(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の遊技機用基板ケースの実施形態について、図面を参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の説明において、本発明の遊技機用基板ケースを回胴式遊技機において採用する場合を例に挙げて説明するが、本発明の遊技機用基板ケースは、パチンコ遊技機等の他の遊技機においても採用することができる。
【0018】
(回胴式遊技機の全体構成の説明)
図1は、回胴式遊技機の外観構成を示す正面図である。また、
図2は、回動式遊技機の内部構成を示す前扉が開かれた状態の斜視図である。
図1に示すように、回胴式遊技機10は、その前面側に、メダルを投入するためのメダル投入口11と、メダルを払い出すためのメダル払出口12と、その外周面に図柄が描かれた3本のリール13、14、15と、映像演出を行うための液晶ディスプレイ16と、照明演出を行うための発光ランプ(図示省略)と、音声演出を行うためのスピ−カー17等を備えたものとなっており、操作部として、1遊技当たりの最大枚数(通常3枚)のメダルをベットするためのマックスベットボタン(操作手段)18と、ベットするメダルを1枚ずつ増加するためのシングルベットボタン19と、リール13、14、15の回転を開始するためのスタートレバー(操作手段)20と、リール13、14、15の回転をそれぞれ停止するための3個のストップボタン(操作手段)21、22、23と、演出を切り替えるためのチャンスボタン24と、クレジットされたメダルを払い戻すための払戻しボタン25等を有するものとなっている。なお、これらマックスベットボタン18、シングルベットボタン19、スタートレバー20、ストップボタン21、22、23、チャンスボタン24、払戻しボタン25は操作手段である。
【0019】
この回胴式遊技機10は、メダルのクレジット枚数が所定枚数以上となった状態でスタートレバー20が操作されると、役抽選が実行されるとともにリール13、14、15が一斉に回転を開始し、ストップボタン21、22、23がそれぞれ操作されると、操作されたストップボタン21、22、23に対応するリール13、14、15の回転が停止し、すべてのリール13、14、15が停止したときにリール窓10b1の有効ライン上に表示される図柄の組み合わせが役抽選で当選した役に対応したものとなっていた場合(入賞した場合)は、その役に応じた枚数のメダルが払い出される。なお、メダルのクレジット枚数が上限値に達しているときには、ホッパーユニット36(
図2を参照)から送出されたメダルがメダル払出口12を通じて払い出されるようになっている。つまり、上限値を超えてメダルを投入することができない。一方、メダルのクレジット枚数が上限値に達していない場合は、メダル投入口11にメダルが投入されるか、又は、入賞によってメダルが払い出された場合にメダルのクレジット枚数が増加するようになっている。
【0020】
図2に示すように、回胴式遊技機10は、前方が開放された箱状である筺体本体10aと、筺体本体10aの前面側に開閉可能な状態で取り付けられた前扉10bとで構成された遊技機筺体10cの内部に各種の機器が収容されたものとなっている。本実施形態において、遊技機筺体10cの内部には、メイン制御基板ユニット30、サブ制御基板ユニット31、液晶ユニット32、電源ユニット33、コネクタユニット34、リールユニット35及びホッパーユニット36等が納められている。
【0021】
メイン制御基板ユニット30は、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行う電子基板(メイン制御基板)を備えている。サブ制御基板ユニット31は、発光ランプや音声による演出等、遊技における演出に関する制御を行う電子基板(サブ制御基板)を備えている。液晶ユニット32は、液晶ディスプレイ16(
図1を参照)に表示される映像による演出に関する制御を行う電子基板(映像基板)を備えている。電源ユニット33は、回胴式遊技機10における各機器に電力を供給する電子基板(電源基板)を備えている。コネクタユニット34は、特定の機器に接続されたケーブルを仲介する電子基板(仲介基板)を備えている。リールユニット35は、リール13、14、15の回転をそれぞれ独立して制御する電子基板(リール制御基板)を備えている。ホッパーユニット36は、メダル投入口11(
図1を参照)に投入されたメダルを回収するとともに、メイン制御基板ユニット30からの信号に基づいてメダル払出口12(
図1を参照)へメダルを送出する制御を行う電子基板(ホッパー制御基板)を備えている。
【0022】
これらのユニットに備えられた各種電子基板は、不正行為の対象となり得る。例えば、メイン制御基板ユニット30に備えられた電子基板(メイン制御基板)には、回胴式遊技機10における基本的な制御を行うためのプログラムが記録された記憶装置であるROMが搭載されている。このROMを、偽造された不正なROMに交換することにより、役抽選、入賞判定及び遊技動作を正規のものと異なるようにすることができる。例えば、遊技中に特定の操作を行うことにより、必ず大当たりになるような制御が行われる等、回胴式遊技機10に不正な改造がなされることとなる。
【0023】
このような不正行為を防ぐために、回胴式遊技機10等の遊技機においては、この種の電子基板を、ケースの内部に収容して封止するとともに、当該ケースの外側面には、ケースが開封されたか否かを認識できるようにするための封印シールを貼りつけることが行われている。本実施形態においては、後述するが、
図3〜
図5に示すように、遊技機用基板ケース100aにおいて、基板ケース本体100の内部に、電子基板を収容することによって、当該電子基板を封止する構造とするとともに、基板ケース本体100の外側面に、封印シールとして第1シール(目印部)200aが貼り付けられている(形成されている)。なお、第1シール200aの構成の詳細については後述するが、第1シール200aにはホログラム201が形成されている。また、基板ケース本体100の外側面には、第2シール200bも貼り付けられている。第2シール200bは封印シールではないが、第1シール200aと同様の構成を有する。
【0024】
(遊技機用基板ケースの説明)
本発明の遊技機用基板ケース100aについて、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明の遊技機用基板ケース100aの技術的範囲は、以下の説明に限定されず、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。また、以下においては、メイン制御基板ユニット30(
図2を参照)の電子基板(メイン制御基板)を封止するものを例に挙げて、遊技機用基板ケース100aについて説明する。なお、本発明の遊技機用基板ケースは、メイン制御基板以外の電子基板を封止する場合にも採用することが可能である。例えば、サブ制御基板ユニット31の電子基板(サブ制御基板)を封止する場合や、液晶ユニット32の電子基板(映像基板)を封止する場合等にも、本発明の遊技機用基板ケースを採用することが可能である。
【0025】
なお、
図2に示すように、メイン制御基板ユニット30は、筺体本体10aの天板10a1に接近した位置に設置されている。したがって、遊技機用基板ケース100aも、筺体本体10aにおいて、天板10a1に接近した位置に設置されている。なお、詳細は、後述するが、遊技機用基板ケース100aの上側の一部は、天板10a1により、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。また、遊技機用基板ケース100aの前扉10b側の一部は、前扉10bにより、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。なお、遊技機用基板ケース100aの前扉10b側とは、筺体本体10aを正面から見た場合の左側である。なお、前扉10bは筺体本体10aに対して蝶番等により連結されており、開閉が可能である。
【0026】
図3は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの外観構成を示す斜視図である。また、
図4は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの構成を示す分解斜視図である。また、
図5は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの第1シール付近の構成を示す拡大正面図である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、遊技機用基板ケース100aは、基板ケース本体100と、基板ケース本体100に貼り付けられた第1シール200a及び第2シール200bと、を備えている。さらに、基板ケース本体100は、ベース部110及びカバー部120が組み合わされて連結され、一体化されて構成されている。
図4に示すように、ベース部110及びカバー部120が接合された基板ケース本体100の内部には電子基板300が収容されている。つまり、電子基板300は、ベース部110及びカバー部120により覆われている。この電子基板300には、役抽選、入賞判定及び遊技動作等、遊技における基本的な制御を行うためのデータが格納されているROMが搭載されている。
【0028】
また、基板ケース本体100に含まれるベース部110及びカバー部120と、第1シール200aとは、いずれも透光性を有する。第1シール200a及び第2シール200bを構成する材料は主に樹脂であり、詳細については、後述する。また、詳細は後述するが、第1シール200a及び第2シール200bにはホログラム201(
図13参照)が形成されている。ベース部110及びカバー部120は、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)やPC(ポリカーボネート)といった熱可塑性樹脂により構成されている。また、これらベース部110及びカバー部120は透過性を有し、透明であることから、外側から内部に配置された電子基板300を視認することができる。
【0029】
また、カバー部120には、電子基板300に形成されたコネクタ301a〜301cを外部に露出するためのコネクタ孔121a〜121cが形成されている。コネクタ孔121a〜121cからコネクタ301a〜301cが露出することにより、電子基板300は外部と電気信号を送受信することができる。また、図示はされていないが、カバー部120には、ベース部110及びカバー部120を一体化する際に、ベース部110に形成されているガイド溝112に嵌まり込むピンが形成されている。なお、ガイド溝112は、途中で垂直に曲がる形状(L字状)である。詳細は後述するが、ガイド溝112にこのピンが嵌まり込み、ピンがガイド溝112に沿って案内されることにより、ベース部110とカバー部120とが固定される状態となる。
【0030】
また、電子基板300には、モニタLED(発光部)302及び役比モニタ(発光部)303が設置されている。具体的には、電子基板300におけるカバー部120側の面上にモニタLED302及び役比モニタ303が設置されている。モニタLED302は、回胴式遊技機10のスイッチ(ボタン)やセンサー等の状態を示すものであり、複数のLEDから構成されている。これら複数のLEDのそれぞれは、回胴式遊技機10における各スイッチ(ボタン)やセンサー等に対応しており、これらの状態に応じて点灯する。例えば、スタートレバー20が操作されると、スタートレバー20に対応するLEDが点灯し、ストップボタン21、22、23が操作されると、ストップボタン21、22、23に対応する3つのLEDがそれぞれ点灯する。なお、これらの操作が終わると、LEDは再び消灯する。これにより、モニタLED302によって、スイッチ(ボタン)やセンサー等の動作状態を認識できる。例えば、遊技店の従業員等の作業者は、モニタLED302を用いて、回胴式遊技機10における動作が正常か否かの確認を行う。
【0031】
また、役比モニタ303は、役物比率や有利区間比率等を表示するものであり、4個の7セグメントLEDを有している。役物比率や有利区間比率が、異常な値を示していると、不正行為が行われている可能性がある。そこで、作業者は、役比モニタ303を確認することにより、不正行為が行われているか否かを検査する。また、上述したように、カバー部120は透明であることから、遊技機用基板ケース100aの外部からモニタLED302及び役比モニタ303を確認することができる。また、モニタLED302及び役比モニタ303において、LEDが点灯することから、カバー部120を介して外部に光が照射されている。
【0032】
詳細は後述するが、基板ケース本体100の上部両端には、それぞれ、ベース部110及びカバー部120が強固に連結され、かつ、不正行為が行いにくい構造とするためのカシメ部101が形成されている。また、特に
図5に示されているように、このカシメ部101が正しく構成されているか(ベース部110及びカバー部120が正しく連結されているか)を確認するための窓部102が形成されている。窓部102は、基板ケース本体100において比較的厚みが薄く形成された箇所であり、その分透明度が高い。さらに、窓部102はフラットであり、窓部102を介して内側を見やすく形成されている。つまり、窓部102を介して、外側からカシメ部101の内側を容易に視認することができる。これにより、窓部102を用いてカシメ部101が正しく構成されているかを確認することができる。
【0033】
また、基板ケース本体100には、ベース部110及びカバー部120のそれぞれ一部により構成されている表面に凹凸形状が形成された粗面部130が形成されている。粗面部130の詳細については、後述するが、この粗面部130には第1シール200aが貼り付けられている。なお、粗面部130の面積は第1シール200aより広く、粗面部130の一部は露呈し、残りの部分は第1シール200aに覆われている。後述するが、粗面部130が露呈した部分と、粗面部130において第1シール200aにより覆われた部分とでは、見え方が異なっていることから、容易に目視により第1シール200aが正しく粗面部130に貼り付けられているか否かの確認を行うことができる。
【0034】
また、粗面部130の表面に凹凸形状が形成されていることから、第1シール200aは表面が粗面でなく滑らかな面(フラットな面)に貼り付けた場合に比べて容易に剥がすことができない。具体的には、第1シール200aとの接触面積が滑らかな面に比べて大きくなることから強固に貼り付くこととなるためである。このように、第1シール200aが強固に粗面部130に貼り付けられており、剥がすことが困難である。さらに、第1シール200aは、粗面部130に熱転写される。つまり、第1シール200aは、粗面部130に熱固着されることにより貼り付けられている。具体的には、熱可塑性の材料が熱により溶かされた状態で粗面部130に押しつけられ、その後冷却されることで熱可塑性の材料が硬化することにより、第1シール200aが粗面部130に貼り付けられている。これにより、第1シール200aが粗面部130により強固に貼り付けられている。
【0035】
図4及び
図5に示すように、ベース部110とカバー部120とを一体化した際に、ベース側粗面部131及びカバー側粗面部132が隣接して配置され、さらにベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の表面が同一の面となり、これらベース側粗面部131及びカバー側粗面部132により粗面部130が構成される。さらに、粗面部130を覆うように、第1シール200aが粗面部130に貼り付けられている。この際、第1シール200aはベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の両方に亘るように貼り付けられる。つまり、ベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の表面の境界にも第1シール200aが貼り付けられる。
【0036】
このように、ベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の表面に亘るように第1シール200aが貼り付けられている。また、電子基板300(ROM)を偽造したものに入れ替えるために、一体化されたベース部110及びカバー部120を開くと、隣接して配置されているベース側粗面部131及びカバー側粗面部132が離間することとなる。したがって、第1シール200aを粗面部130から剥がすか、第1シール200aを破って破損させるかしないと、一体化されたベース部110及びカバー部120を開けることができず、電子基板300を偽造したものに入れ替える不正行為を行うことが困難である。つまり、第1シール200aは封印シールとして機能している。
【0037】
また、上述したように、第1シール200aは粗面部130のすべてを覆うのではなく、粗面部130の一部が露呈するように第1シール200aを貼り付けることとしたが、これに限定されるわけではない。例えば、粗面部130の全面に第1シール200aが貼り付けられた構成や、粗面部130の面積に比べて第1シール200aの面積が広く、粗面部130を越えた領域に亘って第1シール200aが貼り付けられている構成としてもよい。第1シール200aが、すべての粗面部130に貼り付けられていることにより、貼り付けられる面積が大きくなり、その分第1シール200aが粗面部130に強固に貼り付けられる。
【0038】
上述したように、第1シール200aは粗面部130に強固に貼り付けられていることから、粗面部130から剥がすことが困難であり、不正行為を行うことが困難である。また、強引に第1シール200aを剥がそうとすると、その痕跡が残ることとなる。例えば、硬い工具などで第1シール200aを剥がそうとすると、カバー側粗面部132等に傷が付くこととなる。したがって、電子基板300を偽造したものに入れ替えられたとしても、容易に発見することができる。
【0039】
また、ベース部110には、貼付け部136が形成されている。貼付け部136は第2シール200bが貼り付けられる箇所である。なお、貼付け部136は粗面部130のようにベース部110及びカバー部120に亘るわけではなく、ベース部110にのみ形成されている。また、第2シール200bも第1シール200aと同様に、貼付け部136に熱転写されることで形成される。つまり、第2シール200bは、貼付け部136に熱固着されることにより貼り付けられている。具体的には、熱可塑性の材料が熱により溶かされた状態で貼付け部136に押しつけられ、その後冷却されることで熱可塑性の材料が硬化することにより、第2シール200bが貼付け部136に貼り付けられている。これにより、第2シール200bが貼付け部136に、より強固に貼り付けられる。
【0040】
なお、基板ケース本体100の作製手順としては、まず、電子基板300をネジ401a〜401dによりカバー部120に固定し、さらに、カバー部120及びベース部110により電子基板300を覆うようにこれらを連結し、さらにカバー部120及びベース部110を一体化する。この際、上述したように、カバー部120に形成されたピンが、ベース部110のガイド溝112に嵌まり込むように、カバー部120及びベース部110を連結する。ピンがガイド溝112に沿って案内されることで、まずカバー部120とベース部110とが互いに近づくように組み合わされる。そして、上述したようにガイド溝112が垂直に曲がっていることから、カバー部120及びベース部110は、ガイド溝112に沿って互いに横方向(電子基板300に対して平行な方向)にスライドされる。この状態において、ピンがガイド溝112に嵌まっていることから、ベース部110及びカバー部120は、互いに離れる方向(電子基板300に対して垂直方向)においては固定されることとなる。
【0041】
この状態で、ネジ402a、402bによりカバー部120及びベース部110が固定される。なお、カバー部120及びベース部110を連結した際には、上述のカシメ部101が形成されることとなる。カシメ部101によってもカバー部120及びベース部110がより強固に固定される。また、カシメ部101が形成されることにより、カバー部120及びベース部110の隙間に例えばワイヤーや板状体等をねじ込んで基板ケース本体100を開ける等の不正行為を防止することができる。なお、カシメ部101の構成については、後述する。
【0042】
ここで、カシメ部101及び粗面部130の構成について図面を用いて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおいてカバー部及びベース部のカシメ部及び粗面部における結合状態を示す分解斜視断面図である。また、
図7は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおいてカバー部及びベース部のカシメ部及び粗面部における結合状態を示す斜視断面図である。なお、
図6及び
図7は、第1シール200aの近傍におけるカシメ部101に関する図である。
【0043】
また、
図8は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースのカバー部の粗面部付近の構成を示す拡大正面図である。また、
図9は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースのベース部の粗面部付近の構成を示す拡大正面図である。また、
図10は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおいて第1シールを貼る前の粗面部付近の構成を示す拡大正面図である。
【0044】
図6に示すようにベース部110にはベース側カシメ部111が形成されており、このベース側カシメ部111がカバー部120に形成されたカバー側カシメ部122と組合されてカシメ部101(
図7)が構成される。また、ベース側カシメ部111は、カバー部120側へと突出して形成された筒状の接着剤保持部111aと、接着剤保持部111aの上部に形成された対となる2つの突出部であり、可撓性を有する引掛り部111bとを有している。
【0045】
また、カバー側カシメ部122は、ベース部110及びカバー部120が一体となるように組み合わされた際に、接着剤保持部111aに嵌まり込む突出部である接着部122aと、アーム122bと、アーム122bに形成された矢じり状部122dとを有している。矢じり状部122dは、
図6における下方に向かって徐々に狭まっていき、上方に向かって徐々に広がっていく形状である。
【0046】
このようなベース側カシメ部111及びカバー側カシメ部122において、接着剤保持部111aに接着剤が充填された状態で、ベース側カシメ部111及びカバー側カシメ部122が組み合わせられることにより、接着剤保持部111aに接着部122aが挿入される。ここで、上述したように、カバー部120及びベース部110を一体化する際は、まず、カバー部120とベース部110とが互いに近づくように組み合わされ、その後、カバー部120及びベース部110を互いに横方向にスライドさせる。このように、スライドさせる際に、矢じり状部122dが2つの引掛り部111bの間に挿入される。このとき、矢じり状部122dの最も狭い箇所である先端部から引掛り部111bの間に挿入されることから、矢じり状部122dの引掛り部111bの間への挿入が進むのに合わせて2つの引掛り部111bは互いに離れる方向へと撓み、矢じり状部122dの後端部が引掛り部111b間を通り抜けると、撓んでいた引掛り部111bは元の状態に戻る。この状態において、矢じり状部122dの後端部は、2つの引掛り部111b間の距離よりも大きいことから、矢じり状部122dは引掛り部111bに引っ掛かることとなる。このため、これら矢じり状部122dあるいは引掛り部111bを破壊することなく、再びスライド前の状態(矢じり状部122dが引掛り部111b間に挿入される前の状態)に戻すことは困難となる。つまり、カバー部120とベース部110とを分離する際には、矢じり状部122dあるいは引掛り部111bに痕跡が残ることとなる。このように、カバー部120及びベース部110を一体化させた状態で所定時間おいておくことにより、接着剤保持部111aの接着剤が硬化し、接着剤保持部111aと接着部122aとを固着させる。ここで、接着剤としては、接着剤保持部111aと接着部122aとを固着させることができるものであればよく、樹脂同士を接着することができるものであれば、特に限定されない。例えば、紫外線により硬化される接着剤を用いてもよい。それにより、紫外線を照射させることによって、短時間で接着剤を硬化させることができる。
【0047】
上述のように、ベース側カシメ部111及びカバー側カシメ部122が組み合わされて、
図7に示すように、カシメ部101が形成される。このように、カシメ部101内には、接着剤保持部111a、引掛り部111b、接着部122a及びアーム122b等が設置されているので、例えば、カバー部120及びベース部110の隙間にワイヤーや板状体等をねじ込んで基板ケース本体100を開ける等の不正行為を行うことは困難である。また、接着剤保持部111a、引掛り部111b、接着部122a及びアーム122bをカッター等の工具で切断することも困難である。
【0048】
さらに、カシメ部101よりも内側には、ベース部110からカバー部120側に突出形成される遮断板111c(
図6を参照)及び、カバー部120からベース部110側に突出形成される遮断板122c(
図6を参照)が、互いに対向して並んで配置されることとなる。さらに基板ケース本体100の内部にワイヤーや板状体等を差し入れることは困難である。したがって、不正行為を行うことは困難である。また、ベース部110及びカバー部120を開くためには、カシメ部101を破壊することとなり、ベース部110及びカバー部120を開いた後に不正行為に気づかれないように元に戻すことは困難である。このため、不正行為を抑制することもできる。
【0049】
なお、上述したように、カバー部120においてカシメ部101を基板ケース本体100の外側から確認することができるように窓部102が形成されている。窓部102が形成されていることから、基板ケース本体100の外側からカシメ部101が正しく構成されているかを容易に確認することができる。したがって、製造時のチェックや、点検等も楽に行うことができる。また、上記説明では、粗面部130の近傍に設けられるカシメ部101について説明したが、カシメ部101は基板ケース本体100の上部端部にそれぞれ設けられている。つまり、カシメ部101はもう1つ設けられているが、位置が異なる以外は上記説明したカシメ部101と同様の構成であることから、説明を省略する。
【0050】
次に、粗面部130の結合状態について図面を用いて説明する。
図8に示すように、カバー部120において、窓部102のすぐ下側にカバー側粗面部132が設けられている。また、
図9に示すように、ベース部110においてベース側粗面部131が設けられ、ベース側粗面部131の上方には段差部111dが設けられている。段差部111dは、
図6に示すように、ベース側粗面部131に対して高さhsの段差が形成されている。具体的には、ベース側粗面部131に対してカバー部120の反対側に下がる方向に段差が形成されている。そして、この段差部111dの段差の高さhsは、カバー側粗面部132の厚さtrと同一である。
【0051】
図7及び
図10に示すように、ベース部110及びカバー部120が組み合わされた状態において、カバー側粗面部132が段差部111dに嵌まり込んで、これらが結合される。上述したように、段差部111dの段差の高さhsは、カバー側粗面部132の厚さtrと同一であることから、カバー側粗面部132及びベース側粗面部131が1つの面である粗面部130を形成することとなる。つまり、ベース部110及びカバー部120が組み合わされて結合されることにより、ベース側カシメ部111及びカバー側カシメ部122が組み合わされてカシメ部101が形成され、ベース側粗面部131及びベース側粗面部131が結合されて粗面部130が形成されることとなる。
【0052】
ベース側粗面部131及びベース側粗面部131が結合される際は、上述したように、カバー側粗面部132は、ベース部110のベース側粗面部131から高さhsだけ段差がついた段差部111dに嵌まり込むことにより、ベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の表面側が同一面となり粗面部130を形成する。また、段差部111dは支持部111eにより支持されることから、例えば、第1シール200aを粗面部130に貼り付ける際にカバー側粗面部132に押圧力がかかってもカバー側粗面部132が撓むことがなく、第1シール200aにしわや浮き等が生じないように貼り付けることができる。
【0053】
次に、粗面部130の凹凸形状について図面を用いて説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの粗面部の形状を示す斜視図である。また、
図12は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの粗面部の形状を示す拡大斜視図である。
【0054】
図11に示すように、粗面部130はベース側粗面部131及びカバー側粗面部132により形成されている。ベース側粗面部131及びカバー側粗面部132は隣接して境界135において互いに接触するように配置され、ベース側粗面部131及びカバー側粗面部132により粗面部130を形成している。また、ベース側粗面部131の表面及びカバー側粗面部132の表面は互いに段差を生じないように配置されており、ベース側粗面部131の及びカバー側粗面部132が一体となって、粗面部130を形成している。これにより、粗面部130に第1シール200aを貼り付けた場合に、第1シール200aにしわや浮き等が生じにくく、きれいに貼り付けることができる。これにより、製造作業における効率がよいとの効果を奏する。また、第1シール200aをより強固に貼り付けることができる。また、ベース側粗面部131及びカバー側粗面部132により粗面部130が形成されていることから、ベース部110及びカバー部120に亘って第1シール200aを貼り付けることができる。
【0055】
粗面部130には、凹凸形状が形成されている。
図12に示すように、具体的には、凹部133及び凸部134は、線状に形成されており、互いに隣接する凹部133及び互いに隣接する凸部134は、所定間隔を隔てて平行に配置されている。このように規則正しく配列された線状の凹部133及び凸部134は、例えば、金型によりベース部110及びカバー部120を作製する際に、この金型におけるベース側粗面部131及びカバー側粗面部132に対応する個所に凹凸形状を形成しておくことで、容易に作成することができる。例えば、金型の該当箇所にシボ加工や微細彫刻等により、予め凹凸形状を加工しておき、この金型を用いてベース部110及びカバー部120を射出成形により作製する際に、同時にベース側粗面部131及びカバー側粗面部132において凹部133及び凸部134を形成することができる。
【0056】
なお、これ以外の方法により凹部133及び凸部134を形成してもよく、例えば、金型において凹凸形状を形成せず、ベース部110及びカバー部120を金型により作製した後に、研磨加工等を行うことにより、ベース側粗面部131及びカバー側粗面部132に凹部133及び凸部134を作製することとしてもよい。また、ベース部110及びカバー部120をいわゆる3Dプリンタ等により積層造形で作製し、その際に凹部133及び凸部134を形成するようにしてもよい。
【0057】
粗面部130における、凹部133及び凸部134は目視により認識できる程度が好ましい。例えば基板ケース本体100が透光性を有する樹脂により作製されていることから透明であるが、粗面部130については凹凸形状が形成されていることから、フラットな面とは異なり、空気と粗面部130との屈折率の関係により粗面部130は白っぽく見えることとなる。このように、粗面部130とそれ以外の箇所との違いが目視により確認できるような凹凸形状が形成されていればよく、凹凸の形状を具体的に認識できるほど凹部133及び凸部134の段差が大きくなくてもよい。
【0058】
粗面部130における凸部134の高さhr(凹部133の深さ)は、例えば1μmとすればよいが、この値に限定されるわけではなく、高さhrは目視によりフラットの面との違いが認識できる程度とすればよい。また、互いに隣接する凹部133の間隔p及び互いに隣接する凸部134の間隔pも例えば1μmとすればよいが、この値に限定されるわけではなく、間隔pは目視によりフラットの面との違いが認識できる程度とすればよい。なお、高さhrと間隔pとが同一の長さとしたが、互いに異なる長さとしてもよい。
【0059】
上述したように、粗面部130において、凹部133及び凸部134は、線状に形成されており、凹部133及び凸部134が交互に配置され、これらが所定間隔を隔てて平行に配置されている。つまり、粗面部130の凹凸形状は山型の凹部133及び凸部134が平行に規則正しく並んで配置されている形状としたが、粗面部130の凹凸形状は、このような形状に限定されるわけではなく、これ以外の形状であってもかまわない。
【0060】
次に、図面を用いて第1シール200a及び第2シール200bについて説明する。第1シール200a及び第2シール200bは同様の構成である。なお、第2シール200bは第1シール200aとは異なり、粗面ではなく平滑面(フラットな面)に貼り付けられている。
【0061】
図13は、本発明の実施形態に係る第1シール(第2シール)の構成を示す平面図である。また、
図14は、本発明の実施形態に係る第1シール(第2シール)の構成を示す断面図である。
【0062】
図13に示すように第1、第2シール200a、200bには、複数の星形等のホログラム201が形成されている。このように、ホログラム201が形成されていることから、第1シール200aの製造難度が高くなり、第1シール200aの偽造を困難にすることができる。また、ホログラム201が形成されていることにより、第1、第2シール200a、200bにしわや浮きが生じている等、貼り付けられた状態の異常を、目視により容易に認識できる。したがって、例えば、不正行為により、第1、第2シール200a、200bを一旦剥がして貼り直した場合に第1、第2シール200a、200bに生じるしわや浮き等の異常を速やかに発見することができる。
【0063】
なお、ホログラム201は星形以外の形状でもよく、この形に限定されるわけではなく、他の形状であってもかまわない。また、
図13では、ホログラム201の形状を示すために、ホログラム201を記載しているが、第1、第2シール200a、200bに照射される光が弱い場合は、ホログラム201は視認不可能である。なお、ホログラム201は、照射される光に応じて見え方が異なる光学体であり、例えば、照射される光の有無や、光の照射角度や、照射される光の強弱により、見た目が変化するといった性質を有している。つまり、第1、第2シール200a、200bに照射される光が弱い場合には、ホログラム201が視認できない。つまり、第1、第2シール200a、200bには星形等の図形が現れない。したがって、不正行為者が遊技機用基板ケース100aを視認した場合でも、第1、第2シール200a、200bに形成されたホログラム201を認識できない場合もあり、不正行為者が正規の遊技機用基板ケース100aの全ての構成を把握することは困難である。そのため、不正行為者が遊技機用基板ケース100aを偽造しようとしても、ホログラム201を再現することができず、正規の遊技機用基板ケース100aと同じ構成のものを偽造することは困難である。
【0064】
ここで、貼り付けられる前の第1、第2シール200a、200bには、剥離層202(
図14を参照)が積層されている。第1、第2シール200a、200bを基板ケース本体100に貼り付ける際には、剥離層202は取り除かれる。具体的には、
図14に示すように、貼り付けられる前のシール210は、印刷層203及び貼付層204により構成される第1、第2シール200a、200bに、剥離層202が積層された構成である。つまり、貼り付けられる前のシール210は、上から順に剥離層202、印刷層203及び貼付層204の三層構造である。なお、剥離層202はシール210を基板ケース本体100に貼り付けた後には取り除くものであり、貼り付ける前の印刷層203を保護する働きがある。特に、後述するように、シール210は、加熱ローラによって加熱されながら粗面部130及び貼付け部136に押しつけられることにより粗面部130及び貼付け部136に熱固着される。剥離層202には、この際に、加熱ローラにより印刷層203に傷がつかないように保護する働きがある。そして、シール210が粗面部130及び貼付け部136に熱固着されて貼り付けられた後に、剥離層202は取り除かれる。
【0065】
印刷層203は貼り付けられた後は、表面となる層であり、ホログラム201が形成されるように加工されている。また、貼付層204は粗面部130に貼り付けられる層であり、熱可塑性を有する材料により構成される。加熱により柔らかくなった貼付層204が粗面部130の凹部133に入り込んで、その後固まることにより、接着面積が比較的広くなり、第1シール200aが粗面部130に強固に貼り付くこととなる。なお、貼付け部136は平滑な面であり凹凸形状を有さないことから、貼付層204が凹部に入り込むことはないが、加熱により柔らかくなった貼付層204がその後固まることにより、貼付け部136に第2シール200bが強固に貼り付くこととなる。
【0066】
ここで、剥離層202は、最終的には取り除くものであり、容易に取り除けるように、例えばアクリル系粘着剤が塗布されている樹脂シートとすればよい。また、印刷層203は、透過性を有する透明の材料により構成されることとすればよい。また、印刷層203にはホログラム201が形成されている。また、貼付層204は、剥離層202及び印刷層203よりも融点が低く、かつ、透過性を有する透明の材料により構成されることとすればよい。印刷層203及び貼付層204が透過性を有することにより、遊技機用基板ケース100aを見ただけでは、第1シール200a及び第2シール200bが基板ケース本体100に貼り付けられていることを認識しにくく、遊技機用基板ケース100aを偽造することが困難である。なお、ホログラム201も透過性を有することが好ましい。
【0067】
貼付層204としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、PET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂等の光透過性の材料により構成されることが好ましい。なお、貼付層204を構成する材料の融点は、剥離層202、印刷層203及び基板ケース本体100を構成する各材料の融点に比べて低い値である。具体的には、貼付層204、剥離層202、印刷層203及び基板ケース本体100(粗面部130、貼付け部136)を加熱した場合に、貼付層204が最も低い温度で溶解する。これにより、第1、第2シール200a、200bを基板ケース本体100に熱固着により貼り付ける作業の際に、貼付層204のみが溶解する一方、その他の材料が硬いままである温度で第1、第2シール200a、200bを加熱することが可能である。このように加熱しながら、加圧することにより、貼付層204が粗面部130の凹部133に充填されることとなる。また、貼付層204は貼付け部136との間に空間等が生じることなく、貼付層204の全面が貼付け部136に密着することとなる。なお、溶解するとは、貼付層204が軟化して柔らかくなることをいい、液状等の流動性を有する状態となることも含む。
【0068】
また、後述するが、第1シール200aを粗面部130に貼り付けた際に、貼付層204が凹部133に充填されて、かつ、凸部134が印刷層203に触れないように印刷層203と凸部134との間に貼付層204が介在することとなる。したがって、貼付層204の厚さtaはこのような状態になるのに十分な厚さであればよい。
【0069】
次に図面を用いて、粗面部130に第1シール200aが貼り付けられた状態について説明する。
図15は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおけるシールが貼り付けられた状態を示す断面図である。
【0070】
図15に示すように、粗面部130に第1シール200aが貼り付けられる際には、貼付層204が凹部133に充填されて、凹部133に空気が入っていないことが好ましい。つまり、粗面部130と貼付層204との間に空気が介在しないことが好ましい。これにより、貼付層204と粗面部130との接触面積がより広くなることから、接着強度が高くなる。
【0071】
また、凸部134が印刷層203に触れないように印刷層203と凸部134との間に貼付層204が介在していることが好ましい。これにより、印刷層203が凸部134に当接することにより印刷層203が折れる等の不具合が生じることを防止できる。これにより、印刷層203にしわや浮きが生じることを防止できる。
【0072】
ここで、貼付層204の屈折率と粗面部130の屈折率(基板ケース本体100を構成する材料の屈折率)とを等しくしておけば、凹部133に貼付層204が充填されて、粗面部130と貼付層204との間に空気が入らない状態であれば、粗面部130と貼付層204との境界で屈折が生じなくなる。一方、粗面部130と貼付層204との間に空気が入っている場合は、粗面部130の屈折率と空気の屈折率が異なることから、粗面部130と空気との境界で屈折生じる。このため、凹部133に貼付層204が充填されて、粗面部130と貼付層204との間に空気が入っていない状態と、粗面部130と貼付層204との間に空気が入っている状態とでは、見え方が異なることとなる。つまり、これらの状態の違いを、目視により容易に判断することができる。
【0073】
また、印刷層203も貼付層204と同じ屈折率とすることにより、凹部133に貼付層204が充填されると、粗面部130において第1シール200aが貼り付けられた箇所は透明に見えることとなる。これにより、粗面部130において第1シール200aが貼り付けられた箇所と、粗面部130において第1シール200aが貼り付けられていない箇所とは、明確に見え方が異なる。また、粗面部130において凹部133に十分に貼付層204が充填されていない箇所があると、その箇所について明確に他の箇所と見え方が異なる。したがって、粗面部130に第1シール200aが好ましい状態で貼り付けられているか否かを目視により、容易に判断することができる。
【0074】
また、空気の屈折率の関係で、各凹部133における空気の入る量や入り方に応じて光の進行がばらつくこととなり、粗面部130に貼り付けられた第1シール200aを見た場合に見え方が一様ではなく、部分的に暗く見える部分や縞が見える等の現象が生じる可能性もある。したがって、第1シール200aを目視することにより、貼付層204が凹部133に充填されて、好ましい状態であるか否かを容易に確認することができる。
【0075】
なお、貼付層204が凹部133に完全に充填されて凹部133に空気がまったく介在しない状態が最も好ましいが、この状態に限定されるわけではない。凹部133に多少は空気が入っていてもよいが、粗面部130と貼付層204の接触面積がより広い方が好ましい。粗面部130に第1シール200aを貼り付けた後に、第1シール200aを目視することにより、凹部に介在する空気の量についてもおおよそは予測ができることから、好ましい態様であるか否かを容易に確認することができる。
【0076】
上述したように、粗面部130に第1シール200aが貼り付けられる際には、貼付層204が凹部133に充填されて、かつ、凸部134が印刷層203に触れないように印刷層203と凸部134との間に貼付層204が介在していることが好ましい。したがって、貼付層204の量は、凹部133の容積よりも多い量とすることが好ましく、貼付層204の量は凹部133の容積に応じて決定すればよい。また、貼付層204の好ましい量に応じて、貼付層204の厚さtaを決定すればよい。
【0077】
なお、貼付層204を凹部133に充填するには、後述するように、加熱ローラ等を用いて第1シール200aを加熱することで貼付層204を溶解させて、さらに凹部133へと加圧する。この際に、貼付層204の厚さtaが大きすぎると貼付層204全体を十分に加熱することが困難となることから、貼付層204の溶解の度合いが不十分となり、凹部133に貼付層204が充填されにくくなる。また、貼付層204の厚さtaが小さすぎると、凹部133に貼付層204が十分に満たされないだけでなく、第1シール200aが波打つような状態で粗面部130に貼り付けられる場合もある。そこで、このような不具合が生じないように、貼付層204の厚さtaを決定することが好ましい。例えば、貼付層204の厚さtaは、粗面部130における凸部134の高さhrよりも大きくすることが好ましく、粗面部130における凸部134の高さhrを1μmとすれば(
図12を参照)、貼付層204の厚さtaは1μmよりも大きい値とすることが好ましく、例えば1.5μmとすればよい。
【0078】
次に、図面を用いて、第1シール200aを粗面部130に貼り付ける作業について説明する。具体的には、第1シール200aを粗面部130に熱固着により貼り付けている。
図16は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおけるシールの貼り付け作業を説明するための斜視図である。
【0079】
図16に示すように、剥離層202を含む第1シール200aaを境界135を跨いで粗面部130に貼り付ける作業は、粗面部130上に載置された第1シール200aaの端部から加熱ローラ405により第1シール200aaを加熱しながら、粗面部130へと加圧することにより行う。このような作業により、第1シール200aaの貼付層204が加熱されることで柔らかくなり、さらに粗面部130へと加圧されることにより、粗面部130の凹部133に柔らかくなった貼付層204が充填されることとなる。そして、加熱ローラ405を反対の端部まで転がせることにより、第1シール200aの全面において貼付層204が凹部133に充填されることとなる。その後、冷却することにより、貼付層204が凹部133に充填された状態で固まる。このようにして、第1シール200aが粗面部130に貼り付けられる。
【0080】
ここで、加熱ローラ405は、例えば中心部にヒーターを有する円筒状の金属とすればよい。また、加熱ローラ405は、貼付層204を溶解させることができる温度まで加熱が可能である。なお、加熱ローラ405による加熱温度は、貼付層204が溶解する温度であり、剥離層202、印刷層203及び粗面部130(基板ケース本体100)が溶解しない温度とする。加熱ローラ405の温度は、剥離層202、印刷層203、貼付層204及び粗面部130(基板ケース本体100)等の材質にもよるが、例えば、180℃程度とすればよい。
【0081】
さらに、図面を用いて、第1シール200aを粗面部130に貼り付ける作業について工程ごとに説明する。
図17は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおけるシールの貼り付け作業を説明するための断面工程図であり、
図17(a)は第1工程図であり、
図17(b)は第2工程図であり、
図17(c)は第3工程図であり、
図17(d)は第4工程図である。
【0082】
図17は、粗面部130及びシール210(第1シール200a)の断面図であり、各工程を示したものである。
図17(a)に示すように、まず、粗面部130上に剥離層202がついた状態のシール210を載置する。そして、
図17(b)に示すように、加熱ローラ405により、シール210を加熱しながら粗面部130に押しつけるように加圧する。これにより、貼付層204が加熱されて柔らかくなり、さらに貼付層204が加圧されることにより、凹部133に柔らかくなった貼付層204が充填されることとなる。そして、シール210の全面に亘って加熱ローラ405をかけることにより、シール210の全面において貼付層204が凹部133に充填されることとなる。その後、冷却されることにより、貼付層204が凹部133に充填された状態で固まる。最後に、
図17(d)に示すように、剥離層202をシール210から取り除く。これにより、第1シール200aが粗面部130に熱固着により貼り付けられる。
【0083】
以上の工程により、第1シール200aが粗面部130に貼り付けられる。このように、粗面部130の凹部133に貼付層204が充填されて固着されることから、強固に接着されることとなる。特に、加熱ローラ405によりシール210の一端から他端へと向かって、順に加圧していくことにより、凹部133への貼付層204の充填がスムーズに行われ、凹部133に貼付層204が十分に満たされることとなる。なお、凹部133に貼付層204が十分に満たされるのであればよく、加熱ローラ405以外のものを用いて、シール210を加熱及び加圧することとしてもよい。
【0084】
また、粗面部130の凹凸形状は、貼付層204と粗面部130とが強固に接着されるものであればよく、本実施形態の粗面部130における凹凸形状に限定されるわけではなく、これ以外の凹凸形状であってもよい。図面を用いて、粗面部130の他の実施形態について説明する。
【0085】
図18は、本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースにおける粗面部の形状を説明するための断面図であり、
図18(a)〜
図18(d)は各実施形態を示す断面図である。
【0086】
例えば、
図18(a)に示すように、粗面部130aの凹凸形状は、断面において先が山型に尖っているのではなく、差異が平らになった凸部及び凹部が並んでいる形状でもよい。これにより、先がとがったものに比べて貼付層204と粗面部130との接触面積が広くすることが可能であり、より強固な接着が可能となる。
【0087】
また、例えば、
図18(b)に示すように、粗面部130bの凹凸形状は、断面において山型ではあるが、何れかの方向に傾いたようにしてもよい。このような形状にすることにより、凹部に貼付層204が充填されて固着されると、第1シール200aを剥がそうとしても貼付け層204が凸部に引っ掛かることとなるため、より強固な接着が可能となる。
【0088】
また、例えば、
図18(c)に示すように、粗面部130cの凹凸形状は、断面において凸部が突出方向に向かうにしたがい広がる形状である。一方、断面において凹部が粗面部130c側に進むにしたがい広がる形状である。このような形状にすることにより、凹部に貼付層204が充填されて固着されると、第1シール200aを剥がそうとしても貼付層204が凸部に引っ掛かることとなるため、より強固な接着が可能となる。
【0089】
また、例えば、
図18(d)に示すように、粗面部130dの凹凸形状は、断面において不規則な凸部及び凹部が形成されているものでもよい。このような形状であることから、粗面部130の作製が容易であるとの効果を奏する。
【0090】
このように、粗面部130a〜130dについて説明したが、これら以外の凹凸形状であってもかまわない。例えば、凹凸形状は断面において矩形であることとしてもよい。また、凹部及び凸部がそれぞれ線状に所定方向に平行に並んで配置されているのではなく、不規則に配置されていることとしてもよい。
【0091】
また、以上の説明においては、第1シール200aの貼付層204が加熱により溶解されて、粗面部130の凹凸形状の凹部133に貼付層204が充填されて固まることとしたが、貼付層204が溶解される際に、粗面部130も加熱により溶解されることとしてもよい。具体的には、加熱ローラ405の加熱温度を高くして、粗面部130も溶解されるようにすればよい。また、加熱ローラ405の加熱温度を高くせずに、粗面部130を形成する基板ケース本体100を構成する材料として、融点が貼付層204の融点以下である材料を用いることとしてもよい。このように、貼付層204だけでなく粗面部130も溶解することから、凹部133への貼付層204の充填が容易に行われることとなる。そして、粗面部130においてシール200が貼り付けられた箇所と、貼り付けられていない箇所との区別を、視覚により明確に認識することができる。なお、粗面部130a〜130dについても同様に、貼付層204が溶解される際に、溶解されることとしてもよい。
【0092】
次に、第2シール200bが基板ケース本体100に貼り付けられている状態について説明する。
図19は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの第2シール付近の構成を示す拡大正面図である。
【0093】
第2シール200bを貼付け部136に貼り付ける作業は、上述した、第1シール200aを粗面部130に貼り付ける作業と同様にして行えばよい。これにより、第2シール200bは貼付け部136に強固に貼り付けられることとなる。なお、上述したように、貼付け部136は平滑な面であり、この平滑な面に第2シール200bが貼り付けられる。具体的には、加熱により溶解された貼付層204が貼付け部136に押しつけられた後に、冷却されることにより貼付層204が固まることにより、第2シール200bが貼付け部136に貼り付けられることとなる。これにより、第2シール200bは貼付け部136に強固に貼り付けられる。
【0094】
以上、説明したように、本実施形態に係る遊技機用基板ケース100aによれば、基板ケース本体100の粗面部130に形成された凹部133及び凸部134による凹凸形状に第1シール200aの貼付層204が充填されて固まっていることから、第1シール200a及び基板ケース本体100のいずれも破損させずに第1シール200aを剥がすことは略不可能であるといえる。したがって、電子基板300に搭載されたROM又は電子基板300を差し替えるために、基板ケース本体100から第1シール200aを剥がして基板ケース本体100を開ける不正行為が行われた場合は、その痕跡が確実に残ることとなり、不正行為が行われたことを容易に発見することができる。なお、痕跡を残さずに不正行為を行うことは略不可能である。また、このように不正行為を行った痕跡が残ることから、不正行為が行われたことをすぐに見つけることができる。そのため、不正行為者は不正行為を行う意味がなくなることとなり、不正行為を抑制することにもなる。同様に、遊技機用基板ケース100aを搭載した回動式遊技機10についても、不正行為が行われたことを容易に認識でき、さらに不正行為を抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る遊技機用基板ケース100aによれば、第2シール200bの貼付層204が貼付け部136に固まって、第2シール200bが貼付け部136に貼り付けられていることから、第2シール200b及び基板ケース本体100のいずれも破損させずに第2シール200bを剥がすことは困難であるといえる。したがって、基板ケース本体100から第2シール200bを剥がして、偽造された遊技機用基板ケースに貼り付けることにより、遊技機用基板ケース100aを偽造するといった不正行為を抑制することができる。
【0096】
また、このような遊技機用基板ケース100aを有する回動式遊技機10によれば、不正行為が行われた場合にそれを容易に発見することができ、不正行為の実施を抑制することができる。
【0097】
次に、基板ケース本体100において、第1シール200a及び第2シール200bが貼り付けられている位置について説明する。つまり、粗面部130及び貼付け部136が配置されている位置について説明する。
図20は、本発明の実施形態に係る筐体本体内における遊技機用基板ケースの配置を示す拡大正面図である。なお、
図20は、前扉10bを開けた状態である。
【0098】
上述したように、遊技機用基板ケース100aは、筺体本体10aにおいて、天板10a1に接近した位置に設置されている。このため、
図20に示すように、遊技機用基板ケース100aの上側の部分である天板近傍領域(照射困難位置)103は、筺体本体10aの外側からの光が天板10a1により遮られることから、筺体本体10aの外側からの光が照射困難である。これに対して、遊技機用基板ケース100aにおいて天板近傍領域103より下側の位置である天板離間領域104は、天板10a1から離間しており、筺体本体10aの外側からの光が天板10a1により遮られにくく、筺体本体10aの外側からの光が照射容易である。つまり、
図20に示すように、天板近傍領域103は、遊技機用基板ケース100aの上下方向における中心線(遊技機用基板ケース100aを上下に略半分に分ける線)よりも上側の領域であり、天板離間領域104は、遊技機用基板ケース100aの上下方向における中心線よりも下側の領域である。このように、天板近傍領域103は、遊技機用基板ケース100aの上半分の領域なので、天板離間領域104に比べて天板10a1の近くに配置されており、筺体本体10aの外側からの光が天板10a1により遮られることから、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。また、天板離間領域104は、遊技機用基板ケース100aの下半分の領域なので、天板近傍領域103に比べて天板10a1から遠くに配置されており、筺体本体10aの外側からの光が天板10a1により遮られにくく、筺体本体10aの外側からの光が照射される。
【0099】
また、
図20に示すように、遊技機用基板ケース100aの前扉10b側の部分である前扉近傍領域105は、筺体本体10aの外側からの光が前扉10bにより遮られることから、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。これに対して、遊技機用基板ケース100aにおいて前扉近傍領域105より、前扉10bから離間する位置である前扉離間領域106は、前扉10bから離間しており、筺体本体10aの外側からの光が前扉10bにより遮られにくく、筺体本体10aの外側からの光が照射される。つまり、前扉近傍領域105は、遊技機用基板ケース100aの左右方向における中心線(遊技機用基板ケース100aを左右に略半分に分ける線)よりも左側の領域であり、前扉離間領域106は、遊技機用基板ケース100aの左右方向における中心線よりも右側の領域である。このように、前扉近傍領域105は、遊技機用基板ケース100aの左半分の領域なので、前扉離間領域106に比べて前扉10bの近くに配置されており、筺体本体10aの外側からの光が前扉10bにより遮られることから、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。また、前扉離間領域106は、遊技機用基板ケース100aの右半分の領域なので、前扉近傍領域105に比べて前扉10bから遠くに配置されており、筺体本体10aの外側からの光が前扉10bにより遮られにくく、筺体本体10aの外側からの光が照射される。
【0100】
ここで、
図20に示すように、遊技機用基板ケース100aにおいて、天板近傍領域103であって、かつ、前扉近傍領域105である領域(以下、第1領域という)は、特に筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい領域であり、この領域に粗面部130が配置されており、ホログラム201が形成された第1シール200aが形成されている。また、天板離間領域104であって、かつ、前扉離間領域106である領域(以下、第2領域という)は、特に筺体本体10aの外側からの光が照射されやすい領域であり、この領域に貼付け部136が配置されており、ホログラム201が形成された第2シール200bが形成されている。なお、前扉10bを開けた状態で、筺体本体10aを正面から見た場合に、第1シール200a及び第2シール200bはいずれも視認可能な位置に配置されている。
【0101】
このため、前扉10bが開いた状態において、第1シール200aには光が照射されにくいのに対して、第2シール200bには十分に光が照射される。したがって、第1シール200aにおけるホログラム201は視認困難であるが、これに対して、第2シール200bにおけるホログラム201は視認可能である。つまり、第1シール200aにおけるホログラム201に比べて、第2シール200bにおけるホログラム201は視認容易である。なお、例えば、懐中電灯等の携帯用照明器具を用いて、第1シール200a(ホログラム201)に、直接、光を照射すれば、第1シール200aにおいてもホログラム201が視認可能となる。
【0102】
ここで、回胴式遊技機10の遊技中に不具合が発生した場合には、遊技者は遊技店の従業員である作業者を呼び、この作業者が回胴式遊技機10を検査して不具合の原因を特定して、この原因を取り除くことが一般的に行われている。このような場合に、作業者は回胴式遊技機10の前扉10bを開けて、筺体本体10a内についても検査する場合がある。このとき、筺体本体10a内の構成について作業者以外にも認識される可能性がある。例えば、このような場合に、不正行為者は、遊技機用基板ケース100aの構成を確認し、この遊技機用基板ケース100aと同じような遊技機用基板ケースを偽造しようとする場合がある。このようにして偽造した遊技機用基板ケース内に偽造されたROMを搭載して、正規の遊技機用基板ケース100aと取り替えるといった不正行為が行われる場合がある。
【0103】
しかし、本実施形態に係る回胴式遊技機10によれば、作業者が前扉10bを開けて筺体本体10a内についても検査する場合であっても、上述したように、第1シール200aには外光が照射されにくく、第1シール200aに形成されているホログラム201を視認することは困難である。このため、不正行為者が、このような検査の際に遊技機用基板ケース100aを視認したとしても、ホログラム201が形成されていることについては認識することが困難である。特に、第1シール200aが透過性を有していることから、第1シール200aが貼り付けられていることすら気づくことは困難であるといえる。これにより、不正行為者が正規の遊技機用基板ケース100aと同じ構成の遊技機用基板ケースを偽造することは困難である。そのため、仮に、正規の遊技機用基板ケース100aが偽造されたものに取り替えられたとしても、作業者は容易に偽造された遊技機用基板ケースであることを発見することができる。つまり、不正行為が行われたことを容易に発見でき、不正行為を抑制することができる。
【0104】
なお、上述したように、作業者が筺体本体10a内についても検査する際に、第2シール200bには外光が照射されやすいため、不正行為者は第2シール200bにホログラム201が形成されていることに気づきやすい。しかし、第1シール200aにおけるホログラム201については気づくことが困難であることから、正規の遊技機用基板ケース100aと同じ構成の遊技機用基板ケースを偽造することは困難である。さらに、不正行為者は、第2シール200bのホログラム201に気づきやすいことから、このホログラム201に気を取られることとなるため、第1シール200aのホログラム201については特に気づきにくいとの効果も奏する。つまり、第2シール200bのホログラム201に注意を向けさせることで、不正行為者が第1シール200aのホログラム201に気づくことは、より困難である。
【0105】
このように、遊技機用基板ケース100aにおいて筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい第1領域及び筺体本体10aの外側からの光が照射されやすい第2領域の両方にそれぞれ、第1シール200a及び第2シール200bを形成することが好ましい。つまり、筺体本体10aの外側からの光の照射されやすさの程度が異なる領域のそれぞれに第1シール200a及び第2シール200bを形成することが好ましい。また、これら第1領域及び第2領域と比較して、天板近傍領域103であって、かつ、前扉離間領域106である領域(以下、第3領域という)や、天板離間領域104であって、かつ、前扉近傍領域105である領域(以下、第4領域という)は、筺体本体10aの外側からの光の照射されやすさの程度が異なる。つまり、第3領域及び第4領域は、第1領域よりも筺体本体10aの外側からの光が照射されやすく、第2領域よりも筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。したがって、第1領域と、第3領域又は第4領域とのそれぞれに第1シール200a及び第2シール200bを形成してもよいし、第2領域と、第3領域又は第4領域とのそれぞれに第1シール200a及び第2シール200bを形成してもよい。これにより、第1シール200a及び第2シール200bのそれぞれにおけるホログラム201の視認しやすさが異なり、不正行為者は視認しにくいホログラム201に気づきにくく、認識することが困難である。なお、天板近傍領域103である第3領域の方が、天板離間領域104である第4領域よりも筺体本体10aの外側からの光が照射されにくい。
【0106】
上述したように、第1シール200aのホログラム201は認識しにくいことから、不正行為の抑制につながる。しかし、作業者が、遊技機用基板ケース100aが偽造されたものでないかの判断を行う場合には、上述したように、携帯用照明器具を用いて、直接、光を照射する等の作業が必要となり、手間が生じることとなる。ここで、第1シール200a及びホログラム201について透過性を有することとすれば、このような手間を省くことができる。具体的には、電子基板300に設置されたモニタLED302を用いることにより、携帯用照明器具を用いずに、第1シール200aのホログラム201を確認することができる。
【0107】
図21は、本発明の実施形態に係る遊技機用基板ケースの第1シールとモニタLEDとの配置を示す拡大正面図である。
図21を参照して、モニタLED302を用いることにより、携帯用照明器具を用いずに、第1シール200aのホログラム201を確認する方法について説明する。
【0108】
まず、モニタLED302について説明する。モニタLED302は複数のLEDから構成されており、これらが点灯することにより、回胴式遊技機10のスイッチ(ボタン)やセンサー等の動作状態を示す。ここで、
図21に示すように、モニタLED302は、第1シール200a側から3列で構成されており、列ごとに上から下に向かって複数のLEDが配置されている。つまり、モニタLED302は、
図21における左側から右側に向かって、3列で構成されている。そして、列ごとに複数のLEDが設けられている。また、各LEDの左側には符号が付されている。具体的には、最も第1シール200aに近い列である一番左側の列(左端の列)は、上から「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」、「H」の符号がそれぞれ付された8個のLEDが設置されている。また、この列から一つ右の列(真ん中の列)は、上から「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」の符号がそれぞれ付された8個のLEDが設置されている。また、さらに右の列(右端の列)は、上から「Q」、「R」、「S」、「T」、「U」の符号がそれぞれ付された5個のLEDが設置されている。
【0109】
これらのLEDはそれぞれ異なる部材の動作状態を示すものである、「A」は精算ボタン(図示せず)、「B」は設定変更スイッチ(図示せず)、「C」はオーバーフローセンサー(図示せず)、「D」は解除センサー(図示せず)、「E」はマックスベットボタン18、「F」はストップボタン21、「G」はストップボタン22、「H」はストップボタン23、「I」は投入ボタン(図示せず)、「J」はドア開閉センサー(図示せず)、「K」は設定キースイッチ(図示せず)「L」自動解除スイッチ(図示せず)、「M」はスタートレバー20、「N」はリールセンサー(左)(図示せず)、「O」はリールセンサー(中)(図示せず)、「P」はリールセンサー(右)(図示せず)、「Q」は払出しカウントセンサーA(図示せず)、「R」は払出しカウントセンサーB(図示せず)、「S」はセレクターセンサーA(図示せず)、「T」はセレクターセンサーB(図示せず)、「U」はセレクターセンサーC(図示せず)に、それぞれ対応するLEDである。例えば、スイッチ等については操作がなされた場合に対応するLEDが点灯することとし、操作されていない状態ではLEDは消灯していることとすればよい。また、センサー等については検知を行った場合に対応するLEDが点灯することとし、検知がなされてない状態ではLEDは消灯していることとすればよい。例えば、マックスベットボタン18を操作した場合は「E」のLEDが点灯し、マックスベットボタン18の操作を停止した場合は「E」のLEDが消灯する。
【0110】
このような構成を有しているモニタLED302は、筺体本体10aを正面から見た場合に、第1シール200aよりも奥側に配置される。つまり、第1シール200aはモニタLED302よりも手前側に配置される。また、第1シール200aはモニタLED302の近傍に配置されている。このモニタLED302を用いて、遊技機用基板ケース100aが偽造されたものであるか否かの判断を行う場合には、作業者は、モニタLED302が点灯させればよい。つまり、モニタLED302により動作状態が示されるスイッチ等を操作すればよい。これにより、モニタLED302が点灯してその光が基板ケース本体100(カバー部120)を透過して第1シール200aの裏面側から第1シール200a及びホログラム201を透過して、ホログラム201に光が照射される。これにより、携帯用照明器具を用いずに、第1シール200aにおけるホログラム201が視認できるようになる。なお、携帯用照明器具を用いてホログラム201を視認可能とするためには、作業者が筺体本体10a内に頭部をつっこんで無理な体勢で作業を行わなければならないが、このような作業を行わなくてもよい。
【0111】
なお、作業者が、遊技機用基板ケース100aが偽造されたものでないか判断する作業は、遊技者により遊技が行われていないときに行われる。また、前扉10bが開けられた状態で行われる。したがって、モニタLED302のうち、前扉10bが開けられた状態で作業者が操作できるスイッチ等に対応するLEDを点灯させることとなる。例えば、前扉10bに設置されていて、普段は遊技者により操作される操作手段を操作して、作業を行えばよい。例えば、マックスベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21、22、23等の操作手段を操作することでモニタLED302のLEDを点灯させればよい。なお、これらを操作することにより、「E」、「M」、「F」、「G」、「H」に対応するLEDが点灯する。
【0112】
作業者は、マックスベットボタン18、スタートレバー20、及びストップボタン21、22、23の少なくとも1つを操作することにより、第1シール200aの裏面側から光を照射してホログラム201を視認可能とし、第1シール200aが偽造されたものでないかを確認できる。これにより、遊技機用基板ケース100aが偽造されたものか否かを容易に判定できる。また、前扉10bは、筺体本体10aに対して蝶番等により連結され、開閉可能であることから、作業者は操作手段に対して操作を行いやすい位置に前扉10bを回動させて、作業を行えばよい。
【0113】
また、モニタLED302において、上記以外の構成としてもよく、例えば、スイッチ等については、操作されていない状態で対応するLEDが点灯しており、操作された場合にLEDが消灯することとしてもよい。また、センサー等については検知がなされてない状態で対応するLEDが点灯しており、検知がなされた場合にLEDが消灯することとしてもよい。なお、この場合は、スイッチ等の操作手段を操作しなくても、第1シール200aの裏面側から光が照射されてホログラム201を視認可能である。
【0114】
ここで、上述したように、第1シール200aは粗面部130上に形成されている。第1シール200a及び第1シール200aに形成されたホログラム201が、透過性である場合は、第1シール200aに光を照射した際に、ホログラム201が視認可能となる。また、凹凸形状を有する粗面部130に光が照射された場合は、平滑な面に光が照射された場合とは異なる見え方となる。つまり、光が粗面部130を透過する場合と、平滑な面を透過する場合とでは、透過した光の状態が互いに異なることとなる。このような粗面部130上に第1シール200aが形成されていることから、第1シール200aに光を照射した際の見え方は、平滑な面に形成されている第1シール200aに光を照射した際の見え方とは異なることとなる。例えば、第1シール200aを視認した場合に、粗面部130以外の平滑な面に第1シール200aが形成されていれば生じることはないような像が視認されることとなる。なお、このような像は、第1シール200aが粗面部130以外の平滑な面に形成されていれば生じることはなく、視認されることはない。ここで、第1シール200aが粗面部130上に形成されていることについては、作業者により行われる筺体本体10a内の検査における前扉10bの開放の際に、不正行為者が認識することは困難である。そのため、正規の遊技機用基板ケース100aと同じ構造の遊技機用基板ケースを偽造することは困難であり、偽造された遊技機用基板ケースは、作業者により容易に発見できる。このため、遊技機用基板ケース100aを偽造されたものに取り替えるとの不正行為を容易に発見することができる。
【0115】
(他の実施形態)
以上、本実施形態に係る回胴式遊技機10について説明したが、上記以外の構成であってもよい。例えば、基板ケース本体100において、第1シール200a及び第2シール200b以外に、第3シール(目印部)200c及び第4シール200dが基板ケース本体100に貼り付けられた構成としてもよい。このような構成について、図面を参照して説明する。
【0116】
図22は、本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの外観構成を示す斜視図である。
図23は、本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの第3シールとモニタLEDとの配置位置を示す拡大正面図である。
図24は、本発明の他の実施形態に係る遊技機用基板ケースの第4シールと役比モニタとの配置位置を示す拡大正面図である。
【0117】
図22に示すように、遊技機用基板ケース100aは、第3シール200c及び第4シール200dを有している。具体的には、基板ケース本体100には、第1シール200a及び第2シール200b以外に、第3シール200c及び第4シール200dが貼り付けられている。なお、詳細は後述するが、第3シール200cは、筺体本体10aを正面から見た場合に、モニタLED302と重複する位置に配置されるように基板ケース本体100(カバー部120)に貼り付けられている。また、第4シール200dは、筺体本体10aを正面から見た場合に、電子基板300に設置されている役比モニタ303と重複する位置に配置されるように基板ケース本体100(カバー部120)に貼り付けられている。
【0118】
第3シール200c及び第4シール200dの構成は、第1シール200a及び第2シール200bと同様であり、第3シール200c及び第4シール200dにも、それぞれホログラム201が形成されている。なお、第3シール200c及び第4シール200dは透過性を有しており、形成されているホログラム201も透過性を有している。また、第3シール200c及び第4シール200dは、貼り付ける前は、剥離層202、印刷層203及び貼付層204を有し(
図4を参照)、基板ケース本体100(カバー部120)に熱固着された後に剥離層202が取り除かれることで貼り付けられる。これにより、第3シール200c及び第4シール200dは、基板ケース本体100(カバー部120)に、より強固に貼り付けられている。
【0119】
図23に示すように、第3シール200cは、筺体本体10aを正面から見た場合に、モニタLED302と重複する部分を有するように、基板ケース本体100(カバー部120)に貼り付けられている。また、筺体本体10aを正面から見た場合に、第3シール200cがモニタLED302よりも手前側に配置される。このような構成であることから、作業者は、前扉10bを開いて遊技機用基板ケース100aが偽造されたものでないかの判断を行う場合に、上述したように、モニタLED302が点灯するように操作すればよい。これにより、モニタLED302が点灯してその光が基板ケース本体100(カバー部120)を透過して第3シール200cの裏面側から第3シール200c及びホログラム201を透過して、ホログラム201に光が照射される。これにより、第3シール200cにおけるホログラム201が視認できるようになる。特に、第3シール200cは、第1領域に配置されていることから、筺体本体10aの外側からの光が照射されにくいが、携帯用照明器具を用いることなく、第3シール200cのホログラム201を確認することができる。これにより、作業者が筺体本体10a内に頭部をつっこんで無理な体勢で作業を行わなくてもよい。
【0120】
図24に示すように、第4シール200dは、筺体本体10aを正面から見た場合に、役比モニタ303と重複部分を有するように、基板ケース本体100(カバー部120)に貼り付けられる。また、筺体本体10aを正面から見た場合に、第4シール200dが役比モニタ303よりも手前側に配置される。なお、役比モニタ303は、回胴式遊技機10の電源を投入することにより点灯することとなるため、作業者が操作等を行うことなく、役比モニタ303から光が照射される。役比モニタ303からの光は、基板ケース本体100(カバー部120)を透過して第4シール200dの裏面側から第4シール200d及びホログラム201を透過して、ホログラム201に光が照射される。これにより、第4シール200dにおけるホログラム201が視認できるようになる。これにより、作業者は、前扉10bを開いて遊技機用基板ケース100aが偽造されたものでないかの判断を容易に行うことができる。なお、第4シール200dは、第2領域に配置されていることから、筺体本体10aの外側からの光が照射されやすいが、携帯用照明器具を用いることなく、確実に第4シール200dのホログラム201を確認することができる。これにより、作業者が筺体本体10a内に頭部をつっこんで無理な体勢で作業を行わなくてもよい。
【0121】
なお、第3シール200c及び第4シール200dを、モニタLED302及び役比モニタ303と重複するような配置としたが、第3シール200c及び第4シール200dが、モニタLED302及び役比モニタ303の近傍に位置するように基板ケース本体100(カバー部120)に貼り付けられていることとしてもよい。具体的には、モニタLED302及び役比モニタ303からの光が照射される位置に第3シール200c及び第4シール200dが配置されていればよく、第3シール200c及び第4シール200dがモニタLED302及び役比モニタ303と重複する部分を有する配置でなくても、モニタLED302及び役比モニタ303からの光が照射される位置に配置されていればよい。
【0122】
また、モニタLED302及び役比モニタ303以外にカバー部120側に光を照射するように発光する部材が遊技機用基板ケース100a内に設置されているのであれば、その部材と重複する、あるいは、近傍に位置するように第3シール200c及び第4シール200dを配置することとしてもよい。このように、モニタLED302及び役比モニタ303等のように元から設置されている発光する部材を用いて、第3シール200c及び第4シール200d等のホログラム201を視認可能とすることから、新たに発光する部材を設置する必要がなく、部品点数の増加を抑制することができる。
【0123】
第1〜4シール200a〜200dには、上述したように、ホログラム201が形成されていることとしたが、照射される光の強弱により視認されるホログラムが変化するタイプのホログラムが形成されていることとしてもよい。これにより、これら第1〜4シール200a〜200dの偽造がより困難となり、遊技機用基板ケース100aの偽造も困難であり、不正行為を容易に発見でき、不正行為を抑制することもできる。このような第1〜4シール200a〜200dについて、図を用いて説明する。
【0124】
図25は、本発明の他の実施形態に係る第1シールの視認状態を示す平面図であり、
図25(a)は第1視認状態を示す図であり、
図25(b)は第2視認状態を示す図であり、
図25(c)は第3視認状態を示す図である。
【0125】
図25に示すように、第1シール200aは、第1〜第3視認状態を有している。まず、第1シール200aに光が照射されていない状態では、
図25(a)に示すように、第1シール200a上には何も視認できない(第1視認状態)。第1シール200aに光を照射すると、
図25(b)に示すように、ホログラム201が視認できるようになる(第2視認状態)。さらに、第2視認状態時よりも強い光を第1シール200aに照射すると、
図25(c)に示すように、ホログラム205が視認できるようになる(第3視認状態)。例えば、一般的な室内の照明に用いられる程度の光が第1シール200aに照射された場合は、ホログラム201が視認できる第2視認状態となり、第2視認状態において携帯用照明器具等を用いること等により、室内光に加えて、さらに光を第1シール200aに照射した場合にホログラム205が視認できる第3視認状態となることとすればよい。これにより、不正行為者が第1シール200aにおけるホログラム201を認識することが困難である上、さらにホログラム205を認識することはより困難である。したがって、遊技機用基板ケース100aの偽造は困難であり、不正行為を容易に発見でき、不正行為を抑制することもできる。なお、第2〜第4シール200b〜200dについても第1シール200aと同様の構成とすればよい。
【0126】
また、第1〜第4シール200a〜200dに形成されるホログラムは、照射される光の有無や、光の照射角度や、照射される光の強弱により、見た目が変化するとの性質を有すればよく、上記以外の構成であってもよい。例えば、第1シール200a(第2〜第4シール200b〜200d)に光が照射されていない状態において、
図25(c)に示す第3視認状態であり、第1シール200a(第2〜第4シール200b〜200d)に光を照射すると、
図25(b)に示す第2視認状態となり、さらに、第2視認状態時よりも強い光を第1シール200a(第2〜第4シール200b〜200d)に照射すると、
図25(a)に示す第1視認状態となることとしてもよい。また、ホログラムは照射される光の強弱により色が変化する等、照射される光に応じて見た目が変化するようなものであればよい。
【0127】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記以外の構成であってもかまわない。例えば、第1〜4シール200a〜200dは基板ケース本体100に熱固着によって貼り付けられることとしたが、これ以外の方法により貼り付けられることとしてもよい。例えば、接着剤により第1〜4シール200a〜200dが基板ケース本体100に貼り付けられることとしてもよい。
【0128】
また、第1シール200aは粗面部130に形成されることとしたが、平滑な面に形成されることとしてもよいし、第2〜第4シール200b〜200dを貼り付ける個所に粗面部が形成されていることとしてもよい。また、基板ケース本体100に形成されるシールの数を、さらに増やしてもかまわない。
【0129】
また、第1〜第4シール200a〜200dは透過性を有することとしたが、これらのすべてが透過性を有していないこととしてもよい。また、これらのうち少なくとも1つが透過性を有していないこととしてもよい。また、これら第1〜第4シール200a〜200dのそれぞれに形成されたホログラム201についても、透過性を有していないこととしてもよい。なお、これら第1〜第4シール200a〜200dのそれぞれが透過性を有している場合に、これらに形成されるホログラム201は透過性を有していてもよいし、透過性を有していなくてもよい。また、これら第1〜第4シール200a〜200dのそれぞれが透過性を有していない場合に、これらに形成されるホログラム201は透過性を有していてもよいし、透過性を有していなくてもよい。
【0130】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【解決手段】回胴式遊技機10は、遊技機筐体10cと、遊技機筐体10c内に設置される遊技機用基板ケース100aと、を備え、この遊技機筐体10cは、筺体本体10aと、開閉可能な前扉10bと、を有し、遊技機用基板ケース100aは、電子基板300を収容する基板ケース本体100と、基板ケース本体100の外側面に形成された第1シール200aと、を有し、第1シール200aは、前扉10bを開けた状態において視認可能な位置に配置され、第1シール200aには、透過性を有するホログラム201が形成され、遊技機用基板ケース100aは、前扉10bを開けた状態において筺体本体10aの外側からの光が照射困難である天板近傍領域103を有し、天板近傍領域103にホログラム201が配置される。