特許第6845257号(P6845257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6845257液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を差込継手で接続する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6845257
(24)【登録日】2021年3月1日
(45)【発行日】2021年3月17日
(54)【発明の名称】液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を差込継手で接続する方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/213 20060101AFI20210308BHJP
   F16L 21/00 20060101ALI20210308BHJP
【FI】
   F16L33/213
   F16L21/00 E
   F16L21/00 D
【請求項の数】17
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-558714(P2018-558714)
(86)(22)【出願日】2016年7月28日
(65)【公表番号】特表2019-515222(P2019-515222A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】AT2016060022
(87)【国際公開番号】WO2017193145
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2019年7月3日
(31)【優先権主張番号】A50425/2016
(32)【優先日】2016年5月9日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514248880
【氏名又は名称】ヘン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト ハルトマン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン モースブルッガー
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/094679(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/161333(WO,A1)
【文献】 独国実用新案第20111280(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/213
F16L 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相媒体又は気相媒体用のチューブ(3)の接続部分(33)を差込継手(4)で接続する方法であって、
前記差込継手(4)は継手体(6)を有し、前記差込継手(4)の中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分(12)と、前記差込継手(4)の前記中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第2のジャケット部分(15)とによって、前記継手体(6)に環状空間(22)を形成し、前記第1のジャケット部分(12)は前記第2のジャケット部分(15)によって包囲され、前記第1及び第2のジャケット部分(12、15)は第2の端部部分(24)で互いに開き、そうすることによって前記継手体(6)のチューブ受容側(25)が形成され、
第1の方法ステップで、前記チューブ(3)の接続部分(33)は、前記継手体(6)の前記チューブ受容側(25)から前記差込継手(4)の前記環状空間(22)内に差し入れられて位置決めされ、
第2の方法ステップで、プレス工具(50)が、前記第1のジャケット部分(12)と前記第2のジャケット部分(15)との間にある前記チューブ(3)の前記接続部分(33)を前記第2のジャケット部分(15)の方向で変形させながら前記継手体(6)の前記第1のジャケット部分(12)を同時に変形させ、そうすることによって前記チューブ(3)の前記接続部分(33)が前記第1のジャケット部分(12)と前記第2のジャケット部分(15)との間で締め付けられ、
前記第2のジャケット部分(15)は前記チューブ受容側(25)の前縁部(38)にテーパ(39)を有し、それにより前記チューブ(3)の前記接続部分(33)が前記第2のジャケット部分(15)に当接する前に、圧縮工程中に前記チューブ(3)の前記接続部分(33)が少なくとも前記前縁部(38)から離れた前記環状空間(22)の区域で前記第2のジャケット部分(15)の方向で自由に変形することが確保される方法において、
間隔測定装置(52)によって、少なくとも2つの軸方向で互いに離間した測定点で前記第2のジャケット部分(15)の外側ジャケット面(19)の位置と、前記チューブ(3)のジャケット外面(36)の位置及び/又は前記第1のジャケット部分(12)の外側ジャケット面(14)の位置とが検出される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のジャケット部分(15)の外側ジャケット面(19)の位置と、前記チューブ(3)のジャケット外面(36)の位置から、前記外側ジャケット面(19)と前記ジャケット外面(36)との間の間隔(61)が計算される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のジャケット部分(12)が変形する前及び/又は変形する間に、間隔測定装置(52)によって前記第2のジャケット部分(15)に配置された第1の窓開口部(53)及び/又は第2の窓開口部(54)を通して、前記第1及び第2の窓開口部(53、54)に向けられた前記チューブ(3)の前記ジャケット外面(36)が検出され、前記第1のジャケット部分(12)の変形が間隔測定装置(52)によって行われる前記チューブ(3)の前記ジャケット外面(36)の検出の結果に依存して実行される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
間隔測定装置(52)として、圧縮工程中に所定の長手方向区域(59)で少なくとも2つの測定点(55、56)検出するプロファイルセンサ(58)を使用する、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
圧縮工程中に前記チューブ(3)の壁厚(37)が、プレス工具(50)の現在位置に関する情報と、間隔測定装置(52)によって検出された窓開口部(53、54)に面する前記チューブ(3)のジャケット外面(36)の位置の測定値とに基づいて計算されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記チューブ(3)の前記接続部分(33)を前記差込継手(4)の前記環状空間(22)に差し入れる前に、前記第1のジャケット部分(12)が間隔測定装置(52)によって検出されることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記チューブ(3)の前記接続部分(33)の前記環状空間(22)内への正確な差込位置が間隔測定装置(52)によって検出されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
求項1〜7の何れか一項に記載の方法で使用する差込継手(4)であって、
該差込継手(4)は継手体(6)を備え、該継手体(6)は液相媒体又は気相媒体用のチューブ(3)の接続部分(33)を受容するための環状空間(22)を有し、該環状空間(22)は、前記差込継手(4)の中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分(12)と、前記差込継手(4)の前記中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第2のジャケット部分(15)との間に存在し、前記第1のジャケット部分(12)は前記第2のジャケット部分(15)によって包囲され、前記第1及び第2のジャケット部分(12、15)は第2の端部部分(24)で互いに開き、そうすることによって前記継手体(6)のチューブ受容側(25)が形成され、
前記第2のジャケット部分(15)は前記チューブ受容側(25)の前縁部(38)にテーパ(39)を有している差込継手において、
前記第2のジャケット部分(15)に第1の窓開口部(53)と第2の窓開口部(54)とが形成され、前記第1の窓開口部(53)は前記テーパ(39)の区域に形成されている、ことを特徴とする差込継手。
【請求項9】
前記環状空間(22)の導入区域幅(40)は、前記環状空間(22)の主要区域幅(23)より小さい、ことを特徴とする請求項8に記載の差込継手。
【請求項10】
前記環状空間(22)の導入区域幅(40)は、前記環状空間(22)の主要区域幅(23)の50%〜99%ある、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の差込継手。
【請求項11】
前記テーパ(39)は軸方向長さ(41)が、1mm〜20mm形成されている、ことを特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の差込継手。
【請求項12】
前記テーパ(39)は、前記第2のジャケット部分(15)の内径(43)に対して0.1mm〜10mm張出部(42)が突出して形成されている、ことを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の差込継手。
【請求項13】
前記第2のジャケット部分(15)の外周に、3つの第1の窓開口部(53)と3つの第2の窓開口部(54)と分布して形成され、前記第1及び第2の窓開口部(53、54)は前記第2のジャケット部分(15)の外周にそれぞれ互いに120°の角度で配置されている、ことを特徴とする請求項8〜12の何れか一項に記載の差込継手。
【請求項14】
込継手(4)であって、
該差込継手(4)は液相媒体又は気相媒体用のチューブ(3)の接続部分(33)を受容するための環状空間(22)を有する継手体(6)を備え、該環状空間(22)は、前記差込継手(4)の中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分(12)と、前記差込継手(4)の前記中央長手方向軸線(9)を断面視環状に包囲するスリーブ状の第2のジャケット部分(15)との間に存在し、前記第1のジャケット部分(12)は前記第2のジャケット部分(15)によって包囲され、前記第1及び第2のジャケット部分(12、15)は第2の端部部分(24)で互いに開き、そうすることによって継手体(6)のチューブ受容側(25)が形成され、前記第1のジャケット部分(12)に同様に前記継手体(6)内に成形されたシール受容部(27)が続き、シール受容部(27)の中にシール要素(5)が受容されている差込継手(4)において、
前記シール要素(5)の幅(64)は取り付けられていない状態で前記シール受容部(27)の幅(65)より大きく、前記シール要素(5)は前記シール受容部(27)内で軸方向に締め付けられて受容される、ことを特徴とする差込継手。
【請求項15】
前記シール受容部(27)は端壁(29)と第2の端壁(66)とによって境界が定められ、前記シール受容部(27)は中央長手方向軸線(9)の方向でテーパ(67)を有する、ことを特徴とする請求項14に記載の差込継手。
【請求項16】
前記テーパ(67)は、前記第2の端壁(66)が前記端壁(29)に対して特定の角度(68)で配置されていることによって形成されている、ことを特徴とする請求項15に記載の差込継手。
【請求項17】
ラグアセンブリ(1)であって、差込継手(4)と、該差込継手(4)と接続されている液相媒体又は気相媒体用のチューブ(3)とを有するプラグアセンブリ(1)において、
前記差込継手(4)は請求項8〜16の何れか一項に記載の差込継手である、ことを特徴とするプラグアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を差込継手で接続する方法、差込継手、及びチューブと差込継手を有するプラグアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、液相媒体又は気相媒体用の管の端部部分を差込継手で接続する方法が知られている。液相媒体又は気相媒体用の管は、軟弾性プラスチックチューブである。この接続方法では、差込継手の第1の壁部分と第2の壁部分との間にある管の端部区域を圧縮工具で変形させながら、差込継手の第1の壁部分を第2の壁部分に向かって変形させる。第1の壁部分が変形する前及び/又は変形する間に、少なくとも1つの間隔測定装置により、第1の壁部分又は第2の壁部分内に配置された窓開口部を通して窓開口部に向けられた管の表面が検出され、第1の壁部分の変形が間隔測定装置によって行われた管の端部部分の表面の検出の結果に依存して行われる。差込継手の第1の壁部分も第2の壁部分も円筒状の壁面を有しており、そうすることにより中に管を受容できる中空円筒状の環状空間が形成されている。
【0003】
特許文献1に記載された管の端部部分を差込継手で接続する方法、又は差込継手の構成形態は、進行中の圧縮若しくは必要な圧縮度を不十分にしか制御できないという難点がある。
【0004】
特許文献2及び特許文献3により、管の端部部分で差込継手を固定する別の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オーストリア特許発明第509196(Bl)号明細書
【特許文献2】オーストリア特許発明第511705(Bl)号明細書
【特許文献3】国際公開第2015/161333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、先行技術の難点を克服して、チューブと差込継手との間の改善された接続を作ることができる装置と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は特許請求の範囲に記載された装置及び方法によって解決される。
【0008】
本発明により液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を差込継手で接続する方法が設けられており、差込継手は環状空間を有する継手体を含んでおり、環状空間は、横断面で差込継手の中央長手方向軸線を環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分と、横断面で差込継手の中央長手方向軸線を環状に包囲するスリーブ状の第2のジャケットセクションとから構成されている。第1のジャケット部分は第2のジャケット部分によって包囲されていて、ジャケット部分は第2の端部部分で互いに開いており、そうすることによって継手体のチューブ受容側が形成されている。
第1の方法ステップで、チューブの接続部分が継手体のチューブ受容側から差込継手の環状空間内に差し入れられて位置決めされる。
第2の方法ステップで、プレス工具が、同時に第1のジャケット部分と第2のジャケット部分との間にあるチューブの接続部分を第2のジャケット部分に向かって変形させながら継手体の第1のジャケット部分を変形させ、そうすることによってチューブの接続部分が第1のジャケット部分と第2のジャケット部分との間で締め付けられる。
第2のジャケット部分はチューブ受容側の前縁部にテーパを有しており、それにより圧縮工程中に、チューブの接続部分が第2のジャケット部分に当接する前に、チューブの接続部分が少なくとも前縁部から離れた環状空間の区域で第2のジャケット部分に向かって自由に変形することが確保される。
【0009】
本発明による方法の利点は、テーパにより、圧縮工程中に、チューブの接続部分が第2のジャケット部分に当接する前に、チューブの接続部分が少なくとも前縁部から離れた環状空間の区域で第2のジャケット部分に向かって自由に変形することが確保されることである。そうすることによって圧縮工程中にチューブの壁厚を検出できるようになる。更にこの方策によりチューブの表面の位置を正確に検出できるため、圧縮工程中にいつチューブのジャケット外面が第2のジャケット部分のジャケット内面に当接するか連続的に監視できる。それによってチューブと継手体との間の圧縮品質を監視でき、量産中に均一な圧縮結果を達成できる。このチューブの圧縮度を監視する可能性が生じるのは、チューブが圧縮工程中に少なくとも圧縮の初期段階で第2のジャケット部分に向かって自由に変形され得る場合に限られる。このことはテーパによって確保することができる。なぜなら第2のジャケット部分に当接することになっているチューブの外径があまりに大きいと、テーパに基づいて環状空間内に導入できず、その結果不良品としてはねられるからである。
【0010】
更に、間隔測定装置によって、少なくとも2つの軸方向で互いに離間した測定点で第2のジャケット部分の外側ジャケット面の位置と、チューブの表面の位置及び/又は第1のジャケット部分の外側ジャケット面の位置が検出されるならば、目的に適っていよう。この場合の利点は、間隔測定装置により圧縮工程の前にジャケット面の位置若しくはチューブの位置を検出できること、及び圧縮工程中に実際の圧縮度を検出できることであり、その際にプレス装置の制御装置は実際の圧縮度と所望された圧縮度に基づいて後続の加工ステップを計算できる。
【0011】
更に、第2のジャケット部分の外側ジャケット面の位置と、チューブの表面の位置から、これら両表面の間の間隔が計算されるようにすることができる。この場合の利点は、第2のジャケット部分の外側ジャケット面の位置とチューブの表面の位置との間隔を計算することにより、チューブが第2のジャケット部分に当接する前に、第1のジャケット部分が、従ってまたチューブがどの程度変形され得るか求めることができる点である。
【0012】
更に、第1のジャケット部分が変形する前及び/又は変形する間に、間隔測定装置によって第2のジャケット部分に配置された第1の窓開口部及び/又は第2の窓開口部を通して、これらの窓開口部に向けられたチューブの表面が検出され、第1のジャケット部分の変形が間隔測定装置によって行われるチューブの表面の検出の結果に依存して実行されるようにすることができる。この場合の利点は、この方策により、圧縮工程中に第1のジャケット部分及び/又はチューブの実際の変形度を絶えず監視することができ、その情報がプレス装置の制御装置に流入できることである。
【0013】
間隔測定装置として、圧縮工程中に所定の長手方向区域で少なくとも2つの測定点、好ましくは3つ以上の測定点を検出するプロファイルセンサを使用できるようにする形態も有利である。特にプロファイルセンサを使用すると、2つ以上の場所的に互いに離れた異なる検出点を確定でき、それらの検出点で第1のジャケット部分の位置及び/又は第2のジャケット部分の位置及び/又はチューブの位置を検出できる。
【0014】
変形例により、圧縮工程中にチューブの壁厚を、プレス工具の現在位置に関する情報と、間隔測定装置によって検出された窓開口部に向けられたチューブの表面の位置の測定値に基づいて計算することが可能である。この場合の利点は、この方策によりチューブの壁厚を正確に求めることができ、そのために継手体をプレス装置に挿入する前に別個の方法ステップが必要ないことである。特にそれによってチューブの壁厚における比較的大きい不正確さを求めて、圧縮工程中にパラメータとして考慮することができる。そうすることによって複数の圧縮工程で連続的な圧縮品質を達成できる。
【0015】
更に、チューブの接続部分を差込継手の環状空間内に差し入れる前に、第1のジャケット部分が間隔測定装置によって検出されることが目的に適っていよう。この場合の利点はこの方策により第1のジャケット部分の位置を検出できることである。
【0016】
更に、チューブの接続部分の環状空間内への正確な差込位置が間隔測定装置によって検出されるようにすることができる。この場合の利点は、この方策によりチューブが正確に環状空間内に差し入れられて初めて圧縮工程が開始されるようにすることができ、それによって圧縮の品質を高められる点である。
【0017】
本発明により、特に請求項1〜8の何れか一項に記載の方法で使用する差込継手が構成される。差込継手は液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を受容するための環状空間を有する継手体を含んでおり、この環状空間は、横断面で差込継手の中央長手方向軸線を環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分と、横断面で中央長手方向軸線を環状に包囲する差込継手のスリーブ状の第2のジャケット部分との間にあり、第1のジャケット部分は第2のジャケット部分によって包囲されていて、ジャケット部分は第2の端部部分で互いに開いており、そうすることによって継手体のチューブ受容側が形成されている。第2のジャケット部分はそのチューブ受容側の前縁部にテーパを有している。
【0018】
差込継手の本発明による構成の利点は、テーパにより、圧縮工程中に、チューブの接続部分が第2のジャケット部分に当接する前に、チューブの接続部分が少なくとも前縁部から離れた環状空間の区域で第2のジャケット部分に向かって自由に変形され得るように確保されることである。
【0019】
特別の形態により、環状空間の導入区域幅が環状空間の主要区域幅より小さいことが可能である。この場合の利点は、この方策により必要な寸法を有していないチューブの導入を回避できることである。
【0020】
有利な変形例に従い、環状空間の導入区域幅は、環状空間の主要区域幅の50%〜99%、特に70%〜95%、好適には88%〜92%とすることができる点である。特にこの大きさの範囲の導入区域幅は、チューブの寸法を制限するのに理想的に適している。
【0021】
特に、テーパは軸方向長さが1mm〜20mm、特に2mm〜15mm、好適には2mm〜8mmに形成されていると有利であり得る。上記の長さで延在するテーパは、特に簡単且つ効率的に作製できる。
【0022】
更に、テーパは、第2のジャケット部分の内径に対して0.1mm〜10mm、特に0.3mm〜3mm、好適には0.4mm〜1mmの張出部が突出して形成されているようにすることができる。上述した大きさの比で継手体を構成することは、有利な効果を実現するのに特に適している。
【0023】
更に、第2のジャケット部分の第1の窓開口部と第2の窓開口部が形成されており、第1の窓開口部はテーパの区域に形成されているようにすることができる。この場合の利点はプレス機械内に配置された間隔測定装置によってチューブの表面を検出するために若しくは第1のジャケット部分の表面を検出するために窓開口部を設けることができる点である。
【0024】
第2のジャケット部分の外周に分布して3つの第1の窓開口部と3つの第2の窓開口部が形成されており、これらの窓開口部は第2のジャケット部分の外周にそれぞれ互いに120°の角度で配置されているようにすることができる形態も有利である。この場合の利点は、この方策により継手体の真円度若しくは正確な形状を検出できることである。
【0025】
プロファイルセンサによって角度、段差及び位置を認識して追跡できる。検出されたデータを慣用のフィールドバスシステムに変換するために、出力モジュールが設けられてよい。それによって測定結果は評価又は後続処理のためにデジタル又はアナログモジュールを介して出力される。プロフィル情報は、例えば測定対象の表面に投影されたレーザーラインによって達成できる。拡散反射した光は光学系を通してセンサマトリックスに結像される。センサはカメラ画像からプロフィルデータを計算し、そこから直接関連する特性値を計算する。次にこれらの特性値は直接RS422によって又は出力モジュールと組み合わせて制御装置に転送される。更に、プロファイルセンサから評価された切替信号が直接公差を伴って出力されることも考えられる。
【0026】
更に、本発明により、特に道路走行車両に使用するための差込継手が構成される。この差込継手は液相媒体又は気相媒体用のチューブの接続部分を受容するための環状空間を有する継手体を含んでおり、環状空間は、横断面で差込継手の中央長手方向軸線を環状に包囲するスリーブ状の第1のジャケット部分と、横断面で中央長手方向軸線を環状に包囲する差込継手のスリーブ状の第2のジャケット部分との間にあり、第1のジャケット部分は第2のジャケット部分によって包囲されていて、ジャケット部分は第2の端部部分で互いに開いており、そうすることによって継手体のチューブ受容側が形成されており、第1のジャケットセクションに同様に継手体内に成形されたシール受容部が続いていて、その中にシール要素が受容されている。シール要素はシール受容部内で軸方向に締め付けられて受容されている。
【0027】
本発明による差込継手の構成の利点は、シール受容部内でシール要素を軸方向に締め付けることによって、シール受容部内におけるシール要素の特に良好な座着を達成できることである。そうすることによってシール受容部内でシール要素が好ましくなく滑って位置がずれるのを回避できる。それによりシール要素のシールリップが対向差込継手と協働する位置を正確に確定して、差込継手と対向差込継手との間に密な接続を提供することができる。
【0028】
更に、シール要素の幅は取り付けられていない状態でシール受容部の幅より大きいようにすることができる。この方策により、シール要素はシール受容部内に取り付けるとシール受容部の端壁と第2の端壁との間に締め付けられて、弾性変形或いはまた塑性変形することもできる。それによりシール要素は取り付けられた状態で締め付けられている。
【0029】
更に、シール受容部は端壁と第2の端壁によって限定されており、シール受容部は中央長手方向軸線に向かってテーパを有するようにすることができる。この方策によりシール受容部内におけるシール要素の特に良好な座着を達成できる。なぜならシール要素はその内側で外側よりも強く締め付けられているからである。
【0030】
更に、テーパは、端壁に対して第2の端壁が特定の角度で配置されていることによって形成されているようにすることができる。この方策によりシール受容部内におけるシール要素の特に良好な座着を達成できる。なぜならシール要素はその内側で外側よりも強く締め付けられているからである。
【0031】
本発明を理解しやすくするために以下の図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図面は、それぞれ著しく簡略された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】プラグアセンブリの1/4を切断した斜視図である。
図2】プラグアセンブリを装備した車両の図である。
図3】プラグアセンブリの分解断面図である。
図4図3によるプラグアセンブリをプレス機械に組み付けた位置における断面斜視図である。
図5】圧縮されていない状態のプラグアセンブリと停止位置にあるプレス機械の断面図である。
図6】圧縮された状態のプラグアセンブリと作動位置にあるプレス機械の断面図である。
図7】シール受容部内に受容されたシール要素の詳細を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
最初に確認しておくと、記載された種々の実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に準用され得る。説明において選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明及び表示された図を基準としており、位置が変化した場合には新しい位置に準用されるものとする。
【0035】
図1は、プラグアセンブリ1の斜視図を示しており、全体の1/4が切断して表現されている。更に、図1にはプラグアセンブリ1と接続できる対向差込継手2が概略的に表現されている。プラグアセンブリ1と対向差込継手2との協働は、オーストリア特許出願AT509196Bl号(特許文献1)に十分記載されている。
【0036】
図1には、プラグアセンブリ1が組み立てた状態で表現されている。プラグアセンブリ1は、チューブ3、差込継手4、並びに差込継手4と対向差込継手2との間を密封するために差込継手4内に受容されたシール要素5を含んでいる。差込継手4は、継手体6を含んでおり、これは好ましくは一体型の成形品、例えば深絞り成形品として特にステンレス鋼板から作製されている。
【0037】
図2は、図1に従うプラグアセンブリ1を取り付けた車両7の概念図を示す。図2に見られる通り、プラグアセンブリ1は好ましくは車両7、特にエンジンで道路走行する自動車に使用される。具体的にはプラグアセンブリ1は新鮮空気をエンジンに供給する種々のコンポーネントを接続するために使用される。例えば、ターボチャージャー8の吸込部分で2つの部品を接続するためにプラグアセンブリ1及び対応する対向差込継手2が設けられているようにすることができる。更に、そのような差込継手をターボチャージャー8から出る吐出側で2つのコンポーネントを接続するために使用されるようにすることもできる。
【0038】
図3は、差込継手4の中央長手方向軸線9に沿ったプラグアセンブリ1の断面図を示す。個々のコンポーネントを適切に説明できるように、これらは図3に分解図で示されている。
【0039】
図3に明瞭に見られる通り、差込継手4はばね要素11を含んでおり、このばね要素11によってプラグアセンブリ1を、プラグアセンブリ1と互いに差し入れる対向差込継手2に対して相対的な位置に確保できる。ばね要素11は、簡単に付勢及び消勢できるように構成されているので、必要に応じてプラグアセンブリ1と対向差込継手2は互いから切り離したり、互いに接続したりすることができる。
【0040】
図3に見られる通り、継手体6には差込継手4の中央長手方向軸線9をスリーブ状に包囲する第1のジャケット部分12が形成されている。言い換えれば、第1のジャケット部分12は回転対称形の中空円筒である。
【0041】
第1のジャケット部分12は、内側ジャケット面13と外側ジャケット面14を有している。この第1のジャケット部分12を、同様に中央長手方向軸線9を中心に回転対称形に形成された第2のジャケット部分15が包囲している。第1のジャケット部分12は第2のジャケット部分15と第1の端部部分16で第1の端壁部分17によって接続されている。
【0042】
第1のジャケット部分12と同様に、第2のジャケット部分15も内側ジャケット面18と外側ジャケット面19を有している。
【0043】
第1のジャケット部分12は、内側ジャケット面13と外側ジャケット面14により限定されており、それによって第1のジャケット部分12の壁厚20が生じる。第2のジャケット部分15も同様に内側ジャケット面18と外側ジャケット面19により限定されており、それによって第2のジャケット部分15の壁厚21が生じる。
【0044】
両ジャケット部分12、15が互いに離間していることにより、環状空間22が生じる。環状空間22は特に半径方向で第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14と、第2のジャケット部分15の内側ジャケット面18によって限定されている。
【0045】
両ジャケット部分12、15は差込継手4の第2の端部部分24で互いに開いており、それによって継手体6のチューブ受容側25が生じる。
【0046】
第1のジャケット部分12が、第1のジャケット部分12のチューブ受容側25に形成された面取部26を有するようにすることができる。そのような面取部26は、チューブ3が容易に環状空間22内に差し込めるという利点を伴う。
【0047】
更に、差込継手4の第1の端部部分16の方向に見て、第1のジャケット部分12に同様に継手体6内に成形されているシール受容部27が続くようにすることができる。そのようなシール受容部27内にシール要素5を受容することができる。更に、シール受容部27に対向差込継手2を受容するために用いる第3のジャケット部分28が続いているようにすることができる。第3のジャケット部分28に、第3のジャケット部分28を第2のジャケット部分15と接続する端壁部分17が続くことができる。この構造若しくは関連により、既述の通り、第1のジャケット部分12は第3のジャケット部分28と端壁部分17を介して第2のジャケット部分15と接続されている。
【0048】
好適には継手体6は深絞り成形法によって作製され、継手体6のジャケット部分のすべての壁厚はほぼ大きさが等しい。
【0049】
図3に示す図に見られる通り、シール受容部27は第1のジャケット部分12に続く端壁29を有していることが目的に適っていよう。端壁29はここで特に第2のジャケット部分15に向かって曲げることができ、それによってシール要素5に対する受容器が生じる。
【0050】
端壁29を形成することは、更にプラグアセンブリ1を組み立てる過程でチューブ3を端壁29に当接するまで環状空間22内に差し入れることができるという利点を伴う。それにより端壁29は、チューブ3の位置決め工程を容易にするために用いることもできる。言い換えれば、端壁29はチューブ3の端面30に対する軸方向位置決めストッパとして用いられる。
【0051】
環状空間22の軸方向延在32は好ましくは環状空間22がチューブ3、特にこれに形成された接続部分33を受容するのに十分な長さを有する大きさに選択される。
【0052】
更に、第1のジャケット部分12はチューブ受容側25に向かって第2のジャケット部分15よりも大きく延びており、従って軸方向に見て第2のジャケット部分15に対してある間隔34だけ突出しているようにすることができる。
【0053】
図3から更に見られる通り、チューブ3はジャケット内面35とジャケット外面36を有する。ジャケット内面35とジャケット外面36から生じるチューブ3の壁厚37は、チューブ3がチューブ3内に発生する圧力に耐えられるような大きさに選択される。チューブ3の壁厚37は1mm〜20mm、特に2mm〜8mm、好適には3mm〜5.5mmであることができる。
【0054】
継手体6の第2のジャケット部分15は、チューブ受容側25の前縁部38にテーパ39を有している。テーパ39によって、圧縮工程中にチューブ3の接続部分33が第2のジャケット部分15に当接する前に、少なくとも前縁部38から離れた環状空間22の区域でチューブ3の接続部分33が第2のジャケット部分15に向かって自由に変形され得ることが確保される。
【0055】
テーパ39により、環状空間22の主要区域幅23より小さい環状空間22の導入区域幅40が生じる。環状空間22の導入区域幅40が第2のジャケット部分15内に形成されたテーパ39によって制限されていることにより、間違って寸法決定されたチューブが環状空間22内に導入されることをほぼ回避できる。
【0056】
更に、テーパ39は軸方向長さ41に延びるようにすることができる。この場合、テーパ39は連続的に変化する断面を有し、それゆえ円錐状に形成されていることが考えられる。そのように形成されたテーパ39は、製造技術上簡単に作製できる。更に、テーパ39がアーチ状に形成されていることも考えられる。更に別の変形例では、テーパ39が段差によって形成されていることも考えられる。
【0057】
しかしながらテーパ39の機能性にとって決定的なのはその形状ではなく、唯一必要なのはテーパ39が第2のジャケット部分15の主要区域の内径43に対して張出部42だけ突出して形成されていることである。
【0058】
特に、第2のジャケット部分15はテーパ39の区域で内径44が主要区域の内径43より小さくなるようにされている。
【0059】
チューブ3の内径45は、第1のジャケット部分12の外径46とほぼ同じ大きさになるように選択されている。両直径45、46は、チューブ3が第1のジャケット部分12を容易に滑り被せることができるように互いに調整されていると有利である。図示された実施例では、チューブ3の内径45は約52mmである。
【0060】
チューブ3の外径47は、好ましくはテーパ39の区域で第2のジャケット部分15の内径44より小さくなるように選択されている。そうすることによってチューブ3はプラグアセンブリ1を組み立てる間に、継手体6の環状空間22内に容易に差し入れることができる。第2のジャケット部分15がテーパ39の区域で主要区域の内径43より小さい内径44を有するように構成することによって、差し入れた状態でチューブ3は第2のジャケット部分15の主要区域においてこれに当接しないことが確保される。
【0061】
更に、チューブ3が接続部分33の区域で後部チューブ部分48におけるより大きい又は小さい壁厚37を有するようにすることができる。
【0062】
図4は、プラグアセンブリ1と併せてチューブ1を差込継手4で接続するために用いるプレス機械49を断面斜視図で示し、図5はこれらのコンポーネントを慣用的な断面図で示しており、ここでも同じ部材には上記図1図3と同じ参照符号若しくは部材名称を用いる。不必要な繰返しを避けるために、上記図1図3に関する詳細な説明の参照を求め若しくはこれに準拠する。
【0063】
図4及び図5にはプラグアセンブリ1を組み立てるための最初の方法ステップが示されており、チューブ3はまだ差込継手4と圧縮されていない。
【0064】
図6は、プラグアセンブリ1をプレス機械49と併せて斜視断面図で示しており、ここでも同じ部材には上記図1図5と同じ参照符号若しくは部材名称を用いる。不必要な繰返しを避けるために、上記図1図5に関する詳細な説明の参照を求め若しくはこれに準拠する。
【0065】
図6にはプラグアセンブリ1を組み立てるための次の方法ステップが示されており、この表現ではチューブ3は差込継手4と圧縮されているところである。
【0066】
以下にプラグアセンブリ1の組み立てを図3図6の表現を概観することによって説明する。
【0067】
プレス機械49はプレス工具50を含んでおり、これを用いて継手体6の第1のジャケット部分12を変形させることができ、それによってプラグアセンブリ1のプレス結合を作ることができる。プレス工具50は半径方向51に移動できるようにプレス機械49に配置されている。
【0068】
第1の方法ステップでプラグアセンブリ1を作製するために継手体6をプレス機械49のプレス工具50に滑り被せて圧縮工程の準備をする。このとき継手体6は、環状空間22が自由に接近できてチューブ3をその中に差し入れることができるようにプレス工具50に滑り被される。続いて第2の方法ステップでチューブ3の接続部分33を継手体6の環状空間22内に差し入れる。
【0069】
チューブ3の正しい位置を監視するために、チューブ3の存在を検出できる間隔測定装置52を設けることができる。特に継手体6の第2のジャケット部分15に第1の窓開口部53若しくは第2の窓開口部54が配置されて、それらを通って間隔測定装置52の測定光線が環状空間22内に進入でき、それによって第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14の位置若しくはチューブ3のジャケット外面36の位置を検出できるようにすることができる。
【0070】
特に、第1の窓開口部53を通して第1の測定点55を検出できるようにすることができる。第1の測定点55はチューブ3が環状空間22内に挿入されているか否かに応じて、チューブ3のジャケット外面36に当接するか、又は第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14に当接することができる。更に間隔測定装置52により第2の測定点55を検出でき、第2の測定点55は第2のジャケット部分15の外側ジャケット面19の位置を検出できる。
【0071】
更に、間隔測定装置52が第2の窓開口部54を通して環状空間22内を測定するようにすることができる。その際に、第3の測定点57が検出されるようにすることができ、第1の測定点55と同様に第3の測定点57でチューブ3の位置又は第1のジャケット部分12の位置が検出され得る。特に、間隔測定装置52はプロファイルセンサ58の形式で構成されているようにすることができる。
【0072】
更に、間隔測定装置52により所定の長手方向区域59で多数の測定点が検出されるようにすることができる。
【0073】
チューブ3の正しい位置決めは、特に第3の測定点57によって求めることができる。このことは、第3の測定点57の区域で第3の測定点57の検出された間隔がチューブ3又は第1のジャケット部分12にあるか評価されることによって実現できる。第3の測定点57がチューブ3にある場合、これはチューブ3が正しく継手体6内に挿入されていることの印である。
【0074】
更に、既にチューブ3を挿入する前に第1の測定点55及び/又は第2の測定点56及び/又は第3の測定点57が検出され、それによってプレス工具50における継手体6の正確な位置を監視できることが考えられる。特に、それによって第1のジャケット部分12の外径46を検出できるようになる。
【0075】
チューブ3を挿入した後、間隔測定装置52によってチューブ3の外径47を検出できる。更に、第2のジャケット部分15の外径60を検出できる。
【0076】
第2のジャケット部分15の外側ジャケット面19の位置と、チューブ3のジャケット外面36の位置から、間隔61を計算できる。間隔61は、特に第2のジャケット部分15の外径60とチューブ3の外径47の直径差の半分に相当する。この間隔61からなおも第2のジャケット部分15の壁厚21を差し引くと、第2のジャケット部分15の内側ジャケット面18とチューブ3のジャケット外面36の間の空隙62が得られる。この空隙62は、チューブ3が第2のジャケット部分15に当接する前に、少なくとも変形されなければならない間隔である。
【0077】
代替的な実施形態において、チューブ3は第1の方法ステップで継手体6の環状空間22内に挿入され、第2の方法ステップで初めて継手体6は挿入されたチューブ3と一緒にプレス工具50に滑り被されるようにすることもできる。
【0078】
継手体6が正確に継手体6に位置決めされて、チューブ3が正確に継手体6の環状空間22内に挿入されると、チューブ3を差込継手4と接続するための圧縮工程を開始できる。その場合にプレス工具50を第1のジャケット部分12のジャケット面13に当接するまで半径方向51で外方に動かす。
【0079】
続いて第1のジャケット部分12がプレス工具50によって第2のジャケット部分15に向かって半径方向51に変形される。このときチューブ3のジャケット内面35が第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14に当接し、それによってチューブ3も変形する。プレス機械49内に測定装置が設けられており、それによってプレス工具50の位置を常時正確に検出できる。そうすることによって若しくは第1のジャケット部分12の壁厚20を知ることによって、第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14の位置も圧縮工程中常時正確に決定できる。
【0080】
さて、第1のジャケット部分12の外側ジャケット面14がチューブ3のジャケット内面35に当接すると、チューブ3の変形によりチューブ3のジャケット外面36を検出する第1の測定点55によってチューブ3の壁厚37も計算できる。チューブ3の壁厚37のこの計算は、継手体6内でチューブ3を十分厚く圧縮するために必要なチューブ3の必要な変形度を決定するために用いることができる。
【0081】
第1の測定点55及び/又は第3の測定点57を絶えず検出することにより、いつチューブ3のジャケット外面36が第2のジャケット部分15の内側ジャケット面18に当接するかも決定できる。
【0082】
この時点以降は第1のジャケット部分12が変形する度にチューブ3の弾性変形及び/又は塑性変形、及びそれによりチューブ3の圧潰を来す。特にチューブ3は、図6に良く見られる通り、チューブを保持する働きをする狭窄部63が生じるまで変形される。
【0083】
プレス工程が終了したら、圧縮されたプラグアセンブリ1を取り出すことができるようにするために、プレス工具50を再び半径方向51で内方に動かすことができる。
【0084】
図7は、別の実施例においてプラグアセンブリ1のシール受容部27の詳細を斜視断面図で示しており、ここでも同じ部材には上記図1図6と同じ参照符号若しくは部材名称を用いる。特に方向付けを容易にするために、図7に示された細部は図3にマーキングされている。不必要な繰返しを避けるために、上記図1図6に関する詳細な説明の参照を求め若しくはこれに準拠する。
【0085】
図7に見られる通り、シール要素5が軸方向に締め付けられてシール受容部27内に受容されているようにすることができる。このことは特に、取り付けられていない状態でシール要素5の幅64がシール受容部27の幅65より大きいことによって達成できる。シール要素5はその弾性により過大であるにもかかわらずシール受容部27に挿入でき、シール要素5は組み入れる際に実質的に変形される。それゆえシール要素5をシール受容部27内に組み入れた後ではシール要素5の幅64とシール受容部27の幅65は同じ大きさになる。
【0086】
シール受容部27の幅65に対する取り付けられていないシール要素5の幅64の過大寸法は、3mm〜0.01mm、特に2mm〜0.1mm、好適には1.5mm〜0.3mmであってよい。
【0087】
特に、シール受容部27は端壁29と第2の端壁66によって限定されるようにすることができ、その場合にシール受容部27は中央長手方向軸線9に向かってテーパ67を有する。テーパ67を形成するために、端壁29が第1のジャケット部分12に対して直角に配置されているようにすることができる。第2の端壁66は端壁29に対して特定の角度68で配置されてよい。言い換えれば、このような実施形態において端壁29と第2の端壁66は平行に延びていない。角度68は0.1°〜60°、特に10°〜50°、好適には30°〜45°であってよい。この方策により、シール受容部内27におけるシール要素5の座着を改善できる。
【0088】
この代替として、第2の端壁66が第1のジャケット部分12に対して直角に配置され、端壁29が第2の端壁66に対して特定の角度68で配置されているようにすることもできる。
【0089】
更に別の実施形態において、端壁29も第2の端壁66も第1のジャケット部分12に対して直角と異なる角度68で配置されてテーパが形成されているようにすることもできる。
【0090】
更に、端壁29も第2の端壁66も第1のジャケット部分12に対して直角に配置されてテーパが形成されないようにすることもできる。この実施形態ではシール受容部内27におけるシール要素5の締付けは、シール要素5の締め代によって達成できる。
【0091】
更に、第2の端壁66はループ69の形状で形成されているようにすることができる。そうすることによって第2の端壁66のために必要な所要スペースが可能な限り少なくなるようにできる。
【0092】
以上の実施例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で言っておくと、本発明は特別に図示された本発明の実施形態に制限されておらず、むしろ個々の実施形態を互いに種々組み合わせることが可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する専門家の能力の範囲内にある。
【0093】
保護範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面を援用すべきである。図示及び説明された種々の実施例に基づく個々の特徴又は複数の特徴の組合せは、それ自体で独自の発明による解決をなすことができる。独自の発明による解決の根底にある課題は詳細な説明から読み取ることができる。
【0094】
具体的な説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1〜10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1〜1.7又は3.2〜8.1又は5.5〜10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0095】
念のため最後に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、要素は一部縮尺通りではなく及び/又は拡大及び/又は縮小して表現された。
【符号の説明】
【0096】
1 プラグアセンブリ
2 対向差込継手
3 チューブ
4 差込継手
5 シール要素
6 継手体
7 車両
8 ターボチャージャー
9 差込継手の長手方向軸線
11 ばね要素
12 第1のジャケット部分
13 内側ジャケット面
14 外側ジャケット面
15 別のジャケット部分
16 差込継手の第1の端部部分
17 端壁部分
18 内側ジャケット面
19 外側ジャケット面
20 第1のジャケット部分の壁厚
21 第2のジャケットの壁厚
22 環状空間
23 環状空間の主要区域幅
24 差込継手の第2の端部部分
25 チューブ受容側
26 面取部
27 差込継手のシール受容部
28 第3のジャケット部分
29 シール受容部の端壁
30 チューブ端面
31 第1のジャケット部分の端壁
32 環状空間の軸方向延在
33 接続部分
34 間隔
35 チューブのジャケット内面
36 チューブのジャケット外面
37 チューブの壁厚
38 前縁部
39 テーパ
40 環状空間の導入区域幅
41 テーパの軸方向長さ
42 テーパの張出部
43 第2のジャケット部分主要区域の内径
44 第2のジャケット部分のテーパの内径
45 チューブの内径
46 第1のジャケットの外径
47 チューブの外径
48 チューブ後部部分
49 プレス機械
50 プレス工具
51 半径方向
52 間隔測定装置
53 第1の窓開口部
54 第2の窓開口部
55 第1の測定点
56 第2の測定点
57 第3の測定点
58 プロファイルセンサ
59 測定点の長手方向区域
60 第2のジャケット部分の外径
61 チューブと第2のジャケット部分の間隔
62 空隙
63 狭窄部
64 シール要素の幅
65 シール受容部の幅
66 第2の端壁
67 テーパ
68 角度
69 ループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7