(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば多孔質基材の表面に多孔質膜を設けて、液体中にマイクロバブルやナノバブルを発生させる場合には、十分な検討がなされていないのが現状である。
例えば、多孔質基材に高い圧力で空気を供給してマイクロバブルやナノバブルを発生させる場合には、多孔質膜が使用中に剥がれる等の問題が発生することなどが考えられ、マイクロバブルやナノバブルを安定して発生させることは容易ではない。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マイクロバブルやナノバブルを安定して発生させることができる気泡発生部材及び気泡発生装置並びに気泡発生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1局面は、多孔質基材と、多孔質基材の内側及び外側の少なくとも一方に、多孔質基材より微細な細孔を有する1又は複数の多孔質膜と、を備えた構造体を有し、構造体の多孔質基材側から多孔質膜側に気体を供給して、液体中にマイクロバブル及びナノバブルの少なくとも一方の大きさの気泡を発生させる気泡発生部材に関するものである。
【0007】
この気泡発生部材は、構造体の最表面の多孔質膜の平均細孔径が0.3nm〜1μmであり、且つ、多孔質膜の厚みが50μm以下である。
本第1局面では、気泡発生部材の構造体の最表面の多孔質膜の平均細孔径が0.3nm〜1μmであり、且つ、多孔質膜の厚みが50μm以下であるので、液体中にマイクロバブルやナノバブルのような微細の気泡を容易に発生させること(即ち供給すること)ができる。
【0008】
特に、多孔質膜の厚みが50μm以下と薄いので、多孔質膜は多孔質基材側に凹凸に沿って密着している。そのため、多孔質基材側から多孔質膜に圧力を加えて気体を供給したり、長期間に渡って気体を供給しても、多孔質膜が剥離しにくく、よって、安定して微細な気泡を供給できるという効果を奏する。
【0009】
なお、多孔質膜の厚みとしては、3000nm(即ち3μm)以上を採用できる。
(2)本発明の第2局面では、構造体の最表面の多孔質膜の平均細孔径が0.3nm〜5nmであり、且つ、多孔質膜の厚みが5μm以下である。
【0010】
本第2局面では、構造体の最表面の多孔質膜の平均細孔径が0.3nm〜5nmであるので、例えば洗浄・殺菌作用を有するとされているナノバブル等を効率良く発生させることができる。
【0011】
(3)本発明の第3局面では、多孔質基材と最表面の多孔質膜との間に、多孔質基材と最表面の多孔質膜との間の平均細孔径を有する多孔質の中間膜を備えるとともに、中間膜の平均細孔径が4nm〜0.5μmであり、且つ、中間膜の厚みが4μm〜300μmである。
【0012】
本第3局面では、上述した構成の中間膜は、例えば多孔質基材の平均細孔径と最表面の多孔質膜との平均細孔径との差が大きすぎる場合には、その間においてバッファーの役目を有しており、多孔質基材の細孔内に多孔質膜の成分が侵入するのを抑制することができる。
【0013】
(4)本発明の第4局面では、多孔質基材の平均細孔径が0.5μm〜500μmである。
本第4局面は、多孔質基材の平均細孔径が0.5μm〜500μmであるので、気体が流れ易いという効果がある。
【0014】
(5)本発明の第5局面では、多孔質基材の平均細孔径が0.5μm〜50μmである。
本第5局面では、多孔質基材の平均細孔径が0.5μm〜50μm(より好ましくは0.5μm〜5μm)であるので、強度が大きいという効果がある。
【0015】
(6)本発明の第6局面では、構造体の最表面の多孔質膜は、分子篩効果を有する膜又はナノ孔を有する多孔質膜である。
本第6局面は、最表面の多孔質膜に形成された細孔を例示している。なお、ナノ孔のサイズとしては、0.3nm〜5nmの大きさが挙げられる。
【0016】
(7)本発明の第7局面では、構造体の最表面の多孔質膜は、陽極酸化金属膜、ゼオライト膜、カーボン膜、又はγ−アルミナ膜である。
本第7局面は、最表面の多孔質膜を例示している。
【0017】
ここで、ゼオライト膜とは、全体がゼオライトで構成されるかゼオライトを主成分(最大の成分)とする膜である。同様に、カーボン膜とは、全体がカーボンで構成されるかカーボンを主成分とする膜である。同様に、γ−アルミナ膜とは、全体がγ−アルミナで構成されるかγ−アルミナを主成分とする膜である。
【0018】
また、γ−アルミナ膜の平均細孔径としては約4nm、カーボン膜の平均細孔径としては約0.4nm、シリカ膜(ゼオライト膜)の平均細孔径としては約0.56〜0.54nmが挙げられる。
【0019】
なお、陽極酸化金属膜とは、例えばアルミニウムやシリコン等を陽極酸化して形成した細孔を有する膜である。また、これ以外に、SPG(シラスポーラスガラス)からなる多孔質膜を採用できる。
【0020】
(8)本発明の第8局面では、多孔質基材及び多孔質膜のうち、少なくとも多孔質基材はセラミックス製である。
本第8局面は、多孔質基材及び多孔質膜の材料を例示している。セラミックス製の部材の場合には、圧力等の応力に強く、変形・劣化しにくいので好適である。
【0021】
ここで、セラミックス製の多孔質基材とは、全体が例えばアルミナ等のセラミックスで構成されるかセラミックスを主成分(最大の成分)とするものである。
(9)本発明の第9局面は、第1〜第8局面のいずれかに記載の1又は複数の気泡発生部材と、気泡発生部材を液中に保持する構成と、気泡発生部材の多孔質基材側に気体を供給する構成と、を備えた気泡発生装置である。
【0022】
この気泡発生装置により、液体中にマイクロバブルやナノバブルのような微細の気泡)を容易に発生させること(即ち供給すること)ができる。
また、気泡発生部材は、多孔質基材側から多孔質膜に圧力を加えて気体を供給したり、長期間に渡って気体を供給しても、多孔質膜が剥離しにくいので、この気泡発生装置によって、安定して微細な気泡を供給できるという効果を奏する。
【0023】
(10)本発明の第10局面では、気体を供給側と気泡を発生させる側との間に、圧力差を発生させる機能を有する。
このように、圧力差を発生させることにより(つまり、高い圧力で気体を供給することにより)、微差な気泡を効率良く発生させることができる。
【0024】
(11)本発明の第11局面では、最表面の多孔質膜に、液流又は振動を付与する機能を有する。
このように、最表面の多孔質膜に液流又は振動を付与することにより、微細な気泡を効率良く発生させることができる。
【0025】
(12)本発明の第12局面は、第1〜第8局面のいずれかに記載の気泡発生部材を用い、構造体の多孔質基材側から多孔質膜側に気体を供給して、液体中にマイクロバブル及びナノバブルの少なくとも一方の大きさの気泡を発生させる気泡発生方法である。
【0026】
この気泡発生方法により、液体中にマイクロバブルやナノバブルのような微細の気泡を容易に発生させること(即ち供給すること)ができる。
この気泡発生方法では、使用する気泡発生部材に多孔質基材側から多孔質膜に圧力を加えて気体を供給したり、長期間に渡って気体を供給しても、多孔質膜が剥離しにくいので、この気泡発生方法によって、安定して微細な気泡を供給できるという効果を奏する。
【0027】
<以下に、本発明の各構成について説明する>
・マイクロバブルとは、気泡の直径がマイクロナノバブル、ナノバブルより大きく、10μm以下のものである。
【0028】
・マイクロナノバブルとは、気泡の直径が数百nm以上10μm以下のものである。
・ナノバブルとは、気泡の直径が数百nm以下(例えば1000nm以下)のものである。
【0029】
・平均細孔径を求める方法としては、1nm以下の細孔については、物理吸着の影響が小さくなる温度域で分子径の異なるガスの透過率を測定して、各透過率を有効分子サイズに対してプロットする方法(NKP法;NormalizedKnudsen-basedPermeance法)が挙げられる。
【0030】
また、1nm以上の細孔を有する場合には、ナノパームポロメトリー法やバブルポイント法で算出することができる。
さらに、数十nm程度以上の細孔を有する場合には、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察により算出することができる。
【0031】
・各膜の厚みは、気泡発生部材を厚み方向に破断し、SEM画像等による画像解析から求めることができる。なお、本開示では、厚みの値としては、例えば5点を測定した平均値を用いることができる。
【0032】
・気泡発生部材の形状としては、筒状、U字型筒、平板型などが挙げられるが、気泡を発生できる限りは、形状には特に制限はない。また、各種の形状の気泡発生部材において、最表面の多孔質膜は、多孔質基材のどちら側に設けてもよい。
【0033】
・多孔質基材の表面に形成する多孔質膜としては、例えば1又は2層が挙げられるが(例えば中間膜と最表面の多孔質膜)、それ以上であってもよい。
・気体としては、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガスなど、細孔を通過可能であって、液体中にマイクロバブルやナノバブルなどの微細な気泡が発生するものであれば、特に限定はない。
【0034】
・液体としては、純水、塩化ナトリウム水溶液、界面活性剤添加水溶液、エタノールなどが挙げられるが、マイクロバブルやナノバブルなどの微細な気泡が発生するものであれば、特に限定はない。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明の気泡発生部材及び気泡発生装置並び気泡発生方法の実施形態について説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.気泡発生部材の構成]
まず、第1実施形態の気泡発生部材について説明する。
【0037】
図1に示すように、第1実施形態の気泡発生部材は、マイクロバブルやナノバブルを発生させる多孔質の構造体である気泡発生管3と、気泡発生管3の先端側(
図1の右側)を閉塞する先端部材5と、気泡発生管3の後端側(
図1の左側)に取り付けられた後端部材7とを備えている。
【0038】
詳しくは、
図2に示すように、先端部材5は、気泡発生管3に外嵌するキャップ状の金属製の第1加締ナット11と、第1加締ナット11に螺合する金属製の第1ボルト13と、第1加締ナット11と第1ボルト13との間に配置された樹脂製の第1aフェルール15及び第1bフェルール17と、を備えている。
【0039】
このうち、第1加締ナット11は、板状部分11aと板状部分11bの外周部分から軸方向(
図2の左右方向)に伸びる外周部材11bとからなる。第1ボルト13は、後端側に凹部13aを備えるとともに先端側が閉塞されている。第1aフェルール15は円環状であり、第1bフェルール17は円筒で外周側がテーパ形状である。
【0040】
従って、第1加締ナット11と第1ボルト13とを螺合させることにより、第1aフェルール15及び第1bフェルール17が押圧されて、気泡発生管3と第1加締ナット11や第1ボルト13(従って先端部材5)との隙間が閉塞される。これによって、気泡発生管3の先端側から(マイクロバブルやナノバブルでない)空気等の気体が、水等の液体側に漏れないようになっている。
【0041】
一方、後端部材7は、気泡発生管3に外嵌するキャップ状の金属製の第2加締ナット21と、第2加締ナット21に螺合する金属製の第2ボルト23と、第2加締ナット21と第2ボルト23との間に配置された(先端部材5と同様な)樹脂製の第1bフェルール25及び第1bフェルール27と、を備えている。
【0042】
このうち、第2加締ナット21は、板状部分21aと板状部分21bの外周部分から軸方向に伸びる外周部材21bとからなる。第2ボルト23は、先端側に凹部23aを備えるとともに後端側に通気管23bが設けられ、凹部23aと通気管23bとは貫通孔23cにより連通している。
【0043】
従って、第2加締ナット21と第2ボルト23とを螺合させることにより、第2aフェルール25及び第2bフェルール27が押圧されて、気泡発生管3と第2加締ナット21や第2ボルト23(従って後端部材7)との隙間が閉塞される。これによって、気泡発生管3の後端側から(マイクロバブルやナノバブルでない)空気等の気体が、水等の液体側に漏れないようになっている。
【0044】
なお、第2ボルト23には、軸方向に貫通する貫通孔23cが形成されているので、通気管23bの後端側から例えば空気を供給することによって、気泡発生管3の軸方向に貫通する中心孔29に空気を供給することができる。
【0045】
次に、気泡発生管3の構成について説明する。
気泡発生管3は、例えば外径φ5mm×厚み1mm×長さ50mmの円筒形状の管である。
【0046】
この気泡発生管3は、軸中心側より、円筒形状の多孔質基材31、円筒形状の多孔質膜(即ち中間膜)33、円筒形状の最表面の多孔質膜(例えばカーボン膜)35が順に積層されたものである。なお、気泡発生管3の構成は、これに限定される訳ではなく、後述する実施例に示されるように各種の構成を採用できる。
【0047】
このうち、多孔質基材31は、例えばセラミック製(例えばアルミナ製)であり、その平均細孔径は0.5μm〜500μmの範囲である。なお、多孔質基材31の平均細孔径が0.5μm〜50μmであるとより好ましい。
【0048】
中間膜33、例えばセラミック製(例えばアルミナ製)の中間膜33であり、その平均細孔径は4nm〜0.5μmの範囲である。また、この中間膜33の厚みは、4μm〜300μmの範囲である。
【0049】
なお、中間膜33を、内側の第1多孔質膜及び外側の第2多孔質膜の2層で構成してもよい(図示せず)。この場合、第1多孔質膜と第2多孔質膜との平均細孔径は同じでもよいが、外側(第2多孔質膜)は、内側(第2多孔質膜)より平均細孔径が小さいことが望ましい。
【0050】
最表面の多孔質膜35は、多数のナノ孔を有する薄膜(例えばカーボン膜)である。この最表面の多孔質膜35は、平均細孔径が0.3nm〜1μmであり、その厚みは3μm〜50μmである。なお、最表面の多孔質膜35の平均細孔径が0.3nm〜5nmであると、より好ましい。
【0051】
なお、各構成の平均細孔径の大小については、多孔質基材31>中間膜33>最表面の多孔質膜(例えばカーボン膜)35の関係がある。
なお、気泡発生管3の軸方向における長さとしては例えば83mm、気泡発生管3のうち先端部材5と後端部材7との挟まれた露出部分の長さとしては例えば25mmを採用できるが、適宜変更してもよい。
【0052】
例えば最表面の多孔質膜35がセラミック製の多孔質膜である場合には、気泡発生管3の軸方向における長さとしては例えば75mm、気泡発生管3の露出部分の長さとしては例えば17mm採用できる。
[1−2.気泡発生装置の構成]
次に、第1実施形態の気泡発生装置について説明する。
【0053】
図4に示すように、気泡発生装置41は、水等の液体(L)を収容する容器43と、容器43内に収容された液体中に、気泡発生管3が浸かるように配置された気泡発生部材1と、容器43内に配置されたポンプ45とを備えている。
【0054】
また、容器43外には、空気等の気体(ガス:G)が充填されたボンベ(又はコンプレッサ)47が配置され、このボンベ47から、気泡発生部材1の後端部材7の通気管23bに気体が供給されるようになっている。
【0055】
さらに、容器43外には、ポンプ45を駆動する電源49が配置され、このポンプ45によって、水流(液流)が気泡発生部材1の気泡発生管3に当たるように送られる。なお、この液流を当てる構成は省略してもよい。或いは、モータ等によって、気泡発生部材1を振動させてもよい。
【0056】
そして、気泡発生装置41によって、マイクロバブルやナノバブルのような微細な気泡(K)を発生させる場合には、ボンベ47から気泡発生部材1の気泡発生管3の中心孔29に気体を供給する。このとき、ポンプ45によって、液流を気泡発生管3に当てるようにする。
【0057】
気体は、気泡発生管3において、多孔質基材31、中間膜33、最表面の多孔質膜(カーボン膜)35を透過し、それによって液中に微細な気泡が発生する。
なお、どのような大きさの気泡が発生するかは、主として、最表面の多孔質膜35の細孔の大きさ(即ち平均細孔径)によるので、細孔の大きさを調整することによって、マイクロバブルやナノバブルを発生させることが可能である。
[1−3.効果]
次に、第1実施形態の効果を説明する。
【0058】
(1)第1実施形態では、気泡発生部材1の最表面の多孔質膜35の平均細孔径が0.3nm〜1μmであり、且つ、その多孔質膜35の厚みが50μm以下であるので、液体中にマイクロバブルやナノバブルのような微細の気泡を容易に発生させることができる。
【0059】
特に、最表面の多孔質膜35の厚みが50μm以下と薄いので、その多孔質膜35は多孔質基材31側の表面の開口による凹凸に沿って密着している。そのため、多孔質基材31側から多孔質膜35に圧力を加えて気体を供給したり、長期間に渡って気体を供給しても、多孔質膜35が剥離しにくく、よって、安定して微細な気泡を供給できるという効果を奏する。
【0060】
(2)第1実施形態では、多孔質基材31と最表面の多孔質膜35との間に中間膜33を備えているので、多孔質基材31と最表面の多孔質膜35との間においてバッファーの役目を有し、多孔質基材31の細孔内に多孔質膜35の成分が侵入するのを抑制できる。
【0061】
(3)第1実施形態では、気泡の発生量が多く、最大の発生量で例えば約1690億個/mlのナノバブルの発生が可能である。
(4)第1実施形態では、ほぼ均一な細孔から気泡を発生させることで、単分散のナノバブルの生成が可能である。
【0062】
(5)また、使用する気泡発生部材1の数量を増加させたり、気泡発生管3の外側の表面積を大きくすることにより、細孔の数を多くすることができるので、多くのナノバブルを短時間で発生させることができる。
【0063】
(6)なお、水以外の液体に対しても、ナノバブル等を添加することができる。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡略化する。
【0064】
図5に示すように、本第2実施形態の気泡発生部材51は、第1実施形態と同様な気泡発生管53の軸方向の両端に、第1実施形態と同様な後端部材55、57を取り付けたものである。
【0065】
この気泡発生部材51では、一方の後端部材55から気泡発生管53に気体(G)を供給し、他方の後端部材55から残余の気体を排出する。
なお、気泡を発生させる液体は、気泡発生部材51の周囲を囲む容器59内に供給され、両後端部材55、57は、容器59内に配置される。
【0066】
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡略化する。
【0067】
図6に示すように、本第3実施形態の気泡発生部材61は、先端側(
図3の下方)が閉塞された試験管形状の気泡発生管63と、気泡発生管53の後端側の開口部に取り付けられた(第1実施形態と同様な)後端部材65とを備えたものである。
【0068】
この気泡発生部材61では、後端部材65から気泡発生管63に気体(G)を供給することにより、気泡発生管63の外側の液中に気泡を供給することができる。
本第3実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
[4.実施例]
次に、具体的な各実施例について説明する。
【0069】
<実施例1>
実施例1では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。
【0070】
実施例1では、外径12mm×内径9mm×長さ110mm、平均細孔径が3μm、気孔率40%のアルミナ製の多孔質基材を用いた。
また、多孔質基材の表面に、平均細孔径150nm、厚み180nmのアルミナ製の中間膜を形成した。詳しくは、多孔質基材を、アルミナ粒子が分散したスラリー中に漬けた後に取り出し、乾燥した後に1200℃で焼成して中間膜を形成した。
【0071】
なお、アルミナ粒子の大きさ(平均粒径)を操作することにより、多孔質基材や中間膜の孔の大きさ、すなわち平均細孔径を操作することができる。
さらに、中間膜の表面に、最表面の多孔質膜として、γ−アルミナ膜(平均細孔径:約4nm、濡れ角度:15°、露出部分の長さ:25mm)を形成した。
【0072】
詳しくは、蒸留水を加熱、撹拌しアルミニウムアルコキシド(ALTSB)を加えて加水分解を行ない、塩酸を加えてγ−アルミナゾルを調整した。このゾル液にPVA溶液を加えて濃度を調整した。このゾル液中に中間膜を備えた多孔質基材を浸漬し、外側表面に膜を形成した。乾燥後に500℃で焼成してγ−アルミナ膜(最表面の多孔質膜)を得た。
【0073】
なお、焼成条件(温度、時間)を調整することによりγ−アルミナ膜の平均細孔径を操作することができる。
そして、上述した気泡発生部材を水中に配置した気泡発生装置を用いて、ヘリウムガスを供給(即ち印加)し、徐々に昇圧した所、0.7MPaで肉眼で確認可能なマイクロバブルの発生を確認した。但し、ポンプは使用しなかった。
【0074】
なお、水はマグネティックスターラーで1000RPMで撹拌しているものの、気泡発生管から気泡の剥離は見られなかった。
また、スポイトで水流を与えて気泡が成長する前に剥離するようにした所、1時間ほどで水は透明な状態からレーザー光の散乱現象が確認された状態となった。これはナノバブルにみられる特徴である。
【0075】
なお、散乱を確認するために、水に照射するレーザー光としては、最大1mW、波長532nm、クラス2 レーザーを用いた(以下同様)。
<実施例2>
実施例2では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0076】
実施例2では、外径6mm×内径4mm×長さ50mm、平均細孔径が3μm、気孔率40%のアルミナ製の多孔質基材を用いた。
中間膜としては、平均細孔径150nm、厚み184nmのアルミナ製の中間膜を形成した。なお、中間膜としては、更に例えば厚み180nmの膜の表面に厚み4nmの膜を形成して2重構造としてもよい。
【0077】
最表面の多孔質膜としては、カーボン膜(平均細孔径:約0.4nm、濡れ角度:80°、露出部分の長さ:25mm)を形成した。
詳しくは、木タールをTHF溶媒で0.1%に希釈したカーボン膜前駆体溶液中に、中間膜を備えた多孔質基材を浸漬し、その後80℃で乾燥処理を行ない中間膜の表面に樹脂のコート層を形成した。また、再度、同様な前駆体のコート操作を行なった。2度のコート操作を終えた後にN
2気流下、700℃、2時間炭化処理を行ないカーボン膜を得た。
【0078】
なお、炭化温度の変更又はカーボン膜の前駆体種(樹脂の種類)を変更することにより、カーボン膜の多孔組織、ひいては平均細孔径を操作することが可能である。
そして、上述した気泡発生部材を水中に配置した気泡発生装置を用いて、ヘリウムガスを印加し、徐々に昇圧した所、0.5MPaで肉眼で確認可能なマイクロバブルの発生を確認した。但し、ポンプは使用しなかった。
【0079】
なお、水はマグネティックスターラーで1000RPMで撹拌しているものの、気泡発生管から気泡の剥離は見られなかった。
また、スポイトで水流を与えて気泡が成長する前に剥離するようにした所、1時間ほどで水は透明な状態であるが、レーザー光の散乱現象が確認された状態となった。これはナノバブルにみられる特徴である。
【0080】
<実施例3>
実施例3では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0081】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、水に界面活性剤を数滴添加して同様の操作を行った所、0.35MPaで肉眼で確認可能なマイクロバブルの発生を確認した。
【0082】
また、水をマグネティックスターラーで1000RPMで撹拌したところ、気泡発生管から気泡は容易に剥離することが確認された。さらに、1時間撹拌後、レーザー光で確認した所、光の散乱現象が確認できた。
【0083】
<実施例4>
実施例4では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0084】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、純水に塩化ナトリウムを溶解させて10mMに調整した溶液1Lに酸素ガスを印加した。なお、本実施例4では、溶液に気泡発生部材を浸漬後に酸素ガスを流した。
【0085】
また、ポンプを用い、200L/h(流速:0.52m/s)の水流をカーボン膜に当て、酸素ガスの印加圧(供給する圧力)を下記表1に示すように変更して、1時間印加した後に、同様にレーザー光で確認した所、光の散乱現象が確認できた。
【0086】
そして、下記表1に示すように酸素ガスを供給する圧力を変更して作成した溶液(試料No.1-1〜1-3)を、NanoSightLM10V−HS/Malvern社(CMOSカメラ、紫色レーザー(波長405nm、<60mW))にて分析した所、下記表1の結果が得られた。
【0088】
この表1において、圧力とは酸素ガスの供給圧力を示し、散乱「○」とはレーザー光を照射した場合に散乱が見られたこと(即ちナノバブルが発生していること)を示している。Meanは平均値であり、Modeは最頻値である。D10、D50、D90は、それぞれ気泡を小さいものから数えた場合に、気泡の数が10%、50%、90%における気泡の大きさを示している。(以下同様)
なお、
図7は試料No.1-1の結果を示し、
図8は試料No.1-2の結果を示し、
図9は試料No.1-3の結果を示す。なお、各図において、横軸は発生した気泡の大きさ(径)であり、縦軸は1ml当たりの検出された粒子(気泡)数量(気泡数/ml)である。また、各図において、グラフが上下の幅を有しているのは、測定誤差を示しており、その測定誤差の領域内にて示す実線(白線)が、測定値(5個のサンプル)の平均を示している。(以下同様)
この表1及び
図7〜
図9から明らかなように、実施例4では、粒の揃った微細な気泡が得られることが分かる。
【0089】
<実施例5>
実施例5では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0090】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、純水に塩化ナトリウム10mM、ラウリル硫酸トリエタノールアミン2mMを加えて調整した溶液1Lに酸素ガスを0.7MPaで印加した。
【0091】
また、ポンプを用い、200L/h(流速:0.52m/s)の水流をカーボン膜に当て、酸素ガスを7時間印加し、同様にレーザー光で確認した所、光の散乱現象が確認できた。
【0092】
そして、酸素ガスの供給によって作成した溶液を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した所、下記表2及び
図10の結果が得られた。なお、
図10は表2の試料No.2-1の分析結果を示している。
【0094】
この表2及び
図10から明らかなように、実施例5では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
また、下記表3では、試料No.2-1について、酸素ガスの印加圧力及び光の散乱現象と、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーの分析結果を示す。なお、
図11は表3の試料No.2-1の分析結果を示している。
【0096】
この表3及び
図11から明らかなように、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
なお、この表3において、前記CMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した結果が、前記表2と異なるのは、径時変化による差異である。
【0097】
<実施例6>
実施例6では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0098】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、純水に塩化ナトリウム塩化ナトリウムを溶解させて10mMに調整した溶液1Lに、水素ガスを0.7MPaで印加した。
【0099】
また、ポンプを用い、200L/h(流速:0.52m/s)の水流をカーボン膜に当て、水素ガスを5時間印加し、同様にレーザー光で確認した所、光の散乱現象が確認できた。
【0100】
また、水素濃度を確認する為、メチレンブルー試薬を用い滴定した所、0.4ppmの水素濃度であった。
そして、水素ガスに供給によって作成した溶液を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した所、下記表4及び
図12の分析結果が得られた。
【0102】
この表4及び
図12から明らかなように、実施例6では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例7>
実施例7では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0103】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、純水に塩化ナトリウム塩化ナトリウムを溶解させて10mMに調整した溶液1Lに、酸素ガスを0.5MPaで印加した。
【0104】
また、ポンプを用い、例えば200L/h(流速:0.52m/s)の水流などをカーボン膜に当て、水素ガスを印加する時間、流速、膜の状態を操作して、同様にレーザー光で確認した所、光の散乱現象が確認できた。
【0105】
また、各試料の溶液を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した所、下記表5及び
図13〜
図17の分析結果が得られた。なお、
図13は試料No.1-3-2の分析結果を示し、
図14は試料No.1-4の分析結果を示し、
図15は試料No.1-5の分析結果を示し、
図16は試料No.1-6の分析結果を示し、
図17は試料No.1-7の分析結果を示す。
【0107】
また、実施例7では、予め気泡発生部材に酸素ガスを印加してから、溶液に浸漬することを基本に行った(表5では乾燥で示す)。また、一部は気泡発生部材に溶液を浸漬後に酸素ガスを印加した(表5では不乾燥で示す)。なお、試料No.1-0-2は、酸素ガスを供給しないブランクである。
【0108】
この表5及び
図13〜17から明らかなように、実施例7では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
また、下記表6に、試料No.1-4と試料No.1-5の実験条件及び前記CMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した結果を記す。なお、
図18が試料No.1-4の分析結果を示し、
図19が試料No.1-5の分析結果を示す。
【0110】
この表6及び
図18、
図19から明らかなように、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
なお、この表6において、前記CMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した結果が、前記表5と異なるのは、径時変化による差異である。
【0111】
<実施例8>
実施例8では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0112】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、下記表7に示す条件にて、純水1Lに酸素ガスを印加した。そして、酸素ガスを印加した水に対して、同様にレーザー光で光の散乱現象を確認した。また、この水を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した。その結果を下記表7に記す。
【0113】
なお、表7の試料のうち、試料No.3-2-1は、水中に浸漬する際に、加圧しながら浸漬したものである。試料No.3-2-2は、加圧せずに水中に浸漬した後にガス加圧したものである。
【0115】
この表7から明らかなように、実施例8では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例9>
実施例9では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0116】
前記実施例1と同様に、γ−アルミナ膜を備えた気泡発生部材を用い、下記表9に示す条件にて、純水1Lに酸素ガスを印加した。そして、酸素ガスを印加した水に対して、同様にレーザー光で光の散乱現象を確認した。また、この水を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した。その結果を下記表8に記す。
【0117】
なお、表9の試料のうち、試料No.4-1-2は、水中に浸漬する際に、加圧しながら浸漬したものである。試料No.4-1-2は、加圧せずに水中に浸漬した後にガス加圧したものである。
【0119】
この表8から明らかなように、実施例9では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例10>
実施例10では、前記第1実施形態と同様な多孔質基材と中間膜とγ−アルミナ膜とを備えるとともに、γ−アルミナ膜の表面に、更に最表面の多孔質膜としてシリカ膜(即ちゼオライト膜)を備える気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0120】
実施例10では、最表面の多孔質膜として、平均細孔径0.3nm、厚み5μmのシリカ膜を用いた。
このシリカ膜は、γ-アルミナ膜の表面に、下記の方法で形成した。
【0121】
まず、テトラエトキシシランを硝酸存在下で加水分解して、シリカゾルを調整した。このシリカゾル液をエタノールで希釈して、水濃度が1%となるよう調整した。
次に、前記γ―アルミナ膜付きの多孔質基材を、シリカゾル液中に浸漬し、γ―アルミナ膜の表面に、シリカ膜前駆体を形成し、乾燥を経て、300℃で1時間焼成してシリカ膜を得た。
【0122】
なお、テトラエトキシシランの構造を基準に官能基などを導入した派生化合物を用いることで、シリカ膜の平均細孔径を操作することができる。
そして、シリカ膜を備えた気泡発生部材を用い、下記表9に示す条件にて、純水1Lに酸素ガスを印加した。
【0123】
その後、酸素ガスを印加した水に対して、同様にレーザー光で散乱現象を確認した。また、この水を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した。その結果を下記表9に記す。
【0124】
なお、表9の試料のうち、試料No.5-1-2は、水中に浸漬する際に、加圧しながら浸漬したものである。試料No.5-1-2は、加圧せずに水中に浸漬した後にガス加圧したものである。
【0126】
この表9から明らかなように、実施例10では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例11>
実施例11では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に中間膜と最表面の多孔質膜とを備えた気泡発生部材を用いて、気泡発生装置にて気泡を発生させた。なお、実施例2と同様な内容の説明は省略する。
【0127】
前記実施例2と同様に、カーボン膜を備えた気泡発生部材を用い、下記表10に示す条件にて、エタノールに酸素ガスを印加した。
そして、この酸素ガスを印加した溶液に対して、同様にレーザー光で光の散乱現象を確認した。また、この溶液を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した。その結果を下記表10に記す。
【0129】
この表11から明らかなように、実施例11では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例12>
前記実施例10と同様なシリカ膜(即ちゼオライト膜)を備えた気泡発生部材を用い、下記表11に示す条件にて、純水1Lに酸素ガスを印加した。
【0130】
そして、酸素ガスを印加した水に対して、同様にレーザー光で光の散乱現象を確認した。また、この水を、前記Malvern社製のCMOSカメラ及び紫色レーザーにて分析した。その結果を下記表11に記す。
【0132】
この表11から明らかなように、実施例12では、粒の揃った非常に微細な気泡が得られることが分かる。
<実施例13>
実施例13では、前記第1実施形態と同様に、多孔質基材の表面に各種の中間膜と各種の最表面の多孔質膜とを備えた複数の気泡発生部材の試料を作製した。なお、実施例1と同様な内容の説明は省略する。
【0133】
具体的には、実施例1と同様な多孔質基材の表面に、下記表12に示す中間膜(中間膜C、中間膜B、中間膜A)と最表面の多孔質膜とを形成した。そして、各試料の中間膜や最表面の多孔質膜の平均細孔径や膜厚を調べた。その結果を同じく下記表12に記す。
【0135】
なお、表12のシリカ膜(ゼオライトMFI型、シリカライトワン)、耐水性ゼオライト膜(ゼオライトMOR型)については、それぞれ異なる平均細孔径((1)と(2)の2種)を有するものがある。
[5.他の実施形態]
本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0136】
(1)例えば、筒状の多孔質基材を用いる場合には、その内側又は外側に、中間膜や最表面の多孔質膜を設けてもよい。
この場合には、最表面の多孔質膜の無い側から気体を供給し、最表面の多孔質膜から液体にマイクロバブルやナノバブルを供給する。
【0137】
(2)また、第1実施形態では、気泡発生管に水流を当てたが、水流を当てないようにしてもよい。或いは、気泡発生部材(従って気泡発生管)を振動させてもよい。
(3)さらに、第1実施形態では、気泡発生管に所定圧力にて気体を供給したが、気泡発生管に大気を導入してもよい。この場合も、微細な気泡が発生するが、水流を当てたり、振動を与えることが好ましい。
【0138】
(4)気体を気泡発生管に供給するタイミングとしては、気泡発生管を液につけた状態で気体を供給してよいが、気体を気泡発生管に供給する状態で、液中に投入してもよい。
(5)気体が供給される液体は容器内に充填されたものでもよく、或いは、連続して液体が供給される流動状態のものでもよい。
【0139】
(6)前記実施形態の構成を適宜組み合わせることができる。
(7)本発明は、洗浄、浄水、衛生管理、工業分野、医療分野、食品分野、農業分野、水産・漁業分野、畜産分野、スポーツ分野など、各種の分野に適用することができる。