(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844979
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】高温のまたは低温の液状製品および半液状製品を製造するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20210308BHJP
A23G 9/04 20060101ALI20210308BHJP
A23G 9/14 20060101ALI20210308BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20210308BHJP
A47J 31/42 20060101ALI20210308BHJP
A47J 31/46 20060101ALI20210308BHJP
A47J 31/54 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
A47J31/00 307
A23G9/04
A23G9/14
A47J31/36 120
A47J31/42
A47J31/46
A47J31/54
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-194978(P2016-194978)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-94053(P2017-94053A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2019年8月20日
(31)【優先権主張番号】102015000059302
(32)【優先日】2015年10月7日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519231153
【氏名又は名称】アリ グループ エス.アール.エル−カルピジャーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02478803(EP,A1)
【文献】
国際公開第2015/092637(WO,A1)
【文献】
特開2007−148893(JP,A)
【文献】
実開平04−121835(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00
A23G 9/04
A23G 9/14
A47J 31/36
A47J 31/42
A47J 31/46
A47J 31/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の液状食品およびアイスクリーム製品の両方を製造するための装置(1)であって、
−高温の液状製品を加工するための第1の加工チャンバ(3)であって、第1の基本加熱液状製品を受け入れるよう構成され、かつ、第2の粉末状基本製品を収容して前記第1の基本加熱液状製品と前記第2の粉末状基本製品との接触を可能にするよう構成されている第1の加工チャンバと、
−前記第1の加工チャンバ(3)の出口に接続可能であり前記高温の製品を分注するための第1のディスペンスユニット(7)と、
−アイスクリーム製品を製造するための混合冷却ユニット(8)であって、加工容器(9)と前記加工容器(9)内部に回転可能に搭載される撹拌機(10)とを備え、前記混合冷却ユニット(8)が前記第1の加工チャンバ(3)の前記出口に接続可能であり前記アイスクリーム製品を製造するための基本原料を形成する前記高温の液状製品を受け入れるための混合冷却ユニットと、
−前記混合冷却ユニット(8)と関連付けられる熱冷却系と、を備え、
前記第1の加工チャンバ(3)の前記出口を切り替えるための切替手段(11)であって、前記第1の加工チャンバ(3)の前記出口(5)が前記混合冷却ユニット(8)に作動可能に接続されて高温の製品を前記混合冷却ユニット(8)の前記加工容器(9)に移送させる第1の配置と前記第1の加工チャンバ(3)の前記出口(5)が前記第1のディスペンスユニット(7)に作動可能に接続されて前記第1のディスペンスユニット(7)に高温の製品を送り出させる第2の配置とを切り替え可能な切替手段をさらに備え、
前記第1の加工チャンバ(3)の前記出口(5)を切り替えるための前記切替手段(11)は、起動されて前記第1の配置と前記第2の配置とを切り替えることができる少なくとも1つの弁(17)を備える、装置。
【請求項2】
第1の基本液状製品を加熱するための加熱ボイラー(2)をさらに備え、前記第1の加工チャンバ(3)は、少なくとも入口(4)と出口(5)とを有し、前記入口(4)は、前記加熱ボイラー(2)に接続されて前記第1の基本加熱液状製品を受け入れる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の基本液状製品を前記加熱ボイラー(2)から前記第1の加工チャンバ(3)に移送するための移送手段(6)をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
作業者用の制御部を備え、かつ、指令の選択後、前記切替手段(11)の制御を可能にして前記切替手段(11)の配置を調節し、前記第1のディスペンスユニット(7)を介する高温の製品の前記分注または前記混合冷却ユニット(8)での前記アイスクリーム製品の前記加工を可能にするよう構成されている駆動制御ユニット(12)を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記移送手段(6)は、前記加熱ボイラー(2)と前記第1の加工チャンバ(3)との間にある接続管(19)と、前記管(19)に配置され前記第1の基本液状製品の圧力を増加させるためのポンプ(20)と、を備える、請求項3に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記第1の加工チャンバ(3)は、高温の抽出飲料を加工するための抽出チャンバである、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
粒状の製品を収容するための貯蔵部(13a)および粒状の前記製品を粉砕しかつ粉末に変えるための粉砕部(13b)により形成され、かつ、前記第1の加工チャンバ(3)に接続されて粉末に粉砕された前記製品を前記第1の加工チャンバ(3)に送り出す、粒状の製品を粉砕するための粉砕チャンバ(13)を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項8】
カプセルまたはポッドを装填するためのユニット(14)であって、少なくとも1つのカプセルまたはポッドを収容するための台座部(15)を有し、かつ、前記カプセルまたはポッドの前記第1の加工チャンバ(3)内部での前記装填を可能にするよう構成されているユニットを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
さらなる基本製品を供給するための複数の容器(16a、16b)であって、前記第1の加工チャンバ(3)および/または前記混合冷却ユニット(8)の前記加工容器(9)に接続することができる容器を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記第1の加工チャンバ(3)に脱着可能に配置され、前記第1の加工チャンバ(3)から流出する前記製品を濾過するためのフィルタ(18)を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記混合冷却ユニット(8)の前記加工容器(9)に接続されて前記混合冷却ユニット(8)の前記加工容器(9)内部において製造される前記アイスクリーム製品を外に送り出す第2のディスペンサ(23)を備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の装置(1)を用いて、選択的に、高温の液状食品またはアイスクリーム製品を製造するための方法であって、
−前記第2の粉末状基本製品である粉末状の基本製品または葉の形状の基本製品を前記第1の加工チャンバ(3)に投入するステップと、
−前記第1の基本加熱液状製品である水または水溶液を70℃超の温度で前記第1の加工チャンバ(3)に投入して、前記第1の加工チャンバ(3)内において、抽出または浸出により、高温の液状製品を製造するためのステップと、
−前記高温の液状製品を前記第1の加工チャンバ(3)から抽出するステップと、
−選択的に、前記第2の配置において前記高温の液状製品を前記第1のディスペンスユニット(7)によって分注するステップ、または、前記第1の配置において以下の複数のステップを実行するステップと、を含み、
前記複数のステップは、
−前記高温の液状製品を前記混合冷却ユニット(8)の前記加工容器(9)内部に入れるステップと、
−前記加工容器(9)内においてアイスクリーム製品用のさらなる基本製品を加えるステップと、
−アイスクリーム製品を製造するまで、前記加工容器(9)内において、前記高温の液状製品を前記さらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度での冷却を施すステップと、
−前記アイスクリーム製品を前記加工容器(9)から抽出するステップと、を備える方法。
【請求項13】
前記水または水溶液を前記第1の加工チャンバ(3)に投入する前記ステップは、所定の分量の水または所定の水溶液を500kPa超の圧力で投入するステップを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記水または水溶液が前記第1の加工チャンバ(3)内にとどまる時間は、30秒未満である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記高温の液状製品を前記さらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度での冷却を施す前記ステップは、前記高温の液状製品を前記さらなる基本製品と共に−5℃から−15℃の間の温度で冷却するステップを備える、請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
粉砕チャンバ(13)を準備するステップと、粉末状のまたは葉の形状の前記基本製品を前記第1の加工チャンバ(3)に投入するステップと、を備える、請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温の飲料および高温の飲料に基づくアイスクリームなどの液状製品および/または半液状製品を製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、この業界の店舗は、たとえば、コーヒー、カプチーノなどの高温の飲料を(抽出/浸出によって)製造するための装置および低温の製品(アイスクリーム)を製造するための装置を有する。
【0003】
なお、そのため、店舗の客に(抽出/浸出によって得られる)高温の飲料およびアイスクリーム製品の双方を販売することができるようにするために、商店経営者は、いくつかの異なる装置を必要とするが、装置は、大量の床面積を占め、かつ、保守および清掃を周期的に必要とする。
【0004】
かくして、液状製品および半液状製品を製造するための、および、高温の飲料と液状のアイスクリーム製品および/または半液状のアイスクリーム製品との双方を製造することが可能な装置を有することの必要性が業界の作業者に特に強く感じられている。
【発明の概要】
【0005】
そのため、本発明の目的は、液状製品および半液状製品を製造するための、および、高温の飲料と液状のアイスクリーム製品および/または半液状のアイスクリーム製品との双方を製造することを可能にする装置を提供することにより、上述の必要性を満たすことにある。
【0006】
本発明のさらなる目的は、液状製品および半液状製品を製造するための、高温の飲料と液状のアイスクリーム製品および/または半液状のアイスクリーム製品との双方を製造することを可能にし、かつ、特に簡単に使用できる装置を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、液状製品および半液状製品を製造するための、高温の飲料と液状のアイスクリーム製品および/または半液状のアイスクリーム製品との双方を製造することを可能にし、かつ、特に簡単に清掃および保守することができる装置を提供することにある。
【0008】
本発明によれば、本発明の対象を構成し、高温飲料様およびアイスクリーム様の双方の液状または半液状製品を製造するための装置および方法であって、添付の1つまたは複数の請求項に記載の技術的特徴を備える装置および方法によって上述の目的が達成される。
【0009】
上述の目的は、高温のおよび低温の種類の液状食品および/または半液状食品を製造するための装置であって、
−高温の種類の液状製品を加工するための第1のチャンバであって、第1の基本加熱液状製品を受け入れるよう構成され、かつ、第2の粉末状基本製品を収容して第1の基本加熱液状製品と第2の粉末状基本製品との接触を可能にするよう構成されている第1のチャンバと、
−第1の加工チャンバの出口に接続可能であり高温の製品を分注するためのディスペンスユニットと、
−低温の種類の製品を製造するための混合冷却ユニットであって、加工容器と容器内部に回転可能に搭載される撹拌機とを備え、混合冷却ユニットが第1の加工チャンバの出口に接続可能であり低温の種類の液状または半液状製品を製造するための基本原料を形成する高温の製品を受け入れるための、混合冷却ユニットと、
−混合冷却ユニットと関連付けられる熱冷却系と、を備える装置によって達成される。
【0010】
また、上述の目的は、選択的に、高温飲料様のまたはアイスクリーム様の食品を製造するための方法であって、
−第1の加工チャンバを準備するステップと、
−粉末状のまたは葉の形状の基本製品を第1の加工チャンバに投入するステップと、
−水または水溶液(water−based mixture)を70℃超の温度で第1の加工チャンバに投入して、第1の加工チャンバ内において、抽出または浸出により、高温飲料様の製品を製造するためのステップと、
−高温飲料様の製品を第1の加工チャンバから抽出するステップと、
−選択的に、高温飲料様の製品を分注し、または、以下のステップを実行するステップと、
−高温飲料様の製品を混合冷却ユニットの加工容器内部に入れるステップと、
−加工容器内においてアイスクリーム製品用のさらなる基本製品を加えるステップと、
−アイスクリーム様の製品を製造するまで、加工容器内において、高温飲料様の製品をさらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度での冷却を施すステップと、
−アイスクリーム様の製品を加工容器から抽出するステップと、を備える方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上記の目的に関連する本発明の技術的特徴は、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、本発明の例示の実施形態を示す添付の図面を参照した以下の詳細な説明から明らかとなろう。また、例示の実施形態は、好ましいものであり本発明を限定するものではない。
【0012】
【
図1】高温のまたは低温の製品を製造するための本発明の装置の概略図である。
【
図2】高温のまたは低温の製品を製造するための本発明の装置の第1実施形態の概略図である。
【
図3】高温のまたは低温の製品を製造するための本発明の装置の第2実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照すれば、符号1は、本発明に係る高温のまたは低温の液状製品および/または半液状製品を製造するための装置を示す。
【0014】
なお、また、好ましくは、この装置は、アイスクリーム製造機であり、すなわち、この装置は、アイスクリームを製造することを可能にする。
【0015】
好ましい実施形態において、高温のおよび低温の(アイスクリーム)種類の液状食品および/または半液状食品を製造するための装置1は、
−第1の基本液状製品を加熱するためのボイラー2と、
−高温の種類の液状製品を加工するための第1のチャンバ3であって、少なくとも1つの入口4と1つの出口5とを有し、入口が加熱ボイラー2に接続されて加熱ボイラー2から第1の基本加熱液状製品を受け入れ、および、第2の粉末状基本製品を収容するよう構成される(第1のチャンバ3は、第1の基本加熱液状製品と第2の粉末状基本製品との接触を可能にする)第1のチャンバと、
−第1の基本液状製品を加熱ボイラー2から第1の加工チャンバ3に移送するための手段6と、
−第1の加工チャンバ3の出口に接続可能であり高温の製品を分注するための第1のディスペンスユニット7と、
−低温の種類の製品(アイスクリーム)を製造するための混合冷却ユニット8であって、加工容器9と容器9内部に回転可能に搭載される撹拌機10とを備え、混合冷却ユニット8が第1の加工チャンバ3の出口に接続可能であり低温の種類の液状または半液状製品を製造するための基本原料を形成する高温の製品を受け入れるための混合冷却ユニットと、
−混合冷却ユニット8と関連付けられる熱冷却系と、
−第1の加工チャンバ3の出口を切り替えるための手段11であって、第1の加工チャンバ3の出口5が混合冷却ユニット8に作動可能に接続されて高温の製品を混合冷却ユニット8の加工容器9に移送させる第1の配置と第1の加工チャンバ3の出口5が第1のディスペンスユニット7に作動可能に接続されて高温の製品を分注させる第2の配置とを切り替え可能な手段と、を備える。
【0016】
装置1の上述の特徴の幾つかの態様を以下により詳細に記載する。
【0017】
好ましくは、混合冷却ユニット8と関連付けられる熱冷却系は、混合冷却ユニット8の容器9と関連付けられる熱交換器を備える。
【0018】
好ましくは、熱冷却系は、圧縮器を備える。
【0019】
好ましくは、熱冷却系は、熱交換流体を介して熱交換することにより、熱力学サイクルに従って作動する。
【0020】
加熱ボイラー2は、(
図2および
図3に示す)水または水との混合物(water mixture)を収容するための容器を備える。
【0021】
また、加熱ボイラー2は、好ましくは、(好ましくは電気)ヒータ2aを備える。
【0022】
さらに、ボイラー2の容器は、水道の本管に接続されて/接続可能で、内部の液体の水位を頂点に届かせる。
【0023】
他の態様によれば、ボイラー2の容器は、管19によって、第1の加工チャンバ3に接続される。
【0024】
なお、管19は、移送ポンプ20を収容できる。
【0025】
移送ポンプ20および管19は、第1の基本液状製品を加熱ボイラー2から第1の加工チャンバ3に移送するための手段6を画定する。
【0026】
なお、好ましくは、装置は、遮断弁21を備える。遮断弁21は、管19と作動可能に関連付けられ、かつ、液体を流れさせる開配置と液体が流れることを防止する閉配置とを切り替え可能である。
【0027】
移送ポンプ20は、第1の基本液状製品が所定の圧力で第1の加工チャンバ3に到達するように、第1の基本液状製品(水または水溶液)の圧力を増加させるよう設計されている。
【0028】
好ましくは、所定の圧力は、500KPaよりも大きく、なおより好ましくは800KPaよりも大きい。
【0029】
他の態様によれば、装置1は、駆動制御ユニット12を備える。駆動制御ユニット12は、作業者用の制御部を備え、かつ、指令の選択後、切替手段11の制御を可能にして切替手段11の配置を調節し、第1のディスペンスユニット7を介する高温の製品の分注または混合冷却ユニット8内での低温の種類の製品の加工を可能にするよう構成されている。
【0030】
なお、好ましくは、切替手段11は、弁(なおより好ましくは、三方弁であり、入口分岐がチャンバ3に接続され、かつ、2つの出口が、選択的におよびそれぞれが混合冷却ユニット8とおよび第1のディスペンスユニット7と連通するよう構成される)を備える。
【0031】
駆動制御ユニット12は、ポンプ20を起動し、弁(21、17)、冷凍装置(実質的に周知の種類なので図示せず)、撹拌機10、ボイラー2のヒータ、容器(16a、16b)からの原料の送り出しを調節する操作のうち、1つまたは複数の操作を実行する。
【0032】
なお、有利なことに、ユーザは、同じ装置1を使用して、高温の製品または前もって準備される高温の飲料の風味を有する低温の製品(アイスクリーム)を準備することができる。
【0033】
かくして、有利なことに、商店経営者は、単一の装置1を用いて、高温のおよび低温の双方の2つのまたはそれ以上の種類の製品を準備することができる。
【0034】
有利なことに、単一の装置1を用いて高温のおよび低温の双方の2つのまたはそれ以上の種類の製品を準備することができるという事実により、占められる店舗の床面積と装置自体を清掃および保守するために必要な時間とを低減することが可能である。
【0035】
なお、また、このように画定された装置1は、装置1がアイスクリーム様の製品を、すなわち、高温の飲料の風味を有するアイスクリームを高温の飲料から製造することが可能であるという点で特に革新的であり、かくして、簡単に推測されるように、装置1は、大いに評価される感覚受容性の特性を有する特に革新的な製品を製造することが可能である。
【0036】
なお、このような装置を用いれば、同じ装置によって製造される高温の飲料(コーヒー、カプチーノ、茶または抽出または浸出により製造される他の飲料)の風味を有する低温のアイスクリーム様の製品を迅速に製造することにより、全体の生成時間を大幅に低減可能にする。
【0037】
他の態様によれば、好ましくは、第1の加工チャンバ3は、高温の抽出飲料(コーヒー、カプチーノなど)を加工するための抽出チャンバである。
【0038】
他の態様によれば(
図3の実施形態)、装置1は、粒状の製品を粉砕するためのチャンバ13を備える。チャンバ13は、粒状の製品を収容するための貯蔵部13aおよび粒状の製品を粉砕しかつ粉末に変えるための粉砕部13bにより形成され、かつ、第1の加工チャンバ3に接続されて粉末に粉砕された製品を第1の加工チャンバ3に送り出すものである。
【0039】
粉砕チャンバ13によって、高温の飲料を(抽出または浸出により)得るために用いられる基本製品は、粒状の状態で装置に直接保存しかつ使用時において粉砕することができ、かくして、得られる最終製品の感覚受容性の質が向上する。
【0040】
図2に示す実施形態において、装置1は、カプセルまたはポッドを装填するためのユニット14を備える。ユニット14は、少なくとも1つのカプセルまたはポッドを収容するための台座部15を有し、かつ、カプセルまたはポッドの第1の加工チャンバ3内部での装填を可能にするよう構成されている。
【0041】
この実施形態によれば、高温の飲料は、カプセルまたはポッドに入れられる基本調製品(原料)から製造される。カプセルまたはポッドは、装填ユニット14によって装置内で使用されるために装填される。
【0042】
好ましくは、カプセルまたはポッドは、粉末を収容する。
【0043】
なお、第1実施形態において、カプセルまたはポッドは、フィルタ材料を備える。
【0044】
さらに、他の態様によれば、装置1は、(高温飲料様および/またはアイスクリーム様の製品用の)さらなる基本製品を供給するための複数の容器16a、16bを備える。容器16a、16bは、第1の加工チャンバ3および/または混合冷却ユニット8の加工容器9に接続することができる。
【0045】
さらなる基本製品は、たとえば、砂糖または牛乳を備えてもよい。
【0046】
さらに他の態様によれば、第1の加工チャンバ3の出口5を切り替えるための手段11は、少なくとも1つの弁17を備える。弁17は、起動されて配置を上述の第1の配置および第2の配置の間で切り替えることができる。
【0047】
好ましくは、弁17は、三方弁である。
【0048】
さらに他の態様によれば、装置1は、フィルタ18を備える。フィルタ18は、第1の加工チャンバ3に脱着可能に配置され、第1の加工チャンバ3から流出する製品を濾過する。
【0049】
また、装置1は、第2のディスペンサ23を備える。第2のディスペンサ23は、混合冷却ユニット8の容器9に接続されて混合冷却ユニット8の容器9内部において製造されるアイスクリームを外に送り出す。
【0050】
装置1がどのように用いられるかについて、以下において簡潔に説明する。本発明のさらなる幾つかの利点はこの説明から推測することができる。
【0051】
装置1により、商店経営者(ユーザ)は、高温飲料様の製品またはジェラートなどのアイスクリーム様の製品を製造することができる。
【0052】
高温飲料様の製品を製造するために、最初に、基本溶質が第1の加工チャンバ3内に(カプセルまたはポッドにより、または、粉砕チャンバ13の容器13aから基本溶質を引き出すことにより)入れられ、そして、(加熱ボイラー2において)前もって加熱された水が加工チャンバ3に送り出される。
【0053】
そのため、ポンプ20は、起動されてボイラー2から第1の加工チャンバ3に水を移送する。
【0054】
製造される(浸出または抽出)製品の種類によって、水は、抽出または浸出によって高温飲料様の製品を製造するために、所定の時間の間加工チャンバ3内において保持される。
【0055】
混合チャンバの出口5は、切替手段11(弁17)の配置によって、すなわち、ユーザによって設定される選択またはプログラムによって、第1のディスペンスユニット7または混合冷却ユニット8の容器9に選択的に接続される。
【0056】
ユーザが高温の飲料を分注することを必要とする場合、混合チャンバの出口5は、高温の飲料がディスペンスユニット7を介して(下方の提供容器またはカップに)送り出されるように第1のディスペンスユニット7に選択的に接続される。
【0057】
一方、製造される製品が高温の飲料に基づくアイスクリームである場合、混合チャンバの出口5は、混合冷却ユニット8の容器9に選択的に接続される。
【0058】
このように、高温の飲料は、混合冷却ユニット8の容器9に移送される。
【0059】
好ましくは、混合冷却ユニット8の容器9は、管22を経由して第1の加工チャンバ3に接続される。この管22を介して、製品が第1の加工チャンバ3から混合冷却ユニット8の容器9に移送される。
【0060】
同時に、基本アイスクリーム混合物(たとえば、牛乳および/または砂糖)を製造するのに必要な他の原料を混合冷却ユニット8の容器9に移送することができる。
【0061】
好ましくは、これらのさらなる原料は、装置内の容器16a、16bから引き出される。
【0062】
次に、駆動制御ユニット12は、冷凍装置を起動して容器9の壁を介して混合冷却ユニット8の容器9の中身を冷却し、かつ、同時に、撹拌機10を回転させる。
【0063】
冷却および同時に撹拌機10による混合物の撹拌を行うと、混合物が空気を取り込み、かつ、初めに用いられる基本飲料の風味を有するアイスクリームになる(たとえば、容器9に供給される高温飲料様の製品がコーヒーの場合、コーヒー風味のアイスクリームが得られる)。
【0064】
そして、かくして得られるアイスクリームは、第2のディスペンスユニット23を介して分注される。
【0065】
かくして、2つの別々の製品、つまり、高温の飲料と前もって製造される高温の飲料の風味を有するアイスクリーム製品とを製造することができることは明らかである。
【0066】
また、他の態様によれば、選択的に、高温飲料様のまたはアイスクリーム様の食品を製造するための方法が規定されている。
【0067】
この方法は、
−第1の加工チャンバ3を準備するステップと、
−粉末状のまたは葉の形状の基本製品を第1の加工チャンバ3に投入するステップと、
−水または水溶液を70℃超の温度で第1の加工チャンバ3に投入して、第1の加工チャンバ3内において、抽出または浸出により、高温飲料様の製品を製造するためのステップと、
−高温飲料様の製品を第1の加工チャンバ3から抽出するステップと、
−選択的に、高温飲料様の製品を分注し、または、以下のステップを実行するステップと、
−高温飲料様の製品を混合冷却ユニット8の加工容器9内部に入れるステップと、
−加工容器9内においてアイスクリーム製品用のさらなる基本製品を加えるステップと、
−(加工製品に空気を徐々に取り込ませることにより)アイスクリーム様の製品を製造するまで、加工容器9内において、高温飲料様の製品をさらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度での冷却を施すステップと、
−アイスクリーム様の製品を加工容器9から抽出するステップと、を備える。
【0068】
また、好ましくは、アイスクリーム様食品を製造するための方法が規定されている。
【0069】
この方法は、
−第1の加工チャンバ3を準備するステップと、
−粉末状のまたは葉の形状の基本製品を第1の加工チャンバ3に投入するステップと、
−水または水溶液を70℃超の温度で第1の加工チャンバ3に投入して、第1の加工チャンバ3内において、抽出または浸出により、高温飲料様の製品を製造するためのステップと、
−高温飲料様の製品を第1の加工チャンバ3から抽出するステップと、
−高温飲料様の製品を混合冷却ユニット8の加工容器9内部に入れるステップと、
−加工容器9内においてアイスクリーム製品用のさらなる基本製品を加えるステップと、
−(加工製品に空気を徐々に取り込ませることにより)アイスクリーム様の製品を製造するまで、加工容器9内において、高温飲料様の製品をさらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度での冷却を施すステップと、
−アイスクリーム様の製品を加工容器9から抽出するステップと、を備える。
【0070】
なお、有利なことに、この方法は、抽出または浸出により得られる高温の飲料からアイスクリーム様の製品を製造することを可能にする。
【0071】
好ましくは、他の態様によれば、水または水溶液を第1の加工チャンバ3に投入するステップは、所定の分量の水または所定の水溶液を500kPa超の圧力で投入するステップを備える。
【0072】
他の態様によれば、水または水溶液が第1の加工チャンバ3内にとどまる時間は、30秒未満である。
【0073】
さらに他の態様によれば、高温飲料様の製品をさらなる基本製品と共に同時に撹拌および0℃未満の温度で冷却を施すステップは、高温飲料様の製品をさらなる基本製品と共に−5℃から−15℃の間の温度で冷却するステップを備える。
【0074】
さらなる態様によれば、この方法は、粉砕チャンバ13を準備するステップと、粉末状のまたは葉の形状の基本製品を第1の加工チャンバ3に投入するステップと、を備える。
【0075】
他の態様によれば、粉末状のまたは葉の形状の基本製品を第1の加工チャンバ3に投入するステップは、粉末状のまたは葉の形状の基本製品を収容するカプセルまたはポッドを準備するステップと、カプセルまたはポッドを第1の加工チャンバ3に投入するステップと、を備える。
【0076】
なお、また、高温の飲料から製造される新規の種類のアイスクリーム製品は、本発明によって規定されており、製品は、周知の種類のアイスクリームが所有しない感覚受容性の特性を特徴とする。
【0077】
高温の飲料は、アイスクリーム製品に、特定の分子の構造体を与える。この構造体は、周知の種類のアイスクリームの構造体とは異なる。この点で、ユーザにとって特段の魅力を有する独特な感覚受容性の特性を所有する製品が形成される。