特許第6845107号(P6845107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レエンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000002
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000003
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000004
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000005
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000006
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000007
  • 特許6845107-連続塗布装置及び連続塗布方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845107
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】連続塗布装置及び連続塗布方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20210308BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   B05C11/10
   B05C5/00 101
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-144817(P2017-144817)
(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2019-25392(P2019-25392A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山下 雅充
(72)【発明者】
【氏名】友枝 哲
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−231169(JP,A)
【文献】 特表2005−502452(JP,A)
【文献】 特開2000−246881(JP,A)
【文献】 特表2008−504949(JP,A)
【文献】 特開平11−034295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0255607(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第108855767(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00−21/00
B05D1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺フィルムを連続搬送して所定パターンを塗布する連続塗布装置であって、
前記長尺フィルムが巻き付けられるフィルム接触面にアライメントパターンが設けられた略円筒状のロール体であり、当該ロール体の中心軸を回転軸として回転する塗布ロールと、
前記アライメントパターンを読み取るパターン読み取り部と、
前記塗布ロールに巻き付けた前記長尺フィルムに前記所定パターンを塗布する塗布ヘッドと、
前記塗布ヘッドの塗布動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は前記パターン読み取り部による前記アライメントパターンの読み取り結果にもとづき前記塗布ヘッドからの塗液の吐出タイミングを補正することを特徴とする、連続塗布装置。
【請求項2】
長尺フィルムを連続搬送して所定パターンを塗布する連続塗布装置であって、
前記長尺フィルムが巻き付けられるフィルム接触面にアライメントパターンが設けられた略円筒状のロール体であり、当該ロール体の中心軸を回転軸として回転する塗布ロールと、
前記塗布ロールの回転動作を制御する制御部と、
前記アライメントパターンを読み取るパターン読み取り部と、
前記塗布ロールに巻き付けた前記長尺フィルムに前記所定パターンを塗布する塗布ヘッドと、
を備え、
前記制御部は前記パターン読み取り部による前記アライメントパターンの読み取り結果にもとづき前記塗布ロールの回転動作を補正することを特徴とする、連続塗布装置。
【請求項3】
前記塗布ロールは、前記アライメントパターンが設けられた薄板もしくはフィルムが略円筒状のロール本体の外周面に巻き付けられることにより構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の連続塗布装置。
【請求項4】
前記アライメントパターンは前記長尺フィルムと接し、アライメントパターンの静止摩擦係数は前記塗布ロールの前記フィルム接触面の前記アライメントパターン以外の部分の静止摩擦係数とは異なっていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の連続塗布装置。
【請求項5】
前記アライメントパターンは前記塗布ロールの前記フィルム接触面から突き出ていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の連続塗布装置。
【請求項6】
前記薄板もしくはフィルムは透光性を有し、前記アライメントパターンは前記ロール本体と接する側の面に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の連続塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールツーロールで搬送する長尺フィルムに連続的に塗液を塗布して、精度よく回路パターンを形成する連続塗布装置及び連続塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回路パターンを形成するために、スパッタリング、CVD、フォトリソグラフィー等の技術が知られていたが、近年、低コスト、省エネ、省資源に貢献するために、各種の印刷技術を用いた回路パターンの形成技術(プリンテッドエレクトロニクス)が注目されている。中でも、金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成した後、絶縁層をインクジェットノズルから基材に滴下し、さらにその上に金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成するようにして、多層の回路パターンを形成する技術が開発されている。
【0003】
また、長尺フィルムに塗液を塗布するためには、生産効率の観点から長尺フィルムをロールツーロール搬送して連続的に塗布することがよく行われている。しかしながら、長尺フィルムをロールツーロール搬送して塗布する場合は、長尺フィルムに生じる歪みや伸縮に対応した塗布をする必要がある。
【0004】
特許文献1には、一つの塗布ロールに対向して撮像装置と塗布ヘッドが設けられ、塗布ロールに巻き付いて搬送される長尺フィルムの歪みを撮像装置を用いて把握し、その歪みに応じて塗布ヘッドによる塗液の吐出タイミングを補正することにより、精度良く塗布パターンを形成する連続塗布装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許文献1:特願2016−66544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成の連続塗布装置であっても長尺フィルム上に精度良く塗布パターンを形成できないおそれがあった。具体的には、塗布ロールの断面が真円でない場合には塗布ロールによる長尺フィルムの搬送に誤差が生じ、長尺フィルムの歪みに応じて塗布ヘッドによる塗液の吐出タイミングを補正するだけでは長尺フィルム上に精度良く塗布パターンを形成できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を鑑み、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度良く塗布することができる連続塗布装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の連続塗布装置は、長尺フィルムを連続搬送して所定パターンを塗布する連続塗布装置であって、前記長尺フィルムが巻き付けられるフィルム接触面にアライメントパターンが設けられた略円筒状のロール体であり、当該ロール体の中心軸を回転軸として回転する塗布ロールと、前記アライメントパターンを読み取るパターン読み取り部と、前記塗布ロールに巻き付けた前記長尺フィルムに前記所定パターンを塗布する塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドの塗布動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は前記パターン読み取り部による前記アライメントパターンの読み取り結果にもとづき前記塗布ヘッドからの塗液の吐出タイミングを補正することを特徴とする。
【0009】
本発明の連続塗布装置によれば、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度よく塗布することができる。具体的には、制御部はパターン読み取り部によるアライメントパターンの読み取り結果にもとづき塗布ヘッドからの塗液の吐出タイミングを補正することにより、仮に塗布ロールに歪みがあった場合でもパターン読み取り部によるアライメントパターンの読み取り結果からそれを把握可能であるため、その歪みにもとづいて塗布ヘッドからの塗液の吐出タイミングを補正し、長尺フィルムに塗液を精度良く塗布することができる。
【0010】
また、上記課題を解決するために本発明の連続塗布装置は、長尺フィルムを連続搬送して所定パターンを塗布する連続塗布装置であって、前記長尺フィルムが巻き付けられるフィルム接触面にアライメントパターンが設けられた略円筒状のロール体であり、当該ロール体の中心軸を回転軸として回転する塗布ロールと、前記塗布ロールの回転動作を制御する制御部と、前記アライメントパターンを読み取るパターン読み取り部と、前記塗布ロールに巻き付けた前記長尺フィルムに前記所定パターンを塗布する塗布ヘッドと、を備え、前記制御部は前記パターン読み取り部による前記アライメントパターンの読み取り結果にもとづき前記塗布ロールの回転動作を補正することを特徴とする。
【0011】
本発明の連続塗布装置によれば、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度よく塗布することができる。具体的には、制御部はパターン読み取り部によるアライメントパターンの読み取り結果にもとづき塗布ロールの回転動作を補正することにより、仮に塗布ロールに歪みがあった場合でもパターン読み取り部によるアライメントパターンの読み取り結果からそれを把握可能であるため、その歪みにもとづいて塗布ロールの回転動作を補正し、長尺フィルムに塗液を精度良く塗布することができる。
【0012】
また、前記塗布ロールは、前記アライメントパターンが設けられた薄板もしくはフィルムが略円筒状のロール本体の外周面に巻き付けられることにより構成されていても良い。
【0013】
こうすることにより、塗布ロールのフィルム接触面に容易にアライメントパターンを設けることができる。
【0014】
また、前記アライメントパターンは前記長尺フィルムと接し、アライメントパターンの静止摩擦係数は前記塗布ロールの前記フィルム接触面の前記アライメントパターン以外の部分の静止摩擦係数とは異なっていても良い。
【0015】
こうすることにより、塗布ロールに巻き付けられる長尺フィルムにすべりが生じにくくなり、より精度良く塗液を塗布することができる。
【0016】
また、前記アライメントパターンは前記塗布ロールの前記フィルム接触面から突き出ていても良い。
【0017】
こうすることにより、塗布ロール巻き付けられる長尺フィルムにすべりが生じにくくなり、より精度良く塗液を塗布することができる。
【0018】
また、前記薄板もしくはフィルムは透光性を有し、前記アライメントパターンは前記ロール本体と接する側の面に設けられていても良い。
【0019】
こうすることにより、塗布ロールのフィルム接触面に凹凸を生じさせずにアライメントパターンを設けることができるため、長尺フィルムを傷つけることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
簡単な構成により、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度よく塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明における連続塗布装置及び連続塗布方法を説明する図である。
図2】本発明の実施例1における塗布ロールを表す図である。
図3】第1絶縁層、第1層回路パターン、及び第2絶縁層を積層した長尺フィルムの一例を説明する図である。
図4】第2絶縁層の上に第2層回路パターンを積層した長尺フィルムの一例を説明する図である。
図5】本発明の実施例1における塗布ヘッドを説明する上面図である。
図6】本発明の実施例1における吐出サイクル調節部の処理フローを説明する図である。
図7】本発明の実施例2における塗布データ調節部の処理フローを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1について、図1図6を参照しながら説明する。図1は、本発明における連続塗布装置及び連続塗布方法を説明する図である。図2は、本発明の実施例1における塗布ロールを表す図である。図3は、第1絶縁層、第1層回路パターン、及び第2絶縁層を積層した長尺フィルムの一例を説明する図である。図4は、第2絶縁層の上に第2層回路パターンを積層した長尺フィルムの一例を説明する図である。図5は、本発明の実施例1における塗布ヘッドを説明する上面図である。図6は、本発明の実施例1における吐出サイクル調節部の処理フローを説明する図である。
【0023】
図1に示すように、長尺フィルム2の搬送方向をX方向、このX方向と直交する長尺フィルム2の幅方向をY方向とし、X方向とY方向とで構成されるX−Y面と直交する方向をZ方向とする。長尺フィルム2は、図示しない巻出しロールから巻き出されて、図示しない巻取ロールに巻き取られるロールツーロール方式で搬送され、巻出しロールから巻取ロールまでの間に位置する連続塗布装置10に略+X方向から略−X方向(図1参照)に導かれる。連続塗布装置10に搬送された長尺フィルム2は、撓みのないように適度なテンションをかけた状態で塗布ロール1に巻き付けられる。塗布ロール1に巻き付けられた後、長尺フィルム2は+X方向に連続搬送される。
【0024】
塗布ロール1は、円筒形状を有し中心軸が長尺フィルム2の搬送方向に直交するY軸方向に沿って配置されて、長尺フィルム2が巻き付けられるようになっている。そして、この中心軸を回転軸として回転する。また、この回転軸は図示しないサーボモータに接続されていて、このサーボモータを制御部9が駆動制御することにより、塗布ロール1を回転、及び停止させることができる。また、長尺フィルム2の抱き角θが充分な大きさを持つように、長尺フィルム2が略+X方向から塗布ロール1に巻き付け、+X方向に搬送するように構成されている。長尺フィルム2の抱き角θは、大きいほど滑りがなく安定した搬送ができるので、120°〜180°程度に設定されている。塗布ロール1の断面径は、長尺フィルム2の巻き付け長さが長くなるように、大きめのサイズ(例えば、300〜400mm)を有しており、Y方向の長さは、長尺フィルム2の幅に対応した長さとなっている。
【0025】
なお、実施例1における長尺フィルム2は、略+X方向から略−X方向に導かれて塗布ロール1に巻き付けられ、その後+X方向に連続搬送するように構成されているが、搬送方向は必ずしもこれに限定されず、長尺フィルム2が撓まないように適度なテンションをかけて充分に大きな抱き角θを持つように塗布ロール1に巻き付けられればよく、製造工程の都合により適宜選択できる。例えば、長尺フィルム2を略−X方向から塗布ロール1に巻き付け、−X方向に連続搬送するように構成してもよいし、略―Z方向から塗布ロール1に巻き付け、略−Z方向に連続搬送するように構成してもよい。
【0026】
本実施例における塗布ロール1を図2に示す。図2(a)は本実施例の塗布ロール1であり、図2(b)はその変形例である。
【0027】
塗布ロール1は、長尺フィルム2が巻き付けられるフィルム接触面にアライメントパターン11が設けられている。本実施例ではアライメントパターン11はスケールの目盛りであり、このアライメントパターン11を読み取るためのパターン読み取り部12が塗布ロール1のフィルム接触面と対向して設けられている。本実施例ではパターン読み取り部12はエリアカメラで構成しており、アライメントパターン11をストロボ光やCMOSセンサの電子シャッターを用いて撮像している。そして、パターン読み取り部12が図示しない駆動装置によって塗布ロール1の幅方向(Y軸方向)に移動しながら逐次撮像を行うことにより、塗布ロール1の幅方向の複数箇所に設けられたアライメントパターン11を読み取ることが可能である。このパターン読み取り部12が読み取った結果は、図1の制御部9に入力される。なお、アライメントパターン11の形状は、図2(a)のようなスケールの目盛り状に限らず、図2(b)のように等間隔に設けられた図形状でも構わない。
【0028】
ここで、本実施例の塗布ロール1は、表面(ロール本体14と接する面と反対側の面)にアライメントパターン11が印刷された薄板13(もしくはフィルム13)が略円筒状のロール本体14の外周面に巻き付けられることにより構成されている。こうすることにより、等間隔に設けられた目盛り状や図形状であるアライメントパターン11を曲面である塗布ロール1のフィルム接触面の全周に容易に設けることができる。また、ロール本体14への薄板13の固定方法として、静電気を用いてロール本体14へ貼り付ける方法、接着剤で貼り付ける方法、固定治具を用いて幅方向(Y軸方向)の端部で薄板13をロール本体14に押さえつける方法などが考えられる。
【0029】
また、アライメントパターン11の静止摩擦係数は薄板13のその他の部分、すなわち塗布ロール1のフィルム接触面を形成するアライメントパターン11以外の部分の静止摩擦係数よりも大きい。このようにアライメントパターン11と塗布ロール1のフィルム接触面とで静止摩擦係数を異ならせることにより、塗布ロール1にアライメントパターン11が設けられない場合と比較して、塗布ロール1に巻き付けられる長尺フィルム2にすべりが生じにくくなっている。
【0030】
また、本実施例では、アライメントパターン11が薄板13に印刷されていることにより、塗布ロール1のフィルム接触面とアライメントパターン11との間に若干段差がある。すなわち、アライメントパターン11が塗布ロール1のフィルム接触面から突き出た形態となっている。これによっても、塗布ロール1に巻き付けられる長尺フィルム2にすべりが生じにくくなっている。
【0031】
このように塗布ロール1のフィルム接触面にアライメントパターン11が設けられ、パターン読み取り部12でこのアライメントパターン11を読み込むことにより、塗布ロール1の回転動作の誤差に対する補正を制御部9が行うことができる。具体的には、仮に塗布ロール1に歪みがあった場合でもパターン読み取り部12によるアライメントパターン11の読み取り結果からそれを把握し、制御部が塗布ヘッド5からの塗液の吐出のタイミングもしくは塗布ロール1の回転動作を補正することによって、塗布ロール1の回転動作の誤差をキャンセルすることが可能である。
【0032】
たとえば、制御部9がサーボモータのエンコーダの数値を監視し、塗布ロール1のフィルム接触面の所定のポイントが100mm移動するように塗布ロール1を回転させ、その後パターン読み取り部12によってアライメントパターン11の読み取った結果において目盛りが101mm進んでいたとする。この場合には、この誤差を考慮して上記所定のポイントが100×(100/101)mm分進んだときに塗布ヘッド5から塗液を吐出するよう、吐出タイミングが補正されたものに塗布データが修正されることにより、上記所定のポイントが正確に100mm進んだ時点で塗液を吐出させることができるようになる。
【0033】
一方、エンコーダのカウントと塗布ロール1のフィルム接触面の所定のポイントの移動量との関係が補正前に対して100/101倍に換算するように補正され、この補正後の関係を用いて制御部9が塗布ロール1の回転動作を制御することによっても、上記所定のポイントが正確に100mm進んだ時点で塗液を吐出させることができるようになる。
【0034】
なお、塗布ロール1が1回転する間においてこのようなパターン読み取り部12によるアライメントパターン11の読み取りデータが複数のポイントで取得され、その取得数が多ければ多いほど、より正確に塗布ロール1の回転動作の誤差に対する補正を行うことができる。
【0035】
次に、連続塗布装置10に搬送される長尺フィルム2について説明する。長尺フィルム2には、まず第1絶縁層が形成されている。その第1絶縁層の上に、位置決め用のマークを含む第1層回路パターンが形成され、その上には第2絶縁層を形成し、第2絶縁層の上には第2層回路パターンを形成し、さらに第3絶縁層を形成し、第3絶縁層の上には第3層回路パターンを形成し、さらにその上に第4絶縁層を形成し、第4絶縁層の上には第4層回路パターンを形成するというように回路パターンが多層に形成される。その際に、第1層回路パターンと同時に形成される位置決め用のマークは、その後の絶縁層や回路パターンで塞がれることなく、各層のパターン形成時に下層の回路パターンに対応するように、このマークを用いて位置決めし精度よく塗布される。
【0036】
各層の回路パターンや絶縁層の形成については、巻出しロールから長尺フィルム2をロールツーロールで連続搬送して、連続塗布装置、乾燥炉、連続塗布装置、乾燥炉、連続塗布装置、乾燥炉というように、複数台の連続塗布装置を経由した後、巻取ロールに巻き取る方式でもよいし、1台の連続塗布装置の前工程に巻出しロール、後工程に乾燥炉と巻取ロールを配置して各層をバッチ方式で形成してもよい。
【0037】
具体的に、第2層回路パターンを形成する場合を例にとって説明する。この場合、図示しない第1絶縁層の上に、図3に示すように、第1層回路パターンが形成されているが、その上に第2絶縁層が形成されているため第1層回路パターンは表面に露出していない。ただ、第1層回路パターンが第2絶縁層からマーク21及びマーク23の部分が露出しているので、これに基づいて第2層回路パターンを形成すればよい。また、他に第1層回路パターンが第2絶縁層から露出している部分があれば、これを位置決め用のマークとして用いてもよい。さらに、第2絶縁層が透明である場合は、下層の第1層回路パターンが透けて見えるため、任意の第1層回路パターンを位置決め用のマークとして用いてもよい。
【0038】
長尺フィルム2に形成する第2層回路パターンの一例を、図4を参照して説明する。図4に示すように、4つのマーク21に挟まれたa×bの領域に一つの所定パターン25が形成され、その一つの所定パターン25の領域に個別パターン22が6個形成される。各個別パターン22内には、回路パターン24がそれぞれ形成される。そして、長尺フィルム2の長さ方向(X方向)には、所定の間隔を有して所定パターン25が連続して形成される。ここで、所定パターンとは、歪みや伸縮の影響を受けずに精度よく塗液を塗布することが求められる単位となるパターンである。
【0039】
実施例1においては、所定パターン25が6個の個別パターン22を含んでいるが、必ずしもこれに限定されず、回路の都合により、所定パターン25の構成は適宜選択することができる。例えば、所定パターン25が4個の個別パターン22を含んでいるようにしてもよいし、所定パターン25が7個以上の個別パターン22を含んでいるようにしてもよいし、1個の個別パターン22を含む所定パターン25としてもよい。
【0040】
また実施例1においては、第1層回路パターンに、マーク21は所定パターン25の四隅に各1個有し、マーク23は個別パターン22毎に4個有しているが、必ずしもこれに限定されない。長尺フィルムが伸縮する度合いや搬送による蛇行の有無等により適宜選択可能である。例えば、それぞれ2個としてもよいし、4個以上としてもよい。さらに、マーク21及びマーク23は必須ではなく、マーク21及びマーク23が形成されず、第1層回路パターンが露出している場合、後述の位置認識は、露出している任意の回路パターンを認識することができる。
【0041】
図1に戻って説明を続ける。連続塗布装置10に搬送された長尺フィルム2は、塗布ロール1に巻き付けられる。この長尺フィルム2が塗布ロール1に巻き付け始められる箇所より搬送方向下流に、長尺フィルム2の所定パターン25を撮像する撮像装置3が設けられている。撮像装置3は、Y方向に沿って設けられたラインセンサであり、長尺フィルム2の幅方向(Y方向)のマーク又はパターンが撮像可能となっており、長尺フィルム2が搬送されることにより長さ方向(X方向)のマーク又はパターンが順次撮像されて、最終的に所定パターン25の領域全体が撮像される。
【0042】
なお、実施例1では、撮像装置3をラインセンサで構成したが、必ずしもこれに限定されず、装置構成の都合により適宜選択することができる。例えば、エリアカメラで構成して搬送中の長尺フィルムをストロボ光やCMOSセンサの電子シャッターを用いて撮像してもよい。また、エリアカメラを用いる場合は、複数台のエリアカメラで複数個所を撮像してもよいし、1台のエリアカメラを移動可能に構成して複数個所を移動させて撮像してもよい。また、図2に示したパターン読み取り部12と撮像装置3とを共通にしても良い。
【0043】
撮像装置3より長尺フィルム2の搬送方向下流側に、塗布ロール1に巻き付けられた長尺フィルム2に塗液を塗布する塗布モジュール4を設けている。塗布モジュール4は、インクジェット方式の塗布ヘッド5を備え、塗布ヘッド5の複数のノズル6(図5参照)から塗液を吐出して長尺フィルム2上に所定パターン25を塗布する。実施例1における塗布モジュール4は、長尺フィルム2の搬送方向に沿って3個の塗布ヘッド5から構成され、それぞれの塗布ヘッド5の複数のノズル6はY方向に沿って配列されている。また、それぞれの塗布ヘッド5は、塗布ロール1に巻き付けた長尺フィルム2に対して垂直に塗液を吐出するように、各塗布ヘッド5を塗布ロール1の曲率に沿って設けている。また、塗布ヘッド5の吐出面から長尺フィルム2の表面までの距離は、500μm〜1mm程度に設定されている。このようにそれぞれの塗布ヘッド5が、塗布ロール1に巻き付けられた長尺フィルム2に対して垂直に塗液を吐出するように、塗布ロール1の曲率に沿って設けられている。さらに、塗布ヘッド5の吐出面から長尺フィルム2の表面まで適切な距離で塗布ヘッド5を設けているので、塗布ヘッド5から吐出された塗液が飛行曲がりとならず、まっすぐに飛行して正確な位置に着弾させることができる。
【0044】
塗布モジュール4における3個の塗布ヘッド5は、図5に示すように、Y方向に沿って設けられ、各塗布ヘッド5は、複数のノズル6を定ピッチで備えている。そして、各塗布ヘッド5のそれぞれのノズル6は、一つの塗布ヘッド5におけるノズル間ピッチの1/3に相当するAずつY方向にずれるように、塗布ヘッド5を設けている。これによって、一つの塗布ヘッド5の解像度を上回る解像度で塗液を塗布することができる。
【0045】
なお、実施例1においては、3個の塗布ヘッド5をノズル間ピッチの1/3ずつずらして設けているが、必ずしもこれに限定されず、要求される塗布精度や長尺フィルム2の幅サイズ等の都合により適宜選択し得る。例えば、2個の塗布ヘッド5を有し、ノズル間ピッチの1/2ずつずらして設けてもよいし、4個の塗布ヘッド5を有し、ノズル間ピッチの1/4ずつずらして設けてもよい
塗布ヘッド5は、塗液の着弾位置が撮像装置3の撮像位置から塗布ロール1上の長さcだけ離れた長尺フィルム2の搬送方向下流に設けられている。長さcは、1つの所定パターン25における長尺フィルム2の搬送方向(X方向)の長さa以上(c≧a)としている。実施例1においては、3個の塗布ヘッド5のうち最も長尺フィルム2の搬送方向上流側の塗布ヘッド5の塗液着弾位置が、撮像装置3の撮像位置から塗布ロール1上の長さcだけ離れた長尺フィルム2の搬送方向下流に設けられている。これは、塗布ヘッド5から所定パターンの塗布を開始する前に、所定パターン25の領域の四隅に設けたマーク21を撮像装置3により完全に撮像するためである。つまり、撮像装置3の撮像位置と塗布ヘッド5からの塗液の着弾位置との間の塗布ロール1上の長さcが、長尺フィルム2の所定パターン25の長さa以上である。なお、マーク21が設けられていない場合は、所定パターン25の四隅から導かれる距離を長さaとしてもよい。
【0046】
撮像装置3が撮像した画像は、制御部9に入力されて画像処理して塗布モジュール4に対して塗布タイミングを指示する。実施例1においては、制御部9に図示しない吐出サイクル調節部が設けられており、この吐出サイクル調節部が、撮像装置3の撮像結果から長尺フィルム2の伸縮を算出し、塗布ヘッド5が吐出する塗液が着弾する長尺フィルム2上の着弾位置を調節して、塗布モジュール4に対して塗布タイミングを指示する。ここで、吐出サイクルとは、一つのノズルから塗液を連続して吐出する場合の、任意の吐出開始から次の吐出開始までの時間差のことをいう。例えば、塗布データにおいて、ある地点へ吐出した後、次の吐出まで100回分の吐出サイクルを設けるとなっていたとき、吐出サイクルが100μsecと設定されている場合は両吐出の時間差は10msecとなり、110μsecと設定されている場合は両吐出の時間差は11msecとなる。この吐出サイクルを伸ばせば、塗布データを変えることなく所定パターン25を伸ばして塗布できるし、短縮すれば塗布データを変えることなく所定パターン25を短縮して塗布できる。
【0047】
吐出サイクルの調節は、特に、搬送方向の伸縮に対して有効である。例えば、長尺フィルム2上の4個のマーク21の位置を認識した結果、搬送方向(X方向)に長尺フィルム2が300mmに対して303mmに伸びていると判断した場合は、搬送方向(X方向)に対する吐出サイクルを303/300倍に伸ばすように調節すればよい。
【0048】
吐出サイクル調節部における吐出サイクル調節の詳細な処理フローを、図6を参照して説明する。なお、この吐出サイクル調節を含む長尺フィルム2への塗液の塗布が連続して行われる前に、前述の塗布ロール1上のアライメントパターン11の読み取り処理およびこの処理結果にもとづく塗布ロール1の回転動作の誤差に対する補正処理が完了している。
【0049】
まず、撮像装置3から撮像画像を入力(図6(1))して、4ヶ所のマーク21の位置認識を行う(図6(2))。そして、位置認識したマーク21間の距離a及び距離bを算出して、設定されている距離との差を求め、長尺フィルム2の伸縮量を算出する(図6(3))。算出した伸縮量に基づいて、上述のように塗布ヘッド5の吐出サイクルを算出し(図6(4))、算出した吐出サイクルを塗布ヘッド5に指示する(図6(5))。
【0050】
塗布ヘッド5は、指示された吐出サイクルに応じて、そのノズル6から順次、塗液を吐出して所定パターン25を塗布する。その際、各塗布ヘッド5は、塗布ロール1に長尺フィルム2を緩みなく巻き付け、塗布ヘッド5から長尺フィルム2に対して垂直に塗液を吐出するので、従来のような各工程の処理時間の差を吸収するためのアキューム部を必要とする間歇搬送ではなく、連続搬送しながら正確に塗液が長尺フィルム2に着弾し、所定パターン25を塗布することができる。これにより、工程が大型化することを避けることができる。
【0051】
また、塗布ロール1の摩擦係数、及び塗布ロール1における長尺フィルム2の抱き角が充分に確保されている場合、塗布ロール1上では長尺フィルム2を変形や蛇行を起こさずに塗布ヘッド5まで搬送させることができるため、撮像装置3で得られた情報により塗布ヘッド5は正確に塗布を行うことができる。ここで、仮に撮像装置3と塗布ヘッド5との間で長尺フィルム2が塗布ロール1から離れた搬送が行われると、そこで長尺フィルム2の変形が生じて塗布ヘッド5は正確に塗布できなくなる恐れがある。
【0052】
このように、塗布ロール1に巻き付けた長尺フィルム2上のマーク又はパターンを撮像する撮像装置3と塗布ロール1に巻き付けた長尺フィルム2に所定パターンを塗布する塗布ヘッド5とが備えられ、塗布ヘッド5は撮像装置3より長尺フィルム2の搬送方向下流側に設けられることにより、長尺フィルム2の伸びなどの変形が生じていた場合でもそれを考慮し、長尺フィルム2上の所定の位置に正確に塗液の塗布を行うことができる。
【0053】
さらに、前述の通り塗布ロール1にアライメントパターン11が設けられ、長尺フィルム2への塗液の塗布が行われる前にパターン読み取り部12によるアライメントパターン11の読み取り結果にもとづき補正が行われることによって、塗布ロール1自体の歪みなどによる誤差もキャンセルされ、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度よく塗布することができる。
【実施例2】
【0054】
本発明の実施例2について説明する。実施例2は、吐出サイクル調節部に替えて塗布データ調節部が制御部9に設けられている点で、実施例1に対して異なっているのみである。図7を参照しながら、実施例2について説明する。図7は、本発明の実施例2における塗布データ調節部の処理フローを説明する図である。
【0055】
塗布データは、塗布ヘッド5が塗液を塗布するための基本的なデータであり、塗液を吐出する長尺フィルム2上の位置や吐出量等が含まれている。この塗布データを調節することにより、吐出位置や吐出量を変更することができる。塗布データ調節部は、塗布ヘッド5が吐出する塗液が着弾する長尺フィルム2上の着弾位置を調節する。具体的な塗布データ調節部の処理フローについて説明する。まず、撮像装置3で撮像された画像が制御部9に設けた図示しない塗布データ調節部に入力される(図7(1))。次に、4ヶ所のマーク21の位置認識を行う(図7(2))。そして、認識したマーク21間の距離a及び距離bを算出して、設定されている距離との差を求め、長尺フィルム2の伸縮量を算出する(図7(3))。算出した伸縮量に基づいて、塗布ヘッド5の新たな塗布データを算出し(図7(4))、新たに算出した塗布データを塗布ヘッド5に指示する(図7(5))。
【0056】
例えば、所定パターン25領域にある4個のマーク21の位置を認識した結果、長尺フィルム2の幅方向(Y方向)に長尺フィルム2が300mmに対して308mmに伸びていると判断した場合は、塗布データにおける幅方向(Y方向)に対する吐出の位置データを308/300倍に変更するように調節する。
【0057】
そして、塗布ヘッド5は、指示された新たな塗布データにより、ノズル6から順次、塗液を吐出して所定パターン25を塗布する。その際、各塗布ヘッド5は、塗布ロール1に巻き付けた長尺フィルム2に対して垂直に塗液を吐出するように、塗布ロール1の曲率に沿って設けているので、正確に塗液が長尺フィルム2に着弾して、伸縮量に応じた所定パターン25を塗布することができる。
【実施例3】
【0058】
本発明の実施例3について説明する。実施例3は、吐出サイクル調節部に加えて塗布データ調節部も制御部9に設けられている点で、実施例1に対して異なっているのみである。
【0059】
すなわち、制御部9には、吐出サイクル調節部と塗布データ調節部をともに備えていて、長尺フィルム2の伸縮量が大きければ、塗布データ調節を行い、長尺フィルム2の伸縮量が小さければ、吐出サイクル調節を行う。仮に、吐出サイクル調節を行った場合は、塗布領域の面積が変化するにもかかわらず塗布する液滴数は変化しないため、塗布分解能の低下や膜厚の変化が生じる。そのため、高い塗布位置精度、膜厚精度を要する場合は塗布データ調節を行う。これに対し、伸縮量が小さい場合は、変更作業が手軽である吐出サイクル調節を行う。また、長尺フィルム2に単純な伸縮だけでなく歪みがある場合は、塗布データ調節を行うか、吐出サイクル調節と塗布データ調節の両方を実施する。
【0060】
そして、塗布ヘッド5は、指示された新たな塗布データ調節、及び/又は吐出サイクル調節により、ノズル6から順次、塗液を吐出して所定パターンを形成する。その際、各塗布ヘッド5は、塗布ロール1に巻き付けた長尺フィルム2に対して垂直に塗液を吐出するように、塗布ロール1の曲率に沿って設けているので、正確に塗液が長尺フィルム2に着弾し、伸縮量に応じた所定パターンを塗布することができる。
【0061】
なお、実施例1〜3においては、塗布データ調節、及び/又は吐出サイクル調節により、塗液を塗布する位置を調節していたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、塗布モジュール4をXYロボットに搭載する等して移動可能に構成して、塗布位置を調節するようにしてもよい。
【0062】
以上の連続塗布装置により、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度良く塗布することが可能である。
【0063】
ここで、本発明の薄膜形成装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の説明ではパターン読み取り部13はエリアカメラとしているが、それに限らず撮像装置3と同様にラインセンサなど投受光部を備えたデバイスでも良い。
【0064】
また、上記の説明ではアライメントパターン11は塗布ロール1のフィルム接触面に印刷されている形態となっているが、塗布ロール1のフィルム接触面に刻印されていても良い。
【0065】
また、上記の説明ではアライメントパターン11は長尺フィルム2と接する面に設けられているが、それに限らず、たとえば薄板13(フィルム13)が透光性を有し、アライメントパターン11はこの薄板13(フィルム13)のロール本体14と接する側の面に設けられていても構わない。こうすることにより、塗布ロール1のフィルム接触面に凹凸を生じさせずにアライメントパターン11を設けることができるため、長尺フィルム2を傷つけることを防ぐことができる。なお、このアライメントパターン11は、透光性を有する薄板13(フィルム13)越しにパターン読み取り部12によって読み取り可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明における連続塗布装置及び連続塗布方法は、ロールツーロールで連続搬送する長尺フィルムに各種のパターンを形成するものに幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1:塗布ロール 2:長尺フィルム 3:撮像装置 4:塗布モジュール 5:塗布ヘッド 6:ノズル 9:制御部 10:連続塗布装置 11:アライメントパターン 12:パターン読み取り部 13:薄板(フィルム) 14:ロール本体 21:マーク 22:個別パターン 23:マーク 24:回路パターン 25:所定パターン 104:塗布モジュール 204:塗布モジュール 205:塗布ヘッド 206:ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7