(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機(スロットマシン)1に対応して貸出装置2と遊技情報表示装置3とが設置されている。これら遊技機1と、貸出装置2と、遊技情報表示装置3とは中継装置4と接続されている。中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、キーボード7と、マウス8と、モニタ9と、プリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。モニタ9は異常報知手段に対応する。又、遊技場には、精算装置10やPOS(図示せず)等も設置されている。精算装置10やPOSもLAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。本実施形態では遊技機1がスロットマシンであることから、遊技価値(遊技媒体)はメダルである。遊技機1がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。
【0009】
図2は、遊技機1の正面図を示している。遊技機1は、表示窓11を介して視認可能なリール12と、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部13と、表示パネル14と、クレジットメダルの投入を行うクレジットボタン15と、クレジットメダルの精算を行う精算ボタン16と、メダルを投入するメダル投入口17と、スタートレバー18と、左ストップボタン19と、中ストップボタン20と、右ストップボタン21と、払出数表示部22と、クレジット数表示部23と、受皿24等を有する。
【0010】
遊技機1は、メダルが投入された状態でスタートレバー18が操作されると(ゲーム開始操作が行われると)、発生する乱数の中から1つの乱数を抽出して内部抽選を実行し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させると共に、各リール12を始動(回転)させ、この状態で各ストップボタン19〜21が操作されると、対応するリール12の回転を停止させる。続いて、内部当選役のフラグに応じて各リール12の停止位置を決定するための停止テーブル(図示せず)に基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール12を内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。引込制御は、各ストップボタン19〜21の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。尚、内部当選役フラグに対応する図柄が引込範囲内に存在しないときは、その図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。
【0011】
遊技機1は、以下の遊技信号を送信する。
アウト信号=ゲームの開始操作に応じてベット状態のメダルを消費したとしてベット状態のメダル数(3枚)分をパルス送信する。管理装置6は、アウト信号数×1をアウト(消費価値、使用媒体数)として特定する。尚、リプレイ時にも、対応分をパルス送信する。
【0012】
セーフ信号=メダルを1枚付与(払出)する毎にパルス送信する。管理装置6は、セーフ信号数×1をセーフ(入賞付与価値、払出媒体数)として特定する。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分をパルス送信する。
【0013】
BB(ビッグボーナス)信号=BB状態のときにレベル送信する。管理装置6は、BB信号の受信期間中をBB状態として特定する。
RB(レギュラーボーナス)信号=RB状態のときにレベル送信する。管理装置6は、RB信号の受信期間中をRB状態として特定する。
【0014】
遊技機1には、ボーナス役としてのBB役及びRB役、小役、リプレイ役が設けられている。遊技機1には、合計5本(表示窓11の上段、中段、下段に対応した横方向に1本ずつの3本、斜め方向の2本)の有効ラインが設けられており、遊技者によるストップボタン19〜21の操作により、これらの有効ラインのうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが内部当選役に対応する図柄の組み合わせと一致したときに入賞となる。入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、又は対応する枚数のコインの払い出し(遊技価値の付与)を行う。BB状態は例えば300枚を越えるコインの払い出しにより終了し、RB状態は8回の入賞の発生により終了する。又、BB状態及びRB状態における1ゲーム当たりのコインの投入枚数は2枚となっている。
【0015】
遊技機1は、BB役及びRB役の内部当選確率を設定値の変更により変更可能となっている。設定値は、遊技機1の遊技性能を調整するための調整情報であり、例えば1〜6の6段階に区分されており、管理者により何れか1つが選択されて使用される。遊技機1は、設定値が大きいほどボーナス役の当選確率が高くなり、それに伴って理論上の出率が大きくなり、反対に、設定値が小さいほどボーナス役の当選確率が低くなり、それに伴って理論上の出率が小さくなる。即ち、設定値が大きいほど遊技者にとって有利であり、設定値が小さいほど遊技者にとって不利である。尚、小役確率については全設定共通であるが、異なっていても良く、小役確率や他の条件等により出率を調整しても良い。
【0016】
貸出装置2は、
図1に示すように、遊技者が貨幣を投入するための(遊技者の貨幣投入を受け付ける)貨幣投入口25と、遊技者が記録媒体としてのICカード26を挿入するためのカード挿入口27と、ICカード26をカード挿入口27から発行させるための発行ボタン28と、メダルを1枚ずつメダル排出路に排出するホッパー(図示せず)の状態を示すホッパーLED29と、遊技者が投入した貨幣を対価としてメダルを遊技機1の受皿24に払い出す(遊技価値を付与する)払出ノズル30等を有する。ICカード26は、当日限り有効な一般カードや予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効な会員カードである。ICカード26は、ICチップを内蔵し、カードを特定可能なカードID、遊技者が投入した貨幣の未消費金額を特定可能な情報である残額、遊技により獲得した遊技媒体数である持玉数が記録可能に構成されている。
【0017】
貸出装置2は、以下の遊技信号を送信する。
投入金額信号=遊技者が投入した貨幣の金額である投入金額を装置IDと共に送信する。管理装置6は、投入金額信号を受信することで、投入金額を貸出装置2毎に管理する。
【0018】
消費金額信号=遊技価値の付与の対価であるメダルの払い出しに消費した消費金額を装置IDと共に送信する。管理装置6は、消費金額信号を受信することで、消費金額を貸出装置2毎に管理する。
【0019】
カード発行信号=遊技者が予め定められた発行操作である発行ボタン28を押下すると、遊技者が投入した貨幣の未消費金額を装置IDと共に送信する。管理装置6は、カード発行信号を受信することで、未消費金額を貸出装置2毎に管理する。
【0020】
遊技情報表示装置3は、
図1に示すように、各種の遊技データ(BB状態やRB状態の発生回数、スタート回数、ARTの発生回数、平均獲得枚数等)を表示する情報表示部31と、遊技場の従業員を呼び出すときに遊技者が押下する呼出ボタンや情報表示部31が表示する遊技データを切り替えるときに遊技者が押下する切替ボタン等を含む操作部32と、従業員が所持する従業員リモコン34からリモコン信号を受信する受光部34等を有する。
【0021】
精算装置10は、
図1に示すように、精算金額を表示する情報表示部35と、遊技者がICカード26を挿入するためのカード挿入口36と、残額に対応する貨幣を払い出す返却口37等を有する。精算装置10は、ICカード26がカード挿入口36に挿入されると(記録媒体を受け付けると)、そのICカード26に記録されている残額をカードリーダにより読み取り、その読み取った残額を精算金額として情報表示部35に表示し、その残額に相当する貨幣を返却口37から払い出す(記録媒体から特定した未消費金額に相当する貨幣を払い出す精算処理を実行する)。
【0022】
精算装置10は、以下の遊技信号を送信する。
精算金額信号=残額に相当する貨幣を返却口37から払い出すと、払い出した残額である精算金額を装置IDと共に送信する。管理装置6は、精算金額信号を受信することで、精算金額を精算装置10毎に管理する。
【0023】
図3は、貸出装置2、精算装置10、管理装置6の構成を示す機能ブロック図である。
貸出装置2は、制御部38と、I/F部39と、上記した貨幣投入口25と、カード挿入口27と、発行ボタン28と、ホッパーLED29と、メダル払出部40とを有する。制御部38は、CPU38a、ROM38b、RAM38cを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム(ソフトウェア)を実行し、貸出装置2の動作全般を制御する。I/F部39は、中継装置4を介して管理装置6や遊技機1等との間で各種信号や各種情報を送受信する。メダル払出部40は、払出ノズル30を介してメダルを遊技機1の受皿24に払い出す。上記した構成では、制御部38は、貨幣受付手段、遊技価値付与手段、記録媒体発行手段に対応している。貨幣投入口25は、貨幣受付手段に対応している。メダル払出部40は、遊技価値付与手段に対応している。カード挿入口27は、記録媒体発行手段に対応している。
【0024】
精算装置10は、制御部41と、I/F部42と、上記した情報表示部35と、カード挿入口36と、メダル払出部43とを有する。制御部41は、CPU41a、ROM41b、RAM41cを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム(ソフトウェア)を実行し、精算装置10の動作全般を制御する。I/F部42は、管理装置6等との間で各種信号や各種情報を送受信する。メダル払出部43は、残額に相当する貨幣を返却口37から払い出す。
【0025】
管理装置6は、制御部44と、I/F部45とを有する。制御部44は、CPU44a、ROM44b、RAM44cを有するマイクロコンピュータにより構成され、各種制御プログラム(ソフトウェア)を実行し、管理装置6の動作全般を制御する。I/F部45は、遊技機1や貸出装置2や精算装置10等との間で各種信号や各種情報を送受信する。上記した構成では、制御部44は、投入金額特定手段、消費金額特定手段、精算金額特定手段、未消費金額特定手段、特別判定手段、異常報知手段、閉場条件特定手段に対応している。
【0026】
さて、前述した[発明が解決しようとする課題]で述べたように、ICカード26に対応付けて残額の管理を行う構成では、ICカード26に対応付けられた残額を書き換えたりICカード26を複製したりする等の不正行為が行われる虞があり、投入金額以上の金額が不正に使用される虞がある。この点に関し、管理装置6は、以下の機能を有する。管理装置6は、貸出装置2から受信する投入金額信号、消費金額信号、カード発行信号に基づいて投入金額、消費金額、未消費金額を特定し、精算装置10から受信する精算金額信号に基づいて精算金額を特定する。
【0027】
管理装置6は、プリペイドカード情報の画面で「管理」キー51aが押下される操作を含む所定操作が行われると、
図4に示すように、未精算カードリスト画面52を表示する。又、管理装置6は、プリペイドカード情報の画面で「管理」キー51aが押下される操作を含む別の所定操作が行われると、
図5に示すように、プリペイド日報画面53を表示する。
【0028】
管理装置6は、未精算カードリスト画面52では、初回入金日を選択可能な初回入金日選択部52aで初回入金日が選択されると、その選択された初回入金日の対象となるレコードの一覧をレコード一覧表示部52bに表示する。レコードは、区分、初回入金日、最終処理日、カードID/会員番号、入金残額を含む。又、管理装置6は、各レコードの入金残額の合計金額(合計未消費金額)を残額表示部52cに表示する。この入金残額の合計金額はICカード26に対応付けられている残額の合計を示す実際の金額であり、
図4の例示では、「51,000円」を残額表示部52cに表示している。
【0029】
一方、管理装置6は、プリペイド日報画面53では、入金額(合計投入金額)を入金額表示部53aに表示し、消費額や繰越分の繰越消費額(合計消費金額)を消費額表示部53bに表示し、精算額や繰越分の繰越精算額(合計精算金額)を精算額表示部53cに表示する。入金額は当日に入金された金額である。消費額は当日に消費された金額であり、当日の入金分と前日までの入金分とを含み、繰越消費額は前日までの入金分のうち前日までに消費されずに当日まで繰り越して当日に消費された金額であり、前日までの入金分に対する消費額である。つまり、消費額から繰越消費額を減算した金額が当日の入金分に対する消費額となる。精算額は当日に精算された金額であり、当日の入金分と前日までの入金分とを含み、繰越精算額は前日までの入金分のうち前日までに精算されずに当日まで繰り越して当日に精算された金額であり、前日までの入金分に対する精算額である。つまり、精算額から繰越精算額を減算した金額が当日の入金分に対する精算額となる。又、管理装置6は、当日未精算額を当日未精算額表示部53dに表示する。この場合、以下の関係が成立する。
【0030】
当日未精算額=入金額−(消費額−繰越消費額)−(精算額−繰越精算額)
この計算式により求まる当日未精算額は、合計投入金額から合計消費金額及び合計精算金額を減算した金額であり、ICカード26に対応付けられている残額の合計を示す理論上の金額である。
【0031】
又、管理装置6は、プリペイド日報画面53では、前日の継続未精算額(前日まで精算していない金額)を継続未精算額表示部53eに表示し、確定雑収入額を雑収入額表示部53fに表示し、前日の未精算額を未精算額表示部53gに表示し、未精算額のうちプリペイド有効分をプリペイド有効分表示部53hに表示し、未精算額のうち特別救済可能分を特別救済可能分表示部53iに表示する。継続未精算額とは次の日になったときの未精算額の残りの金額であり、雑収入額とは未精算額(特別救済可能)のうち次の日になったときの雑収入になる金額(特別救済期限が切れる金額)である。特別救済とは残額がある状態で有効期限が切れたICカード26を当日に限って有効とする措置のことである。又、管理装置6は、未精算カードリスト画面52の残額表示部52cで表示した入金残額の合計金額、即ち、ICカード26に対応付けられている実際の金額を未精算カードリスト当日未精算額としてカードリスト当日未精算額表示部53jに表示する。尚、
図5では期間を「2016年04月19日」としているので、未精算カードリスト当日未精算額を「0円」と表示している場合を例示しているが、
図5で期間を
図4の初回入金日に合わせて「2016年04月15日」とすれば、未精算カードリスト当日未精算額を「51,000円」と表示することになる。
【0032】
又、管理装置6は、プリペイド日報画面53では、セキュリティ項目として、再発行額、強制精算額、代替発行額、特別救済処理額を表示する。再発行額は、遊技者がICカード26を紛失した場合等に、管理者が新たなICカード26を発行した際の金額の合計である。尚、紛失したICカード26のカードIDを入力して再発行する運用になっており、紛失したICカード26は使用不能(残額を「0」にして)にして新たなカードIDに残額情報を対応付ける。紛失したICカード26が使用されたことをカードIDから特定した場合(カード挿入時に貸出装置2からカードIDを受信して管理装置6が判断する等)、紛失したICカード26が使用されたことを貸出装置2及び管理装置6にて報知する。強制精算額は、遊技者がICカード26を紛失した場合等に、カードIDを入力して管理者が強制的に精算を行った金額の合計であり、強制精算を行うと入力したカードIDのICカード26の残額は「0」になる。代替発行額は、ICカード26を読み込んでいる途中で読み込めなくなった場合等に、精算装置10や貸出装置2において処理の途中で読み込めなくなったICカード26を回収して新たなICカード26を遊技者に付与した場合の金額の合計である。特別救済処理額は、特別救済を行った金額の合計である。特別救済とは、入金額にはプリペイド有効期間(例えば当日)と特別救済可能期間(例えば1ヶ月)とが設定されており、プリペイド有効期間が経過すると遊技者は使用することができないが、特別救済可能期間内であれば、管理者の特別救済操作によって使用可能にすることである。
【0033】
尚、管理者が精算装置10でカードIDを入力して再発行や強制精算を行おうとする際には
図10に示す条件にしたがって再発行や強制精算を許可するか否かを判定しても良い。台通信状態は、精算装置10と貸出装置2との通信状態である。挿入状態は、手入力したIDのICカード26が貸出装置2に挿入中であるか否かを管理装置6と通信を行うことで判定する。可否は、精算装置10で再発行や強制精算を許容するか否かである。イベント通知は、管理装置6で報知を行わせるために、管理装置6に通知する内容である。
【0034】
即ち、精算装置10と貸出装置2とが全台オンライン状態であり、手入力したIDのICカード26が貸出装置2に挿入中であれば、再発行や強制精算を許可せず、不正通知を行う。又、精算装置10と貸出装置2とが全台オンライン状態であり、手入力したIDのICカード26が貸出装置2に挿入中でなければ、再発行や強制精算を許可し、通知を行わない。又、精算装置10と貸出装置2とが一部オフライン状態であり、手入力したIDのICカード26が貸出装置2にオンラインで挿入中であれば、再発行や強制精算を許可せず、不正通知を行う。又、精算装置10と貸出装置2とが一部オフライン状態であり、手入力したIDのICカード26が貸出装置2にオフラインで挿入中であれば、再発行や強制精算を許可し、点検通知を行う。又、精算装置10と貸出装置2とが一部オフライン状態であり、手入力したIDのICカード26が貸出装置2に挿入中でなければ、再発行や強制精算を許可し、点検通知を行う。
【0035】
管理装置6は、閉店時刻になる(遊技場の営業を終了する閉場条件が成立する)と、又は「更新」キー51bが押下されると、各金額を特定し、その正当性を判定する。即ち、管理装置6は、閉場条件が成立した場合に金額異常状態が発生しているか否かを判定する。ここで、ICカード26に対応付けられた残額を書き換えたりICカード26を複製したりする等の不正行為が行われていなければ、プリペイド日報画面53の当日未精算額表示部53dに表示される当日未精算額、即ち、合計投入金額から合計消費金額及び合計精算金額を減算したICカード26に対応付けられているべき理論上の金額と、カードリスト当日未精算額表示部53jに表示される未精算カードリスト当日未精算額、即ち、ICカード26に対応付けられている実際の金額とは一致する。
【0036】
具体的に説明すると、
図6及び
図7に示すように、入金額が「150,000円」、消費額が「140,000円」、繰越消費額が「30,000円」、精算額が「50,000円」、繰越精算額が「30,000円」であれば、当日未精算額、即ち、ICカード26に対応付けられているべき理論上の金額は、
当日未精算額=150,000−(140,000−30,000)−(50,000
−30,000)
=20,000
の計算式により、「20,000円」となる。このとき、カードIDが「ID0001」〜「ID0004」の4枚のICカード26に対応付けられている実際の金額が「20,000円」であれば、管理装置6は、理論上の金額である当日未精算額の「20,000円」と実際の金額である未精算カードリスト当日未精算額の「20,000円」とが一致する(予め定められた特別金額以上の差がない)と判定し、未精算カードリスト当日未精算額の「20,000円」を通常表示する。管理者は、未精算カードリスト当日未精算額が通常表示されていることを確認することで、理論上の金額と実際の金額とが一致していると判断することができ、ICカード26に対応付けられた残額を書き換えたりICカード26を複製したりする等の不正行為が行われていないと判断することができる。
【0037】
一方、
図8及び
図9に示すように、入金額が「150,000円」、消費額が「140,000円」、繰越消費額が「30,000円」、精算額が「60,000円」、繰越精算額が「30,000円」であれば、当日未精算額、即ち、ICカード26に対応付けられているべき理論上の金額は、
当日未精算額=150,000−(140,000−30,000)−(60,000
−30,000)
=10,000
の計算式により、「10,000円」となる。このとき、カードIDが「ID0001」〜「ID0004」の4枚のICカード26に対応付けられている実際の金額が「20,000円」であれば、管理装置6は、理論上の金額である当日未精算額の「10,000円」と実際の金額である未精算カードリスト当日未精算額の「20,000円」とが一致しない(予め定められた特別金額以上の差がある金額異常状態が発生している)と判定し、未精算カードリスト当日未精算額を例えば赤色表示する等して異常表示する共に、例えば「当日未精算額異常発生」という異常発生メッセージ53kをポップアップ表示する(異常報知を行う)。管理者は、未精算カードリスト当日未精算額が異常表示されていると共に異常発生メッセージ53kがポップアップ表示されていることを確認することで、理論上の金額と実際の金額とが一致していないと判断することができ、不正行為が行われていると判断することができる。この場合、10,000円分の不正行為が行われたことになる。
【0038】
尚、以上は、当日について理論上の金額と実際の金額とから不正行為が行われたか否かを判定することを例示したが、前日についても同様にして理論上の金額と実際の金額とから不正行為が行われたか否かを判定することが可能である。その場合、以下の関係が成立する。
【0039】
前日の未精算額=前日の継続未精算額+入金額−消費額−精算額
図7及び
図9の例示では、
前日の未精算額=70,000+150,000−140,000−50,000
=30,000
の計算式により、「30,000円」となる。この場合、未精算額表示部53gに表示される前日の未精算額を、
図6及び
図8と同様の未精算カードリスト画面52の残額表示部52cに表示される入金残額の合計金額と一致しているか否かを判定することで、不正行為が行われたか否かを判定することが可能である。即ち、プリペイド日報画面53で期間が指定されると、その期間以前の入金日の未精算カードが未精算カードリスト画面52に自動的に選択されるように構成されており、その入金残額の合計金額が残額表示部52cに表示されるので、プリペイド日報画面53の未精算額表示部53gに表示される前日の未精算額を、未精算カードリスト画面52の残額表示部52cに表示される入金残額の合計金額と一致しているか否かを判定することで、不正行為が行われたか否かを判定することが可能である。つまり、前日の未精算額は、当日行われた入金に基づく未精算カードリストだけでなく、特別救済期限が切れるまでの全ての未精算カードリストを考慮して不正が行われたか否かを判定することが可能である。
【0040】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。合計投入金額から合計消費金額及び合計精算金額を減算したICカード26に対応付けられているべき理論上の金額と、ICカード26に対応付けられている実際の金額とが一致していないと、金額異常状態が発生していると判定し、異常報知を行うようにしたので、ICカード26に対応付けられた残額を書き換えたりICカード26を複製したりする等の不正行為が行われていることを発見し易くすることができる。
【0041】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。尚、以下に列挙する各変形例を適宜組み合わせても良い。
例示したスロットマシンとは異なる遊技機に適用しても良く、例えばメダルを使用せずクレジットを消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンや、玉が封入されており、得点(遊技価値)を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機に適用することも可能である。
【0042】
本実施形態では、貸出装置2が貨幣を受付可能な構成を例示したが、紙幣のみを受付可能な構成や硬貨のみを受付可能な構成としても良い。又、遊技機1に隣接した貸出装置2で貨幣を受け付けてメダルを付与する構成にしたが、遊技機1とは隣接していない装置で貨幣を受け付け、残額を記録したICカード26を遊技者に付与する構成にしても良い。
【0043】
本実施形態では、遊技者が当日に投入した合計投入金額、当日に入金された貨幣を対価として消費した消費金額の合計である合計消費金額、当日に入金された貨幣の精算金額の合計である合計精算金額をそれぞれ特定し、異常報知を行うか否かを判定する構成を例示したが、複数日を含む所定期間の算出結果から不正行為が行われたか否かを判定しても良い。例えば所定期間を対象とし、累計投入金額、累計消費金額、累計精算金額から理論上の金額を算出し、ICカード26に対応付けられている累計未消費金額から実際の金額を算出し、それらを比較する構成としても良い。
【0044】
異常報知として、例えばスピーカにて異常が発生している可能性があることをアナウンスする等でも良い。
本実施形態では、当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差が1円以上であれば異常報知を行う構成を例示したが、異常報知を行うか否かを判定する基準額を変更しても良い。即ち、異常報知を行うか否かの判定に用いる特別金額を任意に変更しても良く、例えば当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差が2000円以上であれば異常報知を行い、2000円未満であれば異常報知を行わない構成としても良い。又、異常報知を行う場合に、当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差に応じて報知態様を区分しても良い。当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差が比較的大きく、不正行為の規模が比較的大きく、緊急な措置を要するような場合であれば、未精算カードリスト当日未精算額を例えば赤色表示し、当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差が比較的小さく、不正行為の規模が比較的小さく、緊急な措置を要しないような場合であれば、未精算カードリスト当日未精算額を例えば黄色表示する等しても良い。又、未精算カードリスト当日未精算額を表示すると共に、当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差を表示しても良い。前日未精算額についても、異常報知を行うか否かを判定する基準額を変更しても良いし、異常報知を行う場合に未精算額との差に応じて報知態様を区分しても良い。
【0045】
閉店時刻になった場合に閉場条件が成立したと判定して当日未精算額と未精算カードリスト当日未精算額との差を判定する構成としたが、閉場条件を変更しても良い。例えば管理者が各機器に閉店になったことを通知するための閉店操作を行った場合に閉場条件が成立したと判定する構成としても良い。
【0046】
本実施形態では、記録媒体としてICカード26を例示したが、例えばコイン型やスティック型の記録媒体を用いても良いし、レシートに残額情報を印字する構成を用いても良い。