(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第2の電極に垂直でありかつその中心を通る方向に沿って上記第2の電極を観察するとき、上記電極針の完全な挿入に対応する位置において、上記電極針が上記電極接触表面を完全に横切るように上記電極針が延在するように上記電極針の長さが決定されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のエレクトロポレーションデバイス。
上記第1の電極および/または上記注入針が、それぞれ上記電極針および/または上記注入針に平行に延在する少なくとも1つのガイドロッド(39)を備え、上記支持体が、対応するロッド挿入ガイド(28c)を備えている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のエレクトロポレーションデバイス。
上記第1の電極および/または上記注入針のガイドロッドが、対応するロッド挿入ガイド(28c)の外側での上記ガイドロッド(39)の摺動運動を制限することができるロッド止め具(40)を備えている、請求項14または15に記載のエレクトロポレーションデバイス。
上記支持体が、電極針および/または注入針を対応する挿入ガイドの軸と一列に並ぶ位置にガイドするように構成された事前位置決めガイドを備えている、請求項1〜18のいずれか一項に記載のエレクトロポレーションデバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、
電極の正確かつ安定した位置決め;
負傷のリスクの制限;および
効率的な大きい電界の発生
を可能にする新しいエレクトロポレーションデバイスを利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、物体を眼内に、特に眼の毛様体筋内に注入するエレクトロポレーションデバイスを提案し、上記デバイスは、
眼の外側表面に合うように、10〜15mmの半径を有する仮想球に沿って延在する支持体接触表面を有する支持体と、
侵襲性の電極針を備えた第1の電極と、
導電性電極接触表面を有する第2の電極と、
任意的に注入針と
を備える。
第1の主な実施形態によれば、上記支持体は、上記電極針および/または注入針の摺動をそれぞれの挿入軸に沿って、上記挿入軸と、挿入点で上記仮想球に接する平面P
Sとの間の角度ωが、40°より小さく、好ましくは35°より小さく、好ましくは30°より小さく、好ましくは28°より小さく、および/または10°より大きく、好ましくは15°より大きく、好ましくは20°より大きくあるようにガイドするように構成された挿入ガイドを備え、上記挿入点は、上記挿入軸が上記仮想球を横切る点である。
【0006】
本発明者らは、この構成が、毛様体筋内に注入される物体のための非常に正確かつ効率的なエレクトロポレーションを可能にすることを発見した。特に、電極針が、電極接触表面の前で、電極接触表面と実質的に平行に延在することを可能にする。
【0007】
好ましくは、注入針の挿入軸に関する角度ωは、25°より小さく、好ましくは23°より小さい。
【0008】
好ましくは、少なくとも1つの電極針の挿入軸に関する角度ωは25°より大きい。好ましい実施形態では、角度ωはすべての電極針について実質的に同じである。
【0009】
好ましくは、上記挿入軸と、電極接触表面に接する平面、好ましくは少なくとも電極接触表面の主軸に垂直な平面、好ましくは電極接触表面に接する任意の平面、好ましくは電極接触表面の一般的な平面との間の角度が、20°より小さく、好ましくは15°より小さく、好ましくは10°より小さくまたは5°より小さい。したがって、挿入軸は、電極接触表面と実質的に平行である。
【0010】
好ましくは、支持体は、少なくとも2つ、または厳密には3つ、4つ、5つもしくはそれより多くの電極挿入ガイドを備え、それらは好ましくは互いに平行である。上記電極挿入ガイドは、電極接触表面に接する平面、好ましくは少なくとも電極接触表面の主軸に垂直な平面、好ましくは電極接触表面に接する任意の平面と、20°より小さい、好ましくは15°より小さい、好ましくは10°より小さいまたは5°より小さい角度を画定する共通の平面内に延在する。したがって、電極針は、電極接触表面の前にかつ電極接触表面と実質的に平行に延在するネット(net)、好ましくはグリッド(grid)を画定することができる。有利には、エレクトロポレーションは均一である。
【0011】
第2の主な実施形態によれば、電極針が、少なくともその長さの一部に沿って扁平であり、かつ下記:
0.2〜2.0mmに含まれる幅W
14、および
比W
14/T
14が3より大きいところの厚さT
14
を有する。
【0012】
第3の主な実施形態によれば、支持体は、上記電極針および/または注入針の摺動をそれぞれの挿入軸に沿ってガイドするように構成された挿入ガイドを備え、支持体は、環状リム、好ましくは開いた環状リム(すなわち環の一部を画定する)を画定し、上記リムは、眼の角膜輪部に合うように、軸Xと、5mmより大きくかつ8mmより小さい半径とを有する。上記挿入軸は、挿入点において、挿入点を含みかつ環状底面を有する軸Xの円筒表面Cy’に接する平面P
CYと、50°より小さい、好ましくは45°より小さい、好ましくは40°より小さい角度αを画定する。
【0013】
好ましくは、注入針の挿入軸に関する角度αは、35°より小さく、好ましくは30°より小さく、好ましくは28°より小さく、および/または10°より大きく、好ましくは20°より大きく、好ましくは25°より大きい。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの電極針の挿入軸に関する角度αは、35°より小さく、好ましくは33°より小さく、および/または10°より大きく、好ましくは20°より大きく、好ましくは25°より大きく、好ましくは30°より大きい。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの電極針の挿入軸に関する角度αは、38°より小さく、および/または30°より大きく、好ましくは35°より大きい。
【0016】
好ましくは、支持体は、共通の平面内に延在する、好ましくは互いに平行の、少なくとも2つの電極挿入ガイドを備え、上記共通の平面は、リムの平面と、40°より大きい、45°より大きい、好ましくは50°より大きい、および/または80°より小さい、好ましくは70°より小さい、好ましくは60°より小さい、好ましくは55°より小さい角度Ωを画定する。
【0017】
第4の主な実施形態によれば、第1の電極および/または注入針は、それぞれ電極針および/または注入針に平行に延在するガイドロッドを備え、支持体は、対応するロッド挿入ガイドを備える。
【0018】
好ましくは、挿入ガイドは、支持体接触表面が延在するところの仮想球を横切らない孔である。
【0019】
好ましくは、第1の電極および/または注入針のガイドロッドは、それぞれ第1の電極の電極針の先端および/または注入針の先端を好ましくは2mmより大きく5mmより小さい距離だけ超えて延在する。
【0020】
好ましくは、ガイドロッドの最大横寸法は、0.5mmより大きく、好ましくは0.8mmより大きく、好ましくは0.9mmより大きく、および/または2.0mmより小さく、好ましくは1.5mmより小さく、好ましくは1.2mmより小さい。
【0021】
好ましくは、上記デバイスは、ガイドロッドの軸方向運動を制限することができる針止め具を備える。好ましくは、針止め具は、対応する挿入ガイドからガイドロッドを完全に抜き出すことを不可能にする、すなわち、支持体からのガイドロッドの取外しを妨げる。
【0022】
本発明者らは、これらの主な実施形態の特徴がエレクトロポレーションの効率のために有利であることを発見した。
【0023】
本発明の上記の様々な主な実施形態の任意的なまたはそうでない特徴、ならびに以下の説明における任意的な特徴は、組み合わされうるし、そうでなくてもよい。例えば、第1の主な実施形態において、第1の電極は、扁平な電極でありうるし、そうでなくてもよい。
【0024】
好ましくは、いずれの主な実施形態であっても、上記デバイスは、以下の任意的なかつ好ましい特徴の1つまたはいくつかを含む。
電極針の挿入軸は、電極接触表面の主軸に垂直な平面と、20°より小さい、好ましくは10°より小さい、好ましくは5°より小さい角度を画定する;
好ましくは、すべての電極挿入ガイドは、共通の平面内で互いに平行に延在する;
第1の電極は、共通の平面内に延在する複数の平行な侵襲性の電極針を備え、上記平面と第2の電極が延在する一般的な平面との間の角度は、10°より小さい;
支持体は、眼の角膜輪部に合うように、軸Xと、5mmより大きくかつ8mmより小さい半径とを有する環状リム、好ましくは開いた環状リムを画定し、上記リムは、少なくとも1つの切欠きによって中断されており、上記切欠きは好ましくは、120°より小さくかつ第2の電極の正中面上に中心を有する角度セクターに沿って延在するリムの一部に置かれている;
クローズ位置では、電極接触表面の前に延在する上記電極針の部分は、1mmより大きく、好ましくは2mmより大きく、好ましくは3mmより大きく、好ましくは5mmより大きく、好ましくは6mmより大きい;
上記電極針の長さは、第2の電極の正面図において、挿入された電極針が電極接触表面に面し、かつ、クローズ位置で、第2の電極によって画定された電極接触表面を完全に横切る、すなわち「ふさぐ(bar)」ように延在するように決定される;
電極接触表面の表面積は、6mm
2より大きくかつ20mm
2より小さい;
電極接触表面は好ましくは、支持体接触表面と同じ仮想球上に好ましくは延在する、球状の接触表面を画定する;
好ましくは、支持体接触表面および電極接触表面により画定される完全な接触表面が、開いた環状バンドの形状を有する;
支持体は、開いた環の全体的形状を呈し、その結果、第1の端部と第2の端部との間に間隙を示し、好ましくは、
支持体は、塑性挙動を示す材料で作られ、その結果、支持体は手作業で塑性的に変形されて上記第1の端部と上記第2の端部との間の距離を修正し得る、および/または
上記間隙は、好ましくは、第2の電極と実質的に対向して配置されている、および/または
支持体は、好ましくは、支持体の上記2つの端部に置かれた2つの保持支柱を備える;
支持体は、上記電極針および/または上記注入針を対応する挿入ガイドの挿入軸と一列に並ぶ位置にガイドするように構成された事前位置決めガイドを備える;
支持体接触表面および/または電極接触表面は、生体適合性でありかつ特に、損傷なしに眼の表面と接触して置かれることができる材料によって画定される;
支持体接触表面および/または電極接触表面は、例えばBayerによって販売される、ポリカーボネートである材料によって画定される;
電極接触表面は、真鍮によって画定される;
デバイスは、
注入針と、
電極挿入ガイドおよび注入針挿入ガイドと
を備え、上記電極挿入ガイドおよび注入針挿入ガイドは、上記電極針および注入針の摺動をそれぞれ電極針挿入軸および注入針挿入軸に沿ってガイドするように構成されており、上記電極針挿入軸に垂直な任意の平面が、上記注入針挿入軸に垂直な任意の平面に平行であり、好ましくは電極接触表面の主軸に平行である;
注入針のクローズ位置において、仮想球より下の注入針の最大深さが0.8mm〜1.0mmであり、および/または電極針、好ましくは任意の電極針のクローズ位置において、仮想球より下の電極針の最大深さが1.5mm〜1.8mmである;
デバイスは、上記物体を含む貯蔵器と、上記貯蔵器と流体連絡する注入針とを備え、上記物体は、関心のある治療用核酸であり、好ましくはデオキシリボ核酸分子またはリボ核酸分子である。
【0025】
本発明はまた、本発明によるデバイスによって、眼内に、特に眼の毛様体筋内に物体を注入するエレクトロポレーション方法に関し、上記方法は、下記工程:
a)上記眼の外側表面上に電極接触表面を配置し、好ましくは、支持体のリムが上記眼の角膜輪部(角膜の縁部)に載るように配置する工程、
b)第1の電極の電極針を、支持体の対応する挿入ガイドに挿入し、好ましくは、毛様体筋が、少なくとも部分的に、第1の電極の電極針と第2の電極との間に延在するように挿入する工程、
c)工程b)の前または後、好ましくは工程b)の後に、注入針を、好ましくは対応する挿入ガイドによってガイドされながら、眼内に挿入し、好ましくはその先端が上記眼の毛様体筋に到達するように挿入する工程、
d)上記物体を眼内に注入する工程、
e)第1の電極の電極針と第2の電極との間に電界を発生させる工程、ここで、電界は、エレクトロポレーションを促進するように適合される、
を含む。
【0026】
定義
針が可動でありかつ支持体によってガイドされるとき、その完全な挿入に対応するその位置は、「クローズ位置(close position)」と呼ばれる。本明細書では、特に明記されない限り、第1の電極の任意の位置は、クローズ位置に関係し、第2の電極の任意の位置は、第2の電極が支持体に取り付けられそしてサービスの準備ができているときの第2の電極の位置に関係する。
【0027】
「サービス位置」は、特に毛様体筋内への、物体のエレクトロポレーションに適合された構成に対応する。すなわち、電極接触表面および支持体接触表面が、第1の電極がそのクローズ位置にある状態で、眼の上に載っている。
【0028】
「扁平な」針は、必ずしも、針が平らである、すなわち平面内に延在することを意味しない。これは、針が、その幅より非常に小さい、好ましくは少なくとも5倍小さい厚さを有することを意味する。
【0029】
針の「挿入点」は、クローズ位置において、上記針が、支持体接触表面を載せる仮想球を横切る点である。この針がガイドされるときには、挿入点は、挿入軸が仮想球を横切る点に対応する。好ましくは、挿入点は、挿入ガイドの出口オリフィスに対応する。
【0030】
「球状の接触表面」は、実質的に球状の接触表面を意味し、好ましくは、眼の外側表面の前部または後部の形状に対応するようにされる。
【0031】
表面の「主軸」は、上記表面の中心を通って上記表面に垂直な方向である。
【0032】
「半球の四分円」は、半球の主軸に沿って交わる2つの垂直面での切断によって得られる、この半球の表面の四分の一を示す。
【0033】
「第1」および「第2」、または「上方」および「下方」、または「右側」および「左側」は、対応する要素を区別するために使用されるが、本発明を限定するものでない。
【0034】
本明細書では、特に明記されない限り、「1つを含む(備える)」は、「少なくとも1つを含む(備える)」として理解されるべきである。
【0035】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な以下の詳細な説明を読むことにより、また非限定的な添付の図面を検討することにより明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図3aの実施形態では、電極針の側面が、クローズ位置において電極針の挿入部分が実質的に延在する平面に対して垂直に観察され、上記平面はリム20に垂直である。
【0038】
様々な図において、同一または同様の要素を示すために同一の参照符号が使用される。
【0039】
図は、本発明によるデバイスの例を表す。
【0040】
これらのデバイスの各々は、第1の電極10、第2の電極12、および支持体16を備える。第2の電極は、眼の表面に接触するように設計された電極接触表面17を画定する。
【0041】
支持体
支持体は、球状の支持体接触表面18を画定する。この支持体接触表面は、サービス位置において眼Oの外側表面上に載り得るように、上記眼の外側表面に対応する仮想球Sに沿って延在する。
【0042】
好ましくは、支持体16はまた、支持体接触表面18の境界を部分的に画定する、軸Xを有する環状リム20を画定する。
【0043】
全体的形状
好ましくは、支持体は、
図2aに表されるように、軸Xの周りの環の全体的形状、または
図4もしくは
図5に表されるように、環の一部分の全体的形状を有する。
【0044】
図4では、支持体16は、第1の端部24aと第2の端部24bとを分離する間隙23によって中断された環の全体的形状を有する。上記間隙は、好ましくは0.5mmより大きく、好ましくは1mmより大きく、および/または8mmより小さく、6mmより小さく、5mmより小さく、4mmより小さい。
【0045】
好ましくは、
図4の実施形態に示されているように環が中断されるとき、支持体は、塑性挙動を示す材料で作られ、その結果、支持体は手作業で塑性的に変形されて上記第1の端部と上記第2の端部との間の距離を修正し得る。有利なことに、支持体16は、眼の様々なサイズに合わせて変形されうる。
【0046】
上記間隙は、好ましくは、第2の電極に実質的に対向して配置され、そのことは支持体の操作をより容易にする。
【0047】
好ましくは、上記環は、45°より大きい、好ましくは60°より大きい、好ましくは80°より大きい、好ましくは100°より大きい、好ましくは120°より大きい、好ましくは130°より大きい、好ましくは135°より大きい、および/または180°より小さい、好ましくは170°より小さい、好ましくは160°より小さい、好ましくは150°より小さい、好ましくは140°より小さい角度セクター(angle sector)α
20にわたって横方向に延在する(
図5f参照)。
【0048】
支持体は好ましくは、保持支柱を備え、好ましくは少なくとも2つの保持支柱25、好ましくは4つの保持支柱25を備え、上記保持支柱は、好ましくは支持体の第1の端部および第2の端部にそれぞれ配置される。保持支柱は、支持体の操作をより容易にする。保持支柱25は、支持体の上方表面上にあり、好ましくは支持体接触表面18に対向する外側表面の一部の上にあり、また、好ましくは第2の電極に対向する支持体の部分の上に少なくとも部分的に配置される。
【0049】
支持体接触表面18は好ましくは、1つ、好ましくはいくつかのスパイク26を有し、スパイク26は、上記表面から突出しており、かつ眼上での支持体の摺動を制限するように設計されている。支持体は好ましくは、2個超、5個超、10個超、20個超のスパイク26を備える。上記スパイクの高さは好ましくは、0.1mmより大きく、および/または0.5mmより小さくもしくは0.3mmより小さい。
【0050】
一実施形態では、支持体は、電極針の侵入段階中にまぶたを開いたままにすることができるように設計される。
【0051】
支持体はまた、第1の電極および/または注入針をクローズ位置の方に押しやり、および/または眼の表面に第2の電極を押しつけるように構成された弾性手段、例えばばねを有し得る。
【0052】
支持体16は好ましくは、ポリマー材料のものである。それは好ましくは、導電性でない材料のものである。
【0053】
支持体は好ましくは、使用者によるより良好な観察のために透明な材料で作られている。
【0054】
支持体は、デバイスの操作のために使用されることができる。
図5に表されるように、支持体は、注入デバイスが例えば一方の手の親指と人差し指との間に把持されることを許すハンドル31を特に備え得る。デバイスの操作は、このようにして非常に容易に行われる。
【0055】
好ましくは、ハンドルは軸Δ
31に沿って延在し、軸Δ
31は、リムの平面に対して25°より大きい、好ましくは30°より大きい、および/または45°より小さい、40°より小さい、35°より小さい角度ω
31で傾いている。
【0056】
第1の電極10が、対応する同一平面内の電極挿入ガイドによってガイドされるいくつかの同一平面内の電極針を備えている場合には、ハンドルは好ましくは、上記電極挿入ガイドを含む平面に実質的に垂直な軸Δ
31 に実質的に沿って延在する。
【0057】
ハンドル31の長さl
31は、好ましくは5mmまたは8mmより大きく、好ましくは50mm、30mm、20mm、15mmより小さい。
【0058】
支持体接触表面
支持体接触表面18の幅は、一定でありうるし、そうでなくてもよい。
図4の実施形態では、支持体接触表面の幅は、2つの端部24の近傍よりも第2の電極の近傍の方が大きい。有利なことに、負傷のリスクが制限される。
【0059】
支持体接触表面18の曲率半径Rは、好ましくは10mm〜15mm、好ましくは11mm〜14mm、好ましくは12mm〜13mmの範囲であり、好ましくは約12.5mmである。したがって、眼における支持体の安定性が大きく改善される。
【0060】
一実施形態では、支持体接触表面18は、50mm
2より大きい、好ましくは100mm
2より大きい、好ましくは120mm
2より大きい、好ましくは140mm
2より大きい、好ましくは150mm
2より大きい、好ましくは160mm
2より大きい、および/または200mm
2より小さい、好ましくは180mm
2より小さい表面積を有する。
【0061】
支持体接触表面18は、中実でありうる、または孔によって局所的に中断され得る。
【0062】
好ましい実施形態では、支持体接触表面18が、第2の電極の導入のための孔19によって中断されている(
図4および
図5参照)。
【0063】
好ましくは、支持体接触表面18は、半球の1より多い四分円を超えて延在しない。
【0064】
好ましい実施形態では、支持体接触表面18は、環状のバンド、好ましくは開いた環状のバンドの全体的形状を有する。
【0065】
前面から見て、支持体接触表面18は、実質的に平行六面体の輪郭、例えば長方形の輪郭または実質的に台形の輪郭を有することができる。
【0066】
支持体接触表面18は、2つの大きな辺および2つの小さな辺を有することができる。大きな辺は特に、小さな辺と丸みのあるかど(corner)を形成することができる。
【0067】
小さな辺の長さは、3mmより大きく、好ましくは4mmより大きく、および/または10mmより小さく、好ましくは8mmより小さく、好ましくは7mmより小さく、好ましくは6mmより小さくあり得る。大きな辺の長さは、10mmより大きく、好ましくは12mmより大きく、好ましくは14mmより大きく、および/または20mmより小さく、好ましくは18mmより小さく、好ましくは16mmより小さくあり得る。
【0068】
好ましくは、支持体は、支持体接触表面18が眼の表面に載ったときに、支持体のみが支持体接触表面18によって眼の表面に接触できるように構成される。
【0069】
リム
リム20は、軸Xおよび半径R
20を有する環C
20の弧(完全な環を含む)の形状を有し、半径R
20は、5mmより大きく、好ましくは5.5mmより大きく、好ましくは5.8mmより大きく、および8.0mmより小さく、好ましくは7.0mmより小さく、好ましくは7.5mmより小さく、好ましくは6.0mmより小さい。そのようなリムは、眼の角膜輪部L
iに実質的に対応する形状を有する。そのようなリムは、少なくとも部分的に、場合によっては完全にこの角膜輪部を取り囲むように、上記角膜輪部に接触して配置されうる。
【0070】
支持体の安定性は、リム20が眼の角膜輪部に載るように設計された場合に大きく改善される。
【0071】
好ましくは、第2の電極は、そのようなリムを部分的にすら画定しない。好ましい実施形態では、支持体のみが、上記角膜輪部に載るように構成されたリムを画定する。
【0072】
リム20は、
図2aのように完全な環の形状を有しうる。有利には、サービス位置において、デバイスの安定性が向上される。しかしながら、好ましくは、リム20は、
図4に表されるように開いている、すなわちそれ自体で閉じていない。好ましくは、リム20は、
図5に表されるように大きく開いており、そのことは、その取扱いをより容易にする。
【0073】
環の上記弧の長さは、好ましくは5mmより大きく、好ましくは10mmより大きく、好ましくは12mmより大きく、好ましくは13mmより大きく、14mmより大きく、および/または好ましくは45mmより小さく、好ましくは40mmより小さく、35mmより小さく、好ましくは30mmより小さく、好ましくは25mmより小さく、好ましくは20mmより小さく、好ましくは17mmより小さく、好ましくは15mmより小さい。
【0074】
支持体は、好ましくは、上記リムに沿って延在する可撓性スカート22を備えており(
図2a参照)、上記可撓性スカートは好ましくは、シリコーン、導電性スポンジ、特に合成スポンジ、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリメタクリル酸メチルのポリマー、または任意の他の可撓性の医療グレードのポリマーから形成される群から選択される材料で作られる。
【0075】
好ましくは、リムは、少なくとも1つの切欠き21、好ましくは少なくとも2つの切欠き、好ましくは3つの切欠きによって中断されている。切欠き21は、支持体を眼の上で位置決めするときに、医師が上記切欠きを通して眼の角膜輪部を見うるように構成される。少なくとも1つの切欠き、好ましくはすべての切欠きが、第2の電極の近傍に配置される。
【0076】
図4および
図5ではそれぞれ、支持体が、第2の電極の近傍においてリム20を中断する2個および3個の切欠き21を備える。実際、支持体の位置決めが非常に重要であるのはこの領域においてである。
【0077】
好ましくは、切欠きは、120°より小さい、好ましくは100°より小さい角度セクターα
21に沿って延在するリムの部分に配置され、上記角度セクターは好ましくは、第2の電極の正中面M上に中心がある(
図4d参照)。
【0078】
眼の上でのデバイスの位置決めは、有利なことに、より単純かつより正確にされる。
【0079】
電極
定義により、第1および第2の電極はそれぞれ、発電機の第1および第2の端子に電気的に接続されるように設計される。
【0080】
第1および第2の電極はそれぞれ、上記第1および第2の端子への電気的接続のための図示されていない第1および第2のコネクタを備える。発電機は、エレクトロポレーションを可能にする電界を発生させるために上記第1の電極と第2の電極とを異なって分極するように適合される。
【0081】
本発明によるデバイスはまた、そのような発電機を含みうる。
【0082】
第1の電極
第1の電極10は、1つまたはいくつかの、好ましくは3つ、4つまたは5つの、好ましくは平行な、好ましくは同一平面内にある、好ましくは直線的な電極針14を備えうる。電極針は、好ましくは、
図4aまたは
図5gに表されるように、フォークまたは櫛形を形成するように互いに固定される。2つの隣接する電極針の軸間の距離は、好ましくは0.5mmより大きく、好ましくは0.6mmより大きく、好ましくは0.7mmより大きく、好ましくは0.8mmより大きく、および/または5mmより小さく、好ましくは3mmより小さく、好ましくは1.5mmより小さく、好ましくは1.2mmより小さく、好ましくは1.0mmより小さく、好ましくは0.9mmより小さい。
【0083】
好ましくは、すべての電極針が同じ構造を有する。以下の説明では、1つのみの電極針14が説明されるが、その特徴の1つまたはいくつかが、複数の電極針を備えた第1の電極の任意の電極針に適用されうる。好ましい実施形態では、すべての電極針が同じ構造を有する。
【0084】
好ましくは、電極針14の長さl
14は、8mmより大きく、好ましくは10mmより大きく、好ましくは11mmより大きく、および/または15mmより小さく、好ましくは14mmより小さく、好ましくは13mmより小さい(
図3a’および
図4a参照)。
【0085】
好ましくは、或る電極針の、好ましくは任意の電極針の挿入長さl
14i、すなわち、クローズ位置における仮想球S内に延在する挿入長さは、5mmより大きく、好ましくは7mmより大きく、好ましくは8mmより大きく、および/または13mmより小さく、好ましくは12mmより小さく、好ましくは11mmより小さい(
図3a’参照)。
【0086】
好ましくは、電極針14の直径は、0.5mmより小さく、好ましくは0.4mmより小さく、好ましくは0.35mmより小さい。この特徴は、
図4または
図5の実施形態のように、眼の表面に対して実質的に接線方向に電極針が眼内に挿入される場合に特に有利である。
【0087】
好ましくは、電極針14の直径は、0.2mmより大きく、好ましくは0.3mmより大きい。有利なことに、電極針は、それにより、眼に、特に眼の表面に対して実質的に接線方向に挿入されるのに充分に堅い。
【0088】
同じ理由により、電極針14の先端27は好ましくは、
図1aおよび
図3aに表されるように、眼内への電極針の侵入を促進するように斜めに切られている。
【0089】
実施形態において、任意の電極針14は、外側表面が電気的に絶縁された絶縁部分14aと、好ましくは上記絶縁部分から電極針の先端27まで延在する、非絶縁部分14bとを備える。
【0090】
絶縁部分14aは、例えば絶縁カバーによって絶縁され得、それにより、好ましくは、上記電極針の電気的に絶縁された部分が、クローズ位置において仮想球S内に少なくとも0.4mm、少なくとも0.6mm、または少なくとも0.8mm侵入しうる。
【0091】
図1に示されるように、電極針14は、扁平な部分を備え得る、すなわち、その幅と厚さとの比W
14/T
14は、3より大きく、好ましくは5より大きく、7より大きく、10より大きく、15より大きく、20より大きく、および/または30より小さく、もしくは25より小さい。好ましくは、幅W
14は、0.15〜2.0mmに含まれ、好ましくは0.20mmより大きく、および/または、厚さT
14は、0.15〜0.5mmに含まれ、好ましくは0.20mmより大きい。
【0092】
扁平な部分は好ましくは、眼内に挿入され得る、すなわち支持体接触表面18を載せる仮想球S内に突出しうる挿入部分の長さの、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超を占める。
【0093】
好ましくは、扁平な部分は、挿入針の先端27まで延在し、および/または、導電部分14aの全長に沿って、さらには挿入部分の全長に沿って、好ましくは電極針の長さすべてに沿って延在する。
【0094】
扁平な部分は好ましくは、上方および下方の大きな面14
1および14
2、ならびに右側および左側の側面14
3および14
4を備え、右側および左側の側面は、扁平な部分の厚さ、すなわち2つの大きな面の間の最大距離を画定する。
【0095】
扁平な部分は、その長さに沿って(
図1a参照)および/またはその幅に沿って(
図1b参照)湾曲されうる。
【0096】
扁平な部分14は、シュート(chute)の形状または球の一部の形状を有しうる。
【0097】
好ましい実施形態では、上方の大きな面14
1は少なくとも部分的に、第2の電極の接触表面に実質的に平行に延在する。
【0098】
特に、少なくとも電極接触表面に面する領域では、上方の大きな面14
1は、仮想球Sと同じ中心を有する球の形状を有しうる。有利には、電極接触表面が上記仮想球に沿って延在する場合に、第1の電極と第2の電極との間の電界の均一性が改善される。上方の大きな面14
1はまた、第2の電極の長さおよび/または幅に対応する長さおよび/または幅を有しうる。
【0099】
扁平な部分14は、一定または可変の長さおよび/または幅および/または厚さを有しうる。特に、それは、電極針が横方向に、および/または上から、すなわち大きな面に垂直に観察されるように、観察されるときに、斜めに切られ得る。
【0100】
好ましくは、上方の大きな面の活動領域、すなわち、クローズ位置で第2の電極に面する領域において、扁平な部分の厚さおよび/または幅が実質的に一定である。
【0101】
第2の電極
図2bおよび
図2cでは、第2の電極が破線で表されている。
【0102】
電極接触表面17は好ましくは、支持体の球状の支持体接触表面18と同じ仮想球Sに沿って延在する。それは、眼Oの外側表面に適合し、その結果、サービス位置において上記眼Oの外側表面上に載ることができる。
【0103】
それは、
図2および
図3の実施形態のように、支持体接触表面18の少なくとも一部、好ましくは表面全体を覆う導電性の層でありうる。
【0104】
図4および
図5の実施形態では、第2の電極は、支持体と一体でない、すなわち、最初は支持体から独立しており、次いで支持体に取り付けられる部分である。
【0105】
好ましくは、
図4aに表されるように、第2の電極は、支持体から取り除かれる、すなわち取り外されることができる。
【0106】
第2の電極が支持体に取り付けられるとき(
図4および
図5)、支持体、特に支持体のハンドルは、好ましくは、この取付けをガイドするように構成される。特に、支持体は、第2の電極が組み立て位置までその中を摺動しうる管(
図4)またはみぞ(gutter)(
図5)を画定しうる。好ましくは、支持体は、組み立て位置で、場合によっては可逆的に、支持体に第2の電極を固定するように構成された弾性舌片37または爪を備える(
図5d参照)。
【0107】
第2の電極12は好ましくは、導電性材料で作られたプレート接触電極である。
【0108】
第2の電極はまた、好ましくはその接触表面17に垂直に延在する一組のスパイクを備え得る。これらのスパイクは、支持体のスパイク26に類似しうる。好ましくは、第2の電極は何らスパイクを備えていない。好ましくは、第2の電極は滑らかである。
【0109】
第2の電極は、環状リム20を画定しうる。しかしながら、
図4に表されるように、リム20は、好ましくは支持体によって画定される。
【0110】
電極接触表面17は好ましくは、支持体接触表面18によって実質的に取り囲まれている。
【0111】
好ましくは、リム20と電極接触表面18の任意の点との間の距離d
18は、2mmより大きく、好ましくは2.5mmより大きく、好ましくは3mmより大きく、好ましくは3.5mmより大きく、好ましくは4.0mmより大きく、および/または6mmより小さく、好ましくは5mmより小さく、好ましくは4.5mmより小さい(
図6e参照)。
【0112】
好ましくは、電極接触表面は半球の1つの四分円を超えて延在しない。
【0113】
好ましくは、第2の電極は、軸Xの周りの角度セクターα
12内に延在し(
図2c参照)、角度セクターα
12は、90°より小さく、好ましくは60°より小さく、好ましくは50°より小さく、好ましくは45°より小さく、好ましくは35°より小さく、好ましくは30°より小さく、および/または好ましくは10°より大きく、好ましくは15°より大きく、好ましくは20°より大きい。
【0114】
電極接触表面の表面積は好ましくは、3mm
2より大きく
、4mm
2より大きく
、5mm
2より大きく
、6mm
2より大きく
、8mm
2より大きく
、10mm
2より大きく
、11mm
2より大きく
、12mm
2より大きく
、15mm
2より大きく
、17mm
2より大きく、および/または90mm
2より小さく
、60mm
2より小さく
、30mm
2より小さく
、20mm
2より小さい。
【0115】
正面図において、電極接触表面は好ましくは、実質的に長方形の形状を有する。上記正面図では、第2の電極の長さl
12は、好ましくは3mmより大きく、4mmより大きく、5mmより大きく、および/または8mmより小さく、7mmより小さい。上記正面図では、第2の電極の幅w
12は、好ましくは1mmより大きく、好ましくは2mmより大きく、および/または4mmより小さい。
【0116】
注入針
好ましくは、上記デバイスは注入針42を備える。
【0117】
注入針は、第1の電極および/または第2の電極および/または支持体の一部分でありうる。特に、注入針は、第1のおよび/もしくは第2の電極を構成する、またはそれらの一部分であるように導電性材料のものでありうる。特に、第1の電極の電極針14は注入針でありうる。
【0118】
逆に、かつ好ましくは、注入針は、
図4または
図5のように、第1および第2の電極から独立していてもよい。
【0119】
好ましくは、注入針は、眼の外側表面より下の注入針の最大深さp
42が0.6mm〜1.3mmに含まれ、好ましくは0.7mmより大きく、好ましくは0.8mmより大きく、好ましくは0.85mmより大きく、および/または1.2mm未満、好ましくは1.1mm未満、好ましくは1.0mm未満、好ましくは0.95mm未満であるように注入針のみが眼内に侵入できるように構成される。
【0120】
注入針は、特に、参照により組み込まれる国際公開第2009/122030号または米国特許出願公開第12/921,979号明細書に開示された注入針の1つまたはいくつかの特徴を有しうる。
【0121】
好ましくは、注入針の挿入長さは、2mmより大きく、好ましくは3mmより大きく、好ましくは3.5mmより大きく、好ましくは4.0mmより大きく、および/または7.0mmより小さく、好ましくは6.0mmより小さく、好ましくは5.5mmより小さい。
【0122】
好ましくは、注入針の挿入長さの任意の電極針の最大挿入長さに対する比が、0.3〜0.7、好ましくは0.4〜0.6、好ましくは約0.5である。
【0123】
好ましくは、注入針の挿入長さおよび対応する注入針挿入ガイドの位置は、注入針および複数の電極針のクローズ位置において、電極接触表面17の主軸Δ
17に沿って観察されるとき、注入針の先端が、仮想球S内の電極針により画定されるグリッドの中心にあるように決定される(
図6g参照)。
【0124】
注入針は、1つまたは複数の放出オリフィス38を有する注入チャネル36を備え得る。
【0125】
1つまたはいくつかまたはすべての放出オリフィス38は、
図3aに表されるように、注入針の主軸に対して軸方向に開いていてもよく、そうでなくてもよい。特に、1つまたはいくつかのまたはすべての放出オリフィス38は、(
図1aに表されるように)大きな面上におよび/または電極針の扁平な部分の側面上に開いていてもよい。
【0126】
放出オリフィスは好ましくは、扁平な部分の大きな面上に均一に分布している。
【0127】
図1aに表されるように、注入チャネル36は、電極針14上に、特に扁平な電極針の大きな面上に固定されうる。
【0128】
放出オリフィスは、放射状に開いていてもよい。
【0129】
特に扁平な電極針に関して、注入チャネル36は少なくとも部分的に、非金属の材料の壁、特にポリマー、例えばシリコーン、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリメタクリル酸メチルのポリマー、または任意の他の可撓性の医療グレードのポリマーから形成される群から選択されるポリマーの壁によって画定されうる。注入チャネル36は、好ましくは、シリコーンで作られた壁により画定される。
【0130】
好ましくは、
図4の実施形態によれば、上記デバイスは、好ましくは眼内への挿入を制限する針止め具を備えた、1つだけの単一注入針42を備える。
【0131】
針のガイド
支持体16は、1つまたは複数の挿入ガイド28を備え得る。
【0132】
針、すなわち電極針14または注入針42は、したがって、針がそこで支持体接触表面18からそれぞれ内側に突出しいているおよび突出していないところの極度の(すなわち当接により制限された)クローズ位置とリモート(remote)位置との間で可動であり得、またガイドされ得る。上記デバイスは、針の位置、特に電極針14の位置を、上記リモート位置から上記クローズ位置へ自動的に変更する機構を備え得る。
【0133】
針のガイドされる運動は、回転および/または並進でありうる。
【0134】
好ましくは、挿入ガイド28は、対応する針のその長手軸の周りのいかなる回転も妨げるように構成される。
図2aに表されるように、挿入ガイド28の断面は、対応する針の断面に対して非対称および相補的であり得、例えば表されているように長方形でありうる。
【0135】
実施形態において、ガイドは、
図4に表されるように、挿入される針と、針が挿入されるところの支持体の孔の表面との間の接触から結果する。
【0136】
支持体は好ましくは、侵襲性の電極針との接触によって上記侵襲性の電極針の挿入をガイドする電極挿入ガイド28a、および/または注入針との接触によって上記注入針の挿入をガイドする注入針挿入ガイド28bを備える。
【0137】
挿入ガイド28aまたは28bの断面は好ましくは、それぞれ対応する電極針または注入針の断面と合う。
【0138】
好ましくは、挿入ガイド28aまたは28bは、支持体を通り抜ける孔の形状を有し、それぞれ対応する出口オリフィス30および入口オリフィス32を通ってその接触表面および外側表面から出る。
【0139】
上記孔の断面の最大および/または最小の寸法は好ましくは、0.5mmより小さく、好ましくは0.4mmより小さく、好ましくは0.35mmより小さく、および/または好ましくは0.2mmより大きく、好ましくは0.3mmより大きい。
【0140】
好ましくは、孔は、好ましくはその長さに沿って一定の断面を有する管の形状を有する。挿入ガイドの長さは、好ましくは0.5mmより大きく、好ましくは1mmより大きく、好ましくは2mmより大きい。
【0142】
代わりにまたは加えて、好ましい実施形態では、第1の電極および/または注入針は、それぞれ電極針および/または注入針に平行に延在する少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つのガイドロッド39を備え、支持体は、対応するロッド挿入ガイド28cを備える(
図5g参照)。
【0143】
ガイドロッドの長さl
39は、好ましくは12mmより大きく、好ましくは14mmより大きく、および/または20mmより小さく、好ましくは17mmより小さく、好ましくは16mmより小さい。
【0144】
好ましくは、ロッド挿入ガイド28cは、支持体接触表面18がその上に延在するところの仮想球Sに侵入しない孔である。したがって、支持体接触表面18が眼Oの外側表面に載るとき、ガイドロッドは支持体接触表面18を通り抜けることができず、したがって眼内に侵入することができない。有利なことに、ガイドする長さ、すなわち挿入ガイド28cの長さは増加され得る。
【0145】
好ましくは、或るガイドロッドまたは任意のガイドロッドには、
図6cに表されるように、対応するロッド挿入ガイド28cの外での上記ガイドロッド39の摺動運動を制限することができるロッド止め具40が設けられる。この図では、ロッド止め具40は、支持体16に、特に摺動レール41の底部で当接する。
【0146】
好ましくは、1つだけのガイドロッドにロッド止め具40が設けられる。
【0147】
好ましくは、1つだけのガイドロッドが、すべてのロッド止め具40のセットのために提供される。
【0148】
好ましくは、支持体におけるロッド止め具40の摺動はガイドされない。
【0149】
したがって、ガイドロッド39は、引っ込められた位置(
図6aおよび
図6c)および挿入された位置(
図6gおよび
図6h)から可動であり、ここでそれぞれ、ガイドロッド39によってガイドされる針、すなわち
図6の実施形態における4つの電極針は、仮想球Sの外側に(
図6a参照)および少なくとも部分的に仮想球Sの内側に(
図6g参照)ある。
【0150】
引っ込められた位置では、支持体接触表面は、ガイドされる針の挿入の前に、何ら負傷のリスクなしに眼に載るように有利に配置され得る。
【0151】
有利なことに、ロッド止め具40は、対応するガイドロッド39が支持体から外れるのを妨げる。したがって、任意の位置、特に引っ込められた位置において、ガイドロッドは常に、少なくとも部分的に、対応するロッド挿入ガイドの内側にある。結果として、ガイドされる針の眼内への挿入のために、対応するロッド挿入ガイドへのガイドロッドの事前の導入を何ら必要としない。したがって、ガイドされる針の挿入がより容易にされる。
【0152】
また、上記ガイドされる針の先端が支持体に触れ、場合によっては支持体の一部を取り出し、そしてそれを眼に入れるリスクがない。代わりにまたは加えて、同じ目的のために、挿入ガイド、特に注入針挿入ガイド28bが、金属またはセラミック材料を用いて画定されうる。金属もしくはセラミックのカバーが支持体上に提供されうる、または挿入ガイドが金属もしくはセラミックの管もしくは部分43を用いて画定されうる(
図6g参照)。
【0153】
好ましくは、
図6aに表されるように、ガイドされる針の先端27が、ガイドロッドの引っ込められた位置において支持体の内側にある。有利なことに、したがって負傷のリスクが制限される。
【0154】
好ましくは、第1の電極および/または注入針のガイドロッドが、それぞれ第1の電極の電極針および/または注入針の先端を距離Δ
39だけ超えて延在し、距離Δ
39は、好ましくは1mmより大きく、好ましくは2mmより大きく、好ましくは3mmより大きく、および/または好ましくは8mmより小さく、好ましくは7mmより小さく、好ましくは5mmより小さく、好ましくは4mmより小さい。
【0155】
有利なことに、ガイドロッドは、第1の電極の電極針および/または注入針の、それぞれ支持体の対応する挿入ガイド28aまたは28bへの侵入の前に、それぞれのロッド挿入ガイド28cに挿入されうる。したがって、挿入される針の先端は、上記挿入ガイド28aまたは28bの内側表面に刺さることがない。
【0156】
好ましくは、ガイドロッド39の最大横寸法e
39、すなわちその長さに垂直の断面での寸法は、0.5mmより大きく、好ましくは0.8mmより大きく、好ましくは0.9mmより大きく、および/または2.0mmより小さく、好ましくは1.5mmより小さく、好ましくは1.2mmより小さい。有利には、ガイドロッドの剛性が増大され、また、ガイドが改善される。
【0157】
好ましくは、上記デバイスは、29として一般的に参照される針止め具を備え、針止め具は、眼内への侵入の段階中に電極針14(29aとして参照される)および/または注入針(29bとして参照される)および/またはガイドロッド39(29cとして参照される)の動きを制限することができる。
【0158】
図3aに表されるクローズ位置では、針止め具29は、眼O内への針の挿入長さを画定するように支持体16に当接する。
【0159】
ガイドロッド止め具29cは好ましくは、
図6cに表されるように、ガイドロッド39に堅く固定される。
【0160】
眼に挿入されうる電極針および/または注入針の部分の長さ(挿入長さ)は、上記電極針および/または注入針の先端が、上記針の挿入点と向かい合う、仮想球の領域に到達することがないように決定される。
【0161】
好ましくは、針止め具29a(または、
図6のように、電極針がガイドロッドによりガイドされる場合の29c)は、第2の電極の正面図において(すなわち、第2の電極をその主軸に沿って観察するとき)、挿入された電極針が、クローズ位置において、第2の電極により画定された電極接触表面を完全に横切るように延在する(すなわち、電極接触表面の前で、電極接触表面の少なくとも一方側から反対側に延在する)ように構成される。
【0162】
針止め具29は好ましくは、針止め具の取り扱いをより容易にするウィング45を備える(
図6c参照)。
【0163】
針止め具29aは好ましくは、発電機の端子への電気接続のためのコネクタ46を備える。コネクタ46は、電極針に電気的に接続された部分に、上記端子に電気的に接続されたワイヤを押し付けるためのねじを備えうる。それはまた、電極針に電気的に接続されたソケットであって、上記端子に電気的に接続されたワイヤの対応するプラグ、例えばマイクロジャックプラグと協働するように構成されたソケットを備えうる。
【0164】
挿入ガイドおよび対応する針は好ましくは、クローズ位置において、仮想球の表面から測定された最大深さだけ針が侵入できるように構成される。
【0165】
好ましくは、任意の注入針についての最大深さp
42は、0.6mmより大きく、好ましくは0.7mmより大きく、好ましくは0.8mmより大きく、および/または1.2mmより小さく、好ましくは1.1mmより小さく、好ましくは1.0mmより小さい(
図6e参照)。
【0166】
好ましくは、或る電極針、好ましくは任意の電極針のための最大深さp
14は、1.3mmより大きく、好ましくは1.4mmより大きく、好ましくは1.5mmより大きく、好ましくは1.6mmより大きく、および/または2.1mmより小さく、好ましくは1.9mmより小さく、好ましくは1.8mmより小さく、好ましくは1.7mmより小さい(
図6e参照)。
【0167】
実施形態において、支持体は、クローズ位置において、支持体接触表面18を画定する仮想球Sより下の電極針および/または注入針の先端27の深さが、上記電極針および/または注入針が導入されるところのそれぞれ挿入ガイド28aおよび/または28bと無関係に同じであるように構成される。
【0168】
実施形態において、支持体は、クローズ位置において、電極針および/または注入針の先端27の位置、特に上記針の挿入深さが、上記針が導入されるところのそれぞれ挿入ガイド28aおよび/または28bに依存するように構成される。
【0169】
有利なことに、したがって、支持体は、
図3a’に表されるように、挿入ガイド28aまたは28bの異なる挿入長さおよび/または異なる配向を画定するように局所的に適合されうる。
【0170】
針のための様々なクローズ位置を可能にするために、および/または、第1の電極のためもしくはいくつかの針を備えた注入手段のための単一のクローズ位置を提供するために、複数の挿入ガイドが使用されうる。
【0171】
特に、支持体が、場合によっては種々の長さまたは配向を有する、いくつかの電極挿入ガイド28aを備えているときには、対応する電極針の挿入が、電極針の最適なネットを実現することを可能にする。
【0172】
電極針14がまた注入針である場合には、種々の挿入ガイドのこの多重性が、有利なことに、物体が注入されるべき領域を非常に正確に画定するように種々の点での複数の注入を可能にする。有利なことに、注入針が到達しうる眼の領域がまた拡大される。
【0173】
最後に、種々の挿入ガイドのこの多重性が、有利なことに、種々の用途または種々の物体のために同じ支持体が使用されることを可能にする。
【0174】
挿入ガイドは、好ましくは直線状である。
【0175】
実施形態において、挿入ガイド28aおよび/または28bおよび/または28cは、すべて互いに平行である。
【0176】
好ましくない実施形態では、X軸に沿って観察されるとき、挿入ガイド28、すなわち28aおよび/または28bおよび/または28cは、上記リムに対して実質的に径方向に(すなわち軸Xを含む平面において(
図2bの中央のガイドを参照))延在し、特に、挿入軸Δ
28に沿って延在する。挿入軸Δ
28は、上記リムに接しかつ挿入軸とリム20との交点を含む方向と、60°より大きく、70°より大きく、および/または110°より小さく、100°より小さい角度θ
28をなす。特に、挿入ガイドは、
図3aに表されるように、実質的に、球状の仮想球Sの中心Cを含みかつ環状リム20に垂直な平面において延在しうる。
【0177】
好ましくは、角度θ
28は、45°より小さく、好ましくは30°より小さく、好ましくは20°より小さく、好ましくは10°より小さい。
【0178】
好ましくは、或る挿入ガイド、好ましくは任意の挿入ガイドが、挿入軸Δ
28に沿って延在し、挿入軸Δ
28は、上記リムを含む平面P
20と、20°より小さく、15°より小さく、10°より小さく、5°より小さく、1°より小さい角度βを画定する。
【0179】
好ましくは、或る挿入ガイド、好ましくは任意の挿入ガイドが、平面P
20に平行に延在する。
【0180】
好ましくは、少なくとも1つの電極挿入ガイド28a、好ましくは少なくとも、リム20の平面P
20に最も近い電極挿入ガイド28aが、クローズ位置において、上記電極挿入ガイド28aに挿入された電極針14がリム20の平面P
20から距離dの位置で延在するように適合される(すなわち、距離dは、電極針の任意の点に当てはまる(
図4e参照))。距離dは、2mmより大きく、好ましくは3mmより大きく、好ましくは3.5mmより大きく、好ましくは4mmより大きく、および6mmより小さく、好ましくは5mmより小さく、4.5mmより小さい。
【0181】
好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは任意の電極挿入ガイド28aが、クローズ位置において、上記電極挿入ガイド28aに挿入された電極針14が、上記リムに載る軸Xの仮想円筒Cyの外側で完全に延在するように適合される(
図3a’参照)。
【0182】
好ましくは、少なくとも1つの、好ましくは任意の電極挿入ガイド28aは、クローズ位置において、上記電極挿入ガイド28aに挿入された電極針14の非絶縁部分14bが、軸Xに沿って観察されるとき、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、第2の電極の前の領域内に延在するように適合される。
【0183】
電極接触表面が長方形であるときには、或る挿入ガイド、好ましくは任意の挿入ガイドの挿入軸が好ましくは、電極接触表面の辺の1つに、好ましくは大きな辺に実質的に平行である。
【0184】
電極針が同一平面内にある場合には、電極挿入ガイドの平面は好ましくは、大きな辺および/または小さな辺に実質的に平行である。
【0185】
好ましくは、或る挿入ガイド28、好ましくは任意の挿入ガイド28は、第2の電極の電極接触表面17の一般的平面P
17に実質的に平行に延在する。
【0186】
好ましくは、或る挿入ガイド28、好ましくは任意の挿入ガイドの挿入軸Δ
28は、
図4eに表されるように、電極接触表面17の主軸Δ
17に垂直な平面と、50°より小さい、30°より小さい、20°より小さい、10°より小さい、好ましくは5°より小さい、好ましくは実質的にゼロである角度を画定する。
【0187】
好ましくは、電極接触表面が球状であるときには、上記電極接触表面17の少なくとも半径が、上記挿入軸に垂直な平面内に含まれる。好ましくは、上記半径は、上記電極接触表面をその中心あたりで横切る。
【0188】
好ましくは、電極挿入ガイド28は、
図1bまたは
図4eに表されるように、クローズ位置において、侵襲性の電極針14、好ましくは任意の侵襲性の電極針と電極接触表面17との間の距離δが、2.0〜1.3mm、好ましくは1.8〜1.5mm、好ましくは1.7〜1.mm、好ましくは約1.65mmであり、好ましくは、
電極針のどの点が考慮されても実質的に一定であるように構成される。
【0189】
好ましくは、少なくとも2つの電極挿入ガイド28aが共通平面P
28a内に延在する。好ましい実施形態では、すべての電極挿入ガイド28aが同じ平面P
28a内に延在する。好ましくは、
図4eに表されるように、平面P
28aは、リム20の平面P
20と、40°より大きい、45°より大きい、好ましくは50°より大きい、および/または80°より小さい、好ましくは70°より小さい、好ましくは60°より小さい、好ましくは55°より小さい角度Ωを画定する。
【0190】
実施形態において、電極挿入ガイド28aの出口オリフィス30および/または入口オリフィス32は、
図3aまたは
図4eに表されるように、全てが、リム20の平面P
20から同じ距離のところに延在するわけではない。
【0191】
好ましくは、平面P
28aは、眼の外側表面と接触するように意図された電極接触表面に実質的に平行に延在する。上記平面P
28と、第2の電極が延在する一般的平面(第2の電極の主軸に垂直な平面)との角度は、好ましくは20°より小さく、好ましくは15°より小さく、好ましくは10°より小さくまたは5°より小さい。
【0192】
好ましくは、第1の電極のすべての侵襲性の電極針、好ましくは3つ、好ましくは4つの電極針が、サービス位置において平面P
28a内に延在する。好ましくは、第2の電極の電極接触表面17の任意の点において、電極接触表面17と平面P
28との間の距離δは、2.0〜1.3mm、好ましくは1.8〜1.5mm、好ましくは1.7〜1.mmであり、
電極針のどの点が考慮されても実質的に一定である(
図4e参照)。
【0193】
注入針挿入ガイドは、電極挿入ガイド28aの1つまたはいくつかの特徴を有しうる。
【0194】
実施形態において、支持体は、電極針および注入針のそれぞれの挿入軸に沿った眼内への挿入をガイドするように構成された、少なくとも1つの、好ましくは複数の電極挿入ガイド28aおよび少なくとも1つの注入針挿入ガイド28bを備え、上記それぞれの挿入軸に垂直な平面は、互いに3°より大きい、5°より大きい、および/または10°より小さい角度を画定する。言い換えれば、クローズ位置において、電極針と注入針は互いに平行には挿入されない。有利なことに、第2の電極の電極接触表面17は、支持体の機械的耐性の悪化なしに拡大されることができる。
【0195】
支持体は、好ましくは、1つまたはいくつかの針、すなわち電極針および/または注入針を対応する挿入ガイドの軸と一列に並ぶ位置にガイドするように構成された事前位置決めガイドを備える。
【0196】
有利なことに、針の事前位置決めは、この針が、対応する挿入ガイドと一列に並ぶことを可能にし、したがって、挿入中に、針の先端が支持体に接触せず、したがって鈍くされない。
【0197】
特に、支持体は、好ましくは、針の入口オリフィス32への挿入をより容易にする事前位置決め手段を画定する。
【0198】
好ましくは、
図4eに表されるように、事前位置決め手段は、収束シュート(converging chute)33を備える。シュート33は、針を容易に導入する大きな開口34を有する。シュート33の収束部分は、針がシュート33の底部に到達するまで針をガイドする。この位置で、針の先端が入口オリフィス32に向き、その結果、針が入口オリフィス32内に導入されるときに、支持体に当たるリスクなしに、入口オリフィス内に導入されうる。
【0199】
図4eの実施形態では、しかしながら、3つの電極針がシュート33の傾斜した表面35に載る必要がある。
【0200】
同様の挿入ガイドおよび事前位置決め手段が、電極針および注入針のために提供されることができる。特に、
図4bおよび
図5bに表されるように、シュート44は、注入針が注入針挿入ガイド28bの入口オリフィスと一列に並べられるように提供されうる。
【0201】
図5の実施形態は、ガイドロッド39によるロッド挿入ガイド28cへのガイド故に、電極針のためのシュートを備えていない。
【0202】
医薬組成物
注入される物体は、特に、参照により組み込まれる国際公開第2013/024436号に記載されている医薬組成物のいずれか、特に、関心のある治療用核酸、好ましくはデオキシリボ核酸(DNA)分子(cDNA、gDNA、合成DNA、人工DNA、組み換えDNAなど)、またはリボ核酸(RNA)分子(mRNA、tRNA、RNAi、RNAsi、触媒RNA、アンチセンスRNA、ウイルスRNAなど)でありうる。実施形態において、上記組成物は、環状DNA片を含む。
【0203】
別の特定の実施形態では、本発明のエレクトロポレーションデバイスは、特に遺伝子置換を行うのに適している。したがって、核酸は、ターゲット組織において自然に発現される欠陥タンパク質を置換するように生存タンパク質をコードしうる。典型的には、置換されうる欠陥遺伝子は、国際公開第2013/024436号に開示された病気の原因となる遺伝子を含むが、それらに限定されない。
【0204】
キット
本発明によれば、キットが想定される。本発明によるデバイス、本発明による医薬組成物、および任意的に使用説明書が、キット内に一緒に提供されうる。キット内で、構成要素は、別々にパッケージ化されまたは含まれうる。
【0205】
説明書は、書面、ビデオ、またはオーディオの形態であることができ、紙または電子媒体に含まれ得、または別のソース、例えばウェブサイトもしくはリファレンスマニュアルへの参照としても含まれることができる。
【0206】
同様に、他の構成成分、例えば賦形剤、担体、他の薬物またはアジュバント、活性物質または組成物の投与のための説明書、および投与または注入デバイスが、キット内に供給されることができる。
【0207】
方法
本発明の方法は、対象者の眼疾患を処置するために使用されうる。医薬組成物は、好ましくは、本明細書で上述された医薬組成物から選ばれる。
【0208】
本発明の第1の局面によるエレクトロポレーションデバイスを使用するために、操作者は、下記工程により進めうる。
【0209】
まず、操作者は第2の電極を支持体上に固定し、医薬組成物で満たされた貯蔵器を注入針に結合し、そして第1および第2のコネクタを発電機の2つの端子に電気的に接続する。
【0210】
デバイスの位置を決めるために、操作者は、眼Oの角膜輪部Li上にリム20を配置する。リム20を角膜の縁に置くこと、および球状の支持体接触表面18を強膜に載せることは、デバイスの良好な安定性および非常に正確な位置決めを保証する。この安定化は、本発明の特定用途において非常に重要である。なぜならば、一方の電極針および/または注入針と他方の球状の支持体接触表面との間の角度が、挿入点で非常に小さい、すなわち針がこの表面に対してほぼ接線方向に挿入され、それが挿入を難しくするからである。
【0211】
次いで、操作者は、前もってリモート位置にある第1の電極、好ましくは電極針の櫛を押して挿入ガイド28aに入れる。
【0212】
実施形態において、ガイドロッド39が、対応するロッド挿入ガイド28c内に侵入する。別の実施形態では、ガイドロッドが、支持体に摺動可能に取り付けられ、そして支持体上に1つまたはいくつかのロッド止め具で保持され、その結果、有利なことに、ガイドロッド39の対応するロッド挿入ガイドへの挿入が不要である。
【0213】
次いで、第1の電極が支持体16の外側表面26に当接し、したがってクローズ位置に到達するまで、それらが第1の電極の移動をガイドして、電極針がそれらの対応する挿入ガイド28aに容易に入るのを確実にすることができる。次いで、上記電極針は、全て第2の電極の長さに沿って、第2の電極に実質的に平行に延在するグリッドを画定する。
【0214】
本発明者らは、人間の眼がすべて非常に類似の寸法および形状を有すること、特に、関与する個人に関係なく眼の毛様体筋と角膜の縁部との間の距離が実質的に同じであることを示した。第1の電極および第2の電極、挿入ガイド28、スパイク26、リム20、ならびに球状の接触表面の形状および配置は、クローズ位置において、第1の電極および第2の電極が、毛様体筋内へのエレクトロポレーションのための特に効果的な電界を作るのに最適な位置にあることを操作者が保証されるように決定される。
【0215】
次いで、操作者は、注入針を対応する挿入ガイドに、対応するクローズ位置まで挿入する。電極針を予め挿入することは、注入針の挿入中における支持体の非常に安定した位置を可能にする。
【0216】
実施形態において、注入針のクローズ位置を決定するところの注入針の止め具は、放出オリフィスが、電極針のグリッドの前で、毛様体筋において開くように決定される。
【0217】
次いで、操作者は組成物を注入することができる。
【0218】
好ましい実施形態では、注入針はシリンジの一部であり、操作者は、注入針を注入針挿入ガイドの入口オリフィスに向くようにシュート44に入れる。次いで、操作者は、注入針挿入ガイド28bを通して、第1の電極と第2の電極との間の空間に注入針を挿入し、組成物を注入し、次いで眼から注入針を抜き取る。
【0219】
注入点の多重性が組成物の侵入を促進する。
【0220】
次いで、デバイスはサービス位置になり、そして操作者は、注入区域内にエレクトロポレーションを促進する電界を作り出すようなやり方で、適切な電気信号、例えば適切な電気インパルスを発電機によって送る。デバイスの上述の構成、特に電極針の扁平な形状が、エレクトロポレーション効率を改善する。
【0221】
特定の実施形態では、1つまたは複数の電気パルスにより構成された電界が印加される。
【0222】
その電界強度は、好ましくは約1〜600ボルト、好ましくは1〜400ボルト、さらに好ましくは約1〜200ボルト、有利には約10〜100ボルト、または15〜70ボルトである。
【0223】
電界の印加の総持続時間は、0.01ミリ秒〜1秒、好ましくは0.01〜500ミリ秒、より好ましくは1〜500ミリ秒、さらに好ましくは1または10ミリ秒超でありうる。好ましい実施形態では、電界の印加の総持続時間は、10ミリ秒〜100ミリ秒であり、好ましくは20ミリ秒である。
【0224】
印加される電気パルスの数は、例えば、1〜100,000でありうる。それらの周波数は、0.1〜1000ヘルツに含まれうる。好ましくは、それは規則的な周波数である。
【0225】
電気パルスはまた、互いに対して不規則に送達されうる。1つのパルスの時間の関数として電界の強度を記述する関数は、好ましくは可変である。
【0226】
電気パルスは、単極性または双極性波パルスでありうる。それらは、例えば、方形波パルス、指数関数的低減性波パルス、限定された持続時間の振動性単極性波パルス、限定された持続時間の振動性双極性波パルス、または他の波形から選択されうる。優先的に、電気パルスは、方形波パルスまたは振動性双極性波パルスを含む。
【0227】
物体のエレクトロポレーションが完了されたとき、操作者は、電極および発電機を電気的に切断する。
【0228】
ここで明確になったように、本発明によるデバイスは、
電極の正確かつ安定した位置決め;
侵襲性の電極針の眼内への侵入における上記電極針の正確なガイド;
角膜輪部に関係した眼内への正確な注入;
効率的な均一かつ大きな電界の発生
を可能にする。
【0229】
もちろん、本発明は、説明および図示された実施形態に限定されず、それらは例示として提供されている。
【0230】
特に、種々の実施形態は互いに組み合わされてよい。