(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、既存のLTEシステムにおけるTTIの説明図である。
図1に示すように、LTE Rel.8−12におけるTTI(例えば、通常TTIと呼ばれてもよい)は、1msの時間長を有する。通常TTIは、サブフレームとも呼ばれ、0.5msの時間スロット2つで構成される。通常TTIは、チャネル符号化された1データパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となる。
【0015】
図1は、通常サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)のサブフレーム構成を示している。例えば、通常CPを用いる下りリンク(DL)の場合、通常TTIは、14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(スロットあたり7OFDMシンボル)を含んで構成される。各OFDMシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付与される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
【0016】
また、通常CPを用いる上りリンク(UL)の場合、通常TTIは、14SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル(スロットあたり7SC−FDMAシンボル)を含んで構成される。各SC−FDMAシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
【0017】
なお、拡張CPの場合、通常TTIは、12OFDMシンボル(又は12SC−FDMAシンボル)を含んで構成されてもよい。この場合、各OFDMシンボル(又は各SC−FDMAシンボル)は、66.7μsの時間長を有し、16.67μsの拡張CPが付与される。
【0018】
ところで、Rel.13以降のLTEや5Gなどの将来の無線通信システムでは、数十GHzなどの高周波数帯に適した無線インターフェースや、IoT、MTC、M2M、D2D、V2Vなどの遅延を最小化する無線インターフェースが望まれている。
【0019】
そのため、将来の通信システムでは、TTIを1msより短縮したTTI(例えば、短縮TTIと呼ばれてもよい)を利用して通信を行うことが考えられる。短縮TTIについて、
図2を参照して説明する。
図2は、通常TTI及び短縮TTIの説明図である。
図2では、通常TTI(1ms)を利用するセル(CC#1)と、短縮TTIを利用するセル(CC#2)を示している。短縮TTIを利用する場合、サブキャリア間隔は、通常TTIのサブキャリアから変更(例えば、サブキャリア間隔を拡大)してもよい。
【0020】
通常TTIよりも短い時間長のTTI(短縮TTI)を用いる場合、ユーザ端末や無線基地局における処理(例えば、符号化、復号など)に対する時間的マージンが増加するため、処理遅延を低減できる。また、短縮TTIを用いる場合、単位時間(例えば、1ms)当たりに収容可能なユーザ端末数を増加させることができる。以下に、短縮TTIの構成などについて説明する。
【0021】
(短縮TTIの構成例)
短縮TTIの構成例について
図3を参照して説明する。
図3は、短縮TTIの構成の一例を示す図である。
図3A及び
図3Bに示すように、短縮TTIは、1msより小さい時間長(TTI長)を有する。短縮TTIは、例えば、0.5ms、0.25ms、0.2ms、0.1msなど、倍数が1msとなるTTI長であってもよい。これにより、1msである通常TTIとの互換性を保ちながら、短縮TTIを導入できる。あるいは、短縮TTIは、シンボル単位(例えば、1/14ms)で構成することもできる。
【0022】
なお、
図3A及び
図3Bでは、通常CPの場合を一例として説明するが、これに限られない。短縮TTIは、通常TTIよりも短い時間長であればよく、短縮TTI内のシンボル数、シンボル長、CP長などの構成はどのようなものであってもよい。また、以下では、DLにOFDMシンボル、ULにSC−FDMAシンボルが用いられる例を説明するが、これらに限られるものではない。
【0023】
図3Aは、短縮TTIの第1の構成例を示す図である。
図3Aに示すように、第1の構成例では、短縮TTIは、通常TTIと同一数の14OFDMシンボル(又はSC−FDMAシンボル)で構成され、各OFDMシンボル(各SC−FDMAシンボル)は、通常TTIのシンボル長(=66.7μs)よりも短いシンボル長を有する。
【0024】
図3Aに示すように、通常TTIのシンボル数を維持してシンボル長を短くする場合、通常TTIの物理レイヤ信号構成を流用することができる。また、通常TTIのシンボル数を維持してシンボル長を短くする場合、サブキャリア間隔が大きくなるため、短縮TTIに含める情報量(ビット量)を通常TTIよりも削減できる。
【0025】
図3Bは、短縮TTIの第2の構成例を示す図である。
図3Bに示すように、第2の構成例では、短縮TTIは、通常TTIよりも少ない数のOFDMシンボル(又はSC−FDMAシンボル)で構成され、各OFDMシンボル(各SC−FDMAシンボル)は、通常TTIと同一のシンボル長(=66.7μs)を有する。例えば、
図3Bでは、短縮TTIは、通常TTIの半分の数の7OFDMシンボル(SC−FDMAシンボル)で構成される。
【0026】
図3Bに示すように、シンボル長を維持してシンボル数を削減する場合、短縮TTIに含める情報量(ビット量)を通常TTIよりも削減できる。このため、ユーザ端末は、通常TTIよりも短い時間で、短縮TTIに含まれる信号の受信処理(例えば、復調、復号、測定など)を行うことができ、処理遅延を短縮できる。また、
図3Bに示す短縮TTIの信号と通常TTIの信号とを同一CCで多重(例えば、OFDM多重)でき、通常TTIとの互換性を維持できる。
【0027】
(短縮TTIの設定例)
短縮TTIの設定例について説明する。短縮TTIを適用する場合、LTE Rel.8−12との互換性を有するように、通常TTI及び短縮TTIの双方をユーザ端末に設定する構成とすることも可能である。
図4は、通常TTI及び短縮TTIの設定の一例を示す図である。なお、
図4は、例示にすぎず、TTIの設定はこれらに限られない。
【0028】
図4Aは、短縮TTIの第1の設定例を示す図である。
図4Aに示すように、通常TTIと短縮TTIとは、同一のコンポーネントキャリア(CC)(周波数領域)内で時間的に混在してもよい。具体的には、短縮TTIは、同一のCCの特定のサブフレーム(又は特定の無線フレーム)に設定されてもよい。例えば、短縮TTIは、MBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)サブフレームを設定できるサブフレームや、報知情報(例えば、MIB(Master Information Block))や同期信号など特定の信号を含む(又は含まない)サブフレームであってもよい。
【0029】
図4Aでは、同一のCC内の連続する5サブフレーム(5通常TTI分)において短縮TTIが設定され、その他のサブフレームにおいて通常TTIが設定されている。なお、短縮TTIが設定されるサブフレームの数や位置は、
図4Aに示すものに限られない。
【0030】
図4Bは、短縮TTIの第2の設定例を示す図である。
図4Bに示すように、通常TTIのCCと短縮TTIのCCとを統合して、キャリアアグリゲーション(CA)又はデュアルコネクティビティ(DC)が行われてもよい。具体的には、短縮TTIは、特定のCCに(より具体的には、特定のCCのDL及び/又はULに)設定されてもよい。
【0031】
図4Bでは、特定のCCのDLにおいて短縮TTIが設定され、他のCCのDL及びULにおいて通常TTIが設定されている。なお、短縮TTIが設定されるCCの数や位置は、
図4Bに示すものに限られない。
【0032】
CAの場合、短縮TTIは、同一の無線基地局の特定のCC(プライマリ(P)セル又は/及びセカンダリ(S)セル)に設定されてもよい。一方、DCの場合、短縮TTIは、第1の無線基地局によって形成されるマスタセルグループ(MCG)内の特定のCC(Pセル又は/及びSセル)に設定されてもよいし、第2の無線基地局によって形成されるセカンダリセルグループ(SCG)内の特定のCC(プライマリセカンダリ(PS)セル又は/及びSセル)に設定されてもよい。
【0033】
図4Cは、短縮TTIの第3の設定例を示す図である。
図4Cに示すように、短縮TTIは、DL又はULのいずれかに設定されてもよい。例えば、
図4Cでは、TDD(Time Division Duplex)システムにおいて、ULに通常TTIが設定され、DLに短縮TTIが設定される場合を示している。
【0034】
また、DL又はULの特定のチャネルや信号が短縮TTIに割り当てられ(設定され)てもよい。例えば、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)が通常TTIに割り当てられ、上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)が短縮TTIに割り当てられる構成としてもよい。
【0035】
また、LTE Rel.8−12のマルチアクセス方式であるOFDM(あるいはSC−FDMA)とは異なるマルチアクセス方式が短縮TTIに割り当てられ(設定され)てもよい。
【0036】
以上のように、将来の無線通信では、通常TTIより送信時間間隔が短縮された短縮TTIをUL送信及び/又はDL送信に適用して通信を行うことが想定される。ここで、発明者らは、例えば将来の無線通信システムへの移行段階では、
図4に示したように、短縮TTIと既存システムのTTI(通常TTI)とが併用される可能性が高いことに着目した。
【0037】
そこで、本発明者らは、短縮TTIを用いる場合であっても、既存のLTEシステムの下り無線リソース構成と親和性の高い無線リソース構成を用いて通信を行うことを着想した。具体的には、本発明者らは、既存システムの1サブフレームを分割して複数のTTIを規定するとともに、既存システムで割り当てられる信号構成(無線リソースのマッピングパターン)をできるだけ採用することを見出した。また、本発明者らは、上記複数のTTIを用いる場合に適した、制御情報(スケジューリング情報)の内容や制御信号のマッピングなどについても検討を行い、本発明の一態様に至った。
【0038】
本発明の一態様によれば、例えば1つのセル(eNB)が複数のTTIの通信を制御し、短縮TTIと通常TTIとを同期させることができるとともに、短縮TTIによる低遅延化の効果を十分に発揮することができる。
【0039】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、通常TTI(1ms)より短い時間長の伝送単位を短縮TTIと呼ぶが、呼称はこれに限られない。また、以下の説明ではLTEシステムを例に挙げるが、本発明は他のシステムに適用されてもよい。
【0040】
なお、以下では下り制御チャネル(例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel))が割り当てられる領域(既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号0−2)は、TTIを構成しない及び/又はTTI長に含めないものとするが、これに限られない。例えば、以下の説明で既存システムの1サブフレームにおける最初のTTIは、下り制御チャネル領域を含んで1つのTTIを構成してもよい。さらに、特定の信号(例えば、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))など)を含むシンボルも、TTIを構成しない及び/又はTTI長に含めないものとしてもよい。
【0041】
また、以下では通常TTIにおいて通常CPが挿入される場合を例に説明するが、拡張CPの場合であっても、本明細書を参照して本発明を適用することができる。なお、各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0042】
(無線通信方法)
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態は、下り制御チャネルに関する。
【0043】
まず、本発明に係る短縮TTIの無線リソースマッピングについて説明する。本発明の一態様においては、既存システムの1サブフレームを分割して複数のTTIを規定する。例えば、以下のようなリソースマッピング構成(TTI構成)を用いてもよい:
(1)複数のTTIは、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号3から開始する6シンボル長で構成される第1のTTIと、第1のTTIの直後のシンボルから開始する5シンボル長で構成される第2のTTIと、を含む構成、
(2)複数のTTIは、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号0−2を除くシンボルを用いて、1又は2シンボル長で構成されるTTIを含む構成、
(3)複数のTTIは、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号2から開始する4シンボル長で構成される第1のTTIと、当該第1のTTIの直後のシンボルから開始する4シンボル長で構成される第2のTTIと、当該第2のTTIの直後のシンボルから開始する4シンボル長で構成される第3のTTIと、を含む構成、
(4)複数のTTIは、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号3から開始する4シンボル長で構成される第1のTTIと、当該第1のTTIの直後のシンボルから開始する3シンボル長で構成される第2のTTIと、当該第2のTTIの直後のシンボルから開始する4シンボル長で構成される第3のTTIと、を含む構成。
【0044】
なお、本発明の各実施形態の適用はこれらの構成に限られず、複数のTTIが既存システムの1サブフレームを分割したものであればよい。
【0045】
図5は、第1の実施形態におけるTTI構成の無線リソースマッピングの一例を示す図である。
図5には、所定のUEに短縮TTIが設定されている帯域(3リソースブロック(PRB:Physical Resource Block))について、既存システムの1サブフレーム分のシンボル(14シンボル)が示されている。
図5のTTI構成は、上述の構成(4)に対応する。
【0046】
なお、図示されていない周波数リソースは、他のUE用に短縮TTIが設定されてもよいし、通常TTIで用いられてもよい。また、後述の
図6についても、
図5と同様の3PRB×14シンボルの領域における無線リソースマッピングを示す。ただし、本発明に係るリソースマッピングは、これらに限られない。
【0047】
UEに短縮TTIが設定されるまでのフローは、例えば以下の通りである。まず、UEが、短縮TTIで通信可能であることを示すUE能力情報(UE capability)及び/又は遅延低減機能を有することを示すUE能力情報をeNBに送信する。当該UE能力情報を受信したeNBは、当該UEに対して、短縮TTI構成に関する情報(例えば、短縮TTIの開始シンボル、シンボル数、PRB数など)を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)、下り制御情報又はこれらの組み合わせで通知する。UEは、通知された情報に基づいて、TTI構成を特定し、当該TTI構成に基づいて短縮TTIで通信を行うべき無線リソースを判断し、送信及び/又は受信処理を制御する。
【0048】
ここで、TTI構成(短縮TTI構成)の特定とは、例えば各短縮TTIの時間リソース(時間長など)、周波数リソース(PRBなど)などを特定することや、各短縮TTIで送信される信号構成を特定することを含む。なお、このフローは、他の実施形態でも同様に用いられてもよい。
【0049】
UEは、複数のTTIの少なくとも1つで送信及び/又は受信されるデータのスケジューリング情報(例えば、DLグラント、ULグラントなど)を、既存システムと同じPDCCHで受信してもよいし、いずれかのTTI(例えば、最初の(第1の)TTI)においてEPDCCHで受信してもよい。UEは、受信したDLグラントに基づいて、複数のTTIの少なくとも1つで下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を用いてデータを受信してもよい。UEは、受信したULグラントに基づいて、複数のTTIの少なくとも1つで上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)を用いてデータを送信してもよい。
【0050】
第1の実施形態では、
図5Aに示すように、既存システムと同じPDCCH領域及びCRSのリソースマッピングを用いる。この場合、各TTIでUEがCRSを受信するようにマッピングされている。ここで、当該CRSは、既存システムのCRSと同じ系列から生成されることが好ましいが、異なる系列から生成されてもよい。後述の
図6におけるCRSも同様である。
【0051】
復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)は、例えば、送信モード(TM:Transmission Mode)9や10などでUEにおけるデータ復調のためにマッピングされる。第1の実施形態では、
図5Bに示すように、既存システムと少なくとも一部が同じDMRSのリソースマッピングを用いることができる。
図5Bの例では、複数のTTIの少なくとも2つ(第1のTTI及び第3のTTI)において、既存システムと同じDMRSのリソースマッピングを用いる。これにより、UEは、一部のTTIで既存システムと同様のレートマッチングを適用して受信処理を行うことができる。
【0052】
当該DMRSは、既存システムのDMRSと同じ系列から生成されることが好ましいが、異なる系列から生成されてもよい。後述の
図6におけるDMRSも同様である。なお、例えば、送信モードによっては、DMRSはマッピングされなくてもよい。
【0053】
ここまで説明した本発明に係る短縮TTIの無線リソースマッピングによれば、既存システムの制御信号、参照信号などを一部用いてUEが受信処理や測定を行うことができるため、短縮TTIを実現することができる。また、CRSを各TTIに含むように構成することで、各TTIでチャネル推定を行うことができる。
【0054】
以下では、より具体的なスケジューリング情報の内容について説明する。既存のPDCCHでスケジューリング情報を通知する場合、スケジューリング対象となり得る短縮TTIの個数(分割数)だけのTTIを特定(判断)するための情報(TTI特定情報、TTIインデックスなどと呼ばれてもよい)を、UEに明示的に設定(通知)する。具体的には、PDCCHで通知する下り制御情報(例えば、DCI(Downlink Control Information))に、TTI特定情報を含めて通知する。
【0055】
UEは、当該情報に基づいて、スケジューリングされるTTI(スケジュールドTTI)を判断することができる。例えば、
図5の例だと、1サブフレーム内の短縮TTI数は3であるため、DCI(DLグラント)に2ビットのTTI特定情報を含めて、個別のTTIをスケジューリングすることができる。
【0056】
もしくは、複数のTTIに対して共有できる(共通に設定できる)フィールドがある場合には、Joint DCI(リソース割り当て情報などの所定のフィールドを共有するDCI)を用いてもよい。
図5の例だと、1サブフレーム内の短縮TTI数は3であるため、DCI(DLグラント)に3ビットのTTI特定情報(ビットマップ)を含めて、複数のTTIをまとめてスケジューリングすることができる。例えば、UEは、TTI特定情報において、‘1’に対応するTTIを割り当て有と判断し、‘0’に対応するTTIを割り当て無と判断してもよい。
【0057】
既存システムの1サブフレーム内の最初の短縮TTIにおけるEPDCCHでスケジューリング情報を通知する場合でも、上述のPDCCHの場合と同様のTTI特定情報を用いることができる。
図5の場合、最初のTTIから2番目及び/又は3番目のTTIに対して行うスケジューリングは、クロスTTIスケジューリングと呼ばれてもよい。
【0058】
ただし、EPDCCHを短縮TTIで送信する場合、通常TTIより時間リソースが減少していることから、周波数方向にリソース(周波数帯域、帯域幅)を確保する必要がある。このため、既存のEPDCCHリソースより多い(既存のEPDCCHリソースを拡大した)無線リソースを設定(configure)するものとしてもよい。例えば、既存のEPDCCHの周波数リソースには、2、4又は8PRBが用いられるが、これらのリソースに所定数(例えば、分割数(
図5の場合、3)や、既存のEPDCCHの最大シンボル数を所定の短縮TTIのシンボル数で割った値)を乗算したリソース(例えば、6、12又は24PRB)を設定するものとしてもよい。つまり、eNB及び/又はUEは、短縮TTIを設定したUEに対するEPDCCHの割り当てについて、既存の無線リソース量を増加するように読み替えて用いてもよい。
【0059】
図6は、第1の実施形態におけるEPDCCHによるスケジューリングの一例を示す図である。
図6のTTI構成は、
図5と同様に上述の構成(4)に対応する。
図6には、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)によって設定されたEPDCCHのリソースを用いて、最初のTTIにスケジューリング情報を割り当てる例が示されている。
【0060】
また、EPDCCHを割り当てる短縮TTIで下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を周波数多重することは困難になる可能性が高い。このため、短縮TTIが設定されたUEに対して、最初のTTIでEPDCCHを通知する場合には、最初のTTIで当該UEに設定されたリソースの全てをEPDCCHに割り当てることが好ましい。この場合、TTI特定情報は、最初のTTIを除いた各TTIを特定できるように規定されればよく、分割数から1引いた数(=分割数−1)のTTIを特定するために利用できればよい。なお、
図6に示したように、最初のTTIでEPDCCHとPDSCHを周波数多重する(周波数多重を可能とする)ように割り当てを行ってもよい。
【0061】
なお、上記特定情報は、DCIの所定のフィールドの一部又は全部でユーザ端末に通知することができる。例えば、当該情報は、従来のLTE/LTE−Aシステムでは規定されていない新しいビットフィールドを用いて通知されてもよいし、既存のDCIのビットフィールドを読み替えることで通知されてもよい。既存のビットフィールドとして、例えば、リソース割り当て(RA:Resource Allocation)フィールド、MCS(Modulation and Coding Scheme)フィールド、HPN(HARQ Process Number)フィールドなどのいずれか又はこれらの組み合わせを利用してもよい。なお、CIF(Carrier Indicator Field)など、他のフィールドを読み替えて利用してもよい。
【0062】
例えば、短縮TTIでは、利用可能なリソース数が少ないことから、既存システムにおけるMCSの一部(例えば、比較的高いMCS)は選択されないことが考えられる。このため、既存システムのMCSフィールドの一部又は全部を、特定情報として用いることができる。
【0063】
なお、DCIのどのフィールドがTTI特定情報を示すかに関する情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報)などでUEに通知されてもよい。
【0064】
なお、既存システムのサブフレームごと(例えば、サブフレームの種類ごと)に、サブフレーム内のTTI数が異なってもよい。例えば、MBSFNサブフレームでは12TTI、非MBSFNサブフレームでは8TTI分の短縮TTIを含む構成としてもよい。他の実施形態でも同様に、サブフレームに基づいてTTI数を可変としてもよい。
【0065】
また、短縮TTIを用いる場合、通常のFDD(Frequency Division Duplex)では8つあるHARQバッファ数(又はTDD(Time Division Duplex)では最大16個あるHARQバッファ数)を増加又は低減してもよい。例えば、短縮TTIをFDDで用いる場合を想定すると、HARQバッファ数=分割数×RTT(Round Trip Time)としてもよい。
図5の場合、分割数は3であり、RTTを例えば4msとすると、HARQバッファ数は12となる。
【0066】
また、TTI特定情報(TTIインデックス)に関連付けて他の制御信号(例えば、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)など)を制御してもよい。例えば、TTIインデックスに基づいて所定の信号のリソース(周波数リソース及び/又は時間リソース)にオフセットを付与してもよい。
【0067】
以上、第1の実施形態によれば、1サブフレームを複数のTTIに分割し、スケジューリングするTTIを特定する情報を下り制御チャネル(PDCCH/EPDCCH)によりUEに通知することで、短縮TTIを用いる場合であっても確実なスケジューリングが可能となる。また、既存システムの制御信号、参照信号などを一部用いてUEが受信処理や測定を行うことができるため、短縮TTIを実現することができる。
【0068】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、短縮TTIで送信される下り共有チャネル(PDSCH)の復号方法に関する。
【0069】
第1の実施形態でも説明したように、UEは、受信した下り制御情報(例えば、DCI)に基づいて、短縮TTIでPDSCHを受信する。まず、PDSCHの既存の復号方法について説明する。
【0070】
UEは、受信したDCIからMCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスを取得し、TBS(Transport Block Size)インデックスとPRB数とTBSとを関連付けるTBSテーブルから、当該MCSインデックスに対応するTBSインデックスと当該PDSCHに割り当てられるPRB数とに関連付けられるTBSを取得する。そして、UEは、取得したTBSに基づいて、PDSCHを復号する。
【0071】
本発明者らは、既存のTBSテーブルが、通常TTIでPDSCHに割り当てられる可能性のあるPRB数に対応できるものであり、短縮TTI用としてはTBSが適切でないことに着目した。このため、上述のPDSCHの既存の復号方法をそのまま用いると、PDSCHの復号を適切に行うことができない。
【0072】
そこで、本発明者らは、UEが短縮TTIでデータを受信する場合に、短縮TTIにおけるデータ受信であることを考慮した復号を行うことを着想した。具体的には、以下の2つの方法を見出した:(1)既存のTBSテーブルと異なるテーブルを用いる(読み替える)、(2)既存のTBSテーブルはそのまま用いるが、PDSCHに割り当てられるPRB数の解釈を変える。
【0073】
上記方法(1)について説明する。
図7は、既存のTBSテーブル及び第2の実施形態の方法1に係るTBSテーブルの一例を示す図である。なお、
図7では、PRB数(N
PRB)が91−100の部分のみが示されるが、PRB数(N
PRB)が1−90である場合にも同様にTBSが規定される。なお、PRB数(N
PRB)は、1−100に限られない。また、
図7では、TBSインデックス(I
TBS)として25及び26だけが示されるが、他のTBSインデックス(例えば、1−24、28−33)についても、PRB数毎のTBSが規定される。
【0074】
図7Aは、既存のTBSテーブルの一部、
図7Bは第2の実施形態の方法1に係るTBSテーブルの一部を示す図である。
図7Aに示すTBSテーブルが示すTBSは、既存システムの1サブフレームで割り当てられ得るPDSCHに対応したTBSに相当する。このため、同じ値を短縮TTIに用いると、UEは、実際には割り当てられない過剰なリソースを想定して復号を行うこととなる。
【0075】
方法(1)では、既存のTBSテーブル中の各TBSを、より低い値のTBSに置き換えたテーブルを用いる。例えば、
図7Bは、
図7Aの各TBSを、約1/3倍の値に置き換えたものである。ここで、置き換えた後の値は、既存のTBSテーブルに含まれるTBSであることが好ましいが、これに限られない。また、
図7AのTBSテーブルの一部のTBSのみを置き換えてもよい。
【0076】
例えば、第1の実施形態におけるTTI構成(3)や(4)では、
図7BのTBSテーブルを用いて符号化率を算出し、短縮TTIにおけるPDSCHを復号してもよい。
【0077】
なお、
図7Bのような短縮TTI用のTBSテーブルは、予めUEに記憶(設定)されていてもよいし、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報)などにより、eNBからUEに通知されてもよい。また、既存のTBSテーブルから所定の算出式により変換されてもよい。
【0078】
また、短縮TTIで短縮TTI用のTBSテーブルを用いることは、上位レイヤシグナリングにより指示されてもよい。例えば、既存のTBSテーブル(例えば、
図7A)とは別に短縮TTI用のTBSテーブル(例えば、
図7B)を用いることを示す指示情報(例えば、altTBSと呼ばれてもよい)が、上位レイヤ制御情報(例えば、PDSCH−Config)に含められてもよい。
【0079】
UEは、上記指示情報(例えば、altTBS)が上位レイヤ制御情報(例えば、PDSCH−Config)に含まれる場合、短縮TTIの符号化率算出において、既存のTBSテーブルとは別のTBSテーブルを用いてTBSを取得(適用)してもよい。一方、上記指示情報(例えば、altTBS)が上位レイヤ制御情報(例えば、PDSCH−Config)に含まれない場合、UEは、既存のTBSテーブルからTBSを取得してもよい。
【0080】
方法(2)では、UEは、TBSインデックスと、PRB数に所定の係数を乗算した値と、に関連付けられるTBSをTBSテーブルから取得する。例えば、UEは、下記式1を用いて、PDSCHに割り当てられるPRB数(N’
PRB)に所定の係数αを乗算した値(すなわち、TBSテーブルを参照するためのPRB数(N
PRB))を算出してもよい。
【0082】
例えば、第1の実施形態におけるTTI構成(3)や(4)では、UEは、α=0.33として、PDSCHに割り当てられるPRB数(N’
PRB)からTBSテーブルを参照するためのPRB数(N
PRB)を算出し、
図7AのTBSテーブルを用いて符号化率を算出し、短縮TTIにおけるPDSCHを復号してもよい。
【0083】
なお、αは予めUEに記憶(設定)されていてもよいし、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報)などにより、eNBからUEに通知されてもよい。また、短縮TTIにおけるPRB数の補正は式1に限られず、例えばPDSCHに割り当てられるPRB数を所定の係数で割った値を用いてもよい。
【0084】
例えば、短縮TTIが設定されたUEに対して、上記所定の係数(例えば、nPRB−Coeffと呼ばれてもよい)が、上位レイヤ制御情報(例えば、PDSCH−Config)に含められてもよい。
【0085】
UEは、上記所定の係数(例えば、nPRB−Coeff)が上位レイヤ制御情報(例えば、PDSCH−Config)に含まれる場合、短縮TTIの符号化率算出において、上記所定の係数を乗算したPRB数に基づいて、既存のTBSテーブルからTBSを取得してもよい。
【0086】
以上、第2の実施形態では、下り共有チャネル(PDSCH)が短縮TTIで送信される場合、既存のTBSテーブルを用いる場合より小さな値のTBSが取得される。このため、UEは、短縮TTIにおけるPDSCHを適切に受信及び/又は復号できる。
【0087】
なお、各実施形態では下りのTTI構成(フレーム構成、チャネル構成)について説明したが、上りでも既存システムの1サブフレームを分割した短縮TTIが用いられてもよい。この場合、既存システムにおける1サブフレーム中の短縮TTI数(分割数)は、下りフレームのTTI数と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0088】
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又は組み合わせを用いて通信が行われる。
【0089】
図8は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0090】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0091】
図8に示す無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
【0092】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0093】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0094】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0095】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0096】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0097】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
【0098】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
【0099】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0100】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0101】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0102】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0103】
(無線基地局)
図9は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0104】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0105】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0106】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0107】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0108】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0109】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0110】
なお、送受信部103は、ユーザ端末20に対して、データの送信及び/又は受信に関する下り制御情報(例えば、DCI)を送信する。例えば、送受信部103は、下り共有チャネル(PDSCH)の受信の指示情報(DLグラント)を送信してもよい。また、送受信部103は、上り共有チャネル(PUSCH)の送信の指示情報(ULグラント)を送信してもよい。
【0111】
送受信部103は、制御部301が判断(決定)する所定の短縮TTIで、下りデータ(PDSCH)を送信する。また、送受信部103は、上りデータ(PUSCH)に対するHARQ−ACKを送信してもよい。また、送受信部103は、短縮TTI構成に関する情報を送信してもよい。
【0112】
送受信部103は、ユーザ端末20から、上り共有チャネル(例えば、PUSCH)で上りデータを受信する。送受信部103は、DCIに基づいて下り共有チャネル(PDSCH)で送信された下りデータに対するHARQ−ACKを受信してもよい。
【0113】
図10は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図10では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図10に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
【0114】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0115】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
【0116】
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI−RS、DMRSなどの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
【0117】
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認情報)、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
【0118】
制御部301は、少なくとも下り通信(下り送信)で短縮TTIを用いて各種信号を送信するように制御する。具体的には、制御部301は、既存システムの1サブフレームに含まれる複数のTTI(それぞれTTI長が1ms未満)の少なくとも1つでデータを送信するように制御する。
【0119】
制御部301は、各短縮TTIで、既存システムのセル固有参照信号(CRS)が割り当てられる無線リソース(CRSリソース)にセル固有参照信号をマッピングして送信するように制御してもよい。また、制御部301は、各短縮TTIの少なくとも1つにおいて、既存システムの復調用参照信号(DMRS)が割り当てられる無線リソース(DMRSリソース)に復調用参照信号をマッピングして送信するように制御してもよい。例えば、制御部301は、第1の実施形態のTTI構成(1)−(4)の少なくとも1つに示した無線リソースマッピングに基づいて、制御信号、参照信号及びデータ信号の割り当てを行うように制御することができる。
【0120】
構成(4)を例にすると、制御部301は、既存システムの1サブフレーム内に含まれる複数の短縮TTIとして、1番目のスロットのシンボル番号3から開始する4シンボル長で構成される第1のTTIと、当該第1のTTIの直後のシンボルから開始する3シンボル長で構成される第2のTTIと、当該第2のTTIの直後のシンボルから開始する4シンボル長で構成される第3のTTIと、を用いる下りフレーム構成を利用することができる。
【0121】
なお、当該フレーム構成は、複数の短縮TTIとして、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号3から開始する4シンボル長で構成される第1のTTIと、既存システムの1サブフレームにおける2番目のスロットのシンボル番号0から開始する3シンボル長で構成される第2のTTIと、既存システムの1サブフレームにおける2番目のスロットのシンボル番号3から開始する4シンボル長で構成される第3のTTIと、を用いる下りフレーム構成と規定されてもよい。
【0122】
また、当該フレーム構成は、複数の短縮TTIとして、既存システムの1サブフレームにおける1番目のスロットのシンボル番号3−6で構成される第1のTTIと、既存システムの1サブフレームにおける2番目のスロットのシンボル番号0−2で構成される第2のTTIと、既存システムの1サブフレームにおける2番目のスロットのシンボル番号3−6で構成される第3のTTIと、を用いる下りフレーム構成と規定されてもよい。他のTTI構成(フレーム構成)も、同様の言い換えがなされてもよい。
【0123】
制御部301は、構成(3)のように4シンボル長のTTI3つで構成されるフレームにおいて、第1のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後のシンボルに含み、第2のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含み、最初のシンボルには含まず、第3のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含むようにマッピングを制御してもよい。
【0124】
また、制御部301は、例えば構成(3)のように4シンボル長のTTI3つで構成されるフレームにおいて、第1のTTIの最初のシンボルを下り制御チャネル(PDCCH)を割り当てる場合、第1のTTIのデータに当該最初のシンボルを考慮したレートマッチング(あるいは、パンクチャリング)を適用するように制御する。
【0125】
制御部301は、構成(4)のように4シンボル長、3シンボル長及び4シンボル長のTTIで構成されるフレームにおいて、第1のTTI、第2のTTI及び第3のTTIそれぞれは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含むようにマッピングを制御してもよい。
【0126】
制御部301は、短縮TTIの少なくとも1つをスケジューリングする下り制御情報(スケジューリング情報)を、既存システムのPDCCH領域及び/又は各サブフレームの先頭の短縮TTIにおけるEPDCCHでユーザ端末20に送信するように制御する。ここで、制御部301は、当該スケジューリング情報に、スケジューリング対象となり得る短縮TTIの個数(分割数)だけのTTIを特定(判断)するための情報(TTI特定情報、TTIインデックスなどと呼ばれてもよい)を、含めてユーザ端末20に通知するように制御する。
【0127】
制御部301は、所定のユーザ端末20に対して、短縮TTI構成に関する情報(例えば、短縮TTIの開始シンボル、シンボル数、PRB数など)を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)、下り制御情報又はこれらの組み合わせで通知するように制御してもよい。例えば、制御部301は、短縮TTI構成と所定のインデックス(TTI構成インデックス)との対応関係に関する情報を上位レイヤシグナリングで通知し、各サブフレームのPDCCH領域で、当該サブフレームのTTI構成に対応するTTI構成インデックスをDCIで通知するように制御してもよい。
【0128】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0129】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
【0130】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0131】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0132】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0133】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0134】
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0135】
(ユーザ端末)
図11は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0136】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0137】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0138】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0139】
送受信部203は、無線基地局10に対して、上り共有チャネル(例えば、PUSCH)で上りデータを送信する。送受信部203は、DCIに基づいて下り共有チャネル(PDSCH)で送信された下りデータに対するHARQ−ACKを送信してもよい。
【0140】
送受信部203は、無線基地局10から、データの送信及び/又は受信に関する下り制御情報(例えば、DCI)を受信する。例えば、送受信部203は、下り共有チャネル(PDSCH)の受信の指示情報(DLグラント)を受信してもよい。また、送受信部203は、上り共有チャネル(PUSCH)の送信の指示情報(ULグラント)を受信してもよい。
【0141】
送受信部203は、制御部401が判断(決定)する所定の短縮TTIで、下りデータ(PDSCH)を受信する。また、送受信部203は、上りデータ(PUSCH)に対するHARQ−ACKを送信してもよい。また、送受信部203は、短縮TTI構成に関する情報を受信してもよい。
【0142】
図12は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図12においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図12に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。
【0143】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0144】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
【0145】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認情報など)や上りデータ信号の生成を制御する。
【0146】
制御部401は、少なくとも下り通信(下り送信)で短縮TTIを用いて各種信号を受信するように制御する。具体的には、制御部401は、既存システムの1サブフレームに含まれる複数のTTI(それぞれTTI長が1ms未満)の少なくとも1つでデータを受信するように制御する。
【0147】
制御部401は、各短縮TTIで、既存システムのセル固有参照信号(CRS)が割り当てられる無線リソースでセル固有参照信号を受信するように制御してもよい。また、制御部401は、各短縮TTIの少なくとも1つにおいて、既存システムの復調用参照信号(DMRS)が割り当てられる無線リソースで復調用参照信号を受信するように制御してもよい。例えば、制御部401は、第1の実施形態のTTI構成(1)−(4)の少なくとも1つに示した無線リソースマッピングに基づいて、制御信号、参照信号及びデータ信号の受信を行うように制御することができる。
【0148】
構成(4)を例にすると、制御部401は、既存システムの1サブフレーム内に含まれる複数の短縮TTIとして、1番目のスロットのシンボル番号3から開始する4シンボル長で構成される第1のTTIと、当該第1のTTIの直後のシンボルから開始する3シンボル長で構成される第2のTTIと、当該第2のTTIの直後のシンボルから開始する4シンボル長で構成される第3のTTIと、を用いる下りフレーム構成を想定して受信処理を行うように制御することができる。
【0149】
制御部401は、構成(3)のように4シンボル長のTTI3つで構成されるフレームにおいて、第1のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後のシンボルに含み、第2のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含み、最初のシンボルには含まず、第3のTTIは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含むと想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0150】
また、制御部401は、例えば構成(3)のように4シンボル長のTTI3つで構成されるフレームにおいて、第1のTTIの最初のシンボルを下り制御チャネル(PDCCH)を割り当てる場合、第1のTTIのデータに当該最初のシンボルを考慮したレートマッチングを適用して受信処理を行うように制御する。
【0151】
制御部401は、構成(4)のように4シンボル長、3シンボル長及び4シンボル長のTTIで構成されるフレームにおいて、第1のTTI、第2のTTI及び第3のTTIそれぞれは、復調用参照信号を含む場合には最後から2つのシンボルに含むと想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0152】
制御部401は、短縮TTIの少なくとも1つをスケジューリングする下り制御情報(スケジューリング情報)を、既存システムのPDCCH領域及び/又は各サブフレームの先頭の短縮TTIにおけるEPDCCHで受信するように制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404から取得した下り制御情報(例えば、DCI)に対応するデータ送信及び/又は受信を、所定の短縮TTI(スケジュールドTTI)で行うように制御する。制御部401は、当該スケジューリング情報含まれるTTI特定情報(TTIインデックス)に基づいて、スケジュールドTTIを特定(判断)することができる。
【0153】
制御部401は、受信信号処理部404から短縮TTI構成に関する情報を取得した場合、当該情報に基づいて短縮TTIを用いた送信及び/又は受信の制御に用いるパラメータを更新してもよい。
【0154】
また、制御部401は、短縮TTIでデータを受信する場合に、既存システムで用いられるTBSテーブルに比べて、各TBSの値が小さいTBSテーブルを参照して復号処理を行うように受信信号処理部404を制御してもよい。また、制御部401は、短縮TTIでデータを受信する場合に、データに割り当てられるPRB数に所定の係数を乗算した値を用いて、既存のTBSテーブルを参照して復号処理を行うように受信信号処理部404を制御してもよい。
【0155】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0156】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0157】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0158】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0159】
受信信号処理部404は、制御部401の指示に基づいて、所定のTTIのデータ(TB:Transport Block)の送信及び/又は受信をスケジューリングするDCI(DCIフォーマット)をブラインド復号する。例えば、受信信号処理部404は、当該DCIを、所定の識別子(RNTI:Radio Network Temporary Identifier)でデマスキング処理を行って復号してもよいし、所定のペイロードサイズを想定して復号してもよい。
【0160】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0161】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。なお、測定部405は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0162】
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0163】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0164】
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0165】
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0166】
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
【0167】
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0168】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0169】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、周波数キャリア、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0170】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0171】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0172】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0173】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0174】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0175】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0176】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0177】
本出願は、2015年9月2日出願の特願2015−173259に基づく。この内容は、全てここに含めておく。