特許第6844983号(P6844983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6844983建設機械の用途別アタッチメントに付設する雑草抜根ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6844983
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】建設機械の用途別アタッチメントに付設する雑草抜根ユニット
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/02 20060101AFI20210308BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   A01M21/02
   E02F3/36 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-203381(P2016-203381)
(22)【出願日】2016年10月17日
(65)【公開番号】特開2018-64465(P2018-64465A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】516311098
【氏名又は名称】今村 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】今村 智弘
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−279702(JP,A)
【文献】 特開2015−080468(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0157411(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 21/02
E02F 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の用途別アタッチメントに付設するユニットであって、
前記用途別アタッチメントに固定する挟持体アタッチメントと、
前記挟持体アタッチメントに固定する長尺かつ1対の雑草挟持体と、
を備え、
前記雑草挟持体が、弾性体である雑草接触部と、前記雑草接触部に重ねて固着する積層台部と、で構成する雑草抜根ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、雑草を根部分から引き抜いて取り除く作業に適した雑草抜根ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
雑草の取り除き作業を人の手のみで行うと多大な労力を要する。
【0003】
草刈り機を使用して行うと労力は軽減するが、雑草の根部分が残ってしまうため一定期間でまた雑草が成長し元の状態に戻ってしまう。
【0004】
従来より、建設機械のアーム端所に用途に合わせた用途別アタッチメント(バケットやフォークグラブ等)を装着して利用がなされている(例えば、特許文献1)が、雑草の取り除き作業に適した用途別アタッチメントは存在しない。
【0005】
また、用途別アタッチメントの一部をさらに取り換え可能にしたものも存在する(例えば、特許文献2)が、雑草の取り除き作業に適したものについては記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−193504号公報
【特許文献2】特開2012−102555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、雑草の取り除き作業において、長期間あるいは恒久的に雑草を取り除く作業に適し人の労力を軽減するユニット及び装置は存在しない。
【0008】
そこで、長期間あるいは恒久的に雑草を取り除く作業に適し人の労力を軽減するユニットを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
願発明は、上述の課題を解決するために、建設機械の用途別アタッチメントに付設するユニットであって、前記用途別アタッチメントに固定する挟持体アタッチメントと、前記挟持体アタッチメントに固定する長尺かつ1対の雑草挟持体と、を備え、前記雑草挟持体が、弾性体である雑草接触部と、前記雑草接触部に重ねて固着する積層台部と、で構成する雑草抜根ユニットを提供する。
【0010】
また、本願発明は、上述の課題を解決するために、建設機械の用途別アタッチメントに付設するユニットであって、前記用途別アタッチメントに固定する挟持体アタッチメントと、前記挟持体アタッチメントに固定する長尺かつ1対の雑草挟持体と、で構成し、少なくとも前記雑草挟持体として、弾性体である雑草接触部を備え、前記雑草挟持体が、直方体形状である雑草抜根ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の雑草抜根ユニットは、建設機械に付設可能な長尺、かつ、少なくともその一部を弾性体で構成する1対の雑草挟持体を備えるため、複数種類かつ複数の雑草を同時に挟持し、そして根部分を含めて抜くことができる。また、建設機械の操作により雑草の取り除き作業が行なえるため、人の労力も大幅に軽減される。また、前記雑草挟持体が弾性体である雑草接触部と、前記雑草接触部に重ねて固着する積層台部とで構成するため、保守性に優れる。また、強度にも優れる。
【0012】
本願発明の雑草抜根ユニットは、雑草挟持体が直方体形状であるため、加工及び製造も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施例1の雑草抜根ユニットの構成を示す図である。
図2図2は、雑草抜根ユニットをフォークグラブの刃先内側部分に付設した状態を示す使用形態イメージ図である。
図3図3は、雑草取り除き作業時の様子を示した使用状態イメージ図である。
図4図4は、実施例2の雑草抜根ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
複数種類の雑草が生い茂った場所で、長期間あるいは恒久的に雑草を取り除く作業を行う際に使用する。
【実施例1】
【0015】
まずは、雑草抜根ユニットの構成について、図1及び図2に従い説明する。
【0016】
雑草抜根ユニット(1)は、所定の長尺体を2本1対にした雑草挟持体(10)と、前記雑草挟持体の外側面に沿ったL字形状の挟持体アタッチメント(20)と、で構成する(図1)。
【0017】
前記雑草挟持体(10)は、複数の雑草を同時に挟持するため、水平方向に長尺であることを要する(図1)。
【0018】
前記雑草挟持体(10)は、雑草を取り除く作業を行う際に、雑草と接触する側あるいは雑草を挟持する側である雑草接触部(11)と、前記雑草接触部と重ねて接着した積層台部(12)と、で構成する(図1)。
【0019】
前記雑草接触部(11)は、茎の太さや根の張り方が異なる複数種類の雑草を同時に挟持するため、弾性体であることを要する(図1)。
【0020】
前記雑草接触部(11)の形状及び材質について、長尺の板状ゴムを使用している。
【0021】
前記雑草接触部(11)の水平方向長さ(L1)について、複数の雑草を同時に挟持できる程度の長さであれば良い(図1)。
【0022】
前記雑草接触部(11)の垂直方向高さ(L2)について、複数の雑草を同時に挟持できる程度の高(幅)さであれば良いが、雑草の取り除き作業時であって建設機械の用途別アタッチメントを閉じた際にその圧力で雑草が切断されない程度の高さ(幅)であることを要する(図1)。
【0023】
前記積層台部(12)の形状及び材質について、直方体の木材を使用している。
【0024】
前記積層台部(12)の水平方向長さ及び垂直方向高さについて、前記雑草接触部(11)の水平方向長さ及び垂直方向高さと同一としているが、前記雑草接触部が固定できれば良い(図1)。
【0025】
前記雑草接触部(11)と前記積層台部(12)との固定は、境界部に接着剤を塗布して接着により固定している。これは、金属製のネジや金属製のボルトなどの固定部材で固定をすると当該固定部材に弾力がないため、当該固定部材箇所で挟持された雑草が切断されてしまう可能性があることに配慮したものである。
【0026】
前記挟持体アタッチメント(20)は、前記雑草挟持体(10)を建設機械の用途別アタッチメントに固定するための部材である。
【0027】
前記挟持体アタッチメント(20)の形状について、前記雑草挟持体(10)の外側面に沿ったL字形状としているが、前記雑草挟持体が固定できればその他の形状も許容し得る。例えば、前記雑草挟持体(10)の外側面に沿ったコ字形状などである(図示せず)。
【0028】
当該雑草挟抜根ユニット(1)の固定位置について、建設機械(30)の用途別アタッチメントの内側先端近傍で雑草が挟持できれば許容し得るが、前記用途別アタッチメントの内側最先端に固定するのが好ましい(図2)。
【0029】
前記挟持体アタッチメント(20)と建設機械(30)の用途別アタッチメントとの固定方法について、本実施例では溶接により固定しているが、好ましくは、取り付け及び取り外しが容易な構造である。さらに好ましくは、着脱自在な構造である。
【0030】
次に、雑草の取り除き作業を行っている際の作動イメージについて、図3に従い説明する。
【0031】
建築機械(30)の用途別アタッチメントを、雑草(40)が生い茂っている地表近傍位置で閉操作する。
【0032】
前記操作により、前記建設機械の用途別アタッチメントの内側に付設した雑草抜根ユニット(1)が複数種類かつ複数の雑草(40)を同時に挟持する。
【0033】
前記建設機械(30)のアームを引き上げ操作することにより、前記雑草抜根ユニットに挟持された雑草(40)は、すべて根部分から抜ける。
【0034】
前述したように、当該雑草抜根ユニットの挟持及び引き上げが、建設機械(30)により行われるため、人の手では抜き難いあるいは抜けない雑草(茎に棘がある、茎が滑る、根が張っている等)であっても根部分から抜くことができる。
【0035】
また、当該雑草抜根ユニット(1)が水平方向に長尺であるため、大量の雑草を同時に抜くことができ、労力が大幅に軽減される。
【実施例2】
【0036】
実施例2は雑草挟持体の構造が異なる雑草抜根ユニットである。その構成について、実施例1と異なる部分のみを図4に従い説明する。
【0037】
雑草抜根ユニット(1)は、所定の長尺体を2本1対にした雑草挟持体(10)と、L字形状の挟持体アタッチメント(20)とからなり、前記雑草挟持体は、弾性体である雑草接触部(11)のみで構成する。
【0038】
前記雑草接触部(11)の形状及び材質について、直方体のゴムを使用している。
【0039】
前記雑草接触部(11)の水平方向長さについて、複数の雑草を同時に挟持できる程度の長さであれば良い。
【0040】
前記雑草接触部(11)の垂直方向高さについて、複数の雑草を同時に挟持できる程度の高(幅)さであれば良いが、雑草の取り除き作業時であって建設機械の用途別アタッチメントを閉じた際にその圧力で雑草が切断されない程度の高さ(幅)であることを要する。
【0041】
その他の構成については、実施例1と同様であるため省略する。
【0042】
また、雑草の取り除き作業をしているときの作動についても実施例1と同様であるため省略する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本願発明は、雑草の取り除き作業に優れた雑草抜根ユニットであるので産業上の利用性可能性を有する。
【符号の説明】
【0044】
1 雑草抜根ユニット
10 雑草挟持体
11 雑草接触部
12 積層台部
20 挟持体アタッチメント
30 建設機械
40 雑草
L1 雑草接触部の水平方向長さ
L2 雑草接触部の垂直方向高さ
図1
図2
図3
図4