特許第6844891号(P6844891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844891
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】定量払出装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/44 20060101AFI20210308BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   B65G65/44 C
   B65G65/40 C
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-49104(P2018-49104)
(22)【出願日】2018年3月16日
(65)【公開番号】特開2019-156618(P2019-156618A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】518126144
【氏名又は名称】株式会社三井E&Sマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】海老原 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 泰孝
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−215147(JP,A)
【文献】 特開2006−111434(JP,A)
【文献】 実開昭63−185530(JP,U)
【文献】 特開平03−195619(JP,A)
【文献】 特開2015−205744(JP,A)
【文献】 特開昭61−106334(JP,A)
【文献】 実開昭50−140183(JP,U)
【文献】 特開平3−46927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/44
B65G 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端及び下端が開口した漏斗形状を成すホッパと、このホッパの下方で水平に対して傾けられて振動可能に構成された斜面を有するフィーダと、前記ホッパの下端開口から前記斜面に落ちその斜面に沿って前記フィーダの出口に向う原料を堰き止めるゲートと、を備えた定量払出装置において、
前記フィーダの出口から払い出される原料の払出量を逐次取得する払出量取得装置と、この払出量取得装置、前記フィーダ、及び前記ゲートに接続された制御装置とを備えて、
この制御装置に前記払出量の目標である目標払出量が入力されて、前記払出量取得装置が取得した前記払出量と入力されたその目標払出量との差分に基づいて、前記フィーダの振動周波数及び前記ゲートの開度を調節する場合は、前記制御装置により、前記フィーダの振動周波数が予め設定された上限周波数又は下限周波数のどちらか一方の周波数に達するまで、前記ゲートの開度を一定に維持しつつ、前記フィーダの振動周波数を可変する制御を行う構成にしたことを特徴とする定量払出装置。
【請求項2】
前記差分に基づいて、前記フィーダの振動周波数及び前記ゲートの開度を調節する場合は、前記制御装置により、前記フィーダの振動周波数が前記一方の周波数に達した後に、そのフィーダの振動周波数をその一方の周波数に維持しつつ、前記ゲートの開度を可変する制御を行う構成にした請求項1に記載の定量払出装置。
【請求項3】
前記フィーダが、前記斜面の斜度を可変可能に構成されて、
前記差分に基づいて、前記フィーダの振動周波数、前記ゲートの開度、及び前記斜面の斜度を調節する場合は、前記制御装置により、前記フィーダの振動周波数が前記一方の周波数に達するまで、前記ゲートの開度及び前記斜面の斜度の両方を一定に維持しつつ、前記フィーダの振動周波数を可変する制御を行う構成にした請求項1に記載の定量払出装置。
【請求項4】
前記差分に基づいて、前記フィーダの振動周波数、前記ゲートの開度、及び前記斜面の斜度を調節する場合は、前記制御装置により、前記フィーダの振動周波数が前記一方の周波数に達した後に、そのフィーダの振動周波数をその一方の周波数に維持しつつ、前記ゲートの開度及びそのフィーダの斜度のどちらか一方を可変する制御を行う構成にした請求項3に記載の定量払出装置。
【請求項5】
前記ゲートの開度及び前記フィーダの斜度のどちらか一方を可変する場合は、前記ゲートの開度が予め設定された上限開度及び下限開度のどちらか一方の開度に達するまで、前記フィーダの斜度を一定に維持する、あるいは、前記フィーダの斜度が予め設定された上限斜度及び下限斜度のどちらか一方の斜度に達するまで、前記ゲートの開度を一定に維持する構成にした請求項4に記載の定量払出装置。
【請求項6】
ホッパに供給されてフィーダの出口から払い出される原料の払出量を、そのフィーダの振動周波数及びそのフィーダの出口に向う原料を堰き止めるゲートの開度を調節して予め設定された目標払出量にする定量払出装置の制御方法において、
前記フィーダの出口から払い出される原料の払出量を払出量取得装置により逐次取得し、
前記払出量取得装置により取得した前記払出量と予め入力されたその払出量の目標である目標払出量との差分に基づいて、制御装置により、前記フィーダの振動周波数及び前記ゲートの開度を調節する場合は、
前記フィーダの振動周波数が予め設定された上限周波数又は下限周波数のどちらか一方の周波数に達したか否かを前記制御装置により判定し、
判定結果に応じて前記フィーダの振動周波数が前記一方の周波数に達するまでは、前記
制御装置により、前記ゲートの開度を一定に維持しつつ、前記フィーダの振動周波数を可変することを特徴とする定量払出装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量払出装置及びその制御方法に関し、より詳細には、払出量を調節可能な定量払出装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水平に対して傾いた斜面を有するフィーダの振動周波数と、その斜面に沿って下方に向かう原料を堰き止めるゲートの開度を任意に設定可能とした定量払出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、フィーダの振動周波数及びゲートの開度の組み合わせを任意に設定することで、例えば、払出量を目標払出量である650t/hと970t/hとで切り換え可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−205744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィーダとゲートとを比較すると、フィーダよりもゲートの機械的な損傷が大きい。しかし、特許文献1に記載の装置では、原料の払出量を調節する際に、フィーダの振動周波数の調節よりも、ゲートの開度の調節を優先させるおそれがある。それ故、特許文献1に記載の装置では、ゲートの機械的な損傷による故障を起因とした耐久性に低下が問題となっている。
【0005】
本発明の目的は、耐久性を向上しつつ、払出量を自在に調整することができる定量払出装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の定量払出装置は、上端及び下端が開口した漏斗形状を成すホッパと、このホッパの下方で水平に対して傾けられて振動可能に構成された斜面を有するフィーダと、前記ホッパの下端開口から前記斜面に落ちその斜面に沿って前記フィーダの出口に向う原料を堰き止めるゲートと、前記フィーダの振動周波数及び前記ゲートの開度のそれぞれを調節する制御を行う制御装置と、を備えた定量払出装置において、前記フィーダの出口から払い出される原料の払出量を逐次取得する払出量取得装置と、この払出量取得装置、前記フィーダ、及び前記ゲートに接続された制御装置を備えて、この制御装置に前記払出量の目標である目標払出量が予め入力されて、前記払出量取得装置が取得した前記払出量と入力された前記目標払出量との差分に基づいて、前記フィーダの振動周波数及び前記ゲートの開度を調節する場合は、前記制御装置により、前記フィーダの振動周波数が予め設定された上限値又は下限値のどちらか一方の値に達するまで、前記ゲートの開度を一定に維持しつつ、前記フィーダの振動周波数を可変する制御を行う構成にしたことを特徴とする。
【0007】
上記の目的を達成する本発明の定量払出装置の制御方法は、ホッパに供給されてフィーダの出口から払い出される原料の払出量を、そのフィーダの振動周波数及びそのフィーダの出口に向う原料を堰き止めるゲートの開度を調節して予め設定された目標払出量にする定量払出装置の制御方法において、前記フィーダの出口から払い出される原料の払出量を払出量取得装置により逐次取得し、前記フィーダの振動周波数が予め設定された上限値又は下限値のどちらか一方の値に達したか否かを制御装置により判定し、判定結果に応じて
前記フィーダの振動周波数が前記一方の値に達するまでは、前記払出量取得装置により取得した前記払出量と予め入力されたその払出量の目標である目標払出量との差分に基づいて、前記制御装置により、前記ゲートの開度を一定に維持しつつ、前記フィーダの振動周波数を可変することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィーダの振動周波数が上限値又は下限値に達するまでは、フィーダの振動周波数の調節をゲートの開度の調節よりも優先して行って、払出量を目標払出量にすることで、ゲートの開度の調節の頻度を低減できる。これにより、ゲートの開度の調節することで生じるゲートの機械的な損傷を抑制するには有利になり、装置全体の耐久性を向上しつつ、払出量を自在に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の定量払出装置の第一実施形態を例示する構成図である。
図2】本発明の定量払出装置の制御方法の第一実施形態を例示するフロー図である。
図3図2の「A」に続くフロー図である。
図4】第一実施形態の定量払出装置における払出量、ゲートの開度、及びフィーダの振動周波数の変化を経過時間で示した説明図であり、目標払出量が変化しない場合を例示する。
図5】第一実施形態の定量払出装置における払出量、ゲートの開度、及びフィーダの振動周波数の変化を経過時間で示した説明図であり、目標払出量が途中で変化する場合を例示する。
図6】本発明の定量払出装置の第二実施形態を例示する構成図である。
図7】本発明の定量払出装置の制御方法の第二実施形態を例示するフロー図であり、図2の「A」に続くフロー図である。
図8】本発明の定量払出装置の制御方法の第二実施形態を例示するフロー図であり、図7の「B」に続くフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、定量払出装置の実施形態について説明する。図中では、X方向をフィーダ12のトラフ15の前後方向、Y方向をX方向に直行するトラフ15の幅方向、Z方向を鉛直方向とする。
【0011】
図1に例示する第一実施形態の定量払出装置10は、鉄鉱石や石炭などのばら荷(原料)を荷揚げするアンローダに搭載されて、アンローダが荷揚げしたばら荷を所定の払出量にする装置である。
【0012】
定量払出装置10は、ホッパ11、フィーダ12、コンベヤ13、ゲート14、制御装置20、払出量取得装置21、及び入力装置22を備える。
【0013】
ホッパ11は、上端及び下端が開口し、上端開口に比して下端開口が窄まった漏斗形状を成している。ホッパ11は、フィーダ12ごとに設けられ、複数のフィーダ12を設ける場合は、複数設けられる。
【0014】
フィーダ12は、振動フィーダで構成されていて、トラフ15、駆動部16、及び支持部17を有している。フィーダ12としては、トラフ15にZ方向の上下運動の加わった振動を与えて、ばら荷をトラフ15の出口から払い出すものが例示される。
【0015】
トラフ15は、ホッパ11の下端開口より下方に配置されて、水平面(XY平面)に対して傾けられた斜面15aが形成されている。斜面15aはX方向の一端が他端に対して
低くなっていて、その一端に出口15bが形成されて、出口15bを除く斜面15aのX方向後方とY方向両側方との三方がZ方向に立設された壁により囲繞された塵取りのような形状を成している。駆動部16は、設定周波数に応じた振動を発する装置であり、発した振動がトラフ15に伝達可能に構成されている。支持部17は、トラフ15及び駆動部16を上方から吊り下げて振動可能に支持している。
【0016】
この実施形態のフィーダ12は、駆動部16が複数の偏心モータで構成されており、振動の発生を開始するときに振動周波数を一時的に最高周波数側に向って高くして、複数の偏心モータどうしを同期させる制御を行う。なお、フィーダ12は、トラフ15をZ方向上下に振動させる構成であればよく、駆動部16が一つのモータで構成されたものでもよい。また、支持部17は、トラフ15や駆動部16を下方から振動可能に支持するものでもよい。
【0017】
コンベヤ13は、ベルトコンベヤで構成されていて、フィーダ15の斜面15aの下端に形成された出口15bの下方に設置されている。
【0018】
ゲート14は、ホッパ11のX方向側方に配置されていて、軸から放射状に延在する脚体とこの脚体に支持された弧状の扉体とを有する本体18と、チェーンを巻き取るチェーンブロック19とを有したラジアルゲートで構成されている。ゲート14は、一端が本体18に固定されて、他端がドラム19に巻かれているチェーンをチェーンブロック19により巻き取ることで開き、繰り出すことで閉じる。ゲート14が閉じると、ホッパ11の下端開口からフィーダ12の斜面15aに落ちその斜面15aに沿って出口15bに向うばら荷を堰き止める。なお、ゲート14を開閉する装置に関しては、一端が本体18に固定された油圧シリンダでもよい。また、ゲート14は、斜面15aに対して上下方向にスライドするスライドゲートで構成されてもよい。
【0019】
制御装置20は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。制御装置20は、フィーダ12の駆動部16、ゲート14のドラム19、払出量取得装置21、及び入力装置22に一点鎖線で示す信号線を介して電気的に接続されている。
【0020】
払出量取得装置21は、コンベヤ13に設置されているロードセルを有して、ロードセルで取得したばら荷の質量とコンベヤ13の運搬速度とに基づいて、コンベヤ13により運搬されるばら荷の払出量Qxを取得している。払出量取得装置21は、払出量Qxを取得することができればよく、例えば、コンベヤ13に運搬されるばら荷の形状を考慮してより高精度に払出量Qxを取得可能なものも例示される。なお、払出量取得装置21は、コンベヤ13におけるトラフ15の出口15bの下方の近傍の払出量Qxを取得することが好ましい。
【0021】
入力装置22は、運転者により目標払出量Qaが入力される装置である。入力装置22としては、目標払出量Qaを増加するボタン、減少するボタン、及び設定された目標払出量Qaが表示される画面があればよく、タッチパネル式のものが例示される。運転者は、入力装置22を操作して任意の目標払出量Qaを入力可能である。また、目標払出量Qaの代わりに、フィーダ12の振動周波数の目標値とゲート14の開度の目標値を、それぞれ入力可能な装置としてもよい。
【0022】
制御装置20は、各機能要素として、設定部24、及び制御部25を有している。各機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されていて、適時、CPUにより実行されている。なお、各機能要素としては、プログラムの他にそれぞれが独立して機能するプ
ログラマブルコントローラ(PLC)で構成されてもよい。
【0023】
設定部24は、払出量取得装置21が取得した払出量Qxと入力装置22で入力された目標払出量Qaとの差分ΔQに基づいて、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度の目標値(Fn、An)を設定する機能要素である。また、設定部24は、目標値(Fn、An)を設定する際に、フィーダ12の振動周波数の調節を優先させる目標値(Fn、An)を設定する機能要素である。制御部25は、設定部24が設定した目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度のそれぞれを調節する機能要素である。
【0024】
図2及び図3に例示するように、定量払出装置10の制御方法は、所定の周期ごとに行われるフィードバック制御により払出量Qxを目標払出量Qaに近づける方法である。また、定量払出装置10の制御方法は、目標払出量Qaが新たに設定されると開始されて、払出量Qxを設定された目標払出量Qaに近づける際に、フィーダ12の振動周波数の調節をゲート14の開度の調節よりも優先する方法である。
【0025】
以下では、(n−1)を前回(制御前)の周期、及びnを今回(制御後)の周期とする。つまり、F(n−1)は、現時点のフィーダ12の振動周波数であり、前回の制御におけるフィーダ12の振動周波数の目標値である。また、Fnは、今回の制御におけるフィーダ12の振動周波数の目標値である。
【0026】
図2のフロー図に例示するように、制御装置20の設定部24は、入力装置22で入力されて内部記憶装置に記憶された目標払出量Qaを読み込む(S110)。次いで、払出量取得装置21が払出量Qxを取得する(S120)。
【0027】
次いで、設定部24は、取得した払出量Qxと呼び出した目標払出量Qaとを比較して、それらが等しいか否かを判定する(S130)。本明細書において、払出量Qx及び目標払出量Qaが「等しい」ことは、払出量Qx及び目標払出量Qaが等しい値になることに加えて、払出量Qxが目標払出量Qaを基準とした所定の範囲に収まっていることも包含する。なお、このステップでは、払出量Qx及び目標払出量Qaの差分がゼロであるか否か、あるいは所定の範囲に収まっているか否かを判定してもよい。
【0028】
払出量Qx及び目標払出量Qaが等しいと判定すると(S130:YES)、設定部24は、目標値(Fn、An)として現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)及びゲート14の開度A(n−1)を設定する(S140)。
【0029】
次いで、制御装置20の制御部25が、設定された目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度を調節して(S150)、スタートへ戻る。つまり、払出量Qx及び目標払出量Qaが等しいと判定した場合に、このステップでは、制御部25が、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度のそれぞれを前回の制御から可変させずに一定に維持する。
【0030】
払出量Qx及び目標払出量Qaが等しくないと判定すると(S130:NO)、図3のフロー図に例示するように、設定部24は、払出量Qxが目標払出量Qaよりも小さいか否かを判定する(S210)。なお、このステップでは、払出量Qxが目標払出量Qaよりも大きいか否かを判定してもよい。
【0031】
払出量Qxが目標払出量Qaよりも小さいと判定すると(S210:YES)、設定部24は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)が予め設定した上限周波数Faより低いか否かを判定する(S220)。
【0032】
上限周波数Faは、フィーダ12の仕様上における最大となる最大周波数を100%、振動が停止した状態を0%とすると、100%側に設定された周波数である。なお、上限周波数Faは最大周波数に設定されてもよい。
【0033】
現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Faより低いと判定すると(S220:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)よりも高い周波数を設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度A(n−1)を設定する(S230)。このステップで設定される目標周波数Fnは、ゲート14の開度を維持した状態で、現時点の払出量Qxを増加させて目標払出量Qaに近づける値である。また、目標周波数Fnは設定可能な最大値が上限周波数Faである。
【0034】
次いで、制御部25は、設定部24により設定された目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12及びゲート14を調節して(S150)、スタートへ戻る。つまり、現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Faより低いと判定した場合に、このステップでは、制御部25が、フィーダ12の振動周波数を算出された目標周波数Fnに増加させると共に、ゲート14の開度を前回の制御から可変させずに一定に維持する。
【0035】
上記のステップS220で、現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Fa以上と判定すると(S220:NO)、設定部24は、目標周波数Fnとして、上限周波数Faを設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度よりも大きい開度を設定する(S240)。このステップで設定される目標開度Anは、フィーダ12の振動周波数を上限周波数Faに維持した状態で、現時点の払出量Qxを増加させて目標払出量Qaに近づける値である。
【0036】
次いで、制御部25は、設定部24により設定された目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12及びゲート14を調節して(S150)、スタートへ戻る。つまり、現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Fa以上と判定した場合に、このステップでは、制御部25が、フィーダ12の振動周波数を上限周波数Faに維持すると共に、ゲート14の開度を算出された目標開度Anに増加させる。
【0037】
上記のステップS210で、払出量Qxが目標払出量Qaよりも大きいと判定すると(S210:NO)、設定部24は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)が予め設定した下限周波数Fbより高いか否かを判定する(S250)。
【0038】
下限周波数Fbは、フィーダ12の振動の最大周波数を100%、振動が停止した状態をゼロ%とすると、ゼロ%側に設定された周波数である。なお、ここでいうゼロ%側の周波数は、振動が停止するゼロ%を含まないものとする。
【0039】
現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fbより高いと判定すると(S250:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)よりも低い周波数を設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度A(n−1)を設定する(S260)。このステップで設定される目標周波数Fnは、ゲート13の開度を前回の制御から一定に維持した状態で、現時点の払出量Qxを減少させて目標払出量Qaに近づける値である。また、目標周波数Fnは設定可能な最小値が下限周波数Fbである。
【0040】
次いで、制御部25は、設定部24により設定された目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12及びゲート14を調節して(S150)、スタートへ戻る。つまり、現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fbより高いと判定した場合に、このステップでは、制御部25が、フィーダ12の振動周波数を算出された目標周波数Fnに減少させると共に、ゲート14の開度を前回の制御から可変させずに一定に維持する。
【0041】
上記のステップS250で、現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fb以下と判定すると(S250:NO)、設定部24は、目標周波数Fnとして、下限周波数Fbを設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度A(n−1)よりも小さい開度を設定する(S270)。このステップで設定される目標開度Anは、フィーダ12の振動周波数を下限周波数Fbに維持した状態で、現時点の払出量Qxを減少させて目標払出量Qaに近づける値である。
【0042】
次いで、制御部25は、設定部24により設定された目標値(Fn、An)に基づいて、フィーダ12及びゲート14を調節して(S150)、スタートへ戻る。つまり、現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fb以下と判定した場合に、このステップでは、制御部25が、フィーダ12の振動周波数を下限周波数Fbに維持すると共に、ゲート14の開度を算出された目標開度Anに減少させる。
【0043】
目標値(Fn、An)は、目標払出量Qaに対する払出量Qxの大小に応じて現時点の値に対して予め設定された増減値を加減して算出される。増減値は、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度のそれぞれに対して設定される。例えば、払出量Qxが目標払出量Qaよりも少ない場合で、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Faに達していないときの目標値(Fn、An)は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)に増減値(正の値)を加算した値と現時点のゲート14の開度A(n−1)となる。また、払出量Qxが目標払出量Qaよりも少ない場合で、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Faに達したときの目標値(Fn、An)は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)と現時点のゲート14の開度A(n−1)に増減値(正の値)を加算した値となる。なお、増減値は、払出量Qxを増加させる値と減少させる値とが各々別の値に設定されてもよい。
【0044】
増減値は、払出量Qxが急激に変化しない値に設定されることが望ましい。増減値により払出量Qxが目標払出量Qaに向かって徐々に調節されることで、払出量Qxの急激な変化を起因とするオーバーシュートを回避するには有利になる。
【0045】
なお、目標値(Fn、An)を設定する方法としては、払出量Qx及び目標払出量Qaの差分と、予め実験や試験により求めたフィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度の組み合わせとが設定されたマップを用いる方法も例示される。また、その差分と、予め実験や試験により求めたフィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度の増加量(減少量)とが設定されたマップを用いて、現時点の値にその増加量(減少量)を加算する方法を用いてもよい。
【0046】
図4は、目標払出量Qaとして設定可能な最大値に近い値が入力された場合を例示する。時間T0における払出量をQ0、振動周波数をF0、開度をA0とし、時間T1における払出量をQ1、振動周波数をF1、開度をA1とする。
【0047】
時間T0で、入力装置22により目標払出量Qaが新たに入力されると、設定部24は、目標値(Fn、An)を設定する。このとき、現時点の払出量Q0が目標払出量Qaよりも小さく、且つ、現時点のフィーダ12の振動周波数F0が上限周波数Faよりも低い。そこで、設定部24は、目標周波数Fnとして上限周波数Faを設定すると共に目標開度Anとして開度A0を設定する。次いで、制御部25は、設定部24の設定に基づいて、フィーダ12の振動周波数を算出された上限周波数Faまで増加させると共に、ゲート14の開度を可変させずに一定に維持する。
【0048】
時間T1で、設定部24は、目標払出量Qaと時間T1における払出量Q1とを比較して、再度、目標値(Fn、An)を設定する。このとき、現時点の払出量Q1が目標払出量Qaよりも小さく、且つ、現時点のフィーダ12の振動周波数F1が上限周波数Faである。そこで、設定部24は、目標周波数Fnとして上限周波数Faを設定すると共に目標開度Anとして現時点のゲート14の開度A0よりも大きい開度A2を設定する。次いで、制御部25は、設定部24の設定に基づいて、フィーダ12の振動周波数を上限周波数Faに維持すると共に、ゲート14の開度を算出された開度A2に増加させる。
【0049】
時間T2で、設定部24は、現時点の払出量Q2が目標払出量Qaになったと判定して、目標値(Fn、An)として現時点のフィーダ12の振動周波数F2及びゲート14の開度A2を設定する。次いで、制御部25が、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度のそれぞれを維持する。
【0050】
図5は、目標払出量Qa、Qbの二つが入力された場合を例示する。時間T3で、入力装置22により目標払出量Qaが新たに入力されると、設定部24は、目標値(Fn、An)を設定する。このとき、現時点の払出量Q3が目標払出量Qaよりも小さく、且つ、現時点のフィーダ12の振動周波数F3が上限周波数Faよりも低い。そこで、設定部24は、目標周波数Fnとして現時点のフィーダ12の振動周波数F3よりも高い振動周波数F4を設定すると共に目標開度Anとして現時点のゲート14の開度A3を設定する。次いで、制御部25は、設定部24の設定に基づいて、フィーダ12の振動周波数を算出された振動周波数F4まで増加させると共に、ゲート14の開度を可変させずに一定に維持する。
【0051】
時間T4で、入力装置22により目標払出量Qbが新たに入力されると、設定部24は、目標値(Fn、An)を設定する。このとき、現時点の払出量Q4が目標払出量Qbよりも大きく、且つ、現時点のフィーダ12の振動周波数F4が下限周波数Faよりも高い。そこで、設定部24は、目標周波数Fnとして下限周波数Faを設定すると共に目標開度Anとして現時点のゲート14の開度A4を設定する。次いで、制御部25は、設定部24の設定に基づいて、フィーダ12の振動周波数を下限周波数F4まで低下させると共に、ゲート14の開度を維持する。
【0052】
時間T5で、設定部24は、現時点の払出量Q2が目標払出量Qbになったと判定して、目標値(Fn、An)として現時点のフィーダ12の振動周波数F5及びゲート14の開度A5を設定する。次いで、制御部25が、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度のそれぞれを維持する。
【0053】
なお、払出量Qxの最大値は、フィーダ12の振動周波数を上限周波数Faに調節し、ゲート14の開度を上限開度Aa(例えば、全開の開度である100%)に調節した場合である。よって、目標払出量Qaは、払出量Qxの最大値を超えないよう入力装置22に制限が掛かっている。
【0054】
以上のとおり、定量払出装置10は、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Fa又は下限周波数Fbのどちらか一方の値に達するまでは、ゲート14の開度を一定に維持しつつ、フィーダ12の振動周波数を可変する。つまり、定量払出装置10は、払出量Qnを目標払出量Qaにする際に、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Fa又は下限周波数Fbに達するまで、フィーダ12の振動周波数の調節をゲート14の開度の調節よりも優先して行う。それ故、定量払出装置10は、ばら荷の払出量Qxを調節する際に、ゲート14の開度の調節の頻度を低減できる。これにより、ゲート14の開度を調節することで
生じる機械的な損傷を抑制するには有利になり、装置全体の耐久性を向上することができる。
【0055】
また、定量払出装置10は、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Fa又は下限周波数Fbのどちらか一方の値に達するまでは、ゲート14の開度を一定に維持し、フィーダ12の振動周波数が一方の値に達してから、ゲート14の開度を可変する。つまり、定量払出装置10は、フィーダ12の振動周波数及びゲート14の開度の両方を同時に調節することなく、それぞれを段階的に調節することで、払出量Qxの急激な変化を抑制することができる。これにより、払出量Qxの急激な変化を起因とするオーバーシュートを回避するには有利になり、払出量Qxを調節する際のハンチングを抑制することができる。
【0056】
図6図8に例示する第二実施形態の定量払出装置10は、第一実施形態に対して、フィーダ15においてトラフ15の斜面15aの斜度が可変可能に構成される点が異なる。また、定量払出装置10の制御方法は、払出量Qxを目標払出量Qaに近づける際に、調節の優先度は、フィーダ12の振動周波数、斜面15aの斜度、及びゲート14の開度の順に低く設定され、フィーダ12の振動周波数の調節を最優先とする方法である。
【0057】
図6に例示するように、トラフ15の斜面15aは、どちらか一方の支持部17の長さを調節することで、開度が全閉の状態のゲート14の下端を軸として傾動する。トラフ15の斜面15aの斜度は、水平に対する角度であり、予め設定された上限斜度θaから下限斜度θbまでの間で調節可能である。なお、斜面15aの斜度を大きくすると、払出量Qxは多くなり、斜度を小さくすると払出量Qxは少なくなる。
【0058】
上限斜度θaは、斜面15aの仕様上における最大となる最大斜度を100%、水平の状態を0%とすると、100%側に設定された斜度である。下限斜度θbは、0%側に設定された斜度である。なお、上限斜度θaは最大斜度に設定されてもよく、下限斜度θbは水平の状態に設定されてもよい。
【0059】
この実施形態で、下限斜度θbは、ばら荷の性状に基づいて、斜面15aの斜度を下限斜度θbに設定すると共に、フィーダ15の振動周波数を下限周波数Fbに設定した状態で、ばら荷が払い出される角度に設定される。例えば、ばら荷の性状として、粘度が高い性状の場合に下限斜度θbは大きくなり、粘度が低い性状の場合に下限斜度θbは小さくなる。
【0060】
図7に例示するように、払出量Qxが目標払出量Qaよりも小さいと判定すると(S210:YES)、設定部24は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)が上限周波数Faより低いか否かを判定する(S220)。
【0061】
現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Faより低いと判定すると(S220:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)よりも高い周波数を設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度A(n−1)を設定し、さらに、目標斜度θnとして、現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)を設定して(S310)、S150へ進む。
【0062】
上記のステップS220で、現時点の振動周波数F(n−1)が上限周波数Fa以上と判定すると(S220:NO)、設定部24は、現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)が上限斜度θaより小さいか否かを判定する(S320)。
【0063】
現時点の斜度θ(n−1)が上限斜度θaより小さいと判定すると(S320:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして上限周波数Faを、目標開度Anとして現時点のゲート14の開度A(n−1)を、及び、目標斜度θnとして現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)よりも大きい斜度をそれぞれ設定して(S330)、S150へ進む。このステップで設定される目標斜度θnは、フィーダ12の振動周波数を上限周波数Faに維持すると共にゲート14の開度を現時点の開度に維持した状態で、現時点の払出量Qxを増加させて目標払出量Qaに近づける値である。
【0064】
上記のステップS330で、現時点の斜度θ(n−1)が上限斜度θa以上と判定すると(S320:NO)、設定部24は、目標周波数Fnとして上限周波数Faを、目標開度Anとして現時点のゲート14の開度よりも大きい開度を、及び目標斜度θnとして上限斜度θaをそれぞれ設定して(S340)、S150へ進む。
【0065】
図8に例示するように、上記のステップS210で、払出量Qxが目標払出量Qaよりも大きいと判定すると(S210:NO)、設定部24は、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)が予め設定した下限周波数Fbより高いか否かを判定する(S250)。
【0066】
現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fbより高いと判定すると(S250:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)よりも低い周波数を設定すると共に、目標開度Anとして、現時点のゲート14の開度A(n−1)を設定し、さらに、目標斜度θnとして、現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)を設定して(S350)、S150へ進む。
【0067】
上記のステップS250で、現時点の振動周波数F(n−1)が下限周波数Fb以下と判定すると(S250:NO)、設定部24は、現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)が下限斜度θbより大きいか否かを判定する(S360)。
【0068】
現時点の斜度θ(n−1)が下限斜度θbより大きいと判定すると(S360:YES)、設定部24は、目標周波数Fnとして下限周波数Fbを、目標開度Anとして現時点のゲート14の開度A(n−1)を、及び、目標斜度θnとして現時点の斜面15aの斜度θ(n−1)よりも小さい斜度をそれぞれ設定して(S370)、S150へ進む。このステップで設定される目標斜度θnは、フィーダ12の振動周波数を下限周波数Fbに維持すると共にゲート14の開度を現時点の開度に維持した状態で、現時点の払出量Qxを減少させて目標払出量Qaに近づける値である。
【0069】
上記のステップS360で、現時点の斜度θ(n−1)が下限斜度θb以下と判定すると(S360:NO)、設定部24は、目標周波数Fnとして下限周波数Fbを、目標開度Anとして現時点のゲート14の開度よりも小さい開度を、及び目標斜度θnとして下限斜度θbをそれぞれ設定して(S380)、S150へ進む。
【0070】
この定量払出装置10は、払出量Qnを目標払出量Qaにする際に、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Fa又は下限周波数Fbに達するまで、フィーダ12の振動周波数の調節をゲート14の開度の調節及び斜面15aの斜度の調節よりも優先して行う。また、フィーダ12の振動周波数が上限周波数Fa又は下限周波数Fbに達した場合に、斜面15aの斜度が上限斜度θa又は下限斜度θbに達するまで、斜面15aの斜度の調節をゲート14の開度の調節よりも優先して行う。
【0071】
このように、定量払出装置10は、制御対象となるパラメータが三つ以上になっても、ばら荷の払出量Qxを調節する際に、ゲート14の開度の調節の頻度を低減できる。これにより、ゲート14の開度を調節することで生じる機械的な損傷を抑制するには有利になり、装置全体の耐久性を向上することができる。
【0072】
また、定量払出装置10は、フィーダ12の振動周波数、斜面15aの斜度、及びゲート14の開度の三つのパラメータを同時に調節することなく、それぞれを段階的に調節することで、払出量Qxの急激な変化を抑制することができる。これにより、払出量Qxの急激な変化を起因とするオーバーシュートを回避するには有利になり、払出量Qxを調節する際のハンチングを抑制することができる。
【0073】
既述した実施形態では、アンローダに搭載される定量払出装置10を例に説明したが、単体で使用することも可能である。例えば、工場の内部で原料の払い出しを行う装置としても適用可能である。
【0074】
また、既述した実施形態では、現時点のフィーダ12の振動周波数F(n−1)を前回の制御におけるフィーダ12の振動周波数の目標値としたが、周波数取得装置により取得したフィーダ12の実際の振動周波数を用いてもよい。同様に、ゲート14の開度も開度取得装置により取得したゲート14の実際の開度を用いてもよい。
【0075】
周波数取得装置としては、フィーダ12のトラフ15に設置される振動センサ、駆動部16である偏心モータの駆動を制御するインバータの制御信号を取得する装置が例示される。また、開度取得装置としては、ゲート14のチェーンブロック19に設置されるエンコーダ(エンコーダが取得したチェーンの巻き取り量や繰り出し量から開度を算出可能)が例示される。
【符号の説明】
【0076】
10 定量払出装置
11 ホッパ
12 フィーダ
13 コンベヤ
14 ゲート
15a 斜面
20 制御装置
21 払出量取得装置
Qx 払出量
Qa 目標払出量
Fn 振動周波数
An 開度
θn 斜度
Fa 上限周波数
Fb 下限周波数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8