【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項において、医療装置、コンピュータプログラム製品、および、医療装置をコントロールする方法を提供する。従属請求項においては、実施例が提供される。
【0007】
ここにおいて使用される「容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサ(capacitive micromachined ultrasonic transducer)」(CMUT)は、マイクロマシン技術を使用して製造された容量性超音波トランスデューサを包含している。マイクロマシン技術は、薄膜製造技術であり、典型的には、集積回路の製造のために使用されるプロセスと同一または類似のものを使用して実行される。
CMUIRは、それ自体が、国際出願第WO2009/082740号から知られている。
【0008】
磁気共鳴(MR)データは、ここにおいては、磁気共鳴画像スキャンの最中の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピン(atomic spin)によって発せられたラジオ周波数信号の記録された測定であるとして定義される。磁気共鳴画像法(MRI)の画像は、ここにおいては、磁気共鳴画像データベースの中に含まれている原子データに係る再構成された2次元または3次元の視覚化であるとして定義される。この視覚化は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0009】
熱磁気共鳴データは、ここにおいては、磁気共鳴画像スキャンの最中の磁気共鳴装置のアンテナによる、原子スピンによって発せられたラジオ周波数信号の記録された測定であるとして定義される、磁気共鳴温度測定のために使用することができる情報を含んでいる。磁気共鳴温度測定は、温度感受性のパラメータにおける変化を測定することで機能する。自己共鳴温度測定の最中に測定され得るパラメータの実施例は、以下のとおりである。プロトン共鳴周波数シフト、拡散係数、または、緩和時間(relaxation time)T1及び/又はT2における変化であり、磁気共鳴を使用して温度を測定するために使用され得る。プロトン共鳴周波数シフトは、温度依存性である。個々のプロトン、水素原子が経験する磁場は、周辺の分子構造に依存するからである。温度の上昇は、温度が水素結合に影響するため分子スクリーニングを減少させる。このことが、プロトン共振周波数の温度依存性をもたらしている。熱マップ、温度マップ、または、サーモグラフィ磁気共鳴画像を、熱磁気共鳴データから再構成することができる。
【0010】
プロトン密度は、平衡磁化の線形性に依存している。従って、プロトン密度重み付け画像を使用して温度変化を判断することができる。
【0011】
緩和時間T1、T2、およびT2スター(ときどきT2*と記載される)も、また、温度依存性である。T1、T2、およびT2スターの重み付け画像に係る再構成が、従って、熱または温度マップを再構成するために使用され得る。
【0012】
温度は、また、水溶液の中の分子のブラウン運動に影響する。従って、パルス拡散勾配スピンエコー(pulsed diffusion gradient spin echo)といった、拡散係数を測定することができるパルスシーケンスが、温度を測定するために使用され得る。
【0013】
磁気共鳴を使用して温度を測定する最も役に立つ方法のうちの一つは、水プロトンのプロトン共振周波数(PRF)シフトを測定することによるものである。プロトンの共振周波数は、温度依存性である。ボクセル(voxel)の中で温度が変化するので、周波数シフトは、水プロトンの測定された位相の変化を生じさせる。2つの位相画像間の温度変化が、従って、判断される。温度判断に係るこの方法は、他の方法に比べて比較的に速いということで利点を有している。PRF方法は、ここにおいて、他の方法よりも多く詳細が説明される。しかしながら、ここにおいて説明される方法および技術は、また、磁気共鳴画像方法を用いて温度測定を実行する他の方法に対しても適用できる。
【0014】
「コンピュータで読取り可能なストレージ媒体」は、ここにおいて使用されるように、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能なインストラクションを保管することができるあらゆる有形のストレージ媒体を含んでいる。コンピュータで読取り可能なストレージ媒体は、コンピュータで読取り可能な固定ストレージ媒体として参照されてよい。コンピュータで読取り可能なストレージ媒体は、また、固定のコンピュータで読取り可能な媒体として参照されてもよい。いくつかの実施例において、コンピュータで読取り可能なストレージ媒体は、また、コンピューティングデバイスのプロセッサによってアクセスし得るデータを保管することもできる。コンピュータで読取り可能なストレージ媒体の実施例は、これらに限定されるわけではないが、以下のものを含んでいる。フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードドライブ、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、および、プロセッサのレジスタファイル、である。光ディスクの実施例は、コンパクトディスク(CD)およびデジタル多目的ディスク(DVD)を含んでいる。例えば、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、または、DVD−Rディスクである。コンピュータで読取り可能なストレージ媒体という用語は、また、ネットワークまたは通信リンクを介してコンピュータデバイスによってアクセスされ得る種々のタイプの記録媒体も参照する。例えば、データは、モデム、インターネット、または、ローカルエリアネットワークにわたり、リトリーブされてよい。
【0015】
「コンピュータメモリ」または「メモリ」は、コンピュータで読取り可能なストレージ媒体の一つの実施例である。コンピュータメモリは、プロセッサに対して直接的にアクセス可能なあらゆるメモリである。コンピュータメモリの実施例は、これらに限定されるわけではないが、RAMメモリ、レジスタ、および、レジスタファイル、を含んでいる。
【0016】
「コンピュータストレージ」または「ストレージ」は、コンピュータで読取り可能なストレージ媒体の一つの実施例である。コンピュータストレージは、あらゆる不揮発性のコンピュータで読取り可能なストレージ媒体であってよい。コンピュータストレージの実施例は、これらに限定されるわけではないが、以下のものを含んでいる。ハードディスクドライブ、USBサムドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、スマートカード、DVD、CD−ROM、および、半導体ハードドライブ、である。いくつかの実施例において、コンピュータストレージは、また、コンピュータメモリであってよく、または、その逆も同様である。「コンピュータストレージ」または「ストレージ」に対する参照は、おそらく複数のストレージであるものとして解釈されるべきである。ストレージは、例えば、同一のコンピュータシステムの中の複数のストレージであってよい。ストレージは、また、複数のコンピュータシステムまたはコンピューティングデバイスの中に分散された複数のストレージであってよい。
【0017】
「コンピュータ」は、ここにおいて使用されるように、プロセッサを含んでいるデバイスであり、デバイスを包含している。プロセッサは、プログラムまたはマシンで実行可能なインストラクションを実行することができる電子的コンポーネントである。「プロセッサ」を含んでいるコンピューティングデバイスに対する参照は、おそらく一つ以上のプロセッサを含んでいるものとして解釈されるべきである。コンピューティングデバイスという用語も、また、それぞれがプロセッサを含んでいるコンピューティングデバイスの集合またはネットワークをおそらく参照するものとして解釈されるべきである。多くのプログラムは、インストラクションが多くのプロセッサによって実行されるようにする。プロセッサは、同一のコンピューティングデバイスの中にあってよく、または、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されてもよい。
【0018】
「ユーザインターフェイス」は、ここにおいて使用されるように、ユーザまたはオペレータが、コンピュータまたはコンピュータシステムとインタラクションできるようにするインターフェイスである。ユーザインターフェイスは、オペレータに対して情報またはデータを提供し、及び/又は、オペレータから情報またはデータを受け取ることができる。ディスプレイまたはグラフィックユーザインターフェイス上のデータまたは情報の表示は、オペレータに対する情報提供の一つの実施例である。以下のものを通じてデータを受け取ることは、全てがオペレータから情報またはデータを受け取る実施例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポイントスティック、グラフィックタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカム、ヘッドセット、ギアスティック、操縦ホイール、有線グローブ、ダンスパッド、リモートコントロール、および、加速度計、である。
【0019】
本発明の一つの態様において、医療装置が提供される。本医療装置は、超音波処理するボリュームの中に超音波をフォーカスするために、超音波処理周波数が調整可能な超音波トランスデューサを含む高強度フォーカス超音波システムを含む。前記超音波トランスデューサは、第1
および第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイを含む。
それぞれの容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサは、別々にコントロール可能な超音波周波数を有している。本医療装置は、さらに、前記医療装置をコントロールするためのプロセッサを含む。本医療装置は、さらに、マシンで実行可能なインストラクションを保管するためのメモリを含む。前記インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、患者の中のターゲット領域を記述した治療プランを受け取る。いくつかの実施例において、治療プランは、ターゲット領域を超音波処理するように高強度フォーカス超音波システムをコントロールするためにプロセッサが使用し得るインストラクションを含んでいる。他のいくつかの実施例において、治療プランは、ターゲット領域を超音波処理するように高強度フォーカス超音波システムをコントロールするためのそうしたインストラクションを生成するために使用され得るデータを含んでいる。
【0020】
インストラクションが実行されると、プロセッサは、さらに、前記治療プランを使用して、前記患者を通って前記ターゲット領域までの横断距離を決定する。前記横断距離は前記超音波トランスデューサから前記ターゲット領域までの超音波の横断を記述したものである。異なる実施例において、横断距離は、異なる形式であり、または、他のデータを結合してよい。例えば、いくつかの場合に、超音波トランスデューサを含むカテーテルが患者の中に配置される。この場合、横断距離は、患者の内部または外部表面からターゲット領域までの距離である。他の実施例においては、トランスデューサと患者との間にジェルパッド及び/又は水タンクといったものが存在し得る。インストラクションが実行されると、プロセッサは、さらに、前記ターゲット領域上へ超音波処理ボリュームをフォーカスするための横断距離を使用して、超音波処理周波数を決定する。いくつかの実施例において、ターゲット領域上へ超音波処理ボリュームをフォーカスすることは、周波数を選択することを含み、超音波エネルギのより大きな部分が、周辺組織よりもターゲット領域にデポジット(deposit)される。インストラクションが実行されると、プロセッサは、さらに、前記超音波処理周波数帯において前記高強度フォーカス超音波システムを使用して、前記ターゲット領域を超音波処理する。いくつかの実施例において、全ての容量性マイクロマシン製トランスデューサは、同一の超音波処理周波数において動作する。他の実施例においては、一部の容量性マイクロマシン製トランスデューサだけが所与の超音波処理周波数において動作し、一方、他のエレメントは別の周波数で動作する。
【0021】
この実施例は、容量性マイクロマシン製トランスデューサが、周波数範囲を可能にする非常に大きなバンド幅を有するので有益である。超音波の周波数は、患者の中においてどの深さでエネルギがデポジットされるかに影響する。従って、バンド幅の中で周波数を選択して、ターゲット領域にデポジットされるエネルギ量を最大化することができる。
【0022】
この実施例は、また、ターゲット領域と保護される領域との間の温度勾配を最大化できるので、有益である。保護される領域は、加熱することが望ましくない患者の部位、または、既定の安全な閾値以下に温度を維持する患者の部位である。
【0023】
別の実施例において、医療装置は、さらに、画像化ゾーンから磁気共鳴データを取得するための磁気共鳴画像化装置を含む。前記ターゲット領域は前記画像化ゾーンの中に在る。前記インストラクションが実行されると、さらに、前記プロセッサは、繰り返し、磁気共鳴画像化システムを使用して前記磁気共鳴データを取得し、磁気共鳴画像を再構成する。本方法は、さらに、前記磁気共鳴画像に従って、前記治療プランを変更するステップを含む。この実施例は、磁気共鳴画像化システムによって治療プランの調整とコントロールができるので有益である。磁気共鳴画像化システムは、クローズドループコントロールの一部であってよい。
【0024】
別の実施例において、前記磁気共鳴データは、熱磁気共鳴データを含む。前記磁気共鳴画像は、サーモグラフィ磁気共鳴画像である。
【0025】
この実施例は、磁気共鳴システムが、温度マップを得るために使用され得るサーモグラフィ磁気共鳴画像を測定しているので有益である。温度マップは、超音波処理の効果を直接的に検査するために使用され得る。
【0026】
別の実施例において、インストラクションが実行されると、さらに、前記プロセッサは、前記磁気共鳴画像化システムを使用して、計画磁気共鳴データを取得する。インストラクションが実行されると、さらに、前記プロセッサは、計画磁気共鳴画像を再構成する。インストラクションが実行されると、さらに、前記プロセッサは、前記計画磁気共鳴画像に従って、前記治療プランを変更する。計画磁気共鳴データは、超音波処理を実行する以前に取得された磁気共鳴データである。例えば、治療プランを変更または記録するために使用することができる。計画磁気共鳴画像は、治療プランの最初の計画または記録のために使用される磁気共鳴データである。患者は、治療プランが案出または作成されたときとは異なる位置にあってもよい。計画磁気共鳴画像を使用して治療プランを記録または変更することは、誤差を軽減することに役立つ。誤差は、超音波トランスデューサを用いて、または、加熱の結果として期待され又は変更されたものとは異なる組織パラメータを用いて、不十分に整列された患者の内部配置によるものである。
【0027】
別の実施例において、前記医療装置は、さらに、第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイとを含む。いくつかの実施例において、第1および第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサは、同一または異なる周波数において動作し得る。このことは、それぞれのトランスデューサからの超音波が、独立して超音波を方向付けるために使用し得るので有益である。異なる周波数が存在する場合、それらがハーモニクス(harmonics)でない限り、2つの容量性マイクロマシン製トランスデューサそれぞれからの超音波は、患者の上に独立して重ね合される。
【0028】
別の実施例において、それぞれの前記容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサアレイは、個々にコントロール可能な超音波処理周波数を有している。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、それぞれの前記容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイに対する前記超音波処理周波数を決定する。この実施例において、容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサは、第1及び/又は第2の容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサからの個々の容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサであってよい。
【0029】
別の実施例においては、インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、前記横断距離を使用して、前記超音波処理ボリュームを前記ターゲット領域の中にフォーカスするための第1の超音波処理周波数を決定する。第1の超音波処理周波数は、第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイの超音波処理周波数として使用されてよい。この場合に、横断距離は、実際に、第1の横断距離であってよく、かつ、距離を表すか、または、第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイとターゲット領域との間の距離を記述するものであってよい。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、さらに、前記横断距離を使用して、前記超音波処理ボリュームを前記ターゲット領域の中にフォーカスするための第2の超音波処理周波数を決定する。この場合、第2の超音波処理周波数は、第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイのために使用される超音波処理周波数であってよく、横断距離は、第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイとターゲット領域との間の距離を表すか、または、記述をするものであってよい。
【0030】
インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイに対する前記第1の超音波処理周波数、および、前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイに対する前記第2の超音波処理周波数を使用している前記高強度フォーカス超音波システムを使用して、前記ターゲット領域を超音波処理する。上述の実施例に係る超音波処理周波数は、実際には、この実施例に関する第1の超音波処理周波数または第2の超音波処理周波数のいずれかであってよい。2つの容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイが異なる周波数において動作する場合に、それぞれによって生成される超音波が建設的には足し算されないか、または、お互いに破壊的であるので、この実施例は、有益である。これは、一方が他方のハーモニックであるか否かに依存し得る。これは、また、検討されたポイントのトランスデューサエレメントまでの距離にも依存し得る。ハーモニックでない場合は、所与の時点において建設的または破壊的な共鳴が生じ得るが、それは短い時間だけのことである。異なる周波数は、超音波強度において時間的なビートパターンを生じ得る。
【0031】
別の実施例において、前記超音波処理周波数は、超音波シミュレーションモデルを使用して決定される。例えば、シミュレーションのモデル化のための差分法、または、レイトレーシング(ray tracing)、または、他のいくつかのシミュレーション方法を実行するコンピュータコードが、周波数帯を決定するために使用されてよい。例えば、一つの領域において加熱を最大化または増大させる超音波周波数を選択するために、モデルが使用され得る。他の実施例において、モデルは、患者に係る一つの領域と別の領域との間の加熱における差異を最大化または増大させるために使用され得る。このことは、加熱することが望まれず、または、所定の温度以下に保持することが望ましい、患者に係る領域が存在する場合に、特に有益である。
【0032】
別の実施例において、前記医療装置は、さらに、カテーテルを含む。前記カテーテルは、前記超音波トランスデューサを含む。この実施例は、容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサが十分に小さく、カテーテルの中に配置され得るので、有益である。これにより、カテーテルは、超音波処理の電気的操作を行うことができ、超音波周波数も調整可能である。
【0033】
別の実施例において、前記カテーテルは、さらに、遠心端と近位端を有するシャフトを有している。前記遠心端は、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイと前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイを含む。前記カテーテルは、さらに、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイと前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイに対して電力を供給するため、および、前記第1の超音波処理周波数と第2の超音波処理周波数をコントロールするための、前記近位端におけるコネクタとを含む。この実施例は、独立してコントロールすることができる異なる容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサアレイを有するカテーテルを提供するので、有益である。このことは、より正確または効果的な超音波処理を結果として生じ得る。
【0034】
別の実施例において、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイは第1の調整可能なフォーカスを有し、かつ、前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイは第2の調整可能なフォーカスを有している。調整可能なフォーカスは、ここにおいて、フォーカスの電気的コントロールを包含している。個別のアレイが複数存在している。個々の容量性マイクロマシン製トランスデューサのそれぞれに対して、位相及び/又は振幅が個別にコントロールされ得る。容量性マイクロマシン製トランスデューサのそれぞれによって生成される超音波の建設的および破壊的な干渉により、超音波処理ボリュームがわずかにシフトされ、または、移動され得る。周波数の変更または調整の組合せにおいて、このことにより、超音波ボリュームのずっとより詳細なコントロールが可能である。第1の超音波周波数と第2の超音波周波数がハーモニクスでないか、または、同一でない場合、第1および第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイからの超音波が、異なるボリュームに向かって方向付けされ得る。この場合、前記超音波処理ボリュームは、第1および第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイからの超音波処理ボリュームの重ね合わせである。
【0035】
別の実施例において、前記遠心端には、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイおよび前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイに電力供給し、かつ、前記第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイおよび前記第2の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイの電気的コントロールを提供する、ための少なくとも一つの集積回路を含む。前記カテーテルは、さらに、前記少なくとも一つの集積回路と前記コネクタとの間にデータバスを含む。データバスにより、コンピュータまたは他のシステムは、集積回路をコントロールすることができる。いくつかの実施例において、集積回路は、また、容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサのそれぞれの周波数も個別にコントロールされるようにできる。個々の容量性マイクロマシン製超音波トランスデューサは、従って、種々の周波数において動作し得る。このことにより、トランスデューサを用いて、超音波処理のずっとより良いコントロールができる。
【0036】
本発明の別の態様においては、医療装置をコントロールするプロセッサによる実行のためのマシンで実行可能なインストラクションを含むコンピュータプログラムを提供する。前記医療装置は、超音波処理するボリュームの中に超音波をフォーカスするために、超音波処理周波数が調整可能な超音波トランスデューサを有する高強度フォーカス超音波システムを含む。前記超音波トランスデューサは、第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイを含む。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、患者の中のターゲット領域を記述した治療プランを受け取る。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、さらに、前記治療プランを使用して、前記患者を通って前記ターゲット領域までの横断距離を決定する。前記横断距離は前記超音波トランスデューサから前記ターゲット領域までの超音波の横断を記述したものである。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、さらに、前記ターゲット領域上へ超音波処理ボリュームをフォーカスするための横断距離を使用して、超音波処理周波数を決定する。インストラクションが実行されると、前記プロセッサは、さらに、前記超音波処理周波数帯において前記高強度フォーカス超音波システムを使用して、前記ターゲット領域を超音波処理する。このコンピュータプログラムの利点は、以前に述べている。
【0037】
本発明の別の態様においては、高強度フォーカス超音波システムを含む医療装置をコントロールする方法を提供する。前記高強度フォーカス超音波システムは、超音波処理するボリュームの中に超音波をフォーカスするために、超音波処理周波数が調整可能な超音波トランスデューサを含む。前記超音波トランスデューサは、第1の容量性マイクロマシン製トランスデューサアレイを含む。前記方法は、患者の中のターゲット領域を記述した治療プランを受け取るステップを含む。前記方法は、さらに、前記治療プランを使用して、前記患者を通って前記ターゲット領域までの横断距離を決定するステップを含む。前記横断距離は、前記超音波トランスデューサから前記ターゲット領域までの超音波の横断を記述したものである。前記方法は、さらに、前記ターゲット領域上へ超音波処理ボリュームをフォーカスするための横断距離を使用して、超音波処理周波数を決定するステップを含む。前記方法は、さらに、前記超音波処理周波数帯を使用する前記高強度フォーカス超音波システムを使用して、前記ターゲット領域を超音波処理するステップとを含む。この方法の利点は、以前に述べている。