(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844865
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】異常を識別するための皮膚検査装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20210308BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
A61B5/01 100
A61B5/00 M
【請求項の数】54
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-562112(P2018-562112)
(86)(22)【出願日】2017年4月6日
(65)【公表番号】特表2019-519294(P2019-519294A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】EP2017058297
(87)【国際公開番号】WO2017202535
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2020年3月30日
(31)【優先権主張番号】1609031.8
(32)【優先日】2016年5月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518413653
【氏名又は名称】ブルードロップ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】コーリー,ギャビン
(72)【発明者】
【氏名】キアージー,サイモン
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2002/082486(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/121479(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0057562(US,A1)
【文献】
特表2009-529963(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/025430(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常を識別するための皮膚検査装置であって、
検査領域を有する透明パネルと、
温度の変化に応答して色が変わるように動作可能である、前記透明パネル上に提供された感温液晶(TLC)構成の配列と、
前記TLC構成および前記検査領域内に置かれた標的の皮膚の部位のカラー画像を捕捉するための1つ以上の画像捕捉装置であって、前記捕捉されたカラー画像が前記標的上の異常を識別するために解析される、1つ以上の画像捕捉装置と、
前記1つ以上の画像捕捉装置に、その動作を制御するために、動作可能に結合されたプロセッサであって、潰瘍および/または他の皮膚異常の出現を示す印を生成するために動作可能である、プロセッサと
を備える、皮膚検査装置。
【請求項2】
前記透明パネル上の重量支持荷重を検出するために動作可能な歪みゲージをさらに備える、請求項1に記載の皮膚検査装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、重量支持荷重を検出する前記歪みゲージに応答して前記画像捕捉装置を起動するように構成される、請求項2に記載の皮膚検査装置。
【請求項4】
前記透明パネルがその上に取り付けられる筐体をさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項5】
前記筐体が、前記プロセッサおよび前記1つ以上の画像捕捉装置をその中に収納する、請求項4に記載の皮膚検査装置。
【請求項6】
前記透明パネルが、成人の前記体重を支持するために十分な強度の踏み板を提供する、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項7】
前記透明パネルが剛性である、先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項8】
前記透明パネルが、個人が乗った場合に足の裏の形状に一致するように動作可能な弾性材料から成る、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項9】
裏打ち材は、各TLC構成が前記裏打ち材のない領域を有するように、各TLC構成を部分的に取り囲む、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項10】
前記裏打ち材が暗色である、請求項9に記載の皮膚検査装置。
【請求項11】
前記暗色の材料が黒インクを含む、請求項10に記載の皮膚検査装置。
【請求項12】
前記画像捕捉装置は、各TLC上の前記裏打ち材のない前記領域が前記1つ以上の画像捕捉装置の視野内にあるように、前記透明パネルの下に配置される、請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項13】
前記TLC構成が、前記透明パネルの上表面上に提供される、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項14】
前記TLC構成が前記透明パネル上に印刷される、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項15】
較正手段をさらに含む、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記標的の前記温度を複数の別々の位置で測定するために前記画像捕捉装置によって捕捉された前記画像を処理するように構成される、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記画像を処理して、前記識別されたTLC構成の前記色を対応する温度値に変換するように構成される、請求項16に記載の皮膚検査装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記ドットの色相/彩度/明度および色−温度変換テーブルに基づいて、前記識別されたTLC構成の前記色を対応する温度値に変換する、請求項17に記載の皮膚検査装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記温度値に基づいて温度マップを生成するように構成される、請求項17または請求項18に記載の皮膚検査装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記温度マップを前記標的の前記捕捉された画像に重ね合わせるように構成される、請求項19に記載の皮膚検査装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記温度マップおよび前記捕捉された画像に関して画像解析を実行するように構成される、請求項19または請求項20に記載の皮膚検査装置。
【請求項22】
前記画像解析は、前記捕捉された画像の同様の点における前記温度を比較する、請求項21に記載の皮膚検査装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記捕捉された画像の特定の位置における潰瘍および/または他の皮膚異常の前記出現を示す印を生成するように動作可能である、請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、過度の皮膚肥厚、水疱、水分、および変色の少なくとも1つを含む、前記捕捉された画像上の領域を検出するように構成される、請求項1〜請求項23のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項25】
警告を生成するための警告機構をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項26】
前記警告機構は、前記警告を遠隔エンティティに電気通信ネットワーク経由で伝達するように動作可能である、請求項25に記載の皮膚検査装置。
【請求項27】
前記画像捕捉装置は、入力に応答して画像を捕捉するようにトリガーされる、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項28】
前記画像捕捉装置は、前記標的領域上に置かれている足に応答して画像を捕捉するようにトリガーされる、請求項1〜請求項27のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項29】
前記TLC構成は、1cm2あたり1つの頻度で間隔が空けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項30】
TLC構成の前記密度は、1cm2あたり0.5〜6の間の範囲である、請求項1〜請求項22のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項31】
各TLC構成は、0.5mm〜4mmの範囲の直径を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項32】
前記透明パネルは、ガラス、複合材料、ポリカーボネートまたは他のプラスチック材料を含む、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項33】
1つ以上の較正構成要素をさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項34】
光源をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項35】
前記画像捕捉装置の視野に入る光強度を変更するための光フィルタをさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項36】
前記光源は、既知の強度および色の1つ以上のLEDを含む、請求項34に記載の皮膚検査装置。
【請求項37】
前記透明パネル上のグレアを低減するための1つ以上の拡散フィルムをさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載の皮膚検査装置。
【請求項38】
前記TLC構成に反射する外部光の量を低減するために、前記筐体の内側に低反射性材料をさらに備える、請求項4または請求項5に記載の皮膚検査装置。
【請求項39】
足型に形成されたパネルをさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項40】
1つ以上の色較正標的をさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項41】
前記1つ以上の較正標的が前記TLC構成に組み込まれ得る、請求項40に記載の皮膚検査装置。
【請求項42】
複数の画像捕捉装置が前記標的の前記画像を捕捉するために使用される、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項43】
前記視野内に重複する領域をもつ、2つ以上の画像捕捉装置が提供される、請求項42に記載の皮膚検査装置。
【請求項44】
較正標的が前記重複する視野内に配置される、請求項43に記載の皮膚検査装置。
【請求項45】
前記画像捕捉装置の視野内に光センサーをさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項46】
前記光センサーからの前記出力が、前記画像捕捉装置の前記動作設定を変更するために前記プロセッサによって使用される、請求項45に記載の皮膚検査装置。
【請求項47】
前記光センサーからの前記出力が、周囲光の影響を除去するために後処理アルゴリズムによって入力として使用される、請求項45に記載の皮膚検査装置。
【請求項48】
前記透明パネルの前記温度を感知するための熱センサーをさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項49】
前記TLC構成が、青および緑に関してのみ動作するように設計される、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項50】
各TLC構成を取り囲んでいるブラックリングをさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項51】
グレアを生じる光線の少なくとも一部を遮断するように構成された1つ以上の遮光板をさらに備える、任意の先行する請求項に記載の皮膚検査装置。
【請求項52】
前記1つ以上の遮光板が選択的に調整可能である、請求項51に記載の皮膚検査装置。
【請求項53】
前記1つ以上の遮光板の寸法、構成、配向または位置が選択的に調整可能である、請求項52に記載の皮膚検査装置。
【請求項54】
請求項1〜請求項53のいずれか1項に記載の皮膚検査装置と、
個人の前記体重を計算するための手段と
を含む、体重計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異常を識別するための皮膚検査装置に関する。具体的には、しかし非独占的に、皮膚検査装置は、潰瘍形成を予測するためにヒトの足の裏を熱感知することに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者は、一般に、生涯にわたって、糖尿病性足部潰瘍(DFU)として知られている状態に悩まされる。糖尿病患者は、DFUの発症の指標であり得る皮膚へのいかなる異常な損傷も検出するために、自分の足を日々、検査することが推奨される。しかし、視力低下、移動性の低下、末梢神経障害に起因した感覚低下、および教育の欠如などの制限要因のために、糖尿病患者は、日々の足検査を推奨されたとおりには忠実に守れない結果となる。DFUを早期に識別すると、治療成績の向上および治療費の削減につながり得る。DFUが形成前に検出されると、恩恵はさらに大きいであろう。現在のところ、最良実施は、視覚的に足を検査して、足治療医に定期的に報告することである。
【0003】
温度監視は、DFU形成を予測する既知の方法である。反対の足上の同様の点の間に2.2℃の温度差があれば、潰瘍形成の前駆体であり得る炎症を示していることが明らかにされている。患者が両方の足の裏で温度を測って、スポットごとに温度比較が行われ得るのを可能にする温度点プローブは当技術分野で既知である。かかる点プローブは、個々の標的スポットで皮膚温度を測定するために使用され得る。片方の足上のスポットが、もう一方の足上の同じスポットと比べて、温度変化を示していて、その温度変化以上が持続している(華氏4度(2.2℃)以上が、2日以上にわたって上昇している)場合、問題が生じている可能性があることを示しており、患者は医師に相談するように警告される。このアプローチでの問題は、患者の足の同じスポットを何日にもわたって測定する必要があることである。正確に測定するために、患者が同じスポットを識別することは困難である。さらに、比較を行うために温度読取りのログを維持することは患者の責任であり、それは、ヒューマンエラーとなり得る。日々、視覚的に足を検査することは、全ての糖尿病患者に対して推奨される。既に述べたように、これは、低下した視力および移動性のために困難であり得る。現在の温度監視装置では、推奨される日々の視覚的な検査は容易でない。
【0004】
従来技術の欠点の少なくともいくつかに対処する皮膚検査装置に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
これらおよび他の問題は、異常を識別するための皮膚検査装置を提供することによって対処され;本装置は、
検査領域を有する透明パネルと、
温度の変化に応答して色が変わるように動作可能である、透明パネル上に提供された感温液晶(TLC)構成の配列と、
TLC構成および検査領域内に置かれた標的の皮膚の部位のカラー画像を捕捉するための1つ以上の画像捕捉装置であって、捕捉されたカラー画像は皮膚のその部位内の異常を識別するために解析される、1つ以上の画像捕捉装置と
を含む。
【0006】
一態様では、捕捉されたカラー画像に基づいて異常の形成を識別するための手段が提供される。好都合に、検査領域内に置かれた標的の温度は、複数の別々の位置で測定される。
【0007】
一態様では、プロセッサは、1つ以上の画像捕捉装置に、その動作を制御するために動作可能に結合される。
【0008】
別の態様では、歪みゲージは、透明パネル上の重量支持荷重を検出するために動作可能である。好都合に、プロセッサは、重量支持荷重を検出する歪みゲージに応答して画像捕捉装置を起動するように構成される。一例では、プロセッサは、標的が静止位置にあるという判断に応答して画像捕捉装置を起動するように構成される。別の例では、プロセッサは、所定の領域に置かれている標的に応答して画像捕捉装置を起動するように構成される。
【0009】
さらなる態様では、透明パネルがその上に取り付けられる筐体が提供される。好都合に、筐体は、プロセッサおよび1つ以上の画像捕捉装置をその中に収納する。
【0010】
一態様では、透明パネルは、成人の体重を支持するために十分な強度の踏み板を提供する。
【0011】
別の態様では、透明パネルは剛性である。
【0012】
さらなる態様では、透明パネルは、個人が踏んだ場合に足の裏の形状に一致するように動作可能な弾性材料である。
【0013】
一態様では、裏打ち材は、各TLC構成が裏打ち材のない領域を有するように、各TLC構成を部分的に取り囲む。
【0014】
別の態様では、裏打ち材は暗色である。好都合に、暗色の材料は、黒インクを含む。一例では、裏打ち材は、ビュー領域(viewing area)に入る外部の周囲光を少なくとも部分的に防ぐ。
【0015】
例示的な配置では、画像捕捉装置は、各TLC上の裏打ち材のない領域が1つ以上の画像捕捉装置の視野と重なるように、透明パネルの下に配置される。
【0016】
一態様では、TLC構成は、透明パネルの上表面上に提供される。好都合に、TLC構成は、透明パネル上に設置される。
【0017】
さらなる態様では、較正手段が提供される。
【0018】
一態様では、プロセッサは、標的の温度を複数の別々の位置で測定するために画像捕捉装置によって捕捉された画像を処理するように構成される。一例では、複数の画像捕捉装置が提供される。
【0019】
別の態様では、プロセッサは、画像を処理して、識別されたTLC構成の色を対応する温度値に変換するように構成される。好都合に、プロセッサは、ドットの色相/彩度/明度および色−温度変換テーブルに基づいて、識別されたTLC構成の色を対応する温度値に変換する。1つの例示的な配置では、プロセッサは、温度値に基づいて温度マップを生成するように構成される。好都合に、プロセッサは、温度マップを標的の捕捉された画像に重ね合わせるように構成される。
【0020】
一態様では、プロセッサは、温度マップおよび捕捉された画像に関して画像解析を実行するように構成される。好都合に、画像解析では、捕捉された画像の同様の点での温度を比較する。
【0021】
別の態様では、プロセッサは、異常の出現を示す印(indicia)を生成するように動作可能である。好都合に、プロセッサは、潰瘍の出現を示す印を生成するように動作可能である。
【0022】
一態様では、プロセッサは、捕捉された画像の特定の位置において潰瘍の出現を示す印を生成するように動作可能である。
【0023】
さらなる態様では、プロセッサは、過度の皮膚肥厚(callous)、水疱、水分、変色、および同様のものの少なくとも1つを含む、捕捉された画像上の領域を検出するように構成される。
【0024】
一態様では、警告を生成するための警告機構が提供される。好都合に、警告機構は、警告を遠隔エンティティに電気通信ネットワーク経由で伝達するように動作可能である。
【0025】
一態様では、画像捕捉装置は、入力に応答して画像を捕捉するようにトリガーされる。好都合に、画像捕捉装置は、標的領域に置かれている足に応答して画像を捕捉するようにトリガーされる。
【0026】
別の態様では、TLC構成は、1cm
2あたりほぼ1つの頻度で間隔が空けられる。好都合に、TLC構成の密度は、1cm
2あたり0.5〜6の間の範囲である。一例では、各TLC構成は、0.5mm〜5mmの範囲の直径を有する。
【0027】
一態様では、透明パネルは、ガラス、複合材料、ポリカーボネートまたは他のプラスチック材料を含む。
【0028】
別の態様では、1つ以上の較正構成要素が提供される。
【0030】
別の態様では、画像捕捉装置の視野に入る光強度を変更するために光フィルタが提供される。
【0031】
一態様では、光源は既知の強度および色の1つ以上のLEDを含む。
【0032】
別の態様では、透明パネル上のグレアを低減するために1つ以上の拡散フィルムが提供される。
【0033】
一態様では、TLC構成に反射する外部光の量を低減するために筐体の内側に低反射性材料が提供される。
【0034】
別の態様では、足型に形成されたパネルが提供される。
【0035】
さらなる態様では、1つ以上の色較正標的が提供される。
【0036】
一態様では、1つ以上の較正標的がTLC構成に組み込まれ得る。
【0037】
さらなる態様では、標的の画像を捕捉するために複数の画像捕捉装置が使用される。
【0038】
一態様では、視野内に重複する領域をもつ、2つ以上の画像捕捉装置が提供される。好都合に、較正標的は重複する視野内に配置される。
【0039】
一態様では、光センサーが画像捕捉装置の視野内に提供される。
【0040】
別の態様では、光センサーからの出力は、画像捕捉装置の動作設定を変更するためにプロセッサによって使用される。
【0041】
一態様では、光センサーからの出力は、周囲光の影響を除去するために後処理アルゴリズムにより入力として使用される。
【0042】
別の態様では、透明パネルの温度を感知するために熱センサーが提供される。
【0043】
一態様では、TLC構成は、青および緑に関してのみ動作するように設計される。好都合に、ブラックリングが各TLC構成を取り囲む。
【0044】
別の態様では、1つ以上の遮光板が、グレアを生じる光線の少なくとも一部を遮断するように構成される。
【0045】
一態様では、1つ以上の遮光板が選択的に調整可能である。
【0046】
さらなる態様では、1つ以上の遮光板の寸法、構成、配向または位置が選択的に調整可能である。
【0047】
これらのおよび他の構成は、本教示の理解を支援するために提供されている以下の図面を参照して、より良く理解されるであろう。
【0048】
本教示は、ここで、添付の図面を参照して説明される:
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図2】
図1の装置の詳細のグラフィック表現である。
【
図3】
図1の装置の詳細のグラフィック表現である。
【
図4】
図1の装置の詳細のグラフィック表現である。
【
図6】
図1の装置の詳細のブロックレベル図である。
【
図7】
図1の装置の詳細のグラフィック表現である。
【
図8A】皮膚検査装置の別の詳細を示し、それも同様に本教示に従う。
【
図8B】同様に本教示に従う皮膚検査装置の別の詳細を示す。
【
図8C】同様に本教示に従う別の皮膚検査装置を示す。
【
図9】同様に本教示に従う別の皮膚検査装置を示す。
【
図11】同様に本教示に従う別の皮膚検査装置を示す。
【
図12A】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図12B】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図13】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図14】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図15】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図16】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図17】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図18】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図19】同様に本教示に従う別の皮膚検査装置を示す。
【
図20】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図21】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【
図22】本教示に従った皮膚検査装置によって実行される例示的なステップを詳述する流れ図である。
【
図23A】本教示に従った皮膚検査装置によって実行される例示的なステップを詳述する流れ図である。
【
図23B】本教示に従った皮膚検査装置によって実行される例示的なステップを詳述する流れ図である。
【
図23C】本教示に従った皮膚検査装置によって実行される例示的なステップを詳述する流れ図である。
【
図24A】温度データだけを使用した視覚化表現である。
【
図24B】温度データおよび標的の画像を組み合わせた視覚化表現である。
【
図24C】温度データおよび標的の画像を組み合わせた視覚化表現である。
【
図25】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な読出し回路を示す。
【
図26】本教示に従った皮膚検査装置の別の例示的な読出し回路を示す。
【
図27】本教示に従った皮膚検査装置の例示的な詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、ここで、いくつかの例示的な皮膚検査装置を参照して説明される。例示的な皮膚検査装置は、本教示の理解を支援するために提供されており、いかなる形でも制限として解釈すべきでないことが理解されよう。さらに、任意の1つの図を参照して説明される要素または構成要素は、本教示の精神から逸脱することなく、他の図のそれらまたは他の等価要素と置き換えられ得る。説明を簡潔かつ明瞭にするために、適切であると考えられる場合は、参照番号が、対応するかまたは類似の要素を示すために、図面間で繰り返され得ることが理解されるであろう。
【0051】
図面を参照すると、本教示に従い異常の形成を識別するための皮膚検査装置100が示されている。本装置100は、検査中の身体の部位と連携するための検査領域を画定する透明パネル102を含む。例えば、検査中の部位は、足、手、腕、脚などであり得る。例示的な配置では、検査中の部位は、
図2に示すように、足109の裏である。透明パネル102は、検査中に足109に適合する踏み板を提供する。しかし、他の部位も装置100によって検査され得るので、本教示を足に制限することは意図していない。温度変化の検出に応答して色が変わるように動作可能である感温液晶(TLC)構成の配列が透明パネル102上に提供される。TLC構成は、例示的な実施形態ではTLCドット105として提供される。TLCドット105は、1cm
2あたりほぼ1つの頻度で間隔が空けられ得る。TLCドットの密度は、1cm
2あたり0.5〜6の間の範囲であり得る。各TLCドットは、0.5mm〜5mmの範囲の直径を有し得る。本教示を提供される例示的な値に制限することは意図しておらず、例示的な値はほんの一例として提供されることが理解されるであろう。
【0052】
透明パネル102は、装置100の構成要素をその中に収容する筐体106上で支持される。筐体106は、側壁112がそこから上方に延出して、一緒に中空内部領域113を画定する基部111を含む。1つ以上の画像捕捉装置107が、TLC構成および足109上にある皮膚の部位のカラー画像を捕捉するために、中空内部領域113内に提供される。LED122の形での1つ以上の光源も中空内部領域113内に配置され得る。冷陰極放電ランプ、エレクトロルミネセンスコーティング材料、例えば、テープ、パネル、ワイヤーなど、キセノンまたはハロゲン球などの、LEDS以外の他のタイプの光源が使用され得る。中央処理装置115も中空内部領域113内に提供されて、以下で詳細に説明するように、装置100の動作を制御するように構成される。
【0053】
例示的な実施形態では、TLCドット105は、TLCインクのパターンを透明パネル102の上面114上に印刷することにより、透明パネル102上に提供される。TLCドットは、ほんの一例として説明されている印刷以外の技術を使用してパネル上に提供され得ることが、当業者によって理解されるであろう。サーモクロミズムは、当技術分野で周知のように、温度の変化に起因して色が変わる物質の特性である。TLCドット105は、正確な温度で色が変わるように設計されており、足の温度を測定する方法として使用される。TLCドット105は、所定の範囲にわたって、例えば、20℃の温度範囲の経過にわたって赤から青に、例えば、20℃で赤に、40℃で青に、色が変わる。糖尿病性足部潰瘍の用途に対して要求される温度範囲は、15〜38℃である。1つの例示的な配置では、15〜38℃の完全に要求される範囲も感知することが可能でありながら、温度に対する色相感度を向上させるために、
図3に最も良く示すように、いくつかの熱変色性ドットがクラスタ117に並んで配置される。例えば、クラスタ117の右上のTLCドットは、20〜25℃の範囲で温度を参照し得る。他の3つのTLCドット105は黒で、温度が範囲外であることを示している。TLCドットの構成を、ほんの一例として提供されているクラスタ配置に制限することは意図していない。さらに、本教示を、ほんの一例として提供されている例示的な値に制限することは意図していない。
【0054】
図4に最も良く示されている、黒の裏打ち層110は、色変化の可視性を向上させるためにTLCドット105を覆うために提供され得る。TLCインクの層が透明パネル102上に沈着される。この層の厚さは、5〜500ミクロンの厚さの範囲であり得る。黒インクの層が次いで、TLC層上に同様の厚さで沈着される。TLCおよび黒の層は、従来型の印刷技術または精密なマイクロピペット応用プロセスを使用して、沈着され得る。黒の層は、TLCドット105に対するカプセル化としても機能し得、TLCドット105をUV放射および湿気から保護する。その両方は、TLCインクの劣化をもたらして、それらの寿命を低下させることが分かっている。黒の裏打ち層110は、TLC層をせん断力および他の力から保護するためにも機能し得る。黒インクは、UVおよび湿気に対するその耐性を向上させ、同時に、機械力に対する強度と抵抗も向上させるために、追加の添加物が含有され得る。
図5Aに最も良く示されている、さらなる透明層112が、TLC層および黒インク層の上に置かれ得る。これは、透明なプラスチックフィルムの形を取り得、透明パネル102上の隆起したTLCドット105またはTLCクラスタ117にそれが適合できるように熱処理されていることもあれば、熱処理されていないこともある。代替として、透明層112は、印刷およびコーティング業界で行われるのに類似した方法で表面上に印刷されるか、または噴霧もしくは塗装され得る。TLC構成は、任意の適切な技術を使用して透明パネル上に沈着され得、例えば、1つの例示的な技術は、黒の層をフィルム上に沈着して、TLCを黒の層上に層状にし、次いで、TLCをパネル102の上面に接触して配置して、フィルムを透明パネル上に置くことを含み得る。
【0055】
TLCインクは、典型的には、それと直接接触する物体の温度を正確に感知するだけである。従って、透明パネルは、成人の体重を支持するのに十分な強度を有するように構成される。透明パネル102は、ガラス、複合材料、ポリカーボネートもしくは他のプラスチック材料、または同様のものなどの、剛性材料であり得る。足109は、様々な輪郭、例えば、アーチ、をもつ3次元形状であり、足109の裏全体がTLCドット105と接触するのではない。TLCドット105と足109との間の接触を改善するために、パネル102は、足109の裏の形状に適合する可撓性または弾性材料から製造され得る。透明なシリコーンなどの材料が、光透過性および弾力性の両方があるので、使用され得る。例えば、パネルは、ユーザーの足109のアーチの形状に一致するように適合し得る。これは、TLCドットとのさらなる接触を可能にする。例示的な配置では、TLCドットと接触している足の領域を強化するために、パネルは、足と係合するための1つ以上の構成を含み得る。例えば、1つ以上の構成は、1つ以上の窪みもしくは1つ以上の突起、または窪みと突起の組合せを含み得る。当業者によって理解され得るように、類似の特性をもつ他の材料が使用され得るので、本教示をシリコーンに制限することは意図していない。TLCドット105は、次いで、上で概説したのと同じ方法で、この層の上に印刷できる。
【0056】
剛性の透明パネル102が使用される場合、TLCドット105は、画像捕捉装置107に対して同じXY位置に配置される。しかし、弾性パネル102の場合、TLCドット105は、わずかにXおよびY方向に、かつもっと劇的にZ方向にシフトし得る。この配置では、CPU115は、捕捉された画像をスキャンして、自動的にドットを識別し、次いでこれらを温度値に変換し得るアルゴリズムを適用するように構成され得る。
【0057】
精度を改善するために様々な較正特徴が装置100に組み込まれ得る。例えば、温度較正は、熱源およびTLC較正ストリップを含めて、達成され得る。熱源は、例えば、ポリイミド薄膜ヒーター、セラミック発熱体、または金属発熱体を含み得る。TLC較正ストリップは、熱源によって既知の値まで加熱され得、TLC較正ストリップの色が次いで解析されて、それが較正閾値内であることを確認し得る。パネル102は、
図7に示すように、既知の色であるドット116または特徴を含み得る。これらは、TLCドット105の色の較正をより高精度、より低処理能力、コストなどで、容易にするための基準値として機能する。これは、異なる照明条件において、例えば、暗い部屋および明るい部屋で、精度を確実にするのを支援し得る。パネル102は、ジオリファレンス特徴または形状を含み得、TLCドット配列の位置は、これらのジオリファレンスに関して分かっている。これらは、CPU115がTLCドット105の位置をさらに高精度で識別するのを容易にする基準として機能し得、それにより処理能力、コストなどを削減する。
【0058】
TLCドット105は、熱に応答して色が変わる。TLCドット105のデジタル写真画像が画像捕捉装置107によって撮られる。CPU115は、TLCドット105の画像を解析するように構成される。CPU115は、色変化を解析して、色情報を温度値に変換するように動作可能である。従って、TLCドット105の色は、TLCドットと重なっている足の様々な点における温度を示す。片方の足上の点が、もう一方の足上の同じ点と比較して、温度変化を示し、その温度変化以上が持続している(華氏4度(2.2℃)以上が、2日以上にわたって上昇している)場合、CPU115は、DFU問題が生じている可能性があることを示すように構成され得、患者は医師に相談するように警告される。
【0059】
精度を最大限にするために、装置100は、環境光、光の温度および視野角の捕捉された色への影響を軽減するための特徴を含み得る。様々な較正技術が、これらの影響を軽減するために使用され得る。これに加えて、画像捕捉装置107のための「ビュー領域」と考えられ得る中空内部領域113内の照明環境を制御するために様々な方法が使用できる。標準的なTLCドット105設計の場合、CPU115が、画像解析中に、赤い皮膚の部分を赤いTLCドット105として誤って識別し得るリスクがあり得る。これを克服するために、TLCドット105は、それらを識別し易くするような方法で設計され得る。これを達成する1つの方法は、各TLCドット105を黒の下地インク(backing ink)を用いて丸で囲むことであろう。こられの丸は、温度で色が変わらず、CPU115が検出するのが容易であろう。CPU115は、丸の内側はTLCインクの領域であり、このインクの色は温度に関連することを理解する。本教示を、かかる構成を有するTLCドット105に制限することは意図しておらず、例示的なTLCドット構成は、捕捉された画像の画像処理中に精度が改善され得る方法の例として提供される。
【0060】
中空内部領域113内のビュー領域119は、透明パネル102の下の領域である。TLCドット105は、
図4に最も良く示されているように、下向きにビュー領域に面している。黒の裏打ち110は、各TLCドット105が裏打ち材のない領域121を有するように、各TLCドット105を部分的に取り囲む。画像捕捉装置107は、TLCドット105の領域121がその視野内にあるように上向きに面している。
【0061】
TLCドット105が、ガラス、プラスチックまたは同様のもので作られた透明パネル102上に配置されている構成では、TLC読取りでこの温度に対してオフセットするために、パネル温度を知ることは好都合であろう。センサー118がパネル102上に配置され得るか、またはパネルを指している近接IRセンサーがパネル温度を取得するために使用され得る。
【0062】
環境光は、画像捕捉装置107がTLCドット105の色を認識する方法を変更し得る。例えば、明るい環境では、TLCドット105は、より暗い環境におけるのとは異なる色相を有するように見え得る。これに加えて、周囲光が、それに対するわずかな彩色を有し得、それはTLCドットの色にも影響を及ぼし得る。環境光におけるこれらの変化を吸収するために、装置100は、環境を制御する手段を含み得る。ビュー領域119内の環境は、環境光の影響を最小限にするように制御され得る。ここで
図8A〜
図8Cを参照すると、フィルタ120が、光の強度を変更するために使用され得、また、光の異なる色または波長を除去するためにも使用され得る。フィルタ120は、TLC材料を潜在的に損傷し得る、ビュー領域119に入るUV光の量を変えるためにも使用され得る。フィルタ120は、
図8Aに示すように、TLCドット105の上に、パネル102を覆って配置されたフィルムであり得る。これは、パネル102の下から見た場合に、フィルタ120がTLCドット105の色に影響を及ぼすのを防ぐであろう。代替として、フィルタ120は、
図8Bに示すように、プレート102を覆って、TLCドット105の下に配置されたフィルムであり得る。代替として、パネル102は、固有の濾過特性をもつ材料を含み得るか、またはポリマーブレンドに添加された濾過材を有し得て、
図8Cに示すように、追加のフィルタ層に対する必要性を取り除く。代替として、パネル102は、濾過材でコーティングされ得る。濾過材は、偏光フィルタ、UVフィルタ、着色フィルム、色フィルタ、または同様のものを含み得る。
【0063】
図9に示すように一連のLED122が、中空内部領域113内に配置され得、環境光条件を無効にするために機能し得る。LED122は、TLCドット105を見るための再現可能な状態を生じる既知の強度および色であり得る。標準的なLED光に加えて、1つ以上の拡散フィルム124が提供されて、LED122に由来するパネル102上のグレアを低減し、パネル102の表面全体にわたって均一レベルの照明を提供し得る。このグレアを低減する別の方法は、標的、画像捕捉装置107、および照明光源の位置を調整することである。グレアを最小限にするために、好ましい配置は、照明光源によって画像捕捉装置107に反射する光の量を最小限にするものである。
【0064】
グレアを減少させる別の代替方法は、照明光源122からの光線を遮断する遮光板(複数可)123などの1つ以上の構造を提供することであり、照明光源122からの光線は、画像捕捉装置107に直接反射する。遮光板123は好都合に、投じられる影のサイズを最小限にする方法で構築され得、それは、影が、グレアを生じる光線127を遮断するのに十分な大きさであることを確実にする。遮光板123は、グレアを生じる光線127の実質的に全てを遮断するように構成されることを意図する。しかし、いくつかの配置では、遮光板123は、グレアを生じる光線127の一部を選択的に遮断するように構成され得る。遮光板123は、標的が置かれる領域の照明の量が所望のレベルに制御されることを確実にする。このようにしてグレアが所望のレベルに制御される。遮光板123の位置は固定または調整可能であり得る。遮光板を所望の位置へ選択的に移動することを容易にするための機構が提供され得る。遮光板123の寸法は、固定または調整可能であり得る。遮光板123は、選択的に調整可能であり得ることが理解されるであろう。遮光板123の寸法、構成、配向、または位置は、必要に応じて、選択的に調整可能であり得ることが予測される。
【0065】
ここで、同様に本教示に従った例示的な皮膚検査装置を示す、
図11を参照する。この例示的な配置では、筐体106の内部表面に反射する光の量が最小限になるように、筐体106の全ての内部表面が低反射性材料126でコーティングされる。これは、TLCドット105に下から反射する外部光の量を低減する。
【0066】
ここで、同様に本教示に従った例示的な皮膚検査装置を示す、
図12A〜
図12Bを参照する。ビュー領域に入る環境光の量を制限するために、ユーザーは、大きくて開いたパネルとは対照的に、足型に形成されたパネル128に足を踏み入れるように指示され得る。足型に形成されたパネル128は、透明な材料で作られ得るが、他方、残りの領域129は不透明であろう。不透明な領域は、環境光がビュー領域に入るのを許可しない。同様に、足109が足型に形成されたパネル128上に置かれると、それは光がビュー領域に入るのを遮る。装置100が、不透明な保護カバー130を用いて保管されて運ばれるのは有益であり得る。カバー130は、異なる足サイズの「剥がし(peel−away)」部分を有し得る。ユーザーは、必要な部分を剥がして、自分の足のサイズに合わせる。これは、装置に入り得る周囲光の量を制限するであろう。
【0067】
図13〜
図16を参照すると、皮膚検査装置100に組み込まれ得る、いくつかの例示的な選択可能な較正技術が示されている。異なる明度および色値に対してオフセットするために、基準色較正標的132を提供することは有益であり、一例は、Macbeth Colour Checkerであろう。これらの較正標的132は、既知の色相などの一連の色を有し得る。画像捕捉装置107から撮った画像は、較正標的を含み得る。これらの較正標的132は、CPU115によってアルゴリズム的に評価され得る。色からの逸脱量は次いで、捕捉された画像をその元の色に戻すために、CPU115によって調整的なオフセットを捕捉された画像に適用するために使用できる。これらの較正標的132は、既知の色の配列から成り得る。これらの標的は一般に、色の精度が重要な応用写真アプリケーションで使用される。これらの較正標的132の形状および位置は、パネル102上のどこにでも配置できる。好都合に、較正標的は、TLCドット105と同じように周囲光にさらされる位置に配置されるであろう。かかる較正標的132に対していくつかの可能な形状がある。それらは、
図13に示すような従来の方法で構成され得るが、この構成では、それらは潜在的に、足のビューを妨げ得る。これを克服するために、較正標的132は、
図7に示すように、パネルの角に配置され得る。代替として、較正標的は、より直線的なストリップ構成で構成され得る。このストリップ構成は、
図14に示すように足の画像に影響を及ぼさないように踏み板の縁部に沿って配置できる。
【0068】
較正標的132は、TLCドット105に組み込まれ得る。これは、足109の写真画像に対する混乱を潜在的に最小限にでき得る。これは、
図15に示すように色較正標的がTLCドット105に極めて近接して配置されるという点においても有益であり得る。
図16に示すように、複数の較正標的が、複数カメラ構成の装置で使用され得る。これは、輝度および色の再現の一致を可能にし得る。別の選択肢は、マスタースレーブカメラ構成を使用して、複数のカメラにわたる設定を一致させることである。別の潜在的な構成は、
図16に示すように、視野内で重なり合う領域をもつ2つ以上のカメラ、およびこの重なり部分に配置された較正標的を使用することである。較正標的132は、周囲光がそれを通って装置100に入るのを防ぐために、TLCドット105と同様の材料/設計の、不透明な裏打ちを有し得る。材料は黒のコーティングにできるか、またはプラスチックの薄い黒の板/フィルムにできる。
【0069】
光センサー134は、装置100のビュー領域119内に配置され得る。この光センサー134は、それに作用する周囲光の強度を感知できる。かかるセンサーの一例は、Seeed StudioからのGrove Light Sensorである。このセンサーは、光強度および近似のルクス値を検出できる。このセンサーからの出力は、環境光に反応するように画像捕捉装置107設定を変更するためにCPU115によって使用できる。それは、周囲光のTLC色読取りへの影響を取り除くために後処理アルゴリズムに対する入力にもなり得る。光センサー134は、写真画像が撮られているときに、装置100によって起動できる。代替として、光センサー134は、ユーザーがパネル102に乗る前に起動できる。このシナリオでは、ユーザーは、装置100を起動し、それが光強度試験を実行するのを待ってから、パネル102に乗り得る。
【0070】
パネル102の温度は、TLCドット105の温度に潜在的に影響を及ぼして、誤った温度読取りを与え得る。TLCドットは、足109およびパネル102によって熱的に作用され、パネル102は、
図17に示すように、TLC温度を上昇または低下させるように働く。パネル温度102をTLC温度から分離するために、パネル102自体の温度を知ることは有益である。パネル温度または基準温度は、いくつかの方法で記録できる。この温度値は、TLCからの記録された温度値に適用されるアルゴリズムに入力され得る。このアルゴリズムは、記録されたTLC温度に対するパネル温度の影響を取り除き得る。
【0071】
1つの方法は、
図18に示すように、パネル102に向けられた赤外線温度センサーを使用する。これは、パネル102の比較的大きい領域がその温度に関して解析できるようにし得る。パネル102の温度が表面全体にわたって連続的でないリスクがあり得る。これを判断するために、いくつかの温度測定がいくつかの温度センサーによって行われ得る。温度を測定する代替方法は、
図19に示すように、パネル上に取り付けられたサーミスタまたは熱電温度計を使用することによる。いくつかのこれらのセンサーは、パネル全体の温度が連続的であるかどうかを判断するために使用できる。
【0072】
パネル温度を記録するさらなる代替方法は、
図20に示すように、TLCドット自体の使用を伴い得る。CPU115は、足から十分に離れているドットを識別するためのアルゴリズムを適用し得る。これらのTLCドットの色は、パネルの温度に比例する。記録された温度値が表面全体にわたって著しく異なる場合、装置は、パネルの温度が連続的でないことをユーザーに警告して、より安定した温度が達成できる場所に移動させるように指示し得る。例えば、装置が暖房器の横、または直射日光下に放置されていたために、温度が連続的でない可能性がある。代替として、温度センサーは、パネルの表面にわたって一定の階調度があると判断し得る。この場合、記録されたTLC温度に適用されるオフセットは、この階調度に基づき得る。
【0073】
前述の方法に追加して、ユーザーの体重によって起動される装置の代わりに、ボタンによって起動される方法があり得る。一旦、押されると、装置100はパネル温度を判断するために温度を読み取り得る。この利点は、患者の足の暖かさがこの温度読取りに影響を及ぼさないことである。この温度読取りに加えて、光強度読取りも行われ得る。
【0074】
TLCは通常、可視光のスペクトルの全範囲にわたって色が変化する。これは、足の色が典型的には赤と黄色の間のどこかであるので、画像解析中に問題を生じ得る。これは、TLCドットが足の背景画像に溶け込み得るので、それらが赤−黄の範囲を通っているかどうかを画像解析アルゴリズムが識別するのをさらに困難にし得る。これを克服するために、TLCドット105は、青および緑に関してのみ動作するように設計され得る。代替として、TLCドット105は、それらが画像解析アルゴリズムによって容易に識別されるために、それらの周囲にブラックリングを有し得る。ドットを基準として使用して、複数の画像を統合するか、または歪みを受けた画像(warped image)を平らにする/広げる。複数カメラの装置では、画像が捕捉された後に、それらを一緒にまとめる必要がある。ドットは、相互に、およびカメラに関して固定されているので、これを容易にするために基準点として使用され得る。魚眼レンズで捕捉された画像に対して、ドットは、画像を広げるための基準点として使用され得る。ドットの形状(または他の形状)、およびこれらの相互に関する位置が画像を広げるために使用できる。
【0075】
装置100は、所定の機能を実装するようにプログラムされる1つ以上のソフトウェアモジュールを含むことが理解されるであろう。装置100は、本開示に従って方法を実行するように機能する様々なハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含む。装置100は、ユーザーインタフェース150、メモリ160と通信するCPU115、および通信インタフェース165を含む。CPU115は、メモリ160にロードして格納できるソフトウェア命令を実行するように機能する。CPU115は、特定の実施態様に応じて、いくつかのプロセッサ、マルチプロセッサコア、または何らかの他のタイプのプロセッサを含み得る。メモリ160は、CPU115によってアクセス可能であり得、それによりCPU115が、メモリ160上に格納された命令を受信および実行するのを可能にする。メモリ160は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または任意の他の適切な揮発性もしくは不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であり得る。加えて、メモリ160は、固定または取外し可能であり得、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換型光ディスク、書換型磁気テープ、または前述の何らかの組合せなどの、1つ以上の構成要素または装置を含み得る。
【0076】
1つ以上のソフトウェアモジュール170は、メモリ160内でコード化され得る。ソフトウェアモジュール170は、プロセッサ115によって実行されるように構成されたコンピュータプログラムコードまたは命令のセットを有する1つ以上のソフトウェアプログラムまたはアプリケーションを含み得る。本明細書で開示するシステムおよび方法の態様のための操作を実行するための、かかるコンピュータプログラムコードまたは命令は、1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書かれ得る。ソフトウェアモジュール170の実行中、CPU115は、本開示の実施形態に従い、皮膚異常形成の識別に関連した様々な操作を実行するように装置110を構成する。CPU115は、標的の温度を複数の別々の位置で測定するために、画像捕捉装置107によって捕捉された画像を処理するように構成され得る。CPU115は、画像を処理して、識別されたTLC構成の色を対応する温度値に変換するように動作可能であり得る。CPU115は、ドットの色相/彩度/明度および色−温度変換テーブルに基づいて、識別されたTLC構成の色を対応する温度値に変換するようにプログラムされ得る。色相/彩度/値(HSV)または赤、緑、青(RGB)などの他の色空間が使用され得ることが当業者によって理解されるであろう。追加として、CPU115は、温度値に基づいて温度マップを生成するように構成され得る。1つの例示的な配置では、CPU115は、温度マップを、標的の捕捉された画像に重ね合わせるように動作可能である。別の配置では、CPU115は、温度マップおよび捕捉された画像に関して画像解析を実行するように構成される。CPUは、捕捉された画像の同様の点において温度を比較するようにプログラムされ得る。CPU115は、捕捉された画像の画像解析に基づいて、潰瘍および/または他の皮膚異常の出現を示す印を生成するように動作可能であり得る。CPU115は、捕捉された画像上の特定の位置において潰瘍および/または他の皮膚異常の出現を示す印を生成するように動作可能であり得る。印は、例えば、出力画像の形であり得る。別の例では、CPU115は、過度の皮膚肥厚、水疱、水分、および変色の少なくとも1つを含む、捕捉された画像上の領域を検出するように構成される。
【0077】
データベース185などの、本システムおよび方法の操作に関連した他の情報および/またはデータも、メモリ160上に格納され得る。データベース185は、様々な操作を通して利用される様々なデータ項目および要素を含み、かつ/または保持し得る。データベース185は装置100にローカルに構成されているとして示されているが、ある実施態様では、データベース185および/またはその中に格納された様々な他のデータ要素はリモートに配置され得ることに留意すべきである。かかる要素は、リモート装置またはサーバー−図示せず−上に配置されて、プロセッサにロードされて実行されるために、当業者に周知の方法でネットワークを通して装置100に接続され得る。
【0078】
さらに、ソフトウェアモジュール170のプログラムコードおよび1つ以上のコンピュータ可読記憶装置(メモリ160など)は、当業者に周知のように、本開示に従って製造および/または分散され得るコンピュータプログラム製品を形成する。
【0079】
通信インタフェース165も、CPU115に動作可能に接続され、装置100と、外部装置、機械および/または要素との間で通信を可能にする任意のインタフェースであり得る。通信インタフェース165は、データを送信および/または受信するために構成される。例えば、通信インタフェース165は、Bluetooth、WiFi;またはセルラー送受信機、無線モジュール、衛星通信送信機/受信機、光ポートおよび/もしくは装置110を外部装置に接続するための任意の他のかかるインタフェースを含み得るが、それらに制限されない。
【0080】
ユーザーインタフェース150も、CPU115に動作可能に接続される。ユーザーインタフェースは、スイッチ(複数可)、ボタン(複数可)、鍵(複数可)、またはタッチスクリーンなどの1つ以上の入力装置(複数可)を含み得る。ユーザーインタフェース150は、データ入力を可能にするように機能する。ユーザーインタフェース150は、オン−オフコマンドまたは前述した方法の操作に関連した設定など、ユーザーからのコマンドの捕捉を容易にするように機能する。
【0081】
ディスプレイ190も、CPU115に動作可能に接続され得る。ディスプレイ190は、ユーザーが様々なオプション、パラメータ、および結果を見るのを可能にする画面または任意の他のかかる提示装置を含み得る。ディスプレイ190は、LEDディスプレイなどのデジタルディスプレイであり得る。装置110は、電源192によって電力供給され得る。警告を生成するために、警告機構195が提供される。警告機構195は、警告を遠隔エンティティに電気通信ネットワーク経由で伝達するように動作可能である。
【0082】
装置100の例示的な動作を、流れ
図200、300A、300Bおよび300Cを参照して説明する。ブロック202で、ユーザーは透明パネル102に乗る。CPU115に動作可能に結合される歪みゲージ169は、透明パネル102上の重量荷重を感知する(ブロック204)。歪みゲージ169は、ユーザーが安定した位置にある時を判断するように構成される(ブロック206)。CPU115は、LED122を起動する(ブロック208)。この例示的な実施形態では、2つの画像捕捉装置107が起動されて個人の足109の裏、および足109の裏上の対応する点の温度を示すように色が変化しているTLCドット105のパターンの画像を捕捉する(ブロック210)。温度センサー118が透明パネル102の温度を記録する(ブロック212)。この例では、皮膚検査装置110は、個人の体重を捕捉するための体重計としても機能し得る(ブロック214)。画像データ、体重データ、基準温度データ、タイムスタンプが、処理のためにCPU115に送信される(ステップ216)。
【0083】
流れ
図300Aを参照して、データ処理を説明する。CPU115は、画像データ、体重データ、基準温度データ、タイムスタンプを受信する(ブロック302)。画像データを捕捉するために2つの画像捕捉装置が使用されたので、捕捉された画像を一緒にまとめる(ブロック304)。CPU115は、捕捉された画像を色較正標的に関して解析する(ブロック306)。CPU115は、色較正標的を解釈して、色オフセットを捕捉された画像に適用する(ブロック308)。さらに、TLCドット105の位置がCPU115によって識別される(ブロック310)。TLCドット105の色が、CPU115によって温度値に変換される(ブロック312)。基準温度およびオフセットアルゴリズムがCPU115によって温度値に適用される(ブロック314)。修正された温度値が患者データベースに格納される(ブロック316)。画像データ、体重データ、基準温度およびタイムスタンプもデータベースに格納される(318)。温度値がDFUの形成を示していると判断される場合、適切な印がディスプレイ190上に表示されて、その個人に潜在的な潰瘍形成を警告する(ブロック320)。
【0084】
流れ
図300Bを参照して、例示的なデータ処理アプローチを説明する。CPU115は、画像データ、体重データ、基準温度データ、タイムスタンプを受信する(ブロック302)。画像データがCPU115によって処理される(ブロック304)。この処理は、捕捉された画像をスキャンして、温度センサー105の位置を識別するアルゴリズムをCPU115が適用することを含み得る。捕捉された画像内での温度センサー105の位置が、センサー105によって記録された温度データにリンクされる(ブロック306)。CPU115は、センサー105の記録された温度値に基づいて、温度データセットを生成する(ブロック308)。温度データセットが、データベース185に格納される。基準温度およびオフセットアルゴリズムがCPU115によって温度データセットに適用される(ブロック310)。修正された温度データセットが患者データベースに格納される(ブロック312)。画像データ、体重データ、基準温度およびタイムスタンプもデータベースに格納される(ブロック314)。温度データセット内の温度値がDFUの形成を示していると判断される場合、適切な印がディスプレイ190上に表示されて、その個人に潜在的な潰瘍形成を警告する(ブロック316)。本教示が、提供された例示的なステップ、または必要に応じて修正され得るステップの順序および連続に制限されることは意図しないことが理解されるであろう。例えば、体重データの包含は、前述のデータ処理アプローチでは任意選択であり得る。
【0085】
流れ
図300Cを参照して、代替データ処理アプローチを説明する。ブロック310、312、314および316は、
図23Bで同様にラベル付けされたブロックに対応する。ブロック317および318は、代替アプローチを説明する。特徴は、色相解析、ブロブ、コーナー、エッジ解析および他のかかる特徴検出アルゴリズムなどの、当業者に周知の様々なコンピュータビジョン手段によって識別され得る(ブロック317)。特徴は、タグ付けされた特徴のデータベースとの比較を通しても識別され得る。タグ付けされたデータセットは、例えば、ニューラルネットワークを使用する、機械学習アルゴリズムのための訓練セットとしても使用され得る。特徴は、そのサイズ、形状、配向などを含む、足を含み得る。検出され得る他の特徴は、潰瘍、つま先、皮膚肥厚、変色、切り傷、水疱、または同様のものを含み得る。
【0086】
システムは、視覚的もしくは熱的異常、または両方の組合せを検出するように構成され得る(ブロック318)。視覚的異常は、まず、画像内の足を識別することによって検出され得る。足は次いで、異常な特徴に関して再調査される。熱的異常は、温度データだけを使用することによって、または視覚画像を温度データと組合わせることによって、識別され得る。足の位置が、視覚画像を使用して決定され得る。足の温度が周囲温度と同様である場合があるので、これは好都合であり、従って、温度データだけを使用して足の位置を判断することは困難であり得る。そのため、足上の点と他方の足上の点との間の比較を実行することは、どの点を比較すべきかを判断することが困難であるので、困難であり得る。
【0087】
足の画像を温度データセットとリンクすることにより、足上の任意の位置における温度を測定することが可能である。異常は、足上の同等点の間で温度を比較する(対側比較)ことによって検出され得る。異常を検出する他の方法は、平均、最大、最小温度、または任意の他の統計的に生成された数を比較することを含み得る。別の方法は、収集されたデータを、以前に収集されたデータと比較することである。ある患者では、対側の部位間に既存の温度差があり得、これらの場合、温度を以前に記録された温度と比較することが好都合であろう。別の実施形態では、足の前部、踵、母趾などの、局地的温度の比較が実行され得る。
【0088】
2つの異なる感知モダリティデータセット(熱的および視覚的)を再調査することは、異常の存在を判断するために利用可能な情報のレベルを高めるので、好都合である。いくつかの異常は、データセットの1つにだけ存在し得る。それは、4つの潜在的な結果を与えるので好都合であるが、単一の感知モダリティでは、2つしかない。
【表1】
【0089】
システムは、検出された異常のタイプに基づいて警告を変更するように構成され得る。例えば、視覚的な異常が存在せず対側温度上昇によって生成された印は、活動性潰瘍が検出される場合に生成された印とは異なり得る。
【0090】
つま先、踵、アーチなどの、身体的部位を識別するために画像内の点が使用され得る。画像は、足の幾何学的マップを生成するためにデジタル化され得る。画像の異なる領域が特性に基づいて分類され得る。これらの分類された領域は、両方の足を比較する場合に基準点(複数可)として使用され得る。幾何学的マップは、所与の座標において物理的形成を識別するために使用され得る。従って、幾何学的マップは、他方の足上の同じ領域との正確な比較を可能にする。これは、同様の点における各足からのデータの簡単なマッピングを容易にする。
【0091】
足の温度は通常、体温よりも低い。多くの場合、足の温度は、周囲温度と同様の温度であり得る。かかる場合、ヒートマップ内でどこが足に対応するかを判断することは不可能である。従って、対側温度比較を実行することは困難であり得る。
図24Aは、温度センサー105の配列を使用して記録され得る可能な温度データセットの表示を提供する。足の大部分は、周囲温度と同様であり、従って、温度センサー105から区別するのは不可能である。しかし、ヒートマップ内には温度が上昇した2つの領域がある。温度が異常であるかを判断する主な形態は、対側比較を実行すること、すなわち、それを他方の足上の同じ点と比較することである。
【0092】
図24Bおよび
図24Cは、データセットを組み合わせると、温度データの有用性を高める追加の情報をどのように提供するかを示す。
図14Aでは、温度が上昇した2つの領域が(
図14Bで示されるように)足の同じ位置に対応するか、または(
図14Cで示されるように)それらが異なる位置に対応するかを判断することは不可能である。診断は、この追加の情報に基づいて、健康から不健康に逆転する。
図14Bは、温度データを視覚データと組み合わせて、ホットスポット部位が足の同じ位置に対応することを確認するために使用され得る。対側比較では、これは、温度が正常であることを示すであろう。
図14Cも温度データを視覚データと組み合わせて、ホットスポットが足の異なる位置にあるかを判断するために使用できる。視覚画像は、ホットスポット部位が足の異なる位置に対応することを確認するために使用され得る。対側比較では、これは、温度は正常でないことを示すであろう。
【0093】
ここで、本教示に従った皮膚検査装置の例示的な読出し回路を示す、
図25を参照する。読出し回路400は、マトリックス構成で示されている温度センサー105の配列と通信する。温度感知は、電圧を読み取ることによって達成される。温度センサー105の配列の各素子は、行選択用に1つ(MuxB)および列選択用に1つ(MuxA)の、2つのスイッチングマルチプレクサを使用して、個別に読み取ることができる。読出し回路400は、ハーフブリッジ回路として構成される。読出し回路500の代替実施形態は、
図26に示すフルブリッジ回路のそれである。
【0094】
単一のアレイ素子の最大読取り速度は、マルチプレクサスイッチング速度、アナログ/デジタル変換器読取り速度ならびに寄生容量および抵抗に起因した信号切換ノイズの関数である。検知システムのノイズおよび温度依存性を最小限にするために、調整回路が使用され得、低域通過フィルタを使用して高周波ノイズを除去し、差動増幅器を使用して信号を増幅して、アナログ/デジタル変換を実行する。
【0095】
図27は、足109の長さに沿って配置され、そのため温度センサー105の配列の同時サンプリングが生じ得る、例示的な読出し回路400を示す。これは、全体的なスキャン/検査時間を最小限にして、ユーザーに対する不都合を低減する。読出し回路は、センサー105からのデータ読取りを温度値に変換するためにCPU115と通信する。読出し回路400、500およびCPU115の間の接続は、12CまたはSPIなどの、高速デジタルバスであり得、バス接続は、画像捕捉装置107の視野から隠されるべきである。温度センサー105の配列は、行−列構成をもつグリッドで配置される。温度センサー105は、光経路が温度センサー105間に存在するように間隔が空けられて、温度センサー105と接触した足109の裏の画像が捕捉できるようにする。光経路は、2つ以上の隣接する温度センサー105の間のゾーンによっても画定され得る。温度センサー105は、座標を通してアドレス可能であり、センサー105の座標は、捕捉された画像内の1つ以上の画素に対応し得る。CPU115は、検査中の足109の裏のグラフィック領域を温度センサー105の座標にマッピングするように動作可能である。
【0096】
本発明の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に対して様々な変更が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。このように、教示は、添付の請求項の観点から必要であると考えられる限りにおいてのみ制限されると理解される。説明を簡単にするために、TLC構成は、本開示を通してドットとして言及されている。しかし、例えば、円形、三角形、正方形、卵形、5角形、星形、山形、直線、曲線などであるが、それらに制限されず、いくつかの異なる形状が使用され得る。TLC構成は任意の所望の構成で提供できることが予測される。例示的な配置では、複数の画像捕捉装置が示されているが、単一の画像捕捉装置が使用され得ることが理解されるであろう。
【0097】
TLCドット構成の配列を使用することの利点は、それが、標的位置の視覚画像を捕捉する能力を維持しながら、多数の別々の位置で温度データの取得を可能にすることである。例えば、次の表は、様々な直径のTLCドットによって曖昧にされた画像の割合を提示する。例では、ドットは1cmのピッチで配置され、それにより、100mm
2ごとに1つのドットを含む。円の面積は
π.r
2
によって与えられ、式中rは円の半径である
【表2】
このように、分散した特性およびTLCドットの寸法に起因して、それらは足の裏の表面領域の大部分を画像捕捉装置の視野から遮らない。
【0098】
本発明の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に対して様々な変更が行われ得ることが当業者によって理解されるであろう。このように、教示は、添付の請求項の観点から必要であると考えられる限りにおいてのみ制限されると理解される。例示的な実施形態では、皮膚検査装置100は、個人の体重を計算するための手段を有する体重計に組み込まれ得る。
【0099】
同様に、含むという用語は、明細書内で使用される場合、述べられた構成、整数、ステップまたは構成要素の存在を指定するために使用されるが、1つ以上の追加の構成、整数、ステップ、構成要素またはそれらのグループの存在または追加を除外しない。