(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845150
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】装飾的な白色照明のための動的なカラーシャドウ
(51)【国際特許分類】
H05B 47/11 20200101AFI20210308BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20210308BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20210308BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20210308BHJP
H05B 47/17 20200101ALI20210308BHJP
H05B 45/18 20200101ALI20210308BHJP
H05B 45/28 20200101ALI20210308BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20210308BHJP
F21K 9/60 20160101ALI20210308BHJP
F21K 9/64 20160101ALI20210308BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20210308BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20210308BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20210308BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20210308BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20210308BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20210308BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20210308BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210308BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20210308BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/115
H05B47/155
H05B47/16
H05B47/17
H05B45/18
H05B45/28
H05B45/325
F21K9/60
F21K9/64
F21V23/00 113
F21V23/00 115
F21V23/00 140
F21V9/38
F21S2/00 100
F21V9/40
H01L33/00 L
H01S5/022
F21Y113:13
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-549321(P2017-549321)
(86)(22)【出願日】2016年3月17日
(65)【公表番号】特表2018-512711(P2018-512711A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】EP2016055847
(87)【国際公開番号】WO2016156058
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年3月13日
(31)【優先権主張番号】15161843.6
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【審査官】
野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/156927(WO,A1)
【文献】
特開2015−022939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
H01L 33/00
F21V 23/00−99/00
F21S 2/00−45/00
F21K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を照明する照明装置であって、
それぞれ光線を発するように構成される異なる色の複数の光源を有する光源配置であって、前記光源配置により発される全ての光は白色光線を生成する、光源配置と、
光学的伝達部分と少なくとも部分的に光学的に遮断する第2の部分とを有するコントラスト生成要素であって、前記光源配置から白色光を受け取り前記物体上にシャドウを生成するコントラスト生成要素と、
前記光源配置を、前記コントラスト生成要素における前記光源配置により発される全ての光の空間光スペクトル分布を調整するために制御する制御ユニットと、
前記制御ユニットが非アクティブあり前記照明装置が白色光を発する第1のモードと、前記制御ユニットがアクティブであり前記照明装置が動的に変化するカラーシャドウを発する第2のモードとの間で切り替える、セレクタと、
を有する照明装置であって、
前記第2のモードにおいて前記照明装置は、前記物体上に動的に変化するカラーシャドウを生成し、
赤色光源、緑色光源及び青色光源のうちの1つである更なる光源を有する照明装置であって、
前記空間光スペクトル分布を変更するために、前記制御ユニットは、時間変化方式に従って、前記更なる光源の強度及び前記更なる光源と同じ色の光線を発している前記光源配置の第1の光源の強度を変更し、前記更なる光源からの及び前記第1の光源からの前記光の強度は、同期され強度の変化において反対である、
照明装置。
【請求項2】
前記複数の光源は、赤色光源、緑色光源及び青色光源を有し、各光源は発光ダイオードである、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記時間変化方式は、パルス幅変調方式及び連続電流方式のうちの1つである、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の光源及び何らかの他の光源は光チャンバ内に配されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
蛍光体要素の第1の集合を含む蛍光体システムを有し、前記複数の光源の各々は前記蛍光体要素の前記第1の集合内の対応する蛍光体要素である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
光線再指向要素及び少なくとも1つの発光要素を更に有する請求項5に記載の照明装置であって、
前記発光要素は前記光線再指向要素に向かって光線を発し、
異なる散乱特性を有する2つの部分を有する前記光線再指向要素は、前記蛍光体要素に向かって前記光線を散乱させ、前記光線再指向要素は、前記蛍光体要素上の散乱された前記光線の照明位置が修正可能であるように移動可能であり、
前記異なる色の複数の光源のうちの少なくとも2つ光源の間の空間分離が、前記空間光スペクトル分布を調整するために変更可能である、
照明装置。
【請求項7】
第2の集合の蛍光体要素を更に有する請求項6に記載の照明装置であって、
前記第1の集合の前記蛍光体要素の空間分布は、前記第2の集合の前記蛍光体要素の空間分布と異なり、
前記第1の集合及び前記第2の集合は前記発光要素に対して移動可能であり、前記発光要素は、前記蛍光体要素の前記第1の集合及び前記第2の集合に向かって二者択一的に光を発する、
照明装置。
【請求項8】
前記コントラスト生成要素の前記第2の部分は光遮断部である、請求項1乃至7の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記コントラスト生成要素の前記第2の部分は光学的拡散部分である、請求項1乃至8の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
光の量、光の色、温度、湿度、及び各々照明装置の近くにおける人の存在のうちの少なくとも1つを表す信号を検出するように配されているセンサを更に有し、前記制御ユニットは前記空間光スペクトル分布のレベルを適応させるように構成されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記照明装置は、光エンジン、電球又は照明器具のうちの1つとして配される、請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
発された白色光は、前記照明装置の動作の間、変化しない色点を有する、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
発された白色光は、更に、照明装置の動作の間、変化しない演色評価数を有する、請求項12に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾的な光効果を創る照明デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
照明装置の急速な発達は、更なるエネルギー効率的な照明だけでなくアプリケーション及び設計の新しい可能性を提供している。例えば、近年、発光ダイオード(LED)は、主に、例えば蛍光灯管のような他の既存の技術を超える優れたエネルギー効率のために、照明アプリケーションのための市場における強い競争者として現れた。
【0003】
照明装置の発達によって、照明効果のような機能上の新しい要求が、現れている。このような照明効果は、変形可能である又は他の仕方において光パターンを変化させるものであり得る。例えば、マスクによって創られるシャドウは、移動可能である又は他の仕方において修正可能なものであることが望ましい。
【0004】
装飾的な照明の他の例は、照明装置の周囲の物体に投じられるカラーシャドウを創ることを含む。このようなカラーシャドウは、例えば、異なる有色の光を有する発光するLEDを、これらが一緒に白色光を創るように互いに隣に配することによって創られることが可能である。LEDにより発される光を遮断する物体は、ダイオードの各々に関して異なる量の有色の発光ダイオードからの光を遮り、この結果、遮断物体の後ろにおける物体上にカラーシャドウをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許出願公開第20110116259号は、カラーシャドウを創ることができるシステムの例を開示している。米国特許出願公開第20110116259号において開示されているシステムは、物体の後ろにおけるシャドウの色を検出することができ、次いで、所望の色シャドウに従って発された光を調整する。
【0006】
しかしながら、カラーシャドウの制御における更なる柔軟性が望まれ得る。例えば、白色光出力のみを有する又はカラーシャドウのより動的な外観を有することが望ましくあり得る。
【0007】
本発明の全体的な目的は、白色光を生じることができる照明装置を提供し、動的なカラーシャドウを誘導することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の第1の見地によれば、照明装置であって、
対応する光線を発するように構成される異なる色の複数の光源を有する光源配置であって、前記光源配置により発される全ての光は白色光線を生成する、光源配置と、
光学的伝達部分及び光学的に少なくとも部分的に遮断する第2部分を有するコントラスト生成要素であって、前記光源配置から白色光を受け取るように配されているコントラスト生成要素と、
前記コントラスト生成要素における前記光源配置により発される全ての光の空間光スペクトル分布を変調するように前記光源配置を制御し、これにより複数の光源と協働してコントラスト生成剤によって創られるカラーシャドウを動的に変化させる、制御ユニットと、
前記制御ユニットが非アクティブであり前記照明装置が白色光を発する第1のモードと、前記制御ユニットがアクティブであり前記照明装置が動的に変化するカラーシャドウを発する第2のモードとの間で、前記照明装置を切り替えるセレクタと、
を有する照明装置が提供される。
【0009】
オプションで、光学的透過性は、例えば、透明、半透明、透光性又はこれらの集合み合わせであっても良い。制御ユニットは、マイクロプロセッサの形態におけるものであり得る。セレクタは、例えば、制御ユニットを無効にする、又は制御ユニットをアイドルのモードにするスイッチであっても良い。
【0010】
「空間光スペクトル分布」なる表現は、空間拡張における光の色の分布を示すことを目的としている。従って、空間光スペクトル分布を変調することは、発された光の或る波長の空間拡張を変化させることを意味する。従って、発される光の全体のスペクトル成分は変化しないが、特定の空間拡張にわたるスペクトルは変化する。例えば、赤色、緑色及び青色光源を有する配置において、緑色光源の場所は、異なる位置へ移動されることができる。このことは全体のスペクトルに影響を及ぼさないが、前記スペクトルの空間分布は変化する。
【0011】
本発明は、空間光分布の変調を無効にする又は有効にすることによって、照明装置が白色光及び変化するカラーシャドウの両方を生成することができるという理解に基づいている。更に、これらが一緒に白色光を生じるような仕方において、異なる色の複数の光源を配することによって、或る色の発された光の空間光分布を変更することによって、変化するカラーシャドウに基づく動的なパターンを含むことも可能であることが実現される。
【0012】
前記複数の光源は、赤色光源、緑色光源及び青色光源を有することができ、各光源は、例えば、発光ダイオードである。
【0013】
発される白色光は、好ましくは、2.000Kと10.000Kとの間の相関色温度(CCT)を有する。発される白色光のCCTは、前記照明装置の動作中、一定である。
【0014】
発される白色光は、好ましくは、70を超える、80を超える又は90さえも超える演色評価数(CRI)を有する。好ましくは、発された白色光のCRIは、前記照明装置の動作中、一定である。
【0015】
発される白色光は、好ましくは、照明装置の動作中、BBLから15 SDCM(色合わせの標準偏差)内、10 SDCM内、又は5 SDCM内において、実質的に黒体境界(BBL)上にある色点を有する。
【0016】
白色光を生じる複数の光源(例えば、赤、緑色及び青色光源を構成する)は、2mm以下、好ましくは1mm以下、最も好ましくは0.5mm以下の間隔によって、各光源間に間隔を設けて配される。前記間隔は、第1の光源から隣接する光源までの距離である。自然に、前記光源配置の複数の光源は、同じ色の複数の光源を有することができる。例えば、前記光源配置は、2つの赤色、2つの緑色及び2つの青色光源を有することができる。
【0017】
本発明の一実施例によれば、照明装置は、赤色光源、緑色光源及び青色光源のうちの1つである更なる光源を有することができ、前記空間光スペクトル分布を変調するために、前記制御ユニットは、時間変化方式に従って、前記更なる光源の強度と、更なる光源と同じ色の光線を発する前記光源配置の第1の光源の強度とを変更し、前記更なる光源からの及び前記第1の光源からの前記光の強度は同期され、強度の変化において反対である。従って、動的なカラーシャドウは、有色光源のみを使用することによって、及び前記光源の出力光の強度のみを変更することによって、有利な仕方において創られることが可能である。
【0018】
更なる有色光源(例えば、第2の光源(例えば緑色)又は第2の有色光源(例えば赤色、緑色、青色)は、前記第1の複数の光源から、好ましくは2mmより大きく、より好ましくは4mmより大きく、最も好ましくは5mmより大きく離間して配される。
【0019】
他のコンフィギュレーションにおいて、第3の光源が含まれることができる。例えば、前記照明配置は、(例えば2mm以上の距離において)互いに隣に配された複数の光源(例えば赤色、緑色及び青色)と、前記複数の光源から4mmの距離に配される緑色光源と、前記複数の光源から8mmの距離に配された緑色光源とを有することができる。
【0020】
前記複数の光源及び前記更なる光源は、反射チャンバ又は反射装置のような、光チャンバ内に配されることができる。
【0021】
前記時間変化方式は、パルス幅変調方式及び連続電流方式のうちの一方であり得る。例えば、パルス幅変調方式の場合、前記更なる光源が高輝度状態における光を発するとき、前記第1の光源の強度は低い状態にあり、逆もまた同じである。
【0022】
本発明の一実施例において、前記照明装置は、白色光を発するように構成される白色光源を有することができ、空間光スペクトル分布を変調するために、前記制御ユニットは、複数の光源のうちの少なくとも1つから発される光の強度を、複数の光源の他の1つに対して及び白色光の強度に対して変更するように構成される。従って、このようにして、前記複数の光源の何れかの強度の何れかが変更されることができるので、2つ以上の色の動的なカラーシャドウが創られることが可能である。
【0023】
代替的に又は追加的に、前記複数の光源は、それぞれ蛍光体要素である。従って、照明装置は、前記蛍光体要素の集合を有する蛍光体システムを有することができ、複数の光源の各々は、蛍光体要素の集合におけるそれぞれの蛍光体要素である。
【0024】
蛍光体要素に関して、変調された空間光スペクトル分布を達成する代替的な仕方も可能である。例えば、前記照明装置は、更に、光線再指向要素及び発光要素を有することができ、前記発光要素は、前記光線再指向要素に向かって光線を発するように配され、前記光線再指向要素は、前記蛍光体要素に向かって光線を散乱させるように配され、前記光線再指向要素は異なる散乱特性を有する2つの部分を有し、前記光線再指向要素は前記蛍光体要素上の散乱された光線の照明位置が修正可能であるように移動可能であり、赤色光源、緑色光源及び青色光源のうちの少なくとも2つの間の空間分離は、空間光スペクトル分布を変調するために変更可能である。
【0025】
上述したように、発光要素(例えば、レーザー)は光線を光線再指向要素上に発するように配されており、前記光線再指向要素は前記光線を幾つかの光線に散乱させる。光線の各々は、蛍光体要素に当たる。前記光線再指向要素が、前記発光要素からの光線が異なる散乱特性を有する異なる部分に当たるように移動される場合、前記蛍光体上の照明位置が変更され、これにより前記空間光スペクトル分布を変調する。
【0026】
空間光スペクトル分布を変調する他の仕方は、蛍光体要素間の空間分離を変調することである。例えば、前記照明装置は、発光要素と、蛍光体要素の第2の集合とを更に有し、前記第1の集合の前記蛍光体要素の空間分布は、前記第2の集合の蛍光体要素の空間分布と異なり、前記第1の集合及び前記第2の集合は前記発光要素に対して移動可能であり、前記発光要素は、蛍光体要素の前記第1の集合及び前記第2の集合に向かって二者択一的に光を発するように配されている。
【0027】
前記コントラスト生成要素の第2部分は、有利には、光遮断部であっても良く、これにより効率的にシャドウを創る。代替的には、前記コントラスト生成要素の前記第2の部分は、光学的拡散部分である。
【0028】
環境に依存して動的なカラーシャドウを変更するのが望ましい状況があり得る。従って、前記照明装置は、更に、光の量、光の色、温度、及び各々照明装置の近くにおける人の存在のうちの少なくとも1つを示す信号を検出するように配されるセンサを有し、前記制御ユニットは、前記空間光スペクトル分布の変更のレベルを適応化するように構成される。
【0029】
前記動的なカラーシャドウは、場所、日付、時間及び季節等に依存して変更されることもできる。
【0030】
好ましくは、前記照明装置は、例えば、照明器具、光エンジン又はランプにおいて、配されることができる。例えば、照明器具等における交換可能な照明源として使用されることができる。照明器具は、例えば、部屋を照明するように配される。
【0031】
更に、発された白色光は、照明装置の動作中に変化しない色点及び演色評価数を有することができる。
【0032】
本発明、及び本発明の更なるフィーチャ及び有利な点は、前記添付請求項及び以下の記載を研究する際に明らかになるであろう。当業者は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、本発明の異なるフィーチャが以下に記載されているもの以外の実施例を創るために集合み合わされることが可能であると理解するであろう。
【0033】
本発明のこれら又は他の見地は、ここで、本発明の例示的な実施例を示している添付の図面を参照して更に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施例による照明装置を示している。
【
図2】例示的な時間変化する方式を模式的に示している。
【
図5】本発明の一実施例による照明装置を示している。
【
図6】本発明の一実施例による照明装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の明細書において、本発明は、用途又は実施例の例を参照して記載される。しかしながら、このことは、本発明の範囲を決して制限せず、例えば、一般的な光機器、LEDランプ、符号化光照明器具のような、他のアプリケーションに等しく適用可能である。
【0036】
図1は、本発明の一実施例による照明装置の実施例を示す。
図1は、複数の光源、この場合においては、3つの光源s104、105、106と、更なる光源108とを有する光源配置102を示している。更に、光学的伝達部112と、この場合、光学的に遮断するが、半透明又は拡散するものであっても良い第2部分114とを有するコントラスト生成要素110が設けられている。コントラスト生成要素は、複数の光源104、105、106から発される光を受け取るように配される。更に、制御ユニット116は、複数の光源104、105、106及び更なる光源108を制御する光源配置102に接続されている。制御ユニット116の一部として、ここで示されているのは、アクティブと非アクティブ・モードとの間で制御ユニット116を切り替えるように動作するセレクタ118である。セレクタは、制御ユニット116と別個であっても良い。勿論、制御ユニット116及び光源配置102に電力を供給するための電力供給119も設けられている。
【0037】
複数の光源、例えば、赤色光源104、緑色光源105及び青色光源106は、各々光線を発するように構成されているが、複数の光源104、105、106から集光された光線により発される全ての光は、白色光線120である。更なる光源108は、赤色、緑色又は青色光の何れか(即ち複数の光源の色の何れか)を発するように構成される。この場合、更なる光源108は緑色の光を発する。更なる光源108により発される光を含む全ての光は、コントラスト生成要素110によって受け取られる。コントラスト生成要素110が光学的遮断部分114を有するので、シャドウ123は照明装置100により照明される物体122上に創られる。任意には、更なる光源108及び複数の光源104、105、106は、反射性チャンバであっても良い光チャンバ124に配される。
【0038】
アクティブ・モードにおいて、制御ユニット116は、光源配置102を全ての光の空間光スペクトル分布を調整するために制御する。このことは、更なる光源108から発された光の強度を調整することにより達成されることができ、更なる光源108とは、この場合、緑色光源であって、時間変化方式による緑色光源105である。変調の時間的尺度は、変化するカラーシャドウがユーザによって観察可能でなければならないようなものである。好ましくは、第1のコンフィギュレーションから第2のコンフィギュレーションへのカラーシャドウの変化には、少なくとも1秒間かかる。変調は、全ての発された光の相関色温度(CCT)が変化をしない、即ち全ての発された光は白色に維持されるようなものである。
図2aに示すように、時間変化方式の例は、パルス幅変調方式である。時間変化方式の他の例は、
図2bに示される連続的な電流方式である。パルス幅変調方式において、
図2aに示すように、調整された光のパルスは、緑色光の全強度が一定に保持されるが、空間拡張は変化するように、同期している及び反対のものである。連続電流方式(
図2b)において、強度の連続的な変化は、緑色光の全強度が一定に保持されるが、空間拡張は変化するように、互いに対して反対である同じ仕方におけるものである。非アクティブ・モードにおいて、空間光スペクトル分布の変調は、使用不能である。勿論、他の時間変化方式も、考えられる。
【0039】
他の実施例において、更なる光源108は白色光源108であっても良い。白色光源108は、これ自体、複数の光源から作られることができ、更なる複数の光源及び同じ色を有する第1の複数の光源104、105、106の個々の光源は、時間変化方式に従って調整される。更なる光源108が単一の白色光源であり、複数の光源104、105、106が赤色、緑色及び青色光源である場合、動的なカラーシャドウが、複数の光源104、105、106に対して白色光源108の光出力を切替えることによって、得られることが可能である。このコンフィギュレーションにおいて、複数の光源104、105、106は、白色光を生じて、色を有する更なる光源の場合におけるよりも大きい距離をおいて配され、当該距離は、例えば、5mmよりも大きいものであり得る。白色光源108及び複数の光源104、105、106の白色光のCCTは、同じある。白色光は、2,000と10,000Kとの間のCCTを有する。好ましくは、白色光は、BBL上又はこの近くにある。そして、好ましくは、両方のモード(アクティブ及び非アクティブ)は70を超えるCRIを与え、同じであっても良いが、このことは必要とされない。
【0040】
更に、
図5に示されるように、センサ602が、当該照明装置を囲む環境特性(例えば、光の量、光の色、温度、湿度)、又は当該照明装置の近くにおける人の存在を表す信号を検出するように配されることができる。制御ユニット116は、この場合、空間光スペクトルの分布の変更のレベルを適応させることができる。例えば、照明装置100と同じ部屋に存在する人がいる場合、カラーシャドウは、室内の快適さが増大されるように構成されることができる(例えば、多かれ少なかれ深みのあるカラーシャドウ)。
【0041】
光源配置を得るための他の仕方が、例えば、光源配置500の例を示している
図3a―bに示されているように存在する。
図3a―bにおいて、蛍光体要素402、404、406、408及びレーザー410である発光要素(発光要素のための他の代替的なものも可能であるが)と、光線再指向要素412との集合が示されている。光線再指向要素412は、例えば、屈折又は拡散光学要素であり得る。前記光線再指向要素は、示された実施例において、光を異なって再指向する2つの部分414、416(例えば、部分416は部分414よりも広い角度に光を再指向する)を有する拡散光学要素である。光線再指向要素412は、レーザー410から光線を受け取り、蛍光体要素402、404、406、408の集合に向かって光線を再指向するように配されている。光線再指向要素412は、レーザー410により発される光線が拡散光学要素の異なる部分(例えば414又は416)によって受け取られ、これにより光線の再指向(又は散乱)が調整されることができるように、
図3a(位置1)及び
図3b(位置2)に示されるように2つの位置の間で移動可能である。説明のため、4つの照明位置418、419、420、421が蛍光体要素402、404、406、408の集合に示されている。光線再指向要素412が第1の位置から第2の位置に移動する場合、当該照明位置も変化し(
図3bに対する
図3a)、これにより蛍光体要素402、404、406、408の集合から発される光空間スペクトル分布も変化する。つまり、空間光スペクトルの分布を調整するための
図1及び
図2における光源104、105、106及び更なる光源108の個々の強度の調整の代わりに、
図3a―bに示される実施例によって、蛍光体要素402、404、406、408の集合上の照明位置として示される光源間の距離を調整することによって、空間光スペクトルの分布を調整することが可能である。
【0042】
図4は、本発明の実施例の他の光源配置500を示している。光源配置500は、平面形状を有する可動ホルダ508内に配されている蛍光体要素502、504、506及び502'、504'、506'を含んでいる。更に、複数の光源512(1つのみが番号を付されている)を収容するハウジング510が設けられている。光源は、例えば、白色光を発するLEDであり得る。光源配置において、個々の蛍光体要素502、504、506間の間隔514は、第1の集合において、第2の集合の個々の蛍光体要素502'、504'―506'間の間隔516と比較して小さい。ホルダ508が矢印の方向において前後に移動する場合、光源512から発される光は、第1の集合の蛍光体要素502、504、506によって及び第2の集合の蛍光体要素502'、504'、506'によって交互に受け取られる。このことにより、光源512により発される光を受け取るように蛍光体要素の集合を交互させることによって、空間光スペクトルの分布を調整することが可能である。
【0043】
図6は、光バルブ700の形態における本発明による照明装置700を示している。
図1及び2と同様に、光学的遮断部114を有しているコントラスト生成要素712と、複数の光源104、105、106及び更なる光源108を有する光源配置102により発される光を受け取るように配されている光学的伝達部分112とが設けられている。コントラスト生成要素712は、ここでバルブ形状を有するが、他の形状も考えられる(例えば、管形状)。制御ユニット116及びセレクタ118は、光バルブ712のベース部714内に配される。
【0044】
更に、添付の図面、本明細書及び添付の請求の範囲の研究から開示された実施例に対する変形は、請求項に記載の発明を実施する際の当業者により理解され遂行されることができる。例えば、前記照明装置は、光エンジン又は照明器具又は本願明細書において、記載されているものよりも他の成形された電球として配されることができる。
【0045】
添付の請求項において、「有する」なる語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数形を排除するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において、引用されているという単なる事実は、これらの手段の集合み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。