特許第6845089号(P6845089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845089
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】半導体装置の冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20210308BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20210308BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   H01L23/46 Z
   H01L23/36 Z
   H01L23/46 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-106412(P2017-106412)
(22)【出願日】2017年5月30日
(65)【公開番号】特開2018-206790(P2018-206790A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥塚 元
【審査官】 多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−026307(JP,A)
【文献】 特開2006−324345(JP,A)
【文献】 特開2013−183081(JP,A)
【文献】 特開2015−079819(JP,A)
【文献】 特開2013−197159(JP,A)
【文献】 特開2005−294665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36、23/427、23/473、23/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の冷却装置であって、
前記半導体装置が載置されるベースプレートと、
前記ベースプレートとの間に冷却媒体が流れる冷却流路を形成する冷却器本体と、を備え、
前記ベースプレートは、前記冷却流路の底面との間にクリアランスを設けた状態で前記冷却流路内に突出する内部ヒートシンクを有し、
前記冷却器本体は、前記冷却流路の外面に前記冷却流路内の冷却媒体の流れに沿って形成される外部ヒートシンクを有する、
ことを特徴とする半導体装置の冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の冷却装置であって、
前記半導体装置は、三相のスイッチング素子を有し三相交流電流を出力するパワーモジュールであり、
前記冷却流路内を流通する冷却媒体は、前記三相のスイッチング素子を順に冷却し、
前記外部ヒートシンクは、冷却媒体が流れる方向に沿って前記冷却流路の下流に向かうほど高くなるように形成される、
ことを特徴とする半導体装置の冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置の冷却装置であって、
前記冷却流路は、供給された冷却水が前記冷却器本体の内部を上昇して導かれるように形成され、
前記冷却器本体は、前記冷却流路が形成される部分に底面から凹んで形成される凹部を有し、
前記外部ヒートシンクは、前記凹部内に収容されるように形成される、
ことを特徴とする半導体装置の冷却装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の半導体装置の冷却装置であって、
前記冷却器本体は、
前記冷却流路内を流通する冷却媒体によって前記三相のスイッチング素子を順に冷却する第1の冷却部と、
前記第1の冷却部の下流側にて、他の電力変換装置を冷却する第2の冷却部と、
前記第1の冷却部と前記第2の冷却部を接続する接続部と、を有し、
前記外部ヒートシンクは、前記第1の冷却部から前記接続部にわたって形成される、
ことを特徴とする半導体装置の冷却装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の半導体装置の冷却装置であって、
前記外部ヒートシンクは、車両の進行方向に沿って形成され外気との間で熱交換を行うフィンである、
ことを特徴とする半導体装置の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却器の片面側にパワーモジュールを配置し、冷却器の内部を流通する冷却水によって三相のパワーモジュールを順に冷却する冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−039202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パワーモジュールは動作時の発熱量が大きいため、パワーモジュールを冷却して安定的に動作させるためには、更に冷却を促進する必要がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、半導体装置の冷却を促進可能な冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、半導体装置の冷却装置は、前記半導体装置が載置されるベースプレートと、前記ベースプレートとの間に冷却媒体が流れる冷却流路を形成する冷却器本体と、を備え、前記ベースプレートは、前記冷却流路の底面との間にクリアランスを設けた状態で前記冷却流路内に突出する内部ヒートシンクを有し、前記冷却器本体は、前記冷却流路の外面に前記冷却流路内の冷却媒体の流れに沿って形成される外部ヒートシンクを有する。
【発明の効果】
【0007】
上記態様では、冷却流路における内部ヒートシンクと冷却器本体の底面との間の部分では、内部ヒートシンクが設けられている部分と比較して流水抵抗が小さいので、冷却媒体の流速が速い。そのため、外部ヒートシンクは、流速の速い冷却媒体から放熱する。したがって、外部ヒートシンクを設けることで、冷却装置内で冷却媒体が放熱するため、半導体装置の冷却を冷却媒体を介して促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置の冷却装置が適用される車両について説明する側面図である。
図2図2は、半導体装置の冷却装置の平面図であり、カバーを取り外した状態を示す図である。
図3図3は、図2におけるIII−III断面図である。
図4図4は、図3におけるIV−IV断面図である。
図5図5は、図3におけるV−V断面図である。
図6図6は、図3におけるVI−VI断面図である。
図7図7は、半導体装置の冷却装置の斜め下方からの斜視図であり、外部ヒートシンクの近傍を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る半導体装置の冷却装置(以下、単に「冷却装置」と称する。)50について説明する。
【0010】
まず、図1を参照して、冷却装置50が適用される車両1について説明する。
【0011】
車両1は、電動自動車,ハイブリッド自動車,又はプラグインハイブリッド自動車である。ここでは、車両1が電動自動車である場合について説明する。車両1は、電力変換装置10と、負荷としてのモータジェネレータ2と、蓄電装置としてのバッテリ3と、充電用の外部コネクタ5と、サブラジエータ6と、を備える。電力変換装置10,モータジェネレータ2,及びサブラジエータ6は、車両1のモータルーム(ハイブリッド自動車及びプラグインハイブリッド自動車ではエンジンルーム)9に収容される。
【0012】
電力変換装置10は、バッテリ3の直流電力をモータジェネレータ2の駆動に適した交流電力に変換する。電力変換装置10は、モータジェネレータ2からの回生電力をバッテリ3の充電に適した直流電力に変換する。
【0013】
モータジェネレータ2は、例えば永久磁石同期電動機で構成される。モータジェネレータ2は、電力変換装置10から供給される交流電力によって駆動される。モータジェネレータ2は、車両1を走行させるときに車両1の駆動輪4を回転駆動する。モータジェネレータ2は、車両1が減速するときには発電機として機能し、回生電力を発生する。
【0014】
バッテリ3は、例えばリチウムイオン二次電池で構成される。バッテリ3は、電力変換装置10に直流電力を供給し、電力変換装置10から供給される直流電力により充電される。バッテリ3の電圧は、例えば240V〜400Vの間で変動し、それよりも高い電圧が外部コネクタ5から入力されることで充電される。
【0015】
次に、図1から図3を参照して、電力変換装置10の全体構成について説明する。
【0016】
電力変換装置10は、ケース11と、カバー12と、半導体装置としてのパワーモジュール13と、バスバーモジュール14と、DC/DCコンバータ15と、充電装置16と、を備える。ここでは、DC/DCコンバータ15と充電装置16とが、他の電力変換機器に該当する。
【0017】
ケース11は、底部11aを有し底部11aと対向する面が開口する箱型に形成される。カバー12は、ケース11の開口を閉塞する。ケース11の底部11aには、バスバーモジュール14の負荷端子としてのモータ端子14bが挿通する貫通孔11bが形成される。
【0018】
ケース11の底部11aには、パワーモジュール13,DC/DCコンバータ15,及び充電装置16を冷却する冷却装置50が設けられる。冷却装置50については、図3から図6を参照して、後で詳細に説明する。
【0019】
パワーモジュール13は、三相(U相,V相,W相)のスイッチング素子としてのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)13u,13v,13w(図3参照)を有し、三相交流電流を出力する。パワーモジュール13は、IGBT13u〜13wのON/OFFをスイッチング制御することにより、バッテリ3の直流電力とモータジェネレータ2の交流電力とを相互に変換する。
【0020】
バスバーモジュール14は、パワーモジュール13に接続されるパワーモジュール端子14aと、モータジェネレータ2に接続されるモータ端子14bと、バスバーモジュール14の電流を検出する電流センサ14cと、を有する。バスバーモジュール14は、パワーモジュール13のU相、V相、W相それぞれに直接接続され、モータジェネレータ2に三相の交流電力を出力する。
【0021】
DC/DCコンバータ15は、車両駆動時(パワーモジュール13の作動時)や停止時に、バッテリ3から供給される直流電力の電圧を変換して、他の機器へと供給する。DC/DCコンバータ15は、バッテリ3の直流電力(例えば400V)を12Vの直流電力に降圧する。降圧された直流電力は、車両に設けられるコントローラや、照明,ファン等の電源として供給される。
【0022】
充電装置16は、DC/DCコンバータ15を挟んでパワーモジュール13と対向して設けられる。充電装置16は、車両1に設けられる充電用の外部コネクタ5(図1参照)から供給される外部電源(例えば交流100Vや200V)を直流電力(例えば500V)に変換する。充電装置16により変換された直流電力は、バッテリ3に供給される。
【0023】
次に、主に図2から図7を参照して、冷却装置50について説明する。
【0024】
冷却装置50は、パワーモジュール13のIGBT13u〜13wを順に冷却する第1の冷却部51と、第1の冷却部51の下流側にて、DC/DCコンバータ15や充電装置16等の他の電力変換機器を冷却する第2の冷却部52と、第1の冷却部51と第2の冷却部52を接続する接続部53と、を有する。
【0025】
第1の冷却部51と第2の冷却部52とには、冷却媒体としての冷却水が流通する。具体的には、第1の冷却部51を流通した冷却水は、接続部53に導かれる。接続部53に導かれた冷却水は、進行方向を変換されて第2の冷却部52に導かれる。
【0026】
冷却装置50は、第1の冷却部51に冷却水を供給する供給通路54と、第2の冷却部52から冷却水を排出する排出通路55と、を有する。供給通路54と排出通路55とは、車両1に設けられるサブラジエータ6に連結される。冷却水は、ウォーターポンプ(図示省略)によって、冷却装置50とサブラジエータ6とを循環するように流れる。冷却装置50を流通して温度が上昇した冷却水は、サブラジエータ6にて外気と熱交換することで冷却される。
【0027】
冷却装置50は、第1の冷却部51と第2の冷却部52と接続部53とを有する冷却器本体58を備える。第1の冷却部51は、パワーモジュール13が載置されるベースプレート56と、ベースプレート56との間に冷却水が流れる冷却流路57を形成する冷却器本体58と、によって形成される。第2の冷却部52及び接続部53は、冷却器本体58の内部に形成される。冷却流路57には、供給通路54から供給される冷却水が導かれる。そのため、冷却流路57には、最も温度が低い状態の冷却水が供給される。
【0028】
ベースプレート56は、冷却流路57の上面を閉塞して冷却流路57を画成する。ベースプレート56は、シール部材としてのOリング59を介して冷却器本体58に取り付けられる。ベースプレート56の上面には、パワーモジュール13が取り付けられる。ベースプレート56は、パワーモジュール13の熱を伝導して冷却流路57内の冷却水に放出する。ベースプレート56は、冷却器本体58の冷却流路57内に突出する内部ヒートシンクとしての水冷ヒートシンク56aを有する。
【0029】
水冷ヒートシンク56aは、冷却流路57内に突出する複数のピンである。水冷ヒートシンク56aは、ピン形状ではなく冷却水の流れに沿って形成されるフィン形状であっもよい。
【0030】
水冷ヒートシンク56aは、冷却器本体58における冷却流路57の底面57aとの間にクリアランスを設けた状態で冷却流路57内に突出する。そのため、冷却流路57内では、水冷ヒートシンク56aが設けられている部分(パワーモジュール13に近い領域)の冷却水と比較して、水冷ヒートシンク56aが形成されていない部分(底面57aに沿った領域)の冷却水の方が流速が速い。
【0031】
このように、冷却装置50では、冷却流路57における水冷ヒートシンク56aと冷却器本体58の底面57aとの間の部分では、水冷ヒートシンク56aが設けられている部分と比較して流水抵抗が小さいので、冷却水の流速が速い。そのため、空冷ヒートシンク58aは、流速の速い冷却水から放熱する。したがって、空冷ヒートシンク58aを設けることで、冷却装置50内で冷却水が放熱するため、パワーモジュール13の冷却を冷却水を介して促進することができる。
【0032】
このように、冷却装置50では、第1の冷却部51を通過した冷却水は、温度が上昇した状態のまま第2の冷却部52に導かれるのではなく、空冷ヒートシンク58aにて放熱した分だけ温度が低くなった状態で第2の冷却部52に導かれる。よって、冷却装置50では、サブラジエータ6における外気との熱交換で冷却水を冷却するだけではなく、冷却装置50内でも、空冷ヒートシンク58aを介して冷却水を冷却できる。
【0033】
冷却器本体58は、ケース11の底部11a内に一体に形成される。冷却流路57内を流通する冷却水は、IGBT13u〜13wを順に冷却する。冷却器本体58は、冷却流路57の外面に冷却流路57内の冷却水の流れに沿って形成される外部ヒートシンクとしての空冷ヒートシンク58aを有する。
【0034】
空冷ヒートシンク58aは、外気との間で熱交換を行うフィンである。空冷ヒートシンク58aは、フィン形状ではなくピン形状であってもよい。空冷ヒートシンク58aは、平行に複数(5個)設けられる。空冷ヒートシンク58aは、車両1の進行方向(前後方向)に沿って形成される(図1参照)。
【0035】
空冷ヒートシンク58aは、冷却水が流れる方向に沿って冷却流路57の下流に向かうほど高くなるように形成される。具体的には、空冷ヒートシンク58aは、IGBT13uを冷却する位置よりも、IGBT13vを冷却する位置の方が高く、IGBT13vを冷却する位置よりも、IGBT13wを冷却する位置の方が更に高く形成される。また、空冷ヒートシンク58aは、第1の冷却部51から接続部53にわたって形成される。
【0036】
空冷ヒートシンク58aは、冷却器本体58と一体にアルミニウム合金等の金属で成形される。これに代えて、空冷ヒートシンク58aを冷却器本体58とは別体に形成して、冷却器本体58に取り付けてもよい。この場合、例えば、空冷ヒートシンク58aを冷却器本体58と比較して熱伝導率の高い金属によって形成することもできる。
【0037】
図3に示すように、供給通路54から供給された冷却水は、冷却器本体58の内部を冷却流路57に向かって上昇するように導かれる。冷却水は、冷却流路57内で水冷ヒートシンク56aを通過した後、接続部53に向かって下降するように導かれる。そのため、図3から図7に示すように、冷却器本体58は、冷却流路57が形成される部分に、底面から凹んで形成される凹部58bを有する。空冷ヒートシンク58aは、この凹部58b内に収容されるように形成される。そのため、空冷ヒートシンク58aは、ケース11の底面から突出することがない。
【0038】
次に、冷却装置50の作用について説明する。
【0039】
車両1の走行時等には、IGBT13u〜13wがスイッチング制御によってON/OFFされることで、パワーモジュール13が発熱する。冷却装置50では、供給通路54から供給された冷却水が、第1の冷却部51に導かれて冷却流路57内を流通する。これにより、パワーモジュール13が冷却される。
【0040】
このとき、冷却水は、IGBT13u〜13wを順に冷却するので、徐々に温度が上昇する。空冷ヒートシンク58aは、冷却水の温度が高くなるほど放熱面積が大きく形成される。よって、冷却水を効率的に冷却することができると共に、IGBT13u〜13wの均一な冷却を図ることができる。したがって、パワーモジュール13を冷却して安定的に動作させることができる。
【0041】
また、空冷ヒートシンク58aは、車両1の進行方向に沿って形成される。よって、車両1の走行時にモータルーム9内に入り込む走行風によって冷却流路57内の冷却水を冷却することができる。
【0042】
第1の冷却部51にてパワーモジュール13を冷却した冷却水は、接続部53を通じて第2の冷却部52に導かれる。第2の冷却部52を流通する冷却水は、DC/DCコンバータ15や充電装置16等の他の電力変換機器を冷却する。
【0043】
このとき、空冷ヒートシンク58aは、第1の冷却部51から接続部53にわたって形成される。これにより、冷却流路57にて温度が上昇した冷却水は、第2の冷却部52に導かれる前に、接続部53から空冷ヒートシンク58aを介して放熱することで冷却される。よって、第1の冷却部51にて冷却水の温度が上昇しても、第2の冷却部52には、冷却されて温度が低くなった冷却水が供給される。したがって、DC/DCコンバータ15や充電装置16等の他の電力変換機器も効率的に冷却することができる。
【0044】
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0045】
冷却装置50では、冷却流路57における水冷ヒートシンク56aと冷却器本体58の底面57aとの間の部分では、水冷ヒートシンク56aが設けられている部分と比較して流水抵抗が小さいので、冷却水の流速が速い。そのため、空冷ヒートシンク58aは、流速の速い冷却水から放熱する。したがって、空冷ヒートシンク58aを設けることで、冷却装置50内で冷却水が放熱するため、パワーモジュール13の冷却を冷却水を介して促進することができる。
【0046】
このように、冷却装置50では、第1の冷却部51を通過した冷却水は、温度が上昇した状態のまま第2の冷却部52に導かれるのではなく、空冷ヒートシンク58aにて放熱した分だけ温度が低くなった状態で第2の冷却部52に導かれる。よって、冷却装置50では、サブラジエータ6における外気との熱交換で冷却水を冷却するだけではなく、冷却装置50内でも、空冷ヒートシンク58aを介して冷却水を冷却できる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0048】
1 車両
10 電力変換装置
11 ケース
13 パワーモジュール(半導体装置)
13u〜13w IGBT(スイッチング素子)
15 DC/DCコンバータ(他の電力変換機器)
16 充電装置(他の電力変換機器)
50 冷却装置
51 第1の冷却部
52 第2の冷却部
53 接続部
56 ベースプレート
56a 水冷ヒートシンク(内部ヒートシンク)
57 冷却流路
57a 底面
58 冷却器本体
58a 空冷ヒートシンク(外部ヒートシンク)
58b 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7