''の重量を協働して支持してもよく、当該積み重ねられた調理用品50'、50''が、複数の積み重ねられた調理用品50、50'、50''を含んでもよい。雄嵌合部および雌嵌合部203、204が、(例えば
図2Aに示されるように)後方位置に位置していてもよく、(例えば
図5Aに示すように)前方位置に位置していてもよく、あるいは取っ手部200に沿った他の位置に位置していてもよい。
【0020】
図1A〜
図1Eを具体的に参照すると、相補的な嵌合部を有する他の取っ手部との積み重ね可能な調理器具用に構成された少なくとも1つの嵌合部203、204を有する、縦方向に延びている積み重ね可能な取っ手部200を、積み重ね可能な調理用品システム20が含んでもよい。この取っ手部200が、フランジ210および把持部220を含んでもよい。このフランジ210が基部側の端部210aから先端側の端部210bまで延びていてもよい。同様に、把持部220が基部側の端部220aから先端側の端部220bまで延びていてもよい。フランジ210が、その先端側の端部210bで、把持部220の基部側の端部220aに取り付けられてもよい。
【0021】
図2Cをさらに参照すると、調理器具システム20が、取っ手部200を配置する調理器具容器100を備えている調理用品50を含んでもよい。調理器具容器100は、直立して取り囲んでいる側壁120の付いた底部110を含んでもよく、当該側壁120は、周縁部130で上部の範囲に沿って終了している。取っ手部200が、例えばリベット140などにより、フランジ210の基部側の端部210aに沿って側壁120に連結されてもよい。フランジ210は、リベットで側壁120に取り付けられることが好ましい一方で、このフランジ210が、溶接継手や、ねじ付きのナットおよびボルトなどで取り付けられてもよい。また好ましくは金属であるフランジ210は、取っ手部200の基部側の端部220aとの共通の接合部で、より狭い断面部を有している。フランジ210および把持部220が、同一または類似の材料を備えてもよく、または単一構造を備えてもよく、このフランジ210が、例えば調理容器または調理器具などの、調理製品との接続結合部を含んでいることが理解されよう。
【0022】
また把持部220が、雄嵌合部203または雌嵌合部204の少なくとも一方を含んでもよく、当該雄嵌合部203または雌嵌合部204は、積み重ね可能な嵌合部用に構成された、他の把持部220の相補的な雄嵌合部または雌嵌合部と接続されるように構成されている。例えば把持部220が、孔225を備えている雌嵌合部204を含んでもよい。しかし一方で、孔225が取っ手部200を有益に吊設するように機能してもよい。例えば
図2Aに示されるように、孔225が、積み重ね用の他の取っ手部220'を受け入れ、その取っ手部220'に係合するために使用されてもよい。孔225は、前方部分226を含んでいる把持部220の取り囲み部分により定められる。この前方部分226が調理容器の底面110に対して傾斜角α1で配置され、
図2Cにおいて、当該底面110が基準線Iとして示され、平行な基準線I''によりさらに示されている。
図2Aに示されるように、前方部分226は、例えば取っ手部200'の雄嵌合部203'などの、他の取っ手部の雄嵌合部と係合するように構成された後部の係合面を形成している。いくつかの実施形態において、例えば
図1A〜
図3Bに示される実施形態に示されるように、孔225が把持部220の基部側の端部220bに沿って、把持部220の高さ全体まで延びてもよく、または垂直方向に延びてもよい。しかしながら他の実施形態において、孔225が上部の取り囲み部分のみにより定められて、例えば把持部220の上側面202から少なくとも略50%以上など、上側面202から把持部220を通って部分的にのみ延びてもよい。
【0023】
雄嵌合部203は、他の取っ手部の相補的な雌嵌合部により受け入れられるように構成された突起230を備えている。この突起230は通常、把持部220の下側面201から下方に延びてもよい。また通常は、突起230が孔225の先端側の位置で把持部220から延びてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、孔225の先端側で把持部230の下部に沿った位置から延びることに加えて、または当該位置から延びることの代わりに、突起230が孔225の基部側の位置で把持部220から延びてもよく、または当該孔225の側面から延びてもよい。
【0024】
また突起230は、積み重ね可能な嵌合用の雌嵌合部204の対応する係合面と協働して係合するように構成された、後部の係合面を含んでいる。前方部分226、236の係合面が概して平坦であってもよいことが好ましい。しかしながら、いくつかの実施形態では、起伏のある表面を含んでいてもよい。図示された実施形態において、突起230は、積み重ね用の他の取っ手部の相補的な孔と係合するように構成された後部の係合面を形成する、前方部分236を含んでいる。例えば
図2Aを具体的に参照すると、把持部220'の下側面201'が把持部220の上側面202に沿って配置されるときに、孔225の少なくとも上部の取り囲み部分に沿って、前方部分226で取っ手部200の孔225と係合するように構成された前方部分236'を有している突起230'を、取っ手部200'の把持部220'が含んでいる。また取っ手部200''の突起230''も、孔225'で受けられるように構成されている。積み重ねられるときに、把持部220、220'、200''が、前方部分226、226'および前方部分236'、236''の相補的な係合面に沿って係合してもよい。同様に、前方部分226''および236の係合面が、積み重ね用の追加の取っ手部の相補的な係合面と係合してもよい。
【0025】
図2Cにおいて、前方部分236が容器の底面110に対して傾斜角α2で配置され、当該容器の底面110が基準線Iとして示され、平行な基準線I'''によりさらに示されている。図示された実施形態において、前方部分226と前方部分236は実質的に平行であり、例えば±5度である。角度α1および角度α2は実質的に同様の角度であってもよく、例えば±5度であってもよい。このことは、容器100の底面110に対するフランジ210の角度θが同一または類似である実施形態、例えば、同様に加工されて積み重ねられた調理用品50、50'、50''の間で、または当該調理用品50、50'、50''のなかで、±5度である実施形態において特に有益であってもよい。他の実施形態において、フランジ210の角度θや角度α1およびα2が、積み重ねられた調理用品50、50'、50''の間で、または積み重ねられた調理用品50、50'、50''のなかで、異なっていてもよく、例えば、積み重ねられた調理用品や取っ手部の円弧形状における形状、寸法、または望ましい使用の向きの違いに対処している。
【0026】
把持部220は通常、周縁部130に対して上方に、横方向および垂直方向に延びており、フランジ−周縁部の接合部で、周縁部130に接する線に直交して配置される。把持部220は通常、少なくとも略4:1の縦横比を有してもよく、例えば略4:1の±10%の縦横比を有してもよい。換言すれば、いくつかの実施形態において、取っ手部の長さが、把持部220の最小幅の少なくとも4倍であってもよく、あるいは、孔225に沿った把持部220の幅または孔245のまさに先端側の把持部220の幅の少なくとも4倍であってもよい(例えば、
図5A〜
図5Cを参照)。例えば把持部220の長さが、把持部220の最小幅の、あるいは孔225に沿った把持部220の幅または孔245のまさに先端側の把持部220の幅の、略6倍、略8倍、略12倍、またはそれ以上、より大きくてもよい。いくつかの実施形態において把持部220が、当該把持部220の最大幅に対して少なくとも2:1の縦横比を有してもよく、例えば4:1未満の縦横比を含んでもよく、略2:1から略8:1の間の縦横比、略3:1から略6:1の間の縦横比、または略3.5:1から略4.5:1の間の縦横比などを有してもよい。例えば、把持部220の長さが把持部220の最大幅の略2倍より大きくてもよく、例えば、把持部220の最大幅の4倍未満の長さを含んでもよく、略2倍から略8倍の間の長さ、略3倍から略6倍の間の長さ、または略3.5倍から略4.5倍の間の長さであってもよい。
【0027】
図示された実施形態において、取っ手部200、200'、200''は実質的に同様であり、関連する容器100、100'、100''が非常に互換性のあるときに、お互い交換可能に積み重ねるように構成される。例えば、容器100、100'、100''が、より大きなベースの容器100または100'から、より小さな上の容器100'または100''に入れ子にするように構成されており、そうでなければ孔225'や孔225''により、突起230が同様に受け入れられてもよい。このような方法により、実質的に同様の取っ手部200、200'、200''、把持部220、220'、220''、相補的な雄嵌合部および雌嵌合部203、204を配置している容器100、100'、100''を、底部110、110'、110''がお互いに間隔を介し、かつ、概して平行な状態で、安定して積み重ねることができる。また積み重ねることにより、他の積み重ねられた調理器具の容器100、100'、100''が縦方向に間隔を介することができる。さらなる実施形態において、突起230が、例えば孔225、225'、225''と実質的に同様の孔など、相補的な孔により受け入れられてもよく、したがって他の取っ手部の相補的な雌嵌合部により受け入れられてもよい。このような積み重ねは、相補的な雌嵌合部を備えている取っ手部が、取っ手部200や関連する容器100との積み重ね用の、大型の容器または他の互換性のある寸法の物品と共に配置されるときに、入れ子にすることを含んでもよい。
図1A〜
図8Bに示される実施形態において、上述のように、突起230は通常、把持部220の下側面201から下向きに延びている。しかしながら他の実施形態(図示せず)において、突起230が、把持部の上側面202から概して上方に延び、同様に、その把持部に沿って上の取っ手部の相補的な孔に係合してもよく、同様に、当該上の取っ手部が上方に延びている突起を含み、他の上の取っ手部とさらに接続されてもよい。
【0028】
別段の指示がない限り、「実質的に同様である」ということは、その機能またはそのサブ機能(sub-feature)に関して記載された対応する機能性を否定することなく、実質的に同様の寸法(±5%)であることを意味している。例えば、「他の取っ手部200、200''を積み重ね可能に接続されるように構成された孔225'および突起230'を有する」と記載された他の把持部220'に実質的に類似する把持部は、把持部220'の孔および突起の寸法に対応している、±5%以内の寸法を有している孔および突起を含み、当該孔および突起が、相補的な突起230''および孔225を有している把持部200、200'を積み重ね可能に接続するように構成されるだろう。
【0029】
図2A〜
図3Bを具体的に参照すると、外側に延びている取っ手部200が、吊設部か、または把持部220における他の孔225か、を備えている雌嵌合部204を含んでもよく、当該雌嵌合部204は、例えば雄嵌合部203'について下方に延びる突起230'など、他の取っ手部の相補的な雄嵌合部を積み重ね可能に受け入れるように構成されている、ということが理解されよう。また例えば、突起230'が孔225の少なくとも上部内側の取り囲み部分に受け入れられてもよいなど、他の取っ手部の相補的な雌嵌合部により積み重ね可能に受容されるように構成された突起230を備えている雄嵌合部203を、取っ手部200が含んでもよく、前方部分226が突起230'の相補的な前方部分236'と係合している。したがって2つ以上の調理用品50、50'、50''のセットが、実質的に同様の取っ手部200、200'、200''、把持部220、220'、220''、もしくは、当該取っ手部200、200'、200''の調理器具用に構成された、実質的に同様の、または互換性のある嵌合部203、203'、203''、204、204'、204''を配置してもよい。例えば取っ手部200''の突起230''が、取っ手部200'の孔225'の、少なくとも上部内側の取り囲み部分に同様に受け入れられてもよく、前方部分226'が突起230''の相補的な前方部分236''と係合している。その結果、取っ手部200、200'、200''が、外側を取り囲んでいる容器100、100'の内面部分(例えば壁内面120b、120b'や底部内面110b、110b'など)に接触している、内側に入れ子にされた容器100'、100''の外面部分(例えば壁外面120a'、120a''や底部外面110a'、110a''など)を使用せずに、容器100、100'、100''を安定して入れ子にすることができる。
【0030】
上述されるように突起230'、230''および相補的な孔225、225'が、前方部分236'、236''および226、226'の後方の係合面に沿って係合するように構成され、積み重ねられた調理用品50'、50''の重量を、少なくとも部分的に、協働して支持している。また取っ手部200が、他の取っ手部の係合面と係合するように構成された1つ以上の前方の係合面を含んでもよく、積み重ねられた調理用品の重量を、少なくとも部分的に、協働して支持している。図示された実施形態において、把持部220が、前方部分251および前方部分250を備えている前方の係合面を含んでおり、当該前方部分251および前方部分250のそれぞれが、他の取っ手部の相補的な係合面と係合するように構成される。例えば
図3を参照すると、当該
図3Bが積み重ねにおける上の容器110''の重心(COG)の横方向位置を示しており、下向きの矢印COG''により示されている。取っ手部200'によりCOGの右側で容器110''の支持をすることにより、フライパンにおいて、ベクトルGで示された正味の重力トルクを生じさせ、取っ手部200'と200''とを係合することにより当該重力トルクを耐える必要がある。前方部分226'および236''の後方の相補的な係合面に沿った孔225'における突起230''の先端側の係合と、前方の相補的な係合面251'および250''の基部側の係合と、が協働してこの重力トルクに耐えている。前方部分251'と前方部分250'との間の取っ手部200'の、
図2Bに幅Wとして示される先端の拡大に起因する、より大きな接触領域によりこの重力トルクをさらに耐えている。
【0031】
容器100の側壁120と把持部220との間に延びている、取っ手部200または取っ手部200のフランジ210は、容器100の底部110の基準面Iに対して任意の角度θで配置されてもよい。しかしながらフランジ210および把持部220は、通常、角度α1および角度α2が略70度から略45度の間であるように成型されるのが好ましく、例えば、この容器100の底部110(または容器100の操作の向きに関する水平基準面)に対して略65度から略50度の間であり、略65度から略55度の間が好ましく、略65度から略60度の間がより好ましい。例として、例えば容器100の底部110(または水平基準面)に対して略65度から略50度の間であり、略65度から略55度の間が好ましく、略65度から略60度の間がより好ましい、通常、略70度から略45度の間である角度α1および角度α2を有している調理用品50、50'の積み重ねに関し、上述したように係合されたとき、上の容器100'を反時計回りに回転させるように作用する重力トルクに、前方部分226、236'の係合面の接触面が耐えることができる。言い方を変えれば、フランジ210および把持部220は、前方部分226、236が略20度から略45度の間の角度で位置付けられるように成型されるのが好ましく、例えば、容器100の操作の向きに関する垂直基準面から略25度から略40度の間であり、略25度から略45度の間が好ましく、略25度から略30度の間がより好ましい。
【0032】
また把持部220が、積み重ねにおける複数の容器100の安定した接続係合を容易にするように成形されてもよいことも理解されよう。上述されるように、先端側の端部220b、例えば先端側の端部220bの前方部分226、236の後方の係合面など、に対して把持部220の基部側の端部220aが拡大することにより、横方向の安定性を高めて、揺動を制限することができる。突起230は、相補的な孔の高さの半分以上を、その孔の前方部分に沿って下降するように寸法決めされてもよい。把持部220が、フランジ210に隣接する基部側の端部220aにおいて、孔225における把持部220の幅よりも少なくとも50%大きい幅まで拡大するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、把持部220が、フランジ210に隣接する基部側の端部220aにおいて、突起230や前方部分236の幅よりも少なくとも50%大きい幅まで拡大するように構成されてもよい。前方の係合面250、251と孔225との間の、上面202および下面201の形状が相補的な形状を有していてもよく、複数の容器100、100'、100''の積み重ねられた配置をさらに安定させている。
【0033】
また把持部220が、フランジ210との接合部に隣接する、基部側で下向きの第2の突起221を含んでもよい。第1の突起および第2の突起230、221は共に、把持部220の長さ(
図1Bにおいて長さ「l」で示される)に沿って逆さまの谷部222を定めている。基部側で下向きの第2の突起221が長さ(
図1Aにおいて長さ「l’」で示される)を有してもよく、当該長さが、(例えば
図2Aに示されるように)同一の長さのフランジ210、210'、210''を有する積み重ねられた容器100と100'と100''との間の縦方向の間隔を設定している。
【0034】
様々な実施形態において取っ手部200が、前方の係合面と後方の係合面との間で、様々な輪郭を用いてもよい。例えば
図1A〜
図3Bに示される実施形態では、θ角から僅かな下向きの弧に沿って、高さにおける先端側の緩やかな減少を含んでおり、積み重ねられたときに、把持部220、220'、220''の前方の係合面と後方の係合面との間に延びている上面202、202'および下面201'、201''が接近する一方で、必ずしも一貫して接触し続けるわけではない。
【0035】
図4Aおよび4Bは、縦方向に延びている取っ手部200を備えている、積み重ね可能な調理用品システム20の他の実施形態を示している。この調理用品システム20が2つ以上の調理用品50、50'、50''のセットを含んでもよく、当該2つ以上の調理用品50、50'、50''のセットが、実質的に同様の取っ手部200、200'、200''、把持部220、220'、220''、もしくは、当該取っ手部200、200'、200''の積み重ね可能な調理器具用に構成された、実質的に同様の、または互換性のある嵌合部203、203'、203''、204、204'、204''を配置している取っ手部200、200'、200''を配置してもよい。取っ手部200は、
図1A〜
図3Bに対して上述された実施形態と概して同様に構成されてもよい。しかしながら、把持部220の高さが前方の係合面と後方の係合面との間の実質的な先端側の減少を含み、それらの前方の係合面と後方の係合面との間に好ましい把持領域を設けるように構成された、縮小した胴回り領域227を形成してもよい。この縮小した胴回り領域227が、把持部220の弧状を成している中心線に対して、上面202に沿った高さよりも下面201に沿った高さが大きく減少していることに起因してもよい。例えば2つ以上の取っ手部200、200'、200''が積み重ねられるときに、隙間228が、上面202、202'と下面201'、201''との間に縮小した胴回り領域227'、227''に沿って形成されてもよく、積み重ねている間や積み重ねていない間に、当該縮小した胴回り領域227'、227''が、取っ手部200、200'、200''を把持する場所を使用者に提供してもよい。
【0036】
図1A〜
図3Bに関して上で紹介してきたように、突起230は、把持部の高さの50%を超える距離だけ相補的な孔内に延びるように寸法決めされてもよい。
図4Aおよび
図4Bに示される実施形態において、突起230が相補的な孔内に延びるように寸法決めされ、把持部の下面と略同一平面に位置している。例えば、突起230'、230''が相補的な孔225、225'内に延びており、前方部分236'、236''および前方部分226、226'が、上面202から下面201まで、把持部220、220'の高さに沿って係合するようにしている。他の実施形態において、突起230、230'、230''の中の1つ以上が、相補的な穴225、225'、225''内に、より長い距離またはより短い距離で下方に延びてもよく、それらの上に積み重ねられる把持部220、220'、220''の下面201、201'、201''と突起230、230'、230''が同一平面になるために、突起230、230'、230''が延びないようにしている。同様に、いくつかの実施形態において把持部220、220'、220''は、θ角からの先端側の弧の度数がより大きくてもよく、または、より小さくてもよく、それらの上に積み重ねられる把持部220、220'、220''の下面201、201'、201''と突起230、230'、230''が同一平面になるために、突起230、230'、230''が延びないようにしている。
【0037】
図1A〜
図4Bに示される実施形態では、後方に位置付けられた雄嵌合部および雌嵌合部203、204を含んでいる。しかしながら他の実施形態において、例えば
図5A〜
図5Cに示されるように、雄嵌合部および雌嵌合部203、204が把持部220に沿って、より前方に位置付けられてもよい。
【0038】
図5A〜
図5Cは、取っ手部200を備えている積み重ね可能な調理用品システム20の他の実施形態を示している。示されるように取っ手部200が、保管目的のために物品50の容易な吊設を提供するように構成された、把持部220の先端側の端部220bに沿った孔225を含んでいる。また取っ手部200は、孔225よりもフランジ210に近い位置にあって取っ手部220に沿った第2の孔245を備えている雌嵌合部204も含んでいる。さらに取っ手部220は、下面201から下方に延びる突起230を備えている雄嵌合部203を含んでいる。突起230は通常、孔245の先端側の範囲に関する位置で把持部220から延びていてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、突起230が、下の把持部230に沿った孔245の先端側の位置から延びることに加えて、またはそのことの代わりに、孔245の基部側の位置で把持部220から延びてもよく、または孔245の側面から延びてもよい。
【0039】
また突起230は、積み重ね用の相補的な孔の相補的な係合面と協働的に係合するように構成された、係合面を含んでいる。図示された実施形態において、突起230は、積み重ね用の他の取っ手部の係合面と係合するように構成された係合面を形成している、前方部分236を含んでいる。例えば
図5Bの拡大図を具体的に参照すると、取っ手部200'の把持部220'が前方部分236'を有する突起230'を含んでおり、把持部220'の下側面201'が、上側面202に沿って積み重ね可能に配置されたときに、当該前方部分236'が、孔245の少なくとも上部の取り囲み部分に沿って、前方部分246で取っ手部200の相補的な孔245と係合するように構成されている。また取っ手部200''の突起230''も、相補的な孔245'により受け入れられるように構成される。前方部分236が容器の底面110に対して傾斜角α2で配置されており、
図5Cにおいて、当該底面110が基準線Iとして示され、平行な基準線I'''によりさらに示されている。突起230、230'、230''の前方部分236、236'、236''が、相補的な孔245、245'、245''の係合部分246、246'、246''の少なくとも対向している表面の形状と、相補的な形状を有するように構成されてもよい。
【0040】
調理器具システム20が2つ以上の調理用品50、50'、50''のセットを含んでもよく、当該2つ以上の調理用品50、50'、50''のセットが、実質的に同様の取っ手部200、200'、200''、実質的に同様の把持部220、220'、220''、もしくは、当該取っ手部200、200'、200''の積み重ね可能な調理器具用に構成された、実質的に同様の、または互換性のある嵌合部203、203'、203''、204、204'、204''の、1つまたはそれ以上を配置してもよい。図示されるように容器100、100'、100''が、取っ手部200、200'、200''の積み重ね可能な調理器具用に構成された、実質的に同様の、または互換性のある嵌合部203、203'、203''、204、204'、204''を備えている取っ手部200、200'、200''を配置している。
図1A〜
図4Bに対して記載された実施形態と同様に、
図5A〜
図5Cに示される実施形態において容器100の側壁120と把持部220との間に延びる取っ手部200または取っ手部200のフランジ210が、容器100の底部110の基準面Iから任意の角度で配置されてもよい。容器100の側壁120と把持部220との間に延びる取っ手部200または取っ手部200のフランジ210が、容器100の底部110の基準面Iに対して任意の角度θで配置されてもよい。しかしながらフランジ210および把持部220は、通常、角度α1および角度α2が略70度から略45度の間であるように成型されるのが好ましく、例えば、この容器100の底部110(または容器100の操作の向きに関する水平基準面)に対して略65度から略50度の間であり、略65度から略55度の間が好ましく、略65度から略60度の間がより好ましく、上述したように係合されたとき、上の容器100'を反時計回りに回転させるように作用する重力トルクに、前方部分236'と前方部分246との係合面の接触面が耐えることができるようにしている。言い方を変えれば、フランジ210および把持部220は、突起230'の前方部分236'の係合面と前方部分246の対向している係合面とが略20度から略45度の間の角度で位置付けられるように成型されるのが好ましく、例えば、容器100の操作の向きに関する垂直基準面から略25度から略40度の間であり、略25度から略45度の間が好ましく、略25度から略30度の間がより好ましい。図示された実施形態において、角度θは略10度である。前方部分246および前方部分236が、例えば±5度である、実質的に平行な表面を備えており、角度α1およびα2が、例えば±5度である、実質的に同様の角度を底部110、110’、110''と形成している。したがって積み重ねられたときに、把持部220、220'、200''が前方部分246、246'および前方部分236'、236''の相補的な係合面に沿って係合し、かつ、底部110、110'、110''は間隔を介し、かつ概してお互いに平行である。同様に、前方部分246''と前方部分236との係合面が、積み重ね用の他の取っ手部の相補的な係合面と係合してもよい。また積み重ねられたときに、突起230’、230’’のより低い範囲が、取っ手部200、201’の下面201、201’と略同一平面まで延びている。しかしながら上述されるように、突起230が孔245を50%以上貫通して延びることが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、積み重ねられたときに、突起230が孔245を完全に貫通して延びない場合がある。
【0041】
図示される実施形態において、取っ手部200''が、取っ手部200および200'よりも縦方向の長さが短い把持部220''を含んでいる。それ以外の点では、把持部220、220'、200''の寸法が実質的に同様であってもよい。他の実施形態において、把持部220、220'、200''が同一の長さを有してもよく、あるいは把持部220、220'、220''のいずれか1つまたは全てが、異なる長さを有してもよい。これらの長さの違いにもかかわらず、前方部分246、246'、246''の係合面の基部側の取っ手部200、200'、200''の長さは実質的に同一である。したがって積み重ねられたときに、それぞれの容器100、100'、100''は縦方向に等距離で間隔を介している。他の実施形態において、対応する係合面の基部側の取っ手部200、200'、200''の長さが取っ手部200、200'、200''の間で、または取っ手部200、200'、200''の中で、異なってもよく、積み重ねられた調理用品間の縦方向の間隔を調整している。
【0042】
図5A〜
図5Cに示すように、
図1A〜
図4Bに関して上述したものと同様に、調理容器の周縁部130と把持部220との間のフランジの部分210bがグリップ部分220aの基部側の端部の幅よりも狭く、かつ、フランジの部分210bの高さも、グリップ部分220aでのグリップ部分の高さよりも低いことが好ましい。このことは、フランジの部分210、210'、210''を有することにより、それぞれの積み重ね配置における把持部220、220'、220''の上側面201、201'、201''および下側面202、202'、202''の、所望の同一平面上の積み重ねに干渉することを回避している。例えば、フランジ210に隣接する把持部220の基部側の端部220aの幅が、孔245における把持部220の幅よりも、少なくとも50%大きくてもよい。
【0043】
図6A〜
図6Bは、調理用品50、50'、50''の積み重ね用の調理器具システム20の、他の実施形態を示している。この調理器具システム20は、本明細書に記載されるように、積み重ね用に寸法決めされた取っ手部200を含んでいる。調理容器100と、100'と、100''とのセットを支持および入れ子にするために使用される
図1A〜
図3Bに関して上述したような寸法と、実質的に同様の寸法を有する2つ以上の取っ手部200、200'、200''を、この調理器具システム20が含んでいる。調理容器100および調理容器100''は、他の実施形態のより平坦に成型されたフライパンではなく、シチュー鍋の概して長方形の断面形状を有する一方で、中間の調理容器100'が丸みを帯びた形状または半球形状の底部110'を有し、下の調理容器100と組み合わせて、材料を溶かして泡立てるために便利な二重鍋構造を形成するようにしている。
【0044】
取っ手部200および取っ手部200'は、他の実施形態に関して記載されるように安定して接続され、1つの取っ手部200と組み合わせて容器100、100'を保持することを容易にする一方で、泡立て器を操作するために他方の手を使用することができる。
【0045】
また調理器具システム20は、いずれかの調理容器100、100'、100''に交換可能に適合するように構成された蓋300を含んでいる。例えば蓋300が、蓋300の中央部分314から外向きに展開している複数の段部311、312、313を備えている起伏のある段付き下面310を含んでいる。図示された実施形態において、蓋300が3つの段部311、312、313を含んでおり、当該段部311、312、313のそれぞれが、徐々に大きくなる直径311d、312d、313dを有している。それぞれの段部313、312、311の直径が、周縁部130、130'、130''で調理容器100、100'、100''の徐々に小さくなる直径よりも小さい直径まで、徐々に小さくなっている。したがって起伏のある段付き下面310は、いずれかの調理容器100、100'、100''の周縁部130、130'、130''に沿って位置するように寸法決めされる。換言すれば段差311が、周縁部130''での調理容器100''の内径(Di'')よりも小さい内径311dを有する一方で、隣接する段部312が、調理容器100''の外径(Do'')より大きい内径312dを有している。段差312が、周縁部130'での調理容器100'の内径(Di')よりも小さい内径312dを有する一方で、隣接する段部313が、調理容器100'の外径(Do')より大きい内径313dを有している。段差313が、周縁部130での調理容器100の内径(Di)よりも小さい内径313dを有する一方で、周縁部130での調理容器100の外径(Do)が蓋300の直径よりも小さい。
【0046】
図6Aおよび
図6Bにおける調理用品50、50'、50''のセットに含まれる蓋300がこのような一連の段部を有し、それぞれの段部が、外径Doから内径Diまでの周縁部130の幅に及ぶように意図されてていることが好ましい。この蓋300が、平坦または平面の上面320を含んでいてもよい。この蓋300が小型であってもよく、当該蓋300の取っ手部330の上部330aが、調理用品50、50'、50''のセットにおける上の取っ手部200''の上側の範囲(
図6Aにおける基準線200''a)より下に配置されてもよい。したがって蓋300が取っ手部330を備えてもよく、当該取っ手部330は、少なくとも一部が、上面320より上である一方で基準線200''aよりも下に延びている。
図7では、蓋300の上面320が対応する平坦な段付きの表面を有すると示している一方で、様々な実施形態において、この蓋300は、段がない上面320を含んでもよい。例えば、この上面320が直径300dと中央部分314との間で、水平で平坦な表面を有してもよく、または、1つ以上の段部313、312、311に亘って延びている隆起領域を含んでもよい。またこの上面320が、蓋300の中央部分314に向かって、1つ以上の段部313、312、311に亘って平面または曲面に沿って、外縁部から下向きに傾斜してもよい。また蓋300が、他の調理用品と共に使用するように構成され、このような調理用品が積み重ね可能であるかどうかにかかわらず、複数の調理用品での、普遍的な使用や交換可能な使用を提供するようにしてもよい。
【0047】
図8Aおよび8Bは、例えばフライ返し801などの調理器具800や積み重ね可能な取っ手部200'''を備えた調理用品50'''を備えている、調理器具システムのさらなる実施形態を示している。この調理器具800が、追加の取っ手部200、200'、200''または調理用品50、50'、50''の少なくとも1つと積み重ね可能であるとして示されている。これらの追加の取っ手部200、200'、200''または調理用品50、50'、50''が、
図4Aおよび
図4Bに関して記載されたものと同様の方法で構成されてもよい。
【0048】
調理器具800が、他の取っ手部の構成と積み重ね可能に使用するために本明細書に開示される取っ手部と、一致する取っ手部200'''で構成されてもよい。図示されるように、取っ手部200'''が作業用端部802の基部側の端部802bに取り付けられ、かつ、フランジ210'''および把持部220'''を含んでいる。この把持部220'''が、把持部220、220'、220''の嵌合部203、203'、203''、204、204'、204''と実質的に同様であり相補的である、雄嵌合部および雌嵌合部203'''、204'''を含んでおり、上述したように、当該雄嵌合部および雌嵌合部203'''、204'''が
図4Aおよび
図4Bに関して上で記載されたものと同様であってもよい。把持部220'''は、孔225'''を備えている雌嵌合部204'''の、先端側に位置する突起230'''を備えた雄嵌合部203'''を含んでおり、当該孔225'''が、吊設用の孔225'''として使用されてもよい。調理器具800を積み重ねるために、突起230'''が把持部220''の孔225''に位置していてもよく、この突起230'''の前方部分236'''が孔225''の前方部分226''と係合してもよい。このように構成された調理器具800を、いずれかの調理用品50''、50'、50の対応する取っ手部200''、200'、200で支持できることが理解されよう。したがって便利な保管のためだけではなく調理中でも、いずれかの容器100''、100''、100の対応する取っ手部200''、200'、200で調理器具800を支持可能であってもよい。上述されるように把持部220'''は、他の取っ手部の突起を受け入れるように構成された孔225'''を含んでいる。その結果、例えば他の調理器具などの他の調理用品の、取っ手部から延びている相補的な突起が孔225'''内に受け入れられ、かつ、当該孔225'''内で前方部分226'''と係合して、取っ手部200'''でこの調理用品を積み重ねることができる。他の実施形態において取っ手部200'''が、積み重ね用の突起を受け入れるように構成された孔225'''を含まなくてもよい。
【0049】
図示されるように、把持部220'''は第2の突起を含んでおらず、他の把持部220、220'、220''と比較して減少した長さで延びている。他の実施形態において、この把持部220'''が第2の突起を含むように構成されてもよく、または、その上に積み重ね可能である把持部220、220'、220''の1つ以上と同一の長さで延びるように構成されてもよい。
【0050】
様々な実施形態において調理器具800の作業用端部802が、例えばフライ返し801などの付属物のような刃であってもよく、または、例えばスプーン用の凹形状、器具のようなフォーク用のトング、トング用の係合突起(engaging prongs)、または同種のものなど、他の構成であってもよい。
【0051】
図9は、一実施形態による積み重ね可能な取っ手部のシステム20を備えている、積み重ねられた調理用品の断面図を示している。この積み重ね可能な取っ手部のシステム20は、2つ以上の積み重ねられたシチュー鍋100、100''、100'''を含んでいる。積み重ね可能な取っ手部200、200''、200''は、
図4A〜
図4Bおよび
図8A〜
図8Bに関して上述されたものと同様であってもよく、ここで、同様の番号は同様の機能に言及している。この取っ手部200、または、この取っ手部200のフランジ部210が、容器100の側壁120と把持部220との間に延びている。前方の係合面226、236は、側壁120(またはフライパンの操作の向きに関して線IIおよび線II'として示される垂直基準面)に対して、角度γ1および角度γ2で位置付けられている。フランジ210および把持部220は、角度γ1および角度γ2が略20度から略45度の間であるように成型されるのが好ましく、例えば略25度から略40度の間であり、略25度から略45度の間が好ましく、略25度から略30度の間がより好ましい。角度γ1および角度γ2が、この容器の底部110(またはフライパンの操作の向きに対応している水平基準面)に対する角度α1およびα2の角度に対応してもよい。例としてフランジ210および把持部220は、前方部分226、236がこの調理容器100の底部110(または調理容器100の操作の向きに関する水平基準面)に対して略70度から略45度の間であるように成型されるのが好ましく、例えば略65度から略50度の間であり、略65度から略55度の間が好ましく、略65度から略60度の間がより好ましい。
図9の調理用品100、100'、100''の積み重ねに関して、角度γ1および角度γ2は略20度から略45度の間であり、例えば略25度から略40度の間であり、略25度から略45度の間が好ましく、略25度から略30度の間がより好ましく、上述したように係合されたとき、上の容器100'を反時計回りに回転させるように作用する重力トルクに、前方部分226、236'および226'、236''の係合面の接触面が耐えることができる。孔225が突起230と共に寸法決めされ、積み重ねられたときに、容器100同士の側壁120同士の間に適切なクリアランスを提供している。このクリアランスは略2.2mmよりも大きいことが好ましく、2.3mmよりも大きいことがより好ましい。
【0052】
図示された実施形態において、全ての調理用品、またはその調理用品の取っ手部が、雄嵌合部および雌嵌合部の両方を含んでいる。しかしながら、いくつかの実施形態において、調理器具システムにおける全ての調理用品または取っ手部が、雄嵌合部および雌嵌合部の両方を含んでいるわけではない。例えば、調理器具システムが積み重ね可能な調理用品のセットを含んでいる一実施形態において、これらの調理用品の1つが当該調理用品を積み重ねたときにベースの調理用品になるように構成され、例えば、このベースの調理用品が大きすぎて他の調理用品と入れ子にならないときに、この調理用品の把持部は、当該把持部の下面に雄嵌合部を含まなくてもよい。同様に、調理器具システムが積み重ね可能な調理用品のセットを含んでいる一実施形態において、これらの調理用品の1つが、例えば他の調理用品を入れ子にするのに当該調理用品が小さすぎるように、または独自すぎるように成型された場合など、他の調理用品に積み重ねられるように構成される一方で、その上に他の調理用品を積み重ねることができるベースの調理用品を形成しないように構成されるときに、この調理用品は、当該調理用品の下面に雌嵌合部を含まなくてもよい。しかしながら、本明細書に記載される調理器具システムは拡張可能なシステムやモジュール式のシステムを含んでおり、非常に様々な調理用品を積み重ねることができるため、いくつかの実施形態において、全ての取っ手部が、積み重ねるために他の調理用品を受け入れるように構成されてもよく、または、積み重ねるために他の調理用品により受け入れられるように構成されてもよく、そして、全ての取っ手部が雄嵌合部および雌嵌合部の両方を含んでもよい。
【0053】
開示された積み重ね可能な調理用品システム、および、その積み重ね可能な取っ手部の構成が、例えば鍋、フライパンおよび調理器具など、様々な調理用品で使用するように構成されてもよいことが理解されよう。これらの積み重ね可能な調理用品システム、および、その積み重ね可能な取っ手部の構成により、便利で安定した保管に関して有益な用途を見つけることができる。さらに積み重ね可能な調理用品システム、および、その積み重ね可能な取っ手部の構成により、他の入れ子になって保管される用途に関して有益な用途を見つけてることができ、例えば商業の様々な流れにおける、消費者に届く前の製品の保管用の梱包および出荷用の梱包の嵩の最小化などである。その結果、このように構成された調理用品システムにより、例えば異なる寸法を有する調理容器などの、調理製品のよりコンパクトな保管用の構成および出荷用の構成を有利に提供できる。
【0054】
本開示は、積み重ね可能な調理用品システムおよびその取っ手部の、様々な実施形態、構成および配置の、様々な要素、特徴、態様および利点を記載している。様々な実施形態やこのような構成および配置の特定の記載は簡略化されており、この開示された実施形態のより明確な理解に関連する要素、特徴、および態様のみを示す一方で、簡潔または明確にするために、他の要素、機能および態様を削除していることを理解すべきである。任意の「様々な(various)」、「特定の(certain)」、「いくつかの(some)」、「一(one)」または「1つの(an)」に関し、それらの後に「実施形態(embodiment)」、「構成(configuration)」、「実施例(example)」、「配置(arrangement)」などが続くときには、一般に、当該実施例に記載された特定の要素、機能または態様が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。「実施形態(embodiment)」、「構成(configuration)」、「実施例(example)」、「配置(arrangement)」などが続くときにおける、「様々な(in various)」、「特定の(in certain)」、「いくつかの(in some)」、「一(in one)」または「1つの(in an)」という語句により、必ずしも同一の実施形態に言及するわけではないだろう。さらに、「実施形態(embodiment)」、「構成(configuration)」、「実施例(example)」、「配置(arrangement)」などが続くときにおける、一般的に先行する実施形態に言及し、詳述している「このような一(in one such)」、「この(in this)」などの語句は、当該語句により導入される実施形態の要素、特徴および態様が、先行する実施形態に限定されることを示唆するようには意図されていない。むしろ、これらの語句は、読者が本明細書に開示された様々な要素、特徴および態様を理解するのを補助するために提供される。また、導入された実施形態で提示されるこのような要素、特徴および態様が、当該開示された実施形態で提示される要素、特徴および態様の他の様々な組み合わせや部分的な組み合わせと組み合わせて適用できる、ということを当業者が認識するだろうことが理解されよう。また本明細書の記載を考慮すると、様々な実施形態や他の要素、特徴および態様の様々な組み合わせや部分的な組み合わせが特定の実施や用途において望ましい場合がある、ということを当業者が認識するだろうことも理解されよう。しかしながら本明細書の記載を考慮すると、このような他の要素、特徴および態様が当業者により容易に確認される可能性があり、また、この開示された実施形態の完全な理解のためには必要ではないため、このような要素、機能および態様の記載が提供されないかもしれない。したがって、本明細書に記載された説明は、当該開示された実施形態の単なる典型例や実例であり、特許請求の範囲によってのみ定められる本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0055】
本明細書で使用される「一(one)」、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」という文法的な冠詞は、別段の指示がない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という意味を含むよう意図されている。その結果、これらの文法的な冠詞の文法的な対象の1つまたは複数を言及するため(言い換えると「少なくとも1つ」を言及するため)に、これらの文法的な冠詞が本明細書で使用されている。例として、「1つの(a)」構成要素は1つ以上の構成要素を意味しており、その結果、場合によっては、複数の構成要素が考慮される。また当該複数の構成要素が、記載された実施形態の用途で採用または使用されてもよい。さらに、文脈上で他の意味に解すべき場合を除き、単数形の名詞の使用では複数形を含み、複数形の名詞の使用では単数形を含んでいる。