特許第6844824号(P6844824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844824
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】メッセージ処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20210308BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-72229(P2019-72229)
(22)【出願日】2019年4月4日
(62)【分割の表示】特願2016-574282(P2016-574282)の分割
【原出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-146223(P2019-146223A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ヘン
(72)【発明者】
【氏名】イン、ユー
(72)【発明者】
【氏名】カオ、デンジン
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ウエイミン
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0276385(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0276386(US,A1)
【文献】 特表2005−507626(JP,A)
【文献】 特開2012−175389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/955
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較し、前記メッセージ特徴は、前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する処理ユニットと、
前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する送信ユニットとを備え、
前記処理ユニットは、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択するよう更に構成され、
前記ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、前記ターゲットユーザがユーザコンテクストを再作成しようと試みる場合に、前記ユーザ識別子に従って、前記ユーザコンテクストにトラッキング識別子を設定して、前記トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるユーザ識別子記録ユニットと、を更に備える、
メッセージ処理装置。
【請求項2】
前記トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記トラッキング特徴が、空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択するよう更に構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
トラッキングタスクを受信し、前記トラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送するよう構成される受信ユニットと、前記トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納するよう構成されるストレージユニットとを更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記処理ユニットは、複数のユーザに対して、前記メッセージ特徴と前記トラッキング特徴との比較を行い、前記メッセージ特徴が前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記複数のユーザを複数のターゲットユーザとして判断し、
前記複数のターゲットユーザがトラッキングされる時間は、前記複数のターゲットユーザのそれぞれに対して異なる開始時間を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記処理ユニットは、複数のユーザに対して、前記メッセージ特徴と前記トラッキング特徴との比較を行い、前記メッセージ特徴が前記トラッキング特徴と一致すると判断される前記複数のユーザの数が第1の数である場合に、第2の数のユーザを複数のターゲットユーザとして判断し、
前記第2の数は前記第1の数より小さい、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を特定されたトラッキング特徴と比較する段階と、
前記メッセージ特徴は、前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階と、
前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する段階と
を備え、
前記メッセージ特徴が、前記トラッキング特徴と一致する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして前記判断する段階の後、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択する段階と、
前記ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、前記ターゲットユーザがユーザコンテクストを再作成しようと試みる場合に、前記ユーザ識別子に従って、前記ユーザコンテクストにトラッキング識別子を設定して、前記トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階と、を更に備える、
メッセージ処理方法。
【請求項8】
前記トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記トラッキング特徴が空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択する段階を更に備える、請求項またはに記載の方法。
【請求項10】
トラッキングタスクを受信し、前記トラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送する段階と、
前記トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納する段階とを更に備える、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
複数のユーザに対して、前記メッセージ特徴と前記トラッキング特徴とを比較し、前記メッセージ特徴が前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記複数のユーザを複数のターゲットユーザとして判断する段階を更に備え、
前記複数のターゲットユーザがトラッキングされる時間は、前記複数のターゲットユーザのそれぞれに対して異なる開始時間を有する、
請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
複数のユーザに対して、前記メッセージ特徴と前記トラッキング特徴とを比較し、前記メッセージ特徴が前記トラッキング特徴と一致すると判断される前記複数のユーザの数が第1の数である場合に、第2の数のユーザを前記ターゲットユーザとして判断する段階を更に備え、
前記第2の数は前記第1の数より小さい、
請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項から12のいずれか一項に係る方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野、特にメッセージ処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展に伴い、通信ネットワークは情報通信においてますます重要になっている。通信ネットワークにおいて、1つのネットワークエレメントが、複数のユーザに対する通信サービスを通常提供する。ネットワークエレメントが通信サービスを提供する場合に、障害が発生することがあり、このことはユーザ通信障害をもたらす。人が通信ネットワークにより依存するにつれて、人はまた、通信ネットワークの信頼性に対してより高い複数の要求を課す。通信ネットワークにおいて障害が発生する場合に、人は、ネットワーク障害の原因が、早晩検出され得、障害が、特定され、是正され得ることを期待する。
【0003】
例えば、ユーザの通信サービスが、障害になる場合に、ユーザは不満を述べ得る。ユーザの(IMSI又はIPアドレス等の)ユーザ識別子が取得された後、ユーザ識別子は、ユーザ識別子の通信シグナリング(通信内容を含む)をトラッキングするよう、ネットワークエレメントにおいて設定され得、情報は、オペレーション及び保守要員に示される。オペレーション及び保守要員は、報告されるユーザトラッキング情報を観察することにより、ネットワーク障害を分析し、是正する。知られた、判断されたユーザ識別子の通信シグナリングをフィルタリングし、報告する本解決手段は、ユーザトラッキングと称される。
【0004】
ユーザトラッキングが、トラッキング設定コンソールを使用して、ユーザトラッキング命令をネットワークエレメントに送信することにより実装され得る。特に、オペレーション及び保守要員は、トラッキング設定コンソールを使用して、ユーザトラッキング命令をネットワークエレメントに送信し、そしてユーザトラッキング命令は、トラッキング対象ユーザのユーザ識別子を伝送する。ユーザトラッキング命令を受信した後、ネットワークエレメントは、ユーザ識別子を内部のトラッキング識別子データベース内に格納し、識別子に対応するユーザをトラッキングターゲットユーザとして設定する。ユーザが、ネットワークエレメントへ登録し、ユーザコンテクストを作成する場合に、ネットワークエレメントは、登録シグナリングからユーザ識別子を取得し、ユーザは、トラッキングターゲットユーザであるか否かを判断するべくトラッキング識別子データベースにおける問い合わせを実行する。YESである場合、ユーザコンテクストにトラッキング識別子を設定し、これにより、トラッキングターゲットユーザの、後に続く関連するシグナリングが、トラッキング設定コンソールに報告され得、次に、オペレーション及び保守要員は、報告された情報を観察し分析することを通じてネットワーク障害を判断し、是正する。
【0005】
本発明を実装する過程において、発明者は、先行技術が、少なくとも以下の複数の課題を有することを発見する。
【0006】
通信ネットワークは、極めて多数のユーザにサービスを提供する。通信ネットワークにおけるサービス指標の一種が、明らかな変化(例えば、ユーザアタッチ又は起動プロシージャの成功率が、減少する;ユーザPDPコンテクスト起動プロシージャの成功率が、減少する;又はCS Fallback SGsインタフェースの組み合わされた位置更新の成功率が、減少する)を有すると観察又は検出される、すなわち、障害が、ネットワークにおいて存在し得る場合に、多数のユーザが、同一の障害原因によりもたらされる通信サービスの中断のために、通常影響を与えられる。ユーザが不満を述べて、影響を与えられるユーザの(IMSI等の)識別子が取得されない限り、特定のサービスにより影響を与えられる複数のユーザを、指標の変化から、すぐに判断することができない。従って、特定のユーザ識別子が、ユーザトラッキングを確立すると判断されることができず、これにより、ネットワーク障害を分析し、特定することを助ける。したがって、ネットワーク障害の課題が、早晩解決されることができず、これによりネットワークユーザビリティを低下させる。
【発明の概要】
【0007】
ネットワーク障害特定を実装するため、本発明の複数の実施形態が、メッセージ処理方法及び装置を提供する。その技術的な複数の解決手段は次の通りである。
【0008】
第1態様に従って、本発明の一実施形態が、メッセージ処理方法を提供する。当該方法は、
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較する段階と、
メッセージ特徴は、トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階と、
ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する段階とを含む。
【0009】
第1態様を参照すると、本発明の当該実施形態の第1の可能な実装方式において、トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0010】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第2の可能な実装方式において、方法は、
トラッキング特徴が空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択する段階を更に含む。
【0011】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第3の可能な実装方式において、方法は、
トラッキングタスクを受信し、ここでトラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送する段階と、
トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納する段階とを更に含む。
【0012】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第4の可能な実装方式において、メッセージ特徴が、トラッキング特徴と一致する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階の後、方法は、
ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択する段階を更に含む。
【0013】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第5の可能な実装方式において、メッセージ特徴が、トラッキング特徴と一致する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断した後、方法は、
ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階、又は
ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階を更に含む。
【0014】
第2態様に従って、本発明の一実施形態は、メッセージ処理装置を提供する。当該装置が、
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較し、メッセージ特徴は、トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断するよう構成される処理ユニットと、
ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告するよう構成される送信ユニットとを含む。
【0015】
第2態様を参照すると、本発明の当該実施形態の第1の可能な実装方式において、トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0016】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第2の可能な実装方式において、処理ユニットは、トラッキング特徴が、空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択するよう更に構成される。
【0017】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第3の可能な実装方式において、装置は、
トラッキングタスクを受信し、ここでトラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送するよう構成される受信ユニットと、
トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納するよう構成されるストレージユニットとを更に含む。
【0018】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第4の可能な実装方式において、処理ユニットは、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択するよう更に構成される。
【0019】
前述の可能な実装方式を参照すると、本発明の当該実施形態の第5の可能な実装方式において、装置は、
ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるトラッキング識別子設定ユニット、又は
ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるユーザ識別子記録ユニットを更に含む。
【0020】
本発明の複数の実施形態において提供されている、技術的な複数の解決手段の有益な複数の効果は、次の通りである。
【0021】
本発明の複数の実施形態において提供されている方法及び装置において、ネットワーク障害事象に従って、ネットワーク障害事象に関連し得るメッセージ特徴が、トラッキング特徴として設定される。ユーザのメッセージプロシージャを処理する場合に、ネットワークエレメントは、処理されるメッセージと特定されたトラッキング特徴との間の一致を実行する。一致が成功する場合、処理されているユーザをトラッキングオブジェクトとして選択し、ユーザの後に続くシグナリングメッセージを報告し、発生する可能性のあるネットワーク障害の原因を特定するのを支援する。ユーザのシグナリングプロシージャが失敗した後は、通常の継続的な複数の試みが成される。従って、選択されるトラッキングオブジェクトにより次に報告される、トラッキングされるシグナリングメッセージから、分析によりネットワーク障害の特定の原因を取得することは比較的容易であり、このことにより障害是正が加速される。先行技術と比較すると、本発明においては、障害に遭遇するユーザの特定の識別子を取得することは必要とされないが、障害事象から対応するメッセージフィルタリング特徴を判断することのみが必要とされる。ネットワークエレメントが、トラッキング特徴に準拠するメッセージプロシージャと自動的に一致し得、これにより、ネットワーク障害が発生する場合に、ネットワークエレメントは、多数のユーザのメッセージプロシージャを同時に処理するので、人が、障害に影響を与えられるユーザを迅速に判断し、従来のユーザトラッキングを確立して、課題を分析し、特定するのを支援することは困難であるという課題を解決する。この方式は、ネットワーク障害特定の一般的な処理により良く準拠し、分析によりネットワーク障害の特定の原因を取得することを比較的容易にし、障害是正を加速し得、これにより、迅速なネットワーク障害の特定及び是正を保証し、ネットワークユーザビリティを改善する効果的な手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の複数の実施形態における技術的な複数の解決手段をより明確に説明するべく、複数の実施形態を説明するために必要とされる複数の添付図面を以下で簡潔に説明する。以下の説明における複数の添付図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、当業者ならば、創造的努力なしにこれらの添付図面から他の複数の図面を更に導き出し得ることは明らかである。
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態に係るメッセージ処理方法のフローチャートである。
【0024】
図2】本発明の第2の実施形態に係るメッセージ処理方法のフローチャートである。
【0025】
図3】本発明の第3の実施形態に係るメッセージ処理装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の複数の目的、技術的な複数の解決手段、及び複数の利点をより明確にするべく、以下、複数の添付図面を参照して、本発明の複数の実施形態を詳細に更に説明する。
【0027】
本発明の複数の実施形態を理解しやすくするために、以下で、ネットワークエレメント、ネットワークエレメントのサービスオブジェクト、および本発明の複数の実施形態に含まれる他の関連する複数の概念を紹介する。
【0028】
GPRS無線通信ネットワークが、例として使用される。関連する複数のネットワークエレメントは、BSC(Base Station Controller、基地局コントローラ)、RNC(Radio Network Controller、無線ネットワークコントローラ)、SGSN(Serving GPRS Support Node、サービス提供GPRSサポートノード)、GGSN(Gateway GPRS Support Node、ゲートウェイGPRSサポートノード)等を含む。複数のネットワークエレメントのサービスオブジェクトが、複数のネットワークエレメントのネットワーク観点においてUE(User Equipment、ユーザ機器)と称される。
【0029】
LTEネットワークにおいて、関連する複数のネットワークエレメントは、eNodeB(Evolved Node B、進化型ノードB)、MME(Mobility Management Entity、移動性管理エンティティ)、S−GW(Serving Gateway、サービス提供ゲートウェイ)、P−GW(Packet work Gateway、パケットデータネットワークゲートウェイ)、HSS(Home Subscriber Server、ホーム加入者サーバ)、PCRF(Policy and Charging Rules Function、ポリシ及び課金ルール機能)、OCS(Online Charging System、オンライン課金システム)等を含む。同様に、複数のネットワークエレメントによりサービス提供されるユーザ機器も、UEと称される。
【0030】
特定のネットワークエレメントにおいて、ネットワークエレメントが、ネットワークプロトコルスタックにおいて特定される層に従って、サービスオブジェクトを識別する異なる複数の識別子(Identifier)が存在する。例えば、GPRS及びLTEのコアネットワーク(Core Network)において、SGSN、GGSN、MME、S−GW、P−GW、HSS、及びPCRF等のネットワークエレメントは、IMSI(International Mobile Subscriber Identification Number、国際移動体加入者識別)、MSISDN(Mobile Subscriber International ISDN/PSTN number、移動局国際ISDN番号)、IMEI(International Mobile Equipment Identity、国際移動体機器識別)、又はUE IPアドレスのうちの1又は複数を概して使用し、UEを識別する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係るメッセージ処理方法のフローチャートである。図1を参照すると、当該方法は、以下の複数の段階を含む。
【0032】
101.現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較する。
【0033】
102.メッセージ特徴は、トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する。
【0034】
103.ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する。
【0035】
本発明のこの実施形態において提供される方法において、ネットワークにおける障害事象に従って、ネットワーク障害事象に関し得るメッセージ特徴が、トラッキング特徴として設定される。ユーザのメッセージプロシージャを処理する場合に、ネットワークエレメントは、処理されるメッセージと特定されたトラッキング特徴との間の一致を実行する。一致が成功する場合、処理されているユーザをトラッキングオブジェクトとして選択し、ユーザの後に続くシグナリングメッセージを報告し、発生する可能性のあるネットワーク障害の原因を特定するのを支援する。ユーザのシグナリングプロシージャが失敗した後は、通常の継続的な複数の試みが成される。従って、選択されるトラッキングオブジェクトにより次に報告される、トラッキングされるシグナリングメッセージから、分析によりネットワーク障害の特定の原因を取得することは比較的容易であり、このことにより障害是正が加速される。先行技術と比較すると、本発明においては、障害に遭遇するユーザの特定の識別子を取得することは必要とされないが、障害事象から対応するメッセージフィルタリング特徴を判断することのみが必要とされる。ネットワークエレメントが、トラッキング特徴に準拠するメッセージプロシージャと自動的に一致し得、これにより、ネットワーク障害が発生する場合に、ネットワークエレメントは、多数のユーザのメッセージプロシージャを同時に処理するので、人が、障害に影響を与えられるユーザを迅速に判断し、従来のユーザトラッキングを確立して、課題を分析し、特定するのを支援することは困難であるという課題を解決する。この方式は、ネットワーク障害特定の一般的な処理により良く準拠し、分析によりネットワーク障害の特定の原因を取得することを比較的容易にし、障害是正を加速し得、これにより、迅速なネットワーク障害の特定及び是正を保証し、ネットワークユーザビリティを改善する効果的な手段を提供する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に係るメッセージ処理方法のフローチャートである。図2を参照すると、当該方法は、以下の複数の段階を含む。
【0037】
201.ネットワークエレメントが、トラッキングタスクを受信し、ここでトラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送する。
【0038】
トラッキング特徴は、発生したネットワーク障害事象に従って設定される。例えば、複数のネットワーク性能統計が、アタッチ(Attach)プロシージャの成功率が減少することを反映する場合、トラッキング特徴は、トラッキングアタッチ拒否メッセージとして設定され得、すなわち、メッセージ型は、Attach Rejectである。
【0039】
トラッキング特徴は、空文字列に設定され得、すなわち、ネットワークエレメントは、処理される複数のユーザから、トラッキングターゲットユーザとしてユーザを選択する。
【0040】
本発明のこの実施形態において、トラッキングタスクは、トラッキング管理端末によりネットワークエレメントに送信され得、ここでトラッキング管理端末は、通信ネットワークにおいて、ネットワークエレメントのトラッキングタスクを管理するデバイスである。トラッキング管理端末は、トラッキングタスクをネットワークエレメントに送信し、また、ネットワークエレメントにより報告されるトラッキングメッセージを受信し得る。オペレーション及び保守要員は、報告されるトラッキングメッセージを観察することにより、ネットワークエレメントによるメッセージプロシージャを処理する状況を知る。もちろん、トラッキングタスクをネットワークエレメントに送信し、ネットワークエレメントにより報告されるトラッキングメッセージを受信する多数の異なる実装方式が存在し得、ネットワークエレメントに直接組み込まれる一定の一致条件等であるが、本発明において限定されるものではない。
【0041】
トラッキング特徴は、ネットワークオペレーション及び保守の知識及び経験に従って、発生したネットワーク障害事象を、対応するメッセージ特徴に手動で又は自動的にマッピングすることにより取得される。例えば、ネットワークにおける特定のプロシージャの成功率指標が減少する場合に、特定のプロシージャに対する複数の拒否メッセージが、確実に増加する。トラッキング特徴は、プロシージャと一致する拒否メッセージとして設定され、障害事象により影響を与えられる、ユーザ及びユーザのプロシージャをキャプチャすることが可能である。
【0042】
トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせであり得る。
【0043】
インタフェース型は、一致されたメッセージが属するインタフェースを指し得、EPCネットワークにおける、S1インタフェース、Iuインタフェース、Gbインタフェース、S11インタフェース、S6インタフェース、SGsインタフェース、Svインタフェース、Gxインタフェース、又はGyインタフェース等である。ネットワークエレメントにより処理されるメッセージが、特定のインタフェースに属する場合、一致が成功することを示す。
【0044】
メッセージ型名は、ネットワークエレメントにより処理される特定のメッセージ型であってよく、各インタフェースは、それぞれのメッセージ型定義を有し、アタッチ要求(Attach Request)メッセージ、アタッチ拒否(Attach Reject)メッセージ、サービス要求(Sevice Request)メッセージ、セッション生成要求(Create Session Request)メッセージ、及びセッション生成応答(Create Session Response)メッセージ等である。
【0045】
エラーコード(Error Code)は、いくつかのメッセージ型において、オペレーションが成功するか否か、及び特定の障害原因を示すために特に使用されるフィールドを指し得る。
【0046】
メッセージにおける特定のフィールドが、より一般的に使用される概念であり、すなわち、ネットワークエレメントの各インタフェースの特定のメッセージにおける任意のフィールドが、本解決手段における特徴一致に使用され得る。実際に、前述のメッセージ型及びエラーコードも、メッセージにおける特定の複数のフィールドである。各メッセージのフィールド定義、値の意味等が、各インタフェースの規格プロトコルに記載されている。異なる複数のフィールドが、異なる複数の障害事象が発生する場合に、一致すると予想されるユーザ群の公開特徴を一致するために使用され得る。例えば、S1インタフェースのAttach Requestメッセージにおいて、EPS attach typeのフィールドが、アタッチ型を示し、現在のプロトコルにおいて特定される任意の値は、
【0047】
EPS attach:共通のEPSアタッチ、
combined EPS/IMSI attach:組み合わされたEPS/IMSIアタッチ、すなわち、CS Fallback性能をサポートするアタッチ、及び
EPS emergency attach:EPS緊急アタッチである。
【0048】
障害事象が、組み合わされたアタッチ又は緊急サービスアタッチと関連付けられると判断する場合、特徴一致条件において、アタッチ要求(Attach Request)メッセージにおける、EPS attach typeのフィールドと一致する特定の値を設定することにより、対応するプロシージャを実行しているユーザ及びユーザのシグナリングメッセージプロシージャが、迅速に一致され得る。
【0049】
トラッキング特徴は、例えば、特定のエラーコードを伝送する特定のメッセージ型と、又はメッセージにおけるフィールドに等しい特定の値の特定のメッセージ型と一致する、前述の内容の任意の要素、又は内容の複数の要素の組み合わせであり得ることに留意すべきである。「に等しい」に加えて、一致条件(演算子)は、「に等しくない」、「より大きい」、「より小さい」、「の間」、「から始まる」(前方一致)、「で終わる」(後方一致)等であってもよい。
【0050】
トラッキング特徴は、空文字列であり得、ネットワークエレメントは、現在処理されている複数のユーザからターゲットユーザとしてユーザを選択する。
【0051】
特に、通信ネットワークにおいて、オペレーション及び保守要員は、MMEネットワークエレメントが、減少しているアタッチ成功率に遭遇することを発見すれば、これはMMEとS−GW又はP−GWとの間のデフォルトのベアラーのセットアップの失敗によりもたらされていると疑う。課題を特定するため、オペレーション及び保守要員は、アタッチに失敗している関連するユーザについての情報を取得することを期待し、次にトラッキングタスクをMMEに送信し、メッセージトラッキング一致条件を、メッセージ型が、アタッチ拒否(Attach Reject)、又はメッセージにおけるエラーコードが、#19 ESM Failureとして設定する。エラーコードは、アタッチ障害が、MMEとS−GW及びP−GWとの間のデフォルトのベアラーのセットアップの失敗によりもたらされていることを示す。トラッキングタスクは、メッセージ特徴一致条件を伝送し、メッセージ特徴一致条件をネットワークエレメントに送信する。ネットワークエレメントは、トラッキングタスクを受信する。
【0052】
202.ネットワークエレメントは、トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納する。
【0053】
本発明のこの実施形態において、トラッキング特徴データベースは、ネットワークエレメントにおいて、トラッキングタスクとトラッキングタスクのトラッキング特徴とを管理及び格納するよう構成される内部モジュールである。ネットワークエレメントは、データベース内に、トラッキング特徴内にある、メッセージ型名、メッセージにおけるエラーコード、及びメッセージにおける特定のフィールドの値等の情報と、全ての条件のうちの組み合わせの関係(複数の一致条件が、同時に満たされる必要があることを示す、又は複数の一致条件のうち1つのみが、満たされる必要があることを示す)と、複数の条件演算子(より大きい、より小さい、の間、に等しくない、等)とを格納し得る。トラッキング特徴データベースは、情報を格納することにより、ネットワークエレメントのトラッキング機能をサポートし、ネットワークエレメントにより送信される情報に従って、データベース内に格納される作業及び一致条件をいつでも更新し、展開する。
【0054】
特に、ネットワークエレメントにより受信された、送信されたトラッキングタスクにおけるトラッキング特徴が、S1‐NASインタフェースアタッチ拒否メッセージであるメッセージ型と、メッセージにおいて、#19 ESM Failureであるエラーコードとを含む場合、S1‐NASインタフェースアタッチ拒否メッセージとエラーコードフィールドの値が#19 ESM Failureに等しい一致条件パラメータとは、後に続く使用の便宜をはかるため、トラッキング特徴データベースのメッセージ型及びエラーコード内に対応して格納される。
【0055】
203.各インタフェースのプロトコルプロシージャを処理する過程において、ネットワークエレメントは、現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、トラッキング特徴データベースにおけるトラッキング特徴と比較する。
【0056】
本発明のこの実施形態において、ネットワークエレメントは、各インタフェースを使用することにより、複数のユーザと相互メッセージ送信を実行する必要がある。ネットワークエレメントは、多数のインタフェースを有する。例えば、MMEによりサポートされるインタフェースのいくつかは、eNodeBへのS1‐MMEインタフェース(3GPP 36.413)、HSSへのS6aインタフェース(3GPP 29.272)、S−GWへのS11インタフェース(3GPP 29.274)、MSCへのSGsインタフェース(3GPP 29.118)、及びSvインタフェース(3GPP 29.280)を含む。同様に、他の複数のネットワークエレメントも、複数のインタフェースをサポートする。例えば、P−GWによりサポートされるインタフェースのいくつかは、S−GWへのS5/S8インタフェース(3GPP 29.274)、及びPCRFへのGxインタフェース(3GPP 29.112)を含む。HSS、EIR、SGSN、GGSN、MSC、PCRF、及びP−CSCF等の、異なる複数のネットワークエレメントに対して、複数のネットワークエレメントによりサポートされる複数のインタフェースが、様々な変形を有してよいが、詳細は本明細書に記載されていない。
【0057】
ネットワークエレメントとユーザとの間のメッセージ交換処理において、ネットワークエレメントは、複数の異なる外部インタフェースを提供し得、各インタフェースは、サポートされるプロトコルをそれぞれ有し、すなわち、各インタフェース上のメッセージフォーマット定義が異なる。LTEネットワークにおける、コアネットワークのネットワークエレメントMME(Mobility Management Entity)のNAS(Non Access Stratum)インタフェースが、例として使用される。以下の表1は、MMEに対応している、様々なメッセージ型、エラーコード、及びメッセージにおける特定のフィールドの複数のターゲット固有値を列挙している。完全なインタフェースメッセージ定義については、プロトコルテキスト3GPP 24.301を参照することとする。トラッキング特徴が設定されている場合に、表1に示されている複数の設定条件の全て又は一部が、トラッキング特徴として選択され、各インタフェース上で交換されるメッセージのメッセージ特徴と比較するために使用され得る。
【0058】
表1において、設定条件の内容は、メッセージ型、エラーコード、及びメッセージにおける特定のフィールドのターゲット固有値を含む。メッセージ型は、アタッチ要求(Attach Request)、アタッチ許可(Attach Accept)、アタッチ拒否(Attach Reject)、デタッチ要求(Detach Request)、サービス要求(Sevice Request)等であってよい。エラーコードは、IMSI不明(#2、 IMSI unknown in HSS)、不正ユーザ機器(#3、 Illegal UE)、IMEI受け入れ拒否(#4、 IMEI not accepted)等であってよい。メッセージにおける特定のフィールドのターゲット固有値は、EPSアタッチ型(EPS Attach Type)、サービス型(Service Type)等であってよい。
【表1】
【0059】
特に、各インタフェースのプロトコルプロシージャを処理する過程において、ネットワークエレメントは、大量の相互メッセージを受信し、処理する。ネットワークエレメントは、各メッセージの情報をトラッキング特徴と比較する。前述の例において、処理されているメッセージ型は、S1‐NASインタフェースアタッチ拒否メッセージであり、メッセージにおけるエラーコードは#19 ESM Failureであるという比較結果である場合、一致が成功することを示し、次に段階204が実行される。
【0060】
204.メッセージのメッセージ特徴が、トラッキング特徴と一致する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する。
【0061】
本発明のこの実施形態において、一致していることは、ネットワークエレメントにより処理されるメッセージ特徴が、トラッキング特徴データベースにおいてトラッキングタスクにより伝送されるトラッキング特徴に準拠することを示す。
【0062】
処理されるメッセージ特徴が、トラッキング特徴に準拠すると判断する場合に、メッセージが属するユーザが、ターゲットユーザとして判断される。
【0063】
別の場合が、段階204において存在する。段階201において、トラッキングタスクにおいて伝送されるトラッキング特徴は、空文字列であり得る。トラッキング特徴が空文字列である場合に、各インタフェースのプロトコルプロシージャを処理する過程において、ネットワークエレメントは、ターゲットユーザをランダムに選択する。
【0064】
特に、トラッキング特徴が空文字列に設定される場合に、各インタフェースのプロトコルプロシージャを処理する過程において、ネットワークエレメントは、処理される相互メッセージのメッセージ特徴を抽出しないが、処理される相互メッセージにおいて、相互メッセージに対応するユーザをランダムに選択し、そのユーザをターゲットユーザとして判断する。
【0065】
205.ネットワークエレメントは、ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、又はターゲットユーザの(IMSI等の)ユーザ識別子をトラッキング対象ターゲットとして記録し、これにより、ユーザが、ユーザコンテクストを再作成しようと試みる場合に、ユーザコンテクストにトラッキング識別子を設定する。
【0066】
すなわち、ターゲットユーザのユーザ識別子は、オブジェクトトラッキングデータベースに記録され、これにより、ユーザが、ユーザコンテクストを再作成しようと試みる場合に、ユーザ識別子に従ってユーザコンテクストにトラッキング識別子を次に設定し、その結果、通信プロセスにおけるターゲットユーザのシグナリングメッセージが取得され得る。
【0067】
206.ネットワークエレメントは、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する。
【0068】
特に、ターゲットユーザを判断し、ユーザコンテクストにトラッキング識別子を設定した後、ユーザに関連するメッセージを次に処理する場合に、ネットワークエレメントは、通信プロセスにおいてターゲットユーザの後に続く相互メッセージを取得し得る。ユーザが、以前にエラーが発生したアタッチ要求シグナリングプロシージャを再度実行する場合、ネットワークエレメントは、今回シグナリングプロシージャを実行する状況を知り得、状況をトラッキング管理端末に報告する。オペレーション及び保守要員は、ネットワークエレメントにより報告される情報に従って、ネットワーク障害を特定し得る。
【0069】
前述の例におけるアタッチ拒否メッセージ等の、トラッキング特徴を一致するメッセージに対して、異なる実装に従って、ネットワークエレメントは、取得されたシグナリングメッセージを報告することを選択し得、又は次に続くシグナリングから報告することを開始し得るが、本発明のこの実施形態において限定されるものではないことに留意すべきである。
【0070】
207.ターゲットユーザを選択した後、ネットワークエレメントは、ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、トラッキングタスクが無効化されるまで、ネットワーク管理サーバに継続的に報告する。
【0071】
段階207が、任意の段階であることに留意すべきである。切り替え時間が、障害特徴に準拠する、ターゲットユーザのより多くのシグナリングメッセージサンプルを収集するために設定され得る。ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクが無効化され、ターゲットユーザが再選択され、段階206が実行される。
【0072】
特に、ネットワークエレメントが、切り替え時間を5分に設定する場合、計時は、ネットワークエレメントが、判断されたターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時点から開始する。ネットワークエレメントによりシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、5分に到達する場合に、ネットワークエレメントは、トラッキング特徴条件と一致する新たなターゲットユーザを再選択し、新たなターゲットユーザのシグナリングメッセージを報告する。ネットワークエレメントは、切り替え時間に到達する瞬間に直ぐに新たなターゲットユーザと一致することができないことがあり得るので、切り替え時間に到達した後、ネットワークエレメントは、条件に準拠する新たなターゲットユーザをマッチングし始め、新たなターゲットユーザが、正常に一致されるまで、オリジナルターゲットユーザのシグナリングメッセージを報告し続け、次に、切り替えを実行し得る。もちろん、切り替え時間に到達した後、ネットワークエレメントは、新たなターゲットユーザが、正常に一致されるまで、オリジナルターゲットユーザのシグナリングメッセージを報告することを直ぐに停止し、次に新たなターゲットユーザのシグナリングメッセージを報告し得る。
【0073】
本発明のこの実施形態において、ターゲットユーザの数は、限定されるものではない。トラッキング特徴に準拠する複数のユーザが、複数のターゲットユーザと同時に選択され得、複数のターゲットユーザの複数のシグナリングメッセージが、同時に報告され、障害状況の分析及び特定を加速する。
【0074】
ネットワークエレメントは、複数のトラッキング対象ターゲットユーザを有してよく、段階206が、以下の複数の場合のいずれか1つを有してよい。
【0075】
(1)ターゲットユーザの第1の数が判断される場合に、第1の数のターゲットユーザのメッセージシグナリングが、通信プロセスにおいて取得される。
【0076】
特に、ネットワークエレメントにより判断されるターゲットユーザの数は、一意でなくてもよく、従って、複数のターゲットユーザが、同時にトラッキングされ得る。ネットワークエレメントが5人のターゲットユーザを判断する場合に、ネットワークエレメントは、5人のターゲットユーザに対する複数のトラッキング識別子を設定し、通信プロセスにおいて5人のターゲットユーザのメッセージシグナリングを取得する。
【0077】
(2)ターゲットユーザの第1の数が判断される場合に、ターゲットユーザの第2の数が、ターゲットユーザの第1の数から選択され、第2の数のターゲットユーザのメッセージシグナリングが、通信プロセスにおいて取得される。第2の数は、第1の数より少ない。
【0078】
特に、ネットワークエレメントは、ターゲットトラッキング特徴を一致する様々なユーザを判断し得る。しかしながら、実際の適用において、ネットワークエレメントの処理性能は限定される。ネットワークエレメントは、実際にトラッキングされるターゲットユーザの数を限定し得、これにより、ネットワークエレメントの別のサービスに影響を与えることを回避する。例えば、30人のターゲットユーザが判断される。30人のターゲットユーザ全てがトラッキングされる場合、ネットワークエレメントは、オーバーロード状態になり、ネットワークエレメントの処理速度が遅くなる。従って、ネットワークエレメントは、30人のターゲットユーザからトラッキングする10人のターゲットユーザを選択し、通信プロセスにおいて10人のターゲットユーザのメッセージシグナリングを取得する。
【0079】
(3)ターゲットユーザの第3の数が判断される場合に、第3の数のターゲットユーザのメッセージシグナリングが、通信プロセスにおいて取得され、第3の数のターゲットユーザのいずれか1人をトラッキングする時間が切り替え時間に到達する場合に、ターゲットユーザが再選択される。
【0080】
特に、ネットワークエレメントは、異なる開始時間で各ターゲットユーザをトラッキングし得、従って、同時に、ネットワークエレメントは、複数のターゲットユーザに対するトラッキングを維持し得る。しかしながら、開始時間が異なるので、切り替え時間が設定される場合には、対応する終了時間も異なり得る。このように、任意のターゲットユーザをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、ターゲットユーザが、再選択され得、ネットワークエレメントのトラッキングリソースの無駄を回避する。
【0081】
例えば、ネットワークエレメントが、10人のターゲットユーザを判断し、切り替え時間が5分である場合に、ネットワークエレメントは、10人のターゲットユーザのメッセージシグナリングを取得し、トラッキングを開始する時間に、各ターゲットユーザをトラッキングする時間を記録する。10人のターゲットユーザのいずれか1人をトラッキングする時間が、5分に到達する場合に、ネットワークエレメントは、ターゲットユーザのメッセージをトラッキングすることを停止し、ターゲットユーザを再選択する。つまり、再選択した後、ターゲットユーザの数が10より大きくなることはできない。
【0082】
切り替え時間は、トラッキングの柔軟性を保証するために使用されることに留意すべきである。ネットワーク障害が、切り替え時間内に特定されない場合、トラッキングオブジェクトが、迅速に変更され得、ネットワーク障害の特定を実装する。しかしながら、実際の適用状況において、メッセージ特徴に従って判断されるユーザが、ネットワーク障害に遭遇する比較的高い可能性を有する。従って、切り替え時間は、設定されなくてもよいが、判断されたユーザは、ネットワーク障害の特定が成功するまで継続的にトラッキングされる。
【0083】
図3を参照すると、本発明の一実施形態は、メッセージ処理装置の概略構造図を提供する。図3を参照すると、装置は、処理ユニット301及び送信ユニット302を含む。
【0084】
処理ユニット301は、現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較し、メッセージ特徴は、トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断するよう構成される。
【0085】
送信ユニット302は、ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告するよう構成される。
【0086】
任意選択で、トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0087】
任意選択で、処理ユニット301は、トラッキング特徴が、空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択するよう更に構成される。
【0088】
任意選択で、装置は、
トラッキングタスクを受信し、ここでトラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送するよう構成される受信ユニットと、
トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納するよう構成されるストレージユニットとを更に含む。
【0089】
任意選択で、処理ユニット301は、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択するよう更に構成される。
【0090】
任意選択で、装置は、
ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるトラッキング識別子設定ユニット、又は、
ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるユーザ識別子記録ユニットを更に含む。
【0091】
前述の実施形態において提供されているメッセージ処理装置が、メッセージをトラッキングしている場合に、前述の複数の機能モジュールの分割を使用してのみ説明がなされていることに留意すべきである。実際には、複数の機能は、必要とされる実装に対する異なる複数の機能モジュールに割り当てられ得る。すなわち、デバイスの内部構造が、異なる複数の機能モジュールに分割され、上述の複数の機能の全て又は一部を実装する。更に、前述の複数の実施形態において提供されているメッセージ処理装置及びメッセージ処理方法は、同一の概念に関連する。特定の実装過程については、方法の実施形態を参照することとし、ここでは詳細は記載されていない。
【0092】
本発明の一実施形態は、ネットワークエレメントデバイスを更に提供する。当該ネットワークエレメントデバイスは、送信部と、受信部と、メモリと、送信部、受信部、及びメモリに別個に接続されるプロセッサとを含む。もちろん、ネットワークエレメントデバイスは、アンテナ、ベースバンド処理コンポーネント、中間無線周波処理コンポーネント、及び入力/出力装置等の一般的な複数のコンポーネントを更に含み得る。本発明のこの実施形態は、そこに何も限定を設けない。
【0093】
メモリは、プログラムコードの群を格納し、プロセッサは、メモリに格納されるプログラムコードを呼び出すよう構成され、これにより以下の複数のオペレーションを実行する。
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較する段階と、
メッセージ特徴は、トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階と、
ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する段階と、である。
【0094】
トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0095】
方法は、トラッキング特徴が空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択する段階を更に含む。
【0096】
方法は、トラッキングタスクを受信し、ここでトラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送する段階と、
トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納する段階とを更に含む。
【0097】
メッセージ特徴が、トラッキング特徴と一致する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階の後、方法は、
ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択する段階を更に含む。
【0098】
メッセージ特徴が、トラッキング特徴と一致する場合に、メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断した後、方法は、
ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階、又は、
ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいてターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階を更に含む。
【0099】
当業者ならば、実施形態の複数の段階の全て又はいくつかが、ハードウェア、又は関連するハードウェアに命令するプログラムによって実装されてよいことを理解するであろう。プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクを含んでよい。
【0100】
前述の複数の説明は、単に本発明の複数の例示的な実施形態に過ぎず、本発明を限定することは意図されていない。本発明の原理から逸脱することなく成される何らかの修正、同等の置き換え、および改善も、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
[項目1]
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を、特定されたトラッキング特徴と比較し、前記メッセージ特徴は、前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断するよう構成される処理ユニットと、
前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告するよう構成される送信ユニットとを備える
メッセージ処理装置。
[項目2]
前記トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
[項目3]
前記処理ユニットは、前記トラッキング特徴が、空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択するよう更に構成される、請求項1に記載の装置。
[項目4]
トラッキングタスクを受信し、前記トラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送するよう構成される受信ユニットと、前記トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納するよう構成されるストレージユニットとを更に備える、請求項1に記載の装置。
[項目5]
前記処理ユニットは、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択するよう更に構成される、請求項1に記載の装置。
[項目6]
前記ターゲットユーザのコンテクストにトラッキング識別子を設定し、前記トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるトラッキング識別子設定ユニット、又は、
前記ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、前記ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する取得モジュールをトリガするよう構成されるユーザ識別子記録ユニット
を更に備える、請求項1に記載の装置。
[項目7]
現在処理されているメッセージのメッセージ特徴を特定されたトラッキング特徴と比較する段階と、
前記メッセージ特徴は、前記トラッキング特徴と一致すると判断する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして判断する段階と、
前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを、ネットワーク管理サーバに報告する段階
とを備える
メッセージ処理方法。
[項目8]
前記トラッキング特徴は、インタフェース型、メッセージ型、エラーコード、又はメッセージにおける特定のフィールドの特定の値のうちの1つまたはそれらの組み合わせを備える、請求項7に記載の方法。
[項目9]
前記トラッキング特徴が空文字列である場合に、ターゲットユーザをランダムに選択する段階を更に備える、請求項7に記載の方法。
[項目10]
トラッキングタスクを受信し、前記トラッキングタスクは、トラッキング特徴を伝送する段階と、
前記トラッキング特徴をトラッキング特徴データベース内に格納する段階とを更に備える、請求項7に記載の方法。
[項目11]
前記メッセージ特徴が、前記トラッキング特徴と一致する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして前記判断する段階の後、ターゲットユーザのシグナリングメッセージをトラッキングする時間が、前記切り替え時間に到達する場合に、トラッキングタスクを無効化し、ターゲットユーザを再選択する段階を更に備える、請求項7に記載の方法。
[項目12]
前記メッセージ特徴が、前記トラッキング特徴と一致する場合に、前記メッセージに対応するユーザをターゲットユーザとして前記判断した後、前記ターゲットユーザのコンテクスト内にトラッキング識別子を設定し、前記トラッキング識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階、又は
前記ターゲットユーザのユーザ識別子をオブジェクトトラッキングデータベース内に記録し、前記ユーザ識別子に従って、通信プロセスにおいて前記ターゲットユーザのシグナリングメッセージを取得する段階を更に備える、請求項7に記載の方法。
図1
図2
図3